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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070145
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】ショベルの管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240515BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240515BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q50/08
E02F9/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180576
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】猪熊 宏
【テーマコード(参考)】
2D003
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA08
2D003DA04
5L049AA06
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】ユーザの満足度の向上を実現する。
【解決手段】ショベルの管理システムは、貸出対象のショベル毎の状況を示した情報を記憶する記憶部を備え、ショベルの貸し出し条件を受け付けた場合に、情報と、情報で状況が示されたショベルが条件で使用される場合に当該ショベルが当該使用に適しているかを評価するための指標と、に基づいて、ショベルを提示するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸出対象のショベル毎の状況を示した情報を記憶する記憶部を備え、
前記ショベルの貸し出し条件を受け付けた場合に、前記情報と、前記情報で状況が示された前記ショベルが前記条件で使用される場合に当該ショベルが当該使用に適しているかを評価するための指標と、に基づいて、前記ショベルを提示するように構成されている、
ショベルの管理システム。
【請求項2】
前記情報は、当該ショベルが作業を行う際に当該作業の継続性に関する情報を含んでいる、
請求項1に記載のショベルの管理システム。
【請求項3】
前記情報は、前記ショベルに取り付けられている部品の交換状況、前記ショベルの過去の稼働による負荷を示した負荷情報、前記ショベルが保持している燃料残量、前記ショベルが保持している尿素水残量、及び前記ショベルに取り付けられているバッテリのSOCのうちいずれか一つ以上を示している、
請求項2に記載のショベルの管理システム。
【請求項4】
前記情報は、さらに、前記ショベルに設けられたアタッチメントの種類、及び、前記ショベルの種類のうちいずれか一つ以上を含んでいる、
請求項1に記載のショベルの管理システム。
【請求項5】
前記情報は、さらに、前記ショベルが存在する場所に関する情報を含んでいる、
請求項1に記載のショベルの管理システム。
【請求項6】
前記指標は、前記ショベルの提示を行うために、前記情報に対して用いられる重みであって、受け付けた前記条件に応じて切り替わるように構成されている、
請求項1乃至3のいずれか一つに記載のショベルの管理システム。
【請求項7】
前記情報に対する、前記指標に基づいた評価に応じて、前記貸出対象のショベルが順に提示された画面を生成するように構成されている、
請求項1乃至3のいずれか一つに記載のショベルの管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベルの管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの建設機械は、建設機械を貸し出すレンタル業者にも販売される。特に近年、ユーザは、建設機械を購入するよりもレンタルに切り替える傾向にある。
【0003】
ユーザが建設機械を借りる場合に、ユーザに入力された条件に合致する建設機械を検索し、検索結果を表示するレンタル対象の建設機械の検索システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-351029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された検索システムでは、空き状況に応じて建設機械が検出されるに留まり、建設機械の現在の状況を考慮して貸し出す技術ではない。
【0006】
上述に鑑み、現在の状況を考慮した建設機械の貸し出しを実現することで、ユーザの満足度を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るショベルの管理システムは、貸出対象のショベル毎の状況を示した情報を記憶する記憶部を備え、ショベルの貸し出し条件を受け付けた場合に、情報と、情報で状況が示されたショベルが条件で使用される場合に当該ショベルが当該使用に適しているかを評価するための指標と、に基づいて、ショベルを提示するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、適切なショベルを提示することで、ユーザの満足度の向上を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る貸出管理システムの一例を示す概要図である。
図2図2は、実施形態に係るショベルを管理している管理装置と、営業所の貸出対象のショベルと、の概念を例示した図である。
図3図3は、実施形態に係る貸出管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るショベル設定記憶部のテーブル構造を例示した図である。
図5図5は、実施形態に係るショベル使用情報記憶部のテーブル構造を例示した図である。
図6図6は、実施形態に係る管理装置が管理可能なショベルに取り付けられている部品を例示した図である。
図7図7は、実施形態に係るレンタル履歴記憶部のテーブル構造を例示した図である。
図8図8は、実施形態に係るユーザ用端末に表示される検索画面を例示した図である。
図9図9は、実施形態に係るユーザ用端末に表示される検索結果の一覧画面を例示した図である。
図10図10は、実施形態に係るショベルが第1の状況情報を管理装置に送信するまでの処理を示したフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る管理装置が検索結果の一覧を送信するまでの処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
【0011】
(実施形態)
まず、図1を参照して、実施形態に係るショベルの貸出管理システム(ショベルの管理システムの一例)SYSの概要を説明する。図1は、第1の実施形態に係る貸出管理システムSYSの一例を示す概要図である。
【0012】
<ショベルの貸出管理システムを構成する機器>
図1は、本実施形態に係る貸出管理システムSYSの概要を示す図である。
【0013】
貸出管理システムSYSは、ショベル100と、管理装置200と、作業者用端末300と、ユーザ用端末500と、を含む。
【0014】
ショベル100、管理装置200、作業者用端末300、及びユーザ用端末500は、通信回線NWを介してデータの送受信を可能に接続されている。
【0015】
貸出管理システムSYSに含まれるショベル100は一台であってもよいし、複数台であってもよい。また、貸出管理システムSYSに含まれる作業者用端末300は、一台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0016】
また、管理装置200は一台であってもよいし、複数台であってもよい。また、貸出管理システムSYSに含まれるユーザ用端末500は、一台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0017】
なお、貸出管理システムSYSに含まれる一又は複数のショベル100の一部又は全部は、他の建設機械(例えば、フォークリフト、クローラクレーン、ブルドーザ、ホイールローダ、アスファルトフィニッシャ、林業機械等)に置換されてもよい。
【0018】
<ショベルの概要>
ショベル100は貸し出し対象の建設機械の一例とする。ショベル100は、稼働状況を示した第1の状況情報を記憶し、第1の状況情報を管理装置200に送信する。稼働状況は、ショベル100が稼働している間、つまり、ショベル100の起動(即ち、キースイッチがONされるとき)から停止(即ち、キースイッチがOFFされるとき)までの間の各種情報とする。
【0019】
本実施形態に係るショベル100は、下部走行体1と、旋回機構2を介して旋回可能に下部走行体1に搭載される上部旋回体3と、ブーム4、アーム5、及びバケット6を中心に構成されるアタッチメント(作業アタッチメントの一例)と、オペレータが搭乗するキャビン10を備える。
