(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070205
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】電池トップカバーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01M 50/15 20210101AFI20240515BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20240515BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20240515BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240515BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20240515BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20240515BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240515BHJP
H01M 50/627 20210101ALI20240515BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240515BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/566
H01M50/184 A
H01M50/188
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/627
H01M50/342 101
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073552
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202211403730.7
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211406487.4
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202222991204.9
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523160494
【氏名又は名称】寧波震裕汽車部件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningbo Zhenyu Auto Parts Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Jingang Entrepreneurship base, No. 5 Jinhai East Road, Ningbo Southern Binhai New Area, Ninghai County, Ningbo City, Zhejiang Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】何世亜
(72)【発明者】
【氏名】頼軍峰
(72)【発明者】
【氏名】陳浩林
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H023
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011DD02
5H011DD13
5H011EE01
5H011FF02
5H011GG02
5H012AA07
5H012BB02
5H012FF01
5H012GG01
5H023AS01
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA04
5H043DA09
5H043DA20
5H043GA22
5H043GA26
5H043HA17D
5H043KA45D
(57)【要約】
【課題】 技術的欠点を解決するために、電池トップカバーアセンブリを設計する。
【解決手段】
本発明で開示された電池トップカバーアセンブリは、トップカバープレートと導電極柱構造を含み、導電極柱構造の底面には接続体が形成され、接続体はトップカバープレートの接続穴に嵌合され、接続体の外周壁は、接続体の内周壁に接触して溶接され、これにより、導電極柱構造はトップカバープレートに固着される。個別製造により成形された極柱構造をトップカバー片の接続穴に溶接して固定すればよいので、設計と製造プロセスが簡素化され、製造効率が向上し、製造コストも低減される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップカバープレート(100)と、トップカバープレート(100)における極柱取付位置(101)に嵌合される導電極柱構造(300)とを含み、
ここで、極柱取付位置(101)は接続穴(102)を含み、接続穴(102)は貫通するようにトップカバープレート(100)に設けられ、導電極柱構造(300)の底面には、連続的にまたは間隔を置いて設けられた接続体(301)が形成され、接続体(301)は、導電極柱構造(300)の底面から下方へ延びて形成され、接続体(301)は接続穴(102)内に嵌合され、接続体(301)の外周壁は、接続穴(102)の内周壁に接触して溶接され、これにより、導電極柱構造はトップカバープレートに固着される、電池トップカバーアセンブリ。
【請求項2】
トップカバープレート(100)における極柱取付位置(101)には、位置決めスロット(103)が凹設されるように形成され、接続穴(102)は貫通するように位置決めスロット(103)の底面に設けられ、導電極柱構造(300)の底部は位置決めスロット(103)内に置かれ、かつ位置決めスロット(103)の内周壁は導電極柱構造(300)の外周壁に接触して設けられ、かつ導電極柱構造(300)の底面は位置決めスロット(103)の底面に接触して設けられる、請求項1に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項3】
導電極柱構造(300)は、極柱固定部材(401)と、電極柱(6)と、ガスケット(700)と、絶縁部材(81)とを含み、極柱固定部材(401)は、リングベース(411)と、リングベース(411)の上面に形成されたリング壁(412)とを含み、リングベース(411)の上面とリング壁(412)との間には、リングベース(411)の位置決め穴(415)に連通する極柱固定用空洞(413)が形成され、接続体(301)はリングベース(411)の底面に形成され、電極柱(6)とガスケット(700)の両方はいずれも極柱固定用空洞(413)内に配置され、電極柱(6)の極柱固定部(62)はガスケット(700)の内穴に位置決めされ、電極柱(6)の極柱固定部(62)の外周壁はガスケット(700)の内周壁に接触して設けられ、ガスケット(700)は、電極柱(6)の極柱固定部(62)と極柱固定用空洞(413)の内側底面との間に位置し、絶縁部材(81)は、電極柱(6)の少なくとも一部を被覆するように設けられ、かつ絶縁部材(81)は少なくとも一部が電極柱(6)の極柱部(61)の外周壁とリング壁(412)の内周壁との間に位置し、絶縁部材(81)は、電極柱(6)の極柱固定部(62)と凹凸嵌合するように設けられ、極柱固定部材(401)は、絶縁部材(81)と凹凸嵌合するように設けられ、リング壁(412)における第1の制限部は絶縁部材における第2の制限部と協動し、これにより、絶縁部材(81)、ガスケット(700)および電極柱(6)はいずれも極柱固定用空洞(413)に固着され、かつ電極柱(6)の極柱部(61)の上面は外部に露出される、請求項2に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項4】
絶縁部材(81)の内壁には凹型空洞(814)が形成され、極柱(6)の極柱固定部(62)には、その外周壁の周方向に沿って連続的にまたは間隔を置いて設けられた凸部(621)が形成され、凸部(621)は凹型空洞(814)に嵌め込まれ、凹型空洞(814)の内壁には位置決め用凸部(817)が形成され、凸部(621)には位置決め用凹部(622)が形成され、位置決め用凸部(817)は、位置決め用凹部(622)に対応して嵌め込まれる、請求項3に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項5】
絶縁部材(81)には第1の制限部である段差面(816)が形成され、絶縁部材(81)は、予め成形されたものであり、または電極柱(6)に対して射出成形・ゴム引き処理を行って成形されたものであり、電極柱(6)に圧力を加えることにより、ガスケット(700)は圧力を受けて圧縮状態でリング壁(412)の上部を折り曲げてリベット接合体(601)を形成し、かつリベット接合体(601)は絶縁部材(81)の段差面(816)に押し付けられ、これにより、電極柱(6)とガスケット(700)の両方はいずれも極柱固定部材(401)の極柱固定用空洞(413)に固着され、リベット接合体(601)が第2の制限部となり、極柱固定部材(401)の外周壁は、位置決めスロット(103)の内周壁に接触して設けられる、請求項4に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項6】
