(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070255
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】駐車枠決定方法及び装置、電子機器並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/70 20170101AFI20240515BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240515BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20240515BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
G06T7/70 Z
G06T7/00 650Z
G06T7/60 200J
G06T7/60 150D
B60W30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191786
(22)【出願日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】202211410015.6
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515116043
【氏名又は名称】フォルシア クラリオン エレクトロニクス(シャーメン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リン チュンフ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャオホン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チウティン
【テーマコード(参考)】
3D241
5L096
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BB02
3D241CD11
3D241CD15
3D241CD26
3D241CE05
3D241DB12Z
5L096CA05
5L096FA03
5L096FA10
5L096FA16
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】目標駐車枠と実際の駐車枠との誤差を低減する駐車枠決定方法を提供する。
【解決手段】駐車枠決定方法は、電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1画像における駐車スペースの目標遠端点の座標である第1遠端座標を決定するステップと、車両のアラウンドビューモニター(AVM)が取得した駐車スペースの2つの近端点が含まれる第2画像に基づいて生成される基準駐車枠における目標遠端点の第2遠端座標を取得するステップと、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整して第3遠端座標を取得するステップと、第3遠端座標および基準駐車枠における2つの近端点の座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップと、を含む。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子バックミラーおよびアラウンドビューモニターAVWが含まれる車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられる駐車枠決定方法であって、前記駐車枠決定方法は、
前記電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1遠端座標を決定するステップであって、前記第1遠端座標は、前記第1画像における前記駐車スペースの目標遠端点の座標であるステップと、
基準駐車枠における前記目標遠端点の第2遠端座標を取得するステップであって、前記基準駐車枠は、前記AVMによって取得された第2画像に基づいて生成され、前記第2画像には、前記駐車スペースの2つの近端点が含まれるステップと、
前記第1遠端座標に従って前記第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得するステップと、
前記第3遠端座標および前記基準駐車枠における前記2つの近端点の座標に基づいて、前記駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする駐車枠決定方法。
【請求項2】
前記第3遠端座標及び前記基準駐車枠における前記2つの近端点の座標に基づいて、前記駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップは、
前記第1画像から第1駐車線を決定するステップであって、前記第1駐車線は、前記目標遠端点を含む側方駐車線であるステップと、
前記第1駐車線に基づいて、前記基準駐車枠における前記2つの近端点の座標を補正して、前記2つの近端点の補正後座標を取得するステップであって、前記2つの近端点の補正後座標から構成される第2駐車線は、前記第1駐車線に垂直であるステップと、
前記第3遠端座標及び前記2つの近端点の補正後座標に基づいて、前記駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車枠決定方法。
【請求項3】
前記第1駐車線に基づいて、前記基準駐車枠における前記2つの近端点の座標を補正して、前記2つの近端点の補正後座標を取得するステップは、
前記第1駐車線に従って第3駐車線を補正して、前記第2駐車線を取得するステップであって、前記第3駐車線は、前記基準駐車枠における、前記2つの近端点を含む線分であるステップと、
前記第3遠端座標に基づいて、前記第2駐車線から前記2つの近端点のうちの第1近端点の補正後座標を決定するステップであって、前記第1近端点の補正後座標と前記第3遠端座標から構成される線分は、前記第2駐車線に垂直であるステップと、
前記第2駐車線における前記第1駐車線から最も遠い近端点の座標を、前記2つの近端点のうちの第2近端点の補正後座標として決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車枠決定方法。
