(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070215
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】エアフォイル、これを含むタービンブレードおよびガスタービン
(51)【国際特許分類】
F01D 5/18 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
F01D5/18
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143647
(22)【出願日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0149804
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン エナービリティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ ベク
(72)【発明者】
【氏名】キム、セオク ボム
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202CA02
3G202CB01
(57)【要約】
【課題】 エアフォイル、これを含むタービンブレードおよびガスタービンが開示される。
【解決手段】 開示されたエアフォイルは、リーディングエッジの下部から流入した第1冷却流体を圧力面側に形成された第1蛇行流路に流動させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第1冷却流路と、吸入面の下部から流入した第2冷却流体を吸入面側に形成された少なくとも2以上の第2蛇行流路に分割流動させ、分割流動した第2冷却流体を第2蛇行流路の下部で合流させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第2冷却流路と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側方に膨らんだ曲面をなして突出した吸入面と、
前記吸入面側に凹んで陥没した曲面をなす圧力面と、
前記吸入面と圧力面とを連結し先端に形成されるリーディングエッジと、
前記吸入面と圧力面とを連結し後端に形成されるトレーリングエッジと、
前記リーディングエッジの下部から流入した第1冷却流体を前記圧力面側に形成された第1蛇行流路に流動させた後、前記トレーリングエッジの後方に排出させる第1冷却流路と、
前記吸入面の下部から流入した第2冷却流体を前記吸入面側に形成された少なくとも2以上の第2蛇行流路に分割流動させ、分割流動した第2冷却流体を前記第2蛇行流路の下部で合流させた後、前記トレーリングエッジの後方に排出させる第2冷却流路と、
を含む、エアフォイル。
【請求項2】
前記第1冷却流路は、
前記リーディングエッジの下部から下方向に延長形成され、前記第1冷却流体が流入する第1流入口と、
前記第1流入口に流入した第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_1流動チャネルと、
前記第1_1流動チャネルに隣接して形成され、前記第1冷却流体をルート部方向に流動させる第1_2流動チャネルと、
前記第1_2流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_3流動チャネルと、
前記第1_1流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第1_1転向チャネルと、
前記第1_2流動チャネルの下端から前記トレーリングエッジ側に延びた第1_2転向チャネルと
を含む、請求項1に記載のエアフォイル。
【請求項3】
前記第1_3流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第1_3転向チャネルと、
前記第1_3流動チャネルを流動する前記第1冷却流体を外部に排出させる第1排出チャネルとを含み、
前記第1冷却流路の底面を基準として、前記第1冷却流路の上面までの高さを100とする時、前記第1排出チャネルは、70~100未満の高さ範囲で形成される、請求項2に記載のエアフォイル。
【請求項4】
前記第2冷却流路は、
前記吸入面側から下方向に延長形成され、前記第2冷却流体が流入する第2_1流入口および第2_2流入口と、
前記第2_1流入口および第2_2流入口に流入した第2冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルと、
前記第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルに隣接形成され、前記第2冷却流体をルート部方向に流動させる第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルと
を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のエアフォイル。
【請求項5】
前記第2_1流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、
前記第2_3流動チャネルの上端から前記リーディングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルと
を含む、請求項4に記載のエアフォイル。
【請求項6】
前記第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルの下端部それぞれには、
リーディングエッジ側のキャビティと圧力面側のキャビティと吸入面側のキャビティとの間に形成された中央キャビティと連通する連通口が形成され、
前記第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルを通して流動する第2冷却流体は、前記連通口を通して前記中央キャビティ内で合流する、請求項4に記載のエアフォイル。
【請求項7】
前記中央キャビティ内の第2冷却流体を外部に排出させる第2排出チャネルを含み、前記中央キャビティのトレーリングエッジ側の側面には、前記第2排出チャネルと連通する連結口が形成される、請求項6に記載のエアフォイル。
【請求項8】
前記第2_1流入口および第2_2流入口は、互いに近接して形成され、
前記第2_1流動チャネルの上端から前記リーディングエッジ側に延長形成された前記第2_1転向チャネルと、
