(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070183
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】データガバナンスシステム及びデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240515BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186821
(22)【出願日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0149584
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】505205812
【氏名又は名称】ネイバー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NAVER Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェブ
(72)【発明者】
【氏名】チェー チョルギュ
(72)【発明者】
【氏名】チェー トンイル
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンメ
(72)【発明者】
【氏名】アン ヨンサン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ソンウ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ミンチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハ フンジン
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】 効率よいデータマネジメントのためのデータガバナンスシステム及びこのデータマネジメント方法を提供すること。
【解決手段】 データガバナンスシステムにおけるデータマネジメント方法は、データガバナンスシステムに、少なくとも一つのガバナンスポリシーを登録するステップと、第1のデータを管理する第1のプロジェクトから、ガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つを選択するステップと、第1のプロジェクトにおいて選択されたガバナンスポリシーを、第1のデータのガバナンスポリシーとして設定するステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データガバナンスシステムのデータマネジメント方法において、
前記データガバナンスシステムに、少なくとも一つのガバナンスポリシーを登録するステップと、
第1のデータを管理する第1のプロジェクトから、前記ガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つを選択するステップと、
前記第1のプロジェクトにおいて選択されたガバナンスポリシーを、前記第1のデータのガバナンスポリシーとして設定するステップと、
を含むことを特徴とする、データガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項2】
前記第1のデータに関するガバナンスポリシーを設定するステップは、
前記選択されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた特定の担当者のアカウントに、前記第1のデータに対して前記選択されたガバナンスポリシーを設定することに関するガバナンスポリシーの設定承認をリクエストするステップをさらに含み、
前記特定の担当者のアカウントにおいて、前記第1のデータに関する前記ガバナンスポリシーの設定承認が処理された場合に完了することを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項3】
前記第1のデータを前記第1のプロジェクトとは異なる第2のプロジェクトにおいて利用するための利用権限リクエストを受信するステップと、
前記利用権限リクエストに応答して、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーを確認し、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントに、前記第2のプロジェクトにおいて前記第1のデータを利用することに関する承認リクエストを送信するステップと、
前記担当者のアカウントからの承認が完了することに基づいて、前記第2のプロジェクトにおいて前記第1のデータが利用可能なように、前記第1のデータに対する利用権限を前記第2のプロジェクトに割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項4】
前記ガバナンスポリシーのそれぞれは、互いに異なる複数のカテゴリーのうちのいずれか一つのカテゴリーに盛り込まれるように構成され、
前記複数のカテゴリーは、契約、著作権、個人情報の保護、機密情報及び約款のうちの少なくとも一つと関わるカテゴリーであることを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項5】
前記データガバナンスシステムには、前記第1のプロジェクトを含む複数のプロジェクトが登録され、
前記データガバナンスシステムと連動されるデータ格納場所には、前記第1のデータを含む複数のデータが格納され、
前記データガバナンスシステムに登録された前記複数のプロジェクトのそれぞれにおいては、前記複数のデータのうち、前記データガバナンスシステムを介して権限を割り当てられたデータのみが利用可能であることを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項6】
前記複数のデータのうち、少なくとも一つのガバナンスポリシーが設定されていない第2のデータが存在する場合、
前記第2のデータは、前記複数のプロジェクトのうち、前記第2のデータを管理する特定のプロジェクトを除いた他のプロジェクトにおいては利用が制限されることを特徴とする、請求項5に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項7】
前記複数のデータのそれぞれは、前記複数のプロジェクトのうちの少なくとも一つにより、管理、生成または利用が行われるように構成され、
前記データガバナンスシステムから提供されるプロジェクト管理ページにおいては、
前記複数のプロジェクトのそれぞれにおいて管理、生成または利用が行われるデータの情報を提供することを特徴とする、請求項5に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項8】
前記プロジェクト管理ページは、複数のデータ情報領域を備えるように構成され、
前記第1のプロジェクトに関する第1のプロジェクト管理ページにおいて、
前記複数のデータ情報領域のうちの第1のデータ情報領域には、前記複数のデータのうち、前記第1のプロジェクトにおいて管理される少なくとも一つの管理データに関する情報が含まれ、
前記複数のデータ情報領域のうちの第2のデータ情報領域には、前記複数のデータのうち、前記第1のプロジェクトにおいて生成される少なくとも一つの生成データに関する情報が含まれ、
前記複数のデータ情報領域のうちの第3のデータ情報領域には、前記複数のデータのうち、前記第1のプロジェクトにおいて利用される少なくとも一つの利用データに関する情報が含まれ、
前記第1のデータに関する情報は、前記第3のデータ情報領域に含まれることを特徴とする、請求項7に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項9】
