(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070219
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】回転軸受アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16H 1/32 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
F16H1/32 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023161759
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】63/424,395
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202310712192.8
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】502330713
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】No.252,ShanYing Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】鐘啓聞
(72)【発明者】
【氏名】林泓▲ウィ▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡弦龍
(72)【発明者】
【氏名】朱威穎
(72)【発明者】
【氏名】陳進翔
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FA36
3J027FB40
3J027GA01
3J027GB03
3J027GB06
3J027GC03
3J027GC13
3J027GC22
3J027GC24
3J027GD04
3J027GD07
3J027GD08
3J027GD12
3J027GD13
3J027GE05
3J027GE21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高負荷能力と高速度比・減速出力を有することに加え、体積が小さいという利点を有する回転軸受アセンブリを提供する。
【解決手段】本発明は、入力軸と、内輪部材と、外輪部材と、負荷部材とを備える回転軸受アセンブリである。入力軸はモータの回転軸と結合して回転し、動力入力を提供する。内輪部材は歯車セットを備え、歯車セットを介して入力軸に外嵌され、入力軸によって駆動される。外輪部材は負荷部材を介して内輪部材に外嵌され、歯車セットと噛み合う。歯車セットが入力軸によって駆動されて内輪部材を動かすと、歯車セットは外輪部材を動かし、内輪部材と外輪部材は相対的に回転する。内輪部材と外輪部材の一方が動力出力を提供し、動力入力と動力出力には回転速度差がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸と、内輪部材と、外輪部材とを備える回転軸受アセンブリであって、
前記入力軸は、モータの回転軸と結合して回転し、動力入力を提供し、
前記内輪部材は、歯車セットを備え、前記歯車セットを介して前記入力軸に外嵌され、前記入力軸によって駆動され、
前記外輪部材は、負荷部材を介して前記内輪部材に外嵌され、前記歯車セットと噛み合い、
前記歯車セットが前記入力軸によって駆動されて前記内輪部材を動かすと、前記歯車セットは前記外輪部材を動かし、前記内輪部材と前記外輪部材は相対的に回転し、前記内輪部材と前記外輪部材の一方が動力出力を提供し、前記動力入力と前記動力出力には回転速度差がある、回転軸受アセンブリ。
【請求項2】
前記外輪部材は出力端であり、前記内輪部材は固定端であり、少なくとも1つの出力齒盤と、伝動軸とを備え、前記少なくとも1つの出力齒盤は固定的に設置され、前記伝動軸を介して前記歯車セットに接続され、
前記歯車セットが前記入力軸によって駆動されると、前記歯車セットは前記外輪部材を動かして前記動力出力を提供する、請求項1に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項3】
前記外輪部材は固定端であり、前記内輪部材は出力端であり、少なくとも1つの出力齒盤と、伝動軸とを備え、前記少なくとも1つの出力齒盤は、前記伝動軸を介して前記歯車セットに接続され、
前記歯車セットが前記入力軸によって駆動されると、前記歯車セットは前記伝動軸を介して前記少なくとも1つの出力齒盤を動かして前記動力出力を提供する、請求項1に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項4】
前記外輪部材は、針殻輪と複数のころを備え、前記複数のころは前記針殻輪に設置され、前記負荷部材は、複数の軸受転動体と、一対の軌道輪を備え、前記一対の軌道輪は、前記針殻輪の対向する両側に環状設置され、前記複数の軸受転動体が走行するための走行軌道を提供する、請求項2または3に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項5】
前記歯車セットは、第1のサイクロイド齒盤と第2のサイクロイド齒盤を備え、
前記第1のサイクロイド齒盤は、前記入力軸に外嵌され、前記入力軸によって回転駆動され、少なくとも1つの前記ころの対応する部分と接触する第1の歯部を備え、
前記第2のサイクロイド齒盤は、前記入力軸に外嵌され、前記入力軸によって回転駆動され、少なくとも1つの前記ころの対応する部分と接触する第2の歯部を備え、
前記第1のサイクロイド齒盤及び前記第2のサイクロイド齒盤は、それぞれ前記針殻輪の対向する両側に位置する、請求項4に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項6】
