(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070248
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/30 20230101AFI20240515BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
H10B43/30
H01L29/78 371
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189908
(22)【出願日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】63/424,139
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/467,605
(32)【優先日】2023-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523115689
【氏名又は名称】物聯記憶體科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】范徳慈
(72)【発明者】
【氏名】黄義欣
(72)【発明者】
【氏名】鄭宗文
(72)【発明者】
【氏名】鄭育明
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP22
5F083EP30
5F083EP33
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA16
5F083GA30
5F083JA04
5F083JA32
5F083KA01
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR03
5F083PR05
5F101BA01
5F101BB04
5F101BB05
5F101BB09
5F101BC02
5F101BD22
5F101BE06
5F101BE07
5F101BH13
(57)【要約】
【課題】記憶されたデータをより効率的に消去することができる、不揮発性メモリ装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】不揮発性メモリ装置は、少なくとも1つのメモリセルを含み、メモリセルは、基板と、選択ゲートと、制御ゲートと、浮遊ゲートと、消去ゲートとを含む。選択ゲートは、基板に配置され、制御ゲートは基板に、選択ゲートから側部方向に離間して配置される。制御ゲートは非垂直面を含む。浮遊ゲートは、垂直部と水平部とを含む。垂直部は、選択ゲートと制御ゲートとの間に配置され、制御ゲートから側部方向に離間した第1上部先端を含む。水平部は基板と制御ゲートとの間に配置され、水平部は制御ゲートから側部方向および垂直方向に離間した側部先端を含む。消去ゲートは、制御ゲートの非垂直面と、浮遊ゲートの垂直部および/または水平部の先端とを覆う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのメモリセルを含み、
前記少なくとも1つのメモリセルは、
基板と、
前記基板に配置された選択ゲートと、
前記基板に配置され、前記選択ゲートから側部方向に離間され、非垂直面を含む制御ゲートと、
前記基板に配置された浮遊ゲートであって、
前記選択ゲートと前記制御ゲートとの間に配置され、前記制御ゲートから側部方向に離間された第1上部先端を含む垂直部と、
前記基板と前記制御ゲートとの間に配置され、前記制御ゲートから側部方向および垂直方向に離間された側部先端を含む水平部と、を含む浮遊ゲートと、
前記制御ゲートの前記非垂直面と、前記浮遊ゲートの前記水平部の前記側部先端とを覆う消去ゲートと、を含んでいる、不揮発性メモリ装置。
【請求項2】
前記制御ゲートの前記非垂直面は、傾斜面または湾曲面を含んでいる、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項3】
前記制御ゲートの底面は、前記浮遊ゲートの前記垂直部の上面より低い、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項4】
前記浮遊ゲートの前記垂直部の前記第1上部先端は、前記選択ゲートの上面よりも高い、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項5】
前記浮遊ゲートは、前記浮遊ゲートの下隅に隅部をさらに含み、前記隅部は、前記制御ゲートから側部方向に離間されている、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項6】
前記浮遊ゲートの前記垂直部は、
互いに対向し、第1方向に沿って配列された2つの第1上部先端と、
互いに対向し、前記第1方向に沿って配列され、前記2つの第1上部先端にそれぞれ接続された2つの第1側壁と、
互いに対向し、前記第1方向とは異なる第2方向に沿って配列された2つの第2側壁と、をさらに含み、
前記制御ゲートは、前記第2方向に沿って延伸し、前記浮遊ゲートの前記垂直部の前記2つの第2側壁を覆う、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項7】
前記消去ゲートは上平面を含み、前記消去ゲートの高さは、前記選択ゲートの高さよりも最大で20%高い、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項8】
前記消去ゲートは、前記浮遊ゲートの前記垂直部の上面をさらに覆う、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項9】
前記消去ゲートから側部方向に離間され、前記浮遊ゲートの前記垂直部の上面を覆うさらなる消去ゲートをさらに含む、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項10】
前記消去ゲートは第1電圧でバイアスされるように構成され、前記さらなる消去ゲートは前記第1電圧とは異なる第2電圧でバイアスされるように構成される、請求項9に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項11】
前記制御ゲートと前記浮遊ゲートとの間に配置される結合誘電体層をさらに含み、
前記結合誘電体層は、
前記制御ゲートと、前記浮遊ゲートの垂直部との間に配置された垂直部と、
前記制御ゲートと、前記浮遊ゲートの水平部との間に配置された水平部と、を含み、
前記結合誘電体層の前記水平部の一部は、前記制御ゲートの下から延在し、前記制御ゲートから露出している、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項12】
前記結合誘電体層の前記水平部は、前記制御ゲートから露出された非垂直側壁を含む、請求項11に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項13】
前記選択ゲートと前記浮遊ゲートの前記垂直部との間に配置された誘電体スペーサをさらに含み、前記誘電体スペーサは、前記浮遊ゲートの前記垂直部の上面よりも低い湾曲上面を含む、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのメモリセルは、第1メモリセルおよび第2メモリセルを含み、
前記第1メモリセルおよび前記第2メモリセルの各々は、前記選択ゲート、前記浮遊ゲートおよび前記制御ゲートを含み、
前記不揮発性メモリ装置は、前記第1メモリセルおよび前記第2メモリセルによって共有されるソース領域をさらに含み、
前記ソース領域は、前記消去ゲートによって覆われている、請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項15】
前記第1メモリセルおよび前記第2メモリセルは、互いに鏡像を有する、請求項14に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項16】
前記消去ゲートは、前記第1メモリセルと前記第2メモリセルとの前記制御ゲートの間隙に充填されることを特徴とする、請求項14に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項17】
不揮発性メモリ装置の製造方法は、
基板を提供する工程と、
前記基板に選択ゲートを形成する工程と、
前記基板および前記選択ゲートに一致導電層を形成する工程と、
前記選択ゲートの側壁および前記一致導電層を覆い、非垂直面を含む制御ゲートを形成する工程と、
前記制御ゲートから露出され前記一致導電層をエッチングする工程と、
これにより浮遊ゲートを形成し、
前記浮遊ゲートは、
前記選択ゲートと前記制御ゲートとの間に配置された垂直部と、
前記基板と前記制御ゲートとの間に配置され、側部先端を含む水平部と、を含み、
前記制御ゲートの前記非垂直面と、前記浮遊ゲートの前記水平部の前記側部先端と、を覆う消去ゲートを形成する工程と、を含む、不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項18】
前記制御ゲートを形成する前に、前記一致導電層を覆う結合誘電体層を形成する工程と、
前記制御ゲートを形成した後、前記制御ゲートから露出した前記結合誘電体層をエッチングする工程と、
これにより前記一致導電層の一部を露出させ、
前記結合誘電体層から露出した前記一致導電層の前記一部をエッチングする工程と、をさらに含み、
これにより前記浮遊ゲートを形成する、請求項17に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項19】
前記一致導電層をエッチングする工程において、前記結合誘電体層は、
