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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070184
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】油性毛髪化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20240515BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q5/00
A61K8/92
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186993
(22)【出願日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2022180017
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100165685
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信治
(72)【発明者】
【氏名】山岡 奈央
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC182
4C083AC331
4C083AC332
4C083AC392
4C083AC432
4C083AC442
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD152
4C083BB04
4C083BB11
4C083BB13
4C083DD30
4C083EE03
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】被膜形成樹脂を油性成分に安定的に分散させることを目的とする。
【解決手段】本発明は[A]両性被膜形成樹脂、[B]ノニオン性界面活性剤、[C]油性成分、を含有する油性毛髪化粧料組成物である。
【選択図】なし


【特許請求の範囲】
【請求項1】
[A]両性被膜形成樹脂、
[B]ノニオン性界面活性剤、
[C]油性成分、
を含有する油性毛髪化粧料組成物。
【請求項2】
前記[C]成分として、液状の油性成分を含む請求項1に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
水の含有量が1質量%以下であるか、水を含有しない請求項1又は2に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
炭素数が1~4である1価のアルコールの含有量が10質量%以下であるか、炭素数が1~4である1価のアルコールを含有しない請求項1又は2に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【請求項5】
前記[B]成分の含有量に対する前記[A]成分の含有量の質量比([A]/[B])が、0.01以上1以下である請求項1又は2に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【請求項6】
600nm波長光の透過率が30%以上である請求項2に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【請求項7】
前記[C]成分として、液状の炭化水素、液状のシリコーン、液状の植物油、及び液状のエステル油からなる群から選択される1種又は2種以上を含む、請求項2又は6に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【請求項8】
前記[C]成分として、液状の炭化水素を含む、請求項2又は6に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【請求項9】
前記[C]成分として、さらに液状の植物油又は液状のシリコーンを含む、請求項8に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性毛髪化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪に直接塗布する油性毛髪化粧料組成物は、主に毛髪に対しての指通りの良さ、つやの付与といった目的で使用されている。例えば、特許文献1では、毛束のつくりやすさ、指通りのよさ、つや、及び毛束のかたさを付与できる油性整髪剤組成物が、特許文献2では、べたつき感が軽減され、ふんわりとしたボリューム感を伴う仕上がりを期待できる油性整髪料組成物が開示されている。
【0003】
一方で、水又はエタノールを多量に配合する毛髪化粧料では、被膜形成樹脂の配合により、毛髪形状を維持する目的で使用されるものがある。例えば、特許文献3では、被膜形成樹脂及び水を含み、毛髪が固まる仕上がりで、ヘアスタイルの持続性に優れた整髪料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-24784号公報
【特許文献2】特開2018-12647号公報
【特許文献3】特開2022-24700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、高いセット力を有する被膜形成樹脂は、油性成分を含有する油性毛髪化粧料組成物に配合すると、油性毛髪化粧料組成物中で被膜形成樹脂が凝集して沈殿するといった問題があった。そのため、ヘアスタイルの持続性を高めた油性毛髪化粧料組成物の需要があるにもかかわらず、油性毛髪化粧料組成物に被膜形成樹脂を安定的に含有させることは困難であった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、被膜形成樹脂を油性成分に分散させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、油性成分を含有する油性毛髪化粧料において、被膜形成樹脂として両性被膜形成樹脂を選択するとともにノニオン性界面活性剤を用いることで、両性被膜形成樹脂を油性毛髪化粧料組成物に対して安定的に含有できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は以下の発明を含む。
[発明1]
[A]両性被膜形成樹脂、
[B]ノニオン性界面活性剤、
[C]油性成分、
を含有する油性毛髪化粧料組成物。
[発明2]
前記[C]成分として、液状の油性成分を含む発明1に記載の油性毛髪化粧料組成物。
[発明3]
水の含有量が1質量%以下であるか、水を含有しない発明1又は2に記載の油性毛髪化粧料組成物。
[発明4]
炭素数が1~4である1価のアルコールの含有量が10質量%以下であるか、炭素数が1~4である1価のアルコールを含有しない発明1~3のいずれか1発明に記載の油性毛髪化粧料組成物。
[発明5]
前記[B]成分の含有量に対する前記[A]成分の含有量の質量比([A]/[B])が、0.01以上1以下である発明1~4のいずれか1発明に記載の油性毛髪化粧料組成物。
[発明6]
600nm波長光の透過率が30%以上である発明1~5のいずれか1発明に記載の油性毛髪化粧料組成物。