【請求項4】
前記第1遠端座標に従って前記第2遠端座標を調整して、前記第3遠端座標を取得することは、
前記第1遠端座標の第1横軸座標値、前記第2遠端座標の第2横軸座標値、および前記第1遠端座標の縦軸座標値を取得するステップであって、前記縦軸座標値は前記駐車スペースの長さを特徴付けるために用いられるステップと、
前記第1横軸座標値および前記第2横軸座標値に重み付け処理を行い、第3横軸座標値を取得するステップであって、前記第1横軸座標値に対応する重みは、前記第2横軸座標値に対応する重みより大きいステップと、
前記第3横軸座標値および前記縦軸座標値に基づいて、前記第3遠端座標を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駐車枠決定方法。
【請求項5】
前記基準駐車枠における前記車両の駐車姿勢および前記目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢を取得するステップと、
前記基準駐車枠における前記車両の駐車姿勢および前記目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、前記車両を前記目標駐車枠に駐車させるように制御するステップと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車枠決定方法。
【請求項6】
前記基準駐車枠における前記車両の駐車姿勢および前記目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度および駐車座標を含み、前記予め設定条件は、
2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、
2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、
を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の駐車枠決定方法。
【請求項7】
複数の前記目標駐車枠を決定するステップと、
第1目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢を取得するステップであって、前記第1目標駐車枠および前記第2目標駐車枠は前記複数の前記目標駐車枠のうちの異なる目標駐車枠であるステップと、
前記第1目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢および前記第2目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、前記車両を第3目標駐車枠に駐車させるように制御するステップであって、前記第3目標駐車枠は、複数の前記目標駐車枠のうちのいずれかであるステップと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車枠決定方法。
【請求項8】
第1目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度と駐車座標を含み、前記予め設定条件は、
2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、
2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、
を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の駐車枠決定方法。
【請求項9】
電子バックミラーおよびアラウンドビューモニター(AVM)を含む車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられる駐車枠決定装置であって、前記駐車枠決定装置は、決定ユニットと、取得ユニットと、調整ユニットとを備え、
前記決定ユニットは、前記電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1遠端座標を決定するために用いられ、前記第1遠端座標は前記第1画像における前記駐車スペースの目標遠端点の座標であり、
前記取得ユニットは、基準駐車枠における前記目標遠端点の第2遠端座標を取得するために用いられ、前記基準駐車枠は、前記AVMによって取得された第2画像に基づいて生成され、前記第2画像には、前記駐車スペースの2つの近端点が含まれ、
前記調整ユニットは、前記第1遠端座標に従って前記第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得するために用いられ、
前記決定ユニットは、さらに、前記第3遠端座標および前記基準駐車枠における前記2つの近端点の座標に基づいて、前記駐車スペースの目標駐車枠を決定するために用いられる、
ことを特徴とする駐車枠決定装置。
【請求項10】
前記決定ユニットは、
前記第1画像から第1駐車線を決定するために用いられ、前記第1駐車線は、前記目標遠端点を含む側方駐車線であり、
前記第1駐車線に基づいて、前記基準駐車枠における前記2つの近端点の座標を補正して、前記2つの近端点の補正後座標を取得するために用いられ、前記2つの近端点の補正後座標から構成される第2駐車線は、前記第1駐車線に垂直であり、
前記第3遠端座標および前記2つの近端点の補正後座標に基づいて、前記駐車スペースの前記目標駐車枠を決定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の駐車枠決定装置。
【請求項11】
前記決定ユニットは、
前記第1駐車線に従って、第3駐車線を補正して、第2駐車線を取得するために用いられ、前記第3駐車線は、基準駐車枠における、前記2つの近端点を含む線分であり、
前記第3遠端座標に基づいて、前記第2駐車線から前記2つの近端点のうちの第1近端点の補正後座標を決定するために用いられ、前記第1近端点の補正後座標と前記第3遠端座標から構成される線分は、前記第2駐車線に垂直であり、
前記第2駐車線における前記第1駐車線から最も遠い近端点の座標を、前記2つの近端点のうちの第2近端点の補正後座標として決定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項10に記載の駐車枠決定装置。
【請求項12】
前記調整ユニットは、
