(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070180
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】プリント機器、モータ検出機構及びモータ検出方法
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
B65H7/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022180646
(22)【出願日】2022-11-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】521411851
【氏名又は名称】東友科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TECO IMAGE SYSTEMS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】12F., No. 503, Sec. 6, Nanjing E.Rd., Neihu Dist., Taipei City 114, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】黄正宇
【テーマコード(参考)】
3F048
【Fターム(参考)】
3F048AA05
3F048AB00
3F048AC01
3F048BA08
3F048BD07
3F048CC02
3F048DC05
3F048DC07
3F048DC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、搬送装置、印刷装置、及びモータ検出機構を含むプリント機器を提供する。
【解決手段】搬送装置は、モータと回転軸を含む。モータは回転軸を回転駆動する。印刷装置は搬送装置に架設され、駆動部材と印刷カートリッジを含む。駆動部材は、印刷カートリッジの変位を駆動する。モータ検出機構は、センサと遮蔽部品を含む。センサは印刷カートリッジに設置される。遮蔽部品は回転軸に設置される。駆動部材は、印刷カートリッジ及びセンサを駆動して回転軸に対応する位置に共に変位させ、モータは回転軸及び遮蔽部品を共に回転するように駆動することで、センサが遮蔽部品の変位による信号変化を検知する。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置、印刷装置、及びモータ検出機構を含むプリント機器であって、
前記搬送装置は、モータ、少なくとも1つの回転軸、及び載置部品を含み、前記モータは、前記少なくとも1つの回転軸を回転駆動するように構成されることで、前記少なくとも1つの回転軸が前記載置部品を変位させ、前記載置部品は、少なくとも1つの印刷対象を載置するように構成され、
前記印刷装置は、前記搬送装置に架設され、駆動部材と印刷カートリッジを含み、前記駆動部材は、前記印刷カートリッジの変位を駆動し、前記印刷カートリッジは、前記少なくとも1つの印刷対象に対して印刷作業を行うように構成され、
前記モータ検出機構は、センサと遮蔽部品を含み、前記センサは前記印刷カートリッジに設置され、前記遮蔽部品は前記少なくとも1つの回転軸に設置され、
前記駆動部材は、前記印刷カートリッジ及び前記センサを駆動して前記少なくとも1つの回転軸に対応する位置に共に変位させ、前記モータは、前記少なくとも1つの回転軸及び前記遮蔽部品を共に回転するように駆動することで、前記センサが前記遮蔽部品の変位による信号変化を検知する、プリント機器。
【請求項2】
前記センサは、特定の距離内の前記信号変化を検知するように構成される高さセンサであり、前記センサは、前記遮蔽部品の方向に向かって検知を行い、前記遮蔽部品の少なくとも一部は、前記特定の距離内まで移動することができる、請求項1に記載のプリント機器。
【請求項3】
前記遮蔽部品は、少なくとも1つの延在部を含み、前記少なくとも1つの延在部は、前記少なくとも1つの回転軸から離れる方向に延在し、前記遮蔽部品の前記少なくとも1つの延在部の自由端部が前記センサに面するとき、前記少なくとも1つの延在部の自由端部は、前記特定の距離内にある、請求項2に記載のプリント機器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの延在部は、第1延在部と第2延在部を含み、前記第1延在部及び前記第2延在部は、それぞれ前記少なくとも1つの回転軸から離れる方向に延在し、前記第1延在部の延在方向は、前記第2延在部の延在方向と反対であり、