[発明7]
前記[C]成分として、液状の炭化水素、液状のシリコーン、液状の植物油、及び液状のエステル油からなる群から選択される1種又は2種以上を含む、発明1~6のいずれか1発明に記載の油性毛髪化粧料組成物。
[発明8]
前記[C]成分として、液状の炭化水素を含む、発明1~7のいずれか1発明に記載の油性毛髪化粧料組成物。
[発明9]
前記[C]成分として、液状の植物油又は液状のシリコーンを含む、発明1~8のいずれか1発明に記載の油性毛髪化粧料組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る油性毛髪化粧料組成物は、被膜形成樹脂として[A]両性被膜形成樹脂を選択し、[B]ノニオン性界面活性剤及び[C]油性成分が含まれるため、被膜形成樹脂である[A]両性被膜形成樹脂を[C]油性成分に分散させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態である油性毛髪化粧料組成物を、以下詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に記載される構成に限定されることを意図しない。なお、本明細書において「液状」とは、高さ12cm、口径4cmのガラス製スクリュー管瓶に入れた油性毛髪化粧料組成物又はその構成成分を25℃に設定した恒温水槽内に1時間静置後、B型粘度計で適宜なローターを用い、適宜な回転数を設定して、測定開始から60秒後に測定した粘度が、5,000mPa・s以下であることをいう。
【0011】
[油性毛髪化粧料組成物]
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、[A]両性被膜形成樹脂と、[B]ノニオン性界面活性剤と、[C]油性成分と、を含有する。以下これらの成分について詳述する。
【0012】
[A]両性被膜形成樹脂
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物における[A]成分の含有量は、適宜設定され得るが、上限としては、例えば、5質量%以下であり、油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。下限としては、例えば、0.0001質量%以上であり、毛髪上に、より均一な皮膜を形成できる観点から、0.0005質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましい。
【0013】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられる[A]成分としては、例えば、側鎖にカルボキシベタイン基、スルホベタイン基、ホスホベタイン基などのベタイン構造基を有するモノマーユニットを含む共重合体、側鎖にアミンオキシド基を有するモノマーユニットを含む共重合体、側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン基を有する第一のモノマーユニット及び第四級アンモニウム若しくは第三級アミンを有する第二のモノマーユニットを含む共重合体などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられる[A]成分としては、油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、側鎖にベタイン構造基を有するモノマーユニットを含む共重合体が好ましく、側鎖にカルボキシベタイン基を有するモノマーユニットを含む共重合体がより好ましい。
【0015】
前記側鎖にカルボキシベタイン基を有するモノマーユニットを含む共重合体の具体例としては、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(アスパラギン酸アルキルアミド/アスパラギン酸アミドプロピルベタイン/コハク酸イミド)コポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる共重合体としては、例えば、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマーである。
【0016】
前記(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマーの重量平均分子量の下限としては、例えば10,000以上であり、油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、50,000以上が好ましい。上限としては、例えば150,000以下である。ここで、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製「SC8010(送液ポンプ)」、「SD8022(カラム恒温機)」、「RI8020(オートサンプラー)」、「CO8011(デガッサー)」、「PS8010(屈折率検出器)」、カラム:和光純薬工業株式会社製「Wakopak(Wakobeads G-50)」、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として測定されたものをいう。
【0017】
前記(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマーのガラス転移温度の下限としては、例えば40℃以上である。上限としては、例えば100℃以下であり、油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、90℃以下が好ましい。ここで、ガラス転移温度とは、示差走査熱量計によって測定されるものをいう。
【0018】
前記(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマーの具体例としては、例えば、RAMレジン-1000、RAMレジン-4000(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、RAMレジン-4000が好ましい。
【0019】
前記側鎖にアミンオキシド基を有するモノマーユニットを含む共重合体の具体例としては、(アクリレーツ/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマーなどが挙げられる。
【0020】
前記側鎖にアニオン基を有する第一のモノマーユニット及び側鎖に第四級アンモニウム若しくは第三級アミンを有する第二のモノマーユニットを含む共重合体の具体例としては、例えば、ポリクオタニウム-39などが挙げられる。
【0021】
[B]ノニオン性界面活性剤
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられる[B]成分の含有量は、適宜設定され得るが、上限としては、例えば、30質量%以下であり、[B]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。下限としては、例えば、0.01質量%以上であり、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、0.03質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