前記第1遠端座標の第1横軸座標値、前記第2遠端座標の第2横軸座標値、および前記第1遠端座標の縦軸座標値を取得するために用いられ、前記縦軸座標値は駐車スペースの長さを特徴付けるために用いられ、
前記第1横軸座標値および前記第2横軸座標値に重み付け処理を行い、第3横軸座標値を取得するために用いられ、前記第1横軸座標値に対応する重みは、前記第2横軸座標値に対応する重みより大きく、
前記第3横軸座標値および前記縦軸座標値に基づいて、前記第3遠端座標を決定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の駐車枠決定装置。
【請求項13】
前記駐車枠決定装置は、制御ユニットをさらに含み、
前記取得ユニットは、さらに、
前記基準駐車枠における前記車両の駐車姿勢および前記目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢を取得するために用いられ、
前記制御ユニットは、
前記基準駐車枠における前記車両の駐車姿勢および前記目標駐車枠における前記車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、前記車両を目標駐車枠に駐車させるように制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載の駐車枠決定装置。
【請求項14】
プロセッサおよび通信インターフェースを含む電子機器であって、
前記通信インターフェースは前記プロセッサに結合され、
前記プロセッサは、請求項1に記載の駐車枠決定方法を実現するためのコンピュータプログラムまたは命令を実行するために用いられる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項15】
命令が記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータが当該命令を実行する場合、請求項1に記載の駐車枠決定方法をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はスマートカーの技術分野に関し、特に、駐車枠決定方法、駐車枠決定装置、電子機器及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両が車体に対して垂直な駐車スペースに自動的に駐車する場合、アラウンドビューモニター(around view monitor,AVW)を利用して駐車スペースの画像を取得し、目標駐車枠を構築し、さらに目標駐車枠内に駐車する。AVWの視野は駐車スペース全体をカバーできないため、AVWは取得した駐車スペースの部分画像および予め設定された駐車スペースの奥行きに基づいて、目標駐車枠を構築することしかできない。
【0003】
しかしながら、予め設定された駐車スペースの奥行きと実際の駐車スペースの奥行きとの相違により、目標駐車枠と実際の駐車枠との間には誤差が存在する。そのため、如何にして目標駐車枠と実際の駐車枠との誤差を低減するかということは、早急に解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられる駐車枠決定方法が提供される。車両には電子バックミラーおよびアラウンドビューモニター(AVW)が含まれる。当該方法は、電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1遠端座標を決定するステップであって、第1遠端座標は、第1画像における駐車スペースの目標遠端点の座標であるステップと、基準駐車枠における目標遠端点の第2遠端座標を取得するステップであって、基準駐車枠は、AVMによって取得された第2画像に基づいて生成され、第2画像には、駐車スペースの2つの近端点が含まれるステップと、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得するステップと、第3遠端座標および基準駐車枠における2つの近端点の座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップと、を含む。
【0005】
可能な実施形態では、前記第3遠端座標と前記基準駐車枠における前記2つの近端点の座標に基づいて、前記駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップは、第1画像から第1駐車線を決定するステップであって、第1駐車線は、目標遠端点を含む側方駐車線であるステップと、第1駐車線に基づいて、基準駐車枠における2つの近端点の座標を補正して、2つの近端点の補正後座標を取得するステップであって、2つの近端点の補正後座標から構成される第2駐車線は、第1駐車線に垂直であるステップと、第3遠端座標及び2つの近端点の補正後座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップと、を含む。
【0006】
可能な実施形態では、第1駐車線に基づいて、基準駐車枠における2つの近端点の座標を補正して、2つの近端点の補正後座標を取得することは、第1駐車線に従って第3駐車線を補正して、第2駐車線を取得するステップであって、第3駐車線は、基準駐車枠における、2つの近端点を含む線分であるステップと、第3遠端座標に基づいて、第2駐車線から2つの近端点のうちの第1近端点の補正後座標を決定するステップであって、第1近端点の補正後座標と第3遠端座標から構成される線分は、第2駐車線に垂直であるステップと、第2駐車線における第1駐車線から最も遠い近端点の座標を、2つの近端点のうちの第2近端点の補正後座標として決定するステップと、を含む。
【0007】
可能な実施形態では、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得することは、第1遠端座標の第1横軸座標値、第2遠端座標の第2横軸座標値、および第1遠端座標の縦軸座標値を取得するステップであって、縦軸座標値は駐車スペースの長さを特徴付けるために用いられるステップと、第1横軸座標値および第2横軸座標値に重み付け処理を行い、第3横軸座標値を取得するステップであって、第1横軸座標値に対応する重みは、第2横軸座標値に対応する重みより大きいステップと、第3横軸座標値および縦軸座標値に基づいて、第3遠端座標を決定するステップと、を含む。
【0008】
