(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070111
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/16 20060101AFI20240515BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
H01H9/16 A
B60R16/02 630J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180510
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】政次 美徳
(72)【発明者】
【氏名】神谷 孝行
(72)【発明者】
【氏名】上島 佑介
【テーマコード(参考)】
5G052
【Fターム(参考)】
5G052AA23
5G052AA24
5G052BB01
5G052JA02
5G052JA09
5G052JB05
5G052JC04
(57)【要約】
【課題】視認性を向上させることができるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置1は、第1の意匠21及び第2の意匠22を有するパネル2と、パネル2に表示される第1の意匠21になされた操作を検出する第1のスイッチ3と、パネル2に表示される第2の意匠22になされた操作を検出する第2のスイッチ4と、初期状態では第1の意匠21を表示させる表示状態とすると共に第2の意匠22を表示させない非表示状態とし、第1のスイッチ3への操作に基づいて第2の意匠22を非表示状態から表示状態に切り替える制御部7と、を備えて概略構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の意匠及び第2の意匠を有するパネルと、
前記パネルに表示される第1の意匠になされた操作を検出する第1のスイッチと、
前記パネルに表示される第2の意匠になされた操作を検出する第2のスイッチと、
初期状態では前記第1の意匠を表示させる表示状態とすると共に前記第2の意匠を表示させない非表示状態とし、前記第1のスイッチへの操作に基づいて前記第2の意匠を非表示状態から表示状態に切り替える制御部と、
を備えたスイッチ装置。
【請求項2】
前記第2のスイッチは、複数のスイッチから構成され、前記複数のスイッチごとに前記第2の意匠を有すると共に操作対象の機能が割り付けられた、
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記パネルは、車両に搭載され、
前記第1の意匠は、前記車両のアンロックを前記初期状態として前記パネルに表示される、
請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記第1の意匠は、前記第2の意匠に関連した意匠である、
請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記第2の意匠は、前記第2のスイッチへの操作の受け付けに応じて前記パネルに表示される受付意匠を有する、
請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記第1の意匠を照明して前記パネルに表示させる第1の照明部と、
前記第2の意匠を照明して前記パネルに表示させる第2の照明部と、
を備えた、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両の内装材に設けられている、模様または色が施された透光性を有する加飾パネルと、加飾パネルの裏側の所定位置に配置された電極と、電極の静電容量の変化を検出し、車載機器の所定動作を制御する制御部と、加飾パネルの裏側から、電極の配置された位置またはその近傍を照らし、加飾パネルの表側に、操作位置を示すよう図柄を表示させる光源と、を備えた車両用スイッチ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この車両用スイッチ装置の制御部は、図柄が表示されていないとき、電極の静電容量の変化が検出されると、光源を点灯させて図柄を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車両用スイッチ装置は、図柄が表示されていないとき、電極の位置、つまりスイッチの位置が分かり辛く、スイッチの視認性が低い問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、視認性を向上させることができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1の意匠及び第2の意匠を有するパネルと、パネルに表示される第1の意匠になされた操作を検出する第1のスイッチと、パネルに表示される第2の意匠になされた操作を検出する第2のスイッチと、初期状態では第1の意匠を表示させる表示状態とすると共に第2の意匠を表示させない非表示状態とし、第1のスイッチへの操作に基づいて第2の意匠を非表示状態から表示状態に切り替える制御部と、を備えたスイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)は、実施の形態に係るスイッチ装置のブロック図の一例であり、