【0020】
下部走行体1は、例えば、左右一対のクローラを含み、それぞれのクローラが走行油圧モータ1A,1B(図3参照)で油圧駆動されることにより、自走する。
【0021】
上部旋回体3は、旋回油圧モータ2A(図3参照)により油圧駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。
【0022】
ブーム4は、上部旋回体3の前部中央に俯仰可能に枢着され、ブーム4の先端には、アーム5が上下回動可能に枢着され、アーム5の先端には、エンドアタッチメントとしてのバケット6が上下回動可能に枢着される。
【0023】
バケット6は、ショベル100の作業内容に応じて、適宜交換可能な態様で、アーム5の先端に取り付けられている。そのため、バケット6は、例えば、大型バケット、法面用バケット、浚渫用バケット等の異なる種類のバケットに交換されてもよい。また、バケット6は、例えば、攪拌機、ブレーカ等の異なる種類のエンドアタッチメントに交換されてもよい。
【0024】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、それぞれ、油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9により油圧駆動される。
【0025】
キャビン10は、上部旋回体3の前部左側に搭載され、その内部(室内)には、オペレータが着座する操縦席や後述する操作装置26(図3参照)等が設けられる。
【0026】
また、ショベル100は、通信装置70(図3参照)を通じて、管理装置200と通信可能に接続される。
【0027】
ショベル100は、オペレータ或いはショベル100のオーナ等による承諾の下、通信装置70を通じて、稼働時のショベル100に関する情報(以下、「第1の状況情報」)を管理装置200に送信(アップロード)する。
【0028】
第1の状況情報は、ショベル100の稼働に基づいたショベル100の現在の状況を示す情報であればよい。第1の状況情報としては、例えば、ショベル状況検出装置40(図3参照)により取得された情報が含まれてもよい。第1の状況情報には、例えば、ショベル100の動力源であるエンジン11に生じた負荷に関する情報(以下、「負荷情報」)が含まれてよい。また、第1の状況情報には、例えば、ショベル100に搭載されている消耗品(例えば、尿素水、バッテリ)に関する情報(以下、「状態情報」)が含まれてよい。
【0029】
<管理装置の概要>
管理装置200(情報処理装置の一例)は、通信装置220(図3参照)を通じて、ショベル100、作業者用端末300、及びユーザ用端末500等と通信可能に接続される。
【0030】
管理装置200は、貸出可能なショベル100の情報を管理する。管理装置200は、ユーザ用端末500からの受け付けた貸し出し条件に基づいて、貸出可能なショベル100の情報を、ユーザ用端末500に提供する。管理装置200は、さらに、ショベル100及び作業者用端末300から送信された(ショベル100の状況を示した)状況情報を管理している。そして、管理装置200は、ショベル100の状況を示した情報と、評価指標(指標の一例)と、に基づいて、貸出対象のショベルを提示する。評価指標とは、現在の状況が示されたショベル100が貸し出し条件で使用される場合に当該ショベル100が当該使用に適しているかを評価するための指標とする。
【0031】
<作業者用端末の概要>
作業者用端末300は、ショベル100に対する保守を行う作業者の端末の一例とする。作業者とは、定期的にショベル100の保守を行う作業者、ショベル100の修理を行う作業者であるが、ショベル100に対して部品の交換を行うユーザ等も含まれる。
【0032】
作業者用端末300は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ端末等の携帯端末であってよい。また、作業者用端末300は、例えば、作業現場の仮設事務所等に設置されるデスクトップ型のコンピュータ端末等の定置端末であってもよい。
【0033】
作業者用端末300は、通信装置320(図3参照)を通じて、管理装置200と通信可能に接続される。
【0034】
作業者用端末300は、作業者がショベル100に対して行った作業内容(保守、又は修理)に基づいた、ショベルの状況を示した第2の状況情報を、管理装置200に送信する。第2の状況情報としては、作業者がショベル100に対して行った作業に基づいた、ショベル100の状況を示した情報とする。メンテナンス状況情報としての第2の状況情報としては、例えば、交換部品、交換した日付、次に部品を交換するまでの交換間隔等が含まれている。また、第2の状況情報は、部品交換に関する情報に制限するものではなく、例えば、ショベル100に対して行った修理の費用(修理費)、修理が行われた構成等が含まれてもよい。
【0035】
<ユーザ用端末の概要>
ユーザ用端末500は、貸出可能なショベル100を検索するために用いられる端末とする。
【0036】
ユーザ用端末500は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ端末等の携帯端末であってよい。また、ユーザ用端末500は、例えば、ショベル100のレンタル事業者の営業所等に設置されるデスクトップ型のコンピュータ端末等の定置端末であってもよい。
【0037】
ユーザ用端末500は、例えば、レンタル会社の営業所等に設置されてもよい。そして、レンタル会社のオペレータが、お客からショベルの貸し出しについて相談を受けた場合に、ユーザ用端末500を利用してもよい。また、当該レンタル会社のオペレータが利用する場合に制限するものではなく、例えば、ショベル100を借りたいユーザが利用してもよい。
【0038】
[ショベルのレンタルを提供する事業所の概要]
図2は、本実施形態に係るショベル100を管理している管理装置200と、営業所の貸出対象のショベル100と、の概念を例示した図である。
【0039】
本実施形態においては、ショベル100を貸し出す営業所は、第1営業所SO_1と、第2営業所SO_2と、第3営業所SO_3と、第4営業所SO_4と、を含む。本実施形態では、営業所の各々が異なる場所に設けられている。
【0040】
例えば、第1営業所SO_1は、関東に設けられ、第2営業所SO_2は、関西に設けられ、第3営業所SO_3は、名古屋に設けられ、第4営業所SO_4は、九州に設けられている。
【0041】
第1営業所SO_1、第2営業所SO_2、第3営業所SO_3、及び第4営業所SO_4の各々は、貸し出対象の複数のショベル100を保持している。複数のショベル100の各々は、機種サイズ、及び稼働状況等が異なる。
【0042】
管理装置200は、第1営業所SO_1、第2営業所SO_2、第3営業所SO_3、及び第4営業所SO_4の各々が保持しているショベル100を検索可能に管理している。
【0043】
これにより、ユーザ用端末500は、管理装置200にアクセスすることで、複数の営業所の各々が保持しているショベル100に対する検索を行うことができる。
【0044】
[貸出管理システムの管理しているショベルの説明]
ところで、貸出対象のショベル100は、機種サイズ以外に様々な違いがある。また、ユーザによってショベル100を利用する用途、及びショベル100を借りる期間が異なる。
【0045】
このため、ショベル100の空き状況を考慮するだけでは、ユーザの要求に答えられない状況も存在する。
【0046】
例えば、長期レンタルを要望しているユーザに対して、レンタル期間中にショベル100のメンテナンス時期を迎える可能性がある。
【0047】
さらには、ショベル100は使用状況によって負荷の蓄積も不均一になる。ユーザの利用する用途において負荷が大きい場合には、負荷の蓄積が少ないショベル100を貸し出すのが好ましい。
【0048】
そこで、本実施形態に係る貸出管理システムSYSでは、ショベル100の稼働状況を考慮して、ユーザに対して貸し出す技術を実現する。
【0049】
図3は、本実施形態に係る貸出管理システムSYSの構成の一例を示すブロック図である。次に、貸出管理システムSYSを構成する機器が備える構成について説明する。
【0050】
なお、図3のショベル100においては、機械的動力ラインは二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御ラインは細実線でそれぞれ示される。
【0051】
<ショベルの油圧駆動系>
本実施形態に係るショベル100の油圧駆動系は、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等を含む。また、本例に係るショベル100の油圧駆動系は、エンジン11と、メインポンプ14と、コントロールバルブ17を含む。
【0052】
エンジン11は、油圧駆動系におけるメイン動力源であり、上部旋回体3の後部に搭載される。エンジン11は、例えば、後述のコントローラ30の制御下で、所定の目標回転数で定回転する。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンであり、メインポンプ14、及びパイロットポンプ15を駆動する。