前記制御ゲートと前記選択ゲートとの間に配置された垂直部と、
前記制御ゲートと前記基板との間に配置された水平部と、を含み、
前記結合誘電体層の前記水平部の一部は、前記制御ゲートの下から延在し、前記制御ゲートから露出している、請求項18に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項20】
前記一致導電層をエッチングする工程において、前記結合誘電体層の前記水平部は、前記制御ゲートから露出された非垂直側壁を含む、請求項19に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項21】
前記消去ゲートを形成する工程においてさらなる消去ゲートを同時に形成する工程をさらに含み、
さらなる前記消去ゲートは、前記選択ゲートから側部方向に離間され、前記浮遊ゲートの前記垂直部の上面を覆う、請求項17に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(背景技術)
(1.技術分野)
本発明は半導体装置に関し、特に、不揮発性メモリ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
(2.従来技術の説明)
不揮発性メモリは、例えば、データの記憶、読み出し、消去などの動作を繰り返し行うことができ、不揮発性メモリのシャットダウン後に記憶されたデータが失われることがないため、パーソナルコンピュータや電子機器に広く適用されている。
【0003】
従来の不揮発性メモリの構造は、トンネル酸化物層、浮遊ゲート、結合誘電体層、制御ゲートを順に含むスタックゲート構造を有する。このようなフラッシュメモリ装置に対してプログラムまたは消去動作を行う場合、ソース領域、ドレイン領域、制御ゲートにそれぞれ適切な電圧を印加して、浮遊ゲートに電子を注入したり、浮遊ゲートから電子を引き抜いたりする。
【0004】
不揮発性メモリのプログラムおよび消去動作において、浮遊ゲートと制御ゲートとの間のより大きなゲート結合率(GCR)は一般的に、動作のためにより低い動作電圧が必要なことを意味し、それによって、フラッシュメモリの動作速度および効率が著しく増加する。しかしながら、プログラムまたは消去動作中に、電子は、浮遊ゲートの下に配置されたトンネル酸化物層を通して浮遊ゲートに注入されるか、または、浮遊ゲートから引き出されなければならず、これは、しばしば、トンネル酸化物層の構造を損傷させ、したがって、メモリ装置の信頼性を低下させる。
【0005】
メモリ装置の信頼性を高めるために、消去ゲートが採用され、メモリ装置に組み込まれ、消去ゲートに正の電圧を印加することによって浮遊ゲートから電子を引き出すことができる。このように、浮遊ゲートの電子は、浮遊ゲートの下に配置されたトンネリング酸化物層よりも浮遊ゲート上に配置されたトンネリング酸化物層を介して引き出されるので、メモリ装置の信頼性がさらに向上する。
【0006】
記憶されたデータをより効率的に消去することができる高効率のメモリ装置に対する需要が増加するにつれて、改善されたメモリ装置およびその製造方法を提供する必要性が依然として存在する。
【0007】
(先行技術文献)
(特許文献1)米国特許第2021-0408119 A1号明細書
【0008】
(発明の概要)
本発明は、不揮発性メモリ装置および不揮発性メモリ装置の製造方法を提供する。不揮発性メモリ装置は、記憶されたデータをより効率的に消去することができる。
【0009】
本開示の一実施形態によれば、不揮発性メモリ装置は少なくとも1つのメモリセルを含み、メモリセルは、基板と、選択ゲートと、制御ゲートと、浮遊ゲートと、消去ゲートとを含む。前記選択ゲートは、前記基板に配置され、前記制御ゲートは前記基板に、前記選択ゲートから側部方向に離間して配置される。前記制御ゲートは非垂直面を含む。前記浮遊ゲートは、垂直部と水平部とを含む。前記垂直部は、前記選択ゲートと前記制御ゲートとの間に配置され、前記制御ゲートから側部方向に離間した第1上部先端を含む。前記水平部は前記基板と前記制御ゲートとの間に配置され、前記水平部は前記制御ゲートから側部方向および垂直方向に離間した側部先端を含む。前記消去ゲートは、前記制御ゲートの前記非垂直面と、前記浮遊ゲートの前記垂直部および/または前記水平部の先端とを覆う。
【0010】
本開示の一実施形態によれば、不揮発性メモリ装置を製造するための方法は、基板を提供する工程と、前記基板に選択ゲートを形成する工程と、前記基板および前記選択ゲート上に一致導電層を形成する工程と、前記選択ゲートおよび前記基板の側壁を覆う制御ゲートを形成する工程と、前記制御ゲートは非垂直面を含み、前記制御ゲートを形成する工程と、前記制御ゲートから露出された前記一致導電層をエッチングする工程と、前記浮遊ゲートは、前記選択ゲートと前記制御ゲートとの間に配置された垂直部と、前記基板と前記制御ゲートとの間に配置された水平部とを含み、前記垂直部および前記水平部の両方は先端を含み、前記制御ゲートの前記非垂直面だけでなく、前記L字形浮遊ゲートの前記垂直部および前記水平部の前記上部および前記側部先端も覆う消去ゲートを形成する工程とを含む、不揮発性メモリ装置を製造するための方法が提供される。
【0011】
本発明のこれらおよび他の目的は、様々な図および図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになることは間違いない。
【0012】
(図面の簡単な説明)
図面は、本発明のさらなる理解を与えるために添付されており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部の構成要素とする。図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
【0014】
図2は、本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´、線B-B´、および線C-C´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0015】
図3は、本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0016】
図4は、本開示の別の実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0017】
図5~
図11は、本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【0018】
(詳細な説明)
以下の開示は、本開示の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または実施例を提供する。以下では、本開示を簡略化するために、構成要素および構成の具体例を説明する。これらは、もちろん、単なる例であり、限定を意図するものではない。例えば、以下の説明における第1の特徴の形成は第1および第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、第1および第2の特徴が直接接触しないように、第1および第2の特徴の間に追加の特徴が形成され得る実施形態も含むことができる。加えて、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことができる。この反復は簡単かつ明確にするためのものであり、それ自体、論じられる様々な実施形態および/または構成の間の関係を指示するものではない。
【0019】
さらに、「真下」、「下」、「下部」、「アンダー」、「上」、「オーバー」、「上方」、「さらに上」、「底」、「上部」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では説明を容易にするために、図に示されるように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示される方位に加えて、使用または動作中の装置の異なる方位を包含することが意図される。例えば、図中の装置がひっくり返される場合、他の要素または特徴の「下」および/または「アンダー」として説明される要素は、他の要素または特徴の「上方」および/または「オーバー」に向けられる。装置は、他の方位(90度回転されるか、または他の方位)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は同様に、それに応じて解釈されてもよい。
【0020】
本開示は特定の実施形態に関して説明されるが、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される本開示の原理は本明細書に説明される本開示の具体的に説明される実施形態を超えて明らかに適用され得る。さらに、本開示の説明では、本開示の発明の態様を不明瞭にしないために、いくつかの詳細が除外されている。省略された詳細は、当業者の知識の範囲内である。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
図1を参照すると、不揮発性メモリ装置100_1は、第1、第2、第3、および第4メモリセル領域、110、112、114、116にそれぞれ収容された4つのメモリセルのような少なくとも1つのメモリセルを含むNORフラッシュメモリ装置であり得る。第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112の構造は互いに鏡像を有し、第3メモリセル領域114および第4メモリセル領域116の構造は互いに鏡像を有する。本開示の一実施形態によれば、不揮発性メモリ装置100_1は4つ以上のメモリセルを含み、これらのメモリセルは多数の行および列を有するアレイに配列され得る。
【0022】
