(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070016
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】筆記具入れ
(51)【国際特許分類】
A45C 11/34 20060101AFI20240515BHJP
A45C 13/00 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A45C11/34 104
A45C11/34 A
A45C13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180345
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】野坂 丈晴
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA17
3B045CE10
3B045EA02
3B045EB09
3B045FB01
3B045FC04
(57)【要約】
【課題】筆記具を安定した姿勢で机上に立てて設置することが可能であって、消しゴムなどの小物を簡単に取り出すことができるとともに持ち運びの際に嵩張らない状態にすることが可能な筆記具入れを提供する。
【解決手段】筆記具入れ1は、透明な硬質のプラスチックによって形成され、筆記具10が収容される円筒状の本体2と、この本体2の両端にそれぞれ着脱可能に取り付けられる蓋3を備えている。本体2の外周面2aには、上部に線ファスナー7が取り付けられたポケット4が設けられ、上端2bと下端2cの近くに雄ネジ部5a、5bが設けられ、本体2の内部は一対の仕切板6、6によって4つに仕切られている。蓋3は、本体2に外挿される円筒状の蓋本体8と、側面視円錐台状をなす閉塞部材9からなり、蓋本体8の内周面8aには、雄ネジ部5a、5bに螺合する雌ネジ部5cが設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒体の下端が閉塞された形状をなし、筆記具が収容される本体と、
この本体の両端にそれぞれ着脱可能に取り付けられる蓋と、を備え、
前記蓋は、前記本体に対し、上端に取り付けられた場合に開口部を塞ぎ、前記下端に取り付けられた場合に台座となることを特徴とする筆記具入れ。
【請求項2】
前記蓋は、前記本体の前記上端又は前記下端に外挿可能な円筒状の蓋本体を備え、
前記本体の外周面には、前記上端と前記下端の近くにそれぞれ雄ネジ部が形成され、
前記蓋本体の内周面には、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具入れ。
【請求項3】
前記本体の内部には、仕切板が円筒軸と平行に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具入れ。
【請求項4】
前記本体の外周面に、上部が開口し、柔軟性を有する部材によって形成されたポケットが設けられており、
前記ポケットは、前記上部が開閉可能な構造であって、かつ、前記上部に開口部開閉手段が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具入れ。
【請求項5】
前記ポケットは、前記本体の前記外周面に接続される部分が蛇腹状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の筆記具入れ。
【請求項6】
前記ポケットが透明な部材によって形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の筆記具入れ。
【請求項7】
前記本体と前記蓋が硬質のプラスチックによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の筆記具入れ。
【請求項8】
前記本体を形成する前記プラスチックが透明であることを特徴とする請求項7に記載の筆記具入れ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具を消しゴムなどとともに持ち運ぶ際に用いられる筆記具入れに係り、特に、筆記具を立てた状態で机上に設置することが可能な筆記具入れに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、職場や家庭などの机には、ペンなどの筆記具を立てた状態で保持することが可能な「ペン立て」と呼ばれる文房具が設置されている。ペン立ては、場所が固定された机で作業をする場合、特に不自由を感じないが、机を移動して作業を行う場合、ペン立ては筆記具を持ち運ぶのに適した構造でなく、筆記具をペンケースなどに移し替えなければならないため、不便である。このような煩雑な作業を避けるためには、ペン立て用とペンケース用に同じ筆記具を2セット準備しておけば良いが、明らかに無駄である。
