(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070201
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】基板処理方法及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240515BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
H01L21/304 643A
H01L21/306 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039506
(22)【出願日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0149493
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン,シ ネ
(72)【発明者】
【氏名】パク,スン ブム
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ホ ジン
(72)【発明者】
【氏名】リム,ドン ホ
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043AA35
5F043BB23
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE40
5F157AA73
5F157BE12
5F157BE23
5F157BE33
5F157BE43
5F157BE44
5F157BE46
5F157CC11
5F157CF20
5F157CF32
5F157CF70
5F157CF74
5F157DA01
5F157DA81
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板処理方法及び基板処理装置を提供する。
【解決手段】方法は、処理工程の中断後、基板を含む工程チャンバの内部を中性化させるチャンバ中性化段階と、基板を自動的にリカバリするオートリカバリ段階と、を含む。
【効果】処理工程の中断後、リカバリ段階の前に、基板を含む工程チャンバの内部の残余工程液を中性化液で中性化させるチャンバ中性化段階が構成されることにより、残余工程液とリカバリ段階の薬液間の爆発性化学反応を防止する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理工程が異常の発生により中断された場合、前記基板を自動的にリカバリするオートリカバリ段階と、
前記処理工程の中断後、前記オートリカバリ段階の前に、前記基板を含む工程チャンバの内部を中性化させるチャンバ中性化段階と、
を含む、基板処理方法。
【請求項2】
前記チャンバ中性化段階は、
前記処理工程で使用された前記工程チャンバの内部の残余工程液を中性化させる中性化液を前記基板に吐出する、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記チャンバ中性化段階において、
前記残余工程液が酸性液である場合、前記中性化液は塩基性液であり、前記残余工程液が塩基性液である場合、前記中性化液は酸性液であり、
前記塩基性液はSC-1を含み、前記酸性液はSC-2、HF、SPM、硫酸及びDSPのうち少なくとも一つを含む、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記チャンバ中性化段階は、
前記基板にプレ洗浄液を吐出するプレ洗浄段階と、
前記基板に中性化液を吐出する中性化液吐出段階と、
前記基板にポスト洗浄液を吐出するポスト洗浄段階と、
を含む、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記チャンバ中性化段階の前に、
前記残余工程液の種類に応じて、前記基板の周りに配置された複数個のボウルの中から選択された一つで前記残余工程液が回収されるように、前記複数個のボウルを含む処理容器の高さを調節する容器制御段階をさらに含む、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記処理工程は、基板を処理する複数個の工程段階を含み、
前記容器制御段階は、
前記処理工程の前記複数個の工程段階のうち一つの工程段階が行われる途中で中断された場合、前記処理容器の現在の高さを保持させ、
前記処理工程の前記複数個の工程段階のうち一つの工程段階が次の工程段階に切り替わる途中で中断された場合、前記次の工程段階に対応する次の高さへの移動中に停止された前記処理容器を前記次の高さに引き続き移動させる、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記基板の周りに配置された複数個のボウルは、前記基板側に順次に配置された第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウルを含み、前記第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウルは、順次に第1回収ライン、第2回収ライン、及び第3回収ラインと連結され、前記第3ボウルに連結された前記第3回収ラインは、三方バルブを介して廃棄ライン及びリサイクルラインと連結され、
