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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070083
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240515BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
G06F3/12 335
G06F3/12 310
B41J29/38 204
G06F3/12 360
G06F3/12 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180460
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 尚大
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ08
2C061HK07
2C061HK16
2C061HN05
2C061HP08
(57)【要約】
【課題】印刷装置の情報のみで用紙などの印刷対象物を準備する場合と比べて、印刷処理の中断を低減する。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し(510)、計画情報に基づいて、印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し(512)、印刷装置に設置された、印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、計画量情報及び実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し(514)、推定された前記推定量情報を通知する制御を行う(516)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し、
前記印刷装置に設置された、印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、
前記計画量情報及び前記実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し、
推定された前記推定量情報を通知する制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記推定量情報として、前記計画量情報に対して前記実量情報で不足する印刷対象物の量を示す情報を推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷対象物は用紙であり、前記用紙の量は前記用紙の枚数を含み、
前記プロセッサは、
前記用紙の枚数を示す情報を、前記推定量情報として推定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記印刷対象物は用紙であり、前記用紙の量は前記用紙の種類毎の枚数を含み、
前記プロセッサは、
前記用紙の種類毎の枚数を示す情報を、前記推定量情報として推定する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記印刷装置へ用紙の供給を担当する担当装置へ、前記推定量情報を通知する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記印刷装置は、異なる複数の印刷装置を含み、
前記プロセッサは、
前記複数の印刷装置毎に印刷対象物の量を推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の印刷装置は、第1の印刷処理によって第1の成果物を得る第1の印刷装置と、前記第1の成果物を用いて第2の成果物を得る第2の印刷装置とを含み、
前記プロセッサは、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの前記第1の印刷装置に対する印刷対象物の量を示す第1の計画量情報、及び前記第2の印刷装置に対する印刷対象物の量を示す第2の計画量情報を導出し、
前記第1の印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す第1の実量情報、及び前記第2の印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す第2の実量情報を取得し、
前記第1の計画量情報及び前記第1の実量情報と、前記第2の計画量情報及び前記第2の実量情報とに基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す第1の推定量情報、及び第2の推定量情報を推定し、
推定された前記第1の推定量情報、及び前記第2の推定量情報に関する情報を通知する制御を行う
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第1の推定量情報、及び前記第2の推定量情報に関する情報として、前記第1の推定量情報のみを通知する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記通知として、推定した印刷物の量を示す情報を表示する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
プロセッサに、
予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し、
前記印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、
前記計画量情報及び前記実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し、
推定された前記推定量情報を通知する制御を行う