前記一対の軌道輪は軌道輪内径を有し、前記第1のサイクロイド齒盤及び前記第2のサイクロイド齒盤は、それぞれサイクロイド齒盤外径を有し、前記軌道輪内径は前記サイクロイド齒盤外径よりも大きい、請求項5に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項7】
前記伝動軸は、一体的に形成されかつ順次配置された第1の同心端、第1の偏心端、第2の偏心端、及び第2の同心端を備え、
前記第1の偏心端は前記第1のサイクロイド齒盤に連結され、前記第2の偏心端は前記第2のサイクロイド齒盤に連結され、前記第1の同心端、前記第1の偏心端、前記第2の偏心端、及び前記第2の同心端のうち、隣接する任意の2つの間にそれぞれ偏心量が存在し、
前記第1の同心端の直径、前記第1の偏心端の直径、前記第2の偏心端の直径、及び前記第2の同心端の直径は、すべて伝動軸の直径と同じであり、前記少なくとも1つの出力齒盤は、前記第1の同心端または前記第2の同心端に連結される、請求項5に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の同心端と前記第1の偏心端との間の前記偏心量を第1の偏心量とし、前記第2の同心端と前記第2の偏心端との間の前記偏心量を第2の偏心量とし、前記第1の偏心端と前記第2の偏心端との間の前記偏心量を第3の偏心量とし、前記第1の偏心量は前記第2の偏心量に等しく、前記第3の偏心量は前記第1の偏心量の2倍に等しい、請求項7に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項9】
前記内輪部材は、第1の軸受と第2の軸受をさらに備え、前記第1の軸受及び前記第2の軸受は、それぞれ複数の出力偏心軸針状ころを備え、前記出力偏心軸針状ころの直径の2倍は、前記第1の偏心量以上である、請求項8に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の軸受の前記複数の出力偏心軸針状ころは、前記第1の偏心端の外輪壁を周回し、前記第2の軸受の前記複数の出力偏心軸針状ころは、前記第2の偏心端の外輪壁を周回する、請求項9に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの出力齒盤は、前記針殻輪の対向する両側に位置する第1の出力齒盤と第2の出力齒盤を備え、
前記第1の出力齒盤は、外嵌穴をさらに備え、前記第1の出力齒盤の前記外嵌穴は、前記伝動軸の前記第1の同心端が貫通するように、前記伝動軸に対応する位置に設置され、
前記第2の出力齒盤は、外嵌穴をさらに備え、前記第2の出力齒盤の前記外嵌穴は、前記伝動軸の前記第2の同心端が貫通するように、前記伝動軸に対応する位置に設置される、請求項10に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項12】
前記外嵌穴の内径は、前記伝動軸の直径と前記出力偏心軸針状ころの直径の2倍との合計に等しい、請求項11に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項13】
前記複数の出力偏心軸針状ころのうち隣接する任意の2つの間に、ころ保持器が設けられ、前記出力偏心軸針状ころと隣接する対応の前記ころ保持器との間にギャップを有する、請求項9に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項14】
前記歯車セットは、第1のサイクロイド齒盤を備え、前記第1のサイクロイド齒盤は、前記入力軸に外嵌され、前記入力軸によって回転駆動され、少なくとも1つの前記ころの対応する部分と接触する第1の歯部を備える、請求項4に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項15】
前記伝動軸は、一体的に形成されかつ順次配置された第1の同心端、第1の偏心端、及び第2の同心端を備え、前記第1の偏心端は前記第1のサイクロイド齒盤に連結され、前記第1の同心端、前記第1の偏心端、及び前記第2の同心端のうち、隣接する任意の2つの間にそれぞれ偏心量が存在し、
前記第1の同心端の直径、前記第1の偏心端の直径、及び前記第2の同心端の直径は、すべて伝動軸の直径と同じであり、前記少なくとも1つの出力齒盤は、前記第1の同心端または前記第2の同心端に連結される、請求項14に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の同心端と前記第1の偏心端との間の前記偏心量を第1の偏心量とし、前記第2の同心端と前記第1の偏心端との間の前記偏心量を第2の偏心量とし、前記第1の偏心量は前記第2の偏心量に等しい、請求項15に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項17】
前記負荷部材は、複数の軸受転動体を備え、前記外輪部材は、内歯輪本体と、内歯部と、複数の軸受転動体が走行するための走行軌道とを備える内歯輪であり、前記走行軌道は、前記入力軸の軸方向に対して傾斜角を有し、前記内輪部材の前記歯車セットは、前記内歯輪の前記内歯部と噛み合う、請求項2または3に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項18】
前記内歯部は、前記内歯輪本体の内輪面に環状設置され、歯車底径を有し、前記走行軌道は、内歯輪の片側に設置され、前記内歯部の近傍に軌道輪内径を有し、前記軌道輪内径は前記歯車底径以上である、請求項17に記載の回転軸受アセンブリ。
【請求項19】