前記第1延在部及び前記第2延在部は、直方体構造に形成され、前記直方体構造は、第1表面、第2表面、第3表面、第4表面、第5表面及び第6表面を含み、前記第1表面と前記第4表面は対向する2つの面であり、前記第2表面と前記第5表面は対向する2つの面であり、前記第3表面と前記第6表面は対向する2つの面であり、
前記第1表面は、前記第1延在部の自由端部に位置し、前記第4表面は、前記第2延在部の自由端部に位置し、前記少なくとも1つの回転軸は、前記第3表面及び前記第6表面を貫通し、
前記第1延在部の自由端部が前記センサに面するとき、前記第1表面は前記特定の距離内にあり、前記第2表面が前記センサに面するとき、前記第2表面は前記特定の距離から外れる位置にあり、
前記第2延在部の自由端部が前記センサに面するとき、前記第4表面は前記特定の距離内にあり、前記第5表面が前記センサに面するとき、前記第5表面は前記特定の距離から外れる位置にある、請求項3に記載のプリント機器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの印刷対象の搬送方向は、前記センサの検知方向に垂直であり、前記少なくとも1つの印刷対象は、前記特定の距離内を通過することができ、
前記駆動部材は、前記印刷カートリッジ及び前記センサを駆動して少なくとも1つの特定の方向に共に移動させることで、前記センサが、前記少なくとも1つの印刷対象の第1端に対応する位置から前記少なくとも1つの印刷対象の上方を通過し、前記少なくとも1つの印刷対象の第2端に移動し、前記センサに、前記少なくとも1つの印刷対象の長さまたは幅を計算するための信号変化を生成させ、
前記第1端及び前記第2端は、それぞれ前記少なくとも1つの印刷対象の対向する両端部である、請求項2に記載のプリント機器。
【請求項6】
前記搬送装置は、ハウジングを含み、前記ハウジングは、2つの側壁と底板を含み、前記2つの側壁は、それぞれ前記底板の対向する両側に接続され、前記2つの側壁と前記底板との間に収容空間が形成され、前記少なくとも1つの回転軸は、前記収容空間内に位置し、前記少なくとも1つの回転軸の両端は、それぞれ前記2つの側壁を貫通する、請求項1に記載のプリント機器。
【請求項7】
前記搬送装置は、第1歯車と第2歯車を含み、前記第1歯車は、前記少なくとも1つの回転軸の一端に接続され、かつ前記側壁の前記収容空間とは反対側に位置し、前記第2歯車は、前記第1歯車に隣接して噛み合っており、
前記モータは、前記第2歯車に接続され、前記第2歯車を回転駆動するように構成されることで、前記第1歯車及び前記少なくとも1つの回転軸を回転させる、請求項6に記載のプリント機器。
【請求項8】
プリント機器に適するモータ検出機構であって、
前記プリント機器は、搬送装置と印刷装置を含み、
前記搬送装置は、モータ、少なくとも1つの回転軸、及び載置部品を含み、前記モータは、前記少なくとも1つの回転軸を回転駆動するように構成されることで、前記少なくとも1つの回転軸が前記載置部品を変位させ、前記載置部品は、少なくとも1つの印刷対象を載置するように構成され、
前記印刷装置は、前記搬送装置に架設され、駆動部材と印刷カートリッジを含み、前記駆動部材は、前記印刷カートリッジの変位を駆動し、前記印刷カートリッジは、前記少なくとも1つの印刷対象に対して印刷作業を行うように構成され、
前記モータ検出機構は、センサと遮蔽部品を含み、
前記センサは、前記印刷カートリッジに設置され、前記印刷カートリッジの移動に伴って移動することができ、
前記遮蔽部品は、前記少なくとも1つの回転軸に設置され、前記少なくとも1つの回転軸の回転に伴って回転することができ、
前記駆動部材は、前記印刷カートリッジ及び前記センサを駆動して前記少なくとも1つの回転軸に対応する位置に共に変位させ、前記モータは、前記少なくとも1つの回転軸及び前記遮蔽部品を共に回転するように駆動することで、前記遮蔽部品の少なくとも一部が、前記センサによって検知される特定の距離内に移動することができ、前記センサが信号変化を検出する場合、前記モータが正常に動作していると判断され、前記センサが前記信号変化を検出しない場合、前記モータが正常に動作していないと判断される、モータ検出機構。
【請求項9】