図1を参照すると、不揮発性メモリ装置は、基板200および分離構造体102を含む。基板200は、シリコン基板またはSOI(silicon-on-insulator)基板などの半導体基板であり得るが、これに限定されない。分離構造体102は、絶縁材料で作ることができ、メモリセルの活性領域103を画定するために使用される。
【0023】
メモリセルの各々は、分離構造体102によって画定された活性領域103内に配置されたソース領域222およびドレイン領域244を含む。ソース領域222およびドレイン領域244は、n型またはp型などの同じ導電型のドープ領域とすることができる。ソース領域222およびドレイン領域244の導電型は、基板200の導電型とは異なるか、またはソース領域222およびドレイン領域244を収容するために使用されるドープされたウェル(図示せず)の導電型とは異なる。ソース領域222は活性領域103の一端に配置され、ドレイン領域244は活性領域103の他端に配置される。本開示のいくつかの実施形態によれば、ソース領域222は、Y方向に沿って延在し、同じ列のメモリセルによって共有される連続領域である。
【0024】
各メモリセルは、基板200上に配置され、ドレイン領域244に隣接する選択ゲート206をさらに含むことができる。選択ゲート204はY方向に沿って延在し、同じ列に位置するメモリセルによって共有され得る。選択ゲート204はポリシリコンまたは金属などの導電性材料から作製することができ、選択ゲート204は、ワード線の下に配置されたメモリセルのチャネル領域をオン/オフするように構成されたワード線として働くことができる。したがって、同じ列のメモリセルのチャネル領域を同時にオンまたはオフにすることができる。
【0025】
選択ゲート204を他の導電性構成要素から絶縁するために、誘電体スペーサ212を選択ゲート204の側壁上に配置することができる。誘電体スペーサ212は、選択ゲート204の各側壁に配置された単層、二層、または多層のスペーサであってもよいが、これに限定されない。
【0026】
各メモリセルはまた、基板200上に配置されソース領域222に隣接する浮遊ゲート224を含む。したがって、浮遊ゲート224は選択ゲート204の一方の側に配置され、ドレイン領域244は選択ゲート204の他方の側に配置される。浮遊ゲート224は、ポリシリコンまたは他の半導体などの導電性材料から作製される。浮遊ゲート224は、浮遊ゲート224に蓄積された電荷が隣接する浮遊ゲート224間で直接伝達されないように、互いに離間されている。浮遊ゲート224は互いに離間されているので、浮遊ゲート224の各々は独立してプログラムまたは消去され、それによって、状態「1」または状態「0」などの各メモリセルの状態を決定することができる。
図2の断面図に示すように、各浮遊ゲート224は、垂直部および水平部を有するL字型の浮遊ゲートである。浮遊ゲート224の詳細な構造については、
図2に対応する記載で説明する。
【0027】
各メモリセルはまた、基板200上に配置され、ソース領域222に隣接する制御ゲート240を含む。制御ゲート240は、Y方向に沿って延在し、同じカラムに位置するメモリセルによって共有され得る。したがって、浮遊ゲート224は、同じカラムにある制御ゲート240で覆うことができる。また、浮遊ゲート224は、垂直部および水平部を有するL字型の浮遊ゲートであり、浮遊ゲート224の水平部のみ制御ゲート240で覆われ、浮遊ゲート224の垂直部は、制御ゲート240で覆われない。制御ゲート240は、ポリシリコンまたは金属などの導電性材料から作製することができ、制御ゲート240は、チャネルから浮遊ゲート224に注入されるホットキャリア(例えば、電子)を作製するように構成される。
【0028】
不揮発性メモリ装置100は、Y方向に沿って延在する消去ゲート236をさらに含む。さらに、消去ゲート236は、第1メモリセル領域110から第2メモリセル領域112まで延在する連続層とすることができ、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との間の境界における間隙(同じ行における2つの隣接する浮遊ゲート224間の間隙など)を充填する。したがって、消去ゲート236は、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112内の少なくとも2つの浮遊ゲート224および2つの制御ゲート240を覆うことができる。不揮発性メモリ100の消去動作において、消去ゲート236がバイアスされ、浮遊ゲート224に蓄積された電子が、主に浮遊ゲート224の水平部(図示せず)の先端(隅部と呼称する)を通って引き出される。
【0029】
図2は、本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´、線B-B´、および線C-C´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
図2の
図A-A´を参照すると、浮遊ゲート224は、垂直部224_1、水平部224_2、および隅部(図示せず)を有するL字形浮遊ゲートである。隅部は浮遊ゲートの下隅部であり、垂直部224_1および水平部224_2の両方に接続されている。浮遊ゲート224の垂直部224_1は、選択ゲート204と制御ゲート240との間に配置され、水平部224_2の水平部224_2は、基板200と制御ゲート240との間に配置され、浮遊ゲート224の水平部224_1は、制御ゲート240から側部方向(例えば、X方向)に離間した側部先端226aを含む。浮遊ゲート224の垂直部224_1の上端は、選択ゲート204の上端よりも高い。また、浮遊ゲート224の垂直部224_1は、2つの第1上部先端228aと、2つの第1側壁とをさらに含む。第1上部先端228aは互いに対向し、第1方向、例えばX方向に沿って配置されている。第1側壁は互いに対向し、第1方向、例えばX方向に沿って配置され、第1側壁230は浮遊ゲート224の垂直部224_1の第1上部先端228aにそれぞれ接続される。
【0030】
図2の
図AA´を参照すると、制御ゲート240は、傾斜面または湾曲面などの非垂直面246を含む。非垂直面246は、凸面であってよい。制御ゲート240の底面は、浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面よりも低い。
【0031】
図2の
図AA´を参照すると、消去ゲート236は、第1メモリセル領域110から第2メモリセル領域112に延在する連続層である。消去ゲート236は、制御ゲート240の非垂直面246、浮遊ゲート224の水平部224_2の側部先端226a、および浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面を覆う。消去ゲート236は制御ゲート240の非垂直面246を部分的に覆い、したがって、消去ゲート236の底面の一部は、湾曲面である。
【0032】
消去動作において、浮遊ゲート224に蓄積された電子は、垂直部224_1の第1上部先端228aからだけでなく、水平部224_2の側部先端226aからも引き出され得る。これにより、浮遊ゲート224に蓄積された電子は、より効果的に放電され得る。
【0033】
図2の
図AA´を参照すると、不揮発性メモリ装置100は、制御ゲート240と浮遊ゲート224との間に配置された結合誘電体層238をさらに含む。結合誘電体層238はL字型の結合誘電体層であり、結合誘電体層238はシリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物を含む複合誘電体層であるが、これに限定されない。
【0034】
図2の
図AA´を参照すると、不揮発性メモリ装置100は、消去ゲート236と浮遊ゲート224との間、および消去ゲート236と制御ゲート240との間に配置された消去ゲート誘電体層234をさらに含む。消去ゲート誘電体層234は、誘電体層から作製することができ、その誘電体層は、Fowler-Nordheim(FN)トンネリングメカニズムによって、浮遊ゲート224に最初に蓄積された電子が消去ゲート誘電体層234を通過することを可能にする。
【0035】
図2の
図AA´を参照すると、浮遊ゲート誘電体層218は、少なくとも基板200と浮遊ゲート224との間に配置される。浮遊ゲート誘電体層218の材料は例えば、酸化シリコンまたは他の層である。プログラミング動作中、ホットエレクトロンは浮遊ゲート誘電体層218を通過し、浮遊ゲート224に蓄積することが可能である。
【0036】
図2の
図BB´を参照すると、制御ゲート240および消去ゲート236は、分離構造体102に配置され得る。したがって、制御ゲート240は、消去ゲート236と分離構造体102との間に配置することができる。また、
図BB´に示す分離構造体102は、浮遊ゲート224で覆われていない。
【0037】
図2の
図CC´を参照すると、浮遊ゲート224の垂直部224_1は互いに対向し、第1方向とは異なる第2方向、例えばY方向に沿って配置された第2上部先端228bおよび第2側壁230をさらに含む。消去ゲート236は第2方向に沿って延在し、浮遊ゲート224の垂直部224_1の第2上部先端228bおよび第2側壁230を覆う。また、第2側壁230の下部を結合誘電体層238で覆うことができ、第2側壁230の上部を消去ゲート誘電体層234で覆うことができる。制御ゲート240が存在するため、浮遊ゲート224の第2側壁230を越えて延在する消去ゲート236の底面は、分離構造体102から離間している。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係る
図1の線A-A´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
図3に示される構造は、
図2の
図AA´に示される構造の拡大断面図と見なすことができる。