前記第1のプロジェクト管理ページの前記第2のデータ情報領域に含まれる情報に対応する前記生成データは、前記第1のプロジェクトにおけるプロジェクトの遂行に基づいて更新されることを特徴とする、請求項8に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項10】
前記データガバナンスシステムから提供されるデータカタログページには、
前記データガバナンスシステムと連動されるデータ格納場所に格納された一つ以上のデータに対応する項目が含まれ、
前記項目のうちのいずれか一つの項目が選択されれば、選択された項目に対応する特定のデータに関する情報が提供されることを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項11】
前記特定のデータに関する情報は、
前記データガバナンスシステムに登録された複数のプロジェクトのうち、
前記特定のデータを管理する管理プロジェクトの情報、前記特定のデータを生成する生成プロジェクトの情報、及び前記特定のデータを利用する利用プロジェクトの情報のうちの少なくとも一つと、
前記特定のデータに設定された少なくとも一つのガバナンスポリシーに関する情報と、
前記特定のデータを解説する解説情報と、
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項10に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項12】
前記データガバナンスシステムから提供されるガバナンスポリシーページには、
前記データガバナンスシステムに登録された前記ガバナンスポリシーに対応する項目が含まれ、
前記項目のうちのいずれか一つの項目が選択されれば、選択された項目に対応する特定のガバナンスポリシーに関する情報が提供されることを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項13】
前記第1のデータに関するガバナンスポリシーに基づいて、前記データガバナンスシステムにおいて前記第1のデータに関する情報を公開すべき対象を決定することを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項14】
前記第1のデータに対してガバナンスポリシーが設定されることに基づいて、前記第1のデータに関するガバナンス要求事項、データマネジメントガイドライン及び運営方式のうちの少なくとも一つが設定されることを特徴とする、請求項1に記載のデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法。
【請求項15】
データガバナンスシステムにおいて、
データガバナンスシステムに、少なくとも一つ以上のガバナンスポリシーを登録するガバナンスポリシー管理部と、
第1のデータを管理する第1のプロジェクトから、前記ガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つが選択されることに基づいて、前記第1のプロジェクトにおいて選択されたガバナンスポリシーを、前記第1のデータのガバナンスポリシーとして設定する制御部と、
を備えることを特徴とする、データガバナンスシステム。
【請求項16】
一つ以上のプロセッサーによって実行されると、該一つ以上のプロセッサーに、
データガバナンスシステムに、少なくとも一つ以上のガバナンスポリシーを登録するステップと、
第1のデータを管理する第1のプロジェクトから、前記ガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つを選択するステップと、
前記第1のプロジェクトにおいて選択されたガバナンスポリシーを、前記第1のデータのガバナンスポリシーとして設定するステップと、
を実行させることを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率よいデータマネジメントのためのデータガバナンスシステム及びこのデータマネジメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の技術及びサービスの発展には目を見張るものがあり、これに伴い、多岐にわたるデータが生み出され、かつ消費されている。この理由から、データに対するマネジメントは、企業にとってクリティカルイシューとなり、これに伴い、データガバナンス(data governance)はその重要性が益々高まりつつある一方である。データガバナンスとは、企業において使用するデータの可用性、有用性、統合性、セキュリティ性などデータを様々な視点から管理するためのポリシーとプロセスを取り扱うことを意味する。さらに、データガバナンスは、データに関するプライバシー、セキュリティ性、データの品質、管理規定の遵守などを強調している。一般に、企業においては、データごとに遵守されるべきデータガバナンスポリシーを、データを使用しようとする構成員(個人)に遵守するように要請しつつ、構成員ごとにデータに対する利用権限を設定している。
【0003】
このため、プロジェクトを行う構成員が変更(例えば、プロジェクトへの新規な構成員の追加、プロジェクトからの特定の構成員の除外など)される場合、変更される構成員ごとに、データに対する利用権限を設定し直すことを余儀なくされるという煩雑さがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、データに関するデータガバナンスポリシーを効率よく管理するためのデータガバナンスシステム及びこのデータマネジメント方法に関するものである。
【0005】
また、本発明は、データガバナンスポリシーを遵守するデータが流通されるようにするデータガバナンスシステム及びこのデータマネジメント方法に関するものである。
【0006】
さらに、本発明は、プロジェクトに携わる構成員に変動があるとき、最小限のプロセスをもってデータの利用に関する連続性を提供することのできるデータガバナンスシステム及びこのデータマネジメント方法に関するものである。
【0007】
さらにまた、本発明は、データに対するセキュリティ性をなお一層強化させることのできるデータガバナンスシステム及びこのデータマネジメント方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したような課題を解決するために、本発明に係るデータガバナンスシステムにおけるデータマネジメント方法は、前記データガバナンスシステムに、互いに異なる複数のガバナンスポリシーを登録するステップと、第1のデータを管理する第1のプロジェクトから、前記複数のガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つを選択するステップと、前記第1のプロジェクトにおいて選択されたガバナンスポリシーを、前記第1のデータのガバナンスポリシーとして設定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、データガバナンスシステムは、前記データガバナンスシステムに、互いに異なる複数のガバナンスポリシーを登録するガバナンスポリシー管理部と、第1のデータを管理する第1のプロジェクトから、前記複数のガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つが選択されることに基づいて、前記第1のプロジェクトにおいて選択されたガバナンスポリシーを、前記第1のデータのガバナンスポリシーとして設定する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る、電子機器において一つ以上のプロセスによって起動され、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記憶されたプログラムは、前記データガバナンスシステムに、互いに異なる複数のガバナンスポリシーを登録するステップと、第1のデータを管理する第1のプロジェクトから、前記複数のガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つを選択するステップと、前記第1のプロジェクトにおいて選択されたガバナンスポリシーを、前記第1のデータのガバナンスポリシーとして設定するステップと、を行うコマンドを含むことを特徴とする。