ことを含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷に用いる用紙が不足することによって印刷が中断されることを低減させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、印刷装置に積載された印刷用紙の積載枚数を検知する手段及びインク残量から印刷可能枚数を予測する手段を有する印刷装置において、ユーザが指定した印刷枚数と検知された印刷用紙の積載枚数とインク残量から予測した印刷可能枚数から実際に印刷可能な印刷枚数を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-023918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、1日等の予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理を予め計画しておき、当該計画に従って印刷処理を遂行する場合がある。印刷処理では用紙などの印刷対象物が供給されて当該印刷対象物に文字及び画像等を印刷する等の処理が行われる。当該印刷処理では、印刷処理を遂行するために印刷装置で利用する印刷対象物を予め準備しておくことが要求される。ところが、計画に従って印刷処理を遂行する場合に、当該計画を遂行するための用紙の量を、当該計画を実行するときに把握することは困難である。予め準備した印刷対象物が無くなると、印刷処理が中断されてしまう。
【0005】
本開示は、予め定めた処理時間内に印刷処理を遂行する場合に、印刷装置の情報のみで用紙などの印刷対象物を準備する場合と比べて、印刷処理の中断を低減することができる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し、
前記印刷装置に設置された、印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、
前記計画量情報及び前記実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し、
推定された前記推定量情報を通知する制御を行う
情報処理装置である。
【0007】
本開示の第2態様は、第1態様の情報処理装置において、
前記プロセッサは、
前記推定量情報として、前記計画量情報に対して前記実量情報で不足する印刷対象物の量を示す情報を推定する。
【0008】
本開示の第3態様は、第2態様の情報処理装置において、
前記印刷対象物は用紙であり、前記用紙の量は前記用紙の枚数を含み、
前記プロセッサは、
前記用紙の枚数を示す情報を、前記推定量情報として推定する。
【0009】
本開示の第4態様は、第2態様の情報処理装置において、
前記印刷対象物は用紙であり、前記用紙の量は前記用紙の種類毎の枚数を含み、
前記プロセッサは、
前記用紙の種類毎の枚数を示す情報を、前記推定量情報として推定する。
【0010】
本開示の第5態様は、第1態様の情報処理装置において、
前記プロセッサは、
前記印刷装置へ用紙の供給を担当する担当装置へ、前記推定量情報を通知する制御を行う。
【0011】
本開示の第6態様は、第1態様の情報処理装置において、
前記印刷装置は、異なる複数の印刷装置を含み、
前記プロセッサは、
前記複数の印刷装置毎に印刷対象物の量を推定する。
【0012】
本開示の第7態様は、第6態様の情報処理装置において、
前記複数の印刷装置は、第1の印刷処理によって第1の成果物を得る第1の印刷装置と、前記第1の成果物を用いて第2の成果物を得る第2の印刷装置とを含み、
前記プロセッサは、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの前記第1の印刷装置に対する印刷対象物の量を示す第1の計画量情報、及び前記第2の印刷装置に対する印刷対象物の量を示す第2の計画量情報を導出し、
前記第1の印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す第1の実量情報、及び前記第2の印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す第2の実量情報を取得し、
前記第1の計画量情報及び前記第1の実量情報と、前記第2の計画量情報及び前記第2の実量情報とに基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す第1の推定量情報、及び第2の推定量情報を推定し、
推定された前記第1の推定量情報、及び前記第2の推定量情報に関する情報を通知する制御を行う。
【0013】
本開示の第8態様は、第7態様の情報処理装置において、
前記プロセッサは、
前記第1の推定量情報、及び前記第2の推定量情報に関する情報として、前記第1の推定量情報のみを通知する。
【0014】
本開示の第9態様は、第1態様の情報処理装置において、
前記プロセッサは、
前記通知として、推定した印刷物の量を示す情報を表示する制御を行う。
【0015】
本開示の第10態様は、
プロセッサに、
予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し、
前記印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、
前記計画量情報及び前記実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し、
推定された前記推定量情報を通知する制御を行う
ことを含む処理を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
第1態様及び第10態様によれば、予め定めた処理時間内に印刷処理を遂行する場合に、印刷装置の情報のみで用紙などの印刷対象物を準備する場合と比べて、印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
第2態様によれば、用紙の不足を考慮しない場合と比較して、印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
第3態様によれば、用紙の枚数を考慮しない場合と比較して、印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
第4態様によれば、用紙の種類を考慮しない場合と比較して、用紙の種類毎に印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
第5態様によれば、担当装置に情報を通知しない場合と比較して、印刷装置への用紙の供給を円滑に実行することができる、という効果が得られる。
第6態様によれば、複数の印刷装置に一律に推定結果を通知する場合と比較して、印刷装置毎に印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