図3を参照すると、浮遊ゲート224は、垂直部224_1、水平部224_2、および隅部224_3を含むL字型である。
【0039】
垂直部224_1の上面225_1は、垂直部224_1の第1上部先端228aをより鋭くする凹面を含む。これにより、浮遊ゲート224に最初に蓄積された電子が、浮遊ゲート224の垂直部224_1の第1上部先端228aからより効果的に引き出され得る。
【0040】
水平部224_2は、制御ゲート240から露出する突出部232を含む。突出部232の上隅部は、制御ゲート240から側部方向および垂直方向に離間された側部先端226aに対応する。浮遊ゲート224の側部先端226aは、結合誘電体層238の薄層で覆うことができる。例えば、浮遊ゲート224の側部先端226aを覆う結合誘電体層238の厚さは約5オングストローム~30オングストロームでよいが、これに限定されない。浮遊ゲート224に蓄積された電荷をより効率的に消去するために、側部先端226aは、いかなる結合誘電体層238によっても覆われなくてもよい。したがって、側部先端226aは、消去ゲート誘電体層234と直接接触している。
【0041】
隅部224_3は浮遊ゲート224の下隅部であり、制御ゲート240から側部方向に離間している。
【0042】
結合誘電体層238もL字型であり、垂直部238_1と水平部238_2とを含む。結合誘電体層238の垂直部238_1は、制御ゲート240と浮遊ゲート224の垂直部224_1との間に配置される。結合誘電体層238の垂直部238_1は、湾曲した輪郭を有する上面239_1を含む。水平部238_2は、制御ゲート240と浮遊ゲート224の水平部224_2との間に配置され、結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は制御ゲート240の下から延在し、制御ゲート240から露出される。結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240から露出した非垂直側壁239_2を含む。非垂直側壁239_2は、消去ゲート誘電体層234と直接接触する凹面である。
【0043】
消去ゲート236は、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との境界の間隙に充填されている。結合誘電体層238の端部242の非垂直側壁239_2は凹面を有するので、消去ゲート236の一部は、結合誘電体層238の端部242の非垂直側壁239_2に向かって延在する突出部250を、対応して有することができる。突出部250は、浮遊ゲート224の水平部224_2の側部先端226aを覆うことができ、これにより、消去ゲート236が浮遊ゲート224の側部先端226aの周りに部分的に巻き付く。これにより、浮遊ゲート224に最初に蓄積されていた電子が、より効果的に水平部224_2の側部先端226aから引き出され得る。
【0044】
誘電体スペーサ212は、選択ゲート204と浮遊ゲート224の垂直部224_1との間に配置され、誘電体スペーサ212は浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面225_1よりも低い湾曲上面213を含む。
【0045】
図4は、本発明の他の実施例による不揮発性メモリ装置を示す概略断面図である。揮発性メモリ装置210、220、230は、
図3に示される揮発性メモリ装置100に類似しており、主な違いは、消去ゲートの構成である。
【0046】
不揮発性メモリ装置210において、不揮発性メモリ装置210は、Y方向に沿って延在し、互いに分離された第1消去ゲート256aおよび第2消去ゲート256bを含む。第1消去ゲート256aは浮遊ゲート224の水平部224_2の側部先端226aを覆い、第2消去ゲート256bは、浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面を覆う。消去動作中、第1消去ゲート256aは第1電圧でバイアスされるように構成され、第2消去ゲート256bは第1電圧とは異なる第2電圧でバイアスされるように構成される。これにより、第1電圧と第2電圧の値を個々に調整することで、浮遊ゲート224に蓄積された電子をより効果的に放電させることができる。
【0047】
揮発性メモリ装置220について、揮発性メモリ装置220は揮発性メモリ装置210に類似しているが、浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面が他の消去ゲートに覆われないように、第2消去ゲート256bは省略される。
【0048】
揮発性メモリ装置230について、揮発性メモリ装置230は、揮発性メモリ装置220に類似しているが、第1消去ゲート256aは平坦な上平面を含み、第1消去ゲート256aの高さは、選択ゲート204の高さよりも最大で20%高い。第1消去ゲート256aの高さは、選択ゲート204の高さよりもはるかに高くないので、不揮発性メモリ装置230はデジタル回路において、MOSFETなどの他の半導体デバイスと容易に集積することができる。これにより、半導体装置の製造プロセスを大幅に調整することなく、不揮発性メモリ装置230およびデジタル回路内の半導体装置を同時に製造することができる。
【0049】
【0050】
図5を参照すると、この製造段階で形成される構造は、少なくとも1つの基板200と、少なくとも1つの積層構造体300と、誘電体スペーサ212と、浮遊ゲート誘電体層218とを含む。
【0051】
本開示の一実施形態によれば、基板200は、p型またはn型などの適切な導電型を有する半導体基板であってもよい。基板200の組成は、ケイ素、ゲルマニウム、窒化ガリウム、または他の適切な半導体材料を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0052】
少なくとも1つの積層構造体300が基板200上にある。例えば、2つの積層構造体300が、基板200上に配置され、互いに側部方向に離間されている。各積層構造体300は、ゲート誘電体層202と、選択ゲート204と、犠牲層208とを含み、順に積層されている。選択ゲート204は、導電性材料で作られ、選択ゲート204は適切な電圧でバイアスされると、選択ゲート204の下にある基板200内のキャリアチャネル(チャネル領域と呼称する)のオン/オフを切り替えるように構成される。犠牲層208は積層構造体300内の最上層であり、選択ゲート204に消去ゲートを形成する後続のプロセスの前に除去されるように構成される一時層である。一実施形態において、
図5に示される製造段階で形成される選択ゲート204は、
図1および
図2に示される選択ゲート204のパターンとは異なるパターンを有する導電層でよい。したがって、
図5に示す選択ゲート204が、
図1および
図2に示す選択ゲート204とは異なる輪郭を有する場合、選択ゲート204は、以下の製造プロセスにおいて
図1および
図2に示す選択ゲート204になるように、さらにパターニングされてよい。
【0053】
誘電体スペーサ212は、積層構造体300の側壁に形成される。誘電体スペーサ212の材料は例えば、シリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物または窒化ケイ素/シリコン酸化物である。
【0054】
浮遊ゲート誘電体層218は、基板200上で、少なくとも積層構造体300の間に、またはさらに積層構造体300の両側に形成される。浮遊ゲート誘電体層218の材料は、例えば、酸化シリコン、またはトンネル効果によってホットエレクトロンが通過することを可能にする他の層である。浮遊ゲート誘電体層218の形成方法は、例えば、熱酸化法または熱蒸着法であるが、これに限定されない。
【0055】
図6を参照すると、一致導電層254が基板200および選択ゲート204に形成され、一致導電層254は、その下の構造の形状に適合する。一致導電層の材料は、例えば、ドープポリシリコン、ポリサイド、または他の適切な導電性材料である。導電層の材料がドープポリシリコンのとき、その形成方法は、例えば、アンドープポリシリコン層が化学気相成長法により形成された後にイオン注入工程を実行する方法、または、インサイチュドーパント注入法による化学気相成長法を実行する方法を含む。
【0056】
次いで、一致導電層をエッチングするために、フォトリソグラフィおよびエッチングプロセスが実行される。その結果、上面視において互いに分離されている複数の導電性ストライプ(図示せず)を形成するために、導電層がパターニングされている。各導電性ストライプは、X方向に沿って、少なくとも第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112内に延在することができる。
【0057】
図7を参照すると、一致導電層254を覆う結合誘電体層258が基板200上に形成される。一致導電層254は、上面視においてストライプ形状であるので、結合誘電体層258は一致導電層254の上面だけでなく、一致導電層254の側壁(図示せず)も覆う。結合誘電体層258は、シリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物を含む複合誘電体層とすることができるが、これに限定されない。
【0058】
次に、制御ゲート層260が、結合誘電体層258上に配置される。制御ゲート層260が下にある構造の形状に適合し得るように、制御ゲート層260の厚さは適切に制御されることができる。制御ゲート層260はポリシリコンまたは金属などの導電性材料で形成することができるが、これに限定されない。
【0059】
次に、