【0022】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物における[B]成分の含有量に対する[A]成分の含有量の質量比([A]/[B])は、適宜設定され得るが、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、1以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。下限としては、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましい。
【0023】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられる[B]成分としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選択される1種又は2種以上のノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0024】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテルの有するアルキル基の炭素数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、22以下が好ましく、下限としては、12以上が好ましい。
【0025】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテルの有するポリオキシエチレンの平均付加モル数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。下限としては、1以上が好ましい。
【0026】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(C12-14)エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(C12-14)エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルが好ましい。
【0027】
前記ポリオキシエチレンラウリルエーテルの具体例としては、ラウレス-1、ラウレス-2、ラウレス-3、ラウレス-4、ラウレス-5、ラウレス-6、ラウレス-7、ラウレス-8、ラウレス-9、ラウレス-10、ラウレス-11、ラウレス-12、ラウレス-13、ラウレス-14、ラウレス-15、ラウレス-16、ラウレス-20などが挙げられる。
【0028】
前記ポリオキシエチレンアルキル(C12-14)エーテルの具体例としては、(C12-14)パレス-3、(C12-14)パレス-5、(C12-14)パレス-7、(C12-14)パレス-9、(C12-14)パレス-11、(C12-14)パレス-12などが挙げられる。
【0029】
前記ポリオキシエチレンセチルエーテルの具体例としては、セテス-1、セテス-2、セテス-3、セテス-4、セテス-5、セテス-6、セテス-7、セテス-8、セテス-10、セテス-12、セテス-13、セテス-14、セテス-15、セテス-16、セテス-17、セテス-18、セテス-20などが挙げられる。
【0030】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルの有するアルキル基の炭素数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、22以下が好ましく、下限としては、12以上が好ましい。
【0031】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルの有するポリオキシエチレンの平均付加モル数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。下限としては、1以上が好ましい。
【0032】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルの有するポリオキシプロピレンの平均付加モル数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。下限としては、1以上が好ましい。
【0033】
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルが好ましい。
【0034】
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルの具体例としては、PPG-1セテス-1、PPG-1セテス-5、PPG-1セテス-10、PPG-1セテス-20、PPG-2セテス-1、PPG-2セテス-5、PPG-2セテス-10、PPG-2セテス-12、PPG-2セテス-20、PPG-4セテス-1、PPG-4セテス-5、PPG-4セテス-10、PPG-4セテス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-1、PPG-8セテス-2、PPG-8セテス-5、PPG-8セテス-10、PPG-8セテス-20などが挙げられる。
【0035】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンアルケニルエーテルの有するアルケニル基の炭素数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、22以下が好ましく、下限としては、12以上が好ましい。
【0036】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンアルケニルエーテルの有するポリオキシエチレンの平均付加モル数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。下限としては、1以上が好ましい。
【0037】
前記ポリオキシエチレンアルケニルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルが挙げられる。
【0038】
前記ポリオキシエチレンオレイルエーテルの具体例としては、オレス-2、オレス-3、オレス-4、オレス-5、オレス-6、オレス-7、オレス-8、オレス-9、オレス-10、オレス-11、オレス-12、オレス-13、オレス-15などが挙げられる。
【0039】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルが有する脂肪酸に由来するアシル基の炭素数としては、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、22が好ましく、下限としては、12が好ましい。
【0040】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルが有するポリオキシエチレンの平均付加モル数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、30以下が好ましく、10以下がより好ましい。下限としては、1以上が好ましい。