第7態様によれば、複数の印刷装置の一部が連携する場合に、連携する印刷装置の印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
第8態様によれば、第2の印刷装置が第1の印刷装置の成果物を用いる場合に、通知する情報の一部を低減することができる、という効果が得られる。
第9態様によれば、印刷物の量を示す情報を表示することで、印刷物の量をユーザが確認可能である、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
図3】実施形態に係る資材装置の概略構成を示す図である。
図4】実施形態に係る情報処理装置の電気的な構成の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る情報処理装置で実行される情報処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る表示画面の一例を示す概念図である。
図8】実施形態に係る表示画面の一例を示す概念図である。
図9】実施形態に係る印刷機能を連携する複数の印刷装置の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0019】
本開示において「印刷対象物」とは、印刷処理を実行する場合に用いる材料を含む概念である。例えば、印刷対象の用紙、印刷処理の成果物、及び印刷処理に用いる部品及び材料等の印刷補助材料を含む概念である。また、「印刷対象物の量」とは、印刷対象物の数量を含む概念であり、また印刷対象物の種類及び数量を含む概念である。
【0020】
図1は、本開示の技術を実施するための実施形態に係る情報処理システム1の概略構成を示す図である。
【0021】
図1に示す情報処理システム1は、画像形成システム10(図2)を含む複数の印刷装置2と、担当装置としての搬送装置3、及び資材装置4と、本開示の情報処理装置の一例としての情報処理装置5と、を含む。情報処理装置5には、一例として、サーバコンピュータ、及びパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0022】
情報処理装置5は、ネットワークNTを介して、画像形成システム10を含む複数の印刷装置2の各々、搬送装置3、及び資材装置4に接続可能に構成されている。ネットワークNTの一例には、インターネット、電話回線網等の公共の通信回線、LAN(Local Area Network)、及びWAN(Wide Area Network)等のネットワークが適用される。また、ネットワークNTは、有線及び無線の通信回線の少なくとも一方のネットワークを適用可能である。なお、情報処理装置5は、仮想的な装置として、クラウドネットワーク等の仮想空間上に形成してもよい。
【0023】
本実施形態では、印刷装置2における印刷対象物の一例として用紙を適用し、印刷対象物の量の一例として、用紙の量を適用する場合を説明する。また、本実施形態では、用紙の量として、用紙の枚数、又は用紙の種類に応じた枚数を適用する場合を説明する。
【0024】
複数の印刷装置2の各々は、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能等の画像形成機能を有する装置である。例えば、印刷装置2は、PC等の図示しない端末装置からプリントジョブを受信すると、プリントジョブに基づいて、用紙Pに画像を印刷するプリント処理を実行する。印刷装置2の構成については後述する。
【0025】
搬送装置3は、印刷装置2で用いる用紙Pを、搬送元の資材装置4から搬送先の印刷装置2への用紙Pの搬送に関する制御を行う装置である。搬送装置3は、搬送制御装置32、及び搬送パレット34を備えることが可能である。用紙Pの搬送を搬送パレット34で自動処理で行う場合、搬送制御装置32で用紙Pの搬送経路を導出し、搬送制御装置32が搬送パレット34の搬送を制御すればよい。すなわち、搬送制御装置32、及び移動可能な搬送パレット34を有線又は無線で接続し、搬送パレット34の移動によって、用紙Pを搬送する。
【0026】
なお、搬送装置3は、対象の用紙の量、すなわち用紙の種類及び枚数を取得しておき、当該用紙の種類及び枚数に応じた用紙Pを搬送することが可能である。また、搬送装置3は、搬送する用紙Pを搬送元(資材装置4)から取り出したり、搬送先(印刷装置2)へ供給したりするピッキング装置を備えることも可能である。一方、用紙Pの搬送をユーザが行う場合には、搬送制御装置32は、用紙Pの搬送経路に関する情報を提供する処理を実行すればよい。
【0027】
また、搬送装置3は、図示しないCPUを含むコントローラにより用紙搬送に関する各種機能を制御可能であるが、汎用的な装置を含む周知の構成により実現可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0028】
資材装置4は、印刷装置2で用いる用紙Pを収容する装置であり、印刷装置2で用いる用紙Pに関する情報を表示する表示機能を有している。資材装置4の詳細な構成については後述する。
【0029】
情報処理装置5は、印刷計画に従って印刷処理を実行する1又は複数の印刷装置2を管理する管理装置として作動する装置であり、各印刷装置2に対して、計画的な印刷処理の実行を支援するための情報を提供する処理を実行する。情報処理装置5は、例えば、印刷装置2に収容されている用紙の量と、印刷計画で推定される用紙の量とに基づいて、印刷計画の遂行を支援するための情報を提供する。計画的な印刷処理の実行を支援する処理の一例には、複数の印刷装置2の各々における印刷計画の立案に関する処理、及び印刷計画を遂行する際に準備する情報の提供に関する処理が挙げられる。情報処理装置5で実行される情報処理については後述する。
【0030】
図2は、本開示の印刷装置の一例としての画像形成システム10の概略構成を示す図である。
【0031】
画像形成システム10は、画像形成に関する各種の固有機能を実現するために、画像形成装置12と、連結装置13と、給紙装置14A、14Bと、フィニッシャである後処理装置16A、16B、16C、16D、16Eと、を備えて構成されている。
【0032】
給紙装置14A、14Bは、それぞれ、画像形成装置12の外部から画像形成装置12に用紙を供給するための用紙給紙装置である。後処理装置16A、16B、16C、16D、16Eは、画像形成装置12で画像が形成された用紙に後処理を行った後、用紙を排出するためのものであり、例えば、ステープル、パンチ、紙折り(2つ折り、3つ折り)、のり付け、及びトリミング等を行うための装置である。