プリント機器に適するモータ検出方法であって、
前記プリント機器は、搬送装置と印刷装置を含み、
前記搬送装置は、モータ、少なくとも1つの回転軸、及び載置部品を含み、前記モータは、前記少なくとも1つの回転軸を回転駆動するように構成されることで、前記少なくとも1つの回転軸が前記載置部品を変位させ、前記載置部品は、少なくとも1つの印刷対象を載置するように構成され、
前記印刷装置は前記搬送装置に架設され、駆動部材と印刷カートリッジを含み、前記駆動部材は、前記印刷カートリッジの変位を駆動し、前記印刷カートリッジは、前記少なくとも1つの印刷対象に対して印刷作業を行うように構成され、
前記モータ検出方法は、
センサと遮蔽部品を含むモータ検出機構を提供する工程(a)であって、前記センサは前記印刷カートリッジに設置され、前記印刷カートリッジの移動に伴って移動することができ、前記遮蔽部品は、前記少なくとも1つの回転軸に設置され、前記少なくとも1つの回転軸の回転に伴って回転することができる、工程(a)と、
前記駆動部材によって、前記印刷カートリッジ及び前記センサを駆動して前記少なくとも1つの回転軸に対応する位置に共に変位させる、工程(b)と、
前記モータによって前記少なくとも1つの回転軸及び前記遮蔽部品を共に回転するように駆動することで、前記遮蔽部品の少なくとも一部が移動してセンサによって検知される特定の距離内を通過する、工程(c)と、
前記センサによって前記特定の距離内で特定の時間内の信号変化を検知し、前記センサが前記信号変化を検出する場合、前記モータが正常に動作していると判断され、前記センサが前記信号変化を検出しない場合、前記モータが正常に動作していないと判断される、工程(d)と、
を含む、モータ検出方法。
【請求項10】
工程(e)をさらに含み、
前記工程(e)は、前記工程(a)の実行後に実行され、工程(e1)と工程(e2)を含み、
工程(e1)では、前記駆動部材によって、前記印刷カートリッジ及び前記センサを駆動して前記載置部品に対応する位置に共に変位させることで、前記載置部品が前記特定の距離内にあり、
工程(e2)では、前記センサによって前記特定の距離内の前記信号変化を検知し、前記センサが前記信号変化を検出する場合、前記センサが動作していると判断される、前記センサが前記信号変化を検出しない場合、前記センサが正常に動作していないと判断される、請求項9に記載のモータ検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント機器、特にモータ検出機構を備えたプリント機器及びそのモータ検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、市場に出回っているラベルプリンターなどの一般的なプリント機器は、通常、搬送装置と印刷装置を含む。搬送装置は、印刷対象を印刷位置に搬送するように構成され、印刷装置は、印刷位置に搬送された印刷対象に対して印刷作業を行うように構成されている。搬送装置は、通常、回転軸、ステッピングモータ、及び搬送ベルトを含む。搬送ベルトと回転軸は相互に連動している。ステッピングモータによって回転軸を駆動し、搬送ベルトを駆動して印刷対象を印刷位置に搬送する。一般的には、ステッピングモータからのフィードバック信号がないため、ステッピングモータが正常に動作しているかどうかを検出するには、追加のセンサ及び遮蔽部品を搭載して検出を行う必要がある。
【0003】
図1A及び
図1Bは、従来のプリント機器のハウジング、ステッピングモータ、遮蔽部品、及びセンサの概略構造図である。
図1A及び
図1Bに示すように、従来のプリント機器900は、ハウジング901、ステッピングモータ902、センサ903、及び遮蔽部品904を含む。ステッピングモータ902及びセンサ903は、ハウジング901の一側に設置される。ステッピングモータ902は、遮蔽部品904に接続される。ステッピングモータ902により遮蔽部品904の変位を駆動することで、遮蔽部品904が、センサ903によって検知される位置を通過することができる。遮蔽部品904がセンサ903によって検知される位置を通過する(
図1Bに示すように)ことで、センサ903は信号変化を検出して、ステッピングモータ902が正常に動作していると判断される。逆に、センサ903が特定の時間内に信号変化を検出しない場合、ステッピングモータ902またはセンサ903が正常に動作していないと判断される。
