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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070150
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】無人飛行体の推進装置及び無人飛行体
(51)【国際特許分類】
   B64D 9/00 20060101AFI20240515BHJP
   B64C 27/10 20230101ALI20240515BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240515BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20240515BHJP
   B64D 33/10 20060101ALI20240515BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
B64D9/00
B64C27/10
B64C39/02
B64D27/24
B64D33/10
H02K7/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180588
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】大塚 誠
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB14
5H607BB25
5H607BB27
5H607CC05
5H607DD04
5H607FF04
(57)【要約】
【課題】部品の配置の自由度を向上させることができる無人飛行体の推進装置及び無人飛行体を提供する。
【解決手段】無人飛行体1の推進装置4は、2つのプロペラ43、44と、2つのプロペラ43、43の間にある2つのモータ41、42と、モータ41、42の回転軸x2方向に延びる部材45と、を備えている。部材45は、モータ41、42のうちの一方のモータ42の内部を通過している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのプロペラと、
前記2つのプロペラの間にある2つのモータと、
前記モータの回転軸方向に延びる部材と、を備え、
前記部材は前記モータのうちの一方のモータの内部を通過している、無人飛行体の推進装置。
【請求項2】
前記一方のモータは筒状の部材を備え、
前記筒状の部材は、空間を有し、
前記部材は、前記空間を通過しており、
前記部材が前記空間から前記プロペラに対して反対側に延びている、請求項1に記載の無人飛行体の推進装置。
【請求項3】
2つの回路基板を備え、
前記2つのモータの間に前記2つの回路基板が配置されている、請求項1又は2に記載の無人飛行体の推進装置。
【請求項4】
前記2つの回路基板のうち、前記一方のモータの側にある一方の回路基板は、前記一方のモータに電気的に接続され、他方の回路基板は、前記2つのモータのうちの他方のモータに電気的に接続されている、請求項3に記載の無人飛行体の推進装置。
【請求項5】
ヒートシンクを備え、
前記ヒートシンクは、前記2つの回路基板の間にある、請求項3に記載の無人飛行体の推進装置。
【請求項6】
ケースを備え、
前記2つの回路基板は、前記ケースに収容されている、請求項3に記載の無人飛行体の推進装置。
【請求項7】
請求項1に記載の推進装置を備える、無人飛行体。
【請求項8】
本体と、前記本体から延在するアームと、を備え、
前記アームは前記2つのモータと前記部材とを支持している、請求項7に記載の無人飛行体。
【請求項9】
前記モータの回転軸方向において、前記2つのモータのうちの他方のモータは、前記アームに対して前記一方のモータの反対側にある、請求項8に記載の無人飛行体。
【請求項10】
前記モータの回転軸方向において、2つの回路基板が、前記アームに対して前記他方のモータの側にある、請求項8又は9に記載の無人飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人飛行体の推進装置及び無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、無人飛行体の一例であるマルチコプタが広く知られている。このマルチコプタは、フレームと、フレームから放射状に延在する複数のアームと、各アームの先端に取り付けられる1以上のロータユニットと、を備えている。マルチコプタは、フレームの底面に取り付けられる脚部ユニットによって例えば地面に着陸することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-69658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレームの底面には、脚部ユニットに加えて、カメラや散布装置といった部品が取り付けられている。これらの部品は、脚部ユニットを構成する複数の脚部によって囲まれる空間に配置されなければならない。言い換えると、複数の脚部は、部品の配置スペースの増大を阻む要因となっている。したがって、配置スペースにおける部品の配置の自由度を向上させたいとの要望がある。