【0033】
画像形成装置12は、画像データに基づいて中間転写体上に画像を形成し、中間転写体上に形成された画像を用紙に転写することにより、用紙上に画像を形成する(印刷する)ためのものである。すなわち、画像形成装置12は、供給される用紙Pに画像を形成し、画像が形成された用紙を画像形成装置12の外部へ排出する。
【0034】
画像形成装置12は、用紙上に画像を形成する画像形成部12A及び画像形成装置12の内部に収納した用紙を画像形成部12Aに供給するための用紙収納部12Bを備えて構成されている。
【0035】
画像形成部12Aは、感光体、帯電器、光ビーム走査装置、現像器、中間転写体、転写器、除電・清掃器、転写器、及び定着器を含んで構成し(図示省略)、画像形成を行うようになっている。
【0036】
用紙収納部12Bは、同一又は異なる複数の種類の用紙Pを画像形成部12Aに供給することが可能になっている。用紙収納部12Bは、図示しない複数のトレイの各々による複数の用紙収納部を備えることが可能になっている。例えば、用紙収納部12Bは、同一、又は異なる種類の用紙を各々に収容可能に、図示しない複数(例えば4つ)のトレイの各々による複数(例えば4つ)の用紙収納部を備えることが可能である。
【0037】
画像形成装置12には、連結装置13を介して接続されている給紙装置14A、14Bの何れかから、又は用紙収納部12Bから用紙が供給される。以降では、画像形成装置12の内部に備えられた用紙収納部12Bから用紙が供給される場合を一例として説明する。
【0038】
画像形成装置12には、フィニッシャである後処理装置16A、16B、16C、16D、16Eが接続されている。画像形成装置12で画像形成された用紙は、後処理装置16A~16Eで後処理が施された後に、排出される。
【0039】
上述した画像形成システム10は、図示しないCPUにより画像形成に関する各種の固有機能を個別に制御する又は包括的に制御する図示しない制御部を備えるが、汎用的なコンピュータ装置を含む周知の構成により実現可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0040】
次に、資材装置4の一例を説明する。
図3は、本実施形態に係る資材装置4の概略構成を示す図である。
資材装置4は、用紙Pを収容可能な複数の収容空間41を有する棚40、当該用紙Pに関する情報の制御を行うコントローラ42、及び表示部44を備えている。
【0041】
用紙Pの収容空間41の各々には表示部44が配置されており、表示部44には情報処理装置5からの情報に基づいて、各々の収容空間41に収容されている用紙Pに関する情報が表示される。表示部44は、コントローラ42に接続されており、コントローラからの情報を表示する第1表示部44A及び第2表示部44Bを含む。第1表示部44Aには用紙の量を示す情報が表示されるようになっている。図示の例では、第1表示部44Aに情報処理装置5から受信された印刷装置2へ搬送する用紙Pの量が表示される。第2表示部44Bには収容空間41から用紙Pを搬送するために取り出す対象(例えばユーザ)を識別するための情報が表示されるようになっている。図示の例では、第2表示部44Bに各々異なる色で発色する5つの表示器を備え、何れか1つの表示器が点灯される。第2表示部44Bにおける表示器の色は、複数のユーザ各々に予め定められている色である。よって、資材装置4における表示部44を参照することで、ユーザは、どの位置からどれだけの用紙Pを取り出せばよいかを確認可能となる。また、上述した搬送パレット34で自動搬送する場合は、搬送パレット34に、該当する用紙Pの量及び枚数を示す情報を送信すればよい。資材装置4の作動については、後述する。
【0042】
次に、情報処理装置5の一例を説明する。
図4は、情報処理装置5の電気的な構成の一例を示す図である。
【0043】
情報処理装置5は、情報処理を実行するコンピュータ本体50を含む。コンピュータ本体50は、CPU51、RAM52、ROM53、および入出力ポート(I/O)54を備え、これらはバス56を介して互いに接続されている。バス56には、HDD(Hard Disk Drive)及び不揮発性のフラッシュメモリ等によって実現可能な記憶部55が接続されている。また、I/O54には、通信部57、およびタッチパネル等の表示装置を含む操作部としてのユーザインタフェース(UI)部58も接続可能に構成されている。
【0044】
通信部57は、ネットワークNTを介して印刷装置2、搬送装置3、及び資材装置4の各々に接続して、計画的な印刷処理の実行を支援するための情報を授受可能である。
【0045】
記憶部55には、後述する計画的な印刷処理の実行を支援するための情報処理を行う情報処理プログラム55Pが記憶される。CPU51は、情報処理プログラム55Pを記憶部55から読み出してRAM52に展開して処理を実行する。これにより、情報処理プログラム55Pを実行したコンピュータ本体50は、本開示の情報処理装置として動作する。なお、情報処理プログラム55Pは、CD-ROM等の記録媒体により提供されるようにしても良い。また、記憶部55には、情報処理で用いられるデータ55Dも記憶される。
【0046】
ところで、印刷処理を実行する場では印刷処理に用いる消耗品を含む印刷資材を予め準備する。当該印刷資材が不足すると、印刷処理が中断されるため、印刷処理の実行に十分な印刷資材を準備することが好ましい。ところが、最近では多種多様な印刷処理に対応するため、印刷資材の準備も多種多様になっている。また、印刷処理を実行する場で、印刷処理を1日単位及び時間単位の印刷業務の稼働シフトの単位で設定した印刷計画に従って計画的な印刷処理を実行する場合もあり、この場合には印刷計画に従って印刷資材を準備することが要求される。これら多種多様な印刷処理に対応したり、印刷計画に従って印刷処理を実行するには、印刷資材を準備するユーザに負荷となり、印刷処理が中断される虞もある。そこで、本実施形態では、上述した構成により印刷処理の中断を低減することができる情報処理装置を提供する。本実施形態では、印刷計画に従って印刷処理が可能な用紙の準備を可能とし、用紙に要する作業量の低減を図ることも可能である。
【0047】
次に、上記印刷処理の中断を低減することができる情報処理装置5の構成についてさらに説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理装置5の機能的な構成の一例を示す図である。