【0004】
しかし、ハウジング901の外側に遮蔽部品904を設置するには、構造が比較的複雑であり、余分な収容スペースを必要とし、容積の小さいプリント機器に設置することは容易ではない。また、ステッピングモータ902によって駆動される遮蔽部品904の移動中、印刷対象の搬送に支障をきたすおそれがある。さらに、センサ903を追加設置するためのコストも高くなる。一方、センサ903が特定の時間内に信号変化を検出しない場合、ステッピングモータ902またはセンサ903の少なくとも一方が正常に動作していない可能性があり、故障部品が何であるかを判断するには、他の手段または手動の方法を使用する必要があり、判断プロセスが煩雑になり、追加人件費がかかる。
【0005】
そこで、従来技術が直面する問題を解決するためのプリント機器、モータ検出機構及びモータ検出方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、モータが正常に動作しているかどうかを判断し、省スペースで、構造が簡単であり、コストを削減し、モータ検出の精度を向上させるという効果を達成するプリント機器、モータ検出機構及びモータ検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の広範な実施形態では、搬送装置、印刷装置、及びモータ検出機構を含むプリント機器を提供する。搬送装置は、モータ、少なくとも1つの回転軸、及び載置部品を含む。モータは少なくとも1つの回転軸を回転駆動するように構成されることで、少なくとも1つの回転軸が載置部品を変位させる。載置部品は、少なくとも1つの印刷対象を載置するように構成される。印刷装置は搬送装置に架設され、駆動部材と印刷カートリッジを含む。駆動部材は、印刷カートリッジの変位を駆動し、印刷カートリッジは、少なくとも1つの印刷対象に対して印刷作業を行うように構成される。モータ検出機構は、センサと遮蔽部品を含む。センサは印刷カートリッジに設置され、遮蔽部品は少なくとも1つの回転軸に設置される。駆動部材は、印刷カートリッジ及びセンサを駆動して少なくとも1つの回転軸に対応する位置に共に変位させ、モータは、少なくとも1つの回転軸及び遮蔽部品を共に回転するように駆動することで、センサが遮蔽部品の変位による信号変化を検知する。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の別の広範な実施形態では、プリント機器に適するモータ検出機構を提供する。プリント機器は、搬送装置と印刷装置を含む。搬送装置は、モータ、少なくとも1つの回転軸、及び載置部品を含む。モータは少なくとも1つの回転軸を回転駆動するように構成されることで、少なくとも1つの回転軸が載置部品を変位させる。載置部品は、少なくとも1つの印刷対象を載置するように構成される。印刷装置は搬送装置に架設され、駆動部材と印刷カートリッジを含む。駆動部材は、印刷カートリッジの変位を駆動する。印刷カートリッジは、少なくとも1つの印刷対象に対して印刷作業を行うように構成される。モータ検出機構は、センサと遮蔽部品を含む。センサは、印刷カートリッジに設置され、印刷カートリッジの移動に伴って移動することができる。遮蔽部品は、少なくとも1つの回転軸に設置され、かつ少なくとも1つの回転軸の回転に伴って回転することができる。駆動部材は、印刷カートリッジ及びセンサを駆動して少なくとも1つの回転軸に対応する位置に共に変位させる。モータは、少なくとも1つの回転軸及び遮蔽部品を共に回転するように駆動することで、遮蔽部品の少なくとも一部がセンサによって検知される特定の距離内に移動することができる。センサが信号変化を検出する場合、モータが正常に動作していると判断される。センサが信号変化を検出しない場合、モータが正常に動作していないと判断される。