前記第2_3流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルと
を含む、請求項5に記載のエアフォイル。
【請求項9】
タービンロータディスクに装着されて、高圧の燃焼ガスによって回転するタービンブレードであって、
下部側には、前記タービンロータディスクに結合されるルート部が形成され、前記ルート部の上部側には、空気圧力によって回転し、内部に冷却流路が形成されたエアフォイルを一体に結合し、
前記エアフォイルは、
外側方に膨らんだ曲面をなして突出した吸入面と、
前記吸入面側に凹んで陥没した曲面をなす圧力面と、
前記吸入面と圧力面とを連結し先端に形成されるリーディングエッジと、
前記吸入面と圧力面とを連結し後端に形成されるトレーリングエッジと、
前記リーディングエッジの下部から流入した第1冷却流体を前記圧力面側に形成された第1蛇行流路に流動させた後、前記トレーリングエッジの後方に排出させる第1冷却流路と、
前記吸入面の下部から流入した第2冷却流体を前記吸入面側に形成された少なくとも2以上の第2蛇行流路に分割流動させ、分割流動した第2冷却流体を前記第2蛇行流路の下部で合流させた後、前記トレーリングエッジの後方に排出させる第2冷却流路と、
を含む、タービンブレード。
【請求項10】
前記第1冷却流路は、
前記リーディングエッジの下部から下方向に延長形成され、前記第1冷却流体が流入する第1流入口と、
前記第1流入口に流入した第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_1流動チャネルと、
前記第1_1流動チャネルに隣接して形成され、前記第1冷却流体をルート部方向に流動させる第1_2流動チャネルと、
前記第1_2流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_3流動チャネルと、
前記第1_1流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第1_1転向チャネルと、
前記第1_2流動チャネルの下端から前記トレーリングエッジ側に延びた第1_2転向チャネルと
を含む、請求項9に記載のタービンブレード。
【請求項11】
前記第1_3流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第1_3転向チャネルと、
前記第1_3流動チャネルを流動する前記第1冷却流体を外部に排出させる第1排出チャネルとを含み、
前記第1冷却流路の底面を基準として、前記第1冷却流路の上面までの高さを100とする時、前記第1排出チャネルは、70~100未満の高さ範囲で形成される、請求項10に記載のタービンブレード。
【請求項12】
前記第2冷却流路は、
前記吸入面側から下方向に延長形成され、前記第2冷却流体が流入する第2_1流入口および第2_2流入口と、
前記第2_1流入口および第2_2流入口に流入した第2冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルと、
前記第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルに隣接形成され、前記第2冷却流体をルート部方向に流動させる第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルと
を含む、請求項9~11のいずれか1項に記載のタービンブレード。
【請求項13】
前記第2_1流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、
前記第2_3流動チャネルの上端から前記リーディングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルと
を含む、請求項12に記載のタービンブレード。
【請求項14】
前記第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルの下端部それぞれには、
リーディングエッジ側のキャビティと圧力面側のキャビティと吸入面側のキャビティとの間に形成された中央キャビティと連通する連通口が形成され、
前記第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルを通して流動する第2冷却流体は、前記連通口を通して前記中央キャビティ内で合流する、請求項12に記載のタービンブレード。
【請求項15】
前記第2_1流入口および第2_2流入口は、互いに近接して形成され、
前記第2_1流動チャネルの上端から前記リーディングエッジ側に延長形成された前記第2_1転向チャネルと、
前記第2_3流動チャネルの上端から前記トレーリングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルと
を含む、請求項13に記載のタービンブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフォイル、これを含むタービンブレードおよびガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
タービンとは、蒸気、ガスのような圧縮性流体の流れを利用して衝動力または反動力で回転力を得る機械装置であり、蒸気を用いる蒸気タービンおよび高温の燃焼ガスを用いるガスタービンなどがある。
【0003】
このうち、ガスタービンは、大きく、圧縮機と、燃焼器と、タービンとで構成される。前記圧縮機は、空気を導入する空気導入口が備えられ、圧縮機ケーシング内に複数の圧縮機ベーンと、圧縮機ブレードとが交互に配置されている。
【0004】
燃焼器は、前記圧縮機で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給し、バーナで点火することにより、高温高圧の燃焼ガスが生成される。
【0005】
タービンは、タービンケーシング内に複数のタービンベーンと、タービンブレードとが交互に配置されている。また、圧縮機と燃焼器とタービンおよび排気室の中心部を貫通するようにロータが配置されている。
【0006】
ロータは、両端部がベアリングによって回転可能に支持される。そして、ロータに複数のディスクが固定されて、それぞれのブレードが連結されると同時に、排気室側の端部に発電機などの駆動軸が連結される。
【0007】
このようなガスタービンは、4行程機関のピストンのような往復運動機構がないため、ピストン-シリンダのような相互摩擦部分がなくて潤滑油の消費が極めて少なく、往復運動機械の特徴である振幅が大幅に減少し、高速運動が可能というメリットがある。
【0008】