【0048】
情報処理装置5は、取得部510、導出部512、推定部514、及び制御部516の機能部を含む。情報処理装置5のCPU51が情報処理プログラム55Pを実行することで、情報処理装置5は、取得部510、導出部512、推定部514、及び制御部516として機能する。
【0049】
取得部510は、1日等の予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得する機能部である。また、取得部510は、印刷装置2に設置された用紙Pの量を示す用紙情報を、すなわち、印刷装置2で印刷処理を実行可能な用紙Pの量を示す用紙情報を実量情報として取得する機能も有する。
【0050】
なお、用紙情報は、用紙の量を示す情報であり、用紙Pの材質、質量、及びサイズ等の用紙の種類、及び枚数を示す情報を含む。
【0051】
導出部512は、取得部510で取得される計画情報に基づいて、印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの用紙Pの量を示す用紙情報を計画量情報として導出する機能部である。
【0052】
推定部514は、導出部512で導出された計画量情報、及び取得部510で取得された実量情報に基づいて、印刷処理の計画を遂行するための用紙Pの量を示す用紙情報を推定量情報として推定する機能部である。
【0053】
制御部516は、推定部514で推定された推定量情報を通知する制御を行う機能部である。
【0054】
次に、本実施形態の情報処理装置5で実行される情報処理について詳細に説明する。
【0055】
図6は、情報処理装置5で実行される情報処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す情報処理は、UI部58を介してユーザからの指示を受け付けた場合に実行される。なお、情報処理は、ユーザからの指示を受け付ける場合に限定されるものではなく、自動的に実行、例えば、予め定めた時間単位で定期的に実行してもよい。図6に示す処理ルーチンは、情報処理装置5のCPU51で実行される。
【0056】
図7は、スケジューリングされた印刷計画に対してユーザによる操作を選択させるための指示を含む表示画面の一例を示す概念図である。また、図8は、スケジューリングされた印刷計画を含む表示画面の一例を示す概念図である。
【0057】
図7に示すように、表示画面580は、作業開始ボタン581、用紙準備ボタン582、及び作業完了ボタン583の各々の指示ボタンを含んでいる。作業開始ボタン581は、スケジューリングされた印刷計画に対して、印刷装置2に対する用紙Pの準備に関連する処理を実行する作業を開始することを指示する指示ボタンである。用紙準備ボタン582は、印刷装置2に必要な用紙Pの準備を外部装置(ここでは、搬送装置3、及び資材装置4)への情報の通知を含む処理を指示する指示ボタンである。作業完了ボタン583は、上述した作業の終了を指示するボタンである。
【0058】
ユーザによる作業開始ボタン581の押下により、図7に示す情報処理が開始され、スケジューリングされた計画情報、及び印刷装置に収容済の用紙Pの用紙情報(実量情報)が取得される。また、計画情報に基づいて、印刷計画を遂行するための用紙情報(計画量情報)が推定される。そして、計画量情報と実量情報とに基づいて、印刷装置2において印刷計画を遂行するための推定量情報が推定される。
【0059】
具体的には、CPU51は、ユーザからの指示を受け付けると(図7)、図6のステップS100で、印刷装置2から用紙収納部12Bの用紙情報を取得する。ステップS100では、印刷装置2と通信する制御を行い、印刷装置2の用紙収納部12Bに収容済の用紙Pの量を示す用紙情報を、実量情報として取得する。ここでは、用紙情報により示される用紙Pの種類及び枚数を取得する。ステップS100の処理は、取得部510(図5)で実行される処理の一例である。
【0060】
次に、CPU51は、ステップS102で、印刷装置2に対するスケジューリングを実施する。当該スケジューリングは、1又は複数の印刷装置2における印刷計画を生成する処理である。ステップS102では、例えば、1日等の予め定めた処理時間内に印刷装置2で実行する印刷処理の計画を示す情報を計画情報として生成し、記憶部55(例えば、データ55D)に記憶する(図8)。
【0061】
ステップS104では、印刷計画に従って印刷処理する際の用紙情報を導出する。ステップS104では、ステップS102における計画情報に基づいて、印刷計画に従って印刷処理する際に、印刷計画を遂行するために準備する用紙Pの種類及び枚数を示す用紙情報を、計画量情報として導出する。計画量情報は、例えば、1日等の予め定めた処理時間内に準備する用紙Pの種類に応じた用紙Pの枚数の加算により導出することができる。また、複数の印刷装置2に対して印刷計画がスケジューリングされている場合は、複数の印刷装置2の各々に対して個別に計画量情報を導出する。ステップS104の処理は、導出部512(図5)で実行される処理の一例である。
【0062】
次に、ステップS106で、印刷計画の用紙情報(計画量情報)と、印刷装置に収容済の用紙Pの用紙情報(実量情報)とに基づいて、印刷装置2において印刷計画を遂行するための用紙情報を推定量情報として推定する。ステップS106では、印刷計画の用紙情報(計画量情報)と、印刷装置に収容済の用紙Pの用紙情報(実量情報)との差分を導出し、導出された用紙情報を推定量情報とする。当該差分は、用紙Pの種類毎の枚数が導出される。ステップS106では、印刷計画の計画量情報に対して、印刷装置の実量情報で不足する用紙情報を導出することで、印刷計画を遂行する際に不足する用紙の種類及び枚数を推定する。推定された推定量情報は、記憶部55に記憶される。ステップS106の処理は、推定部514(図5)で実行される処理の一例である。
【0063】
図8に示す例では、スケジューリングされた計画情報によるスケジュール585の表示領域に、11/1に実行する印刷装置2の情報を表示する表示領域585Aが含まれている。また、当該印刷装置2で実行する印刷処理として、第1作業の情報を表示する表示領域585B、及び第2作業の情報を表示する表示領域585Cが含まれている。これら表示領域585A、585B、585Cの各々には、用紙情報が表示される。
【0064】