前記チャンバ中性化段階の前に、
前記第3回収ラインが前記残余工程液の種類に応じて、前記廃棄ライン及び前記リサイクルラインのうち一つと通じるように、前記三方バルブを制御するバルブ制御段階をさらに含む、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記バルブ制御段階は、
前記残余工程液がリサイクルの必要な薬液である場合、前記三方バルブを前記第3回収ラインと前記リサイクルラインとが通じるように制御し、
前記残余工程液がリサイクルの必要な薬液でない場合、前記三方バルブを前記第3回収ラインと前記廃棄ラインとが通じるように制御する、請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記チャンバ中性化段階で前記基板の回転速度を変化させる、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記基板の回転速度は、RPMが300~1500の間で変化する、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
基板を処理する処理工程をなす複数個の工程段階と、
前記処理工程が異常の発生により中断された場合、前記基板を自動的にリカバリするオートリカバリ段階と、
前記処理工程の中断後、前記オートリカバリ段階の前に、前記処理工程で使用された工程チャンバの内部の残余工程液を中性化させる中性化液を前記基板に吐出して、前記基板を含む前記工程チャンバの内部を中性化させるチャンバ 中性化段階と、
前記チャンバ中性化段階の前に、前記残余工程液の種類に応じて、前記基板の周りに配置された複数個のボウルの中から選択された一つで前記残余工程液が回収されるように、前記複数個のボウルを含む処理容器の高さを調節する容器制御段階と、
前記チャンバ中性化段階の前に、前記複数個のボウルのうち一つに連結された回収ラインが、前記残余工程液の種類に応じて、廃棄ライン及びリサイクルラインの中から選択された一つと通じるように、前記三方バルブを制御するバルブ制御段階と、
を含む、基板処理方法。
【請求項12】
前記チャンバ中性化段階において、
前記残余工程液が酸性液である場合、前記中性化液は塩基性液であり、前記残余工程液が塩基性液である場合、前記中性化液は酸性液であり、
前記塩基性液はSC-1を含み、前記酸性液はSC-2、HF、SPM、硫酸及びDSPのうち少なくとも一つを含む、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記チャンバ中性化段階は、
前記基板をプレ洗浄液で洗浄するプレ洗浄段階と、
前記基板に中性化液を吐出する中性化段階と、
前記基板をポスト洗浄液で洗浄するポスト洗浄段階と、
を含む、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記容器制御段階は、
前記処理工程の前記複数個の工程段階のうち一つの工程段階が行われる途中で中断された場合、前記処理容器の現在の高さを保持させ、
前記処理工程の前記複数個の工程段階のうち一つの工程段階が次の工程段階に切り替わる途中で中断された場合、前記次の工程段階に対応する次の高さへの移動中に停止された前記処理容器を前記次の高さに引き続き移動させる、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記基板の周りに配置された複数個のボウルは、前記基板側に順次に配置された第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウルを含み、前記第1ボウル、前記第2ボウル、及び前記第3ボウルは、順次に第1回収ライン、第2回収ライン、及び第3回収ラインと連結され、前記第3ボウルに連結された前記第3回収ラインは、三方バルブを介して廃棄ライン及びリサイクルラインと連結され、
前記バルブ制御段階は、
前記残余工程液がリサイクルの必要な薬液である場合、前記三方バルブを前記第3回収ラインと前記リサイクルラインとが通じるように制御し、
前記残余工程液がリサイクルの必要な薬液でない場合、前記三方バルブを前記第3回収ラインと前記廃棄ラインとが通じるように制御する、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記チャンバ中性化段階で前記基板の回転速度を変化させ、
前記基板の回転速度は、RPMが300~1500の間で変化する、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項17】
工程チャンバと、
前記工程チャンバ内に設置され、基板を処理する処理空間を有する処理容器と、
前記処理空間において前記基板を支持し、前記基板を回転させる支持ユニットと、
前記基板に工程液を吐出するノズルユニットと、
前記ノズルユニットに前記工程液を供給する液供給ラインと、
前記基板を処理する処理工程が異常の発生により中断された場合、前記基板をリカバリする前に前記工程チャンバの内部を中性化させる制御部と、を含み、
前記制御部は、前記処理工程で使用された前記工程チャンバの内部の残余工程液を中性化させる中性化液を前記液供給ラインを介して供給して前記ノズルユニットで前記基板に吐出するように、前記液供給ライン及び前記ノズルユニットを制御する、基板処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記処理容器を昇降させる昇降ユニットを制御し、