図1(b)は、パネルの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、スイッチ装置が搭載された車両内部の一例を示す図である。
【
図3】
図3(a)は、実施の形態に係るスイッチ装置の第2のスイッチが非表示状態である場合の一例を示す図であり、
図3(b)は、第2のスイッチが表示状態である場合の一例を示す図である。
【
図4】
図4(a)は、実施の形態に係るスイッチ装置が配置された右ドアの一例を示す図であり、
図4(b)は、スイッチ装置が配置された左ドアの一例を示す図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、変形例に係るスイッチ装置が車両のミラー調整装置を操作可能とされた場合の第1の意匠及び第2の意匠の一例を示す図であり、
図5(c)及び
図5(d)は、車両のシート調整装置を操作可能とされた場合の第1の意匠及び第2の意匠の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るスイッチ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係るスイッチ装置は、第1の意匠及び第2の意匠を有するパネルと、パネルに表示される第1の意匠になされた操作を検出する第1のスイッチと、パネルに表示される第2の意匠になされた操作を検出する第2のスイッチと、初期状態では第1の意匠を表示させる表示状態とすると共に第2の意匠を表示させない非表示状態とし、第1のスイッチへの操作に基づいて第2の意匠を非表示状態から表示状態に切り替える制御部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
このスイッチ装置は、第1のスイッチに対する操作によって第2の意匠を非表示状態から表示状態に切り替えるので、非表示状態にあるスイッチを操作して表示状態に切り替える場合と比べて、視認性を向上させることができる。
【0012】
[実施の形態]
(スイッチ装置1の概要)
図1(a)は、実施の形態に係るスイッチ装置のブロック図の一例であり、
図1(b)は、パネルの一例を示す図である。
図2は、スイッチ装置が搭載された車両内部の一例を示す図である。
図3(a)は、実施の形態に係るスイッチ装置の第2のスイッチが非表示状態である場合の一例を示す図であり、
図3(b)は、第2のスイッチが表示状態である場合の一例を示す図である。
図4(a)は、実施の形態に係るスイッチ装置が配置された右ドアの一例を示す図であり、
図4(b)は、スイッチ装置が配置された左ドアの一例を示す図である。
【0013】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また
図1(a)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0014】
スイッチ装置1は、
図1(a)~
図3(b)に示すように、第1の意匠21及び第2の意匠22を有するパネル2と、パネル2に表示される第1の意匠21になされた操作を検出する第1のスイッチ3と、パネル2に表示される第2の意匠22になされた操作を検出する第2のスイッチ4と、初期状態では第1の意匠21を表示させる表示状態とすると共に第2の意匠22を表示させない非表示状態とし、第1のスイッチ3への操作に基づいて第2の意匠22を非表示状態から表示状態に切り替える制御部7と、を備えて概略構成されている。
【0015】
このパネル2は、
図2に示すように、車両9に搭載されているがこれに限定されない。本実施の形態の第1の意匠21は、一例として、車両9のアンロックを初期状態としてパネル2に表示されるがこれに限定されない。
【0016】
スイッチ装置1は、一例として、
図2、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、運転席91側のドア900のドアトリム901、助手席92側のドア902のドアトリム903、インストルメントパネル904、センターコンソール905、フロアコンソール906、コンソールボックス907、運転席91側のAピラー908、助手席92側のAピラー909、運転席91側のBピラー910、助手席92側のBピラー、後部座席93側の左右のドア912のドアトリム913、天井94などをパネル2とすることが可能である。なおパネル2は、これらに限定されない。
【0017】
スイッチ装置1は、車両9に配置された電子機器95を操作対象としている。電子機器95は、一例として、車両全体の設定や自動運転機能の制御を行う車両制御装置90、車室内の温度を調整する空調装置、現在地の地図や目的地までの誘導を行うナビゲーション装置、画像を表示する表示装置、シートの位置や傾きなどを制御するシート装置、音楽や映像を再生する音楽及び映像再生装置などである。
【0018】
さらに本実施の形態のスイッチ装置1は、
図1(a)に示すように、第1の意匠21を照明してパネル2に表示させる第1の照明部5と、第2の意匠22を照明してパネル2に表示させる第2の照明部6と、を備えている。なおスイッチ装置1は、パネル2が第1の意匠21及び第2の意匠22を表示、非表示可能な有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって構成されても良い。
【0019】