【0003】
このような課題に対処するものとして、例えば、特許文献1には「ペンケース」という名称で、筆記具を机上に立てた状態で保持する形態から、筆記具の持ち運びに適した形態に変形できる構造のケースに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明に係るペンケースは、筆記具を収容する筒状部と、この筒状部の下端部から底に向かうにしたがって外径が小さくなるように延設されるとともに、複数の折曲ヒンジを介して筒状部の内側に折り返し可能に形成された絞部と、絞部の下端から延設されて筒状部の下方を閉塞し、かつ、絞部を折り返した際に筒状部の内側に収容される底部と、筒状部の上端開口部を閉塞する蓋部を備えたことを特徴とする。
このような構造によれば、筒状部を片手で持って底部を机に押し付けることにより、筆記具を持ち運ぶのに適した形態から筆記具を立てて保持する形態へ簡単に変形させることが可能である。
【0004】
また、特許文献2には「小物収納ケース」という名称で、筆記具などの小物を収納できるとともに、机上において小物を起立姿勢で保持できる構造のケースに関する考案が開示されている。
特許文献2に開示された考案は、一端側に開口部を有し、第1シート面及び第2シート面を有して袋状に形成されたケース本体と、ケース本体に設けられて上記開口部を開閉する開閉部材と、ケース本体に設けられて所定の外力を付与することにより変形し、開口部の側から視たケース本体の平面視形状を内方側に第1シート面が配置されるようにして直線状から環状に変化させるととともに、所定の外力を付与することによりケース本体の平面視形状を環状から直線状に復帰させる芯材と、第1シート面に設けられ、第1シート面の長手方向における中央部を開口部が開く側に引き出すとともに、第1シート面における開口部側の端縁部同士を、環状となったケース本体の周方向端部同士に近接するように位置させた状態で着脱自在に仮止めする仮止め部材と、第1シート面に設けられ、環状となったケース本体の底部に配置される底板を備えたことを特徴とする。
このような構造のケースによれば、収納する小物の量に応じてコンパクトな状態で携行できるとともに、小物を起立姿勢で保持・収納することが可能である。
【0005】
さらに、特許文献3には「筆記具ケース」という名称で、ペン立てとしても利用できる構造のケースに関する考案が開示されている。
特許文献3に開示された考案は、内部に収納空間を有するケース本体と、このケース本体の幅方向の一端側と長手方向の一端幅側の領域にかけて設けられてチャックにより開閉するケース本体の開閉手段を備えた筆記具ケースにおいて、ケース本体が開閉手段を閉位置にしたときに強制的な折り曲げ力を受けて折れ曲がる一方、開閉手段を開位置にしたときに所定の角度開くように設けられ、開閉手段のチャックを構成する一対のレールの各基部間に筆記具の脱落防止帯が設けられ、この脱落防止帯がケース本体に対して着脱可能であることを特徴とする。
このような構造によれば、ケース本体の閉塞状態を解除するだけで、手で拡げる操作をすることなく、折り曲げ力を受けない状態までケース本体を開いて、収納されている筆記具を容易に取り出すことができる。また、開閉手段を開くだけでケース本体が起立可能となるため、ペン立てとして利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-118139号公報
【特許文献2】実用新案登録第3201978号公報
【特許文献3】実用新案登録第3217012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された発明では、消しゴムなどの小物がペンなどの筆記具と一緒に筒状部の中に収容される構造となっているため、消しゴムを取り出そうとして筒状部を傾けると筆記具も一緒に出てきてしまうため、消しゴムだけを取り出すことが難しいという課題があった。
また、特許文献2に開示された考案では、消しゴムとペンが一緒にケース本体の内部に収納される構造であるため、消しゴムだけを取り出すことが容易でないという課題があった。また、当該考案では、机の上などに設置された場合にケース本体の上端側と下端側の外径が等しいため、設置状態が安定しないという課題もあった。
さらに、特許文献3に開示された考案では、机の上などに設置された場合に机の上面に接する部分の面積が狭いため、設置状態が安定せず、ケース本体が倒れ易いという課題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に対処してなされたものであり、筆記具を安定した姿勢で机上に立てて設置することが可能であって、消しゴムなどの小物を簡単に取り出すことができるとともに持ち運びの際に嵩張らない状態にすることが可能な筆記具入れを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第1の発明は、円筒体の下端が閉塞された形状をなし、筆記具が収容される本体と、この本体の両端にそれぞれ着脱可能に取り付けられる蓋と、を備え、蓋は、本体に対し、上端に取り付けられた場合に開口部を塞ぎ、下端に取り付けられた場合に台座となることを特徴とする。