前記制御部は、前記残余工程液の種類に応じて、前記基板の周りに配置された複数個のボウルの中から選択された一つで前記残余工程液が回収されるように、前記複数個のボウルを含む前記処理容器の高さを調節し、
前記処理工程の複数個の工程段階のうち一つの工程段階が行われる途中で中断された場合、前記処理容器の現在の高さを保持させ、前記処理工程の前記複数個の工程段階のうち一つの工程段階が次の工程段階に切り替わる途中で中断された場合、前記次の工程段階に対応する次の高さへの移動中に停止された前記処理容器を前記次の高さに引き続き移動させる、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記処理容器は、前記基板側に順次に配置された第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウルを含み、
前記第1ボウル、前記第2ボウル、及び第3ボウルは、順次に第1回収ライン、第2回収ライン、及び第3回収ラインと連結され、前記第3ボウルに連結された前記第3回収ラインは、三方バルブを介して廃棄ライン及びリサイクルラインと連結され、
前記制御部は、前記第3回収ラインが前記残余工程液の種類に応じて、前記廃棄ライン及び前記リサイクルラインの中から選択された一つと通じるように、前記三方バルブを制御する、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記基板に前記中性化液を吐出する過程で前記基板の回転速度を変化させるように前記支持ユニットを制御する、請求項17に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置のような集積回路素子は、基板として使用される半導体基板に対して一連の処理工程を繰り返し行うことにより製造することができる。例えば、基板上には、蒸着、フォトリソグラフィ、エッチング、洗浄、乾燥などの処理工程を行うことにより、集積回路素子を構成する電気的な回路パターンを形成することができる。
【0003】
処理工程のうち、エッチング工程又は洗浄工程は、回転する基板上にエッチング液又は洗浄液を供給するケミカル処理工程、リンス液を供給するリンス工程、乾燥ガスを供給する乾燥処理工程などの複数の段階を経て基板を処理する。
【0004】
一方、処理工程の進行中に、工程チャンバに問題(異常)が発生するなどの理由で処理工程が中断された場合、リカバリレシピ(Recovery Recipe)で基板をリカバリするリカバリ段階が行われる。
【0005】
ところが、処理工程で使用されて工程チャンバ内に残った工程液と、リカバリ段階で使用される薬液との混合により爆発性化学反応が起こり得るという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2020-0006004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、工程チャンバの内部の残余工程液を中性化させる基板処理方法及び基板処理装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る基板処理方法は、基板を処理する処理工程が異常の発生により中断された場合に、上記基板を自動的にリカバリするオートリカバリ段階と、上記処理工程の中断後、オートリカバリ段階の前に、上記基板を含む工程チャンバの内部を中性化させるチャンバ中性化段階と、を含む。
【0009】
上記チャンバ中性化段階は、上記処理工程で使用された上記工程チャンバの内部の残余工程液を中性化させる中性化液を上記基板に吐出することができる。
【0010】
上記チャンバ中性化段階において、上記残余工程液が酸性液である場合、上記中性化液は塩基性液であり、上記残余工程液が塩基性液である場合、上記中性化液は酸性液であり、上記塩基性液はSC-1を含み、上記酸性液は、SC-2、HF、SPM、硫酸及びDSPのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0011】
上記チャンバ中性化段階は、上記基板にプレ洗浄液を吐出するプレ洗浄段階と、上記基板に中性化液を吐出する中性化液吐出段階と、上記基板にポスト洗浄液を吐出するポスト洗浄段階と、を含むことができる。
【0012】
本発明は、上記チャンバ中性化段階の前に、上記残余工程液の種類に応じて上記基板の周りに配置された複数個のボウルの中から選択された一つで上記残余工程液が回収されるように、上記複数個のボウルを含む処理容器の高さを調節する容器制御段階をさらに含むことができる。
【0013】
上記処理工程は、基板を処理する複数個の工程段階を含み、上記容器制御段階は、上記処理工程の上記複数個の工程段階のうち一つの工程段階が行われる途中で中断された場合、上記処理容器の現在の高さを保持させ、上記処理工程の上記複数個の工程段階のうち一つの工程段階が次の工程段階に切り替わる途中で中断された場合、上記次の工程段階に対応する次の高さへの移動中に停止された上記処理容器を、上記次の高さに引き続き移動させることができる。
【0014】