ガスタービンの作動について簡略に説明すれば、圧縮機で圧縮された空気が燃料と混合されて燃焼されることにより、高温の燃焼ガスが作られ、このように作られた燃焼ガスはタービン側に噴射される。噴射された燃焼ガスが前記タービンベーンおよびタービンブレードを通過しながら回転力を生成させ、これによって前記ロータが回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2010-0064754号(名称:ガスタービンの冷却ブレード)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、冷却効率が向上したエアフォイル、これを含むタービンブレードおよびガスタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルは、
外側方に膨らんだ曲面をなして突出した吸入面と、吸入面側に凹んで陥没した曲面をなす圧力面と、吸入面と圧力面とを連結し先端に形成されるリーディングエッジと、吸入面と圧力面とを連結し後端に形成されるトレーリングエッジと、リーディングエッジの下部から流入した第1冷却流体を圧力面側に形成された第1蛇行流路に流動させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第1冷却流路と、吸入面の下部から流入した第2冷却流体を吸入面側に形成された少なくとも2以上の第2蛇行流路に分割流動させ、分割流動した第2冷却流体を第2蛇行流路の下部で合流させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第2冷却流路と、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第1冷却流路は、リーディングエッジの下部から下方向に延長形成され、第1冷却流体が流入する第1流入口と、第1流入口に流入した第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_1流動チャネルと、第1_1流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をルート部方向に流動させる第1_2流動チャネルと、第1_2流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_3流動チャネルとを含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第1_1流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第1_1転向チャネルと、第1_2流動チャネルの下端からトレーリングエッジ側に延びた第1_2転向チャネルとを含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第1_3流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第1_3転向チャネルと、第1_3流動チャネルを流動する第1冷却流体を外部に排出させる第1排出チャネルとを含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第1冷却流路の底面を基準として、第1冷却流路の上面までの高さを100とする時、第1排出チャネルは、70~100未満の高さ範囲で形成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第2冷却流路は、吸入面側から下方向に延長形成され、第2冷却流体が流入する第2_1流入口および第2_2流入口と、第2_1流入口および第2_2流入口に流入した第2冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルと、第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルに隣接形成され、第2冷却流体をルート部方向に流動させる第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルとを含むことができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第2_1流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、第2_3流動チャネルの上端からリーディングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルとを含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルの下端部それぞれには、リーディングエッジ側のキャビティと圧力面側のキャビティと吸入面側のキャビティとの間に形成された中央キャビティと連通する連通口が形成され、第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルを通して流動する第2冷却流体は、連通口を通して中央キャビティ内で合流することができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、中央キャビティ内の第2冷却流体を外部に排出させる第2排出チャネルを含み、中央キャビティのトレーリングエッジ側の側面には、第2排出チャネルと連通する連結口が形成される。
【0020】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルにおいて、第2_1流入口および第2_2流入口は、互いに近接して形成され、第2_1流動チャネルの上端からリーディングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、第2_3流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルとを含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードは、