前記走行軌道は、前記内歯輪本体及び前記内輪部材の前記少なくとも1つの出力齒盤と空間的に対応しており、径方向断面において平行四辺形であることで、複数の軸受転動体が前記内歯輪本体と前記内輪部材の前記少なくとも1つの出力齒盤との間で転動する、請求項17に記載の回転軸受アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸受アセンブリに関し、特に、高負荷能力と高速度比・減速出力を有することに加え、体積が小さいという利点を有する回転軸受アセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、従来の回転軸受は、軸受内輪と、軸受外輪と、軸受内輪及び軸受外輪に設置される負荷部材とを備えている。負荷部材の転動により、軸受外輪の固定と軸受内輪の回転、または軸受外輪の回転と軸受内輪の固定を実現できる。一般的な自動化アプリケーションでは、負荷を担持して回転運動をする場合、回転軸受が使用される。
【0003】
一方、自動化アプリケーションにおけるモータは、高回転・低トルクの特性があり、大きな負荷を駆動することが難しいため、モータにより重量物を押す場合には、減速機で減速してトルクを増加させる必要がある。そのため、従来の回転軸受はモータと減速機の組み合わせに使用され、トルク出力が必要な場合には、さらに歯車セットと組み合わせて使用する。しかし、歯車セットとそれが組み合わされる回転軸受の寸法が異なるため、材料を共有することはできない。従って、回転軸受と歯車セットを組み合わせて使用する場合、設計スペースが大きくなり、小型化に不利である。
【0004】
また、減速機は性能を向上させるために様々な設計を採用することができる。しかし、同じ負荷条件下で、全体の体積の縮小、部品点数の削減、組立の容易性を同時に実現することは容易ではない。例えば、従来の減速機では、内歯と外歯との間に複数のころが配置され、軸受リングと内歯リングが別体に設計されることで、ころの軸方向の固定と組み立てを容易にする。しかし、軸受リングと内歯リングが別体に設計されることで、部品点数が増加し、加工コストや組立コストも増加する。また、設計部品点数が増加すると、スペースの需要が増加し、小型化が困難になる。
【0005】
そこで、高負荷能力と高速度比・減速出力を有することに加え、体積が小さいという利点を有し、従来技術の欠点を解決するための回転軸受アセンブリを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、体積が小さいという利点を有しながら、高負荷能力を有する軸受と高速度比・減速出力を構築するための回転軸受アセンブリを提供することである。
【0007】
本発明の目的は、回転軸受アセンブリを提供することである。回転軸受アセンブリと減速機を組み合わせて使用することで、同じ負荷下で全体の体積と部品点数を削減でき、組み立てプロセスを容易にし、小型化に不利であり、軸受材料を共用できないなどの従来のサイクロイド減速機の欠点を解決する。一方、回転軸受アセンブリに使用される伝動軸の同心端と偏心端は同じ直径を有し、偏心端の直径を大きくすることなく小型化を実現できる。また、伝動軸の同心端と偏心端が同じ直径を有するため、伝動軸の同心端と偏心端にそれぞれ外嵌される軸受は、同一仕様のものを使用でき、材料コストを削減することができる。さらに、本発明の伝動軸の同心端と偏心端が一体に形成されているため、回転軸受アセンブリにおける伝動軸の設置精度や位置合わせ精度をさらに向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、入力軸と、内輪部材と、外輪部材、負荷部材とを備える回転軸受アセンブリを提供する。入力軸はモータの回転軸と結合して回転し、動力入力を提供する。内輪部材は歯車セットを備え、歯車セットを介して入力軸に外嵌され、入力軸によって駆動される。外輪部材は負荷部材を介して内輪部材に外嵌され、歯車セットと噛み合う。歯車セットが入力軸によって駆動されて内輪部材を動かすと、歯車セットは外輪部材を動かし、内輪部材と外輪部材は相対的に回転する。内輪部材と外輪部材の一方が動力出力を提供し、動力入力と動力出力には回転速度差がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの構造概略図である。
【
図2】モータ及び減速機と組み合わせた本発明の第1の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの垂直断面図である。
【
図3】本発明の第1の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの垂直断面図である。
【
図4】本発明の第1の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの水平断面図である。
【
図5】本発明の第1の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリにおける伝動軸の構造概略図である。
【
図6】本発明の第1の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリにおける一部のエリアの水平断面図である。
【
図9】本発明の第2の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの垂直断面図である。
【
図10】本発明の第2の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリにおける伝動軸の構造概略図である。
【
図11】本発明の第3の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの立体構造図である。
【
図12】本発明の第3の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの垂直断面図である。