本発明は、上記基板の周りに配置された複数個のボウルが上記基板側に順次に配置された第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウルを含み、上記第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウルは、順次に第1回収ライン、第2回収ライン、及び第3回収ラインと連結され、上記第3ボウルに連結された上記第3回収ラインは三方バルブを介して廃棄ライン及びリサイクルラインと連結され、上記チャンバ中性化段階の前に、上記第3回収ラインが上記残余工程液の種類に応じて、上記廃棄ラインと上記リサイクルラインのうち一つと通じるように、上記三方バルブを制御するバルブ制御段階をさらに含むことができる。
【0015】
上記バルブ制御段階は、上記残余工程液がリサイクルの必要な薬液である場合、上記三方バルブを上記第3回収ラインと上記リサイクルラインとが通じるように制御し、上記残余工程液がリサイクルの必要な薬液でない場合、上記三方バルブを、上記第3回収ラインと上記廃棄ラインとが通じるように制御することができる。
【0016】
上記チャンバ中性化段階で上記基板の回転速度を変化させることができる。
【0017】
上記基板の回転速度は、RPMが300~1500の間で変化することができる。
【0018】
本発明の他の側面によれば、基板を処理する処理工程をなす複数個の工程段階と、上記処理工程が異常の発生により中断された場合に上記基板を自動的にリカバリするオートリカバリ段階と、上記処理工程の中断後、上記オートリカバリ段階の前に、上記処理工程で使用された工程チャンバの内部の残余工程液を中性化させる中性化液を上記基板に吐出して、上記基板を含む上記工程チャンバの内部を中性化させるチャンバ中性化段階と、上記チャンバ中性化段階の前に、残余工程液の種類に応じて、上記基板の周りに配置された複数個のボウルの中から選択された一つで上記残余工程液が回収されるように、上記複数個のボウルを含む処理容器の高さを調節する容器制御段階と、上記チャンバ中性化段階の前に、上記複数個のボウルのうち一つに連結された回収ラインが、上記残余工程液の種類に応じて廃棄ラインとリサイクルラインの中から選択された一つと通じるように、上記三方バルブを制御するバルブ制御段階と、を含む基板処理方法が提供されることができる。
【0019】
本発明のさらに他の側面によれば、工程チャンバと、上記工程チャンバ内に設置され、基板を処理する処理空間を有する処理容器と、上記処理空間において上記基板を支持し、上記基板を回転させる支持ユニットと、上記基板に工程液を吐出するノズルユニットと、上記ノズルユニットに上記工程液を供給する液供給ラインと、上記基板を処理する処理工程が異常の発生により中断された場合、上記基板をリカバリする前に上記工程チャンバの内部を中性化させる制御部と、を含み、上記制御部は、上記処理工程で使用された上記工程チャンバの内部の残余工程液を中性化する中性化液を上記液供給ラインを介して供給して上記ノズルユニットで上記基板に吐出するように、上記液供給ライン及び上記ノズルユニットを制御する基板処理装置が提供されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、処理工程の中断後、リカバリ段階の前に、基板を含む工程チャンバの内部の残余工程液を中性化液で中性化させるチャンバ中性化段階が構成されることにより、残余工程液とリカバリ段階の薬液間の爆発性化学反応を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
【
図3a】
図2の基板処理装置の処理容器が昇降することを示す図である。
【
図3b】
図2の基板処理装置の処理容器が昇降することを示す図である。
【
図3c】
図2の基板処理装置の処理容器が昇降することを示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図4の基板処理方法において、チャンバ中性化段階を具体的に示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図5の基板処理方法において、容器制御段階を具体的に示すフローチャートである。
【
図8】
図5の基板処理方法において、バルブ制御段階を具体的に示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように好ましい実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するに当たり、関連する公知の機能又は構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、類似の機能及び作用をする部分については、図面全体にわたって同じ符号を用いる。なお、本明細書において、「上」、「上部」、「上面」、「下」、「下部」、「下面」、「側面」等の用語は図面を基準としたものであり、実際には構成要素が配置される方向によって異なることがある。
【0023】
さらに、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されていると言うとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素を「含む」とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す平面図であり、
図2は、
図1の基板処理装置の内部を示す図であり、
図3a~
図3cは、
図2の基板処理装置の処理容器が昇降することを示す図である。
【0025】