タービンロータディスクに装着されて、高圧の燃焼ガスによって回転するタービンブレードであって、下部側には、前記タービンロータディスクに結合されるルート部が形成され、前記ルート部の上部側には、空気圧力によって回転し、内部に冷却流路が形成されたエアフォイルを一体に結合する。ここで、エアフォイルは、外側方に膨らんだ曲面をなして突出した吸入面と、吸入面側に凹んで陥没した曲面をなす圧力面と、吸入面と圧力面とを連結し先端に形成されるリーディングエッジと、吸入面と圧力面とを連結し後端に形成されるトレーリングエッジと、リーディングエッジの下部から流入した第1冷却流体を圧力面側に形成された第1蛇行流路に流動させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第1冷却流路と、吸入面の下部から流入した第2冷却流体を吸入面側に形成された少なくとも2以上の第2蛇行流路に分割流動させ、分割流動した第2冷却流体を第2蛇行流路の下部で合流させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第2冷却流路と、を含む。
【0022】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第1冷却流路は、リーディングエッジの下部から下方向に延長形成され、第1冷却流体が流入する第1流入口と、第1流入口に流入した第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_1流動チャネルと、第1_1流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をルート部方向に流動させる第1_2流動チャネルと、第1_2流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_3流動チャネルとを含むことができる。
【0023】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第1_1流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第1_1転向チャネルと、第1_2流動チャネルの下端からトレーリングエッジ側に延びた第1_2転向チャネルとを含むことができる。
【0024】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第1_3流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第1_3転向チャネルと、第1_3流動チャネルを流動する第1冷却流体を外部に排出させる第1排出チャネルとを含むことができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第1冷却流路の底面を基準として、第1冷却流路の上面までの高さを100とする時、第1排出チャネルは、70~100未満の高さ範囲で形成される。
【0026】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第2冷却流路は、吸入面側から下方向に延長形成され、第2冷却流体が流入する第2_1流入口および第2_2流入口と、第2_1流入口および第2_2流入口に流入した第2冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルと、第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルに隣接形成され、第2冷却流体をルート部方向に流動させる第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルとを含むことができる。
【0027】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第2_1流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、第2_3流動チャネルの上端からリーディングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルとを含むことができる。
【0028】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルの下端部それぞれには、リーディングエッジ側のキャビティと圧力面側のキャビティと吸入面側のキャビティとの間に形成された中央キャビティと連通する連通口が形成され、第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルを通して流動する第2冷却流体は、連通口を通して中央キャビティ内で合流することができる。
【0029】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、中央キャビティ内の第2冷却流体を外部に排出させる第2排出チャネルを含み、中央キャビティのトレーリングエッジ側の側面には、第2排出チャネルと連通する連結口が形成される。
【0030】
本発明の一実施形態に係るタービンブレードにおいて、第2_1流入口および第2_2流入口は、互いに近接して形成され、第2_1流動チャネルの上端からリーディングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、第2_3流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルとを含むことができる。
【0031】
本発明の一実施形態に係るガスタービンは、
流入する空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から圧縮された空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器から燃焼されたガスで動力を発生させ、前記燃焼ガスが通る燃焼ガス経路上で前記燃焼ガスをガイドするタービンベーンと、前記燃焼ガス経路上で前記燃焼ガスによって回転するタービンブレードとを備えるタービンと、を含む。ここで、タービンブレードは、タービンロータディスクに装着されて、高圧の燃焼ガスによって回転するタービンブレードであって、下部側には、前記タービンロータディスクに結合されるルート部が形成され、前記ルート部の上部側には、空気圧力によって回転し、内部に冷却流路が形成されたエアフォイルを一体に結合する。ここで、エアフォイルは、外側方に膨らんだ曲面をなして突出した吸入面と、吸入面側に凹んで陥没した曲面をなす圧力面と、吸入面と圧力面とを連結し先端に形成されるリーディングエッジと、吸入面と圧力面とを連結し後端に形成されるトレーリングエッジと、リーディングエッジの下部から流入した第1冷却流体を圧力面側に形成された第1蛇行流路に流動させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第1冷却流路と、吸入面の下部から流入した第2冷却流体を吸入面側に形成された少なくとも2以上の第2蛇行流路に分割流動させ、分割流動した第2冷却流体を第2蛇行流路の下部で合流させた後、トレーリングエッジの後方に排出させる第2冷却流路と、を含む。