可能な実施形態では、方法は、基準駐車枠における車両の駐車姿勢(position and posture)および目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得するステップと、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を目標駐車枠に駐車させるように制御するステップと、をさらに含む。
【0009】
可能な実施形態では、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度および駐車座標を含み、前記予め設定条件は、2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0010】
可能な実施形態では、方法は、複数の目標駐車枠を決定するステップと、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得するステップであって、第1目標駐車枠および第2目標駐車枠は複数の目標駐車枠のうちの異なる目標駐車枠であるステップと、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を第3目標駐車枠に駐車させるように制御するステップであって、第3目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうちのいずれかであるステップと、をさらに含む。
【0011】
可能な実施形態では、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度と駐車座標を含み、予め設定条件は、2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0012】
第2態様では、電子バックミラーおよびアラウンドビューモニター(AVM)を含む車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられる駐車枠決定装置が提供される。駐車枠決定装置は、決定ユニットと、取得ユニットと、調整ユニットとを備える。決定ユニットは、電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1遠端座標を決定するために用いられ、第1遠端座標は、第1画像における駐車スペースの目標遠端点の座標である。取得ユニットは、基準駐車枠における目標遠端点の第2遠端座標を取得するために用いられ、基準駐車枠は、AVMによって取得された第2画像に基づいて生成され、第2画像には、駐車スペースの2つの近端点が含まれる。調整ユニットは、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得するために用いられる。決定ユニットは、さらに、第3遠端座標および基準駐車枠における2つの近端点の座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するために用いられる。
【0013】
可能な実装形態では、決定ユニットは、第1画像から第1駐車線を決定するために用いられ、第1駐車線に基づいて、基準駐車枠における2つの近端点の座標を補正して、2つの近端点の補正後座標を取得するために用いられ、第3遠端座標および2つの近端点の補正後座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するために用いられる。ここで、前記第1駐車線は、目標遠端点を含む側方駐車線である。前記2つの近端点の補正後座標から構成される第2駐車線は、前記第1駐車線に垂直である。
【0014】
可能な実施形態では、決定ユニットは、第1駐車線に従って、第3駐車線を補正して、第2駐車線を取得するために用いられ、第3遠端座標に基づいて、第2駐車線から2つの近端点のうちの第1近端点の補正後座標を決定するために用いられ、第2駐車線における第1駐車線から最も遠い近端点の座標を、2つの近端点のうちの第2近端点の補正後座標として決定するために用いられる。ここで、前記第3駐車線は、基準駐車枠における、前記2つの近端点を含む線分である。前記第1近端点の補正後座標と前記第3遠端座標から構成される線分は、前記第2駐車線に垂直である。
【0015】
可能な実施形態では、調整ユニットは、第1遠端座標の第1横軸座標値、第2遠端座標の第2横軸座標値、および第1遠端座標の縦軸座標値を取得するために用いられ、第1横軸座標値および第2横軸座標値に重み付け処理を行い、第3横軸座標値を取得するために用いられ、第3横軸座標値および縦軸座標値に基づいて、第3遠端座標を決定するために用いられる。ここで、前記縦軸座標値は駐車スペースの長さを特徴付けるために用いられる。前記第1横軸座標値に対応する重みは、前記第2横軸座標値に対応する重みより大きい。
【0016】
可能な実施形態では、駐車枠決定装置は、制御ユニットをさらに含む。取得ユニットは、さらに、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得するために用いられる。制御ユニットは、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を目標駐車枠に駐車させるように制御するために用いられる。
【0017】
可能な実施形態では、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度および駐車座標を含み、前記予め設定条件は、2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0018】
可能な実施形態では、決定ユニットは、さらに、複数の目標駐車枠を決定するために用いられる。取得ユニットは、さらに、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得するために用いられる。第1目標駐車枠および第2目標駐車枠は複数の目標駐車枠のうちの異なる目標駐車枠である。制御ユニットは、さらに、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を第3目標駐車枠に駐車させるように制御するために用いられる。第3目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうちのいずれかである。
【0019】