図面を参照すると、本発明の基板処理装置1000は、液により基板Wに対する工程を行う工程チャンバ100を含む。このような工程チャンバ100内では、基板Wを水平に保持した状態で基板Wに対して工程を行う。上記工程は、基板W上に形成された窒化膜をエッチングする工程であってもよい。このとき、液はリン酸を含むことができる。さらに、工程チャンバ100は、様々な液を使用して基板Wの表面に残留する異物及び膜質を除去する工程において使用されることができる。
【0026】
具体的に、上記工程チャンバ100は密閉された内部空間を提供し、上部にはファンフィルタユニット110が設置される。上記ファンフィルタユニット110は、工程チャンバ100の内部に垂直気流を発生させる。このようなファンフィルタユニット110は、フィルタと空気供給ファンが一つのユニットにモジュール化されたものであって、清浄空気をフィルタリングして工程チャンバ100の内部に供給する。清浄空気はファンフィルタユニット110を通過した後、工程チャンバ100の内部に供給されて垂直気流を形成する。このような垂直気流は、基板Wの上部に均一な気流を提供し、処理流体によって基板Wの表面が処理される過程で発生する汚染物質(ヒューム)を空気と共に処理容器200の複数個のボウル210、220、230を介して回収ライン131、132、133に排出させて除去することにより、処理容器の内部の高清浄度を保持させる。
【0027】
工程チャンバ100は、水平隔壁101によって区画される工程領域100aとメンテナンス領域100bとを含む。上記水平隔壁101には、昇降ユニット290の駆動部材293と、ノズルユニット400の駆動部材490とが設置される。また、メンテナンス領域100bは、処理容器200と連結される回収ライン131、132、133、排気部材120が位置する空間であり、このようなメンテナンス領域100bは基板Wの処理が行われる工程領域100aから隔離されることが好ましい。
【0028】
本発明の基板処理装置1000は、処理チャンバ100内に処理容器200、支持ユニット300、及びノズルユニット400を含むことができる。上記処理容器200は工程チャンバ100の内部に設置され、上部が開口した円筒形状を有し、基板Wを処理するための処理空間を提供する。処理容器200の開口した上面は、基板Wの搬出及び搬入の通路として提供される。ここで、上記処理空間には支持ユニット300が位置する。このとき、支持ユニット300は、工程の進行時に基板Wを支持し、基板Wを回転させる。
【0029】
また、処理容器200は、支持ユニット300のスピンヘッド310が位置する上部空間200aと、強制排気が行われるように下部には排気ダクト250が連結された下部空間200bとを提供する。このような排気ダクト250は、工程チャンバ100の外部に延びた排気部材120と連結される。処理容器200の上部空間200aには、回転する基板W上から飛散する薬液と気体を流入及び吸入する環状の第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウル210、220、230が多段で配置される。上記第1ボウル、第2ボウル、及び第3ボウル210、220、230は、一つの共通の環状空間(処理容器の下部空間に該当する)に通じる排気口hを有する。
【0030】
ここで、複数個のボウル210、220、230は、基板Wから飛散した液及びヒュームを含む気流が流入する複数個の回収空間RS1、RS2、RS3を提供する。第1回収空間RS1は、第1ボウル210によって区画されて形成され、第2回収空間RS2は、第1ボウル210と第2ボウル220との間の離隔空間で形成され、第3回収空間RS3は、第2ボウル220と第3ボウル230との間の離隔空間で形成される。
【0031】
これに加えて、上記処理容器200は、処理容器200の垂直位置を変更させる昇降ユニット290と結合される。昇降ユニット290は、処理容器200を上下方向に直線移動させる。処理容器200が上下に移動することによって、スピンヘッド310に対する処理容器200の相対高さが変更される。このような昇降ユニット290は、ブラケット291、昇降軸292、及び駆動部材293を有する。ブラケット291は処理容器200の外壁に固定設置され、ブラケット291には駆動部材293によって上下方向に移動する昇降軸292が固定結合される。基板Wがスピンヘッド310にロード又はスピンヘッド310からアンロードされるとき、スピンヘッド310が処理容器200の上部に突出するように処理容器200が下降する。
【0032】
また、工程の進行時には、基板Wに供給された液の種類に応じて設定された(選択された)各ボウル210、220、230に液が流入できるように処理容器200の高さが調節される。これにより、処理容器200と基板W間の相対的な垂直位置が変更される。したがって、処理容器200は、各回収空間RS1、RS2、RS3別に回収される液と汚染ガスの種類を異ならせることができる。
【0033】