【0032】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第1冷却流路は、リーディングエッジの下部から下方向に延長形成され、第1冷却流体が流入する第1流入口と、第1流入口に流入した第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_1流動チャネルと、第1_1流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をルート部方向に流動させる第1_2流動チャネルと、第1_2流動チャネルに隣接して形成され、第1冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第1_3流動チャネルとを含むことができる。
【0033】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第1_1流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第1_1転向チャネルと、第1_2流動チャネルの下端からトレーリングエッジ側に延びた第1_2転向チャネルとを含むことができる。
【0034】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第1_3流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第1_3転向チャネルと、第1_3流動チャネルを流動する第1冷却流体を外部に排出させる第1排出チャネルとを含むことができる。
【0035】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第1冷却流路の底面を基準として、第1冷却流路の上面までの高さを100とする時、第1排出チャネルは、70~100未満の高さ範囲で形成される。
【0036】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第2冷却流路は、吸入面側から下方向に延長形成され、第2冷却流体が流入する第2_1流入口および第2_2流入口と、第2_1流入口および第2_2流入口に流入した第2冷却流体をエアフォイルチップ方向に流動させる第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルと、第2_1流動チャネルおよび第2_3流動チャネルに隣接形成され、第2冷却流体をルート部方向に流動させる第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルとを含むことができる。
【0037】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第2_1流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、第2_3流動チャネルの上端からリーディングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルとを含むことができる。
【0038】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルの下端部それぞれには、リーディングエッジ側のキャビティと圧力面側のキャビティと吸入面側のキャビティとの間に形成された中央キャビティと連通する連通口が形成され、第2_2流動チャネルおよび第2_4流動チャネルを通して流動する第2冷却流体は、連通口を通して中央キャビティ内で合流することができる。
【0039】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、中央キャビティ内の第2冷却流体を外部に排出させる第2排出チャネルを含み、中央キャビティのトレーリングエッジ側の側面には、第2排出チャネルと連通する連結口が形成される。
【0040】
本発明の一実施形態に係るガスタービンにおいて、第2_1流入口および第2_2流入口は、互いに近接して形成され、第2_1流動チャネルの上端からリーディングエッジ側に延長形成された第2_1転向チャネルと、第2_3流動チャネルの上端からトレーリングエッジ側に延長形成された第2_2転向チャネルとを含むことができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の実施形態に係るエアフォイル、これを含むタービンブレードおよびガスタービンによれば、リーディングエッジと圧力面を冷却させる第1冷却流路と、トレーリングエッジと吸入面を冷却させる第2冷却流路とを備えることにより、冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部が示される図である。
【
図2】
図1のガスタービンの一部の切断断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るエアフォイルを含むタービンブレードが示される斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部を圧力面側から眺めた斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部を吸入面側から眺めた斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第1冷却流路が示される斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第1冷却流路が示される斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第2冷却流路が示される斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第2冷却流路が示される斜視図である。
【
図10】
図3のA-Aラインから下を眺めた断面図である。
【