【0053】
メインポンプ14は、上部旋回体3の後部に搭載され、高圧油圧ライン16を通じてコントロールバルブ17に作動油を供給する。メインポンプ14は、エンジン11により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、後述するコントローラ30の制御下で、レギュレータ14aが斜板の角度(傾転角)を制御する。これにより、メインポンプ14は、ピストンのストローク長を調整し、吐出流量(吐出圧)を制御することができる。
【0054】
コントロールバルブ17は、上部旋回体3の中央部に搭載され、オペレータによる操作装置26に対する操作に応じて、油圧駆動系の制御を行う油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、上述の如く、高圧油圧ライン16を介してメインポンプ14と接続され、メインポンプ14から供給される作動油を、油圧アクチュエータとしての走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に選択的に供給可能に構成される。具体的には、コントロールバルブ17は、メインポンプ14から油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流量と流れる方向を制御する複数の油圧制御弁(方向切換弁)を含むバルブユニットである。
【0055】
また、ショベル100は、遠隔操作されてもよい。この場合、コントロールバルブ17は、通信装置70を通じて外部装置(例えば、管理装置200)から受信される、ショベル100のアクチュエータ(油圧アクチュエータ)の操作に関する信号(以下、「遠隔操作信号」)に応じて、油圧駆動系の制御を行う。遠隔操作信号には、操作対象のアクチュエータや、操作対象のアクチュエータに関する遠隔操作の内容(例えば、操作方向及び操作量等)が規定される。例えば、コントローラ30は、遠隔操作信号に対応する制御指令を、パイロットポンプ15とコントロールバルブ17との間を接続する所定の油圧ライン(パイロットライン)に配置される比例弁(以下、「操作用比例弁」)に出力する。これにより、操作用比例弁は、制御指令に対応するパイロット圧、つまり、遠隔操作信号に規定される遠隔操作の内容に応じたパイロット圧をコントロールバルブ17に作用させることができる。そのため、コントロールバルブ17は、遠隔操作信号で規定される遠隔操作の内容に応じた油圧アクチュエータの動作を実現することができる。
【0056】
<ショベルの操作系の構成>
本例に係るショベル100の操作系は、パイロットポンプ15、操作装置26、圧力センサ29等を含む。
【0057】
パイロットポンプ15は、上部旋回体3の後部に搭載され、パイロットライン25を介して操作装置26にパイロット圧を供給する。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプであり、エンジン11、或いはエンジン11及び電動発電機12により駆動される。
【0058】
操作装置26は、キャビン10の操縦席付近に設けられ、オペレータがそれぞれの被駆動要素(例えば、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等)の操作を行うための操作入力手段である。換言すれば、操作装置26は、それぞれの被駆動要素を駆動する油圧アクチュエータ(例えば、走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9等)の操作を行うための操作入力手段である。操作装置26は、二次側のパイロットライン27を介して、コントロールバルブ17に接続される。これにより、コントロールバルブ17には、操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に応じたパイロット信号(パイロット圧)が入力される。そのため、コントロールバルブ17は、操作装置26における操作状態に応じて、各油圧アクチュエータを駆動することができる。
【0059】
また、操作装置26は、電気式であってもよい。この場合、操作装置26の操作内容(例えば、操作方向や操作量等)を表す電気信号は、コントローラ30に入力される。そして、コントローラ30は、電気信号の内容、つまり、操作装置26の操作内容に応じて、コントロールバルブ17にパイロットラインを介して接続される操作用比例弁を制御する。これにより、操作用比例弁から操作装置26の操作内容に応じたパイロット圧が入力され、コントロールバルブ17は、操作装置26における操作状態に応じて、各油圧アクチュエータを駆動することができる。
【0060】
なお、ショベル100が遠隔操作される場合、或いは、ショベル100が自律的に作業を行う場合、操作装置26は、省略されてもよい。
【0061】
圧力センサ29は、操作装置26の二次側(パイロットライン27)のパイロット圧、即ち、操作装置26における各被駆動要素(を駆動する油圧アクチュエータ)の操作状態に対応するパイロット圧を検出する。圧力センサ29は、コントローラ30に接続され、操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作状態に応じた圧力信号(圧力検出値)は、コントローラ30に取り込まれる。これにより、コントローラ30は、圧力センサ29の検出情報に基づき、油圧アクチュエータに関する操作装置26の操作内容を把握することができる。
【0062】
なお、操作装置26が電気式である場合、圧力センサ29は、省略される。操作装置26の操作状態は、操作装置26から電気信号として直接的にコントローラ30に入力されるからである。
【0063】
<ショベルの制御系の構成>
本例に係るショベル100の制御系は、表示装置50と、入力装置52と、通信装置70と、ショベル状況検出装置40と、コントローラ30と、を含む。
【0064】
表示装置50は、キャビン10の室内のオペレータから視認し易い場所に設置され、各種情報画像を表示する。表示装置50は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。
【0065】
入力装置52は、オペレータ等からの操作入力を受け付け、その操作内容に対応する信号をコントローラ30に出力する。入力装置52には、例えば、タッチパネル、タッチパッド、ジョイスティック、ボタンスイッチ、キーボード等が含まれてよい。
【0066】
通信装置70は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、通信衛星を利用する衛星通信網、インターネット網等を含む所定の通信ネットワークに接続し、管理装置200等の外部装置と通信を行う。
【0067】
ショベル状況検出装置40は、ショベル100の状況を検出する。
【0068】
ショベル状況検出装置40には、ショベル100のエンジン11で生じている負荷を検出するセンサが含まれてよい。例えば、ショベル状況検出装置40には、例えば、エンジン11で生じている負荷を検出するために、エンジン11の回転数センサが含まれうる。
【0069】
なお、エンジン11で生じている負荷の検出する手法は、どのような手法であってもよく、圧力センサ29が受け付けた操作内容に基づいてエンジン11で生じる負荷を推測してもよい。例えば、ショベル状況検出装置40には、例えば、操作装置26の操作内容に対応するパイロット圧を検出する圧力センサ29が含まれてよい。また、ショベル状況検出装置40には、電気式の操作装置26に内蔵される操作内容を検出するセンサ(例えば、リニアエンコーダ)が含まれてよい。
【0070】
なお、コントローラ30は、エンジン11で生じている負荷を、ショベル状況検出装置40以外から取得してもよい。例えば、エンジン稼働状況情報としてのエンジン11の燃料噴射量は、コントローラ30の燃料噴射量を決定する機能部から取得されてよい。また、例えば、エンジン稼働状況情報としてのエンジン11の出力馬力は、コントローラ30の出力馬力を演算する機能部から取得されてよい。
【0071】
また、ショベル状況検出装置40には、ショベル100に取り付けられている各種センサが含まれる。ショベル状況検出装置40には、ショベル100の尿素水タンクに蓄積されている尿素水の残量を検出する。さらには、ショベル状況検出装置40には、ショベル100に設けられている(図示しない)バッテリのSOCを検出する。
【0072】