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の別の広範な実施形態では、プリント機器に適するモータ検出方法を提供する。プリント機器は、搬送装置と印刷装置を含む。搬送装置は、モータ、少なくとも1つの回転軸、及び載置部品を含む。モータは少なくとも1つの回転軸を回転駆動するように構成されることで、少なくとも1つの回転軸が載置部品を変位させる。載置部品は、少なくとも1つの印刷対象を載置するように構成され、印刷装置は搬送装置に架設され、駆動部材と印刷カートリッジを含む。駆動部材は、印刷カートリッジの変位を駆動する。印刷カートリッジは、少なくとも1つの印刷対象に対して印刷作業を行うように構成される。モータ検出方法は、以下の工程を含む。工程(a)では、センサと遮蔽部品を含むモータ検出機構を提供する。センサは印刷カートリッジに設置され、印刷カートリッジの移動に伴って移動することができる。遮蔽部品は少なくとも1つの回転軸に設置され、少なくとも1つの回転軸の回転に伴って回転することができる。工程(b)では、駆動部材によって、印刷カートリッジ及びセンサを駆動して少なくとも1つの回転軸に対応する位置に共に変位させる。工程(c)では、モータによって少なくとも1つの回転軸及び遮蔽部品を共に回転するように駆動することで、遮蔽部品の少なくとも一部が移動してセンサによって検知される特定の距離内を通過する。工程(d)では、センサによって、特定の距離内で特定の時間内の信号変化を検知する。センサが信号変化を検出する場合、モータが正常に動作していると判断される。センサが前記信号変化を検出しない場合、モータが正常に動作していないと判断される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】従来のプリント機器のハウジング、モータ、遮蔽部品及びセンサの概略構造図である。
【
図1B】従来のプリント機器のハウジング、モータ、遮蔽部品及びセンサの概略構造図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るプリント機器の概略構造図である。
【
図4A】
図2に示すプリント機器の印刷カートリッジ、搬送装置及びモータ検出機構の断面構造を示す簡略化された概略図である。
【
図4B】
図2に示すプリント機器の印刷カートリッジ、搬送装置及びモータ検出機構の断面構造を示す簡略化された概略図である。
【
図5】
図2に示すプリント機器の印刷カートリッジ、搬送装置の載置部品及びモータ検出機構のセンサの断面構造を示す簡略化された概略図であり、印刷対象は載置部品に設置される。
【
図6】本発明の一実施形態に係るモータ検出方法の工程フローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係るモータ検出方法のセンサ検出工程の工程フローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係るプリント機器の印刷カートリッジ、モータ検出機構のセンサ、第1位置センサ及び第2位置センサの構造を示す簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の特徴と利点を示すいくつかの典型的な実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変更を加えることができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に説明するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態に係るプリント機器の概略構造図であり、
図3は、
図2に示す搬送装置の概略構造図であり、
図4A及び
図4Bは、
図2に示すプリント機器の印刷装置の印刷カートリッジ、搬送装置及びモータ検出機構の断面構造を示す簡略化された概略図である。
図2、
図3、
図4A及び
図4Bに示すように、本実施形態では、プリント機器100は、搬送装置1、印刷装置2及びモータ検出機構3を含む。搬送装置1は、モータ11、少なくとも1つの回転軸12及び載置部品13を含む。載置部品13と回転軸12は、例えば、コンベアベルトを介して相互に連動しているが、これに限定されない。モータ11は、少なくとも1つの回転軸12を回転駆動するように構成されることで、少なくとも1つの回転軸12が載置部品13を変位させ、載置部品13は、少なくとも1つの印刷対象を載置するように構成される。印刷装置2は搬送装置1に架設され、駆動部材21と印刷カートリッジ22を含む。駆動部材21は、印刷カートリッジ22の変位を駆動する。印刷カートリッジ22は、少なくとも1つの印刷対象に対して印刷作業を行うように構成される。モータ検出機構3は、センサ31と遮蔽部品32を含む。センサ31は印刷カートリッジ22に設置され、遮蔽部品32は少なくとも1つの回転軸12に設置される。駆動部材21は、印刷カートリッジ22及びセンサ31を駆動して少なくとも1つの回転軸12に対応する位置に共に変位させ、モータ11は、少なくとも1つの回転軸12及び遮蔽部品32を共に回転するように駆動することで、センサ31が遮蔽部品32の変位による信号変化を検知する。センサ31が信号変化を検出する場合、モータ11が正常に動作していると判断される。逆に、センサ31が信号変化を検出しない場合、モータ11が正常に動作していないと判断される。遮蔽部品32が少なくとも1つの回転軸12に直接設置されることで、遮蔽部品32を収容または駆動するための余分なスペースを必要とせず、構造が簡単であり、小さな容積の装置に設置することができる。