図11】本発明の他の実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第2冷却流路が示される斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るタービンブレードおよびこれを含むガスタービンに関して具体的に説明する。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、単に本実施例は本発明の開示が完全となるようにし、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0044】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。なお、明細書全体において、「~上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0045】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。この時、添付した図面において、同一の構成要素はできる限り同一の符号で表していることに留意する。また、本発明の要旨をあいまいにしうる公知の機能および構成に関する詳細な説明は省略する。同様の理由により、添付図面において、一部の構成要素は誇張または省略したり概略的に示されている。
【0046】
図1は、本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部が示される図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係るガスタービンの断面を概念的に示す図である。
【0047】
図1および
図2に示されるように、本発明の一実施形態に係るガスタービン1は、圧縮機10と、燃焼器20と、タービン30とを含む。圧縮機10は、流入する空気を高圧に圧縮する役割を果たし、圧縮された空気を燃焼器側に伝達する。圧縮機10は、放射状に設けられた複数の圧縮機ブレードを備え、タービン30の回転から生成された動力の一部を受けて圧縮機ブレードが回転し、ブレードの回転によって空気が圧縮されながら燃焼器20側に移動する。ブレードの大きさおよび取付角度は、取付位置によって異なる。
【0048】
圧縮機10で圧縮された空気は、燃焼器20に移動して、環状に配置された複数の燃焼チャンバと燃料ノズルモジュールを介して燃料と混合して燃焼される。燃焼によって発生した高温の燃焼ガスはタービン30に排出され、燃焼ガスによってタービンが回転する。
【0049】
タービン30は、タービンロータディスク300を軸方向に結合するセンタータイロッド400を介して多段に配列される。タービンロータディスク300は、放射状に配置される複数のタービンブレード100を含む。タービンブレード100は、ダブテールなどの方式でタービンロータディスク300に結合可能である。これと共に、タービンブレード100の間にもハウジングに固定されるタービンベーン200が備えられて、タービンブレード100を通過した燃焼ガスの流れ方向をガイドする。
【0050】
図2に示されるように、タービン30は、タービンベーン200とタービンブレード100とがガスタービン1の軸方向に沿ってn個ずつ交互に配列される。高温の燃焼ガスは、軸方向に沿ってタービンベーン200およびタービンブレード100を通過し、タービンブレード100を回転させる。
【0051】
本発明の一実施形態に係るエアフォイルは、タービンブレード100に適用されたエアフォイルであってもよい。また、本明細書に記載された技術的思想は、ガスタービンに限定されるものではなく、蒸気タービンをはじめとしてエアフォイルを備えた装置に適用可能である。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態に係るエアフォイルを含むタービンブレードが示される斜視図である。
【0053】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態に係るタービンブレード100は、ルート部110と、エアフォイル1000とを含む。
【0054】
タービンブレード100は、タービンロータディスク300に装着されて、高圧の燃焼ガスによってタービンが回転作動するようにするものであって、下部側には、タービンロータディスク300に結合されるルート部110が形成され、ルート部110の上部側には、ガス圧力によって回転するエアフォイル1000を一体に結合して、エアフォイル1000の前後面の圧力差によってタービンが回転作動するようにする。
【0055】
ルート部110の外側面には、外側方に突出したシャンクおよびプラットフォームが形成されるようにして強固な固定が行われるようにする。ルート部110には、エアフォイル1000に冷却流体が流入する流入口111が形成される。冷却流体は、圧縮機10で圧縮された圧縮空気の一部であるか、または外気を圧縮して供給された空気で、圧縮機10からタービンブレード100のルート部110に供給され、流入口111を通してエアフォイル1000に流入しながらタービンブレード100を冷却させる。あるいは、冷却流体は、圧縮機10からタービン30に連結される内部流路(図示せず)を通してルート部110に供給され、流入口111を通してエアフォイル1000に流入しながらタービンブレード100を冷却させる。
【0056】
エアフォイル1000は、燃焼ガスが流入する前面には、外側方に膨らんだ曲面をなして突出した吸入面(suction side、1002)が形成されるようにし、後面には、吸入面1002側に凹んで陥没した曲面をなす圧力面(pressure side、1001)が形成されるようにして、エアフォイル1000の前後の圧力差が極大化されながら円滑なガスの流れが行われるようにする。
【0057】
エアフォイル1000は、圧力面1001と吸入面1002が接する両端部であるリーディングエッジ(1003、leading edge)およびトレーリングエッジ(1004、trailing edge)を含み、リーディングエッジ1003は、エアフォイル1000で流動する流体を迎える先端を意味し、トレーリングエッジ1004は、エアフォイル1000の後端を意味する。また、ルート部からエアフォイルチップ(1006、tip)に向かう方向をスパン(span)方向と称する。
【0058】
エアフォイル1000は、吸入面1002または圧力面1001を貫通して形成する複数の冷却ホール1005を含むことができる。冷却流体は、冷却ホール1005を通して噴射されながら、エアフォイルの外面にエアカーテンのように作用しながら、いわゆるフィルム冷却(film cooling)方式でエアフォイル1000の外面を冷却することができる。一方、リーディングエッジ1003側には冷却ホール1005が形成されなくてもよい。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部を圧力面側から眺めた斜視図であり、