【0005】
そこで、本発明は、部品の配置の自由度を向上させることができる無人飛行体の推進装置及び無人飛行体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る無人飛行体の推進装置は、2つのプロペラと、前記2つのプロペラの間にある2つのモータと、前記モータの回転軸方向に延びる部材と、を備え、前記部材は前記モータのうちの一方のモータの内部を通過している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る無人飛行体1の構造を概略的に示す部分断面図である。
図2】一具体例に係る第1モータ41の構造を概略的に示す推進装置4の一部の断面を示す部分断面図である。
図3】一具体例に係る第2モータ42の構造を概略的に示す推進装置4の一部の断面を示す部分断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る無人飛行体1Aの構造を概略的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る無人飛行体1の構造を概略的に示す部分断面図である。無人飛行体1は、複数のロータすなわち推進装置を搭載したいわゆるマルチコプタである。第1実施形態に係る無人飛行体1は、本体2と、本体2から延在する複数のアーム3と、各アーム3の先端に配置される推進装置4と、を備えている。なお、図1は、本体2の一部と、本体2から延在する複数のアーム3のうちの1つのアーム3と、当該アーム3の先端に配置された推進装置4と、を含む無人飛行体1の一部の断面を示している。
【0009】
以下、説明の便宜上、無人飛行体1の機体中心を通過する中心線x1に沿った方向において、上方向UDの側を上側と規定し、下方向DDの側を下側と規定する。同様に、中心線x1に直交する方向において、中心線x1に向かう内方向IDの側を内側と規定し、中心線x1から離れる外方向ODの側を外側と規定する。なお、本実施形態では、中心線x1は本体2の平面視における中心位置に一致する。また、上側及び下側は、上述したように、説明の便宜上用いるものであり、例えば、無人飛行体1の飛行中の姿勢等における上側及び下側を特定するものではない。ただし、無人飛行体1は、下側に規定される本体2の底面を下側に向けた姿勢で地面等に着陸する。
【0010】
本体2は、中心線x1の周りに広がる筐体11を備える。図1において、本体2は、中心線x1から一方の側の半分が図示されている。筐体11内には無人飛行体1の1以上の部品(図示せず)が組み込まれる。部品には、例えば、主回路基板、カメラ、1以上のバッテリ、慣性計測ユニット(IMU)、GPSアンテナ及び方位センサ等が含まれる。主回路基板上の電子部品の働きで例えば無人飛行体1の駆動が制御される。カメラは、例えば筐体11の底面に3軸回りで回転可能に取り付けられるカメラであってもよい。また、慣性計測ユニット、GPSアンテナ及び方位センサによって、無人飛行体1の位置や方位、高度、姿勢等が制御される。バッテリは、他の各種部品や後述の推進装置4に電流を供給することができる。
【0011】
各アーム3の先端には推進装置4が配置されている。推進装置4は、2つの第1モータ41及び第2モータ42と、2つの第1プロペラ43及び第2プロペラ44と、を備える。第1モータ41及び第2モータ42は、相互に同軸の回転軸線x2を規定する。回転軸線x2は、例えば、中心線x1に平行に規定される。第1モータ41は、第1モータ41より上側に配置される第1プロペラ43を回転軸線x2回りで回転させる。同様に、第2モータ42は、第2モータ42より下側に配置される第2プロペラ44を回転軸線x2回りで回転させる。すなわち、2つの第1プロペラ43及び第2プロペラ44の間に2つの第1モータ41及び第2モータ42が配置されている。
【0012】
回転軸線x2の方向において、第1モータ41及び第1プロペラ43はアーム3より上側に配置される一方で、第2モータ42及び第2プロペラ44は、アーム3に対して第1モータ41及び第1プロペラ43の反対側すなわちアーム3より下側に配置される。本実施形態では、第1プロペラ43及び第2プロペラ44は、相互に逆向きに回転するように構成される。推進装置4は、いわゆる二重反転ロータとして機能する。第1プロペラ43及び第2プロペラ44は、例えば、回転軸線x2に直行する方向に相互に反対向きに延在する一対の羽根から構成される。第1プロペラ43及び第2プロペラ44はシングルブレードのプロペラである。なお、第1モータ41及び第2モータ42の詳細については後述する。