極柱固定用空洞(413)の内壁には複数の突起(303)が形成され、かつ絶縁部材(81)の外壁には複数の凹溝(504)が形成され、かつ突起(303)は凹溝(504)に対応して嵌め込まれる、請求項5に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項7】
ガスケット(700)は、シールリング片(701)と、シールリング片(701)の底面に形成されたシールリング本体(703)とを含み、シールリング本体(703)の外壁は、リングベース(411)の位置決め穴(415)の内壁に接触し、シールリング片(701)は、圧縮状態であるように凸部(621)とリングベース(411)との間に位置し、リングベース(411)の上面には凸状リング(302)が形成され、シールリング片(701)の底面にはリングスロット(702)が形成され、かつ凸状リング(302)はリングスロット(702)内に嵌め込まれ、電極柱(6)の極柱固定部(62)は、シールリング片(701)の内穴に位置決めされ、かつ電極柱(6)の極柱固定部(62)の外周壁は、シールリング片(701)の内穴壁に接触して設けられ、これにより、電極柱(6)の極柱固定部(62)とリングベース(411)が密封される、請求項4に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項8】
下側成形部材(200)をさらに含み、下側成形部材(200)は、トップカバープレート(100)の底面に固定され、トップカバープレート(100)には液体注入口(104)および防爆弁(105)が設けられ、下側成形部材(200)には、リングベース(411)の位置決め穴(415)に対応する貫通穴(201)と、液体注入口(104)に対応する液体注入孔(205)と、防爆弁(105)に対応する通風穴(206)とが形成され、貫通穴(201)の上部開口縁には環状凸部(202)が上方に延在して形成され、環状凸部(202)は、リングベース(411)の位置決め穴(415)に配置される、請求項7に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項9】
リング壁(412)には複数の制限スロット(13)が形成され、電極柱(6)に圧力を加えることにより、ガスケット(700)が圧力を受けた圧縮状態で絶縁部材(81)は射出成形され、絶縁部材(81)は、極柱被覆部(812)と、リング壁被覆部(811)と、制限スロット(13)内に嵌合される制限部(813)とを含み、極柱被覆部(812)は電極柱(6)とリング壁(412)の内周壁の間に位置し、リング壁被覆部(811)は、リング壁被覆部(811)の外周壁が位置決めスロット(103)の内周壁に接触して設けられるように、リング壁(412)の外側壁に被覆され、制限部(813)は、極柱被覆部(812)の外壁またはリング壁被覆部(811)の内壁に形成されるように設けられ、または、制限部(813)は、制限スロット(13)を貫通して極柱被覆部(812)およびリング壁被覆部(811)にそれぞれ接続されるように設けられ、極柱被覆部(812)、リング壁被覆部(811)および制限部(813)は組み合わせて一体型絶縁部材を形成する、請求項8に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【請求項10】
リング壁(412)の外周壁には、連続的にまたは間隔を置いて設けられた、第1の制限部であるフランジ(414)が形成され、リング壁被覆部(811)の内側壁には、連続的にまたは間隔を置いて設けられた、第2の制限部である凹み(815)が形成され、フランジ(414)は凹み(815)に嵌め込まれる、請求項9に記載の電池トップカバーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新エネルギー自動車用電池部品の製造の技術分野に関し、具体的には、電池トップカバーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