図8を参照すると、異方性エッチングプロセスによって制御ゲート層260がエッチングされ、積層構造体300の側壁に制御ゲート240を形成する。制御ゲート240は、非垂直面246を有する自己整合構造であり、したがって、フォトリソグラフィプロセスを使用する必要がない。制御ゲート240の形成後、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112のそれぞれにおける制御ゲート240は、X方向において互いに側部方向に分離され得る。さらに、制御ゲート240の形成後、積層構造体300の上に配置された結合誘電体層258の一部を制御ゲート240から露出させることができる。
【0060】
図9を参照すると、制御ゲート層260をエッチングマスクとして用いることにより、結合誘電体層に異方性エッチング工程が実行され、垂直部238_1と水平部238_2とを含むL字型構造の結合誘電体層238を形成する。
エッチング方法およびエッチングのタイプまたは比率を適切に制御することによって、垂直部238_1の上面239_1は、制御ゲート240の上部先端よりも低い、平面または凹面になり得る。さらに、結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240の下から延在することができ、制御ゲート240から部分的に露出される。結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240から延在して露出する非垂直側壁239_2を含む。垂直部238_1および水平部238_2を含む結合誘電体層238を形成した後、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との境界に位置する一致導電層254の一部を露出させることができる。
【0061】
その後、
図10を参照すると、制御ゲート240および結合誘電体層238をエッチングマスクとして用いて、一致導電層254がエッチングされることで、浮遊ゲート224を形成する。浮遊ゲート224は、垂直部224_1と水平部224_2とを含むL字型構造である。制御ゲート240および結合誘電体層238をエッチングマスクとして使用することによって、浮遊ゲート224の形状を画定するために追加のフォトリソグラフィプロセスを実行する必要がない。浮遊ゲート224の水平部224_2は、制御ゲート240で覆われていない側部先端226aを含む。さらに、浮遊ゲート224の形成中に、制御ゲート240の一部を同時にエッチングすることができ、制御ゲート240の高さをわずかに低減することができる。しかしながら、エッチングプロセス中に制御ゲート240のサイズが縮小されたとしても、結合誘電体層238の組成が浮遊ゲート224の組成と異なるので、結合誘電体層238のサイズはそれほど縮小されない。浮遊ゲート224の形成後、浮遊ゲート誘電体層218もまたエッチングされ、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との間の境界において基板200を露出させることもできる。
【0062】
図11を参照すると、2つのドレイン領域244などの少なくとも1つのドレイン領域244が、選択ゲート204の側面に形成され得る。ドレイン領域244は、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112にそれぞれ配置され、後続の製造プロセスにおいて、ビアまたはコンタクトを介して電気的に接続される。さらに、ソース領域222は、制御ゲート220間の基板200に同時に形成することができる。
【0063】
ドレイン領域244およびソース領域の形成方法は、例えば、イオン注入プロセスを含む。注入されたドーパントは、装置の設計に従って決定される、n型またはp型ドーパントでよい。ソース領域222およびドレイン領域244のドーパントおよびドーピング濃度は、同じでもよく、異なってもよい。
【0064】
次いで、消去ゲート誘電体層234が、選択ゲート204、浮遊ゲート224、および制御ゲート240に一致するように形成される。
【0065】
その後、
図1~
図4に示した構造と同様の不揮発性メモリ装置を得るために、消去ゲートおよびほかの構成が形成されてよい。
【0066】
当業者は、本発明の開示を有しながら、装置および方法の、多数の修正および変更が実施されうることを容易に理解するのであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´、線B-B´、および線C-C´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【
図4】本開示の別の実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(背景技術)
(1.技術分野)
本発明は半導体装置に関し、特に、不揮発性メモリ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
(2.従来技術の説明)
不揮発性メモリは、例えば、データの記憶、読み出し、消去などの動作を繰り返し行うことができ、不揮発性メモリのシャットダウン後に記憶されたデータが失われることがないため、パーソナルコンピュータや電子機器に広く適用されている。
【0003】
従来の不揮発性メモリの構造は、トンネル酸化物層、浮遊ゲート、結合誘電体層、制御ゲートを順に含むスタックゲート構造を有する。このようなフラッシュメモリ装置に対してプログラムまたは消去動作を行う場合、ソース領域、ドレイン領域、制御ゲートにそれぞれ適切な電圧を印加して、浮遊ゲートに電子を注入したり、浮遊ゲートから電子を引き抜いたりする。
【0004】
不揮発性メモリのプログラムおよび消去動作において、浮遊ゲートと制御ゲートとの間のより大きなゲート結合率(GCR)は一般的に、動作のためにより低い動作電圧が必要なことを意味し、それによって、フラッシュメモリの動作速度および効率が著しく増加する。しかしながら、プログラムまたは消去動作中に、電子は、浮遊ゲートの下に配置されたトンネル酸化物層を通して浮遊ゲートに注入されるか、または、浮遊ゲートから引き出されなければならず、これは、しばしば、トンネル酸化物層の構造を損傷させ、したがって、メモリ装置の信頼性を低下させる。
【0005】
メモリ装置の信頼性を高めるために、消去ゲートが採用され、メモリ装置に組み込まれ、消去ゲートに正の電圧を印加することによって浮遊ゲートから電子を引き出すことができる。このように、浮遊ゲートの電子は、浮遊ゲートの下に配置されたトンネリング酸化物層よりも浮遊ゲート上に配置されたトンネリング酸化物層を介して引き出されるので、メモリ装置の信頼性がさらに向上する。
【0006】
記憶されたデータをより効率的に消去することができる高効率のメモリ装置に対する需要が増加するにつれて、改善されたメモリ装置およびその製造方法を提供する必要性が依然として存在する。
【0007】
(先行技術文献)
(特許文献1)米国特許出願公開第2021-0408119 A1号明細書
(特許文献2)米国特許出願公開第2014/0042383 A1号明細書
(特許文献3)米国特許出願公開第2012/0295413 A1号明細書
(特許文献4)米国特許出願公開第2013/0112935 A1号明細書
(特許文献5)ロシア特許公報第2 297 625 C1号明細書
(特許文献6)米国特許出願公開第2016/0336415 A1号明細書
(特許文献7)米国特許出願公開第2016/0365350 A1号明細書
(特許文献8)米国特許出願公開第2013/0026552 A1号明細書
(特許文献9)米国特許出願公開第2016/0358928 A1号明細書
(特許文献10)台湾特許公報第202114174 A号明細書
(特許文献11)台湾特許公報第201644037 A号明細書
(特許文献12)台湾特許公報第201633319 A号明細書
(特許文献13)台湾特許公報第201839770 A号明細書
(特許文献14)米国特許出願公開第2013/0313626 A1号明細書
(特許文献15)米国特許出願公開第2021/0384205 A1号明細書
(特許文献16)米国特許出願公開第2017/0040334 A1号明細書
(特許文献17)米国特許出願公開第2004/0041202 A1号明細書
(特許文献18)米国特許出願公開第2006/0205136 A1号明細書
(特許文献19)米国特許出願公開第2011/0281427 A1号明細書
(特許文献20)米国特許出願公開第2005/0269624 A1号明細書
(特許文献21)米国特許出願公開第2003/0162347 A1号明細書
(特許文献22)ロシア特許公報第2 216 821 C2号明細書
【0008】
(発明の概要)
本発明は、不揮発性メモリ装置および不揮発性メモリ装置の製造方法を提供する。不揮発性メモリ装置は、記憶されたデータをより効率的に消去することができる。
【0009】
本開示の一実施形態によれば、不揮発性メモリ装置は少なくとも1つのメモリセルを含み、メモリセルは、基板と、選択ゲートと、制御ゲートと、浮遊ゲートと、消去ゲートとを含む。前記選択ゲートは、前記基板に配置され、前記制御ゲートは前記基板に、前記選択ゲートから側部方向に離間して配置される。前記制御ゲートは非垂直面を含む。前記浮遊ゲートは、垂直部と水平部とを含む。前記垂直部は、前記選択ゲートと前記制御ゲートとの間に配置され、前記制御ゲートから側部方向に離間した第1上部先端を含む。前記水平部は前記基板と前記制御ゲートとの間に配置され、前記水平部は前記制御ゲートから側部方向および垂直方向に離間した側部先端を含む。前記消去ゲートは、前記制御ゲートの前記非垂直面と、前記浮遊ゲートの前記垂直部および/または前記水平部の先端とを覆う。
【0010】