以下では、スイッチ装置1は、一例として、電子機器95として空調装置の設定温度と風量を調整するように構成されているがこれに限定されない。
【0020】
(パネル2の構成)
パネル2は、一例として、
図1(b)に示すように、パネル本体200と、意匠層201と、スモーク膜202と、を備えて構成されている。パネル本体200は、透明な樹脂材料を用いて板形状に形成されている。なおパネル本体200は、平面に限定されず、曲面であっても良い。意匠層201は、一例として、パネル本体200の表面200aに形成され、光の透過率が低い遮光部201aと、透過率が高い透過部201bと、を有している。この第1の意匠21及び第2の意匠22は、遮光部201aと透過部201bの組み合わせによって形成されている。スモーク膜202は、意匠層201の上に形成され、第1の意匠21及び第2の意匠22が非表示状態にある場合、これらの意匠が透けて表示されない程度の透過率を有する、つまり非表示状態でブラックアウトするように構成されている。
【0021】
(第1の意匠21の構成)
第1の意匠21は、第2の意匠22に関連した意匠となっている。つまりユーザは、第1の意匠21を見ると、スイッチ装置1によって操作可能な電子機器95を連想することができる。一例として、第1の意匠21は、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、空調装置を連想される温度計を模した意匠となっている。従って第2の意匠22は、関連する意匠として空調装置の他の機能に関する意匠とされている。また第2の意匠22は、関連する意匠として設定温度の調整に関する意匠を含んでいる。このように、スイッチ装置1は、初期状態では、第1の意匠21のみが表示されるので、表示される意匠が多いことによる煩わしさを抑制することができる。
【0022】
なお本実施の形態の第1の意匠21は、1つであったがこれに限定されず、複数であっても良い。また第1の意匠21は、一例として、車両9のアンロックに応じて照明されたがこれに限定されず、車両9の駆動装置の始動に応じて照明されても良い。
【0023】
(第2の意匠22の構成)
第2の意匠22は、一例として、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、高設定温度意匠220と、低設定温度意匠221と、高風量意匠222と、低風量意匠223と、風量意匠224と、を備えている。
【0024】
またスイッチ装置1は、
図3(b)に示すように、第2のスイッチ4への操作の受け付けに応じてパネル2に表示される受付意匠を有している。本実施の形態のスイッチ装置1は、受付意匠220aと、受付意匠221aと、受付意匠222aと、受付意匠223aと、を有している。この受付意匠220a、受付意匠221a、受付意匠222a及び受付意匠223aは、関連するスイッチの操作に応じて非表示状態から表示状態になることで操作を受け付けたことのアンサーバックとなっている。
【0025】
高設定温度意匠220及び低設定温度意匠221は、空調装置の設定温度の調整に関する意匠である。第1の意匠21は、関連する意匠である高設定温度意匠220及び低設定温度意匠221に挟まれて配置されている。受付意匠220aは、高設定温度意匠220になされた操作が受け付けられると表示状態となる。また受付意匠221aは、低設定温度意匠221になされた操作が受け付けられると表示状態となる。
【0026】
高風量意匠222及び低風量意匠223は、空調装置の風量の調整に関する意匠である。高風量意匠222及び低風量意匠223は、間に風を模した意匠である風量意匠224が配置されている。受付意匠222aは、高風量意匠222になされた操作が受け付けられると表示状態となる。また受付意匠223aは、低風量意匠223になされた操作が受け付けられると表示状態となる。
【0027】
スイッチ装置1は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、運転席91側のドア900のドアトリム901、及び助手席92側のドア902のドアトリム903に配置されている。従ってドアトリム901及びドアトリム903の一部がパネル2となっている。ユーザが第1の意匠21の第1のスイッチ3を操作するまでは、第2の意匠22が非表示状態とされている。
図4(a)及び
図4(b)は、表示状態を実線で示し、非表示状態を点線で示している。
【0028】
なお第2の意匠22は、予め定められた時間、タッチ操作がなされない場合、非表示状態とされても良い。
【0029】
(第1の意匠21及び第2の意匠22の変形例について)
図5(a)及び
図5(b)は、変形例に係るスイッチ装置が車両のミラー調整装置を操作可能とされた場合の第1の意匠及び第2の意匠の一例を示す図であり、
図5(c)及び
図5(d)は、車両のシート調整装置を操作可能とされた場合の第1の意匠及び第2の意匠の一例を示す図である。
図5(a)及び
図5(c)は、第2の意匠22が非表示状態とされている。
図5(b)及び
図5(d)は、第2の意匠22が表示状態とされている。
【0030】
図5(a)及び
図5(b)に示す第1の意匠21は、スイッチ装置1が調整可能な車両の右側ミラー914や左側ミラー915を模した意匠となっている。