【0013】
図3、
図4A及び
図4Bに示すように、本実施形態では、搬送装置1はハウジング14を含む。ハウジング14は、2つの側壁141と底板142を含む。2つの側壁141は、それぞれ底板142の対向する両側に接続される。2つの側壁141と底板142との間に、収容空間143が形成される。回転軸12は収容空間143内に位置し、回転軸12の両端は、それぞれ2つの側壁141を貫通する。
【0014】
図3、
図4A及び
図4Bに示すように、本実施形態では、搬送装置1は、第1歯車151と第2歯車152を含む。第1歯車151は、回転軸12の一端に接続され、かつ前記側壁141の収容空間143とは反対側に位置している。第2歯車152は、第1歯車151に隣接して噛み合っている。モータ11は、第2歯車152に接続され、第2歯車152を回転駆動するように構成されることで、第1歯車151及び回転軸12を一緒に回転させる。第1歯車151と第2歯車152の歯車比を調整することにより、回転軸12の回転数を調整することができる。
【0015】
本実施形態では、センサ31は、例えば、特定の距離H内の信号変化を検知するように構成される高さセンサであるが、これに限定されない。一実施形態では、センサ31は、例えば、光学センサであるが、これに限定されない。本実施形態では、センサ31は、遮蔽部品32の方向に向かって検知を行う。遮蔽部品32の少なくとも一部は、回転軸12と同期して回転し、特定の距離H内まで移動することができる(すなわち、
図4Aに示すように)。
【0016】
遮蔽部品32は、例えば、3次元プリントによって成形された構造であるが、これに限定されない。本実施形態では、遮蔽部品32は、第1延在部321と第2延在部322を含む。第1延在部321及び第2延在部322は、それぞれ回転軸12から離れる方向に延在する。第1延在部321の延在方向は、第2延在部322の延在方向と反対である。第1延在部321及び第2延在部322は、直方体構造に形成されるが、これに限定されない。前記直方体構造は、第1表面32a、第2表面32b、第3表面32c、第4表面32d、第5表面32e及び第6表面32fを含む。第1表面32aと前記第4表面32dは対向する2つの面であり、第2表面32bと第5表面32eは対向する2つの面であり、第3表面32cと第6表面32fは対向する2つの面である。第1表面32aは、第1延在部321の自由端部に位置する。第4表面32dは、第2延在部322の自由端部に位置する。回転軸12は、第3表面32c及び第6表面32fを貫通する。
図4Aに示すように、第1延在部321の自由端部がセンサ31に面するとき、第1表面32aは特定の距離H内にあり、このとき、センサ31によって検出される信号はHighとなる。
図4Bに示すように、遮蔽部品32の第2表面32bがセンサ31に面するとき、第2表面32bは特定の距離Hから外れる位置にあり、このとき、センサ31によって検出される信号はLowとなる。第2延在部322の自由端部がセンサ31に面するとき、第4表面32dは特定の距離H内にあり、このとき、センサ31によって検出される信号はHighとなる。遮蔽部品32の第5表面32eがセンサ31に面するとき、第5表面32eは特定の距離Hから外れる位置にあり、このとき、センサ31によって検出される信号はLowとなる。モータ11によって回転軸12及び遮蔽部品32を共に回転させることで、遮蔽部品32の第1延在部321の自由端部及び第2延在部322の自由端部は、センサ31によって検知される特定の距離Hを順次通過し、センサ31が信号High/Lowの変化を検出し、これによって、モータ11が正常に動作していると判断される。逆に、センサ31が信号High/Lowの変化を特定の時間内に検出しない場合、モータ11が正常に動作していないと判断される。