本開示の一実施形態によれば、不揮発性メモリ装置を製造するための方法は、基板を提供する工程と、前記基板に選択ゲートを形成する工程と、前記基板および前記選択ゲート上に一致導電層を形成する工程と、前記選択ゲートおよび前記基板の側壁を覆う制御ゲートを形成する工程と、前記制御ゲートは非垂直面を含み、前記制御ゲートを形成する工程と、前記制御ゲートから露出された前記一致導電層をエッチングする工程と、前記浮遊ゲートは、前記選択ゲートと前記制御ゲートとの間に配置された垂直部と、前記基板と前記制御ゲートとの間に配置された水平部とを含み、前記垂直部および前記水平部の両方は先端を含み、前記制御ゲートの前記非垂直面だけでなく、前記L字形浮遊ゲートの前記垂直部および前記水平部の前記上部および前記側部先端も覆う消去ゲートを形成する工程とを含む、不揮発性メモリ装置を製造するための方法が提供される。
【0011】
本発明のこれらおよび他の目的は、様々な図および図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになることは間違いない。
【0012】
(図面の簡単な説明)
図面は、本発明のさらなる理解を与えるために添付されており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部の構成要素とする。図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
【0014】
図2は、本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´、線B-B´、および線C-C´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0015】
図3は、本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0016】
図4は、本開示の別の実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0017】
図5~
図11は、本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【0018】
(詳細な説明)
以下の開示は、本開示の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または実施例を提供する。以下では、本開示を簡略化するために、構成要素および構成の具体例を説明する。これらは、もちろん、単なる例であり、限定を意図するものではない。例えば、以下の説明における第1の特徴の形成は第1および第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、第1および第2の特徴が直接接触しないように、第1および第2の特徴の間に追加の特徴が形成され得る実施形態も含むことができる。加えて、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことができる。この反復は簡単かつ明確にするためのものであり、それ自体、論じられる様々な実施形態および/または構成の間の関係を指示するものではない。
【0019】
さらに、「真下」、「下」、「下部」、「アンダー」、「上」、「オーバー」、「上方」、「さらに上」、「底」、「上部」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では説明を容易にするために、図に示されるように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示される方位に加えて、使用または動作中の装置の異なる方位を包含することが意図される。例えば、図中の装置がひっくり返される場合、他の要素または特徴の「下」および/または「アンダー」として説明される要素は、他の要素または特徴の「上方」および/または「オーバー」に向けられる。装置は、他の方位(90度回転されるか、または他の方位)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は同様に、それに応じて解釈されてもよい。
【0020】
本開示は特定の実施形態に関して説明されるが、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される本開示の原理は本明細書に説明される本開示の具体的に説明される実施形態を超えて明らかに適用され得る。さらに、本開示の説明では、本開示の発明の態様を不明瞭にしないために、いくつかの詳細が除外されている。省略された詳細は、当業者の知識の範囲内である。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
図1を参照すると、不揮発性メモリ装置100_1は、第1、第2、第3、および第4メモリセル領域、110、112、114、116にそれぞれ収容された4つのメモリセルのような少なくとも1つのメモリセルを含むNORフラッシュメモリ装置であり得る。第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112の構造は互いに鏡像を有し、第3メモリセル領域114および第4メモリセル領域116の構造は互いに鏡像を有する。本開示の一実施形態によれば、不揮発性メモリ装置100_1は4つ以上のメモリセルを含み、これらのメモリセルは多数の行および列を有するアレイに配列され得る。
【0022】
図1を参照すると、不揮発性メモリ装置は、基板200および分離構造体102を含む。基板200は、シリコン基板またはSOI(silicon-on-insulator)基板などの半導体基板であり得るが、これに限定されない。分離構造体102は、絶縁材料で作ることができ、メモリセルの活性領域103を画定するために使用される。
【0023】
メモリセルの各々は、分離構造体102によって画定された活性領域103内に配置されたソース領域222およびドレイン領域244を含む。ソース領域222およびドレイン領域244は、n型またはp型などの同じ導電型のドープ領域とすることができる。ソース領域222およびドレイン領域244の導電型は、基板200の導電型とは異なるか、またはソース領域222およびドレイン領域244を収容するために使用されるドープされたウェル(図示せず)の導電型とは異なる。ソース領域222は活性領域103の一端に配置され、ドレイン領域244は活性領域103の他端に配置される。本開示のいくつかの実施形態によれば、ソース領域222は、Y方向に沿って延在し、同じ列のメモリセルによって共有される連続領域である。
【0024】
各メモリセルは、基板200上に配置され、ドレイン領域244に隣接する選択ゲート206をさらに含むことができる。選択ゲート204はY方向に沿って延在し、同じ列に位置するメモリセルによって共有され得る。選択ゲート204はポリシリコンまたは金属などの導電性材料から作製することができ、選択ゲート204は、ワード線の下に配置されたメモリセルのチャネル領域をオン/オフするように構成されたワード線として働くことができる。したがって、同じ列のメモリセルのチャネル領域を同時にオンまたはオフにすることができる。
【0025】
選択ゲート204を他の導電性構成要素から絶縁するために、誘電体スペーサ212を選択ゲート204の側壁上に配置することができる。誘電体スペーサ212は、選択ゲート204の各側壁に配置された単層、二層、または多層のスペーサであってもよいが、これに限定されない。
【0026】
各メモリセルはまた、基板200上に配置されソース領域222に隣接する浮遊ゲート224を含む。したがって、浮遊ゲート224は選択ゲート204の一方の側に配置され、ドレイン領域244は選択ゲート204の他方の側に配置される。浮遊ゲート224は、ポリシリコンまたは他の半導体などの導電性材料から作製される。浮遊ゲート224は、浮遊ゲート224に蓄積された電荷が隣接する浮遊ゲート224間で直接伝達されないように、互いに離間されている。浮遊ゲート224は互いに離間されているので、浮遊ゲート224の各々は独立してプログラムまたは消去され、それによって、状態「1」または状態「0」などの各メモリセルの状態を決定することができる。
図2の断面図に示すように、各浮遊ゲート224は、垂直部および水平部を有するL字型の浮遊ゲートである。浮遊ゲート224の詳細な構造については、
図2に対応する記載で説明する。
【0027】
各メモリセルはまた、基板200上に配置され、ソース領域222に隣接する制御ゲート240を含む。制御ゲート240は、Y方向に沿って延在し、同じカラムに位置するメモリセルによって共有され得る。したがって、浮遊ゲート224は、同じカラムにある制御ゲート240で覆うことができる。また、浮遊ゲート224は、垂直部および水平部を有するL字型の浮遊ゲートであり、浮遊ゲート224の水平部のみ制御ゲート240で覆われ、浮遊ゲート224の垂直部は、制御ゲート240で覆われない。制御ゲート240は、ポリシリコンまたは金属などの導電性材料から作製することができ、制御ゲート240は、チャネルから浮遊ゲート224に注入されるホットキャリア(例えば、電子)を作製するように構成される。
【0028】
不揮発性メモリ装置100は、Y方向に沿って延在する消去ゲート236をさらに含む。さらに、消去ゲート236は、第1メモリセル領域110から第2メモリセル領域112まで延在する連続層とすることができ、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との間の境界における間隙(同じ行における2つの隣接する浮遊ゲート224間の間隙など)を充填する。したがって、消去ゲート236は、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112内の少なくとも2つの浮遊ゲート224および2つの制御ゲート240を覆うことができる。不揮発性メモリ100の消去動作において、消去ゲート236がバイアスされ、浮遊ゲート224に蓄積された電子が、主に浮遊ゲート224の水平部(図示せず)の先端(隅部と呼称する)を通って引き出される。
【0029】