表示領域585Aには、印刷装置2に収容済の用紙Pの用紙情報が実量情報586Aとして表示される。また、上述したように印刷計画に従う用紙情報(計画量情報)は、図8に示す例では、第1作業と第2作業の合計の用紙情報が計画量情報586Bとして表示される。そして、印刷計画の用紙情報(計画量情報)と、印刷装置2に収容済の用紙Pの用紙情報(実量情報)との差分の用紙情報が、印刷装置2において印刷計画を遂行するための推定量情報587として表示される。
【0065】
上記差分を示す推定量情報の推定が終了すると、図6のステップS108で、ステップS106の推定結果が不足を示すかを判別することで、印刷計画を遂行する際に用紙Pが不足するか否かを判断し、不足する用紙が存在する場合、肯定判断しステップS110へ処理を移行する。ステップS108で否定判断した場合は、印刷計画を遂行するに充分な用紙Pが印刷装置2に収容されていると判断し、本処理ルーチンを終了する。
【0066】
なお、ステップS108で否定判断の場合、ユーザに対して、印刷計画を遂行するに充分な用紙Pが印刷装置2に収容されていると判断結果を通知するようにしてもよい。
【0067】
印刷計画を遂行する際に用紙Pが不足する場合、ステップS110で、ユーザに用紙の準備を指示する制御を行う。ステップS110では、ユーザに対して、印刷計画を遂行するに充分な用紙Pが不足しており、用紙準備が必要であることを通知する制御を行うことが可能である。また、ステップS110の処理は、ユーザにより用紙準備ボタン582の押下を促す制御を行うことも可能である。例えば、図7に示す用紙準備ボタン582について、ステップS108の処理までは不活性化の状態(押圧できない状態)に設定しておき、ステップS108で肯定判断の場合に、活性化の状態(押圧可能な状態)に設定するようにしてもよい。この場合、ユーザにより用紙準備ボタン582が押下されると、ステップS112へ処理が移行される。
【0068】
ステップS112で、ステップS106で導出した差分を示す情報、すなわち、不足する用紙Pの量を示す用紙情報を搬送装置3及び資材装置に通知し(図8に示す処理588)、本処理ルーチンを終了する。ステップS112では、通知する用紙情報に、印刷装置2を識別する識別情報を付与して通知する。当該識別情報は、印刷装置2の設置場所、及び用紙収納部12Bの位置を示す位置情報を含む。
【0069】
なお、図6に示す処理ルーチンは、図7に示す作業完了ボタン583の押下による終了してもよい。
【0070】
上述したステップS110及びステップS112の処理は、制御部516(図5)で実行される処理の一例である。
【0071】
搬送装置3は、情報処理装置5から用紙情報の通知を受け付け、当該受け付けた用紙情報に基づいて、搬送制御装置32で搬送パレット34の搬送制御を行う。具体的には、情報処理装置5から通知される識別情報の印刷装置2の設置場所へ、より具体的には用紙収納部12Bの位置へ、用紙情報により示される種類に応じた用紙を搬送する制御を行う。
【0072】
具体的には、まず、搬送パレット34を資材装置4へ移動させる。搬送制御装置32は、搬送パレット34が資材装置4に移動された際に、資材装置4から通知される収容空間41から用紙を取り出して、搬送パレット34に載置する処理を行ってもよい。そして、搬送制御装置32は、搬送パレット34に載置されている用紙Pを、識別情報の印刷装置2の設置場所へ搬送する。また、搬送制御装置32は、搬送パレット34が印刷装置2の設置場所に移動された際に、搬送パレット34から用紙Pを取り出して、用紙Pを収容する位置、例えば、用紙収納部12Bに用紙Pに収容する処理を行ってもよい。搬送制御装置32は、用紙Pの搬送を終了すると、搬送パレット34を予め定めた待機位置に移動させて処理を終了する。
【0073】
なお、搬送処理をユーザが実行する場合には、搬送制御装置32は、ユーザによる搬送作業を促すため、印刷装置2毎に用紙Pの種類に応じた枚数による用紙情報を表示すればよい。
【0074】
資材装置4は、コントローラ42で、情報処理装置5から用紙情報の通知を受け付け、当該受け付けた用紙情報に基づいて、受け付けた印刷装置2へ搬送する用紙Pの種類に応じた枚数を表示部44に表示する制御を行う。
【0075】
具体的には、資材装置4のコントローラ42は、情報処理装置5から用紙情報の通知を受け付け、用紙情報に対応する用紙Pの種類及び枚数を設定すると共に、当該種類に応じた枚数の用紙Pを収容している収容空間41を設定する。次にコントローラ42は、情報処理装置5から用紙情報と共に通知された識別情報により、上記設定された収容空間41から用紙Pを搬送するために取り出す対象(例えばユーザ、搬送パレット)を識別するための情報を設定する。そして、設定された種類及び枚数の用紙Pを収容している収容空間41の表示部44に情報を表示する制御を行う。すなわち、コントローラ42は、第1表示部44Aに用紙の枚数を表示し、第2表示部44Bにおける5つの表示器のうち用紙Pを取り出す対象(例えばユーザ、搬送パレット)を識別する表示器を点灯する制御を行う。
【0076】
なお、搬送パレット34で自動処理により用紙Pを取り出す場合には、搬送パレット34へ取り出す対象の用紙Pを収容した収容空間41に関する情報を通知するようにしてもよい。また、用紙Pを収容空間41から取り出して搬送パレット34に載置する載置装置を、資材装置4に備えてもよい。この場合、コントローラ42が、通知された用紙情報、すなわち種類に応じた枚数の用紙Pを、収容空間41から取り出して搬送パレット34に載置する制御を行うようにすればよい。
【0077】
以上説明したように本実施形態では、印刷計画に従って印刷処理を実行する場合、印刷計画の用紙の量(種類及び枚数)と、印刷装置2に収容済の用紙Pの量とから、印刷装置2において印刷計画を遂行するための用紙Pの量を推定する。当該推定した用紙の量(種類に応じた枚数)が、印刷計画を遂行するときに不足する場合には、ユーザに通知を行う。また、不足する用紙Pの量(種類及び枚数)を、印刷装置2へ供給するために、外部装置である搬送装置3と資材装置4とに通知して、外部装置との連携を行っている。よって、予め定めた処理時間内に印刷処理を遂行する場合に、印刷装置2の情報のみで用紙などの印刷対象物を準備する場合と比べて、印刷処理の中断を低減することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態によれば、印刷計画を遂行するときに不足する用紙Pの種類に応じた枚数をユーザに通知している。これにより、ユーザは、用紙Pが不足する以前に印刷装置2で必要な用紙の量を確認することが可能となり、用紙の搬送に関する作業量を低減することが可能となる。