動力電池は新エネルギー自動車の重要な構成部品であり、既存の新エネルギー車用電池のほとんどはその動力電池としてリチウムイオン電池を使用している。動力リチウム電池では、セルやBMSなどの主要な部品に加え、電池ケース構造もその安全性に関連する要因の1つである。ここで、極柱は、電池モジュールの構成要素であり、その従来の組立方法として、極柱を接続穴に組み立て、そして極柱をトップカバープレートに固着するように、溶接、リベット締めや射出成形などによって極柱とトップカバープレートの間に複雑な接続構造を形成している。しかし、接続構造を形成するプロセスが比較的複雑で、かつトップカバープレートの材料特性を考慮する必要もあるため、電池トップカバーの設計と製造工程が煩雑になり、よって、電池トップカバーの製造・成形効率が低下し、生産コストが高いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第110323367号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の技術的欠点を解決するために、電池トップカバーアセンブリを設計することであり、その具体的な形態は以下のとおりである。
【0005】
本発明によって設計された電池トップカバーアセンブリは、トップカバープレートと、トップカバープレートにおける極柱取付位置に嵌合される導電極柱構造とを含む。
【0006】
ここで、極柱取付位置は接続穴を含み、接続穴は貫通するようにトップカバープレートに設けられ、導電極柱構造の底面には、連続的にまたは間隔を置いて設けられた接続体が形成され、接続体は、導電極柱構造の底面から下方へ延びて形成され、接続体は接続穴内に嵌合され、接続体の外周壁は、接続穴の内周壁に接触して溶接され、これにより、導電極柱構造はトップカバープレートに固着される。
【0007】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、トップカバープレートにおける極柱取付位置には、位置決めスロットが凹設されるように形成され、接続穴は貫通するように位置決めスロットの底面に設けられ、導電極柱構造の底部は位置決めスロット内に置かれ、かつ位置決めスロットの内周壁は導電極柱構造の外周壁に接触して設けられ、かつ導電極柱構造の底面は位置決めスロットの底面に接触して設けられる。
【0008】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、導電極柱構造は、極柱固定部材と、電極柱と、ガスケットと、絶縁部材とを含み、極柱固定部材は、リングベースと、リングベースの上面に形成されたリング壁とを含み、リングベースの上面とリング壁との間には、リングベースの位置決め穴に連通する極柱固定用空洞が形成され、接続体はリングベースの底面に形成され、電極柱とガスケットの両方はいずれも極柱固定用空洞内に配置され、電極柱の極柱固定部は、ガスケットの内穴に位置決めされ、電極柱の極柱固定部の外周壁はガスケットの内周壁に接触して設けられ、ガスケットは、電極柱の極柱固定部と極柱固定用空洞の内側底面との間に位置し、絶縁部材は、電極柱の少なくとも一部を被覆するように設けられ、かつ絶縁部材は少なくとも一部が電極柱の極柱部の外周壁とリング壁の内周壁との間に位置し、絶縁部材は、電極柱の極柱固定部と凹凸嵌合するように設けられ、極柱固定部材は、絶縁部材と凹凸嵌合するように設けられ、リング壁における第1の制限部は絶縁部材における第2の制限部と協動し、これにより、絶縁部材、ガスケットおよび電極柱はいずれも極柱固定用空洞内に固着され、かつ電極柱の極柱部の上面は外部に露出される。
【0009】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、絶縁部材の内壁には凹型空洞が形成され、極柱の極柱固定部には、その外周壁の周方向に沿って連続的にまたは間隔を置いて設けられた凸部が形成され、凸部は、凹型空洞に嵌め込まれ、凹型空洞の内壁には位置決め用凸部が形成され、凸部には位置決め用凹部が形成され、位置決め用凸部は、位置決め用凹部に対応して嵌め込まれる。
【0010】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、絶縁部材には第1の制限部である段差面が形成され、絶縁部材は、予め成形されたものであり、または電極柱に対して射出成形・ゴム引き処理を行って成形されたものであり、電極柱に圧力を加えることにより、ガスケットは圧力を受けて圧縮された状態でリング壁の上部を折り曲げてリベット接合体を形成し、かつリベット接合体は絶縁部材の段差面に押し付けられ、これにより、電極柱とガスケットの両方はいずれも極柱固定部材の極柱固定用空洞に固着され、リベット接合体が第2の制限部となり、極柱固定部材の外周壁は、位置決めスロットの内周壁に接触して設けられる。