ショベル状況検出装置40の他の例としては、ショベル状況検出装置40には、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9のシリンダ圧を検出するシリンダ圧センサ、が含まれてよい。また、ショベル状況検出装置40には、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、バケット6等の姿勢状態を検出する姿勢センサが含まれてよい。姿勢センサには、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、バケット6等のそれぞれに搭載されるロータリエンコーダ、加速度センサ(傾斜センサ)、角速度センサ、六軸センサ、IMU(Inertial Measurement Unit)等が含まれうる。また、ショベル状況検出装置40には、メインポンプ14の動作状態を取得するセンサ(例えば、吐出圧を検出する吐出圧センサ等)が含まれてもよい。
【0073】
コントローラ30は、ショベル100に関する各種制御を行う。コントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、或いは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてよい。例えば、コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置(主記憶装置)と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置と、インターフェース装置等を含むコンピュータを中心に構成されてよい。以下、管理装置200の制御装置210、作業者用端末300の制御装置310、及びユーザ用端末500の制御装置510についても同様である。
【0074】
なお、コントローラ30の機能は、複数のコントローラにより分散して実現されてもよい。
【0075】
コントローラ30は、例えば、補助記憶装置にインストールされる一以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、取得部301と、特定部302と、登録部303と、送信制御部306と、を含む。また、コントローラ30は、負荷情報記憶部304と、状態情報記憶部305と、を利用する。負荷情報記憶部304及び状態情報記憶部305は、例えば、コントローラ30内の補助記憶装置やコントローラ30と通信可能な外部記憶装置等により実現されうる。
【0076】
取得部301は、ショベル状況検出装置40から、ショベル状況検出装置40により検出されたショベル100の状況を取得する。
【0077】
特定部302は、取得した状況に基づいて、現在のショベル100で生じている負荷を特定する。例えば、エンジン11の回転数センサにより検出された回転数に基づいて、エンジン11で生じている負荷を特定する。例えば、特定部302は、エンジン11の回転数が、低負荷、中負荷、及び高負荷のうちいずれに該当するのかを特定する。つまり、低負荷、中負荷、及び高負荷の各々について予め回転数の範囲が設定されている。これにより、特定部302は、現在のエンジン11で生じている負荷が、低負荷、中負荷、及び高負荷のうちいずれかに該当するのかを特定できる。なお、本実施形態は、エンジン11の負荷の特定手法の一例を示したものであって、ショベル100の負荷の特定手法としては、他の手法を用いてもよい。なお、本実施形態では、エンジン11の負荷を特定する例について説明するが、エンジン11の負荷に制限するものではなく、ショベル100(機体)の負荷であればよい。
【0078】
登録部303は、負荷情報記憶部304及び状態情報記憶部305の各々に対して、ショベル100の稼働している状況を示す情報を登録する。
【0079】
負荷情報記憶部304は、低負荷、中負荷、及び高負荷の各々について、当該負荷による稼働時間を記憶している。
【0080】
登録部303は、負荷情報記憶部304及び状態情報記憶部305に対して、現在のショベル100の状況を登録する。
【0081】
例えば、登録部303は、特定部により特定された負荷(低負荷、中負荷、又は高負荷)に対応付けられている稼働時間に、前回登録してから現在までの単位時間を加算した時間を、新しい稼働時間として負荷情報記憶部304に登録する。これにより、負荷情報記憶部304は、現在までのショベル100で生じた負荷毎の稼働時間の履歴を蓄積できる。
【0082】
状態情報記憶部305は、ショベル100の現在の状態を示した情報を記憶する。現在の状況としては、例えば、尿素水残量、及びバッテリのSOCが含まれる。
【0083】
そこで、登録部303は、取得部301によって取得された尿素水残量、及びバッテリのSOCを用いて、状態情報記憶部305に格納されている情報を登録、更新する。これにより、状態情報記憶部305は、ショベル100の現在の状態を保持できる。
【0084】
送信制御部306は、負荷情報記憶部304及び状態情報記憶部305に登録されている情報を、ショベル100の稼働状況を示した第1の状況情報として、通信装置70を用いて管理装置200に送信する制御を行う。
【0085】
<作業者用端末の構成>
作業者用端末300は、制御装置310と、通信装置320と、操作入力装置330と、表示装置340を含む。
【0086】
制御装置310は、作業者用端末300に関する各種制御を行う。制御装置310は、例えば、補助記憶装置にインストールされる所定のアプリケーションプログラム(以下、「メンテナンス制御アプリケーション」)をCPU上で実行することにより実現される機能部として、メンテナンス情報制御部3101を含む。
【0087】
通信装置320は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網や通信衛星を利用する衛星通信網等の所定の通信ネットワークに接続し、管理装置200等の外部装置と通信を行う。
【0088】
操作入力装置330は、作業者用端末300のユーザからの操作を受け付け、操作入力に対応する信号を制御装置310に出力する。操作入力装置330は、例えば、タッチパネルやボタンスイッチ等である。
【0089】
表示装置340は、制御装置310の制御下で、作業者用端末300のユーザに対する各種情報画像を表示する。表示装置340は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。
【0090】
メンテナンス情報制御部3101は、表示装置340に表示されるメンテナンス制御アプリケーションにおける、ショベル100の保守画面上での、操作入力装置330を通じた作業者の所定操作に応じて、ショベル100に対して行われたメンテナンスに関する情報を制御する。
【0091】
例えば、メンテナンス情報制御部3101は、作業者がショベル100の部品を交換した場合に、交換部品の識別情報、交換日、交換部品の交換間隔の入力制御を行う。
【0092】
さらに、メンテナンス情報制御部3101は、作業者がショベル100の修理を行った場合に、修理費、及び修理された構成(部品)の入力制御を行う。
【0093】
そして、メンテナンス情報制御部3101は、入力制御が行われた情報を、ショベル100の稼働状況を示した第2の状況情報として、通信装置320を用いて、管理装置200に送信する制御を行う。
【0094】
<ユーザ用端末の構成>
ユーザ用端末500は、制御装置510と、通信装置520と、操作入力装置530と、表示装置540を含む。
【0095】
制御装置510は、ユーザ用端末500に関する各種制御を行う。制御装置510は、例えば、補助記憶装置にインストールされる所定のアプリケーションプログラムをすることにより実現される機能部として、ブラウザ5101を含む。
【0096】
通信装置520は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網や通信衛星を利用する衛星通信網等の所定の通信ネットワークに接続し、管理装置200等の外部装置と通信を行う。
【0097】
操作入力装置530は、ユーザ用端末500のユーザからの操作を受け付け、操作入力に対応する信号を制御装置510に出力する。操作入力装置530は、例えば、タッチパネルやボタンスイッチ等である。
【0098】
表示装置540は、制御装置510の制御下で、ユーザ用端末500のユーザに対する各種情報画像を表示する。表示装置340は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。
【0099】
ブラウザ5101は、通信回線NWを介して接続可能な外部装置が提供しているWEBサイトの画面を、表示装置540に表示される。例えば、ブラウザ5101は、管理装置200が提供する貸出対象のショベル100を検索する検索画面を表示する。なお、具体的な検索画面等については後述する。
【0100】
<管理装置の構成>
管理装置200は、制御装置210と、通信装置220を含む。
【0101】
通信装置220は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、通信衛星を利用する衛星通信網、インターネット網等を含む所定の通信ネットワークに接続し、管理装置200等の外部装置と通信を行う。
【0102】