第1の発明においては、机の上面に対して本体の円筒軸が垂直になるように設置する際に蓋を本体の下端に取り付けると、本体のみを設置する場合よりも机との接触面積が広くなることから、設置状態が安定するという作用を有する。また、第1の発明においては、蓋を本体の上端に取り付けると、本体の開口部が蓋によって塞がれるため、鞄などに入れて持ち運ぶ際に本体から筆記具が外部へこぼれ出すおそれがないという作用を有する。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、蓋は、本体の上端又は下端に外挿可能な円筒状の蓋本体を備え、本体の外周面には、上端と下端の近くにそれぞれ雄ネジ部が形成され、蓋本体の内周面には、雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成されていることを特徴とする。
第2の発明においては、第1の発明の作用に加え、本体の上端又は下端に取り付けられた蓋が外れ難いという作用を有する。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、本体の内部には、仕切板が円筒軸と平行に設置されていることを特徴とする。
第3の発明においては、第1の発明の作用に加え、本体に収容される筆記具の本数が少ない場合でも本体の円筒軸方向に対して筆記具が大きく傾くおそれがないという作用を有する。
【0012】
第4の発明は、第1の発明において、本体の外周面に、上部が開口し、柔軟性を有する部材によって形成されたポケットが設けられており、ポケットは、上部が開閉可能な構造であって、かつ、上部に開口部開閉手段が設置されていることを特徴とする。
第4の発明においては、第1の発明の作用に加え、消しゴムなどの小物をポケットに入れることで筆記具と分けた状態で収納できるため、消しゴムなどの小物を取り出す際に筆記具が邪魔にならないという作用を有する。
【0013】
第5の発明は、第4の発明において、ポケットは、本体の外周面に接続される部分が蛇腹状に形成されていることを特徴とする。
第5の発明においては、第4の発明の作用に加え、ポケットに小物が収容されていないか、又はポケットに収容されている小物が少ない場合には、鞄などに入れた際にポケットの前面が他の荷物などに押されることにより蛇腹状の部分が縮んで、ポケットが嵩張らない状態になるという作用を有する。
【0014】
第6の発明は、第4の発明又は第5の発明において、ポケットが透明な部材によって形成されていることを特徴とする。
第6の発明においては、第4の発明又は第5の発明の作用に加え、ポケット内の収容物がポケットの外側から容易に視認されるという作用を有する。
【0015】
第7の発明は、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの発明において、本体と蓋が硬質のプラスチックによって形成されていることを特徴とする。
第7の発明においては、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの発明の作用に加え、本体と蓋が強度を有し、机の上に設置した際の姿勢が変化し難く、また、本体と蓋が軽いため、持ち運びが容易であるという作用を有する。
【0016】
第8の発明は、第7の発明において、本体を形成するプラスチックが透明であることを特徴とする。
第8の発明においては、第7の発明の作用に加え、本体内の収容物が本体の外側から容易に視認されるという作用を有する。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、蓋を本体の下端に取り付けると、机の上面に対して本体の円筒軸が垂直になるように設置した場合でも倒れ難いため、机で作業する際の効率が低下するおそれがない。また、第1の発明によれば、蓋を本体の上端に取り付けると、本体から筆記具がこぼれ出ることがないため、鞄などに入れて安心して持ち運ぶことができる。
【0018】
第2の発明によれば、本体の下端に蓋が取り付けられて机の上に設置されている状態で本体を持って移動させようとした場合でも蓋が本体から外れることがなく、また、本体の上端に蓋が取り付けられて鞄などに入れられた状態で持ち運ばれる場合でも鞄の中で蓋が外れて本体から筆記具がこぼれ出てしまうことがないため、第1の発明の効果に加え、机での作業を効率良く行うことができるとともに、鞄などに入れて安心して持ち運ぶことができるという効果を奏する。
【0019】