【0017】
いくつかの実施形態では、遮蔽部品32は、単一の延在部または2つ以上の延在部を含むことができ、前述の実施形態に限定されない。いくつかの他の実施形態では、遮蔽部品32は、円柱、三角柱、多角形柱、バタフライ構造または他の特殊な形状の構造であってもよく、前述の実施形態に限定されない。
【0018】
図5は、
図2に示すプリント機器の印刷カートリッジ、搬送装置の載置部品及びモータ検出機構のセンサの断面構造を示す簡略化された概略図であり、印刷対象は載置部品に設置される。
図2及び
図5に示すように、本実施形態では、印刷対象Aの搬送方向Bは、センサ31の検知方向に垂直である。印刷対象Aは、センサ31によって検知される特定の距離H内を通過することができ、対向する第1端A1と第2端A2を含む。駆動部材21によって、印刷カートリッジ22及びセンサ31を駆動して少なくとも1つの特定の方向に共に移動させ、特定の方向は、例えば、搬送方向Bに平行であるが、これに限定されない。それによって、センサ31は、印刷対象Aの第1端A1に対応する位置から印刷対象Aの上方を通過し、印刷対象Aの第2端A2に移動することで、センサ31に、印刷対象Aの長さを計算するための信号変化が生じる。センサ31は、印刷対象Aの幅を検出するためにも使用することができ、その実施方法は上述の実施形態と同様であるため、ここでは繰り返さない。本発明のセンサ31は、モータ11が正常に動作しているかどうかを検出するためだけでなく、印刷対象Aの長さ及び幅を検出するためにも使用されるため、印刷対象の長さ及び幅を検出するための専用センサを別途設ける必要がなく、コスト削減、省スペースなどの効果を達成する。
【0019】
図6は、本発明の一実施形態に係るモータ検出方法の工程フローチャートである。
図2、
図3、
図4A、
図4B及び
図6に示すように、本実施形態のモータ検出方法は、
図2に示すプリント機器100に適用するが、これに限定されない。モータ検出方法は、モータ検出機構3を提供する工程S1を含む。モータ検出機構3は、センサ31と遮蔽部品32を含む。センサ31は、印刷装置2の印刷カートリッジ22に設置され、印刷カートリッジ22の移動と同期して移動することができる。遮蔽部品32は、搬送装置1の回転軸12に設置され、回転軸12と同期して回転することができる。次に、工程S2に進み、駆動部材21によって、印刷カートリッジ22及びセンサ31を駆動して搬送装置1の回転軸12に対応する位置に共に変位させる。その後、工程S3に進み、モータ11によって、回転軸12及び遮蔽部品32を共に回転するように駆動することで、遮蔽部品32の少なくとも一部が移動してセンサ31によって検知される特定の距離H内を通過する。最後に、工程S4に進み、センサ31によって、特定の距離H内で特定の時間内の信号変化を検知する。一実施形態では、特定の時間は、例えば、3秒であるが、これに限定されない。センサ31が信号変化を検出する場合、モータ11が正常に動作していると判断される。センサ31が信号変化を検出しない場合、モータ11が正常に動作していないと判断される。上記のモータ検出方法により、モータ11が正常に動作しているかどうかを迅速かつ正確に検出することができる。
【0020】
図7は、本発明の一実施形態に係るモータ検出方法のセンサ検出工程の工程フローチャートである。本実施形態では、モータ検出方法は、工程S51及び工程S52を含むセンサ検出工程をさらに含み、工程S51及び工程S52は、工程S1の実行後に実行されるが、これに限定されない。まず、工程S51が実行され、駆動部材21によって、印刷カートリッジ22及びセンサ31を駆動して載置部品133に対応する位置に共に変位させることで、載置部品13が特定の距離H内にある。その後、工程S52が実行され、センサ31によって、特定の距離H内の信号変化を検知する。センサ31が載置部品13に対応する位置以外の位置から載置部品13が特定の距離H内にある位置に移動すると、信号がLowからHighに変化するため、センサ31が正常に動作していると判断される。センサ31が信号変化を検出しない場合、センサ31が正常に動作していないと判断される。上記のセンサ検出工程により、まず、センサ31が正常に動作しているかどうかを検出して、センサ31の故障によるその後の判定でのモータ11の誤検出を避ける。
【0021】