【0079】
上述した実施形態では、印刷装置2に対する用紙の量に適用した場合を説明したが、本開示の技術は、複数の印刷装置の各々の用紙の量に適用することが可能であることは勿論である。
【0080】
[その他の形態]
上記では、印刷装置の一例として、画像形成システム10を説明したが、画像形成システム10を印刷に関係する複数の印刷装置からなる複合装置である印刷装置として捉えてもよい。具体的には、印刷機能を連携する場合に1つの印刷装置として扱うことが可能である。この場合、固有機能を実現する各々の装置における用紙が、印刷対象物となる。すなわち、連結される装置間で入出力される用紙は共通であって、上流側の装置から排出される用紙が、下流側の装置に入力される用紙となる。
【0081】
なお、独立した複数の印刷装置が関連する印刷処理を実行する場合、これらの複数の印刷装置からなる印刷装置群を、印刷機能を連携する1つの印刷装置として扱うことも可能である。例えば、本開示の技術は、同じ用紙Pに、同一又は異なる印刷種類の印刷処理を実行する別々の印刷装置で順次行い、積層印刷等の印刷処理に適用可能である。
【0082】
図9は、印刷機能を連携する複数の印刷装置の一例を示す概念図である。図9に示す例では、第1印刷装置2は用紙P1aに印刷処理を行って用紙P1bを排出する。第2印刷装置2は第1印刷装置2から排出された用紙P1bを用紙P2aとして印刷処理を行って用紙P2bを排出する。第1印刷装置2の印刷処理と第2印刷装置2の間では、用紙P1bと用紙P2aとを共通の用紙P12として扱う。この場合、用紙情報は、共通の用紙P12となり、扱う情報量を削減することが可能となる。
【0083】
また、上述した実施形態では、印刷計画に対して印刷装置2に収容されている用紙の量が不足する場合を説明したが、本開示は、用紙の量が不足することに限定されるものではない。例えば、用紙の量が過剰である場合にも適用可能である。この場合、用紙の量が過剰であることを示す用紙の量を予め定めておき、予め定められている過剰な用紙の量を越えた場合に、ユーザに通知するようにしてもよい。用紙の量が過剰な場合にユーザに通知することで、印刷計画に適合する用意を過不足なく提供することが可能となる。
【0084】
さらに、上述した実施形態では、印刷対象物の量を用紙の量に適用した場合を説明したが、本開示は、用紙の量に限定されるものではなく、用紙の量に関連する印刷補助材料の量にも適用可能である。印刷補助材料の量に一例には、用紙の量が増加するに従って増加するトナー及びインクなどの印刷補助材料が挙げられる。トナー及びインクなどの印刷補助材料は、予め定められた量の容器に収容されるので、トナー不足及びインク不足の状態が生じる以前に交換されることが好ましい。よって、印刷対象物の量として、印刷補助材料を適用することで、印刷補助材料を考慮しない場合と比較して、印刷処理が中断されることを低減することができる。
従って、実施形態の技術は、次の態様を含む。
【0085】
情報処理装置は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し、
前記印刷装置に設置された、印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、
前記計画量情報及び前記実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し、
推定された前記推定量情報を通知する制御を行う
情報処理装置において、
前記印刷対象物は用紙であり、前記印刷対象物の量は前記用紙に印刷処理を実行するときの前記用紙への印刷補助材料(トナーやインク)の量を含み、
前記プロセッサは、
前記印刷補助材料の量を示す情報を、前記推定量情報として推定する。
【0086】
当該態様によれば、トナーやインク等の印刷補助材料を用いて印刷する場合に、トナーやインク等の印刷補助材料の不足によって印刷処理を中断することを低減可能である。従って、本開示の技術によれば、トナーやインク等の印刷補助材料についても印刷計画に従って過不足なく供給することが可能となる。
【0087】
さらにまた、上述した実施形態では、サーバ等の情報処理装置において実行される情報処理を説明したが、本開示の技術は、これに限定されるものではない。例えば、上述した情報処理を実行する情報処理装置を、印刷装置2の何れかに含めた構成としてもよい。
【0088】
上記では、本開示の技術を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能である。
【0089】
また、上記実施の形態では、記憶部に記憶したプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、プログラムの処理をハードウェアで実現してもよい。また、例えば、プログラムの処理の一部をハードウェア構成によって実現してもよく、ハードウェア構成とソフトウェア構成とを組み合わせた構成によって実現してもよい。
【0090】
以上、実施形態に係る情報処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な光ディスク等の記憶媒体の形態としてもよい。
【0091】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0092】
本開示において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0093】
上記実施形態は、次の技術を含む。
【0094】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し、
前記印刷装置に設置された、印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、
前記計画量情報及び前記実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し、
推定された前記推定量情報を通知する制御を行う
情報処理装置。
【0095】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記推定量情報として、前記計画量情報に対して前記実量情報で不足する印刷対象物の量を示す情報を推定する
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0096】