【0013】
推進装置4は、アーム3から下側に向かって回転軸線x2の方向に延在する部材45を備えている。部材45は、第2モータ42の内部を通過して第2モータ42から下側に突出している。部材45は、アーム3に取り付けられることが好ましいが、アーム3に一体的に形成されてもよい。例えばアーム3は、中空の円筒状に形成されてもよい。一方で、部材45は、中空の円筒状又は中実の円柱状に形成されてもよい。各アーム3からこの部材45が下側に延在することによって、部材45は、無人飛行体1の支持脚を構成する。すなわち、部材45は、無人飛行体1の着陸時に地面等に受け止められて本体2を支持する。なお、複数の部材45で無人飛行体1が支持される限り、すべてのアーム3から部材45が延在している必要はない。
【0014】
推進装置4は、2つの第1回路基板46及び第2回路基板47を備える。第1回路基板46及び第2回路基板47は、電子式スピードコントローラ(ESC)であり、例えば平板状のプリント回路基板である。上側に配置された第1回路基板46は、第1モータ41に電気的に接続されて、第1モータ41の回転速度を制御する。一方で、下側に配置された第2回路基板47は、第2モータ42に電気的に接続されて、第2モータ42の回転速度を制御する。第1モータ41及び第2モータ42には、筐体11内に組み込まれたバッテリからそれぞれ電流が供給される。電流の供給にあたって、筐体11のバッテリからアーム3内の空間を通って第1回路基板46及び第2回路基板47まで延びる配線(図示せず)が用いられる。第1回路基板46及び第2回路基板47には、1又は複数の電子部品が搭載されている。
【0015】
推進装置4は、第1回路基板46及び第2回路基板47の間に配置された放熱部品すなわちヒートシンク48を備えている。ヒートシンク48は、例えば、平板状の金属板から形成される。金属板は例えばアルミニウム等の高熱伝導性の金属材料から形成される。ヒートシンク48は、一方の表面すなわち上面で第1回路基板46の下面に実装された電子部品(図示せず)に接触する一方で、他方の表面すなわち下面で第2回路基板47の上面に実装された電子部品(図示せず)に接触する。こうして、第1回路基板46及び第2回路基板47上の電子部品で発生した熱は、ヒートシンク48に伝導されてヒートシンク48から空気中に放出される。
【0016】
推進装置4は、第1回路基板46及び第2回路基板47並びにヒートシンク48を収容するケース49を備えている。ケース49は、アーム3の先端の近傍に取り付けられることが好ましいが、アーム3の先端に一体的に形成されてもよい。なお、本体2の筐体11、アーム3、部材45及びケース49は、例えば、樹脂材料から形成される。本実施形態では、ケース49は、アーム3の上側に取り付けられている。ケース49の上側に第1モータ41が取り付けられている。このようにして、アーム3は、第1モータ41、第2モータ42、第1プロペラ43、第2プロペラ44、部材45、第1回路基板46、第2回路基板47、ヒートシンク48及びケース49を支持している。
【0017】
ケース49に収容された第1回路基板46及び第2回路基板47並びにヒートシンク48は、アーム3より上側に配置されている。上述したように、ケース49の上側には第1モータ41が取り付けられている。したがって、第1回路基板46及び第2回路基板47並びにヒートシンク48は、回転軸線x2の方向において、アーム3に対して第1モータ41側に配置されている。一方で、第2モータ42は、アーム3より下側に配置されている。したがって、第1回路基板46及び第2回路基板47は第1モータ41及び第2モータ42の間に配置されている。
【0018】
図2は、一具体例に係る第1モータ41の構造を概略的に示す推進装置4の一部の断面を示す部分断面図である。第1モータ41は、例えばアウターロータ型のモータである。第1モータ41は、ステータ410と、回転軸線x2回りにステータ410に回転可能に支持されるロータ411と、を備えている。ステータ410は、例えばねじ等の締結部品(図示せず)によって推進装置4のケース49に取り付けられるベース412を備えている。ベース412の円筒状の外周面にはステータコア413が取り付けられている。このステータコア413には複数のコイル414が巻き付けられている。ステータコア413は、例えば磁性材料の積層体から形成されている。
【0019】
一方で、ロータ411は、上側からベース412に覆い被さる例えば円盤状のホルダ415を備えている。ホルダ415の外周縁には円筒状のヨーク416が取り付けられている。ヨーク416の内周面には円筒状のマグネット(永久磁石)417が取り付けられている。マグネット417の内周面は、ステータコア413の外周面に空隙を介して対向している。ホルダ415は、回転軸線x2周りに円筒状に延びるシャフト415aを備えている。一方で、ベース412は、シャフト415aの外周側で回転軸線x2周りに円筒状に延びるスリーブ412aを備えている。シャフト415a及びスリーブ412aの間には、回転軸線x2の方向に配列された2つの軸受418、418が保持されている。軸受418は、例えばボールベアリングである。