【
図13】本発明の第3の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの構造分解図である。
【
図14】本発明の第3の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの別の視点からの構造分解図である。
【
図15】本発明の第3の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリにおける内歯輪の上面図である。
【
図16】本発明の第3の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリにおける内歯輪の垂直断面図である。
【
図17】本発明の第3の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの水平断面図である。
【
図19】本発明の第4の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの立体構造図である。
【
図20】本発明の第4の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリの垂直断面図である。
【
図21】本発明の第4の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリにおける外輪部材の構造分解図である。
【
図22】本発明の第4の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリにおける外輪部材の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴と利点を示すいくつかの典型的な実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変化を有することができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に例示するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。例えば、本開示の以下の内容において、第1の特徴を第2の特徴の上または上方に設置することが記述される場合、設置された上記第1の特徴が上記第2の特徴と直接接触している実施形態を含み、追加の特徴を上記第1の特徴と上記第2の特徴との間に設置することで、上記第1の特徴が上記第2の特徴と直接接触していない実施形態も含むことを示す。さらに、本開示の異なる実施形態において、重複する参照符号及び/または記号を使用可能である。これらの重複は簡潔化と明確化の目的で、各実施形態及び/または前記外観構造間の関係を制限するために使用されるものではない。また、図面における構成要素または特徴要素と他の(複数の)構成要素または(複数の)特徴要素との関係を簡易に記述するために、例えば、「頂」、「底」、「上」、「下」、及び類似する用語などの空間関連の用語を用いることができる。図面に示される方位に加えて、空間関連の用語は、使用中または作動中の装置の異なる方位を含むために用いられる。前記装置は、別途に位置決めされ(例えば、90度回転または他の方位)てもよく、それに応じて使用される空間関連の用語の記述を解釈する。さらに、一つの構成要素が他の構成要素に「接続」または「結合」すると称する場合、他の構成要素に直接的に接続または結合することができ、または介在構成要素が存在しうる。本開示の広範な範囲の数値範囲とパラメータは近似値であるが、具体的な例においてできる限り正確に数値を記述する。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、特許請求の範囲において異なる構成要素を記述するために用いられることができるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されるべきではなく、実施形態において記述されたこれらの構成要素は異なる構成要素記号によって示されることを理解されたい。これらの用語は、異なる構成要素を区別するためのものである。例えば、第1の構成要素は第2の構成要素と称されることができ、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と称されることができ、実施形態の範囲から逸脱することがない。
【0011】
図1と
図2を参照し、本発明の第1の好ましい実施形態に係る回転軸受アセンブリを示す。本発明の回転軸受アセンブリ1は、適切な回転速度差の動力出力を提供するために、様々なモータ装置、工作機械、機械アーム、自動車、オートバイまたはその他の動力機械に適用することができるが、これらに限定されない。
【0012】
本実施形態では、回転軸受アセンブリ1は、入力軸10、内輪部材20、外輪部材30、及び負荷部材40を備える。入力軸10は、回転軸受アセンブリ1の実質的な中心に位置し、モータ90の回転軸92と結合して回転し、動力入力を提供する。内輪部材20は歯車セット21を備え、歯車セット21を介して入力軸10に外嵌(sleeved on)され、入力軸10によって駆動される。外輪部材30は、負荷部材40を介して内輪部材20に外嵌され、歯車セット21と噛み合う。歯車セット21が入力軸10によって駆動されて内輪部材20を動かすと、歯車セット21は外輪部材30を動かし、内輪部材20と外輪部材30は相対的に回転する。言い換えると、外輪部材30は、歯車セット21を介して入力軸10によって回転することもできる。本実施形態では、内輪部材20と外輪部材30の一方が動力出力を提供し、動力入力と動力出力には回転速度差がある。
【0013】