上記支持ユニット300は処理容器200の内側に設置される。支持ユニット300は、工程進行中に基板Wを支持し、工程が行われる間、駆動部材330によって回転することができる。また、上記支持ユニット300は、円形の上部面を有するスピンヘッド310を有する。スピンヘッド310の上部面には、基板Wを支持する複数個の支持ピン311と複数個のチャッキングピン312とを有する。支持ピン311は、スピンヘッド310の上部面の縁部に一定間隔離隔して一定の配列で複数個が配置され、スピンヘッド310から上側に突出するように備えられる。支持ピン311は、基板Wの下面を支持して基板Wがスピンヘッド310から上側方向に離隔した状態で支持されるようにする。支持ピン311の外側には複数個のチャッキングピン312がそれぞれ配置され、このようなチャッキングピン312は上側に突出するように備えられる。複数個のチャッキングピン312は、複数個の支持ピン311によって支持された基板Wがスピンヘッド310上の定位置に載置されるように基板Wを整列する。工程の進行時に、複数個のチャッキングピン312は、基板Wの側部と接触して基板Wが定位置から外れることを防止する。スピンヘッド310の下部には、スピンヘッド310を支持する支持軸320が連結され、支持軸320は、その下端に連結された駆動部材330によって回転する。このとき、駆動部材330はモータ等で設けられ、このような駆動部材330により支持軸320が回転することにより、スピンヘッド310及び基板Wが回転するようになる。
【0034】
一方、上記ノズルユニット400は、支持ユニット300に支持された基板Wに液を吐出する。このようなノズルユニット400は、移動ノズル機器400M又は固定ノズル機器400Fであってもよい。このとき、移動ノズル機器400Mは、処理容器200の外側に複数個が配置されてもよい。
【0035】
図4は、本発明の第1実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートであり、
図5は、
図4の基板処理方法において、チャンバ中性化段階を具体的に示すフローチャートである。
【0036】
図面を参照すると、本発明の基板処理方法は、リカバリ段階Rとチャンバ中性化段階S300とを含む。
【0037】
上記リカバリ段階Rは、基板を処理する処理工程が異常の発生により中断された場合、基板を自動的にリカバリ(recovery)する段階である。
【0038】
ここで、処理工程は、基板を処理する複数個の工程段階を含む。一例として、複数個の工程段階では、互いに異なる工程液を使用して基板を処理することができる。このような処理工程によって基板を処理する過程において異常の発生は、工程チャンバに問題が発生するか、あるいは工程液の供給が円滑にできない場合である可能性がある。このような異常の発生により処理工程が中断、すなわち、非常停止(emergency stop)された時にリカバリ段階Rが行われる。
【0039】
上記リカバリ段階Rは、処理工程が異常の発生により中断された場合、自動的にリカバリレシピ(Recovery Recipe)に従って基板をリカバリするために行われる。このとき、リカバリレシピはユーザによって選択された様々な過程に設定されており、従来の如何なるリカバリレシピを活用してもよいことは勿論である。
【0040】
一方、処理工程で使用されて工程チャンバ内に残った残余工程液と、リカバリ段階Rで使用される薬液との混合により爆発性化学反応が起こり得るという問題点がある。一例として、残余工程液であるSPM(Sulfuric acid peroxide mixture、硫酸と過酸化水素水の混合溶液)と、リカバリ段階Rの薬液であるイソプロピルアルコール(Isopropyl alcohol)とが反応する時、酸化されたIPAと過酸化水素水の化学反応により爆発性の強いアセトンパーオキサイド(Acetone peroxide)系物質が発生するため、爆発の危険性が非常に高いという問題点がある。
【0041】
このような問題点を克服するために、本発明はチャンバ中性化段階S300を含む。
【0042】
上記チャンバ中性化段階S300は、処理工程の中断後、リカバリ段階Rの前に行われる段階であって、基板を含む工程チャンバの内部を中性化させる段階である。
【0043】
基板を処理する処理工程の途中で異常が発生することがあるが、このとき、処理工程で使用された工程液が、基板を含む工程チャンバの内部に残ることがある。上記チャンバ中性化段階S300は、工程チャンバの内部の残余工程液を中性化させる中性化液を基板に吐出することにより実現される。まず、基板に中性化液を吐出すると、基板の残余工程液を中性化させることができる。そして、基板に吐出された中性化液は、基板の回転によって飛散して複数個のボウルのうち一つを介して回収される過程において、工程チャンバの内部のボウル及び回収ラインに残った残余工程液を中性化させることができる。
【0044】
このようなチャンバ中性化段階S300において、残余工程液が酸性液である場合、中性化液は塩基性液であり、残余工程液が塩基性液である場合、中性化液は酸性液である。一例として、塩基性液はSC-1を含み、酸性液はSC-2、HF、SPM、硫酸及びDSPのうち少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されず、残余工程液を中性化させることができる薬液であれば、従来の如何なる薬液を活用してもよいことは勿論である。
【0045】
具体的に、チャンバ中性化段階S300は、プレ洗浄段階S310、中性化液吐出段階S320、及びポスト洗浄段階S330を含むことができる。
【0046】
上記プレ洗浄段階S310は、基板にプレ洗浄液を吐出する段階であって、中性化液で残余工程液を中性化する前に、基板と共に工程チャンバの内部を一定程度洗浄する。そして、中性化液吐出段階S320は、基板に中性化液を吐出する段階であって、工程チャンバに残った残余工程液を中性化液で中性化させる。最後に、ポスト洗浄段階S330は、基板にポスト洗浄液を吐出する段階であって、中性化液で残余工程液を中性化した後に、基板と共に工程チャンバの内部を確実に洗浄する。