【0020】
ホルダ415の上端には、例えばねじ等の締結部品(図示せず)によって第1プロペラ43が取り付けられている。一方で、上述したように、ベース412は、推進装置4のケース49に取り付けられている。このような第1モータ41では、ステータ410のコイル414に電流が供給されると、ステータコア413で磁界が発生する。こうして発生した磁界と、ロータ411のマグネット417で生じた磁界との相互作用により、ロータ411すなわちシャフト415aが、回転軸線x2回りでステータ410に対して相対回転する。その結果、第1プロペラ43は回転軸線x2回りで回転することができる。
【0021】
図3は、一具体例に係る第2モータ42の構造を概略的に示す推進装置4の一部の断面を示す部分断面図である。第2モータ42は、第1モータ41を上下逆さまに反転させた構成とほぼ同様の構成を有している。すなわち、第2モータ42は、ステータ420と、回転軸線x2回りにステータ420に回転可能に支持されるロータ421と、を備えている。ステータ420は、例えばねじ等の締結部品(図示せず)によってアーム3に取り付けられるベース422を備えている。ベース422の円筒状の外周面にはステータコア423が取り付けられている。このステータコア423には複数のコイル424が巻き付けられている。
【0022】
一方で、ロータ421は、下側からベース422に覆い被さる例えば円盤状のホルダ425を備えている。ホルダ425の外周縁には円筒状のヨーク426が取り付けられている。ヨーク426の内周面には円筒状のマグネット(永久磁石)427が取り付けられている。マグネット427の内周面は、ステータコア423の外周面に空隙を介して対向している。ホルダ425は、回転軸線x2周りに円筒状に延びるシャフト425aを備えている。一方で、ベース422は、シャフト425aの外周側で回転軸線x2周りに円筒状に延びるスリーブ422aを備えている。シャフト425a及びスリーブ422aの間には、回転軸線x2の方向に配列された2つの軸受428、428が保持されている。
【0023】
ホルダ425の下端には、例えばねじ等の締結部品(図示せず)によって第2プロペラ44が取り付けられている。本実施形態では、ホルダ425のシャフト425a又はベース422のスリーブ422aが本発明の筒状の部材を構成する。ホルダ425のシャフト425a又はベース422のスリーブ422aは、回転軸線x2に沿ってほぼ円柱状の空間429を形成する。また、第2プロペラ44には、空間429に連続するほぼ円柱状の空間44aが形成される。その結果、アーム3から回転軸線x2に沿って延在する部材45は、これらの空間429、44aを通過して第2プロペラ44に対して反対側に延びている。
【0024】
このような第2モータ42では、第1モータ41と同様に、ステータ420のコイル424に電流が供給されると、ステータコア423で磁界が発生する。こうして発生した磁界と、ロータ421のマグネット427で生じた磁界との相互作用により、ロータ421すなわちシャフト425aが、回転軸線x2回りでステータ420に対して相対回転する。その結果、第2プロペラ44は回転軸線x2回りで回転することができる。なお、第2モータ42がいわゆるインナーロータ型のモータである場合、円筒状のシャフトやマグネットが本発明の筒状の部材を構成する。
【0025】
以上のような無人飛行体1によれば、2つの第1プロペラ43及び第2プロペラ44の間に2つの第1モータ41及び第2モータ42が配置され、部材45が第2プロペラ42の内部を通過している。この部材45は、例えば、無人飛行体1の支持脚として機能することができる。したがって、本体10の底面から下側の下方空間における部品の配置スペースを拡大することができる。配置スペースにおける部品の配置の自由度を向上させることができる。具体的には、本体10の底面に、これまでよりも大きな部品、例えば、薬品の散布装置用のタンクやカメラを取り付けることができる。
【0026】
また、本体10に支持脚を取り付ける場合と比べて、アーム3の先端に支持脚としての部材45を取り付けることによって本体10から離れた位置で本体10を支持することができる。したがって、本体10はより安定的に支持される。さらに、第1回路基板46及び第2回路基板47がアーム3の上側に配置されるので、1つのケース49が第1回路基板46及び第2回路基板47を収容することができる。その結果、第1回路基板46及び第2回路基板47をそれぞれケースで収容する場合に比べて、部品点数を削減することができる。しかも、1つのケース49で容易に第1回路基板46及び第2回路基板47の防水防塵性能を確保することができる。また、第1回路基板46及び第2回路基板47に1つのヒートシンク48を兼用することができる。