図5(b)に示す第2の意匠22は、一例として、選択されたミラーの角度を調整する機能を示す十字意匠225aと、右側ミラー914又は左側ミラー915を選択する機能を示す選択意匠225bと、右側ミラー914及び左側ミラー915を畳む機能を示す折畳意匠225cと、を有している。
【0031】
ユーザが第1の意匠21に対して操作を行うと、第2の意匠22は、
図5(a)に示す非表示状態から
図5(b)に示す表示状態へと切り替わる。
【0032】
図5(c)及び
図5(d)に示す第1の意匠21は、スイッチ装置1が調整可能な車両9のシートを模した意匠となっている。
図5(d)に示す第2の意匠22は、一例として、シートの前後位置を調整する機能を示す前後意匠226aと、シートの高さを調整する機能を示す高さ意匠226bと、シートバックの角度を調整する機能を示す角度調整意匠226cと、ヘッドレストの角度を調整する機能を示す角度調整意匠226dと、を有している。
【0033】
ユーザが第1の意匠21に対して操作を行うと、第2の意匠22は、
図5(c)に示す非表示状態から
図5(d)に示す表示状態へと切り替わる。
【0034】
なおスイッチ装置1は、一例として、
図3(b)に示す第1の意匠21及び第2の意匠22と、
図5(b)に示す第1の意匠21及び第2の意匠22と、を運転席91側のドア900のドアトリム901に表示するように構成されても良い。この場合、一例として、
図3(b)に示す第1の意匠21と、
図5(b)に示す第1の意匠21と、が表示状態とされ、一方の第1の意匠21が操作されると、操作された側の第2の意匠22が表示状態となる。
【0035】
またスイッチ装置1は、さらに
図5(d)に示す第1の意匠21及び第2の意匠22を表示するように構成されても良い。そしてスイッチ装置1は、助手席92側のドアトリム903や後部座席側のドアトリムに、
図3(b)に示す第1の意匠21及び第2の意匠22と
図5(d)に示す第1の意匠21及び第2の意匠22などを表示するように構成されても良い。スイッチ装置1は、操作対象の複数の電子機器95に応じた複数の第1の意匠21及び第2の意匠22をパネル2に表示させるように構成されても良い。
【0036】
(第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4の構成)
第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4は、一例として、静電容量方式のタッチセンサとして構成されている。第1のスイッチ3は、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、第1の意匠21の下方に検出電極30を有している。
【0037】
第2のスイッチ4は、複数のスイッチから構成され、複数のスイッチごとに第2の意匠22を有すると共に操作対象の機能が割り付けられている。本実施の形態の第2の意匠22は、高設定温度意匠220と、低設定温度意匠221と、高風量意匠222と、低風量意匠223と、を備えているので、これらの意匠に応じてスイッチ41の検出電極41a、スイッチ42の検出電極42a、スイッチ43の検出電極43a及びスイッチ44の検出電極44aを有している。
【0038】
検出電極30、検出電極41a~検出電極44aは、一例として、透明電極を用いて円板形状に形成されているがこれに限定されない。検出電極30、検出電極41a~検出電極44aは、パネル2の裏面200bに配置されている。
【0039】
第1のスイッチ3は、第1の意匠21になされたタッチ操作を検出電極30で検出する。第2のスイッチ4のスイッチ41は、高設定温度意匠220になされたタッチ操作を検出電極41aで検出する。同様に、第2のスイッチ4のスイッチ42~スイッチ44は、低設定温度意匠221~低風量意匠223になされたタッチ操作を検出電極42a~検出電極44aで検出する。
【0040】
なお第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4は、接触のみならず、パネル2に対する近接を検出するように構成されても良い。
【0041】
検出電極30、検出電極41a~検出電極44aは、制御部7と電気的に接続されている。そして検出電極30、検出電極41a~検出電極44aは、検出した静電容量の変化に応じた検出信号S1~検出信号S5を制御部7に出力する。
【0042】
なお変形例として、第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4は、静電容量方式のスイッチではなく、物理スイッチであっても良い。つまり第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4は、検出電極30、検出電極41a~検出電極44aの位置にマイクロスイッチを有し、操作によるパネル2の変形により、オン状態となって操作を検出する。
【0043】
(第1の照明部5及び第2の照明部6の構成)
第1の照明部5及び第2の照明部6は、制御部7と電気的に接続されている。この第1の照明部5及び第2の照明部6は、一例として、白色の光を出力するLED(Light-Emitting Diode)素子としての発光素子であるがこれに限定されない。第1の照明部5は、
図1(b)に示すように、第1の意匠21の下方の基板10に配置されている。
【0044】
第2の照明部6は、複数の発光素子を有している。第2の照明部6は、