【0041】
前記ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとしては、例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが挙げられる。
【0042】
前記テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットの具体例としては、テトラオレイン酸ソルベス-4、テトラオレイン酸ソルベス-6、テトラオレイン酸ソルベス-30などが挙げられる。
【0043】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が有するポリオキシエチレンの平均付加モル数は、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、上限としては、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。下限としては、1以上が好ましい。
【0044】
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の具体例としては、PEG-2水添ヒマシ油、PEG-5水添ヒマシ油、PEG-6水添ヒマシ油、PEG-7水添ヒマシ油、PEG-8水添ヒマシ油、PEG-10水添ヒマシ油、PEG-16水添ヒマシ油、PEG-20水添ヒマシ油などが挙げられる。
【0045】
[C]油性成分
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられる[C]成分の含有量は、適宜設定され得るが、下限としては、例えば、60質量%以上であり、90質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましい。
【0046】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に用いられる[C]成分は、液状の油性成分であることが好ましい。油性成分が液状であることで、油性毛髪化粧料組成物の粘度が低下し、より使用しやすい形態で提供することができる。
【0047】
前記液状の油性成分としては、例えば、液状の炭化水素、液状のシリコーン、液状の植物油、液状のエステル油、液状の高級アルコール、液状の脂肪酸などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、毛髪上に被膜形成樹脂を含む被膜をより均一に形成できる観点から、液状の炭化水素、液状のシリコーン、液状の植物油、液状のエステル油が好ましい。
【0048】
前記液状の炭化水素の具体例としては、イソドデカン、テトラデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、(C13-15)アルカンなどの液状の揮発性炭化水素;スクワラン、水添ポリデセン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動パラフィン、オレフィンオリゴマーなどの液状の不揮発性炭化水素が挙げられる。これらの中でも、毛髪上に[A]成分を含む被膜をより均一に形成する観点から、イソドデカン、テトラデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、(C13-15)アルカンなどの液状の揮発性炭化水素が好ましい。
【0049】
前記液状のシリコーンの具体例としては、25℃での動粘度が5cs未満のジメチコン、トリシロキサン、メチルトリメチコン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの液状の揮発性シリコーン;25℃での動粘度が5cs以上のジメチコン、ジメチコノール、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどの液状の不揮発性シリコーンが挙げられる。これらの中でも、毛髪上に[A]成分を含む被膜をより均一に形成する観点から、25℃での動粘度が5cs未満のジメチコン、トリシロキサン、メチルトリメチコン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの液状の揮発性シリコーンが好ましい。
【0050】
前記液状の植物油の具体例としては、サフラワー油、アンズ核油、オリーブ油、ブドウ種子油、月見草油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ナタネ油、ゴマ油、ツバキ油、アマニ油などが挙げられる。
【0051】
前記液状のエステル油の具体例としては、イソステアリン酸イソステアリル、安息香酸アルキル(C12-15)、オレイン酸オレイル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、炭酸ジカプリリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリットなどが挙げられる。
【0052】
前記液状の高級アルコールの具体例としては、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどが挙げられる。
【0053】
前記液状の脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
【0054】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物が[C]成分の2種以上を含有する場合、[A]成分を油性毛髪化粧料組成物に、より安定的に含有できる観点から、液状の炭化水素を含有することが好ましい。油性成分の組み合わせとしては、例えば、液状の炭化水素と液状の植物油との組み合わせ、液状の炭化水素と液状のシリコーンとの組み合わせなどが挙げられる。
【0055】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物において[C]成分として液状の炭化水素を含有する場合、油性毛髪化粧料の透過率向上の観点から、含有する[B]成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0056】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物において[C]成分として液状の植物油を含有する場合、油性毛髪化粧料の透過率向上の観点から、含有する[B]成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0057】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物において[C]成分として液状のエステルを含有する場合、油性毛髪化粧料の透過率向上の観点から、含有する[B]成分は、ポリオキシエチレンアルケニルエーテルであることが好ましい。