制御装置210は、管理装置200に関する各種制御を行う。制御装置310は、例えば、補助記憶装置にインストールされる所定のアプリケーションプログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、取得部2102、登録部2103、受付部2106、抽出部2107、算出部2108、画面生成部2109、及び送信制御部2110を含む。また、制御装置210は、ショベル設定記憶部2101と、ショベル使用情報記憶部2104と、レンタル履歴記憶部2105と、を利用する。ショベル設定記憶部2101、ショベル使用情報記憶部2104、及びレンタル履歴記憶部2105は、例えば、制御装置210内の補助記憶装置や制御装置210と通信可能な外部記憶装置等により実現されうる。
【0103】
ショベル設定記憶部2101は、ショベル100毎の設定に関する情報を記憶する。図4は、本実施形態に係るショベル設定記憶部2101のテーブル構造を例示した図である。図4に示されるように、機体番号と、機体サイズと、営業所(ショベルが存在する場所に関する情報の一例)と、アタッチメントと、機種と、を対応付けて記憶している。ショベル設定記憶部2101が、これらの情報を保持することで、ユーザの貸し出し条件に一致するショベル100を提示することができる。したがって、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0104】
機体番号は、貸出対象のショベル100毎にユニークに割り当てられた番号である。機体サイズは、貸出対象のショベル100の機体のサイズを示している。営業所は、当該ショベル100が存在する営業所(場所の一例)を示している。アタッチメントは、ショベル100に現在取り付けられているアタッチメントの種類を示している。機種は、ショベル100の種類であり、ICT(Information and Communication Technology)ショベルであるか否か、又は旧式であるか否か等を認識できる。
【0105】
ショベル使用情報記憶部2104は、ショベル100及び作業者用端末300から送信されたショベル100の状況を示した情報を記憶する。記憶された情報には、ショベル100が作業を行う際に当該作業の継続性に関する情報が含まれる。図5は、本実施形態に係るショベル使用情報記憶部2104のテーブル構造を例示した図である。図5に示されるように、ショベル使用情報記憶部2104は、機体番号と、尿素水残量と、バッテリ残量と、修理と、負荷時間(負荷情報の一例)と、部品毎の交換状況と、を対応付けて記憶している。例えば、尿素水残量、バッテリ残量、修理、負荷時間(負荷情報の一例)、及び部品毎の交換状況が、継続性に関する情報に含まれる。なお、ショベル使用情報記憶部2104が保持する情報は、一例を示したものであって、ショベル100が現在の状況で作業を行う際に当該作業の継続性に関する情報であればよく、上述した情報全てを含まなくてもよいし、他の情報が含まれてもよい。例えば、ショベル使用情報記憶部2104は、ショベル100が保持している燃料残量を保持してもよい。
【0106】
尿素水残量は、ショベル100の尿素水タンクの現在の残量を示している。バッテリ残量は、ショベル100のバッテリの現在のSOCを示している。
【0107】
修理は、ショベル100に対して行われた修理に関する情報が格納されている。修理に関する情報としては、修理費と、修理の履歴と、を含んでいる。修理費は、当該ショベル100に対して行われた修理費の合計とする。修理の履歴には、修理した構成の名称が格納されている。
【0108】
負荷時間は、ショベル100のエンジン11の負荷(例えば回転数の違い)に基づいて分類された"高"、"中"、及び"低"の各々について稼働時間の合計を保持する。
【0109】
部品毎の交換状況は、部品毎の交換に関する情報を記憶する。図5で示される例では、第1部品、及び第2部品の各々について、部品の交換日、当該部品の交換間隔、及び当該部品の使用時間を対応付けて記憶する。第1部品に示されるように、現在の使用時間が250時間で、交換間隔が500時間の場合、1日8時間稼働した場合に、32日後に交換日に到達する。このように本実施形態では、部品毎の交換日を推測できる。
【0110】
交換状況が保持される部品(例えば、第1部品、及び第2部品)は、ショベル100に取り付けられた部品であって、交換可能な部品であればよい。また、ショベル使用情報記憶部2104が保持する部品の数は、実施態様に応じて定められる。次に、交換状況を保持する部品(第1部品、及び第2部品)の例について説明する。
【0111】
図6は、管理装置200が管理可能なショベル100に取り付けられている部品を例示した図である。図6に示される例では、ショベル100の各装置に区分して、交換対象の部品を示している。具体的には、エンジン11、旋回体(上部旋回体3)、及び足回り(下部走行体1)の各々に取り付けられている部品を示している。
【0112】
エンジン11に存在する部品(消耗材含む)のうち、フューエルフィルタ(メイン)、フューエルフィルタ(プレ)、エンジンオイルパン、エンジンオイルフィルタ、レジエータ冷却水、及びエアクリーナーエレメントの各々は、ショベル使用情報記憶部2104において交換状況を保持してもよい。
【0113】
上部旋回体3に存在する部品(消耗材含む)のうち、作動油、パイロットオイルフィルタ、リターンフィルタ、サクションフィルタ、エアブリーザ、ターンテーブルベアリング、旋回リングギヤのグリース給脂、旋回減速機ギヤオイル、旋回減速機のグリース給脂の各々は、ショベル使用情報記憶部2104において交換状況を保持してもよい。
【0114】
下部走行体1に存在する部品(消耗材含む)のうち、走行減速機ギヤオイル、上部ローラ及びテイクアップローラのエンジンオイル、下部ローラのギヤオイルの各々は、ショベル使用情報記憶部2104において交換状況を保持してもよい。
【0115】
ショベル使用情報記憶部2104が保持する部品は、上述した部品のうちいずれか一つ以上を含むものとする。なお、上述した部品は一例として示したもので、他の部品の交換状況を保持してもよい。
【0116】
レンタル履歴記憶部2105は、貸し出されたショベル100の履歴を記憶する。図7は、レンタル履歴記憶部2105のテーブル構造を例示した図である。図7に示されるように、レンタル履歴記憶部2105は、貸し出された機体を識別する機体番号、当該機体を借りたユーザを示した貸出先、当該機体が貸し出された日付を示す貸出日と、を対応付けて記憶している。
【0117】
取得部2102は、通信装置220を介して、作業者用端末300及びショベル100の各々から、ショベル100に関する状況情報を取得する。例えば、取得部2102は、ショベル100から、第1の状況情報を取得し、作業者用端末300から、第2の状況情報を取得する。
【0118】
登録部2103は、取得部2102が取得した、ショベル100に関する状況情報を、ショベル使用情報記憶部2104に登録する。
【0119】
例えば、登録部2103は、第1の状況情報に含まれている負荷情報に基づいて、ショベル使用情報記憶部2104の負荷時間を登録、更新する。さらに、登録部2103は、第1の状況情報に含まれている状態情報に基づいて、ショベル使用情報記憶部2104の尿素水残量、及びバッテリ残量のうちいずれか一つ以上を登録、更新する。
【0120】
他の例としては、登録部2103は、第2の状況情報に含まれている作業内容に基づいて、ショベル使用情報記憶部2104の部品毎の交換状況を登録、更新する。さらに、登録部2103は、第2の状況情報に含まれている作業内容に基づいて、ショベル使用情報記憶部2104の修理に関する情報を登録、更新する。
【0121】
本実施形態では、ショベル設定記憶部2101、ショベル使用情報記憶部2104、及びレンタル履歴記憶部2105の各々にショベル100に関する情報が格納されている。これにより、管理装置200は、ユーザから貸し出し対象のショベル100の検索サービスを、ユーザに対して提供できる。次に、検索サービスを提供するための構成について説明する。
【0122】
受付部2106は、ユーザ用端末500からショベル100の貸し出し要求を受け付ける。貸し出し要求には、ショベル100について様々な貸し出し条件が含まれている。貸し出し条件としては、例えば、ショベル100の貸し出し期間、機体サイズ、アタッチメントの種類、用途、及び作業場所のうちいずれか一つ以上が含まれている。また、本実施形態は、貸し出し条件の一例を示したものであって、他の条件を受け付けてもよい。
【0123】
用途とは、ショベル100を利用する用途であって、例えば、掘削積み込み、法面仕上げなどが含まれる。また、管理装置200は、用途ごとにショベル100で生じる負荷を対応付けて記憶している。例えば、掘削積み込みは、低負荷の作業とする。
【0124】
抽出部2107は、ショベル設定記憶部2101に格納されているショベル100について貸し出し条件に一致するショベル100の情報を抽出する。例えば、貸し出し条件に機体サイズ、アタッチメントの種類が設定されている場合に、当該貸し出し条件に合致するショベル100を抽出する。また、管理装置200は、(図示しない)ショベル100の貸し出しのスケジュール情報を記憶している場合、貸出期間の間空いているショベル100の情報を抽出する。
