(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070185
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】模擬信号機表示で行う障がい者雇用システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240515BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240515BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022189662
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】522462661
【氏名又は名称】KELTEQ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】トレバー・アレン
(72)【発明者】
【氏名】バーン・ジム
(72)【発明者】
【氏名】木暮 徹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自治体が地域の電力会社やガス会社、或いは電気保安協会等に出資させ、公共施設のCO2削減量を10年度以上保証させる省エネナビゲーションセンターを創設し、そこが障がい者の雇用を行い指定管理者となる事で、エネルギーコストも含めた施設の維持管理費は30%以上の削減が図れ、障がい者がネットを通じて施設管理業務に参加できる雇用システム、新規雇用のビジネスモデル、ネガワット仲介システム、トータルマネジメントシステム及び通信システムを提供する。
【解決手段】模擬信号機表示による漏電監視システムであって、漏電値が設定値を超えた異常時に発報する歩行者信号の模擬信号機表示を一覧表にし、漏電値の異常が発生した施設から異常警報を出す事で、数十人の障がい者がスマホ画面をチェックして発報する事ができ、信号を受けた現地の管理者が対策に走る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水光熱使用量監視や防災監視、健康状態監視、防犯監視情報をインターネット経由で障がい者が所有するパソコンやスマートフォンに模擬信号機表示で転送し、異常報告を受けた障がい者はスマホ画面上ボタンのクリックを必要に応じて繰り返すだけでエコポイントがもらえ、電子マネーとして貯金が出来る新たな雇用システム。
【請求項2】
電力使用量の計量や漏電監視等をリアルタイムで遠隔にて行う場合に、模擬信号機表示を用いて電力使用量の使用状況や漏電値の警報レベルが誰にでも分かり易く判定できるシステムで、報告者にエコポイントを与える等のメリットを与えて、インターネットを通じて障がい者でも社会参加を可能にする新規雇用のビジネスモデル。
【請求項3】
電力・ガス・水道・地域冷暖房等の個別エネルギー計量とCO2排出量計量がまとめて計量可能な装置に於いて、電力会社が設置するスマートメータの時限と同期して制御信号を出せるCO2デマンドコントローラーで、障がい者の方たちがスマホ等やPCに模擬信号機表示を用いて、省エネアドバイスや削減効果判定を行うネガワット仲介システム。
【請求項4】
上記CO2デマンドコントローラーに於いて、電力デマンドの計量時限単位は30分で、スタートが日本の標準時刻に合わせてある為、ガス・水道・地域冷暖房等のエネルギー計量も電力メータに合わせ30分デマンドで計量可能な計測端末とする。各エネルギー使用量請求の検針については60分単位で削減量ならび累積使用量の記録を模擬信号機表示と併せて行う計測装置ならびネガワット仲介システム。
【請求項5】
上記CO2デマンドコントローラーに周囲の温度や湿度・音や映像等の信号を取込み、外部に転送する事でクラウドを介して、家庭に於ける介護・防災情報等がスマートフォンや外部パソコンにリアルタイムで、模擬信号機表示にて提供可能な通信システム一体型の装置ならびトータルマネジメントシステム。
【請求項6】
地域電力会社の電力供給が危うくなった際、大口の電力需要家ばかりでなく、小口需要家のスマホにも配信する省エネ要請を模擬信号機表示で行い、省エネ行動に対するメリットを提供する為の、ネガワット対応型CO2デマンドコントローラー、及び全体の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自治体が行うエネルギー起源のCO2排出量に関する検証方法ならびエネルギー使用合理化の技術に関わる。
【背景技術】
【0002】
現在、東京都で始まっている「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」ではエネルギー起源CO2削減のために、第三者認証機関を設け、あらかじめ専門教育を受けた検証人に資格を与えており、排出量取引に関わる手数料収入で事業化が可能とされている。しかしながら、平成11年に起きた東日本大震災以降、公に排出量買取を実施してきた東京電力が赤字転落となって、買取原資を出せる大手企業は見当たらないのが現状である。
【0003】
また排出量の総量規制がかかっている大手の事業者も未達成の場合の環境税に備えて対策に必死だが、1970年代から2度のオイルショックを乗り越えてきただけに省エネ対策も限界である。更に快適な生活環境を得た家庭やマンション等におけるエネルギーは増加を続けており、家電エコポイントも実質はエネルギー増加になった事や太陽光発電の高値買取による再生可能エネルギー発電促進賦課金の負担も加わり、中小零細企業や家庭に於いて、即効的な省エネ対策投資は見当たらない状況である。
【0004】
国内排出量取引は大企業が目標を達成できない場合に中小企業が削減した省エネ分を買取る事を主眼にしているが、現在のエネルギーコスト増加の中で中小企業には省エネ投資する体力はほとんどないと云っても過言ではない。
【0005】
このような状況を打開するために企業が従業員家庭で削減した省エネ分を買取って総排出量と相殺(カーボンオフセット)したらという提言も出ているが、まだ東京都で認められていないのでカーボンカウンセラー等の検証人を増やしても期待する程の仕事はないと考えられる。