図2は、本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´、線B-B´、および線C-C´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
図2の
図A-A´を参照すると、浮遊ゲート224は、垂直部224_1、水平部224_2、および隅部(図示せず)を有するL字形浮遊ゲートである。隅部は浮遊ゲートの下隅部であり、垂直部224_1および水平部224_2の両方に接続されている。浮遊ゲート224の垂直部224_1は、選択ゲート204と制御ゲート240との間に配置され、水平部224_2の水平部224_2は、基板200と制御ゲート240との間に配置され、浮遊ゲート224の水平部224_1は、制御ゲート240から側部方向(例えば、X方向)に離間した側部先端226aを含む。浮遊ゲート224の垂直部224_1の上端は、選択ゲート204の上端よりも高い。また、浮遊ゲート224の垂直部224_1は、2つの第1上部先端228aと、2つの第1側壁とをさらに含む。第1上部先端228aは互いに対向し、第1方向、例えばX方向に沿って配置されている。第1側壁は互いに対向し、第1方向、例えばX方向に沿って配置され、第1側壁230は浮遊ゲート224の垂直部224_1の第1上部先端228aにそれぞれ接続される。
【0030】
図2の
図AA´を参照すると、制御ゲート240は、傾斜面または湾曲面などの非垂直面246を含む。非垂直面246は、凸面であってよい。制御ゲート240の底面は、浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面よりも低い。
【0031】
図2の
図AA´を参照すると、消去ゲート236は、第1メモリセル領域110から第2メモリセル領域112に延在する連続層である。消去ゲート236は、制御ゲート240の非垂直面246、浮遊ゲート224の水平部224_2の側部先端226a、および浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面を覆う。消去ゲート236は制御ゲート240の非垂直面246を部分的に覆い、したがって、消去ゲート236の底面の一部は、湾曲面である。
【0032】
消去動作において、浮遊ゲート224に蓄積された電子は、垂直部224_1の第1上部先端228aからだけでなく、水平部224_2の側部先端226aからも引き出され得る。これにより、浮遊ゲート224に蓄積された電子は、より効果的に放電され得る。
【0033】
図2の
図AA´を参照すると、不揮発性メモリ装置100は、制御ゲート240と浮遊ゲート224との間に配置された結合誘電体層238をさらに含む。結合誘電体層238はL字型の結合誘電体層であり、結合誘電体層238はシリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物を含む複合誘電体層であるが、これに限定されない。
【0034】
図2の
図AA´を参照すると、不揮発性メモリ装置100は、消去ゲート236と浮遊ゲート224との間、および消去ゲート236と制御ゲート240との間に配置された消去ゲート誘電体層234をさらに含む。消去ゲート誘電体層234は、誘電体層から作製することができ、その誘電体層は、Fowler-Nordheim(FN)トンネリングメカニズムによって、浮遊ゲート224に最初に蓄積された電子が消去ゲート誘電体層234を通過することを可能にする。
【0035】
図2の
図AA´を参照すると、浮遊ゲート誘電体層218は、少なくとも基板200と浮遊ゲート224との間に配置される。浮遊ゲート誘電体層218の材料は例えば、酸化シリコンまたは他の層である。プログラミング動作中、ホットエレクトロンは浮遊ゲート誘電体層218を通過し、浮遊ゲート224に蓄積することが可能である。
【0036】
図2の
図BB´を参照すると、制御ゲート240および消去ゲート236は、分離構造体102に配置され得る。したがって、制御ゲート240は、消去ゲート236と分離構造体102との間に配置することができる。また、
図BB´に示す分離構造体102は、浮遊ゲート224で覆われていない。
【0037】
図2の
図CC´を参照すると、浮遊ゲート224の垂直部224_1は互いに対向し、第1方向とは異なる第2方向、例えばY方向に沿って配置された第2上部先端228bおよび第2側壁230をさらに含む。消去ゲート236は第2方向に沿って延在し、浮遊ゲート224の垂直部224_1の第2上部先端228bおよび第2側壁230を覆う。また、第2側壁230の下部を結合誘電体層238で覆うことができ、第2側壁230の上部を消去ゲート誘電体層234で覆うことができる。制御ゲート240が存在するため、浮遊ゲート224の第2側壁230を越えて延在する消去ゲート236の底面は、分離構造体102から離間している。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係る
図1の線A-A´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
図3に示される構造は、
図2の
図AA´に示される構造の拡大断面図と見なすことができる。
図3を参照すると、浮遊ゲート224は、垂直部224_1、水平部224_2、および隅部224_3を含むL字型である。
【0039】
垂直部224_1の上面225_1は、垂直部224_1の第1上部先端228aをより鋭くする凹面を含む。これにより、浮遊ゲート224に最初に蓄積された電子が、浮遊ゲート224の垂直部224_1の第1上部先端228aからより効果的に引き出され得る。
【0040】
水平部224_2は、制御ゲート240から露出する突出部232を含む。突出部232の上隅部は、制御ゲート240から側部方向および垂直方向に離間された側部先端226aに対応する。浮遊ゲート224の側部先端226aは、結合誘電体層238の薄層で覆うことができる。例えば、浮遊ゲート224の側部先端226aを覆う結合誘電体層238の厚さは約5オングストローム~30オングストロームでよいが、これに限定されない。浮遊ゲート224に蓄積された電荷をより効率的に消去するために、側部先端226aは、いかなる結合誘電体層238によっても覆われなくてもよい。したがって、側部先端226aは、消去ゲート誘電体層234と直接接触している。
【0041】
隅部224_3は浮遊ゲート224の下隅部であり、制御ゲート240から側部方向に離間している。
【0042】
結合誘電体層238もL字型であり、垂直部238_1と水平部238_2とを含む。結合誘電体層238の垂直部238_1は、制御ゲート240と浮遊ゲート224の垂直部224_1との間に配置される。結合誘電体層238の垂直部238_1は、湾曲した輪郭を有する上面239_1を含む。水平部238_2は、制御ゲート240と浮遊ゲート224の水平部224_2との間に配置され、結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は制御ゲート240の下から延在し、制御ゲート240から露出される。結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240から露出した非垂直側壁239_2を含む。非垂直側壁239_2は、消去ゲート誘電体層234と直接接触する凹面である。
【0043】
消去ゲート236は、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との境界の間隙に充填されている。結合誘電体層238の端部242の非垂直側壁239_2は凹面を有するので、消去ゲート236の一部は、結合誘電体層238の端部242の非垂直側壁239_2に向かって延在する突出部250を、対応して有することができる。突出部250は、浮遊ゲート224の水平部224_2の側部先端226aを覆うことができ、これにより、消去ゲート236が浮遊ゲート224の側部先端226aの周りに部分的に巻き付く。これにより、浮遊ゲート224に最初に蓄積されていた電子が、より効果的に水平部224_2の側部先端226aから引き出され得る。
【0044】
誘電体スペーサ212は、選択ゲート204と浮遊ゲート224の垂直部224_1との間に配置され、誘電体スペーサ212は浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面225_1よりも低い湾曲上面213を含む。
【0045】
図4は、本発明の他の実施例による不揮発性メモリ装置を示す概略断面図である。揮発性メモリ装置210、220、230は、
図3に示される揮発性メモリ装置100に類似しており、主な違いは、消去ゲートの構成である。
【0046】
不揮発性メモリ装置210において、不揮発性メモリ装置210は、Y方向に沿って延在し、互いに分離された第1消去ゲート256aおよび第2消去ゲート256bを含む。第1消去ゲート256aは浮遊ゲート224の水平部224_2の側部先端226aを覆い、第2消去ゲート256bは、浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面を覆う。消去動作中、第1消去ゲート256aは第1電圧でバイアスされるように構成され、第2消去ゲート256bは第1電圧とは異なる第2電圧でバイアスされるように構成される。これにより、第1電圧と第2電圧の値を個々に調整することで、浮遊ゲート224に蓄積された電子をより効果的に放電させることができる。
【0047】
揮発性メモリ装置220について、揮発性メモリ装置220は揮発性メモリ装置210に類似しているが、浮遊ゲート224の垂直部224_1の上面が他の消去ゲートに覆われないように、第2消去ゲート256bは省略される。
【0048】
