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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070141
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】筐体
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240515BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20240515BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240515BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20240515BHJP
   F21V 25/02 20060101ALI20240515BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20240515BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20240515BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240515BHJP
   F21W 131/101 20060101ALN20240515BHJP
【FI】
F21S2/00 630
H05K5/03 A
H05K5/02 A
F21V17/00 155
F21V25/02
F21V31/00 100
F21V31/00 200
F16B35/00 Q
F21Y115:10
F21W131:101
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180564
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 匡
【テーマコード(参考)】
3K011
3K014
4E360
【Fターム(参考)】
3K011AA01
3K011AA08
3K011ED01
3K014AA01
3K014JA06
4E360AB02
4E360AB03
4E360BA02
4E360BB22
4E360BC05
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA12
4E360EA13
4E360EA18
4E360ED02
4E360GA07
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC06
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】軽量化を図りながら、カバーの落下を防止することが可能な筐体を提供する。
【解決手段】筐体100は、開口1aを有するケース1と、ケース1の開口1aを塞ぐカバー2とを備える。カバー2は、ガラス板であり、ボルト21が取付機構22によって取り付けられている。ケース1には、ボルト21を締め付け可能な取付台13が設けられている。筐体100は、取付台13とボルト21とを連結する樹脂製のベルト3が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケースと、
前記ケースの開口を塞ぐカバーとを備える筐体であって、
前記カバーは、ガラス板であり、ボルトが取付機構によって取り付けられ、
前記ケースには、前記ボルトを締め付け可能な取付台が設けられ、
前記取付台と前記ボルトとを連結する樹脂製のベルトが設けられていることを特徴とする筐体。
【請求項2】
請求項1に記載の筐体において、
前記カバーには、前記ボルトの軸部が挿通される挿通孔が形成され、
前記ボルトの軸部は、前記取付機構が取り付けられる第1小径部を有し、
前記取付機構は、エラストマからなるスリーブおよびリングを有し、
前記スリーブは、一端にフランジ部が形成され、他端に前記リングを組付可能に構成され、
前記スリーブに前記ボルトの第1小径部が挿通されるとともに、前記スリーブが前記カバーの挿通孔に挿通された状態で、前記フランジ部および前記リングの間に前記カバーが挟持されており、前記スリーブおよび前記リングによって前記挿通孔がシールされていることを特徴とする筐体。
【請求項3】
請求項2に記載の筐体において、
前記取付機構は、前記ボルトの頭部と前記フランジ部との間に配置されるワッシャを有することを特徴とする筐体。
【請求項4】
請求項3に記載の筐体において、
前記スリーブは、前記ワッシャを保持する保持部を有することを特徴とする筐体。
【請求項5】