図8は、本発明の一実施形態に係るプリント機器の印刷カートリッジ、モータ検出機構のセンサ、第1位置センサ及び第2位置センサの構造を示す簡略化された概略図である。
図8に示すように、本実施形態では、印刷装置2の駆動部材21は、モータ(図示せず)により印刷カートリッジ22を駆動して第1方向Xまたは第2方向Yに向かって移動させ、第1方向Xは第2方向Yに垂直である。本実施形態では、モータ検出機構3は、第1位置センサ33及び第2位置センサ34をさらに含む。第1位置センサ33の検知方向は、第2方向Yに平行であり、特定の距離H1内の信号変化を検出することができる。第2位置センサ34の検知方向は、第1方向Xに平行であり、特定の距離H2内の信号変化を検出することができる。本実施形態では、センサ検出工程を行う前に、第1方向Xにおける駆動モータ及び第2方向Yにおける駆動モータが正常に動作しているかどうかを判断する工程を行う。例えば、モータによって、印刷カートリッジ22を駆動して、第1位置センサ33に対応しかつ特定の距離H1内に位置するように、第1方向Xに向かって移動させることで、第1位置センサ33が信号変化を検出し、第1方向Xにおける駆動モータが正常に動作していると判断される。第1位置センサ33が信号変化を検出しない場合、第1方向Xにおける駆動モータが正常に動作していないと判断される。これに対応して、モータによって、印刷カートリッジ22を駆動して、第2位置センサ34に対応しかつ特定の距離H2内に位置するように、第2方向Yに向かって移動させることで、第2位置センサ34が信号変化を検出し、第2方向Yにおける駆動モータが正常に動作していると判断される。第2位置センサ34が信号変化を検出しない場合、第2方向Yにおける駆動モータが正常に動作していないと判断される。上記の検出方法により、印刷カートリッジ22の位置を特定するとともに、駆動部材21のモータが正常に動作しているかどうかを確認することができ、その後の検出プロセスにおける誤判定も回避することができる。
【0022】
一実施形態では、プリント機器100は、コントローラ(図示せず)をさらに含み、モータ11、センサ31、第1位置センサ33、第2位置センサ34は、コントローラに電気的に接続され、それによって、コントローラは、モータ11の動作を制御することができ、センサ31、第1位置センサ33、第2位置センサ34によって検知される信号変化は、コントローラにより処理・判断されることができるが、これに限定されない。
【0023】
上記のように、本発明は、センサにより遮蔽部品の変位による信号変化を検知して、モータが正常に動作しているかどうかを判断するプリント機器、モータ検出機構及びモータ検出方法を提供する。遮蔽部品が回転軸に直接設置されることで、遮蔽部品を収容または駆動するための余分なスペースを必要とせず、構造が簡単であり、小さな容積の装置に設置することができる。搬送装置の第1歯車と第2歯車の歯車比を調整することにより、回転軸の回転数を調整する。本発明のセンサは、モータが正常に動作しているかどうかを検出するためだけでなく、印刷対象の長さ及び幅を検出するためにも使用されるため、印刷対象の長さ及び幅を検出するための専用センサを別途設ける必要がなく、コスト削減、省スペースなどの効果を達成する。本発明は、先にセンサが正常に動作しているかどうかを検出することで、センサの故障によるその後の判定でのモータの誤検出を避ける。
【0024】
本発明は、当業者なら様々な修正を加えることができるが、特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0025】
100:プリント機器
1:搬送装置
11:モータ
12:回転軸
13:載置部品
14:ハウジング
141:側壁
142:底板
143:収容空間
151:第1歯車
152:第2歯車
2:印刷装置
21:駆動部材
22:印刷カートリッジ
3:モータ検出機構
31:センサ
32:遮蔽部品
321:第1延在部
322:第2延在部
32a:第1表面
32b:第2表面
32c:第3表面
32d:第4表面
32e:第5表面
32f:第6表面
33:第1位置センサ
34:第2位置センサ
A:印刷対象
A1:第1端
A2:第2端
B:搬送方向
X:第1方向
Y:第2方向
H、H1、H2:特定の距離
S1~S4:モータ検出方法の工程
S51~S52:モータ検出方法のセンサ検出工程
900:プリント機器
901:ハウジング
902:ステッピングモータ
903:センサ
904:遮蔽部品
【外国語明細書】