本実施形態では、外輪部材30は出力端であり、内輪部材20は固定端であり、少なくとも1つの出力齒盤23、23'と、伝動軸22とを備える。本実施形態では、出力齒盤23は、例えば、モータハウジング91に固定的に設置することができ、出力齒盤23'は、平面8上に固定される。出力齒盤23、23'は、それぞれ伝動軸22を介して歯車セット21に接続され、歯車セット21が入力軸10によって駆動されると、歯車セット21は外輪部材30を動かして動力出力を提供する。
【0014】
他の実施形態では、
図3を併せて参照する。外輪部材30は固定端であり、内輪部材20は出力端であり、少なくとも1つの出力齒盤23、23'と、伝動軸22とを備え、少なくとも1つの出力齒盤23、23'は、伝動軸22を介して前記歯車セット21に接続され、歯車セット21が入力軸10によって駆動されると、歯車セット21は伝動軸22を介して少なくとも1つの出力齒盤23、23'を動かして動力出力を提供する。
【0015】
本実施形態では、外輪部材30は、針殻輪300及び複数のころ301を備え、前記複数のころ301は針殻輪300に設置される。負荷部材40は、複数の軸受転動体42と、一対の軌道輪43、44とを備え、前記一対の軌道輪43、44は、針殻輪300の対向する両側に設置され、複数の軸受転動体42が走行するための走行軌道35をそれぞれ提供する。本実施形態では、走行軌道35は対で設置されているが、本発明はこれに限定されない。
【0016】
本実施形態では、歯車セット21は、第1のサイクロイド齒盤21aと第2のサイクロイド齒盤21bを備える。第1のサイクロイド齒盤21aは、入力軸10に外嵌され、入力軸10によって回転駆動され、少なくとも1つのころ301の対応する部分と接触する第1の歯部210を備える。第2のサイクロイド齒盤21bは、入力軸10に外嵌され、入力軸10によって回転駆動され、少なくとも1つのころ301の対応する部分と接触する第2の歯部210'を備える。本実施形態では、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、それぞれ針殻輪300の対向する両側に位置する。本実施形態では、前記一対の軌道輪43、44は、軌道輪内径d4を有し、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、それぞれサイクロイド齒盤外径d5を有し、軌道輪内径d4はサイクロイド齒盤外径d5よりも大きい。
【0017】
本実施形態では、少なくとも1つの出力齒盤23、23'は、第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'を備え、第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'は、針殻輪300の対向する両外側に位置し、このように、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、第1の出力齒盤23と第2の出力齒盤23'との間に介在する。第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'の少なくとも一方は、回転軸受アセンブリ1の動力出力として機能することができる。もちろん、針殻輪300を出力端とする場合、第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'の少なくとも一方を固定端としてもよい。本発明はこれに限定されない。
【0018】
図3、
図4及び
図5を参照し、本実施形態では、伝動軸22の数は1つであっても複数であってもよく、本実施形態では5つの伝動軸22が例示されており、各伝動軸22はクランク軸であり、第1のサイクロイド齒盤21a、第2のサイクロイド齒盤21b、第1の出力齒盤23、及び第2の出力齒盤23'に連結されており、一体的に形成されかつ順次配置された第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224を備える。第1の同心端221は第1の出力齒盤23に連結され、第1の偏心端222は第1のサイクロイド齒盤21aに連結され、第2の偏心端223は第2のサイクロイド齒盤21bに連結され、第2の同心端224は第2の出力齒盤23'に連結される。また、第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224のうち、隣接する任意の2つの間にそれぞれ偏心量が存在する。さらに、第1の同心端221の直径ΦA、第1の偏心端222の直径ΦC、第2の偏心端223の直径ΦD、及び第2の同心端224の直径ΦBは、すべて同じであり、すなわち、伝動軸22の伝動軸の直径d1と等しい。
【0019】
本実施形態では、回転軸受アセンブリ1では、伝動軸22の偏心端の直径が同心端の直径よりも大きくなるように制限する必要はなく、伝動軸22の第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224が同じ直径(ΦA=ΦC=ΦD=ΦB)、すなわち、伝動軸の直径d1を有するようにする。これにより、第1の偏心端222及び第2の偏心端223の直径を大きくすることなく、回転軸受アセンブリ1を小型化することができる。また、伝動軸22の第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224は同じ直径を有するため、対応する軸受を伝動軸22の第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224にそれぞれ外嵌する必要がある場合、これらの軸受は同一仕様のものを使用でき、材料コストを削減することができる。さらに、本発明の伝動軸22の第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224が一体的に形成された構造であるため、回転軸受アセンブリ1における伝動軸22の設置精度や位置合わせ精度をさらに向上させることができる。