請求項1に記載の筐体において、
前記ベルトには、取付孔および開口部が形成され、
前記ボルトの軸部は、前記ベルトの取付孔が嵌合される第2小径部を有し、
前記取付台にはストッパ部が形成され、前記ストッパ部に前記ベルトの開口部が配置されており、前記ベルトが前記取付台に対して移動可能に係合されていることを特徴とする筐体。
【請求項6】
請求項5に記載の筐体において、
前記ベルトには、前記取付孔および前記開口部を連通するスリットが形成されていることを特徴とする筐体。
【請求項7】
請求項1に記載の筐体において、
前記取付台および前記ボルトが複数組設けられ、その複数組のうちの一部が前記ベルトによって連結されていることを特徴とする筐体。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載の筐体において、
前記ケースには、トンネル用の照明器具が収容されていることを特徴とする筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばトンネル用の照明器具が収容される筐体が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の筐体は、開口を有するケースと、ケースの開口を塞ぐカバーとを備えている。カバーはヒンジを介してケースに開閉可能に連結され、ラッチによって閉状態を維持できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-204455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の筐体では、ヒンジおよびラッチが設けられているので、重量が増大するという問題点がある。そこで、軽量化を図るためにボルトを用いてカバーをケースに取り付けることが考えられるが、その場合には、ボルトの締結を解除してカバーを開く際に、ケースからカバーが落下するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、軽量化を図りながら、カバーの落下を防止することが可能な筐体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による筐体は、開口を有するケースと、ケースの開口を塞ぐカバーとを備える。カバーは、ガラス板であり、ボルトが取付機構によって取り付けられている。ケースには、ボルトを締め付け可能な取付台が設けられている。筐体は、取付台とボルトとを連結する樹脂製のベルトが設けられている。
【0008】
このように、ボルトを用いてカバーがケースに取り付けられることにより、軽量化を図ることができるとともに、ベルトによってカバーがケースに連結されることにより、カバーの落下を防止することができる。
【0009】
上記筐体において、カバーには、ボルトの軸部が挿通される挿通孔が形成され、ボルトの軸部は、取付機構が取り付けられる第1小径部を有し、取付機構は、エラストマからなるスリーブおよびリングを有し、スリーブは、一端にフランジ部が形成され、他端にリングを組付可能に構成され、スリーブにボルトの第1小径部が挿通されるとともに、スリーブがカバーの挿通孔に挿通された状態で、フランジ部およびリングの間にカバーが挟持されており、スリーブおよびリングによって挿通孔がシールされていてもよい。
【0010】
この場合において、取付機構は、ボルトの頭部とフランジ部との間に配置されるワッシャを有していてもよい。
【0011】
上記取付機構がワッシャを有する筐体において、スリーブは、ワッシャを保持する保持部を有していてもよい。
【0012】
上記筐体において、ベルトには、取付孔および開口部が形成され、ボルトの軸部は、ベルトの取付孔が嵌合される第2小径部を有し、取付台にはストッパ部が形成され、ストッパ部にベルトの開口部が配置されており、ベルトが取付台に対して移動可能に係合されていてもよい。
【0013】
上記ベルトに取付孔および開口部が形成される筐体において、ベルトには、取付孔および開口部を連通するスリットが形成されていてもよい。
【0014】
上記筐体において、取付台およびボルトが複数組設けられ、その複数組のうちの一部がベルトによって連結されていてもよい。
【0015】
上記筐体において、ケースには、トンネル用の照明器具が収容されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の筐体によれば、軽量化を図りながら、カバーの落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態による筐体を示した斜視図である。
図2図1の筐体のカバーがケースから取り外された状態を示した図である。
図3図1のA-A断面図である。