【0011】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、極柱固定用空洞の内壁には複数の突起が形成され、かつ絶縁部材の外壁には複数の凹溝が形成され、かつ突起は凹溝に対応して嵌め込まれる。
【0012】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、ガスケットは、シールリング片と、シールリング片の底面に形成されたシールリング本体とを含み、シールリング本体の外壁は、リングベースの位置決め穴の内壁に接触し、シールリング片は、圧縮状態であるように凸部とリングベースとの間に位置し、リングベースの上面には凸状リングが形成され、シールリング片の底面にはリングスロットが形成され、かつ凸状リングはリングスロット内に嵌め込まれ、電極柱の極柱固定部は、シールリング片の内穴に位置決めされ、かつ電極柱の極柱固定部の外周壁は、シールリング片の内穴壁に接触して設けられ、これにより、電極柱の極柱固定部とリングベースが密封される。
【0013】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、下側成形部材をさらに含み、下側成形部材は、トップカバープレートの底面に固定され、トップカバープレートには液体注入口および防爆弁が設けられ、下側成形部材には、リングベースの位置決め穴に対応する貫通穴と、液体注入口に対応する液体注入孔と、防爆弁に対応する通風穴とが形成され、貫通穴の上部開口縁には環状凸部が上方に延在して形成され、環状凸部は、リングベースの位置決め穴に配置される。
【0014】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、リング壁には複数の制限スロットが形成され、電極柱に圧力を加えることにより、ガスケットが圧力を受けた圧縮状態で絶縁部材は射出成形され、絶縁部材は、極柱被覆部と、リング壁被覆部と、制限スロット内に嵌合される制限部とを含み、極柱被覆部は電極柱とリング壁の内周壁の間に位置し、リング壁被覆部は、リング壁被覆部の外周壁が位置決めスロットの内周壁に接触して設けられるように、リング壁の外側壁に被覆され、制限部は、極柱被覆部の外壁またはリング壁被覆部の内壁に形成されるように設けられ、または、制限部は、制限スロットを貫通して極柱被覆部およびリング壁被覆部にそれぞれ接続されるように設けられ、極柱被覆部、リング壁被覆部および制限部は組み合わせて一体型絶縁部材を形成する。
【0015】
上述した電池トップカバーアセンブリによれば、第1の制限部は、リング壁の外周壁に形成され、かつ連続的にまたは間隔を置いて設けられたフランジであり、リング壁被覆部の内側壁には、連続的にまたは間隔を置いて設けられた凹みが形成され、フランジは凹みに嵌め込まれる。
【0016】
従来技術と比較して、本発明によって設計された電池トップカバーアセンブリは、以下の有益な効果を有する。
【0017】
1.個別製造により導電極柱構造を成形し、且つ接続体によって導電極柱構造をトップカバープレートの接続穴に溶接して固定すればよいので、トップカバープレートの延性などの材料特性を考慮することなく電池トップカバーのモジュール組立が可能となり、電池トップカバーの設計と製造プロセスが簡素化され、電池トップカバーの製造効率が向上し、それに応じて製造コストも低減される。
【0018】
2.凸状リングをリングスロットに嵌め込む配置、及び凸部をシールリング片に押し付ける配置により、極柱とリングベースとの間のシール性能が向上し、射出成形した極柱のシール性能が設計要件を満たすようになる。
【0019】
3.凸部と凹型空洞の嵌合により、極柱は、極柱固定用空洞に固着された後、軸方向の上下動が防止される。
【0020】
4.極柱固定部材に複数の制限スロットを形成することにより、絶縁部材が成形された後、絶縁部材の制限部が制限スロットに位置し、トルク力が増加し、絶縁部材と極柱固定部材との相対回転を防止し、製品機能と設計要件を満たす。
【0021】
5.位置決め用凸部を位置決め用凹部に対応して嵌め込む構造配置により、トルク力が増加し、電極柱と絶縁部材との相対回転を防止し、また、突起を凹溝に嵌め込む構造配置により、絶縁部材と極柱固定部材との相対回転を防止し、製品機能と設計要件を満たす。
【0022】
6.リベット接合体を成形することにより、極柱組立空洞に組み込まれた電極柱の外れを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一体型電池トップカバーアセンブリの構造を示す模式図(一)である。
【
図4】一体型電池トップカバーアセンブリの構造を示す模式図(二)である。
【
図5】一体型電池トップカバーアセンブリの構造を示す模式図(三)である。