可能な実施形態では、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度と駐車座標を含み、予め設定条件は、2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0020】
第3態様では、プロセッサおよび通信インターフェースを含む電子機器が提供される。通信インターフェースはプロセッサに結合され、プロセッサは、第1態様の駐車枠決定方法を実現するためのコンピュータプログラムまたは命令を実行するために用いられる。
【0021】
第4態様では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、命令が記憶され、コンピュータが当該命令を実行する場合、第1態様の駐車枠決定方法を当該コンピュータに実行させる。
【0022】
第5態様では、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータ命令が電子機器上で実行されると、第1態様のような駐車枠決定方法を電子機器に実行させる。
【0023】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面は、明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成し、本開示と一致する実施形態を示すものであり、本開示の原理を説明するために、明細書とともに使用されるものであり、本開示の不当な限定を構成するものではない。
【0025】
【
図1】
図1は、本開示の実施例によって提供される駐車スペースの模式図である。
【0026】
【
図2】
図2は、本開示の実施例によって提供されるAVWによって取得された駐車スペース画像の模式図である。
【0027】
【
図3】
図3は、本開示の実施例によって提供される別のAVWによって取得された駐車スペース画像の模式図である。
【0028】
【
図4】
図4は、本開示の実施例によって提供される別の駐車スペースの模式図である。
【0029】
【
図5】
図5は、本開示の実施例によって提供される駐車枠の模式図である。
【0030】
【
図6】
図6は、本開示の実施例によって提供される車両の構造の模式図である。
【0031】
【
図7】
図7は、本開示の実施例によって提供される構築座標系の模式図である。
【0032】
【
図8】
図8は、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法のフローチャートである。
【0033】
【
図9】
図9は、本開示の実施例によって提供される電子バックミラーによって取得された画像の模式図である。
【0034】
【
図10】
図10は、本開示の実施例によって提供される側方駐車線の模式図である。
【0035】
【
図11】
図11は、本開示の実施例によって提供される別の駐車枠決定方法のフローチャートである。
【0036】
【
図12】
図12は、本開示の実施例によって提供される補正近端点の模式図である。
【0037】
【
図13】
図13は、本開示の実施例によって提供される駐車姿勢の模式図である。
【0038】
【
図14】
図14は、本開示の実施例によって提供される別の駐車枠決定方法のフローチャートである。
【0039】
【
図15】
図15は、本開示の実施例によって提供される別の駐車枠決定方法のフローチャートである。
【0040】
【
図16】
図16は、本開示の実施例によって提供される別の駐車枠決定方法のフローチャートである。
【0041】
【
図17】
図17は、本開示の実施例によって提供される別の駐車枠決定方法のフローチャートである。
【0042】
【
図18】
図18は、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定装置の構造模式図である。
【0043】
【
図19】
図19は、本開示の実施例によって提供される電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、当業者が本開示の技術案をよりよく理解できるようにするために、図面を参照して、本開示の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。
【0045】
なお、本開示の明細書、特許請求の範囲、および上記の図面における「第1」、「第2」という用語は、類似の対象を区別するために用いられるが、必ずしも特定の順序または優先順位を説明するために用いられるわけではないことに留意されたい。このように使用される用語は、本明細書で説明される本開示の実施例が、本明細書に図示または説明されたもの以外の順序で実施できるように、適切な場合に交換可能であることを理解されたい。以下の例示的な実施例において説明される実施形態は、本開示と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の態様と一致する装置および方法の単なる例にすぎない。
【0046】
「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、及びAとBの組合せの3つの組合せを含む。
【0047】
本明細書で使用されるように、「・・・と」という用語は、文脈に応じて、「……時」又は「……際」又は「ことが決定されたことに応答して」又は「ことが検出されたことに応答して」を意味すると任意選択的に解釈される。同様に、文脈に応じて、「……が決定された場合」又は『「記載された条件又はイベント」が検出された場合』という語句は、「……が決定される時」、又は「……が決定されたことに応答して」、又は『「記載された条件又はイベント」が検出された時』、又は『「記載された条件又はイベント」が検出されたことに応答して』を意味すると任意選択的に解釈される。
【0048】
本明細書において、「…に適用する」又は「…ために用いられる」の使用は、追加のタスク又はステップを実行するように応用又は構成される装置を排除しない開放的且つ包括的な言語を意味する。
【0049】
本開示によって提供される技術案を詳細に説明する前に、本開示に含まれる関連要素、適応情景、および実施環境について簡単に説明する。
【0050】
まず、本開示に係る関連要素について簡単に説明する。
【0051】