図5は、本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部を吸入面側から眺めた斜視図である。
【0060】
図4および
図5を参照すれば、エアフォイル1000は、内部に冷却流体が流動する第1冷却流路1100および第2冷却流路1200を含む。冷却流体は、第1および第2冷却流路1100、1200を流動しながら第1および第2冷却流路1100、1200の内壁と衝突してエアフォイル1000の熱を吸収して冷却させる。
【0061】
第1冷却流路1100は、リーディングエッジ1003の下部から流入した冷却流体を圧力面1001側に形成された蛇行流路1120~1180に流動させた後、トレーリングエッジ1004の後方に排出させる。
【0062】
第2冷却流路1200は、吸入面1002の下部から流入した冷却流体を吸入面1002側に形成された複数の蛇行流路1221~1251、1222~1252に分割流動させ、分割流動した冷却流体を蛇行流路の下部で合流させた後、トレーリングエッジ1004の後方に排出させる。
【0063】
以下の説明において、第1冷却流路1100を形成する圧力面1001側の蛇行流路1120~1180を第1蛇行流路とし、第1蛇行流路に流入する冷却流体を第1冷却流体とする。同様に、第2冷却流路1200を形成する吸入面1002側の蛇行流路1221~1251、1222~1252を第2蛇行流路とし、第2蛇行流路に流入する冷却流体を第2冷却流体とする。そして、蛇行流路(Serpentine Channels)は、くねくねした形状に形成されて流体が下部から上部に流動した後、隣接流路に移動して再び上部から下部に流動することを繰り返す流動チャネルを意味することができる。
【0064】
図6および
図7は、本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第1冷却流路1100が示される斜視図であって、
図6は、圧力面1001側から眺めた第1冷却流路であり、
図7は、吸入面1002側から眺めた第1冷却流路である。
【0065】
図6および
図7を参照すれば、第1冷却流路1100は、第1流入口1110と、第1_1流動チャネル1120と、第1_1転向チャネル1130と、第1_2流動チャネル1140と、第1_2転向チャネル1150と、第1_3流動チャネル1160と、第1_3転向チャネル1170と、第1排出チャネル1180とを含むことができる。もちろん、流動チャネルおよび転向チャネルの数は例示であり、チャネルの数はこれに限定されない。
【0066】
第1流入口1110は、リーディングエッジ1003の下部から下方向に所定の長さ延長形成される。具体的には、リーディングエッジ1003側のキャビティ(cavity)に連結されて、下方向に延長形成される。リーディングエッジ1003側のキャビティ(cavity)は、実質的に第1_1流動チャネル(1120、
図10参照)であってもよい。ルート部110に形成された流入口111に流入した冷却流体の少なくとも一部は、第1流入口1110に流入することができる。第1流入口1110に流入する冷却流体は、第1冷却流体である。
【0067】
第1_1流動チャネル1120は、第1流入口1110と連通し、第1流入口1110に流入した第1冷却流体をエアフォイルチップ1006方向に流動させる。第1_1流動チャネル1120は、実質的にリーディングエッジ1003側のキャビティ(cavity)であってもよい。
【0068】
第1_1流動チャネル1120の上端には、トレーリングエッジ1004側に延びた第1_1転向チャネル1130が形成され、第1_1転向チャネル1130は、第1_1流動チャネル1120を流動する第1冷却流体を第1_2流動チャネル1140に移動させる。第1_2流動チャネル1140は、第1冷却流体をルート部110方向に流動させる。
【0069】
第1_2流動チャネル1140の下端には、トレーリングエッジ1004側に延びた第1_2転向チャネル1150が形成され、第1_2転向チャネル1150は、第1_2流動チャネル1140を流動する第1冷却流体を第1_3流動チャネル1160に移動させる。第1_3流動チャネル1160は、第1冷却流体をルート部110のエアフォイルチップ1006方向に流動させる。
【0070】
第1_3流動チャネル1160の上端には、トレーリングエッジ1004側に延びた第1_3転向チャネル1170が形成され、第1_3転向チャネル1170は、第1_3流動チャネル1160を流動する第1冷却流体を第1排出チャネル1180に移動させる。第1冷却流体は、第1排出チャネル1180を通してエアフォイル1000の外部に排出される。第1排出チャネル1180には、第1冷却流体を排出させるための排出孔(図示せず)が複数個形成される。
【0071】
一方、第1冷却流路1100の底面(第1_2転向チャネル1150の底面と実質的に同一である)を基準(0とする)として、第1冷却流路1100の上面までの高さを100とする時、第1排出チャネル1180は、70~100未満の高さ範囲で形成されることが好ましい。なぜなら、第1排出チャネル1180と後述する第2排出チャネル1260を通して排出される冷却流体の比率が約4:6となるようにすることが好ましいが、第1排出チャネル1180を70~100未満の高さ範囲で形成する場合、このような比率の調節が容易になるからである。あるいは、第1排出チャネル1180の大きさを1とする時、第1排出チャネル1180と第2排出チャネル1260の大きさの比率は、1:(7/3~5)であることが好ましい。
【0072】
第1_1流動チャネル1120は、リーディングエッジ1003側に形成され、第1_1流動チャネル1120と直間接的に連結されたチャネル1130~1180は、圧力面1001側に形成される。前記チャネル1120~1180は、1つの第1蛇行流路を形成することで第1冷却流体の流動時間を増加させて冷却効率を向上させることができる。特に、第1冷却流路1100を流動する第1冷却流体は、リーディングエッジ1003と圧力面1001と圧力面側のエアフォイルチップを効果的に冷却させることができる。
【0073】
図8および
図9は、本発明の一実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第2冷却流路1200が示される斜視図であって、
図8は、圧力面1001側から眺めた第2冷却流路であり、
図9は、吸入面1002側から眺めた第2冷却流路である。
【0074】
図8および
図9を参照すれば、第2冷却流路1200は、第2_1流入口1211と、第2_1流動チャネル1221と、第2_1転向チャネル1231と、第2_2流動チャネル1241と、第2_2流入口1212と、第2_3流動チャネル1222と、第2_2転向チャネル1232と、第2_4流動チャネル1242と、第2排出チャネル1260とを含むことができる。