【0011】
また、上述したような課題を解決するために、本発明に係るデータガバナンスシステムにおけるデータマネジメント方法は、第1のデータを前記第1のプロジェクトにおいて利用するための利用権限リクエストを受信するステップと、前記利用権限リクエストに応答して、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーを確認し、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントに、前記第2のプロジェクトにおいて前記第1のデータを利用することに関する承認リクエストを送信するステップと、前記担当者のアカウントからの承認が完了することに基づいて、前記第2のプロジェクトにおいて前記第1のデータが利用可能なように、前記第1のデータに対する利用権限を前記第2のプロジェクトに割り当てるステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係るデータガバナンスシステムは、第1のデータを前記第1のプロジェクトにおいて利用するための利用権限リクエストを受信する電子決裁部を備え、前記電子決裁部は、前記利用権限リクエストに応答して、前記第1のデータに設定された少なくとも一つのガバナンスポリシーを確認し、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントに、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータを利用することに関する承認リクエストを送信し、前記担当者のアカウントからの承認が完了することに基づいて、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータが利用可能なように、前記第1のデータに対する利用権限を前記第1のプロジェクトに割り当てることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、本発明に係る、電子機器において一つ以上のプロセスによって起動され、コンピューターにて読み取り可能な記録媒体に記憶されたプログラムは、第1のデータを前記第1のプロジェクトにおいて利用するための利用権限リクエストを受信するステップと、前記利用権限リクエストに応答して、前記第1のデータに設定された少なくとも一つのガバナンスポリシーを確認し、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントに、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータを利用することに関する承認リクエストを送信するステップ及び前記担当者のアカウントからの承認が完了することに基づいて、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータが利用可能なように、前記第1のデータに対する利用権限を前記第1のプロジェクトに割り当てるステップと、を行うコマンドを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本発明に係るデータガバナンスシステム及びデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法は、プロジェクト単位でデータに対する利用権限を割り当てることにより、プロジェクト内の構成員の変動に何ら影響を受けずに、プロジェクト単位でデータの利用に関するマネジメントを行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るデータガバナンスシステム及びデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法は、ガバナンスポリシーが設定されたデータに対してのみプロジェクトにおいて利用可能なようにすることにより、データに関する体系的なマネジメント環境を提供することができる。
【0016】
さらに、本発明に係るデータガバナンスシステム及びデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法は、プロジェクト、データ、ガバナンスポリシーのそれぞれに関するマネジメントページを提供することにより、ユーザーにプロジェクト、データ、ガバナンスポリシーについて互いに連携された管理体系、関連情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るデータガバナンスシステムを説明するための概念図である。
【
図2】本発明に係るデータガバナンスシステムのガバナンスポリシーを説明するための概念図である。
【
図3】本発明に係るデータガバナンスシステムのガバナンスポリシーを説明するための概念図である。
【
図4】本発明に係るデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本発明に係るデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法におけるデータ使用リクエストプロセスを説明するための概念図である。
【
図6】本発明に係るデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法を説明するための概念図である。
【
図7】本発明に係るデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法を説明するための概念図である。
【
図8】本発明に係るデータマネジメントページを説明するための概念図である。
【
図9】本発明に係るガバナンスポリシーページを説明するための概念図である。
【
図10】本発明に係るガバナンスポリシーページを説明するための概念図である。
【
図11】本発明に係るガバナンスシステムのページを説明するための概念図である。
【
図12】本発明に係るガバナンスシステムのページを説明するための概念図である。
【
図13】本発明に係るガバナンスシステムのページを説明するための概念図である。
【
図14】本発明に係るガバナンスシステムのページを説明するための概念図である。
【
図15】本発明に係るデータカタログページを説明するための概念図である。
【
図16】本発明に係るデータカタログページを説明するための概念図である。
【
図17】本発明に係るデータカタログページを説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、この明細書に開示されている実施形態について詳しく説明するが、図面符号とは無関係に、同一のまたは類似の構成要素には、同じ参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。以下の説明において用いられる構成要素に対する接尾詞「モジュール」及び「部」は、明細書の作成しやすさのみが考慮されて付されたり混用されたりするものであって、これ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、この明細書に開示されている実施形態を説明するに当たって、関連する公知の技術についての具体的な説明が本明細書に開示されている実施形態の要旨を曖昧にするおそれがあると認められる場合、その詳細な説明を省略する。なお、添付図面は、単に本明細書に開示されている実施形態を理解しやすくするためのものに過ぎず、添付図面によって本明細書に開示されている技術的思想が制限されるわけではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0019】