ワールド座標系について、ワールド座標系はシステムの絶対座標系であり、ユーザー座標系が確立される前に、画像上のすべての点の座標がワールド座標系の原点によってそれぞれの位置が決定される。あるいは、一つの基準座標系Xw-Yw-Zwをワールド座標系と呼び、(xw,yw,zw)はワールド座標系における空間点Pの座標である。(u,v)は、画像の直交座標系における点Pの座標である。
【0052】
近端点について、近端点は駐車枠(すなわち、駐車スペース)における、車両に近い方の端点である。例えば、
図1における端点Aと端点Bはいずれも近端点である。
【0053】
遠端点について、遠端点は駐車枠(すなわち、駐車スペース)における、車両から遠い方の端点である。例えば、
図1における端点Cと端点Dはいずれも遠端点である。
【0054】
また、
図1に示すように、線分ABの長さは駐車スペースの幅であり、線分ACの長さは駐車スペースの長さまたは奥行きである。
【0055】
いくつかの実施例では、駐車スペースの端点(すなわち、近端点または遠端点)と車両との間の距離は、駐車スペースの端点の駐車スペースの幅方向に沿った延長線と車両との間の垂直距離を指し、駐車スペースの端点と車両との間の直線距離ではない。車両と駐車スペースの近端点との間の距離、および駐車スペースの近端点と駐車スペースの遠端点との間の距離に基づいて、駐車走行エリアを決定することができる。
【0056】
アラウンドビューモニター(around view monitor,AVM)は、複数(通常は4つ)の超大型広角魚眼レンズによって画像を撮影し、特殊なアルゴリズムによって撮影された画像に歪み補正とつなぎ合わせを実行して、物体の周囲のパノラマ映像を形成するシステムである。
【0057】
実際の応用では、AVWは車両の近くから3メートル範囲内の視野を取得することができる。
【0058】
電子バックミラーは、カメラとディスプレイに基づく製品の組み合わせであり、ドライバーによる車両の周囲および側後方への視覚感知を強化し、運転の安全性と快適性をさらに向上させることができる。
【0059】
次に、本開示に係る応用情景を簡単に説明する。
【0060】
現在、車両が車体に垂直な駐車スペースに自動駐車する場合、AVWを利用して駐車スペースの画像を取得し、目標駐車枠を構築し、ひいては、目標駐車枠内に駐車する。例えば、
図2に示すように、AVWは駐車枠(駐車スペース)の駐車線および駐車枠の近端点を識別する。AVMの視野(例示的に、
図2のエリア1がAVMの視野である)は駐車スペース全体をカバーできないため、AVMは駐車スペースの部分画像しか取得できない。これに基づいて、車両は駐車スペースの部分画像と予め設定された固定奥行値に基づいて、目標駐車枠を構築する。例えば、
図3に示すように、AVWは駐車枠の2つの近端点および部分駐車線を認識し、2つの近端点、部分駐車線、予め設定された固定奥行値および予め設定されたモデルに基づいて、目標駐車枠を構築する。
【0061】
しかしながら、予め設定された固定奥行値と実際の駐車スペースの奥行値との差により、目標駐車枠と実際の駐車枠との間には誤差が存在する。そのため、如何にして目標駐車枠と実際の駐車枠との誤差を低減するかということは、早急に解決すべき技術課題である。
【0062】
例えば、
図4と
図5に示すように、
図4は実際の駐車枠であり、
図5は実際の駐車枠とAVWによって取得された駐車スペース画像に基づいて構築された目標駐車枠の比較図であり(
図5では、実線枠は実際の駐車枠を表し、点線枠は目標駐車枠を表す)、車両が駐車スペースの部分画像と予め設定された固定奥行値に基づいて構築された目標駐車枠は、実際の駐車枠との誤差があることが分かる。
【0063】
上記問題点に鑑み、本開示は、車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられる駐車枠決定方法を提供し、車両には電子バックミラーおよびアラウンドビューモニター(AVW)が含まれる。この方法は、電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1遠端座標を決定するステップであって、第1遠端座標は第1画像における駐車スペースの目標遠端点の座標であるステップと、基準駐車枠における目標遠端点の第2遠端座標を取得するステップであって、基準駐車枠はAVMによって取得された第2画像に基づいて生成され、第2画像には駐車スペースの2つの近端点が含まれるステップと、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得するステップと、第3遠端座標および基準駐車枠における2つの近端点の座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するステップと、を含む。このようにして、車両は、電子バックミラーを介して駐車スペースの真実の遠端点を取得し、当該真実の遠端点の座標に基づいて基準駐車枠における遠端点を補正する。最後に、車両は、遠端点の補正後座標および2つの近端点の座標に基づいて、目標駐車枠を決定する。本開示の技術案における目標駐車枠は、車両によって取得された駐車スペースの3つの端点の座標に基づいて生成され、目標駐車枠の位置の精度が向上し、目標駐車枠と実際の駐車枠との誤差が低減されることが分かる。
【0064】
最後に、本開示によって提供される方法に係る実施環境(実施アーキテクチャ)について簡単に説明する。
【0065】
図6は、本開示の実施例によって提供される車両の構造の模式図である。当該車両10は、電子バックミラー11、AVM12および電子機器13を含むことができる。電子機器13は、電子バックミラー11およびAVM12にそれぞれ接続される。
【0066】
電子バックミラー11は、車両10の側後方の画像を収集して、車両10が電子機器13を起動した後、当該画像を電子機器13に送信するために用いられる。電子バックミラー11は、電子バックミラーシステムであってもよい。
【0067】
AVM12は、車両10の周囲の画像を取得し、車両10が電子機器13を起動した後、当該画像を電子機器13に送信するために用いられる。
【0068】
電子機器13は、電子バックミラー11によって送信された画像を受信した後、画像を識別し、画像から遠端点および遠端点に対応する座標を取得するために用いられる。
【0069】
電子機器13は、さらに、AVM12によって送信された画像を受信した後、画像を識別し、画像が駐車スペースの2つの近端点を含むと決定した後、画像に基づいて2つの近端点の座標を決定し、かつ、2つの近端点の座標および予め設定された固定奥行値に基づいて、基準駐車枠を構築するために用いられる。