【
図6】電池トップカバーを示す分解図(一)である。
【
図7】電池トップカバーを示す分解図(二)である。
【
図8】分離型電池トップカバーアセンブリの構造を示す模式図(一)である。
【
図9】分離型電池トップカバーアセンブリの構造を示す模式図(二)である。
【
図10】分離型電池トップカバーアセンブリの構造を示す模式図(三)である。
【
図14】電池トップカバーアセンブリの構造を示す模式図(一)である。
【
図16】電池トップカバーアセンブリの構造の一部を示す模式図である。
【
図17】電池トップカバーを示す分解図(三)である。
【
図18】電池トップカバーを示す分解図(四)である。
【
図22】トップカバー構造の一部を示す図(一)である。
【
図23】トップカバー構造の一部を示す図(二)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段について明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が取得した他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【実施例0025】
図1~
図21に示すように、本実施例で記載される電池トップカバーアセンブリは、トップカバープレート100を含み、同一のトップカバープレート100における2つの極柱取付位置101にそれぞれ正極アセンブリ801および負極アセンブリ802が装着されて、一体型電池トップカバーアセンブリを形成し、または、それぞれ異なるトップカバープレート100における2つの極柱取付位置101にそれぞれ正極アセンブリ801および負極アセンブリ802が装着されて分離型電池トップカバーアセンブリを形成し、正極アセンブリ801または負極アセンブリ802は、導電極柱構造300と、導電極柱構造300の底面に形成された接続体301とを含み、接続体301は、導電極柱構造300の底面から下方へ延びて形成され、極柱取付位置101は接続穴102を含み、接続体301は接続穴102内に置かれ、接続体301の外壁は、接続穴102の内壁に接触し、かつ溶接で固定され、溶接の際にレーザー溶接を採用し、接続体301は、好ましくは連続した環状構造で配置され、それにより、接続体301を接続穴102に完全に溶接することができ、その結果、導電極柱構造300をトップカバープレート100により安定かつ確実に取り付けることができ、優れた性能および構造を有する動力電池トップカバーが得られ、または、接続体301は、環状アレイで間隔を置いて形成された複数の環状構造であってもよく、ここで、トップカバープレート100はアルミニウム製のトップカバープレート100であり、接続穴102、環状構造の接続体301および導電極柱構造300の外形は、一般的に、角形または円形であってよい。
【0026】
本実施例では、トップカバープレート100における極柱取付位置101には、位置決めスロット103が設けられ、接続穴102は貫通するように位置決めスロット103の底面に設けられ、導電極柱構造300の少なくとも一部が位置決めスロット103内に置かれ、かつ位置決めスロット103の内周壁が導電極柱構造300の外周壁に接触して設けられ、かつ導電極柱構造300の底面が位置決めスロット103の底面に接触して設けられ、これにより、溶接前に導電極柱構造300が位置決めされ、トップカバープレート100での導電極柱構造300のずれを防止し、よって、導電極柱構造300はトップカバープレート100に確実に溶接され、かつトップカバープレート100における導電極柱構造300の位置が正確かつ確実である。
【0027】
本実施例では、導電極柱構造300は、電極柱6と、ガスケット700と、極柱固定部材401と、絶縁部材81とを含み、極柱固定部材401は、アルミニウム製で、すなわち、アルミニウムリング構造であり、極柱固定部材401は、リングベース411と、リングベース411に形成されたリング壁412とを含み、リングベース411の上面とリング壁412との間には、リングベース411の位置決め穴415に連通する極柱固定用空洞413が形成され、電極柱6とガスケット700の両方はいずれも極柱固定用空洞413内に配置され、電極柱6の極柱固定部62は、ガスケット700の内穴に位置決めされ、電極柱6の極柱固定部62の外周壁はガスケット700の内周壁に接触して設けられ、それにより、リング壁412および電極柱6に対して射出成形を行う前、またはリング壁412の上部に対してリベット接合を行う前に、極柱固定部62を極柱固定用空洞413に確実に位置決めすることができ、ガスケット700は、電極柱6の極柱固定部62と極柱固定用空洞413の内側底面