図4図2における1組の取付台およびボルトの周辺を拡大して示した図である。
図5図3における1組の取付台およびボルトの周辺を拡大して示した図である。
図6図4のケースの取付台を示した斜視図である。
図7図6の取付台を別の角度から示した斜視図である。
図8図4のカバーのボルトおよび取付機構を示した分解斜視図である。
図9図4のケースおよびカバーを連結するベルトを示した斜視図である。
図10】本実施形態の変形例による取付台を示した斜視図である。
図11】本実施形態の変形例によるベルトを示した斜視図である。
図12】本実施形態の変形例によるボルトを示した斜視図である。
図13】本実施形態の変形例による取付機構を示した分解斜視図である。
図14図13の取付機構を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0019】
まず、図1図4を参照して、本発明の一実施形態による筐体100の概略構成について説明する。
【0020】
筐体100には、たとえばトンネル用の照明器具150(図2参照)が収容されている。このため、筐体100は、トンネルの側面や天井などに設置可能に構成されている。照明器具150は、光源としてたとえばLEDを有する。
【0021】
筐体100は、図1図3に示すように、ケース1およびカバー2を備えている。ケース1は、たとえば金属製であり、開口1aを有する矩形箱状に形成されている。ケース1には、照明器具150が収容されている。カバー2は、透明なガラス板であり、ケース1の開口1aを塞ぐための蓋体である。
【0022】
ケース1には、開口1aの周囲に矩形枠状のシール材11(図2参照)が設けられている。このため、ケース1にカバー2が取り付けられた場合には、図3に示すように、カバー2がシール材11に押し付けられるようになっている。また、ケース1には、ケース1の長手方向(X1およびX2方向)に延びるレール12(図3および図4参照)が形成されている。レール12は、ケース1の短手方向(Z1およびZ2方向)の両端部にそれぞれ設けられ、ケース1の深さ方向における開放端側(Y1方向側)に配置されている。図2に示すように、レール12の長手方向の両端部には、取付台13が設けられている。すなわち、ケース1には4つの取付台13が設けられ、その4つの取付台13がケース1の四隅に配置されている。
【0023】
カバー2には4つのボルト21が設けられ、その4つのボルト21がカバー2の四隅に配置されている。4つのボルト21は、それぞれ、4つの取付台13と対応するように配置され、その対応する取付台13に締付可能に構成されている。各ボルト21は、取付機構22によってカバー2に取り付けられている。各ボルト21が対応する取付台13に締め付けられることにより、カバー2がケース1に取り付けられるようになっている。なお、4つのボルト21の締結が解除されることにより、カバー2をケース1から取り外すことが可能である。
【0024】
そして、4組の取付台13およびボルト21のうちの2組の取付台13およびボルト21がベルト3によって連結されている。ベルト3は、カバー2がケース1から取り外されたときに、カバー2がケース1から落下するのを防止するために設けられている。具体的には、短手方向における一方側(Z2方向側)の2組の取付台13およびボルト21がベルト3によって連結され、短手方向における他方側(Z1方向側)の2組の取付台13およびボルト21が連結されていない。
【0025】
[取付台]
次に、図4図7を参照して、本実施形態のケース1の取付台13の詳細について説明する。
【0026】
取付台13は、たとえば金属製の板材を加工することによって形成されている。取付台13は、図6および図7に示すように、取付面131と、締結面132と、支持面133と、案内面134とを有する。
【0027】
取付面131は、図4および図5に示すように、止めねじ13aを用いてケース1のレール12に取り付けられている。取付面131には、止めねじ13aが挿通されるねじ挿通孔131a(図5参照)が形成されるとともに、レール12に嵌合されるT字状の嵌合部131b(図4参照)が形成されている。このため、ケース1の製造時には、止めねじ13aによって取付台13が固定される前であれば、取付台13がレール12に沿って移動可能であり、ケース1における取付台13の位置を容易に調整することが可能である。
【0028】
締結面132は、ボルト21が螺合可能な雌ねじ132aを有する。締結面132は、取付面131におけるケース1の底部側(Y2方向側)から内側に延びるように形成されている。締結面132は、ケース1の開口面と平行に配置されている。
【0029】