第3の発明では、本体に収容されている筆記具の傾きが略一様となるため、筆記具の長さが略同一であれば、本体から筆記具が上方へ突出する部分の長さが略同一になる。すなわち、第3の発明によれば、第1の発明の効果に加え、略同一の長さの複数の筆記具を収容した場合、本体から筆記具が上方へ突出する部分の長さが略同一になるため、それらの筆記具を容易に取り出すことができるという効果を奏する。
【0020】
第4の発明によれば、第1の発明の効果に加え、消しゴムなどの小物を容易に取り出すことができるという効果を奏する。
【0021】
第5の発明によれば、第4の発明の効果に加え、鞄などに入れた場合でも嵩張らないため、容易に持ち運ぶことができるという効果を奏する。
【0022】
第6の発明によれば、第4の発明又は第5の発明の効果に加え、ポケットの上部が閉じられている状態でもポケットの内部の状態を容易に把握することができるという効果を奏する。
【0023】
第7の発明によれば、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの発明の効果に加え、机の上に設置した際に倒れ難いため、机での作業を効率良く行うことができるとともに、簡単に持ち運ぶことができるという効果を奏する。
【0024】
第8の発明によれば、第7の発明の効果に加え、本体の上端に蓋が取り付けられている場合でも本体の内部の状態を容易に把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る筆記具入れを構成する本体及び蓋の外観を示した斜視図である。
【
図2】(a)及び(b)は
図1(b)に示した蓋が
図1(a)に示した本体の上部と下部にそれぞれ取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図3】(a)は
図2(a)におけるA-A線矢視断面を示した図であり、(b)は同図(a)において破線で囲まれた部分を拡大して示した図であり、(c)は
図2(a)におけるB-B線矢視断面の一部を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態に係る筆記具入れの構造とその作用及び効果について、
図1乃至
図3を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明では、本実施の形態に係る筆記具入れが机上などに設置された状態を想定して「上部」や「下部」あるいは「左右」などの表現を用いている。
【実施例0027】
図1(a)及び
図1(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る筆記具入れ1の本体2と蓋3の外観を示している。また、
図2(a)及び
図2(b)は蓋3が本体2の上部と下部にそれぞれ取り付けられた状態を示している。そして、
図3(a)及び
図3(c)はそれぞれ
図2(a)におけるA-A線矢視断面を示した図及びB-B線矢視断面の一部を拡大して示した図であり、
図3(b)は
図3(a)において破線で囲まれた部分を拡大して示した図である。
なお、
図3(a)では本体2の雄ネジ部と蓋3の雌ネジ部の図示及び筆記具10の図示を省略している。
【0028】
図1(a)に示すように、本発明の実施の形態に係る筆記具入れ1は、ペンなどの筆記具10を消しゴムなどとともに持ち運ぶ際に使用されるものであり、円筒体の下端2cが閉塞された形状をなし、透明な硬質のプラスチックによって形成されて筆記具10が収容される本体2と、この本体2の両端に対してそれぞれ着脱可能に取り付けられる蓋3を備えている。なお、蓋3に用いられるプラスチックは本体2に用いられるプラスチックと同じものである必要はなく、また、透明なものでなくとも良い。
本体2の外周面2aには、上部が開口し、柔軟性を有する部材によって形成され、消しゴムなどの小物が収納されるポケット4が設けられるとともに、上端2bと下端2cの近くに雄ネジ部5a、5bが設けられている。本体2の内部は、円筒の軸方向に見た場合に十字をなすように組み合わされた一対の仕切板6、6によって4つの部分に仕切られており、ポケット4の上部には開口部開閉手段として線ファスナー7が取り付けられている。
蓋3は、本体2に外挿される円筒状の蓋本体8と、側面視円錐台状をなし、蓋本体8の一方の開口端を塞ぐように蓋本体8に接合された閉塞部材9からなり、蓋本体8の内周面8aには、雄ネジ部5a、5bに螺合する雌ネジ部5cが設けられている。
【0029】
図2(a)及び
図3(a)に示すように、筆記具入れ1では、蓋3の蓋本体8を本体2の下端2cに取り付けて机の上面に対して本体2の円筒軸が垂直になるように設置した場合、本体2の外径よりも蓋本体8の外径の方が長く、さらに蓋本体8の外径よりも閉塞部材9の底面9aの直径の方が長いことから、本体2を机の上面に設置する場合に下端2cが机に接触する面積よりも閉塞部材9の底面9aが机に接触する面積の方が格段に広くなるため、設置状態が安定する。