【0125】
なお、抽出部2107が抽出するための貸し出し条件は、上述した機体サイズ、アタッチメントの種類などの車体情報に制限するものではない。例えば、貸し出し条件としては、車体情報の他に、ショベルの稼働状況、ショベルのメンテナンス状況情報、貸出要求情報のうちのいずれか一つ又は複数を含んでもよい。
【0126】
ショベルの稼働状況とは、ショベル100の稼働時間、ショベル100の負荷のかかり方具合等、又は、各種消費財の残量等を含んでもよい。
【0127】
ショベルのメンテナンス状況情報とは、ショベル100に対して行われたメンテナンスに関する情報であって、例えば、交換部品の交換時期に関する情報を含んでもよい。
【0128】
貸出要求情報とは、ユーザがショベルを貸し出す際に要求する情報とする。例えば、マテリアルハンド機(応用機械)であるか否か、レンタルする際の料金、ショベルの貸出場所等とする。レンタルに関する料金を設定する際には、一日当たりの料金でもよいし、合計料金でもよい。また、料金について上限値及び下限値を設定可能としてもよい。また、ショベルの貸し出し場所は、ユーザに選択された営業所等であってもよい。また、作業場所から貸し出し場所までの距離を示す情報でもよい。作業場所から貸し出し場所までの距離の設定としては、例えば、貸し出し場所までの距離の上限値を含んでもよい。
【0129】
また、貸し出し条件となる車体情報は、機体サイズ、アタッチメントの種類に制限するものではなく、例えば、機体番号、ショベル100の種類、及びICT機であるか否か等のうち少なくとも一つ以上を含んでもよい。
【0130】
上記の貸し出し条件は、ユーザが設定する条件でもよいし、ユーザ等を考慮して自動的に設定される条件でもよい。
【0131】
算出部2108は、ショベル100の貸し出し条件を受け付けた場合に、抽出部2107が抽出されたショベル100の各々について、貸出先のユーザに適しているかを表した推奨度合いを数値で示した推奨度を算出する。
【0132】
本実施形態に係る算出部2108は、貸し出し条件に対応する評価指標に基づいて、ショベル使用情報記憶部2104に格納されている、ショベル100の各々の状況情報から、推奨度を算出する。
【0133】
貸し出し条件に対応する評価指標は、例えば、ユーザに入力された貸し出し条件に含まれる、貸し出すショベル100の用途、貸出期間、及び作業場所のうちいずれか一つ以上に基づいて、状況情報を評価する指標とする。本実施形態は、評価指標の一例を表すが、評価指標は、本実施形態に制限されるものではなく、ユーザに入力された条件に応じて、状況情報を評価する指標であればよい。
【0134】
推奨度の算出に用いられる状況情報は、ショベル設定記憶部2101、ショベル使用情報記憶部2104、及びレンタル履歴記憶部2105の各々に格納されている情報とする。
【0135】
例えば、ショベル使用情報記憶部2104に格納されている情報は、ショベル100からの第1の状況情報、及び作業者用端末300からの第2の状況情報が含まれている。第1の状況情報、及び第2の状況情報は、ショベル100の過去の稼働に基づいた現在の状況を示している。つまり、ショベル使用情報記憶部2104を参照して推奨度を算出することで、ショベル100の過去の使用履歴を考慮した推奨度の算出を実現できる。
【0136】
本実施形態に係る算出部2108は、部品毎の交換状況、消耗品(例えば、尿素水及びバッテリ)の残量、ショベル100の負荷情報、及び営業所から現場までの距離(輸送費)に基づいて推奨度を算出する。なお、本実施形態は、推奨度の算出の一例を示すものであって、ユーザの要求を満たすような算出手法であればどのような算出手法を用いてもよい。
【0137】
本実施形態に係る算出部2108は、貸し出し条件に基づいたショベルの評価指標に従って推奨度を算出する。その際、算出部2108は、ユーザからの貸し出し要求に合致するように、貸出期間、ショベル100が存在する場所から作業現場までの距離、及び用途の各々に基づいて、状況情報に含まれる(推奨度の算出対象となる)パラメータに対して重みづけを行う。このように、本実施形態は、評価指標の一例として重みを用いる。
【0138】
例えば、算出部2108は、ショベル使用情報記憶部2104に格納されている部品毎に、当該部品の交換状況に基づいて推奨度を算出する。例えば、算出部2108は、部品毎に0~10点の範囲で推奨度を設定する。例えば、部品毎に初期値として10点設定されている。そして、算出部2108は、ユーザにより設定された貸出期間において、交換期限に到達する部品について所定の点数(例えば5点)を減点する。交換期限に到達するか否かは、部品毎に設定されている交換間隔、使用時間、及び一日あたりの稼働時間(例えば8時間)に基づいて算出できる。このように、算出部2108は、貸出期間中に部品交換などのメンテナンスを要するショベル100については推奨度が低くなるよう調整する。
【0139】
部品毎の推奨度の合計値が高いショベル100ほど、貸し出し期間中に部品の交換点数が少ないショベル100となる。これにより、ユーザに対する利便性を向上させることができる。
【0140】
他の例としては、算出部2108は、ショベル使用情報記憶部2104に格納されている尿素水残量及びバッテリ残量に基づいて推奨度を算出する。例えば、算出部2108は、貸出期間と、(予め設定された)一日当たりの減少量と、に基づいて、貸出期間の尿素水を補給の回数を算出する。そして、算出部2108は、初期値10点から、尿素数の交換回数に応じて所定の点数(例えば、交換回数×3点)を減点する。同様に、算出部2108は、貸出期間と、バッテリのSOCと、に基づいて、0~10点の範囲で推奨度を設定する。例えば、算出部2108は、貸出期間に、バッテリの交換、又はバッテリの再充電が必要な場合には、所定の点数を減点する
【0141】
尿素水残量及びバッテリ残量の推奨度の合計値が高いショベル100ほど、貸出期間中に尿素水の補給及びバッテリメンテナンスが少ないショベル100となる。これにより、ユーザに対する利便性を向上させることができる。
【0142】
他の例としては、算出部2108は、ショベル使用情報記憶部2104に格納されている負荷時間(負荷情報の一例)に基づいて推奨度を算出する。本実施形態では、ユーザに入力された用途と、負荷時間に格納されている負荷分布(低負荷の稼働時間、中負荷の稼働時間、高負荷の稼働時間)と、に基づいて推奨度を算出する。
【0143】
ところで、ショベル100は、高負荷で稼働する時間が長い場合には、当該ショベル100において故障等が生じるリスクが大きくなる。
【0144】
さらに、ショベル100では、使用する用途に応じて生じる負荷が異なる。このため、貸出対象のショベル100の各々に蓄積されている負荷にばらつきが生じる。ショベル100毎に蓄積されている負荷がばらついている場合には、ショベル100の各々に対応するように保守点検等を行う可能性がある。このように貸出対象の複数のショベル100では蓄積される負荷が均等になるのが好ましい。
【0145】
そこで、算出部2108は、ユーザから用途が入力された場合に、用途に応じて切り替えられた重みに基づいて、ショベル使用情報記憶部2104に格納されている負荷時間(負荷情報の一例)から推奨度を算出する。
【0146】
例えば、算出部2108は、ユーザに入力された用途に基づいて、低負荷、中負荷、高負荷の各々について、重みを示した数値を設定する。例えば、用途が軽作業の場合には、高負荷の重み(例えば、0.03)が、低負荷の重み(例えば、0.05)より小さくなる。他の例としては、用途が重い作業の場合には、低負荷の重み(例えば、0.01)が、高負荷の重み(例えば、0.05)より小さくなる。
【0147】
そして、算出部2108は、負荷毎の重みと、負荷毎の稼働時間と、に基づいて、負荷に関する推奨度を算出する。例えば、算出部2108は、"初期値100-(高負荷の重み×高負荷の稼働時間)-(中負荷の重み×中負荷の稼働時間)-(低負荷の重み×低負荷の稼働時間)"によって、ショベル100毎の負荷に関する推奨度を算出する。
【0148】
上述した手法で算出された負荷の推奨度を用いることで、今までの稼働時間に加えて、今回の用途と今までの負荷とが考慮されたショベル100が推奨される。上記の推奨を行うことで、所定のショベル100に負荷が集中することを抑制できる。これにより、貸出対象のショベル100の負荷を均等にできるので、貸出を行う業者における負担を軽減できる。また、本実施形態では、長時間の稼働で負荷が蓄積されているショベルについては、高負荷の用途の場合に推奨度が低くなるので、故障等が生じる可能性を抑制できる。
【0149】
上述したように、本実施形態に係る算出部2108は、ユーザに入力された用途(貸し出し条件の一例)に応じて、重みを切り替える。本実施形態は、推奨度を算出する(評価する)ために、負荷時間に対して重み付けを行う例について説明した。本実施形態は、ユーザに入力された用途に応じた重みづけを行うことで、ユーザの要求に応じたショベル100の提示を実現できる。
【0150】