【0070】
電子機器13は、さらに、AVM12によって送信された画像および電子バックミラー11によって送信された画像に基づいて、目標駐車枠を決定するために用いられる。
【0071】
電子機器13は、駐車システムを含む。駐車システムは、目標駐車枠に基づいて、車両10が目標駐車枠に駐車するように制御するために用いられる。
【0072】
なお、予め設定された固定奥行値は、運用メンテ担当者によって駐車システムに予め設定され、予め設定された固定奥行値は、異なるエリアに応じて運用メンテ担当者によって設定された値であってもよい。予め設定された固定奥行値は、例えば6mであってもよいし、5.5mであってもよいが、本開示の実施例では限定されない。
【0073】
いくつかの実施例では、本開示の実施例における座標は、ワールド座標系における座標である。
図7に示すように、駐車システムを起動させるときの車両10の後軸の中心をワールド座標系の原点とし、車体に垂直な線を縦軸yとし、車体に平行な線を横軸xとすることができる。
【0074】
いくつかの実施例において、駐車システムの演算を低減するために、本開示の実施例は、車両およびサーバを含む駐車枠決定システムをさらに提供する。車両は電子バックミラーシステム、AVW、駐車システムを含む。
【0075】
駐車システムが起動した後、電子バックミラーシステムは、収集された画像を識別し、収集された画像が遠端点を含む場合、収集された画像をサーバーに報告する。
【0076】
駐車システムが起動した後、AVWは取得された画像を識別し、取得された画像が2つの近端点を含む場合、取得された画像をサーバーに報告する。
【0077】
サーバーは、電子バックミラーシステムおよびAVWによって報告された画像を受信した後、報告された画像を処理し、目標駐車枠のデータを決定する。これに基づいて、サーバーは目標駐車枠のデータを駐車システムに送信する。
【0078】
以下、理解を容易にするために、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法について、図面を参照して、詳細に説明する。
【0079】
目標駐車枠と実際の駐車枠との間の誤差を低減するために、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法は、車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられ、車両は電子バックミラーおよびAVMを含む。
図8に示すように、当該方法は、S201~S209を含む。
【0080】
S201、AVMは第2画像を取得する。
【0081】
ここで、第2画像は、駐車スペースの2つの近端点を含む。
【0082】
可能な実現形態として、AVWは、車両が駐車システムを起動する場合に、車両周囲の画像をリアルタイムで取得し、画像を識別する。AVMは、画像が2つの近端点を含むと決定した場合に、当該画像が2つの近端点を含む第2画像であると決定する。
【0083】
別の状況では、AVWは、車両が駐車システムを起動する場合に、車両の周囲の画像を取得し、この画像を電子機器に送信する。それに応じて、電子機器は、AVMによって送信された画像を受信した後、画像を識別し、画像が2つの近端点を含むと決定した場合に、当該画像が2つの近端点を含む第2画像であると決定する。
【0084】
いくつかの実施例では、第2画像は、駐車枠の部分駐車線をさらに含む。
【0085】
S202、AVWは、第2画像を電子機器に送信する。それに応じて、電子機器はAVWによって送信された第2画像を受信する。
【0086】
S203、電子機器は、第2画像および予め設定された固定奥行値に基づいて、基準駐車枠を構築する。
【0087】
可能な実現形態として、電子機器は、第2画像のうちの2つの近端点の位置および予め設定された奥行き推定アルゴリズムに基づいて、2つの近端点の座標を決定する。そして、電子機器は、2つの近端点の座標、部分駐車線、および予め設定された固定奥行値に基づいて、ワールド座標系における基準駐車枠を構築する。
【0088】
また、電子機器は、基準駐車枠における車両の基準駐車姿勢を決定することができる。ここで、基準駐車姿勢は、基準駐車座標および基準駐車角度を含む。
【0089】
電子機器は、車両が駐車システムを起動するときに、後軸の中心をワールド座標系の原点とする、ということが理解できる。そして、電子機器は、当該原点に基づいて2つの近端点の座標を決定する。
【0090】
なお、予め設定された奥行き推定アルゴリズムは、運用メンテ担当者によって電子機器に予め設定されるものである。
【0091】
S204、電子バックミラーは第1画像を取得する。
【0092】
ここで、第1画像は、目標遠端点を含む。第1画像は、駐車スペースの側方駐車線をさらに含む。
【0093】
可能な実現形態として、電子バックミラーは、車両が駐車システムを起動する場合に、車両の側後方の画像を収集して、画像を識別し、画像が目標遠端点を含むと決定した場合に、当該画像が第1画像であると決定する。
【0094】
例示的に、
図9に示すように、
図9は電子バックミラーによって取得された第1画像を示す図である。
【0095】
別の状況では、電子バックミラーは、車両の側後方の画像を収集して、車両の側後方の画像を電子機器に送信する。それに応じて、電子機器は、電子バックミラーによって送信された画像を受信した後、画像を識別し、画像が目標遠端点を含むと決定した場合に、当該画像が目標遠端点を含む第1画像であると決定する。
【0096】
車両が駐車する過程において、電子バックミラーは、AVWが遠端点を取得する前に、遠端点を取得することができる、ということが理解できる。駐車する過程において、電子バックミラーは、まず、2つの遠端点のうちの1つの遠端点を取得し、取得した遠端点を目標遠端点として決定する。例えば、車両が駐車枠の左側に位置し、駐車枠に向かって駐車する場合、電子バックミラーは、まず、駐車枠の左側遠端点を含む画像を取得し、左側遠端点を目標遠端点として決定することができる。このようにして、車両が駐車スペースに駐車しようとするときに、再度、AVWによって取得された遠端点に基づいて基準駐車枠を調整し、その後、車両の位置を調整するという問題を回避する。
【0097】
例示的に、