【0047】
上述したように本発明は、処理工程の中断後、リカバリ段階Rの前に、基板を含む工程チャンバの内部の残余工程液を中性化液で中性化させるチャンバ中性化段階S300が構成されることにより、残余工程液と、リカバリ段階Rの薬液間の爆発性化学反応を防止することができる。
【0048】
このようなチャンバ中性化段階S300を行うために、基板処理装置1000は、
図2に示すように制御部Cを含む。制御部Cは、基板Wを処理する処理工程が異常の発生により中断された場合、基板Wをリカバリする前に、基板Wを含む工程チャンバ100の内部を中性化させる。具体的に、制御部Cは、液供給ライン500及びノズルユニット400と電気的に連結される。このような制御部Cは、液供給ライン500及びノズルユニット400を制御して、中性化液を液供給ライン500及びノズルユニット400を介して基板に吐出させる。これにより、基板Wを含む工程チャンバ100の内部の残余工程液が中性化される。
【0049】
図6は、本発明の第2実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートであり、
図7は、
図6の基板処理方法において、容器制御段階S100を具体的に示すフローチャートであり、
図8は、
図6の基板処理方法において、バルブ制御段階S200を具体的に示すフローチャートである。
【0050】
図6及び
図7を参照すると、本発明は、処理工程の中断後、チャンバ中性化段階S300の前に容器制御段階S100をさらに含むことができる。
【0051】
上記容器制御段階S100は、残余工程液の種類に応じて処理容器の高さを調節する段階である。
【0052】
具体的に、容器制御段階S100は、残余工程液の種類に応じて基板の周りに配置された複数個のボウルの中から選択された一つで残余工程液が回収されるように、図示のように複数個のボウルを含む処理容器の高さを調節する段階である。このとき、処理容器の高さ調節は、
図2及び
図3a~
図3cに示すように、昇降ユニット290と電気的に連結された制御部Cが昇降ユニット290を制御して昇降ユニット290の作動に従って実現されることができる。すなわち、制御部Cが昇降ユニット290の駆動部材293を制御して昇降軸292が昇降することによって処理容器200の高さを調節することができる。一例として、
図3aに示すように、昇降ユニット290の昇降軸292が最も低く位置する場合には、第1ボウル210が基板Wの側方向に配置されて基板Wの回転によって飛散した工程液が第1ボウル210によって回収される。また、
図3bに示すように、昇降ユニット290の昇降軸292が一定程度上昇した状態では、第2ボウル220が基板Wの側方向に配置されて基板Wの回転によって飛散した工程液が第2ボウル220によって回収される。そして、
図3cに示すように、昇降ユニット290の昇降軸292が相対的にさらに高く上昇した状態では、第3ボウル230が基板Wの側方向に配置されて基板Wの回転によって飛散した工程液が第3ボウル230によって回収される。
【0053】
より具体的に、処理工程は基板を処理する複数個の工程段階を含むが、容器制御段階S100では、このような複数個の工程段階の進行によって処理容器の高さが調節されることができる。
【0054】
すなわち、容器制御段階S100では、処理工程の複数個の工程段階のうち一つの工程段階が行われる途中で中断された場合に、処理容器の現在の高さを保持させる。
【0055】
また、容器制御段階S100では、処理工程の複数個の工程段階のうち一つの工程段階が次の工程段階に切り替わる途中で中断された場合に、処理容器を次の高さに引き続き移動させることができる。一つの工程段階が次の工程段階に切り替わる途中で中断されると、処理容器は次の工程段階に対応する次の高さへの移動中に停止する。このとき、容器制御段階S100では、上記次の高さへの移動中に停止した処理容器を引き続き上記次の高さに移動させるようになる。
【0056】
上述したように、本発明は、処理工程の中断後、チャンバ中性化段階S300の前に、処理容器の高さを調節する容器制御段階S100が構成されることにより、残余工程液の種類に応じて複数個のボウルの中から選択された一つで残余工程液を回収することができる。さらに、本発明は、このような構成により、ボウル及び回収ラインにおける残余工程液とリカバリ段階Rの薬液間の爆発性化学反応を防止することができる。
【0057】
図2、
図6、及び
図8を参照すると、本発明は、処理工程の中断後、チャンバ中性化段階S300の前にバルブ制御段階S200をさらに含むことができる。
【0058】
上記バルブ制御段階S200は、残余工程液の種類に応じてバルブを制御する段階である。
【0059】
基板の周りに配置された複数個のボウルは、基板側に順次に配置された第1ボウル210、第2ボウル220、及び第3ボウル230を含む。このような第1ボウル210、第2ボウル220、及び第3ボウル230は、順次に第1回収ライン131、第2回収ライン132、及び第3回収ライン133と連結される。そして、第3ボウル230に連結された第3回収ライン133は、三方バルブVを介して廃棄ライン133a及びリサイクルライン133bと連結される。