【0027】
またさらに、第2回路基板47はアーム3の上側に配置されるので、アーム3から下側に延びる部材45は第2回路基板47に干渉しない。したがって、第2回路基板47には、部材45が通過するための空間すなわち孔を形成する必要性を低減し、第2回路基板47の一面を、複数の電子部品を搭載するエリアにすることができる。一般に、電子式スピードコントローラ(ESC)の部品集積率は高いので、第2回路基板47に孔を形成することによる基板のサイズの増大や電子部品の配置変更に伴うコスト増加を回避することができる。また、第1回路基板46及び第2回路基板47がアーム3の先端の近傍すなわち第1モータ41及び第2モータ42の近傍に配置されるので、第1回路基板46及び第2回路基板47が本体10の筐体11内に配置される場合に比べて、基板及びモータ間の配線を短くすることができる。その結果、配線の長さが増大することによって生じる電圧ドロップ及び抵抗値の増大を回避することができる。
【0028】
図4は、本発明の第2実施形態に係る無人飛行体1Aの構成を概略的に示す部分断面図である。第1実施形態に係る無人飛行体1と同様の構成については同一の符号を付して、ここでの重複した説明を省略する。以下、第1実施形態に係る無人飛行体1の構成と相違する構成について説明する。第2実施形態に係る無人飛行体1Aは推進装置4Aを備えている。推進装置4Aは、アーム3の上側に配置された第1回路基板46と、アーム3の下側に配置された第2回路基板47Aと、を備えている。第2回路基板47Aは、第2モータ42に電気的に接続されて、第2モータ42の回転速度を制御する。
【0029】
第1回路基板46は、アーム3の上側に取り付けられるケース49Aに収容される。第1モータ41はケース49Aの上側に取り付けられる。一方で、第2回路基板47Aは、アーム3の下側に取り付けられるケース49Bに収容される。ケース49Bの下側に第2モータ42が取り付けられる。第2回路基板47Aには、部材45を通過させる空間すなわち孔50が形成される。孔50は、第2回路基板47Aの輪郭から内側に形成されてもよく、又は、第2回路基板47Aの輪郭に接して形成されてもよい。さらに、ケース49Bには、同様に部材45を通過させる空間すなわち孔51が形成される。孔50、51は第2モータ42の空間429に連続する。
【0030】
以上のような無人飛行体1Aによれば、無人飛行体1と同様に、2つの第1プロペラ43及び第2プロペラ44の間に2つの第1モータ41及び第2プロペラ42が配置され、部材45が第2プロペラ42の内部を通過している。この部材45は、例えば、無人飛行体1の支持脚として機能することができる。したがって、本体10の底面から下側の下方空間における部品の配置スペースを拡大することができる。配置スペースにおける部品の配置の自由度を向上させることができる。具体的には、本体10の底面に、これまでよりも大きな部品、例えば、薬品の散布装置用のタンクやカメラを取り付けることができる。
【0031】
以上、上記実施形態を通じて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に様々な変更又は改良を加えることができることが当業者には明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0032】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。上記実施形態が備える各構成要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。また、技術的に矛盾しない範囲において、異なる実施形態で示した構成要素同士を部分的に置換し又は組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0033】
1、1A 無人飛行体、2 本体、3 アーム、4、4A 推進装置、41 第1モータ(モータ)、410 ステータ、411 ロータ、412 ベース、412a スリーブ、413 ステータコア、414 コイル、415 ホルダ、415a シャフト、416 ヨーク、417 マグネット、418 軸受、42 第2モータ(モータ)、420 ステータ、421 ロータ、422 ベース、422a スリーブ、423 ステータコア、424 コイル、425 ホルダ、425a シャフト、426 ヨーク、427 マグネット、428 軸受、43 第1プロペラ(プロペラ)、44 第2プロペラ(プロペラ)、44a 空間、45 部材、46 第1回路基板(回路基板)、47、47A 第2回路基板(回路基板)、48 ヒートシンク、49、49A、49B ケース、50 孔(空間)、51 孔(空間)、UD 上方向、DD 下方向、ID 内方向、OD 外方向
図1
図2
図3
図4