支持面133には、円弧状の切欠き133aが形成されている。支持面133の切欠き133aは、ボルト21の雌ねじ132aへのねじ込みが開始される際に、ボルト21の軸部211を支持するように構成されている。支持面133は、取付面131におけるケース1の開放端側(Y1方向側)から内側に延びるように形成されている。支持面133は、締結面132と間隔を隔てて平行に配置されている。
【0030】
案内面134は、締結面132の内側端部からケース1の底部側(Y2方向側)に延びるように形成されている。案内面134と締結面132との境界部には、ガイド孔135が形成されている。ガイド孔135には、ベルト3が挿通されている。案内面134におけるケース1の底部側(Y2方向側)の端部には、T字状のストッパ部136が形成されている。ストッパ部136は、ケース1の開放端側(Y1方向側)かつケース1の側壁側に向けて斜めに延びるように形成されている。ストッパ部136は、連結部136aおよび爪部136bを有する。ベルト3の後述する開口部34に連結部136aが配置され、案内面134と爪部136bとの間にベルト3が配置されている。
【0031】
[ボルトおよび取付機構]
次に、図5図8および図9を参照して、本実施形態のカバー2のボルト21および取付機構22の詳細について説明する。なお、カバー2には、ボルト21の軸部211が挿通される挿通孔2a(図5参照)が形成されている。
【0032】
ボルト21は、たとえば金属製であり、図8に示すように、軸部211および頭部212を有する。軸部211には、小径部211a、211bおよび雄ねじ211cが形成されている。小径部211aは、軸部211の基端に配置され、取付機構22が取り付けられている。小径部211bは、小径部211aと雄ねじ211cとの間に配置され、ベルト3の後述する取付孔31(図9参照)が嵌合されている。雄ねじ211cは、軸部211の先端に配置され、雌ねじ132a(図5参照)と螺合可能に構成されている。なお、小径部211aおよび211bは、それぞれ、本発明の「第1小径部」および「第2小径部」の一例である。
【0033】
取付機構22は、スリーブ221と、リング222と、ワッシャ223とを有する。スリーブ221およびリング222はエラストマからなり、ワッシャ223はたとえば金属からなる。スリーブ221は、円筒状の本体部221aと、本体部221aの軸方向の一端に形成されたフランジ部221bと、本体部221aの軸方向の他端に形成された係合突起221cと、本体部221aの軸方向の一端に形成された嵌合突起221dとを有する。
【0034】
本体部221aの内径は、小径部211aの直径とほぼ同じ大きさに設定されており、軸部211の直径よりも小さい。このため、スリーブ221が小径部211aに取り付けられる際にはスリーブ221が弾性変形され、スリーブ221が小径部211aに取り付けられると自然に抜け落ちないようになっている。また、本体部221aは、カバー2の挿通孔2a(図5参照)に挿通されている。本体部221aの外径は、挿通孔2aの内径とほぼ同じ大きさに設定されている。
【0035】
フランジ部221bは、本体部221aから径方向外側に張り出すように形成されている。フランジ部221bは、筐体100の外部側に配置されている。フランジ部221bの外径は、リング222の外径およびワッシャ223の外径とほぼ同じ大きさに設定されている。
【0036】
係合突起221cは、リング222の抜け止めのために設けられ、本体部221aから径方向外側に張り出すように形成されている。
【0037】
嵌合突起221dは、軸方向に突出するとともに円環状に形成され、ワッシャ223が嵌合されている。嵌合突起221dの外径は、ワッシャ223の内径とほぼ同じ大きさに設定され、嵌合突起221dの突出量は、ワッシャ223の厚みとほぼ同じ大きさに設定されている。
【0038】
リング222は、円環状に形成され、スリーブ221の他端に嵌合されている。リング222とスリーブ221のフランジ部221bとによりカバー2(図5参照)が挟持されている。すなわち、リング222は、筐体100の内部側に配置されている。リング222の内径は、本体部221aの外径とほぼ同じ大きさに設定されている。リング222の内周面には、径方向外側に窪む係合凹部222aが形成されている。リング222がスリーブ221の他端に嵌合された場合に、係合突起221cおよび係合凹部222aが係合されることにより、リング222がスリーブ221から自然に抜け落ちないようになっている。
【0039】
ワッシャ223は、スリーブ221の嵌合突起221dと嵌合され、ボルト21の頭部212とスリーブ221のフランジ部221bとの間に配置されている。
【0040】