(((3)))
前記印刷対象物は用紙であり、前記用紙の量は前記用紙の枚数を含み、
前記プロセッサは、
前記用紙の枚数を示す情報を、前記推定量情報として推定する
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0097】
(((4)))
前記印刷対象物は用紙であり、前記用紙の量は前記用紙の種類毎の枚数を含み、
前記プロセッサは、
前記用紙の種類毎の枚数を示す情報を、前記推定量情報として推定する
請求項2記載の情報処理装置。
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0098】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記印刷装置へ用紙の供給を担当する担当装置へ、前記推定量情報を通知する制御を行う
(((1)))から(((4)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0099】
(((6)))
前記印刷装置は、異なる複数の印刷装置を含み、
前記プロセッサは、
前記複数の印刷装置毎に印刷対象物の量を推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
(((1)))から(((5)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0100】
(((7)))
前記複数の印刷装置は、第1の印刷処理によって第1の成果物を得る第1の印刷装置と、前記第1の成果物を用いて第2の成果物を得る第2の印刷装置とを含み、
前記プロセッサは、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの前記第1の印刷装置に対する印刷対象物の量を示す第1の計画量情報、及び前記第2の印刷装置に対する印刷対象物の量を示す第2の計画量情報を導出し、
前記第1の印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す第1の実量情報、及び前記第2の印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す第2の実量情報を取得し、
前記第1の計画量情報及び前記第1の実量情報と、前記第2の計画量情報及び前記第2の実量情報とに基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す第1の推定量情報、及び第2の推定量情報を推定し、
推定された前記第1の推定量情報、及び前記第2の推定量情報に関する情報を通知する制御を行う
(((6)))に記載の情報処理装置。
【0101】
(((8)))
前記プロセッサは、
前記第1の推定量情報、及び前記第2の推定量情報に関する情報として、前記第1の推定量情報のみを通知する
(((7)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0102】
(((9)))
前記プロセッサは、
前記通知として、推定した印刷物の量を示す情報を表示する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
(((1)))から(((8)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0103】
(((10)))
プロセッサに、
予め定めた処理時間内に印刷装置で実行する印刷処理の計画を示す計画情報を取得し、
前記計画情報に基づいて、前記印刷処理の計画に従って印刷処理を実行するときの印刷対象物の量を示す計画量情報を導出し、
前記印刷装置で印刷処理を実行可能な印刷対象物の量を示す実量情報を取得し、
前記計画量情報及び前記実量情報に基づいて、前記印刷処理の計画を遂行するための印刷対象物の量を示す推定量情報を推定し、
推定された前記推定量情報を通知する制御を行う
ことを含む処理を実行させるプログラム。
【0104】
(((1)))及び(((10)))によれば、予め定めた処理時間内に印刷処理を遂行する場合に、印刷装置の情報のみで用紙などの印刷対象物を準備する場合と比べて、印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
(((2)))によれば、用紙の不足を考慮しない場合と比較して、印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
(((3)))によれば、用紙の枚数を考慮しない場合と比較して、印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
(((4)))によれば、用紙の種類を考慮しない場合と比較して、用紙の種類毎に印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
(((5)))によれば、担当装置に情報を通知しない場合と比較して、印刷装置への用紙の供給を円滑に実行することができる、という効果が得られる。
(((6)))によれば、複数の印刷装置に一律に推定結果を通知する場合と比較して、印刷装置毎に印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
(((7)))によれば、複数の印刷装置の一部が連携する場合に、連携する印刷装置の印刷処理の中断を低減することができる、という効果が得られる。
(((8)))によれば、第2の印刷装置が第1の印刷装置の成果物を用いる場合に、通知する情報の一部を低減することができる、という効果が得られる。
(((9)))によれば、印刷物の量を示す情報を表示することで、印刷物の量をユーザが確認可能である、という効果が得られる。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理システム
2 印刷装置
3 搬送装置
4 資材装置
5 情報処理装置
10 画像形成システム
12 画像形成装置
12A 画像形成部
12B 用紙収納部
32 搬送制御装置
34 搬送パレット
40 棚
41 収容空間
42 コントローラ
44 表示部
55P 情報処理プログラム
510 取得部
512 導出部
514 推定部
516 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9