【0075】
第2_1流入口1211、第2_1流動チャネル1221、第2_1転向チャネル1231、および第2_2流動チャネル1241は、第2_1蛇行流路を形成し、第2_2流入口1212、第2_3流動チャネル1222、第2_2転向チャネル1232、および第2_4流動チャネル1242は、第2_2蛇行流路を形成することができる。もちろん、流動チャネル、転向チャネル、蛇行流路の数は例示であり、チャネルおよび蛇行流路の数はこれに限定されない。
【0076】
第2_1流入口1211と第2_2流入口1212は、吸入面1002側から下方向に所定の長さ延長形成される。第2_1流入口1211は、リーディングエッジ1003側に形成され、第2_2流入口1212は、トレーリングエッジ1004側に形成される。
【0077】
ルート部110に形成された流入口111に流入した冷却流体の少なくとも一部は、第2_1流入口1211に流入し、また、少なくとも一部は、第2_2流入口1212に流入することができる。第2流入口1211、1212に流入する冷却流体は、第2冷却流体である。
【0078】
第2_1流動チャネル1221は、第2_1流入口1211と連通し、第2_1流入口1211に流入した第2冷却流体をエアフォイルチップ1006方向に流動させる。
【0079】
第2_1流動チャネル1221の上端には、トレーリングエッジ1004側に延びた第2_1転向チャネル1231が形成され、第2_1転向チャネル1231は、第2_1流動チャネル1221を流動する第2冷却流体を第2_2流動チャネル1241に移動させる。第2_2流動チャネル1241は、第2冷却流体をルート部110方向に流動させる。
【0080】
第2_3流動チャネル1222は、第2_2流入口1212と連通し、第2_2流入口1212に流入した第2冷却流体をエアフォイルチップ1006方向に流動させる。
【0081】
第2_3流動チャネル1222の上端には、リーディングエッジ1003側に延びた第2_2転向チャネル1232が形成され、第2_2転向チャネル1232は、第2_3流動チャネル1222を流動する第2冷却流体を第2_4流動チャネル1242に移動させる。第2_4流動チャネル1242は、第2冷却流体をルート部110方向に流動させる。
【0082】
第2_2流動チャネル1241と第2_4流動チャネル1242の下端部それぞれの側面には、中央キャビティ(1300、
図10参照)と連通する連通口1251、1252が形成される。連通口1251、1252は、中央キャビティ1300側の側面に形成される。もちろん、連通口1251、1252が必ずしも側面に形成される必要はない。
【0083】
中央キャビティ1300は、リーディングエッジ側のキャビティ1120と圧力面側のキャビティ1140、1160と吸入面側のキャビティ1221、1241、1242、1222との間に形成された流動空間である。第2_2流動チャネル1241と第2_4流動チャネル1242を通して流動する第2冷却流体は、連通口1251、1252を通して中央キャビティ1300内で合流する。
【0084】
第2排出チャネル1260は、中央キャビティ1300の高さと実質的に同一の高さに延長形成され、中央キャビティ1300のトレーリングエッジ側の側面に形成された連結口(1301、
図5参照)と連通するように形成される。そして、第2排出チャネル1260のトレーリングエッジ側の所定の領域には、第2冷却流体を排出させるための複数の排出孔1261がマトリクス状に形成される。
【0085】
第2_1流動チャネル1221、第2_2流動チャネル1241、第2_3流動チャネル1222および第2_4流動チャネル1242が吸入面1002側に少なくとも2つ以上の蛇行流路を形成することで第2冷却流体の流動時間を増加させて冷却効率を向上させることができる。特に、第2冷却流路1200を流動する第2冷却流体は、トレーリングエッジ1004と吸入面1002と吸入面側のエアフォイルチップを効果的に冷却させることができる。
【0086】
次に、
図11を参照して、本発明の他の実施形態に係るエアフォイルを説明する。
図11は、本発明の他の実施形態に係るエアフォイルの内部に形成される第2冷却流路が示される斜視図である。
【0087】
本発明の他の実施形態に係るエアフォイルは、第1冷却流路1100と、第2冷却流路1200とを含み、上述した一実施形態に比べて第2冷却流路1200の一部の構成が異なるだけで、残りの構成は実質的に同一であるので、繰り返しの説明は省略し、説明の便宜上、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
【0088】
図11を参照すれば、第2冷却流路1200は、上述した一実施形態とは異なり、第2_1流入口1211と第2_2流入口1212とが互いに近接して形成される。これによって、第2_1流動チャネル1221と第2_3流動チャネル1222も互いに近接して形成され、第2_1転向チャネル1231は、第2_1流動チャネル1221の上端からリーディングエッジ1003側に延び、第2_2転向チャネル1232は、第2_3流動チャネル1222の上端からトレーリングエッジ1004側に延びて形成される。
【0089】
上述した一実施形態では、ルート部110に形成された流入口111に流入した冷却流体は、第1流入口1110、第2_1流入口1211、および第2_2流入口1212に分岐して流入するが、第2_1流入口1211と第2_2流入口1212とは相対的に遠く離隔し、第1流入口1110と第2_1流入口1211とが互いに隣接した状態であるので、第1流入口1110側に冷却流体がさらに流入することも可能である。
【0090】
一方、本実施形態では、第2_1流入口1211と第2_2流入口1212とを互いに近接して形成することにより、第2流入口1211、1212側に流入すべき第2冷却流体が第1流入口1110側に流入することを一部防止することができる。
【0091】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想を逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1:ガスタービン
10:圧縮機
20:燃焼器
30:タービン
100:タービンブレード
110:ルート部
1000:エアフォイル
1001:圧力面
1002:吸入面
1003:リーディングエッジ
1004:トレーリングエッジ
1100:第1冷却流路
1200:第2冷却流路