「第1の」、「第2の」などの言い回しは、様々な構成要素を説明する上で使用可能であるが、それらの構成要素は、そのような言い回しによって何等限定されない。上記の言い回しは、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0020】
ある構成要素が他の構成要素と「連結」されている、または「接続」されている等と言及される場合、ある構成要素が他の構成要素に直接的に連結されているか接続されていると理解されるべきであるか、または、新たな他の構成要素を介して連結または接続されていると理解されるべきである。これに対し、ある構成要素が他の構成要素と「直接的に連結」されているか、または「直接的に接続されている」等と言及されるときには、新たな他の構成要素を介して連結または接続されていないと理解されるべきである。
【0021】
単数の表現は、文脈からみて明らかに他の意味を有さない限り、複数の言い回しを含む。
【0022】
この出願において、「備える」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものに過ぎず、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解すべきである。
【0023】
本発明は、データに関するガバナンスポリシーを効率よく管理するためのデータガバナンスシステム及びこのデータマネジメント方法を提供するためのものである。
【0024】
具体的に、本発明においては、プロジェクト(project)単位でデータに関するガバナンスポリシーに準拠した利用権限を割り当てて、ユーザーのそれぞれにデータに対する利用権限を割り当てることにより生じる煩雑さ及びリソース(Resource)を低減することができる。
【0025】
また、本発明においては、プロジェクト単位でデータに対する利用権限を管理することにより、プロジェクトに関わるユーザーの変化(例えば、退職、権限の変更、投入など)に柔軟に対応し、ガバナンスポリシーを遵守するシステム(プラットフォーム)を効率よく運用することができる。
【0026】
本発明における「ガバナンス(governance)ポリシー」は、データ(Data)のセキュリティ、個人情報の保護、正確性、可用性、有用性、統合性またはセキュリティ性などを管理するためのポリシーであって、データごとに遵守されるべき法律、プロセス、ルールと結び付けられてもよい。特に、本発明においては、特定のデータに設定されたポリシーを、プロジェクトにおいて特定のデータが利用可能な利用権限を割り当てるために遵守されるべきガバナンスポリシーと理解することができる。本発明における「ガバナンスポリシー」は、「データガバナンス」と混用されることがある。
【0027】
本発明における「プロジェクト(Project)」は、特定の目的(サービス)を行う一連の作業単位であると理解可能である。例えば、ショッピングサービスの提供のために、売り手が登録する商品と買い手の商品の購買と紐付けられたデータなどを管理する過程を一つのプロジェクトであると理解することができる。プロジェクトには、プロジェクトに関わるユーザー(構成員)が配属されて(含まれて)存在することができる。
【0028】
本発明における「データ(Data)」は、特定のプロジェクトにおいてサービスの提供のための諸業務を行いつつ生成され続けたり変更され続けたりする情報(例えば、ショッピングサービスの購買履歴など)を意味し、「値(Value)」は、データを構成する個別の値(例えば、ユーザーの製品購買情報の一つ一つ)を意味する。すなわち、同じ情報に関する「値」の集合を「データ」と理解することができる。
【0029】
以下では、添付図面と結び付けて、本発明に係るデータガバナンスシステム及びこのためのデータマネジメント方法について具体的に説明する。
【0030】
図1に示すように、本発明に係るデータガバナンスシステム100は、制御部110によりデータに関するガバナンスポリシーを遵守し、かつデータを管理するためのプロセスを行うことができる。
【0031】
制御部110は、行う機能に応じて、プロジェクト管理部111、データマネジメント部112、ガバナンスポリシー管理部113、電子決裁部114または画面処理部115に区別されて称されることができる。
【0032】
プロジェクト管理部111は、データガバナンスシステム100に登録された複数のプロジェクトを管理し、これと関わる様々な処理を行うことができる。
【0033】
データマネジメント部112は、データ格納場所120に格納された複数のデータを管理する様々な機能を行うことができる。例えば、データマネジメント部112は、データに対してガバナンスポリシーが設定されることに関する一連の処理を行うことができる。
【0034】
ガバナンスポリシー管理部113は、データガバナンスシステム100に登録された複数のガバナンスポリシーを管理する様々な機能を行うことができる。例えば、ガバナンスポリシー管理部113は、新たなガバナンスポリシーを登録したり削除したり変更したりし、ガバナンスポリシーに関する少なくとも一つの担当者のアカウントをマッチングすることができる。ここで、特定のガバナンスポリシーとマッチングされた担当者のアカウントは、データに関する前記特定のガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントになり得る。
【0035】
電子決裁部114は、ユーザーアカウントに承認リクエストを送信し、かつ承認を得る一連の処理を行うことができる。例えば、特定のプロジェクトに利用権限を承認する(または、割り当てる)ことができ、あるいは、特定のデータに対してガバナンスポリシーを設定するための電子決裁過程を処理することができる。
【0036】
より具体的に、電子決裁部114は、特定のプロジェクトから特定のデータに対する利用権限の承認リクエストがあることに基づいて、特定のデータとマッチングされた担当者のアカウントに、特定のプロジェクトにおいて特定のデータを利用することに関する承認リクエストを送信することができる。なお、電子決裁部114は、データに関するガバナンスポリシーの設定リクエストがあれば、ガバナンスポリシーを承認する担当者のアカウントに承認リクエストを送信することができる。
【0037】
画面処理部115は、ユーザー端末(図示せず)の上に与えられる画面(または、ページ)と関わる様々な処理を行うことができる。画面処理部115は、プロジェクトと関わるページ、データと関わるページ、ガバナンスポリシーと関わるページのそれぞれをユーザー端末に提供するための様々なデータ処理を行うことができる。
【0038】
以下では、プロジェクト管理部111、データマネジメント部112、ガバナンスポリシー管理部113、電子決裁部114及び画面処理部115を特に区別せず、まとめて制御部110という用語を使って説明する。すなわち、以下において制御部110により行われると説明される機能は、プロジェクト管理部111、データマネジメント部112、ガバナンスポリシー管理部113、電子決裁部114及び画面処理部115のうちの少なくとも一つにより行われることができる。
【0039】
データ格納場所120には、データガバナンスシステムにおいて管理されるデータが格納されることができる。また、プロジェクト情報、ガバナンスポリシー情報、各データが遵守しなければならないガバナンスポリシー情報、及びプロジェクトにおいて管理、生成または利用が行われるデータに関する情報などが格納されることができる。このようなデータ格納場所120は、本発明に係るデータガバナンスシステム100の一つの構成要素として存在してもよく、データガバナンスシステム100とは別途の構成要素として存在してもよい。
【0040】
本発明のデータガバナンスシステム100には、複数のガバナンスポリシーが登録されて管理されることができる。ガバナンスポリシーは、大きく、法に合うように実際にデータを取得しかつ使用するための法的根拠に準拠してもよく(例えば、約款、契約など)、データの特性に応じて(例えば、個人情報、著作権、機密情報など)異なっていてもよい。本発明によれば、たとえデータの利用者がこのようなガバナンスポリシーに関する知識を十分に持っていないとしても、安全にデータが管理されかつ利用できるようにする環境が提供されることができる。