さらに、算出部2108は、ユーザに入力された用途に基づいて、ショベル100の修理に関する推奨度を算出してもよい。算出部2108は、負荷毎に、修理費から推奨度を算出する算出手法を保持してもよい。例えば、算出部2108は、当該算出手法を用いることで、用途が高負荷の作業の場合には、低負荷の作業の場合と比べて、修理費が高くなるに従って低くなる推奨度を算出する。これにより、修理の頻度が高いショベル100について高負荷で作業されることが抑制される。
【0151】
さらに、算出部2108は、営業所から作業場所までの距離(輸送費)に基づいて、ショベル100の輸送に関する推奨度を算出してもよい。例えば、算出部2108は、ショベル100を保存している営業所から、作業場所までの距離に基づいて、推奨度を設定する。つまり、作業場所に近い営業所のショベル100について高い推奨値が設定され、作業場所に遠い営業所のショベル100について低い推奨度が設定される。
【0152】
上述した手法で算出された距離の推奨度を用いることで、作業場所から近い営業所から借りることができるので、輸送費及び運搬負担を軽減できる。
【0153】
さらに、算出部2108は、用途に対応するショベル100の機種が限られている場合、用途に対応するショベル100の機種について高い推奨度(例えば100点)を加算してもよい。例えば、用途が法面仕上げの場合に、半自動制御が可能なICTショベルを示す機種(型式)の高い推奨度(例えば100点)を加算してもよい。さらに、用途が掘削積み込みの場合に、旧式のショベルに対応する機種(型式)について高い推奨度(例えば100点)を加算してもよい。
【0154】
さらに、算出部2108は、ショベル100の貸し出し履歴のあるユーザの場合、当該ユーザが過去に借りたショベル100について高い推奨度(例えば100点)を加算してもよい。つまり、一度ショベル100を借りたユーザが、再度貸し出しを要求した場合、以前貸し出されたショベル100に満足したとみなして、算出部2108は、当該ショベルについて推奨度が高くなるように設定する。
【0155】
そして、算出部2108は、ショベル100毎に、上述した各項目で算出された推奨度を合計して、貸出可能なショベル100の各々の推奨度の合計値を算出する。本実施形態に係る算出部2108は、上述したように、項目毎に、ユーザの貸し出し条件に重みづけを行って、推奨度を算出している。なお、本実施形態は、重みづけの一例を示したものであって、上述した重みづけの手法に制限するものではない。本実施形態では、貸し出し条件に応じた重みづけを行うことで、ユーザの要求を満たしたショベル100の一覧を生成できる。したがって、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0156】
画面生成部2109は、受付部2106が受け付けた貸出要求に対応する、貸出可能なショベル100の一覧が表された一覧画面を生成する。当該一覧画面には、抽出部2107によって抽出されたショベル100の情報が、算出部2108によって算出された推奨度が高い順に配置される。画面生成部2109により生成される画面については後述する。
【0157】
これにより、ショベル設定記憶部2101及びショベル使用情報記憶部2104の各々記憶されているショベル100の状況を示した情報に対する、評価指標に基づいた推奨値(評価の一例)に応じて貸出対象のショベル100が順に表示された一覧画面が生成される。当該一覧画面を参照したユーザは、推奨度順にショベル100を確認できるので、要求に一致するショベル100を特定するまでの操作負担を軽減できる。
【0158】
送信制御部2110は、画面生成部2109により生成された一覧画面を、ユーザ用端末500に送信する。これにより、ユーザは貸出可能なショベル100の一覧を推奨度順に確認できる。
【0159】
[ユーザ用端末に表示される画面の説明]
次に、ユーザ用端末500に表示される画面について説明する。本実施形態に係るユーザ用端末500は、管理装置200が提供するWEBサイトにアクセスすることで、検索画面が表示される。
【0160】
図8は、ユーザ用端末500に表示される検索画面を例示した図である。図8に示される検索画面では、貸出期間の開始予定日の欄8001と時刻の欄8002、及び、貸出期間の返却予定日の欄8003と時刻の欄8004が配置されている。検索画面には検索を行うために設定されたユーザの情報(例えばクライアントA)8011が示されている。
【0161】
さらに、検索画面には、機体サイズの選択欄8005と、アタッチメントの選択欄8006と、用途の選択欄8007と、作業場所の選択欄8008と、が配置されている。
【0162】
さらに、検索画面には、検索ボタン8009と、クリアボタン8010と、が配置されている。
【0163】
検索ボタン8009が押下された場合には、検索画面に設定された貸し出し条件が、管理装置200に送信される。
【0164】
ユーザ用端末500は、貸出期間、機体サイズ、アタッチメントの種類、用途、及び作業場所のうちいずれか一つ以上を貸し出し条件として送信できる。これにより、ユーザ用端末500は、検索結果の一覧画面を受信できる。
【0165】
図8に示される検索画面は、一例を示したものであって、検索画面に示される検索可能な項目として他の情報が含まれてもよい。
【0166】
例えば、検索画面としては、抽出部2107が抽出するための貸し出し条件に関する項目が表示されてもよい。例えば、車体情報、ショベル100の稼働状況、ショベル100のメンテナンス状況情報、貸出要求情報のうちのいずれか一つ又は複数に関する項目を、設定可能に表示してもよい。車体情報、ショベル100の稼働状況、ショベル100のメンテナンス状況情報、及び貸出要求情報に関する情報は、上述したとおりのため、説明を省略する。
【0167】
そして、管理装置200が、検索画面で表示された項目に対して設定された貸し出し条件に沿ってショベル100を抽出(選択)し、ユーザ用端末500には、抽出(選択)したショベルが推奨度順に提示される。
【0168】
図9は、ユーザ用端末500に表示される検索結果の一覧画面を例示した図である。図9に示される検索結果の一覧画面では、貸し出し条件に一致するショベル100が推奨度の順に配置されている。図9に示される例では、ユーザ用端末500は、ユーザから、ラジオボタン(例えばラジオボタン9011)の選択と、詳細画面9001の押下と、を受け付けることで、選択されたショベル100のスペック等が示された詳細画面を表示する。
【0169】
図9に示されるように一覧画面の一覧表9010では、機体番号と、営業所と、見積と、が対応付けて示されている。機体番号は、貸し出し可能なショベル100を識別する情報である。営業所は、当該ショベル100が存在する場所である。見積は、当該ショベル100を借りた場合の見積もりを示している。見積の算出手法は、従来と同様の手法を用いればよい。また、見積には、営業所から作業現場までの輸送費を含めてもよい。
【0170】
一覧表9010ではショベル100が推奨度順に配置されている。これにより、ユーザは、最も上から参照していくことで、推奨度の高いショベル100から順に確認できる。さらに、一覧画面には、ショベル100毎に貸し出すか否かの判断の基準となる情報を表示してよい。
【0171】
図9に示される例では、ショベル100の情報として"使用有"9003が表示される。 "使用有"9003は、レンタル履歴記憶部2105に、現在検索を要求しているユーザに当該機体が貸し出されたことが登録されている場合に表示される。つまりユーザが過去に借りた機体であることを認識できる。
【0172】
さらに、作業現場に近い営業所に存在するショベル100について"近い!"9004が表示される。当該情報は、入力された作業場所と営業所との距離に基づいて表示された情報である。つまりユーザは当該機体を借りた場合に輸送負担を軽減できることに認識できる。
【0173】
上述した情報は、画面生成部2109が一覧画面を生成する際に付与される。なお、ショベルと対応付けて表示される情報は、"使用有"及び"近い!"に制限するものではなく、他の情報又はアイコンを表示してもよい。
【0174】
このように管理装置200は、ショベル100の貸し出し条件を受け付けた場合に、ショベル100の状況情報と、状況情報で稼働状況が示されたショベル100が当該貸し出し条件で使用される場合にショベル100が当該使用に適しているかを評価するための評価指標と、に基づいて算出された推奨度によって、貸出対象のショベル100が配置された一覧画面を、ユーザ用端末500に提示する。本実施形態は、貸し出し対象のショベル100の提示手法の一例を示したものであって他の手法を用いてもよい。また、ショベル100の評価指標として状況情報に格納された各パラメータについて推奨度を算出する手法について説明したが、推奨度を算出する手法に制限するものではなく、ユーザの貸し出し条件に対応する評価指標によってショベル100の情報が提示されるであれば、他の態様であってもよい。
【0175】