そこで、絶対的に不足している国家資格を持ったエネルギー管理士や技術士等の替わりに、自らの家庭で10%以上の省エネ実績がある者に与えられる省エネ診断士のような削減実績のある資格を持った主婦や障がい者を積極的に自治体や地球温暖化防止センター等が雇用する事により、地域の活性化が図れないかと多くの住民が要望している。特に先進的な自治体では国のCO2削減目標値である2030年度に2013年度比で46%を達成する為に公共施設における創エネ・省エネ・蓄エネを積極的に導入して行こうとしており、見える化推進の動きが進んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
排出量認証にあたっては登録審査機関(第三者機関)に所属する審査員や検証人でなければならないとされているが、彼等は省エネ事業のプロではないので省エネ事業者と組まなければコスト削減量を担保としたエスコ事業のようなビジネスモデルは成立しないことになる。何故なら、排出量認証を依頼する企業は審査機関と省エネ事業者の両方に投資すればペイしないところがほとんどだからであり、補助金なくして成り立たないのが国内排出量取引の実状である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らはこのような実状にかんがみ、従来の審査員や検証人の手を借りなくても(財)省エネルギーセンターが認定した省エネナビや建物まるごと省エネナビからの水光熱使用量をリアルタイムで模擬信号機表示に置換える電子認証システムを構築した。そして知的障がい者や老人、子供にも解り易いように青・赤・黄の3色で安全・注意・危険の3段階レベルで表示できるように工夫した。
つまり、従来の水光熱使用量実績を元に情報通信技術を駆使して削減が続いている際には青色の表示を、増加傾向に際には黄色の表示を、超過の傾向には赤色で警報を出す事で今まではエネルギーの専門家でなければ、解析できなかったことが誰にでも解るように配信できる本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明の要旨とするところは、現場のメンテナンス担当者がエネルギー削減だけに全神経を集中出来ない処を障がい者や老人、子供が模擬信号機表示の遠隔監視を代行する事で削減効果が倍増できる特長を持っている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、国が認可した電気の見える化装置である「省エネナビ」を改善し、CO2までも見える化した「CO2デマンドコントローラ」や簡易BEMS「建物まるごと省エネナビ」との併用により、機器制御と模擬信号機表示によるアドバイスが実施できるので、CO2排出量の予測による省エネや電力・ガス・水道の省エネが可能になる。又、認証機関が需要家に模擬信号機による省エネアドバイスをメールや音声でフィードバックすれば、コロナ禍で自宅待機となっている障がい者の雇用にも繋がり、相乗効果による省エネが更に大きくなると判断される。特に家庭に於いては、
マイナンバーにひもづけて省エネナビCO2の配布事業を復活させることになる。現在試行で始まった企業のCO2取引所に個人も参加する事が可能となり、家庭部門に於ける削減目標である66%は省エネナビの普及と共に達成されると判断される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の図面を交えて詳細に説明する。本発明は既存エネルギー供給会社任せの検針と異なり、需要家自らエネルギー使用量を把握して需要予測と削減目標を立て、認証機関側である省エネナビゲーションセンターからの模擬信号機表示や省エネアドバイスに従うので、確実に光熱水使用量を削減することが可能となる。
【0011】
自治体の公共施設に於ける本発明の電力部分での模擬信号機表示、実施例を
図1と
図2に示す。
図1は漏電監視画面、
図2はデマンド監視である施設から送られた電力データを処理して漏電有無と電力量とをセンター側で監視するのが障がい者である。センターと言ってもクラウドからスマートフォンやパソコン画面でリアルタイムデータが確認出来るので、障がい者の方は、わざわざ出勤する必要もなく、模擬信号機表示により発報時にスマホから警報場所の特定を配信するだけである。従来まで自治体の職員が行なってきた毎月の検針は不要となり、その代わりに自治体からの委託を受けた指定管理者や電気保安協会がガスや水道も簡易BEMS(建物まるごと省エネナビ)に現場で月1回の点検時に手動入力する。変電所の管理だけでは電力だけのCO2排出量しか計量できないが、ガスの検針と水道検針も併せて行うことで公共施設全体の総合CO2排出量ばかりでなく、ガス漏れや漏水がリアルタイムで解る仕組みである。
【0012】
特に水道水は自治体管轄であり、浄水場の供給約款変更や家庭や企業へのピークシフト要請で浄水場の契約電力を半減させる事も可能になる。
例えば「夜間電力契約は昼間が3割高く、夜間7割安い」という選択約款があるがこれを水道水に置き換えて「浄水場のピーク時間を2倍高く、それ以外は半額!」という選択約款を創れば浄水場の基本料金が大きく削減となる。何故ならば、浄水場の全体負荷設備容量の半分以上を送水ポンプが占めている処が多いからである。省エネナビゲーションセンターが、見える化の統一システムを構築する事で、公共施設におけるCO2削減46%の目標値は指定管理者のレベルアップにより数年で達成可能と判断される。
【図面の簡単な説明】
【
図1】歩行者信号の模擬信号機表示は漏電値が設定値を超えた異常時に発報する。漏電は火災の原因になり得る為、緊急応動する必要があり、沢山の施設を施設管理者では管理する事が不可能であったが、
図1のように一覧表にし、漏電値の異常が発生した施設から異常警報を出す事で数十人の障がい者がスマホ画面をチェックして発報する事で、信号を受けた現地の管理者が対策に走るシステムである。模擬信号機表示による漏電監視。
【
図2】交通信号の模擬信号機表示はデマンド値(最大需要電力)の予測が設定値を超えた異常時に発報する。通常は青色表示だが設定を超えてデマンド値に近づくと黄色に、超える時には赤色になる。従って、電力計量時間の30分以内に黄色・赤表示から青表示になれば、省エネ行動があったと判断するシステムである。障がい者の方が省エネナビゲーションセンター側でデマンド監視を最適設定値で信号機表示を行い、施設管理者にフィードバックすれば10%以上省エネ実績をあげる事が可能になる。模擬信号機表示によるデマンド監視。