【0058】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物において[C]成分として液状のシリコーンを含有する場合、油性毛髪化粧料の透過率向上の観点から、含有する[B]成分は、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル及び/又はポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルであることが好ましい。
【0059】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物において[C]成分として液状の炭化水素及び液状の植物油を含有する場合、油性毛髪化粧料の透過率向上の観点から、含有する[B]成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0060】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物において[C]成分として液状の炭化水素及び液状の植物油、並びに[B]成分としてポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有する場合、油性毛髪化粧料の透過率向上の観点から、液状の炭化水素の含有量に対する[A]成分の含有量の質量比が、0.035以下であることが好ましく、0.025以下であることがより好ましく、0.01以下であることがさらに好ましい。液状の炭化水素の含有量に対する[A]成分の含有量の質量比が、0.035以下であれば、油性毛髪化粧料組成物を透明にすることができる。
【0061】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物において[C]成分として液状の炭化水素及び液状のシリコーンを含有する場合、油性毛髪化粧料の透過率向上の観点から、含有する[B]成分は、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルであることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有することで、油性毛髪化粧料組成物を透明にすることできる。
【0062】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に含まれる水の含有量は、適宜設定されるものであるが、油性毛髪化粧料組成物の透過率向上の観点から、例えば、1質量%以下、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であるか含有しない。
【0063】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物に含まれる炭素数1~4の1価アルコールの含有量は、適宜設定されるものであるが、油性毛髪化粧料組成物の透過率向上の観点から、例えば、10質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であるか含有しない。
【0064】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物の透過率については、[A]成分を[C]成分に分散させることが可能であるので、30%以上に設定可能であり、40%以上の設定も可能であり、50%以上の設定も可能である。そして、本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、透明であることが好ましい。透明であれば化粧料としての美観に優れる。ここで透明とは、25℃に設定した恒温水槽内に1時間静置後の油性毛髪化粧料組成物を測定したときの、600nmの光の透過率が65%以上であることをいう。なお、本明細書において「透過率」とは、光路長10mm、光路幅10mmのポリスチレン製キュベット(BIO-RAD社製)に油性毛髪化粧料組成物を入れ、精製水をブランクに設定して分光光度計(NanoDrop 2000C、Thermo社製)で測定した吸光度を、次式により透過率に換算したものをいう。
[T]=10-[Abs]×100
[T]: 透過率(%)
[Abs]:吸光度
【0065】
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物の粘度は特に限定されないが、毛髪への塗布のしやすさの観点から、高さ12cm、口径4cmのガラス製スクリュー管瓶に入れた油性毛髪化粧料組成物を25℃に設定した恒温水槽内に1時間静置後、B型粘度計で適宜なローターを用い、適宜な回転数を設定して、測定開始から60秒後に測定された場合に、上限としては、取り扱い性に優れる観点から、1,000,000mPa・s以下が好ましく、20,000mPa・s以下がより好ましく、5,000mPa・s以下がさらに好ましい。下限としては、1mPa・s以上が好ましく、10mPa・s以上がより好ましい。
【0066】
[油性毛髪化粧料組成物の製造方法]
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、[A]成分と[B]成分とを混合して均一な混合物とした後で、更に[C]成分と混合する方法で製造することが好ましい。[A]成分と[B] 成分とをあらかじめ混合しておくことで[C]成分に[A]成分を容易に分散させることができる。
【0067】
[その他任意成分]
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、本発明の目的に反しない限り、[A]~[C]成分の他に、任意成分を含有させることができる。任意成分の具体例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子化合物、保湿剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粉体、ビタミン、防腐剤、香料である。
【0068】
[剤型]
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物の剤型としては特に限定されないが、固形状、ペースト状、又は液状であることが挙げられ、その中でも扱い性に優れる観点から液状であることが好ましい。
【0069】
[用途]
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、毛髪に塗布して使用することができ、洗髪後の水けをしっかり取った状態の濡れた毛髪に塗布して使用してもよく、乾燥した毛髪に塗布して使用してもよい。[C]成分として液状のシリコーンが含有される場合、濡れた毛髪に塗布すると髪なじみの点で好ましく、[C]成分として液状の植物油が含有される場合、乾いた毛髪に塗布すると髪なじみの点で好ましい。本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、毛髪に塗布後ドライヤーやヘアアイロンでスタイルに合わせてヘアデザインを整えることができる。
【実施例0070】
以下、実施例に基づき本発明に係る油性毛髪化粧料組成物をさらに詳述するが、本発明は、以下に記載される構成に限定されることを意図しない。
【0071】