図3(b)に示すように、高設定温度意匠220、低設定温度意匠221、高風量意匠222、低風量意匠223及び風量意匠224の下方の基板10に発光素子61~発光素子65が配置されている。
【0045】
また第2の照明部6は、受付意匠220a、受付意匠221a、受付意匠222a及び受付意匠223aの下方の基板10に発光素子66~発光素子69が配置されている。受付意匠220a、受付意匠221a、受付意匠222a及び受付意匠223aは、対応する高設定温度意匠220、低設定温度意匠221、高風量意匠222及び低風量意匠223を囲む意匠であるので、意匠を挟んで2つの発光素子で照明しても良いし、1つの発光素子でライドガイドを用いて照明しても良いし、1つの発光素子で照明可能となるようにフレームを形成して照明しても良い。
図3(b)は、一例として、1つの発光素子で照明する構成を示している。
【0046】
第1の照明部5は、制御部7から出力される照明信号S6に基づいて第1の意匠21を照明して表示状態とする。第2の照明部6は、制御部7から出力される照明信号S7~照明信号S11に基づいて第2の意匠22を照明して表示状態とする。
【0047】
高設定温度意匠220、低設定温度意匠221、高風量意匠222、低風量意匠223及び風量意匠224は、発光素子61~発光素子65に出力された照明信号S7~照明信号S11に応じて照明される。また受付意匠220a、受付意匠221a、受付意匠222a及び受付意匠223aは、発光素子66~発光素子69に出力された照明信号S12~照明信号S15に応じて照明される。
【0048】
(制御部7の構成)
制御部7は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部7が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
【0049】
制御部7は、タッチ操作が検出されたスイッチの情報を含む操作情報S16を接続された電子機器95に出力する。
【0050】
また制御部7は、一例として、車両制御装置90から出力された車両情報S20に基づいて照明信号S6を第1の照明部5に出力して第1の意匠21を照明する。そして制御部7は、検出信号S1に基づいて第1のスイッチ3によるタッチ操作の検出を判定すると、照明信号S7~照明信号S11を第2の照明部6に出力して第2の意匠22を照明する。
【0051】
以下に、本実施の形態のスイッチ装置1の第1の意匠21及び第2の意匠22の照明に関する動作の一例について
図6のフローチャートに従って説明する。
【0052】
(動作)
スイッチ装置1の制御部7は、車両制御装置90から入力する車両情報S20に基づいて車両9がアンロックされたと判定すると、照明信号S6を第1の照明部5に出力して第1の意匠21を照明する(Step1)。
【0053】
制御部7は、第1の意匠21にタッチ操作がなされるか第1のスイッチ3から入力する検出信号S1に基づいて監視する。制御部7は、ステップ2の「Yes」が成立する、つまり第1のスイッチ3がタッチ操作を検出した場合(Step2:Yes)、照明信号S7~照明信号S11を第2の照明部6に出力して第2の意匠22を照明する(Step3)。
【0054】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係るスイッチ装置1は、視認性を向上させることができる。具体的には、スイッチ装置1は、表示状態にある第1の意匠21に対するタッチ操作により、非表示状態にある第2の意匠22を表示状態にすることができるので、意匠が非表示状態にある場合と比べて、操作を受け付ける第1の意匠21の視認性を向上させることができる。
【0055】
スイッチ装置1は、初期状態では第1の意匠21のみが表示状態とされるので、全ての意匠が表示状態とされる場合と比べて、多くの意匠が表示されることによる視覚的な煩雑さが抑制される。
【0056】
スイッチ装置1は、操作対象を連想させる意匠を第1の意匠21としているので、この構成を採用しない場合と比べて、操作する前に操作対象が分かり易くなり、操作性が向上する。
【0057】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…スイッチ装置、2…パネル、3…第1のスイッチ、4…第2のスイッチ、5…第1の照明部、6…第2の照明部、7…制御部、9…車両、10…基板、21…第1の意匠、22…第2の意匠、41~44…スイッチ、30,41a~44a…検出電極、61~69…発光素子、90…車両制御装置、91…運転席、92…助手席、93…後部座席、94…天井、95…電子機器、200…パネル本体、200a…表面、200b…裏面、201…意匠層、201a…遮光部、201b…透過部、202…スモーク膜、220…高設定温度意匠、220a~223a…受付意匠、221…低設定温度意匠、222…高風量意匠、223…低風量意匠、224…風量意匠、225a…十字意匠、225b…選択意匠、225c…折畳意匠、226a…前後意匠、226b…意匠、226c…角度調整意匠、226d…角度調整意匠、900…ドア、901…ドアトリム、902…ドア、903…ドアトリム、904…インストルメントパネル、905…センターコンソール、906…フロアコンソール、907…コンソールボックス、908…Aピラー、909…Aピラー、910…Bピラー、912…ドア、913…ドアトリム、914…右側ミラー、915…左側ミラー