【0020】
本実施形態では、
図5に示すように、第1の同心端221と第1の偏心端222との間の偏心量を第1の偏心量E1とし、第2の同心端224と第2の偏心端223との間の偏心量を第2の偏心量E2とし、第1の偏心端222と第2の偏心端223との間の偏心量を第3の偏心量E3とすると、第1の偏心量E1は第2の偏心量E2に等しく、第3の偏心量E3は第1の偏心量E1の2倍に等しい。これにより、対応する軸受を伝動軸22の第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224にそれぞれ外嵌することが容易となる。また、本実施形態では、第1の同心端221、第2の同心端224は、伝動軸22と同軸であり、第1の偏心端222及び第2の偏心端223は、伝動軸22に偏心して設置され、第1の偏心端222の偏心方向と第2の偏心端223の偏心方向は逆である。
【0021】
図6を併せて参照する。いくつかの実施形態では、第1のサイクロイド齒盤21aは、少なくとも1つの外嵌穴211をさらに備え、各外嵌穴211は、伝動軸22の第1の偏心端222が貫通して第1の偏心端221を第1のサイクロイド齒盤21aに連結できるように、対応する伝動軸22の対応位置に設置される。第1の出力齒盤23は、少なくとも1つの外嵌穴230をさらに備え、各外嵌穴230は、伝動軸22の第1の同心端221が貫通して第1の同心端221を第1の出力齒盤23に連結できるように、対応する伝動軸22の対応位置に設置される。第2のサイクロイド齒盤21bは、少なくとも1つの外嵌穴211'をさらに備え、各外嵌穴211'は、伝動軸22の第2の偏心端223が貫通して第2の偏心端223を第2のサイクロイド齒盤21bに連結できるように、対応する伝動軸22の対応位置に設置される。第2の出力齒盤23'は、少なくとも1つの外嵌穴230'をさらに備え、各外嵌穴230'は、伝動軸22の第2の同心端224が貫通して第2の同心端224を第2の出力齒盤23'に連結できるように、対応する伝動軸22の対応位置に設置される。
【0022】
また、本実施形態では、回転軸受アセンブリ1は、同じ構造の第1の軸受24と第2の軸受24'をさらに備え、第1の軸受24は、第1のサイクロイド齒盤21aの外嵌穴211と第1の偏心端222との間に外嵌され、第2の軸受24'は、第2のサイクロイド齒盤21bの外嵌穴211'と第2の偏心端223との間に外嵌される。また、第1の軸受24及び第2の軸受24'は、それぞれ複数の出力偏心軸針状ころ241を備える(第1の軸受24及び第2の軸受24'は同一構造であるため、
図6では第1の軸受24の出力偏心軸針状ころ241のみを例示している)。第1の軸受24の複数の出力偏心軸針状ころ241は、第1の軸受24の本体を周回し、第1の軸受24が第1のサイクロイド齒盤21aの外嵌穴211と第1の偏心端222との間に外嵌されると、第1の軸受24の複数の出力偏心軸針状ころ241は、第1の偏心端222の外輪壁を周回する。同様に、第2の軸受24'の複数の出力偏心軸針状ころ241は第2の軸受24'の本体を周回し、第2の軸受24'が第2のサイクロイド齒盤21bの外嵌穴211'と第2の偏心端223との間に外嵌されると、第2の軸受24'の複数の出力偏心軸針状ころ241は、第2の偏心端223の外輪壁を周回する。また、伝動軸22の伝動軸の直径はd1(すなわち、第1の同心端221、第1の偏心端222、第2の偏心端223、及び第2の同心端224の直径はそれぞれd1であり、つまり、ΦA=ΦC=ΦD=ΦB)である。
図7を併せて参照する。各出力偏心軸針状ころ241の直径はd2、外嵌穴211及び外嵌穴211'の直径はそれぞれd3であり、外嵌穴221及び外嵌穴221'の直径d3は、それぞれ第1の偏心端222の伝動軸の直径d1と出力偏心軸針状ころ241の直径d2の2倍との合計(すなわち、d3=d1+2d2)に等しい。さらに、出力偏心軸針状ころ241の直径d2の2倍は、第1の偏心量E1以上(すなわち、2d2≧E1)である。
【0023】
図3、
図5、
図7、及び
図8を参照する。本実施形態では、第1の軸受24及び第2の軸受24'は、それぞれ複数のころ保持器242をさらに備える。複数の出力偏心軸針状ころ241のうち隣接する任意の2つの間に、出力偏心軸針状ころ241を被覆及び支持するころ保持器242が設けられている。また、各出力偏心軸針状ころ241は、対応する軸受の内部において、出力偏心軸針状ころ241と隣接する対応のころ保持器242との間に介在するギャップGを有してもよい。そのため、出力偏心軸針状ころ241の直径d2の2倍が第1の偏心量E1以上である場合には、第1の軸受24及び第2の軸受24'をそれぞれ対応する第1の偏心端222及び第2の偏心端223に確実に外嵌することができる。また、第1の同心端221と第1の出力齒盤23との連結、及び第2の同心端224と第2の出力齒盤23'との連結も、第1の軸受24及び第2の軸受24'と同じ軸受構造により行うことができるため、ここでは繰り返さない。
【0024】
図1、
図3、及び