図5に示すように、ワッシャ223およびスリーブ221にボルト21の小径部211aが挿通されるとともに、スリーブ221の本体部221aがカバー2の挿通孔2aに挿通された状態で、本体部221aの他端にリング222が組み付けられている。このとき、ワッシャ223は、嵌合突起221dに嵌め合わされ、ボルト21の頭部212とフランジ部221bとの間に介在されている。係合突起221cが係合凹部222aと係合され、リング222がスリーブ221から脱落しないようにされている。そして、フランジ部221bおよびリング222の間にカバー2が挟持され、スリーブ221およびリング222によって挿通孔2aがシールされている。
【0041】
つまり、このカバー2では、フランジ部221bおよびリング222によりカバー2を挟持することにより、取付機構22がカバー2に取り付けられ、ボルト21の小径部211aがスリーブ221に挿通されることにより、ボルト21が取付機構22から抜け落ちないようにされている。
【0042】
[ベルト]
次に、図2図4図5図7および図9を参照して、本実施形態のケース1およびカバー2を連結するベルト3の詳細について説明する。
【0043】
ベルト3は、ナイロンなどの樹脂製の帯状体からなり、取付台13およびボルト21を連結している。具体的に、ベルト3は、ボルト21に取り付けられるとともに、取付台13に対して移動可能に係合されている。ベルト3の幅が取付台13のガイド孔135(図4参照)の幅よりも若干小さくされており、ベルト3がガイド孔135に挿通されている。ベルト3には、図9に示すように、取付孔31、取付用孔32、スリット33、開口部34および切欠き35が形成されている。取付孔31、取付用孔32、スリット33および切欠き35がベルト3の一方側に配置され、開口部34がベルト3の他方側に配置されている。
【0044】
取付孔31の内径は、小径部211b(図5参照)の直径よりも若干大きくされている。取付孔31には、ボルト21の小径部211bが挿通されている。取付用孔32およびスリット33は、取付孔31に小径部211bを挿通しやすくするために設けられている。取付用孔32は、開口面積が取付孔31よりも広くされている。具体的に、取付用孔32の内径は、ボルト21の軸部211の直径よりも大きくされている。スリット33は、取付孔31および取付用孔32を連通するように形成されている。このため、ベルト3をボルト21に取り付ける際には、取付用孔32にボルト21の軸部211を挿入してから、小径部211bをスリット33に通すことにより、小径部211bを取付孔31に容易に挿通することが可能である。
【0045】
開口部34は、ベルト3の長手方向に延びるように形成されている。開口部34には、ストッパ部136の連結部136a(図7参照)が配置されている。開口部34の幅は、連結部136aの幅よりも若干大きくされ、爪部136b(図7参照)の幅よりも小さくされている。なお、図5に示すように、ベルト3は、案内面134と爪部136bとの間に配置されている。このため、ベルト3は、開口部34の後端34aが連結部136aに係合されるまで取付台13に対して引き出し可能に設けられている。また、取付台13に対してベルト3が移動される場合には、ガイド孔135および連結部136aによって移動方向が規制されるようになっている。したがって、図2に示すように、カバー2がケース1から取り外された場合には、ケース1に対してカバー2が長手方向(X1およびX2方向)に移動しにくくされている。
【0046】
切欠き35は、ボルト21が取付台13に締結された場合に、ベルト3が止めねじ13aと干渉するのを回避するために設けられている。すなわち、切欠き35は、ボルト21が取付台13に締結された場合に、止めねじ13aを逃がすための空間を形成するために設けられている。
【0047】
この筐体100では、カバー2がケース1から取り外されるときに、ベルト3が取付台13に対して引き出され、カバー2がケース1に取り付けられるときに、ベルト3が取付台13に対して送り込まれるようになっている。
【0048】
-効果-
本実施形態では、上記のように、ボルト21を用いてカバー2がケース1に取り付けられることにより、軽量化を図ることができるとともに、ベルト3によってカバー2がケース1に連結されることにより、カバー2の落下を防止することができる。また、樹脂製のベルト3がボルト21に取り付けられることにより、金属製のワイヤによってカバーおよびケースが連結され、そのワイヤを通す孔がカバーに形成される場合に比べて、製造コストの低減を図ることができるとともに、外観をシンプルにすることができる。
【0049】
また、本実施形態では、ボルト21をカバー2に取り付ける取付機構22によって、カバー2の挿通孔2aをシールすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、取付台13にストッパ部136が形成されるとともに、ベルト3に開口部34が形成され、ストッパ部136の連結部136aが開口部34に配置されることによって、ベルト3を取付台13に対して移動可能に係合させることができる。すなわち、開口部34の後端34aが連結部136aに係合されるまで、ベルト3を取付台13に対して引き出すことができる。