揮発性メモリ装置230について、揮発性メモリ装置230は、揮発性メモリ装置220に類似しているが、第1消去ゲート256aは平坦な上平面を含み、第1消去ゲート256aの高さは、選択ゲート204の高さよりも最大で20%高い。第1消去ゲート256aの高さは、選択ゲート204の高さよりもはるかに高くないので、不揮発性メモリ装置230はデジタル回路において、MOSFETなどの他の半導体デバイスと容易に集積することができる。これにより、半導体装置の製造プロセスを大幅に調整することなく、不揮発性メモリ装置230およびデジタル回路内の半導体装置を同時に製造することができる。
【0049】
【0050】
図5を参照すると、この製造段階で形成される構造は、少なくとも1つの基板200と、少なくとも1つの積層構造体300と、誘電体スペーサ212と、浮遊ゲート誘電体層218とを含む。
【0051】
本開示の一実施形態によれば、基板200は、p型またはn型などの適切な導電型を有する半導体基板であってもよい。基板200の組成は、ケイ素、ゲルマニウム、窒化ガリウム、または他の適切な半導体材料を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0052】
少なくとも1つの積層構造体300が基板200上にある。例えば、2つの積層構造体300が、基板200上に配置され、互いに側部方向に離間されている。各積層構造体300は、ゲート誘電体層202と、選択ゲート204と、犠牲層208とを含み、順に積層されている。選択ゲート204は、導電性材料で作られ、選択ゲート204は適切な電圧でバイアスされると、選択ゲート204の下にある基板200内のキャリアチャネル(チャネル領域と呼称する)のオン/オフを切り替えるように構成される。犠牲層208は積層構造体300内の最上層であり、選択ゲート204に消去ゲートを形成する後続のプロセスの前に除去されるように構成される一時層である。一実施形態において、
図5に示される製造段階で形成される選択ゲート204は、
図1および
図2に示される選択ゲート204のパターンとは異なるパターンを有する導電層でよい。したがって、
図5に示す選択ゲート204が、
図1および
図2に示す選択ゲート204とは異なる輪郭を有する場合、選択ゲート204は、以下の製造プロセスにおいて
図1および
図2に示す選択ゲート204になるように、さらにパターニングされてよい。
【0053】
誘電体スペーサ212は、積層構造体300の側壁に形成される。誘電体スペーサ212の材料は例えば、シリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物または窒化ケイ素/シリコン酸化物である。
【0054】
浮遊ゲート誘電体層218は、基板200上で、少なくとも積層構造体300の間に、またはさらに積層構造体300の両側に形成される。浮遊ゲート誘電体層218の材料は、例えば、酸化シリコン、またはトンネル効果によってホットエレクトロンが通過することを可能にする他の層である。浮遊ゲート誘電体層218の形成方法は、例えば、熱酸化法または熱蒸着法であるが、これに限定されない。
【0055】
図6を参照すると、一致導電層254が基板200および選択ゲート204に形成され、一致導電層254は、その下の構造の形状に適合する。一致導電層の材料は、例えば、ドープポリシリコン、ポリサイド、または他の適切な導電性材料である。導電層の材料がドープポリシリコンのとき、その形成方法は、例えば、アンドープポリシリコン層が化学気相成長法により形成された後にイオン注入工程を実行する方法、または、インサイチュドーパント注入法による化学気相成長法を実行する方法を含む。
【0056】
次いで、一致導電層をエッチングするために、フォトリソグラフィおよびエッチングプロセスが実行される。その結果、上面視において互いに分離されている複数の導電性ストライプ(図示せず)を形成するために、導電層がパターニングされている。各導電性ストライプは、X方向に沿って、少なくとも第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112内に延在することができる。
【0057】
図7を参照すると、一致導電層254を覆う結合誘電体層258が基板200上に形成される。一致導電層254は、上面視においてストライプ形状であるので、結合誘電体層258は一致導電層254の上面だけでなく、一致導電層254の側壁(図示せず)も覆う。結合誘電体層258は、シリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物を含む複合誘電体層とすることができるが、これに限定されない。
【0058】
次に、制御ゲート層260が、結合誘電体層258上に配置される。制御ゲート層260が下にある構造の形状に適合し得るように、制御ゲート層260の厚さは適切に制御されることができる。制御ゲート層260はポリシリコンまたは金属などの導電性材料で形成することができるが、これに限定されない。
【0059】
次に、
図8を参照すると、異方性エッチングプロセスによって制御ゲート層260がエッチングされ、積層構造体300の側壁に制御ゲート240を形成する。制御ゲート240は、非垂直面246を有する自己整合構造であり、したがって、フォトリソグラフィプロセスを使用する必要がない。制御ゲート240の形成後、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112のそれぞれにおける制御ゲート240は、X方向において互いに側部方向に分離され得る。さらに、制御ゲート240の形成後、積層構造体300の上に配置された結合誘電体層258の一部を制御ゲート240から露出させることができる。
【0060】
図9を参照すると、制御ゲート層260をエッチングマスクとして用いることにより、結合誘電体層に異方性エッチング工程が実行され、垂直部238_1と水平部238_2とを含むL字型構造の結合誘電体層238を形成する。
エッチング方法およびエッチングのタイプまたは比率を適切に制御することによって、垂直部238_1の上面239_1は、制御ゲート240の上部先端よりも低い、平面または凹面になり得る。さらに、結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240の下から延在することができ、制御ゲート240から部分的に露出される。結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240から延在して露出する非垂直側壁239_2を含む。垂直部238_1および水平部238_2を含む結合誘電体層238を形成した後、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との境界に位置する一致導電層254の一部を露出させることができる。
【0061】
その後、
図10を参照すると、制御ゲート240および結合誘電体層238をエッチングマスクとして用いて、一致導電層254がエッチングされることで、浮遊ゲート224を形成する。浮遊ゲート224は、垂直部224_1と水平部224_2とを含むL字型構造である。制御ゲート240および結合誘電体層238をエッチングマスクとして使用することによって、浮遊ゲート224の形状を画定するために追加のフォトリソグラフィプロセスを実行する必要がない。浮遊ゲート224の水平部224_2は、制御ゲート240で覆われていない側部先端226aを含む。さらに、浮遊ゲート224の形成中に、制御ゲート240の一部を同時にエッチングすることができ、制御ゲート240の高さをわずかに低減することができる。しかしながら、エッチングプロセス中に制御ゲート240のサイズが縮小されたとしても、結合誘電体層238の組成が浮遊ゲート224の組成と異なるので、結合誘電体層238のサイズはそれほど縮小されない。浮遊ゲート224の形成後、浮遊ゲート誘電体層218もまたエッチングされ、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との間の境界において基板200を露出させることもできる。
【0062】
図11を参照すると、2つのドレイン領域244などの少なくとも1つのドレイン領域244が、選択ゲート204の側面に形成され得る。ドレイン領域244は、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112にそれぞれ配置され、後続の製造プロセスにおいて、ビアまたはコンタクトを介して電気的に接続される。さらに、ソース領域222は、制御ゲート220間の基板200に同時に形成することができる。
【0063】
ドレイン領域244およびソース領域の形成方法は、例えば、イオン注入プロセスを含む。注入されたドーパントは、装置の設計に従って決定される、n型またはp型ドーパントでよい。ソース領域222およびドレイン領域244のドーパントおよびドーピング濃度は、同じでもよく、異なってもよい。
【0064】
次いで、消去ゲート誘電体層234が、選択ゲート204、浮遊ゲート224、および制御ゲート240に一致するように形成される。
【0065】
その後、
図1~
図4に示した構造と同様の不揮発性メモリ装置を得るために、消去ゲートおよびほかの構成が形成されてよい。
【0066】
当業者は、本発明の開示を有しながら、装置および方法の、多数の修正および変更が実施されうることを容易に理解するのであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´、線B-B´、および線C-C´に対応する不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【
図4】本開示の別の実施形態に係る、
図1の線A-A´に対応する多様な不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る、
図1および
図4の不揮発性メモリ装置の製造方法の製造段階における概略的な断面図である。