図5を参照する。本実施形態では、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、針殻輪300内に設置することができ、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、内輪部材20の少なくとも1つの出力齒盤23、23'または外輪部材30の針殻輪300を動かすことができる。一実施形態では、回転軸受アセンブリ1の動力伝達方式としては、入力軸10が回転すると、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bが入力軸10によって回転駆動され、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、それぞれ伝動軸22の第1の偏心端222及び第2の偏心端223に連結することにより伝動軸22を回転駆動し、伝動軸22の第1の同心端221及び第2の同心端224を同期して回転させて、それぞれ第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'を回転駆動し、第1の出力齒盤23及び/または第2の出力齒盤23'は、回転軸受アセンブリ1の動力出力として機能する。一実施形態では、第1の出力齒盤23及び/または第2の出力齒盤23'を固定し、代わりに外輪部材30の針殻輪300を回転軸受アセンブリ1の動力出力として使用することができる。ここでは繰り返さない。
【0025】
図1、
図9、及び
図10を参照する。本発明の第2の実施形態の回転軸受アセンブリを示す。本実施形態では、回転軸受アセンブリ1aの構造は
図1~
図8に示す回転軸受アセンブリ1とほぼ同様であり、同一の符号は、同一の構成要素、構造及び機能を表し、ここでは繰り返さない。
図1~
図8に示す回転軸受アセンブリ1が2つのサイクロイド齒盤を備えるのに対し、本実施形態の回転軸受アセンブリ1aは単一のサイクロイド齒盤を備え、すなわち、歯車セット21は第1のサイクロイド齒盤21aのみを備える。第1のサイクロイド齒盤21aは前記入力軸10に外嵌され、入力軸10によって回転駆動され、少なくとも1つの前記ころ301の対応する部分と接触する第1の歯部210を備える。入力軸10は、例えば、モータ(図示せず)からの動力入力を受け、前記動力入力によって回転駆動され、入力軸10は、回転軸受アセンブリ1aの実質的な中心に位置する。
【0026】
本実施形態では、少なくとも1つの出力齒盤23、23'は、例えば、
図9に示す第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'を備え、第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'は、内輪部材20の対向する両外側に位置し、このように、第1のサイクロイド齒盤21aが第1の出力齒盤23と第2の出力齒盤23'との間に介在する。第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'の少なくとも一方が、回転軸受アセンブリ1aの動力出力として機能することができる。もちろん、他の例では、第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'を固定端とし、外輪部材30を出力端とすることもできる。
【0027】
本実施形態では、伝動軸22aはクランク軸であり、第1のサイクロイド齒盤21a、第1の出力齒盤23、及び第2の出力齒盤23'に連結されており、一体的に形成されかつ順次配置された第1の同心端221a、第1の偏心端222a、及び第2の同心端223aを備える。第1の同心端221aは第1の出力齒盤23に連結され、第1の偏心端222aは第1のサイクロイド齒盤21aに連結され、第2の同心端223aは第2の出力齒盤23'に連結される。また、第1の同心端221a、第1の偏心端222a、及び第2の同心端223aのうち、隣接する任意の2つの間にそれぞれ偏心量が存在する。さらに、第1の同心端221aの直径ΦA、第1の偏心端222aの直径ΦC、及び第2の同心端223aの直径ΦBは、すべて同じであり、すなわち、伝動軸22aの伝動軸の直径d1に等しい(
図7に示すように)。
【0028】
本実施形態では、回転軸受アセンブリ1aでは、同様に、伝動軸22aの偏心端の直径が同心端の直径よりも大きくなるように制限する必要はなく、伝動軸22aの第1の同心端221a、第1の偏心端222a、及び第2の同心端223aが同じ直径を有するようにする(ΦA1=ΦC1=ΦB1)。これにより、第1の偏心端222aの直径を大きくすることなく、回転軸受アセンブリ1aを小型化することができる。また、伝動軸22aの第1の同心端221a、第1の偏心端222a、及び第2の同心端223aは同じ直径を有するため、対応する軸受を伝動軸22aの第1の同心端221a、第1の偏心端222a、及び第2の同心端223aにそれぞれ外嵌する必要がある場合、これらの軸受は同一仕様のものを使用でき、材料コストを削減することができる。さらに、本発明の伝動軸22aの第1の同心端221a、第1の偏心端222a、及び第2の同心端223aが一体的に形成された構造であるため、回転軸受アセンブリ1aにおける伝動軸22aの設置精度をさらに向上させることができる。
【0029】
本実施形態では、
図10に示すように、第1の同心端221aと第1の偏心端222aとの間の偏心量を第1の偏心量E1とし、第2の同心端223aと第1の偏心端222aとの間の偏心量を第2の偏心量E2とすると、第1の偏心量E1は第2の偏心量E2に等しい。これにより、対応する軸受を伝動軸22aの第1の同心端221a、第1の偏心端222a、及び第2の同心端223aにそれぞれ外嵌することが容易となる。また、本実施形態では、第1の同心端221a、第2の同心端223aは、伝動軸22aと同軸であり、第1の偏心端222aは、伝動軸22aに偏心して設置される。
【0030】
同様に、本実施形態では、回転軸受アセンブリ1aの動力伝達方式としては、入力軸10が回転すると、第1のサイクロイド齒盤21aが入力軸10によって回転駆動され、第1のサイクロイド齒盤21aは、伝動軸22aの第1の偏心端222aに連結することにより伝動軸22aを回転駆動し、伝動軸22aの第1の同心端221a及び第2の同心端223aを同期して回転させて、それぞれ第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'を回転駆動し、第1の出力齒盤23及び/または第2の出力齒盤23'は、回転軸受アセンブリ1aの動力出力として機能する。もちろん、他の実施形態では、第1の出力齒盤23及び/または第2の出力齒盤23'を固定し、代わりに外輪部材30を回転軸受アセンブリ1aの動力出力として使用することができる。ここでは繰り返さない。