【0051】
また、本実施形態では、ベルト3がガイド孔135に挿通されるとともに、開口部34に連結部136aが配置されることによって、取付台13に対するベルト3の移動方向を規制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、取付用孔32およびスリット33が形成されることによって、ボルト21の小径部211bを取付孔31に容易に挿通することができる。
【0053】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0054】
たとえば、上記実施形態では、トンネル用の照明器具150が筐体100に収容される例を示したが、これに限らず、トンネル用の照明器具以外のものが筐体に収容されるようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、4組の取付台13およびボルト21が設けられる例を示したが、これに限らず、設けられる取付台およびボルトの組数はいくつであってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、取付台13にガイド孔135が形成される例を示したが、これに限らず、図10に示す変形例による取付台13Aのように、ガイド孔が形成されていなくてもよい。取付台13Aでは、案内面も設けられておらず、T字状のストッパ部136が締結面132に形成されている。取付台13Aのストッパ部136は、締結面132の内側端部からケースの底部側に延びるように形成されている。取付台13Aでは、ベルトの開口部に連結部136aが配置され、締結面132の内側端部と爪部136bとの間にベルトが配置されている。そして、取付台13Aの幅がベルトの幅とほぼ同じ大きさに設定されている。このため、取付台13Aでは、取付台13よりも小型化することができる。
【0057】
また、上記実施形態では、ベルト3に専用の取付用孔32が形成される例を示したが、これに限らず、図11に示す変形例によるベルト3Aのように、専用の取付用孔が形成されていなくてもよい。ベルト3Aには、取付孔31および開口部34を連通するスリット33aが形成されている。開口部34の寸法は、ボルトの軸部よりも大きい。すなわち、ベルト3Aでは、ストッパ部が配置される開口部34が、取付孔31にボルトを挿通しやすくするための取付用孔としても機能する。
【0058】
また、上記実施形態では、取付機構22が取り付けられる小径部211aと、ベルト3が取り付けられる小径部211bとがそれぞれ個別に設けられる例を示したが、これに限らず、図12に示す変形例によるボルト21Aのように、取付機構およびベルトの両方が取り付けられる共用の小径部211Aが設けられていてもよい。小径部211Aは、軸部211の基端に配置されている。なお、小径部211Aは、本発明の「第1小径部」および「第2小径部」の一例である。
【0059】
また、上記実施形態において、図13および図14に示す変形例による取付機構22Aのように、ワッシャ223を保持する保持部221eがスリーブ221に形成されていてもよい。この変形例では、フランジ部221bの外径がワッシャ223の外径よりも大きくされている。保持部221eは、フランジ部221bの外周部から軸方向に延びる円筒部と、その円筒部の端部から径方向内側に張り出す内フランジとを有する。そして、保持部221eの円筒部と嵌合突起221dとの間にワッシャ223が配置されるとともに、保持部221eの内フランジとフランジ部221bとの間にワッシャ223が配置されている。
【0060】
なお、上記した各変形例を適宜組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、開口を有するケースと、ケースの開口を塞ぐカバーとを備える筐体に利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 ケース
1a 開口
2 カバー
2a 挿通孔
3、3A ベルト
13、13A 取付台
21、21A ボルト
22、22A 取付機構
31 取付孔
33a スリット
34 開口部
100 筐体
136 ストッパ部
150 照明器具
211 軸部
211A 小径部(第1小径部、第2小径部)
211a 小径部(第1小径部)
211b 小径部(第2小径部)
212 頭部
221 スリーブ
221b フランジ部
221e 保持部
222 リング
223 ワッシャ
図1
図2
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