【0060】
このような構成において、バルブ制御段階S200は、チャンバ中性化段階S300の前に、第3回収ライン133が残余工程液の種類に応じて廃棄ライン133a及びリサイクルライン133bのうち一つと通じるように、三方バルブVを制御する。
【0061】
具体的に、バルブ制御段階S200では、残余工程液がリサイクルの必要な薬液である場合、三方バルブVを第3回収ライン133とリサイクルライン133bとが通じるように制御する。また、バルブ制御段階S200では、残余工程液がリサイクルの必要な薬液でない場合、三方バルブVを第3回収ラインと廃棄ライン133aとが通じるように制御する。すなわち、残余工程液がリサイクルの必要な薬液である場合には、第3回収ライン133を介して回収された残余工程液を、リサイクルライン133bを介してリサイクルタンク(図示せず)に収容してリサイクルする。これに対し、残余工程液がリサイクルの必要な薬液でない場合には、第3回収ライン133を介して回収された残余工程液を廃棄ライン133aを介して廃棄することになる。
【0062】
一例として、処理工程の複数個の工程段階のうち、工程液としてSPMを吐出する工程段階が進行中に中断された場合には、三方バルブVを第3回収ライン133とリサイクルライン133bとが通じるように制御することにより、残余工程液をリサイクルライン133bに送る。さらに、複数個の工程段階のうちSPMを吐出する工程段階が完了し、約30秒以内には第3回収ライン133に残余工程液が残っている可能性があるため、このような場合にも三方バルブVを第3回収ライン133とリサイクルライン133bとが通じるように制御することができる。
【0063】
このようなバルブ制御段階S200を行うために、基板処理装置は、
図2に示すように、制御部Cが三方バルブVと電気的に連結された構成をとる。制御部Cは、第3回収ラインが、残余工程液の種類に応じて廃棄ライン133a及びリサイクルライン133bの中から選択された一つと通じるように三方バルブVを制御する。
【0064】
図9は、本発明の第3実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【0065】
図面を参照すると、本発明のチャンバ中性化段階S300で基板の回転速度を変化させることができる。具体的に、
図5に示すように、チャンバ中性化段階S300は、プレ洗浄段階S310、中性化液吐出段階S320、及びポスト洗浄段階S330を含むことができるが、このようなプレ洗浄段階S310、中性化液吐出段階S320、及びポスト洗浄段階S330で基板の回転速度を変化させることができる。
【0066】
チャンバ中性化段階S300において、プレ洗浄液、中性化液、及びポスト洗浄液は、基板から飛散する際、基板の回転速度が低速のときはボウルの低い高さ部分に飛散し、基板の回転速度が高速のときには、ボウルの高い高さ部分に飛散することになる。
【0067】
これにより、チャンバ中性化段階S300で基板の回転速度を変化させると、中性化液がボウルの全体的な部分に均一に飛散することにより、ボウルの全体的な部分において残余工程液を中性化させることができる。また、このような構成により、プレ洗浄液とポスト洗浄液もボウルの全体的な部分に均一に飛散することにより、ボウルの全体的な部分を洗浄することができる。
【0068】
そして、チャンバ中性化段階S300において、基板の回転速度は、RPMが300~1500の間で変化することができる。基板のRPMが300より小さい場合には薬液の飛散がほとんど起こらなくなる。基板のRPMが1500より大きい場合には、薬液の飛散が激しすぎて薬液が処理容器の外部に飛び散ったり、ボウルに衝突してから再び基板に跳ね返ることがある。
【0069】
このような基板の回転速度の変化のために、基板処理装置1000は、
図2に示すように、制御部Cが支持ユニット300の駆動部材330と電気的に連結された構成をとる。制御部Cは、基板Wに中性化液を吐出する過程で基板Wの回転速度を変化させるように支持ユニット300を制御する。
【0070】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できるということを理解することができる。よって、上述した実施形態は、すべての点で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0071】
100:工程チャンバ
100a:工程領域
100b:メンテナンス領域
101:水平隔壁
110:ファンフィルタユニット
120:排気部材
131:第1回収ライン
132:第2回収ライン
133:第3回収ライン
133a:廃棄ライン
133b:リサイクルライン
V:三方バルブ
200:処理容器
200a:上部空間
200b:下部空間
210:第1ボウル
220:第2ボウル
230:第3ボウル
250:排気ダクト
290:昇降ユニット
291:ブラケット
292:昇降軸
293:駆動部材
300:支持ユニット
310:スピンヘッド
320:支持軸
330:駆動部材
400:ノズルユニット
400M:移動ノズル機器
400F:固定ノズル機器
490:駆動部材
500:液供給ライン
1000:基板処理装置
W:基板
S100:容器制御段階
S200:バルブ制御段階
S300:チャンバ中性化段階
S310:プレ洗浄段階
S320:中性化液吐出段階
S330:ポスト洗浄段階
R:リカバリ段階