すなわち、蓋3は、本体2の下端2cに取り付けられた場合、机との接触面積を広くして筆記具入れ1の設置状態を安定させる台座として機能する。このように、筆記具入れ1では、蓋3を本体2の下端2cに取り付けると、机の上面に対して本体2の円筒軸が垂直になるように設置した場合でも倒れ難いため、机で作業する際の効率が低下するおそれがない。
【0030】
一方、
図2(b)に示すように、筆記具入れ1では、蓋3の蓋本体8を本体2の上端2bに取り付けた場合、本体2の開口部2d(
図3(a)を参照)が蓋3によって塞がれるため、鞄などに入れて持ち運ぶ際に本体2の外部へ筆記具10がこぼれ出てしまうことがない。すなわち、筆記具入れ1では、蓋3を本体2の上端2cに取り付けることにより本体2から筆記具10がこぼれ出てしまうおそれがないため、鞄などに入れて安心して持ち運ぶことができる。
なお、筆記具入れ1では、蓋3が本体2の上端2b又は下端2cに取り付けられる場合、蓋本体8の内周面8aに設けられた雄ネジ部5cと本体2の外周面2aに設けられた雄ネジ部5a、5bが螺合するため、蓋3が本体2から外れ難い。そのため、本体2の下端2cに蓋3が取り付けられて机の上に設置されている状態で本体2を持って移動させようとした場合でも蓋3が本体2から外れることがなく、また、本体2の上端2bに蓋3が取り付けられて鞄などに入れられた状態で持ち運ばれる場合でも鞄の中で蓋3が外れて本体2から筆記具10がこぼれ出てしまうことがない。したがって、筆記具入れ1によれば、机での作業を効率良く行うことができるとともに、鞄などに入れて安心して持ち運ぶことができる。
【0031】
図3(a)乃至
図3(c)に示すように、ポケット4は透明な部材によって形成された前面部4aと、蛇腹状をなして、前面部4aを本体2の外周面2aに接続する一対の側面部4b、4b及び底面部4cと、底面部4cと略平行に配置されてポケット4の開口部を開閉自在に閉塞する一対の上面部4d、4dを備えており、上面部4dは、前面部4a又は本体2の外周面2aに接続される一端側が蛇腹状をなすとともに、他端側の上面に線ファスナー7が設置されている。
このような構造のポケット4を備えた筆記具入れ1においては、消しゴムなどの小物をポケット4に入れることで筆記具10と分けた状態で収納できるため、消しゴムなどの小物を取り出す際に筆記具10が邪魔にならない。したがって、筆記具入れ1では、消しゴムなどの小物を容易に取り出すことが可能である。また、ポケット4は一対の側面部4b、4b、底面部4c及び一対の上面部4d、4dの一部が蛇腹状をなしているため、ポケット4に小物が収容されていないか、又はポケット4に収容されている小物が少ない場合には、筆記具入れ1を鞄などに入れた際にポケット4の前面部4aが他の荷物などに押されることにより上述の蛇腹状の部分が縮んで、ポケット4が嵩張らない状態になる。すなわち、筆記具入れ1は、鞄などに入れた場合でも嵩張らないため、容易に持ち運ぶことができる。
【0032】
また、筆記具入れ1では、本体2とポケット4の前面部4aが透明であり、本体2やポケット4に収容された物が外側から容易に視認されるため、本体2の上端2bに蓋3が取り付けられている場合やポケット4の一対の上面部4d、4dが閉じられている状態でも本体2やポケット4の内部の状態を容易に把握することができる。
さらに、
図1(a)、
図2(a)及び
図3(a)に示すように、筆記具入れ1では、本体2が円筒の軸方向に見た場合に十字をなすように組み合わされた一対の仕切板6、6によって4つの部分に仕切られているため、本体2に収容される筆記具10の本数が少ない場合でも本体2の円筒軸方向に対して筆記具10が大きく傾くおそれがない。この場合、筆記具10の長さが略同一であれば、本体2から筆記具10が上方へ突出する部分の長さも略同一になる。すなわち、筆記具入れ1では、略同一の長さの複数の筆記具10を収容した場合、本体2から筆記具10が上方へ突出する部分の長さが略同一になるため、それらの筆記具10の取り出しが容易である。
そして、筆記具入れ1では、本体2と蓋3が硬質のプラスチックによって形成されており、本体2と蓋3が軽量でありながら、強度を有する構造となっている。すなわち、筆記具入れ1では、本体2と蓋3が強度を有し、机の上に設置した際の姿勢が変化し難い。したがって、筆記具入れ1では、机の上に設置した際に倒れ難いため、机での作業を効率良く行うことができる。また、筆記具入れ1では、本体2と蓋3が軽量構造であり、全体が軽いため、簡単に持ち運ぶことができる。
1…筆記具入れ 2…本体 2a…外周面 2b…上端 2c…下端 2d…開口部 3…蓋 4…ポケット 4a…前面部 4b…側面部 4c…底面部 4d…上面部 5a、5b…雄ネジ部 5c…雌ネジ部 6…仕切板 7…線ファスナー 8…蓋本体 8a…内周面 9…閉塞部材 9a…底面 10…筆記具