【0041】
管理のしやすさのために、ガバナンスポリシーのそれぞれは、ガバナンスポリシーカテゴリーのうちのいずれか一つのカテゴリーに仕分けされることができる。例えば、
図2に示すように、ガバナンスポリシーカテゴリー200は、契約210、著作権220、個人情報保護230、機密情報240、約款250、ウェブ収集260などを含んでいてもよく、特定のガバナンスポリシーカテゴリーは、少なくとも一つのガバナンスポリシーを含んでいてもよい。ガバナンスカテゴリーに応じて、ガバナンスポリシーの種類の仕分けの基準が異なってくることがある。例えば、契約カテゴリーの場合、当該データのプロバイダーとの契約の種類に応じてガバナンスポリシーが設定されることができ、個人情報カテゴリーの場合、個人情報の種類とセキュリティが必要とされる度合いに応じて等級ごとにポリシーが仕分けされることができる(例えば、個人情報重要等級(RED)、個人情報普通等級(Yellow)など)。
【0042】
一方、ガバナンスポリシーには、ガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウント(例えば、サービス1の利用約款251の場合、ユーザー1 U1、ユーザー2 U2)がマッチングされて存在することができる。このとき、複数のガバナンスポリシーのそれぞれとマッチングされる担当者のアカウント及び担当者のアカウントの数は、互いに異なっていてもよい。
【0043】
本発明のデータガバナンスシステム100は、各データに関してガバナンスポリシーを登録して管理することができる。
図3に示すように、制御部110は、プロジェクトまたは権限を有する担当者のアカウントからのリクエストに基づいて、複数のデータD1、D2のそれぞれに少なくとも一つのガバナンスポリシー310、320、330、340、350を設定することができる。データ格納場所120に格納された複数のデータのうちの少なくとも一部は、ガバナンスポリシーが設定されないこともまた可能である。データに設定されたガバナンスポリシーの内容及び数は互いに異なっていてもよく、互いに異なるデータに同一のガバナンスポリシーが設定されてもよい。
【0044】
以下では、
図4に基づいて、特定のデータに設定されたガバナンスポリシーを遵守するためのデータ利用リクエストのプロセスについて説明する。
【0045】
まず、第1のデータD1を第1のプロジェクトP1において利用するための利用権限リクエストを受信する過程が行われてもよい(S410)。
【0046】
利用権限リクエストに応答して、第1のデータD1に設定された少なくとも一つのガバナンスポリシーを確認し、第1のデータD1に設定されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントに、第1のプロジェクトP1において前記第1のデータD1を利用することに関する承認リクエストを送信する過程が行われてもよい(S420)。このような過程は、
図5に示すように、電子決裁の形式で行われてもよい。
【0047】
例えば、制御部110は、第1のプロジェクトP1の構成員M1のアカウントから第1のプロジェクトP1において第1のデータD1を利用するための利用権限リクエストを受信することができる。制御部110は、第1のデータD1に設定された少なくとも一つのガバナンスポリシーに関する情報を確認し、確認されたガバナンスポリシーとマッチングされた担当者のアカウント(例えば、U1、U2)に承認リクエストを送信することができる。
【0048】
本発明においては、承認リクエストが送信された担当者のアカウントからの承認が完了することに基づいて、第1のデータD1に対する利用権限を第1のプロジェクトP1に割り当てる過程が行われてもよい(S430)。第1のデータD1に設定されたガバナンスポリシーが複数である場合、複数のガバナンスポリシーのそれぞれとマッチングされた担当者のアカウントのすべてからの承認の完了が必要になることがある。
【0049】
制御部110は、第1のデータD1に対する利用権限が第1のプロジェクトP1に割り当てられたことに基づいて、第1のプロジェクトP1に対して、第1のデータD1の利用を許容することができる。この場合、第1のプロジェクトP1に配属された構成員であれば、第1のプロジェクトP1に利用権限が割り当てられた第1のデータD1を利用することが可能である。一方、特定の構成員が第1のプロジェクトP1の構成員から除外された場合、前記特定の構成員は、それ以上、第1のプロジェクトP1に利用権限が割り当てられた第1のデータD1に対する利用が不可能である。これは、データに対する利用権限がプロジェクト単位で与えられるためである。
【0050】
データ格納場所120に格納されたデータは、一つまたはそれ以上のプロジェクトにより、管理、生成または利用が行われてもよい。ここで、データを生成するということは、プロジェクトにおいて行う業務のためにまたは業務により、データに埋め込まれているデータ値(value)を付加または修正することを意味する。
【0051】
制御部110は、各データに対する各プロジェクトの管理、生成、利用の権限などに関する情報を管理し、
図6から
図7に示すように、プロジェクト及びデータの間のマッチング情報は、データ格納場所120に格納されることができる。
【0052】
本発明においては、特定のプロジェクトにより管理、生成、利用が行われるデータをそれぞれ特定のプロジェクトの「管理データ」、「生成データ」、「利用データ」と命名することができる。なお、特定のデータの管理、生成、利用を行うプロジェクトをそれぞれ特定のデータの「管理プロジェクト」、「生成プロジェクト」、「利用プロジェクト」と命名することができる。
【0053】
一方、本発明に係るシステム100に登録された特定のプロジェクトが、複数の管理データを管理したり、たった一つのデータも管理しなかったりするということは言うまでもない。例えば、
図7において、第3のプロジェクトにおいて管理する管理データ710は存在しない可能性もある。
【0054】
管理プロジェクトにおいては、管理データに関するガバナンスポリシーを設定することができる。制御部110は、管理データに関するガバナンスポリシーを選択することに基づいて、選択されたガバナンスポリシーを管理データに関するガバナンスポリシーとして設定することができる。例えば、制御部110は、第1のデータD1を管理する第1のプロジェクトP1により、第1のデータD1に関する少なくとも一つのガバナンスポリシーを設定することができる。データに関するガバナンスポリシーを設定することの詳細については後述する。
【0055】
一方、本発明においては、データに関するガバナンスポリシーが遵守できるように、プロジェクト単位の権限の設定及びガバナンスポリシーに準拠したユーザーリクエストプロセスのための直観的かつ効率よいユーザー環境を提供することができる。
【0056】
以下では、本発明に係るデータガバナンスシステム100が提供する複数のガバナンスポリシーと紐付けられた情報が盛り込まれるガバナンスポリシーページ、複数のデータと紐付けられたデータカタログページ及びプロジェクト管理のためのプロジェクト管理ページについて説明する。制御部110は、これらをユーザー端末の上に提供することができる。
【0057】
一方、特定のプロジェクトにおいては、特定のプロジェクトにおいて管理する管理データに関するガバナンスポリシーを設定することができる。制御部110は、特定のプロジェクトにおける設定に基づいて、特定のプロジェクトにおいて管理する管理データに少なくとも一つのガバナンスポリシーをマッチングすることができる。このために、
図8に示すように、制御部110は、データマネジメントページ800の上に、特定のプロジェクトにおいて管理する管理データに対してガバナンスポリシーを設定するための機能アイコン810を提供することができる。
【0058】