【0031】
図11~
図18を参照し、本発明の第3の実施形態の回転軸受アセンブリを示す。まず、
図11~
図13を参照する。本実施形態では、回転軸受アセンブリ1bの構造は
図1~
図8に示す回転軸受アセンブリ1とほぼ同様であり、同一の符号は、同一の構成要素、構造及び機能を表し、ここでは繰り返さない。本実施形態では、負荷部材40aは、複数の軸受転動体42を備える。外輪部材30aは、内歯輪本体31と、内歯部32と、複数の軸受転動体42が走行するための少なくとも1つの走行軌道35とを備える内歯輪である。走行軌道35は対で設置することができ、入力軸10の軸心に対して傾斜角を有し、内輪部材20の歯車セット21は、内歯輪の内歯部32と噛み合う。
【0032】
図14~
図15を参照する。本実施形態では、内歯部32は、内歯輪本体31の内輪面33に環状設置され、歯車底径D1を有し、走行軌道35は、内歯輪の片側に設置され、内歯部32に隣接する最内輪34は、軌道輪内径D2を有し、軌道輪内径D2は歯車底径D1以上である。本実施形態では、走行軌道35は、内歯輪本体31及び内輪部材20の出力齒盤23'と空間的に対応しており、径方向断面において平行四辺形であることで、複数の軸受転動体42が内歯輪本体31と内輪部材20の出力齒盤23'との間で転動する。
【0033】
図14と
図17を参照する。本実施形態では、入力軸10が回転すると、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、入力軸10によって回転駆動され、第1のサイクロイド齒盤21a及び第2のサイクロイド齒盤21bは、それぞれ伝動軸22を回転駆動し、その結果、伝動軸22は第1の出力齒盤23及び第2の出力齒盤23'を回転駆動し、第1の出力齒盤23及び/または第2の出力齒盤23'は、回転軸受アセンブリ1bの動力出力として機能する。例えば、第2の出力歯車23'によって動力出力を提供し、第1の出力齒盤23は固定ハウジングベース80で覆われ、固定ハウジングベース80は、外輪部材30aと組み合わせて固定端とすることができる。もちろん、他の実施形態では、第1の出力齒盤23及び/または第2の出力齒盤23'を固定し、代わりに外輪部材30aを回転軸受アセンブリ1bの動力出力として使用することができる。本発明はこれに限定されない。
【0034】
図19~
図22を参照し、本発明の第4の実施形態の回転軸受アセンブリを示す。本実施形態では、回転軸受アセンブリ1cの構造は
図1~
図8に示す回転軸受アセンブリ1とほぼ同様であり、同一の符号は、同一の構成要素、構造及び機能を表し、ここでは繰り返さない。本実施形態では、外輪部材30bは、一対のころ止め輪39と、走行軌道35とを備える。前記一対のころ止め輪39は、それぞれ収容溝36を介して対向する両側に設置され、走行軌道35は、外輪部材30bの対向する両外側に位置し、ころ止め輪39に隣接して設置され、負荷部材40bは、複数の軸受転動体42を備え、走行軌道35は、複数の軸受転動体42が走行するためのものである。
【0035】
上記のように、本発明は、体積が小さいという利点を有しながら、高負荷能力を有する軸受と高速度比・減速出力を構築するための回転軸受アセンブリを提供する。回転軸受アセンブリと減速機を組み合わせて使用することで、同じ負荷下で全体の体積と部品点数を削減でき、組み立てプロセスを容易にし、小型化に不利であり、軸受材料を共用できないなどの従来のサイクロイド減速機の欠点を解決する。一方、回転軸受アセンブリに使用される伝動軸の同心端と偏心端は同じ直径を有し、偏心端の直径を大きくすることなく小型化を実現できる。また、伝動軸の同心端と偏心端が同じ直径を有するため、伝動軸の同心端と偏心端にそれぞれ外嵌される軸受は、同一仕様のものを使用でき、材料コストを削減することができる。さらに、本発明の伝動軸の同心端と偏心端が一体に形成された構造であるため、回転軸受アセンブリにおける伝動軸の設置精度や位置合わせ精度をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0036】
1、1a、1b、1c:回転軸受アセンブリ
10:入力軸
20:内輪部材
21:歯車セット
21a:第1のサイクロイド齒盤
21b:第2のサイクロイド齒盤
210:第1の歯部
210':第2の歯部
211、211'、230、230':外嵌穴
22、22a:伝動軸
221、221a:第1の同心端
222、221a:第1の偏心端
223:第2の偏心端
224、223a:第2の同心端
23:第1の出力齒盤
23':第2の出力齒盤
24:第1の軸受
24':第2の軸受
241:出力偏心軸針状ころ
242:ころ保持器
30、30a、30b:外輪部材
300:針殻輪
301:ころ
31:内歯輪本体
32:内歯部
33:内輪面
34:最内輪
35:走行軌道
36:収容溝
39:ころ止め輪
40、40a、40b:負荷部材
41:保持器
42:軸受転動体
43、44:軌道輪
8:平面
80:固定ハウジングベース
90:モータ
91:モータハウジング
92:回転軸
d1:伝動軸の直径
d2:出力偏心軸針状ころの直径
d3:外嵌穴の直径
d4:軌道輪内径
d5:サイクロイド齒盤外径
ΦA、ΦC、ΦD、ΦB:直径
D1:歯車底径
D2:軌道輪内径
E1:第1の偏心量
E2:第2の偏心量
E3:第3の偏心量
G:ギャップ
P1、P2、P3:エリア
X、Y、Z:軸