との間に位置し、絶縁部材81は、電極柱6の少なくとも一部を被覆するように設けられ、かつ少なくとも一部が電極柱6の極柱部61の外周壁とリング壁412の内周壁との間に位置し、絶縁部材81は、電極柱6の極柱固定部62と凹凸嵌合するように設けられ、極柱固定部材401は、絶縁部材81と凹凸嵌合するように設けられ、リング壁412における第1の制限部は絶縁部材81における第2の制限部と協動し、これにより、絶縁部材81、ガスケット700および電極柱6はいずれも極柱固定用空洞413に固着され、かつ電極柱6の極柱部61の上面は外部に露出され、ここで、絶縁部材81は、PPSプラスチック製であり、電極柱6の極柱部61のみを被覆するように設けられてもよいし、電極柱6の極柱部61とリング壁412の両方を保護して被覆するように設けられてもよく、正極アセンブリ801の電極柱6はアルミニウム製であり、負極アセンブリ802の電極柱6は銅-アルミニウム合金製であり、電極柱6の極柱部61は円筒構造である。
【0028】
本実施例では、絶縁部材81の内壁には凹型空洞814が形成され、電極柱6の極柱固定部62には、その外周壁の周方向に沿って連続的にまたは間隔を置いて設けられた凸部621が形成され、凸部621は、凹型空洞814に嵌め込まれて固定され、かつガスケット700と協働することにより、電極柱6の軸方向の位置を制限し、電極柱6の軸方向の上下動を防止する。凹型空洞814の内壁には位置決め用凸部817が形成され、凸部621の縁部には位置決め用凹部622が形成され、位置決め用凸部817は、位置決め用凹部622に対応して嵌め込まれ、これにより、第1の電極柱6は極柱固定用空洞413内で径方向に制限され、電極柱6と射出成形部材81とのトルクが増加し、さらに電極柱6と射出成形部材81との相対回転が防止される。ここで、連続式凸部621は環状構造の凸部であり、または間隔を置いて設けられた凸部621は、電極柱6の極柱固定部62の外周壁に環状アレイで設けられた複数の凸部である。
【0029】
本実施例では、ガスケット700は、シールリング片701と、シールリング片701の底面に形成されたシールリング本体703とを含み、シールリング本体703の外壁は、リングベース411の位置決め穴415の内壁に接触し、シールリング片701は、圧縮状態であるように凸部621とリングベース411との間に位置し、リングベース411の上面には凸状リング302が形成され、シールリング片701の底面にはリングスロット702が形成され、かつ凸状リング302はリングスロット702内に嵌め込まれ、電極柱6の極柱固定部62は、シールリング片701の内穴に位置決めされ、かつ電極柱6の極柱固定部62の外周壁は、シールリング片701の内穴壁に接触して設けられ、これにより、電極柱6の極柱固定部62とリングベースが密封され、凸状リング302がリングスロット702に嵌め込まれる設定により、リングベース411におけるシールリング片701の位置が制限され、かつシールリング片701とリングベース411との間のシール性能も向上し、シールリング本体703の設定により、射出成形の前に、ガスケット700は、リングベース411の位置決め穴415を介して位置決めされて取り付けられ、位置ずれを防止し、極柱構造300の安定性を向上させ、ガスケット700はフッ素ゴム製である。ここで、電極柱6の極柱固定部62には環状凹溝623が形成され、かつ環状凹溝623の上部内壁は凸部621の底面と面一に設けられているので、シールリング片701は、少なくとも一部が環状凹溝623に置かれ、また、ガスケット700の上面は、それぞれ凸部621の底面および環状凹溝623の上部内壁に密着して設けられ、それにより、リング壁412および電極柱6に対して射出成形を行う前、またはリング壁412の上部に対してリベット接合を行う前に、電極柱6を確実に位置決めすることができ、ここで、ガスケット700に位置決めされる極柱固定部62の部位は、一般的に円形であり、それに対応して、リングベース411の位置決め穴415、凸状リング302、リングスロット702およびシールリング本体703はいずれも円形に設けられる。
【0030】
本実施例では、下側成形部材200をさらに含み、下側成形部材200の上面には複数のT字型ボス36が設けられ、トップカバープレート100の底面には複数のT字型溝17が形成され、かつT字型ボス36は、熱融着によりT字型溝17に成形され、これにより、下側成形部材200がトップカバープレート100の底面に固定され、トップカバープレート100には液体注入口104および防爆弁105が設けられ、下側成形部材200には、リングベース411の位置決め穴415に対応する貫通穴201と、液体注入口104に対応する液体注入孔205と、防爆弁105に対応する通風穴206とが形成され、貫通穴201の上部開口縁には環状凸部202が上方に延在して形成され、環状凸部202はリングベース411の位置決め穴415に置かれ、下側成形部材200はPPS製であり、防爆弁105は、ダイヤフラム1051と、環状スコッチまたはC字型スコッチの付いた防爆片1052とを含み、ダイヤフラムおよび防爆片1052は、トップカバープレート100の防爆穴内に溶接して固定され、ダイヤフラムは防爆片1052の上方に位置する。