[油性毛髪化粧料組成物(実施例1~22、比較例2、3)の調製]
下記に示す表1~6に示した組成(質量%)となるように、エタノールに溶解している[A]又は[A’]成分と[B]成分とを混合した後、[C]成分に添加して各油性毛髪化粧料組成物を調製した。[A]成分として使用した(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマーは、RAMレジン-4000(大阪有機化学工業株式会社製)を用いた。比較例2の[A’]成分は、アニオン性被膜形成樹脂である(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMPを、比較例3の[A’]成分は、ノニオン性被膜形成樹脂である(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーを使用した。[B]成分のうち、セテス-2、セテス-6、セテス-10は加熱して融解させた後、[A]成分と混合して調製した。
【0072】
[油性毛髪化粧料組成物(比較例1)の調製]
表1に示した組成(質量%)で、エタノールに溶解している[A]成分を[C]成分に混合した。
【0073】
[「[A]又は[A’]成分の分散性」の評価法]
油性毛髪化粧料組成物に対する[A]成分又は[A’]成分の分散性を、[A]又は[A’]成分の分散性を目視で確認することで評価した。
〇:[A]成分が[B]成分に分散し、[A]及び[B]成分の混合物が[C]成分に分散した。
×:[A]又は[A’]成分が、[B]成分又は[C]成分に分散しなかった。
【0074】
[油性毛髪化粧料組成物の状態の評価法]
実施例1~22及び比較例1~3の油性毛髪化粧料組成物を目視にて評価した。
「透明」 :全体が均一で透明な油性毛髪化粧料組成物。
「少し濁る」:全体が均一だが、少し濁りが見られる油性毛髪化粧料組成物。
「-」 :全体が均一とならなかった油性毛髪化粧料組成物。
【0075】
[「透過率」の測定]
光路長10mm、光路幅10mmのポリスチレン製キュベット(BIO-RAD社製)に、1mLの実施例15~22の油性毛髪化粧料組成物を入れ、分光光度計(NanoDrop 2000C、Thermo社製)で600nmにおける吸光度[Abs]を、精製水をブランクとして測定し、さらに下記式により、透過率[T]を算出した。
[T]=10-[Abs]×100
【0076】
【表1】
【0077】
表1に示す結果によれば、[B]成分を含まない比較例1では[A]成分は[C]成分に分散しないが、[B]成分を含有する実施例1では[A]成分は[C]成分に分散し、油性毛髪化粧料組成物は透明となった。また、[A]成分の代わりに[A’]成分を含有する比較例2及び3では、実施例1と同量の[B]成分を含有し質量比([A’]/[B])も実施例1と同じ質量比([A]/[B])となるように調製したが、[A’]成分は[C]成分に分散しなかった。
【0078】
【表2】
【0079】
表2に示す結果によれば、[B]成分として、実施例2~7に示したポリオキシエチレンアルキルエーテル(ラウレス-2、セテス-2、セテス-6、セテス-10、(C12-14)パレス-3、(C12-14)パレス-5)、実施例8に示したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(PPG-4セテス-10)、実施例9に示したポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(テトラオレイン酸ソルベス-6)といった種類の異なるノニオン性界面活性剤を用いても、[A]成分は[C]成分に分散し、実施例2~9の油性毛髪化粧料組成物は透明となった。
【0080】
【表3】
【0081】
表3に示す結果によれば、[C]成分として、実施例10、13に示した液状の植物油(サフラワー油)、実施例11、12に示した液状のエステル油(炭酸ジカプリリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトット)といった種類の異なる油性成分を用いても、[B]成分を含有させることで[A]成分は[C]成分に分散し、実施例10~13の油性毛髪化粧料組成物は透明となった。
【0082】
また、[C]成分の液状の植物油(サフラワー油)に対し、[B]成分として、実施例14に示したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(PEG-10水添ヒマシ油)を用いても、[A]成分は[C]成分に分散し、実施例14の油性毛髪化粧料組成物は透明となった。
【0083】
【表4】
【0084】
表4に示す結果によれば、[C]成分として、実施例15~17に示した液状の炭化水素(イソドデカン)及び液状の植物油(サフラワー油)の組み合わせを用いても、[B]成分として、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル(オレス-2)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(PPG-4セテス-10)又はポリオキシエチレンアルキルエーテル(ラウレス-2)を含有させることで、[A]成分は[C]成分に分散し、実施例15~17の油性毛髪化粧料組成物は透明となった。
【0085】
【表5】
【0086】
表5に示す結果によれば、[C]成分として、実施例18及び19に示した液状の炭化水素(イソドデカン)及び液状の植物油(サフラワー油)の組み合わせであっても、[B]成分として、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(テトラオレイン酸ソルベス-6)を含有させることで、[A]成分は[C]成分に分散した。
【0087】
また、[C]成分として液状の炭化水素(イソドデカン)及び液状の植物油(サフラワー油)の組み合わせを含有し、[B]成分として、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(テトラオレイン酸ソルベス-6)を含有する場合、液状の炭化水素の含有量に対する[A]成分の含有量の質量比を0.0075に調製した実施例18では、油性毛髪化粧料組成物は透明となるが、液状の炭化水素の質量比に対する[A]成分の含有量の質量比を0.0375に調製した実施例19では、油性毛髪化粧料組成物に少し濁りが生じた。
【0088】
【表6】
【0089】
表6に示す結果によれば、[C]成分として、実施例20~22に示した液状の炭化水素(イソドデカン)及び液状のシリコーン(ジメチコン(1.5cs))の組み合わせであっても、[B]成分を含有させることで、[A]成分は[C]成分に分散した。
【0090】
また、[C]液状の炭化水素(イソドデカン)及び液状の(ジメチコン(1.5cs))の組み合わせであっても、[B]成分としてポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(テトラオレイン酸ソルベス-6)を含有させることで、実施例20及び21の油性毛髪化粧料組成物は透明となったが、[B]成分としてポリオキシエチレンアルケニルエーテル(オレス‐2)を含有させた実施例22では油性毛髪化粧料組成物に少し濁りが生じた。