本実施形態においては、配置する順序を特定する際に推奨度を用いる例について説明した。しかしながら、推奨度の利用を配置する順序を特定する場合に制限するものではなく、例えば、推奨度が所定の閾値より低いショベル100の情報の表示を抑制してもよい。さらには、一覧画面等にショベルに対応付けて推奨度を表示してもよい。さらには、一覧画面に推奨度順に上位10件のショベル100が表示されてもよい。
【0176】
また、本実施形態においては、推奨度の算出に用いた各項目の情報について表示を抑制する例について説明した。しかしながら、推奨度の算出に用いた各項目の情報について表示を抑制する手法に制限するものではなく、例えば、部品の交換時期等について一覧画面等に表示してもよい。
【0177】
また、ユーザ用端末500は、ユーザから、条件再入力ボタン9002の押下を受け付けることで、図8に示される検索画面を再び表示できる。
【0178】
<当該表示画面に関する事例>
例えば、2週間後から4か月間の長期使用したい場合に、貸出期間に4カ月設定すると共に、借りたいショベル100の機体サイズ、アタッチメント及び用途を設定する。
【0179】
この場合、貸出期間において部品の交換点数が少ないショベル100の推奨度が高くなる。このように、貸出期間が長期の場合には、管理装置200の算出部2108は、負荷及び修理に基づいた推奨度に対して重み付けを行ってもよい。これにより、長期利用者について負荷が小さくあまり修理が行われていないショベル100が貸し出される。これにより、ショベル100の貸出期間中に故障が生じることを抑制できる。さらに、算出部2108は、入力された用途で負荷が生じる部品に修理履歴が存在する場合には、推奨度が低くなるように重みづけを行ってもよい。これにより、ユーザの使用中に再び修理が必要になる状況を抑制できる。
【0180】
<ショベルの稼働状況に関する処理の流れ>
図10は、本実施形態に係るショベル100が第1の状況情報を管理装置200に送信するまでの処理を示したフローチャートである。
【0181】
取得部301は、ショベル状況検出装置40から、ショベル状況検出装置40により検出されたショベル100の状況を取得する(S1001)。
【0182】
特定部302は、取得した状況に基づいて、現在のショベル100で生じている負荷(低負荷、中負荷、又は高負荷)を特定する(S1002)。
【0183】
登録部303は、特定された負荷と共に現在のショベル100の状況を、負荷情報記憶部304及び状態情報記憶部305に登録する(S1003)。
【0184】
送信制御部306は、負荷情報記憶部304及び状態情報記憶部305に登録されている情報を、第1の状況情報として管理装置200に送信する制御を行う(S1004)。送信するタイミングは、任意のタイミングでもよく、例えば、送信制御部306は、一日ごとにまとめられた第1の状況情報を、管理装置200に送信してもよい。これにより、管理装置200は、ショベル100の現在の状況を管理できる。
【0185】
<ショベルの検索に関する処理の流れ>
図11は、本実施形態に係る管理装置200が検索結果の一覧を送信するまでの処理を示したフローチャートである。
【0186】
受付部2106は、ユーザ用端末500からショベル100の貸し出し要求を受け付ける(S1101)。
【0187】
抽出部2107は、貸し出し要求に一致するショベル100の情報を抽出する(S1102)。
【0188】
算出部2108は、ショベル毎に、貸し出し要求に沿った評価指標に基づいて、負荷、部品の交換時期、バッテリの状態、修理費等から推奨度を算出する(S1103)。算出手法は、上述した通りなので説明を省略する。
【0189】
画面生成部2109は、貸出可能なショベル100が推奨度順に並べた一覧画面を生成する(S1104)。
【0190】
そして、送信制御部2110は、一覧画面を、ユーザ用端末500に送信する(S1105)。これにより、ユーザ用端末500では、推奨度順に並べられたショベル100の情報が表示される。
【0191】
上述した実施形態では、貸出対象がショベルの場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、貸出対象をショベルに制限するものではなく、建設機械であればよい。建設機械としては、例えば、フォークリフト、クローラクレーン、ブルドーザ、ホイールローダ、アスファルトフィニッシャ、林業機械等が含まれてもよい。
【0192】
<作用>
上述した実施形態に係る管理装置200は、貸し出し条件に一致するショベル100の一覧が示された画面をユーザ用端末500に提示するので、ユーザは貸し出し条件に応じたショベル100を借りることが可能となる。
【0193】
貸出可能なショベル100の現在までの使用等の状況は様々である。本実施形態においては、管理装置200が、上述した構成を備えることで、ユーザに入力された条件に対応する評価指標と、ショベル設定記憶部2101、ショベル使用情報記憶部2104、及びレンタル履歴記憶部2105に記憶されている情報(ショベル100の状況情報の一例)と、に基づいたショベル100の提示を行うことができる。したがって、ユーザに対して適切なショベル100を推奨できる。したがって、ユーザがショベル100を借りる際の利便性を向上させることができる。
【0194】
さらに、上述した実施形態に係る管理装置200が生成したショベル100の一覧画面では、入力された貸し出し条件に対応する評価指標に基づいて、ショベル100の現在の状況から推奨度を算出し、当該推奨度に応じて貸出可能なショベル100を提示している。当該一覧画面では、ショベル100貸し出し条件に応じて配置されているのでユーザが要求に応じたショベル100を見つけるまでの操作負担を軽減できる。
【0195】
上述した実施形態に係る管理装置200は、ショベル使用情報記憶部2104に記憶されている、ショベル100でユーザに入力された条件に従って作業を行う場合に作業の継続性に基づいて、ショベル100の一覧を提示している。したがって、現在の状況がユーザの要求を満たしているショベル100が提示されるので、ユーザの要求に応じたショベル100を検出するまでの操作を短縮できるので、操作負担を軽減できると共に、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0196】
上述したショベルの貸出管理システムSYSでは、ユーザの要求に応じたショベル100を検出するのが容易になるので、ユーザがショベル100を借りるのが容易になる。したがって、レンタル会社が提供可能なショベル100において、稼働率を向上させることができる。
【0197】
上述したショベルの貸出管理システムSYSでは、ユーザの要求に応じたショベル100を検出が容易になる。したがって、ユーザは、貸し出し条件に適したショベル100を借りることができるので、作業効率の向上を実現できる。
【0198】
また、上述した実施形態では、管理装置200が、入力された用途と、ショベル100で現在までの負荷の履歴と、に基づいて推奨度を調整する例について説明した。これにより、貸し出し可能なショベル100のうち、所定のショベル100に負荷が集中することを抑制できる。したがって、貸し出し業者におけるショベル100に対するメンテナンスの負荷を軽減できる。
【0199】
また、上述した実施形態では、管理装置200が、入力された用途と、ショベル100で現在までの負荷の履歴と、に基づいて推奨度を調整する例について説明した。これにより、貸し出し可能なショベル100のうち、所定のショベル100に負荷が集中することを抑制できる。したがって、貸し出し業者におけるショベル100に対するメンテナンスの負荷を軽減できる。
【0200】
以上、建設機械の一例としてショベルを用いた場合の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0201】
つまり、上述したショベルの貸出管理システムは、ショベルの管理システムの一例として、貸出可能なショベルを管理して、検索サービスを提供するシステムに適用した場合について説明したが、他の態様のシステムに適用してもよい。貸出可能な建設機械を管理するシステムであれば適用できる。
【符号の説明】
【0202】
SYS 貸出管理システム
100 ショベル
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
11 エンジン
30 コントローラ
301 取得部
302 特定部
303 登録部
304 負荷情報記憶部
305 状態情報記憶部
306 送信制御部
40 ショベル状況検出装置
70 通信装置
300 作業者用端末
310 制御装置
3101 メンテナンス情報制御部
500 ユーザ用端末
510 制御装置
5101 ブラウザ
200 管理装置
210 制御装置
220 通信装置
2101 ショベル設定記憶部
2102 取得部
2103 登録部
2104 ショベル使用情報記憶部
2105 レンタル履歴記憶部
2106 受付部
2107 抽出部
2108 算出部
2109 画面生成部
2110 送信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11