機能アイコン810が選択されれば、データマネジメントページ800の一つの領域の上に、データガバナンスシステム100に登録された複数のガバナンスポリシーに対応する項目811、812、813、814を提供することができる。制御部110は、ガバナンスポリシーに対応する項目のうちの少なくとも一つを選択されることに基づいて、選択された項目811、812に対応するガバナンスポリシーを、管理データに設定することができる。この場合、制御部110は、特定のプロジェクトにおいて管理する管理データに、選択された項目811、812に対応する特定のガバナンスポリシーを設定するために、特定のガバナンスポリシーとマッチングされた担当者のアカウントに、ガバナンス設定承認リクエストを送信することができる。ここで、「ガバナンス設定承認リクエスト」は、特定のガバナンスポリシーとマッチングされた担当者のアカウントに、特定のプロジェクトにおいて管理する管理データに対して特定のガバナンスポリシーを設定することに関する承認をリクエストすることであると理解することができる。制御部110は、特定のガバナンスポリシーとマッチングされた担当者のアカウントにおいて、特定のデータに対する特定のガバナンスポリシーの設定が承認処理される場合、特定のデータに対する特定のガバナンスポリシーの設定を完了することができる。
【0059】
このように、特定のプロジェクトにおいては、特定のプロジェクトにおいて管理する管理データに関するガバナンスポリシーを設定することができる。制御部110は、上記の特定のプロジェクトにおいて管理される管理データのうち、ガバナンスポリシーが設定されていない特定のデータが存在する場合、当該特定のデータについては、当該特定のデータを管理する管理プロジェクトに対してのみ利用を許容することができる。
【0060】
図9に示すように、ガバナンスポリシーページ900には、データガバナンスシステム100に登録されたガバナンスポリシーに対応する項目が盛り込まれていてもよい。図示のごとく、カテゴリーの分類を別途に表示することができる。また、カテゴリーの特性や等級に関する内容を色やアイコンにて表わすことができる(例えば、重要個人情報等級は、赤色のアイコンにて表示するなど)。あるいは、同一のカテゴリーに属するガバナンスポリシーを同じ色やアイコンなどにて区別して表示してもよい。
【0061】
本発明におけるガバナンスポリシーには、ガバナンス要求事項、ガイドライン、運営方式などが盛り込まれることができる。例えば、データに関する権限、データガバナンスシステムに関する多様かつ細分化された運営ポリシーに関する内容を設定することができる。これらの情報は、データに関する権限を取得する手続きに用いられてもよく、データに関する細部情報を確認する対象を調節する上で用いられてもよい。このように、本発明においては、ガバナンスポリシーを用いて、データに関するガバナンス運営機構を体系的に管理することができる。
【0062】
制御部110は、ユーザー端末から前記複数のガバナンスポリシーに対応する項目901、902、903、904のうちのいずれか一つの項目に関する選択を受信し、これに関する詳細情報を提供することができる。
【0063】
例えば、制御部110は、複数のガバナンスポリシーに対応する項目901、902、903、904のうちのいずれか一つの項目903が選択されれば、
図10に示すように、選択された項目903に対応する特定のガバナンスポリシーに関する情報を、ガバナンスポリシーページ1000の上に提供することができる。ガバナンスポリシーに関する情報には、i)担当者の情報1010、ii)ガバナンスポリシーに関する解説情報1020、iii)関連するリンク(Link)情報1030、及びiv)ガバナンスポリシーの詳細情報1040のうちの少なくとも一つが盛り込まれていてもよい。
【0064】
ユーザーは、ガバナンスポリシーページ1000上において、ガバナンスポリシーに関する情報を確認し、これを設定及び調節(または、変更)することができる。制御部110は、ガバナンスポリシーページ1000において行われるユーザーのガバナンスポリシーの細部情報設定リクエストに基づいて、ガバナンスポリシーに関するポリシー細部情報を設定することができる。
【0065】
担当者の情報1010には、特定のガバナンスポリシーが設定された特定のデータに対する利用権限リクエストに際して承認を行う担当者情報が盛り込まれることができる。解説情報1020には、特定のガバナンスポリシーがマッチングされた特定のデータの属性(または、特性)情報、特定のガバナンスポリシーに準拠したデータ使用リクエストプロセスに関する解説が盛り込まれることができる。
【0066】
ガバナンスポリシーの詳細情報には、利用期間(または、使用期間)ポリシー、情報公開ポリシーなどが盛り込まれていてもよい。
【0067】
利用期間ポリシーは、権限の有効期間に関する設定であり、基本的な利用期間(最小)と最大の有効期間を含むことができる。設定された利用期間ポリシーに準拠して、ユーザーは、当該ポリシーが設定されたデータについて、最大の有効期間内にのみ利用権限の申請を行うことができ、許可された有効期間内においてのみ利用可能である。権限の有効期間が過ぎると、再び権限リクエストを行って権限の保持に問題かないかを確認する再承認手続きが必要になる可能性がある。本発明によれば、有効期間をガバナンスポリシーごとに異なるように設定することができる。
【0068】
情報公開ポリシーは、データに関する情報を公開すべき対象を意味する。例えば、データに関するメタ情報を公開すべき範囲、データ一覧(データカタログページ)において当該データを公開すべき範囲、データサンプル情報を公開すべき範囲などを設定することができる。公開すべき範囲は、プロジェクト単位で指定してもよく、系列社など他の法人とシステムを共有する場合に同一の法人のプロジェクトのみを対象として公開するか、あるいは、他の法人のプロジェクトにも公開するかなどを設定することができる。公開の対象に該当しないプロジェクトまたは所属法人の場合には、当該データの存否を知っていないか、たとえ存在を知っているとしても、何に関するデータであるかの解説を確認することができないか、あるいは、データサンプルを確認することができない可能性がある。したがって、本発明によれば、データが共有可能な色々な法人の間においてもデータを手軽に共有しながらも、ガバナンスポリシーを遵守できるように補助することができる。
【0069】
一方、ガバナンスポリシーページ900は、データガバナンスシステム100の上にガバナンスポリシーを登録する機能を提供することができる。ガバナンスポリシーページ900には、ガバナンスポリシー登録機能を提供する機能アイコン(例えば、「新たなガバナンスポリシーを登録する」)がさらに備えられていてもよい。制御部110は、前記機能アイコンが選択されることに基づいて、ガバナンスポリシーページ900の上に、新たなガバナンスポリシーの登録のために情報を入力できない領域を提供することができる。例えば、制御部110は、ガバナンスポリシーページ900の上に、新たに登録しようとするガバナンスポリシーのカテゴリー情報、名前情報、担当者情報、解説情報、リンク情報及びポリシー詳細情報(例えば、利用期間情報、公開すべき範囲など)が入力可能な領域を提供することができる。この場合、制御部110は、ガバナンスポリシーの登録権限が割り当てられたユーザーアカウントにてログインされたユーザー端末の上にのみ、ガバナンスポリシー登録機能を提供する機能アイコンが表示されるように制御することができる。
【0070】
一方、本発明に係るデータガバナンスシステム100は、複数のプロジェクトを登録しかつ管理する機能を提供する。
図11に示すように、制御部110は、プロジェクト管理ページ1100を介して入力される情報(プロジェクトの名前、プロジェクトキー、目的、業務など)に基づいて、データガバナンスシステム100の上にプロジェクトを登録することができる。
【0071】
一方、
図12に示すように、制御部110は、プロジェクト管理ページ1200の上に、プロジェクトに関する項目、例えば、特定のプロジェクトにおいて管理、生成または利用が行われるデータの情報(例えば、管理データ、生成データ及び利用データの数の情報)などを提供することができる。