【0031】
絶縁部材81が電極柱6の極柱部61のみを覆うように設けられる場合、絶縁部材81は、予め成形されたものであり、または電極柱6に対して射出成形・ゴム引き処理を行って成形されたものであり、電極柱6が絶縁部材81と組み合わせて別体の極柱アセンブリとして形成され、絶縁部材81には第1の制限部である段差面816が形成され、極柱アセンブリを極柱固定用空洞413に組み立てた後、電極柱6に圧力を加えることにより、ガスケット700は圧力を受けた圧縮状態でリング壁412の上部を電極柱6の方向に曲げてリベット接合体601を形成し、リベット接合体601は、リング壁412の上部をリベット接合装置でリベット接合することにより形成され、かつリベット接合体601は、絶縁部材81の段差面816に押し付けられ、これにより、電極柱6とガスケット700の両方はいずれも極柱固定部材401の極柱固定用空洞413に固着され、リベット接合体601が第2の制限部となり、かつ極柱固定部材401の外周壁は、位置決めスロット103の内周壁に接触して設けられることで、極柱構造300が位置決めスロット103に確実に位置決めされると、その後の接続穴102と接続体301との溶接作業が容易になり、このようにリベット接合極柱が形成され、リベット接合極柱の電極柱6が極柱固定部材401に固着された後、ガスケットは30%の圧縮量を実現し、さらに気密性の要求を満たすことができ、また、電極柱6の極柱部61の上面が絶縁部材81の上面よりも高いため、電極柱6の極柱部61の上面の露出状態が実現される。
【0032】
好ましくは、極柱固定用空洞413の内壁には複数の突起303が形成され、絶縁部材81の外壁には複数の凹溝504が形成され、かつ突起303は凹溝504に対応して嵌め込まれ、そのような構造配置により、成形部材503と極柱固定用空洞413との径方向の位置を制限し、絶縁部材81と極柱固定部材401との相対回転を防止し、トルクを増加させる。
【0033】
絶縁部材81が射出成形されたものであると共に、リング壁412と電極柱6の極柱部61の両方を被覆する場合、リング壁412には複数の制限スロット13が形成され、次に、電極柱6およびガスケット700は極柱固定用空洞413に配置され、この時、極柱固定部材401を射出成形機に入れ、この場合、電極柱6に圧力を加え、ガスケット700が圧力を受けた圧縮状態で絶縁部材81は射出成形され、絶縁部材81は、極柱被覆部812と、リング壁被覆部811と、制限スロット13に嵌合される制限部813とを含み、極柱被覆部812は電極柱6とリング壁412の内周壁の間に位置し、リング壁被覆部811は、リング壁被覆部811の外周壁が位置決めスロット103の内周壁に接触して設けられるように、リング壁412の外側壁に被覆され、制限部813は、極柱被覆部812の外壁またはリング壁被覆部811の内壁に形成されるように設けられ、または、制限部813は、制限スロット13を貫通して極柱被覆部812およびリング壁被覆部811にそれぞれ接続されるように設けられ、その構造により、射出成形極柱が形成され、かつ射出成形極柱の電極柱6が極柱固定部材401に固着された後、ガスケットは30%の圧縮量を実現し、さらに気密性の要求を満たすことができ、極柱被覆部812、リング壁被覆部811および制限部813は組み合わせて一体型絶縁部材81を形成し、制限部813と制限スロット103との嵌合により、絶縁部材81と極柱固定部材401との径方向制限が実現され、絶縁部材81と極柱固定部材401との間のトルクが増加し、絶縁部材81と極柱固定部材401との相対回転を防止する。
【0034】
好ましくは、リング壁412の外周壁には、連続的にまたは間隔を置いて設けられた、第1の制限部であるフランジ414が設けられ、リング壁被覆部811の内側壁には、連続的にまたは間隔を置いて設けられた、第2の制限部である凹み815が形成され、フランジ414は前記凹み815に嵌め込まれ、フランジ414および凹み815はいずれも環状に設けられ、そのような構造により、金属リング41と絶縁部材81との軸方向の位置が制限され、金属リング41と絶縁部材81との軸方向の上下動が防止される。