【0072】
制御部110は、ユーザー端末から複数のプロジェクトのそれぞれに対応する項目1210、1220のうちのいずれか一つの項目(例えば、1210)に関する選択を受信することができる。制御部110は、選択された項目1210に対応する特定のプロジェクトの詳細情報を、特定のプロジェクトに関する管理ページの上に提供することができる。
【0073】
例えば、
図13に示すように、選択された項目P1に対するプロジェクト管理ページ1300の上に、プロジェクトの名前情報1310、キー情報1320、関連リンク情報1330、解説情報1340、構成員情報1350などを提供することができる。さらに、
図14に示すように、プロジェクト管理ページ1400の上に、プロジェクトと紐付けられたデータ情報を提供することができる。具体的に、プロジェクト管理ページ1400が複数のデータ情報領域1410、1420、1430を備えるようにし、それぞれの領域を介して当該プロジェクトの管理データ、生成データ、利用データに関する情報を提供することができる。
【0074】
図15に示すように、データカタログページ1500には、データ格納場所120に格納された複数のデータに対応する項目1510、1520、1530、1540、1550が盛り込まれることができる。
【0075】
制御部110は、複数のデータ項目のうちのいずれか一つの項目1510が選択されれば、選択された項目1510に対応する特定のデータに関する情報を提供することができる。例えば、
図16に示すように、特定のデータに関する情報には、i)特定のデータを管理する管理プロジェクトの情報1610、ii)特定のデータを生成する生成プロジェクトの情報1620、iii)特定のデータを利用する利用プロジェクトの情報1630、iv)特定のデータに設定されたガバナンスポリシーに関する情報1640及びv)特定のデータに関する解説情報1650のうちの少なくとも一つが盛り込まれることができる。
【0076】
一方、データ格納場所120のデータは、物理的に位置する地域、サービスの種類など基準に準拠して仕分けされて管理されることができる。
図17に示すように、制御部110は、データカタログページ1700の少なくとも一つの領域1710、1720、1730、1740を介して、データ格納場所120に格納された複数のデータのうちの少なくとも一部が特定可能な情報を入力され、これに対応する特定のデータに関する情報1750、1760を提供することができる。
【0077】
また、特定のデータを管理する管理プロジェクト、生成プロジェクト及び利用プロジェクトのそれぞれの数の情報1751を、データカタログページ1700を介して提供することができる。
【0078】
上述したように、本発明に係るデータガバナンスシステム及びデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法は、プロジェクト単位でデータに対する利用権限を割り当てることにより、プロジェクト内の構成員の変動に何ら影響を受けずに、プロジェクト単位でデータ利用のマネジメントを行うことができる。さらに、本発明に係るデータガバナンスシステム及びデータガバナンスシステムのデータマネジメント方法は、ガバナンスポリシーが設定されたデータに対してのみプロジェクトにおいて利用可能なようにすることにより、データに関わる体系的なマネジメント環境を提供することができる。
【0079】
一方、以上において述べた本発明は、コンピューターにおいて一つ以上のプロセスによって起動され、このようなコンピューター読み取り可能な媒体(または、記録媒体)に記憶可能なプログラムとして実現されることができる。
【0080】
さらに、以上において述べた本発明は、プログラムが記録される媒体に、コンピューター読み取り可能なコードまたはコマンドとして実現することが可能である。すなわち、本発明は、プログラムの形式で提供されることができる。
【0081】
一方、コンピューター読み取り可能な媒体は、コンピューターシステムによって読み取られるデータが記憶されるあらゆる種類の記録装置を網羅する。コンピューター読み取り可能な媒体の例としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートディスク(SSD:Solid State Disk)、シリコンディスクドライブ(SDD:Silicon Disk Drive)、読み取り専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、コンパクトディスク-読み取り専用メモリー(CD-ROM)、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などが挙げられる。
【0082】
また、コンピューター読み取り可能な媒体は、記憶場所を備え、電子機器が通信を通じてアクセス可能なサーバーまたはクラウド記憶場所であってもよい。この場合、コンピューターは、有線または無線通信を通じて、サーバーまたはクラウド記憶場所から本発明に係るプログラムをダウンロードすることができる。
【0083】
さらに、本発明における上述したコンピューターは、プロセッサー、すなわち、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)が搭載された電子機器であって、その種類は特に制限されない。
【0084】
一方、上述した詳細な説明は、あらゆる面において制限的に解釈されてはならず、例示的なものであると考慮されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の合理的な解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的な範囲内におけるあらゆる変更は、本発明の範囲内に包含される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データガバナンスシステムにおいて実行される、データマネジメント方法において、前記データガバナンスシステムには、複数のプロジェクト及び複数のガバナンスポリシーが登録されており、前記データガバナンスシステムと連動されるデータ格納場所に、複数のデータが格納されており、前記複数のデータの各々に対して、少なくとも一つのガバナンスポリシーが設定可能であり、前記複数のデータの各々は、少なくとも一つのプロジェクトにおいて使用され、
前記複数のプロジェクトのうちの特定のプロジェクトについて、前記複数のガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つのガバナンスポリシーが選択されると、該選択されたガバナンスポリシーを、前記複数のデータのうち、前記特定のプロジェクトによって使用される特定のデータのガバナンスポリシーとして設定するステップと、
前記複数のデータのうち第1のデータを前記複数のプロジェクトのうちの第1のプロジェクトにおいて利用するための利用権限リクエストを受信するステップと、
前記利用権限リクエストに応答して、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーを確認し、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントに、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータを利用することに関する承認リクエストを送信するステップと、
前記担当者のアカウントからの承認が完了することに基づいて、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータが利用可能であるように、前記第1のデータに対する利用権限を前記第1のプロジェクトに割り当てるステップと、
を含む、データマネジメント方法。
【請求項2】
前記設定するステップは、
前記選択されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた特定の担当者のアカウントに、前記特定のデータに対して前記選択されたガバナンスポリシーを設定することに関するガバナンスポリシーの設定承認をリクエストするステップをさらに含み、
前記特定の担当者のアカウントにおいて、前記特定のデータに関する前記ガバナンスポリシーの設定承認が処理された場合に、前記選択されたガバナンスポリシーの設定が完了することを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項3】
前記複数のガバナンスポリシーのそれぞれは、互いに異なる複数のカテゴリーのうちのいずれか一つのカテゴリーに分類されるように構成され、
前記複数のカテゴリーは、契約、著作権、個人情報の保護、機密情報及び約款を含み、当該方法は、
前記複数のガバナンスポリシーを前記複数のカテゴリーのいずれかに分類して表示するガバナンスポリシーページを提供するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項4】
当該方法では、
前記データガバナンスシステムに登録された前記複数のプロジェクトのそれぞれにおいては、前記複数のデータのうち、前記データガバナンスシステムを介して権限を割り当てられたデータのみが利用可能であることを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項5】
当該方法では、
前記複数のデータのうち、少なくとも一つのガバナンスポリシーが設定されていない第2のデータが存在する場合、
前記第2のデータは、前記複数のプロジェクトのうち、前記第2のデータを管理する特定のプロジェクトを除いた他のプロジェクトにおいては利用が制限されることを特徴とする、請求項4に記載のデータマネジメント方法。
【請求項6】
前記複数のデータのそれぞれは、前記複数のプロジェクトのうちの少なくとも一つにより、管理、生成または利用が行われるように構成され、
当該方法は、
前記複数のプロジェクトのそれぞれにおいて管理、生成または利用が行われるデータの情報を提供するプロジェクト管理ページを提供するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項7】
前記プロジェクト管理ページは、複数のデータ情報領域を備えるように構成され、
前記プロジェクト管理ページを提供するステップは、前記第1のプロジェクトに関する第1のプロジェクト管理ページを提供するステップを含み、前記第1のプロジェクト管理ページは、
前記複数のデータ情報領域のうちの第1のデータ情報領域に、前記複数のデータのうち、前記第1のプロジェクトにおいて管理される少なくとも一つの管理データに関する情報を含み、
前記複数のデータ情報領域のうちの第2のデータ情報領域に、前記複数のデータのうち、前記第1のプロジェクトにおいて生成される少なくとも一つの生成データに関する情報を含み、
前記複数のデータ情報領域のうちの第3のデータ情報領域に、前記複数のデータのうち、前記第1のプロジェクトにおいて利用される少なくとも一つの利用データに関する情報を含み、
前記第1のデータに関する情報は、前記第3のデータ情報領域に含まれることを特徴とする、請求項6に記載のデータマネジメント方法。
【請求項8】
前記第1のプロジェクト管理ページの前記第2のデータ情報領域に含まれる情報に対応する前記生成データは、前記第1のプロジェクトにおけるプロジェクトの遂行に基づいて更新されることを特徴とする、請求項7に記載のデータマネジメント方法。
【請求項9】
当該方法は、
データカタログページを提供するステップをさらに含み、前記データカタログページは、
前記データガバナンスシステムと連動されるデータ格納場所に格納された一つ以上のデータに対応する項目を含み、
前記項目のうちのいずれか一つの項目が選択されれば、選択された項目に対応するデータに関する情報を提供することを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項10】
前記選択された項目に対応する前記データに関する情報は、
前記データガバナンスシステムに登録された前記複数のプロジェクトのうち、
前記データを管理する管理プロジェクトの情報、前記データを生成する生成プロジェクトの情報、及び前記データを利用する利用プロジェクトの情報のうちの少なくとも一つと、
前記データに設定された少なくとも一つのガバナンスポリシーに関する情報と、
前記データを解説する解説情報と、
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項9に記載のデータマネジメント方法。
【請求項11】
当該方法は、
ガバナンスポリシーページを提供するステップをさらに含み、前記ガバナンスポリシーページは、
前記データガバナンスシステムに登録された前記ガバナンスポリシーに対応する項目を含み、
前記項目のうちのいずれか一つの項目が選択されれば、選択された項目に対応する特定のガバナンスポリシーに関する情報が提供されることを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項12】
前記特定のデータのガバナンスポリシーは、情報公開ポリシーを含み、当該方法は、
前記特定のデータに関するガバナンスポリシーに基づいて、前記データガバナンスシステムにおいて前記特定のデータに関する情報を公開すべき対象を決定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項13】
前記設定するステップは、
前記特定のデータに関するガバナンス要求事項、データマネジメントガイドライン及び運営方式のうちの少なくとも一つを含むガバナンスポリシーを、前記特定のデータのガバナンスポリシーとして設定することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータマネジメント方法。
【請求項14】
データガバナンスシステムにおいて、複数のプロジェクト及び複数のガバナンスポリシーが登録されており、
当該データガバナンスシステムと連動されるデータ格納場所に格納された複数のデータを管理するデータマネジメント部であって、前記複数のデータの各々に対して、少なくとも一つのガバナンスポリシーが設定可能であり、前記複数のデータの各々は、少なくとも一つのプロジェクトにおいて使用可能である、データマネジメント部と、
前記複数のプロジェクトのうちの特定のプロジェクトについて、前記複数のガバナンスポリシーのうちの少なくとも一つのガバナンスポリシーが選択されると、該選択されたガバナンスポリシーを、前記複数のデータのうち、前記特定のプロジェクトによって使用される特定のデータのガバナンスポリシーとして設定する制御部と、
前記複数のデータのうち第1のデータを前記複数のプロジェクトのうちの第1のプロジェクトにおいて利用するための利用権限リクエストを受信し、前記利用権限リクエストに応答して、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーを確認し、前記第1のデータに設定されたガバナンスポリシーの承認と紐付けられた担当者のアカウントに、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータを利用することに関する承認リクエストを送信し、前記担当者のアカウントからの承認が完了することに基づいて、前記第1のプロジェクトにおいて前記第1のデータが利用可能であるように、前記第1のデータに対する利用権限を前記第1のプロジェクトに割り当てる、電子決裁部と、
を備えることを特徴とする、データガバナンスシステム。
【請求項15】
一つ以上のプロセッサーによって実行されると、該一つ以上のプロセッサーに、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のデータマネジメント方法を実行させることを特徴とする、プログラム。