図10に示すように、車両が駐車枠の右側に位置し、駐車枠に向かって駐車する場合、電子バックミラーは、まず、駐車枠の右側遠端点Cおよび駐車枠の右側部分駐車線CGを取得する。
【0098】
S205、電子バックミラーは、第1画像を電子機器に送信する。それに応じて、電子機器は、電子バックミラーによって送信された第1画像を受信する。
【0099】
S206、電子機器は、第1画像および予め設定された奥行き推定アルゴリズムに基づいて、第1遠端座標を決定する。
【0100】
ここで、第1遠端座標は、第1画像のうちの目標遠端点の座標である。
【0101】
可能な実現形態として、電子機器は、第1画像および予め設定された奥行き推定アルゴリズムに基づいて、ワールド座標系における目標遠端点の座標を決定し、第1遠端座標を取得する。
【0102】
いくつかの実施例では、車両の駐車システムが起動されたときの後軸の中心の所在位置を、ワールド座標系の原点とし、リアルタイムの車輪速度データおよび車輪の回転角データによって、ワールド座標系の原点に対する車両のリアルタイムの位置を計算する。回転角データは、ステアリングホイールの回転角によって計算することができる。
【0103】
S207、電子機器は、基準駐車枠における目標遠端点の第2遠端座標および基準駐車枠における2つの近端点の座標を取得する。
【0104】
S208、電子機器は、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整し、第3遠端座標を取得する。
【0105】
可能な実現形態として、電子機器は、第1遠端座標の第1横軸座標値、第2遠端座標の第2横軸座標値、および第1遠端座標の縦軸座標値を取得する。ここで、縦軸座標値は駐車スペースの長さを特徴付けるために用いられる。これに基づいて、電子機器は、第1横軸座標値に予め設定された第1重み係数を乗算した値と、第2横軸座標値に予め設定された第2重み係数を乗算した値とを加算して、第3横軸座標値を取得する。第3横軸座標値および縦軸座標値に基づいて、第3遠端座標を決定する。
【0106】
例示的に、予め設定された第1重み係数は0.9であり、予め設定された第2重み係数は0.1であり、第1遠端座標の第1横軸座標値はx1であり、第2遠端座標の第2横軸座標値はx2であり、第1遠端座標の縦軸座標値はy1であり、第3遠端座標は(0.9*x1+0.1*x2,y1)である。
【0107】
いくつかの実施例では、予め設定された第1重み係数と予め設定された第2重み係数との和は1に等しい。予め設定された第1重み係数は、予め設定された第2重み係数より大きくてもよい。もちろん、予め設定された第1重み係数は、予め設定された第2重み係数以下であってもよく、本開示の実施例は、予め設定された第1重み係数および予め設定された第2重み係数の値を限定しなく、運用メンテ担当者は、異なる状況に応じて、予め設定された第1重み係数および予め設定された第2重み係数の大きさを調整することができる。
【0108】
S209、電子機器は、第3遠端座標および2つの近端点の座標に基づいて、目標駐車枠を決定する。
【0109】
可能な実現形態として、電子機器は、目標遠端点の座標、2つの近端点の座標、および矩形制約付きアルゴリズムに基づいて、別の遠端点の座標を決定し、その後、目標駐車枠を取得する。
【0110】
本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法では、車両は、電子バックミラーを通じて駐車スペースの真実の遠端点を取得し、当該真実の遠端点の座標に基づいて基準駐車枠の遠端点を補正し、補正後遠端点の座標および2つの近端点の座標に基づいて、目標駐車枠を決定する。本開示の技術案における目標駐車枠は、車両によって取得された駐車スペースの3つの端点の座標に基づいて生成され、目標駐車枠の位置の精度が向上し、目標駐車枠と実際の駐車枠との誤差が低減されることが分かる。
【0111】
また、本開示の実施例の技術案を採用することにより、電子バックミラーによって取得された画像に基づいて基準駐車枠を即時に調整することができ、車両が駐車スペースに駐車した後に、再度、基準駐車枠を補正して、さらに車両の位置を調整するという問題を回避する。
【0112】
ある設計では、目標駐車枠と実際の駐車枠との間の誤差を減らすために、第1画像は、駐車スペースの側方駐車線をさらに含み、側方駐車線は目標遠端点と対応する近端点との間の駐車線である。
図11に示すように、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法は、S210~S215をさらに含む。
【0113】
S210、電子機器は、第1中間点座標を取得する。
【0114】
ここで、第1中間点は、目標遠端点を除く側方駐車線上の任意の点である。
【0115】
S211、電子機器は、第1遠端座標および第1中間点座標に基づいて、第1駐車線をフィッティングして取得する。
【0116】
可能な実現形態として、電子機器は、第1遠端座標、第1中間点座標、および予め設定されたフィッティングアルゴリズムに基づいて、第1駐車線をフィッティングして取得する。
【0117】
例示的に、
図12に示すように、目標遠端点はHであり、第1中間点はIであり、第1駐車線は線分HIである。
【0118】
S212、電子機器は、2つの近端点の座標に基づいて、第3駐車線を生成する。
【0119】
可能な実現形態として、電子機器は、2つの近端点の座標に基づいて、一本の線分を生成し、第3駐車線を取得する。
【0120】
例示的に、
図12を参照すると、第1近端点はAであり、第2近端点はBであり、第3駐車線は線分ABである。
【0121】
S213、電子機器は、第3駐車線の中点を回転中心として、第3駐車線を回転させて、第2駐車線を取得する。
【0122】
ここで、第2駐車線は第1駐車線に垂直である。
【0123】
例示的に、
図12に示すように、回転中心は点Jであり、線分ABは点Jを中心に回転させて、第2駐車線として線分A1B1を取得する。
【0124】
別の状況では、電子機器は、2つの近端点の座標に基づいて、2つの近端点の間の長さを決定し、2つの近端点の長さに基づいて、第1駐車線に垂直な一本の線分をフィッティングして、第2駐車線を取得する。
【0125】
S214、電子機器は、第3遠端座標および第2駐車線に基づいて、第4駐車線を決定する。
【0126】
ここで、第4駐車線は第2駐車線に垂直である。
【0127】
可能な実現形態として、電子機器は、第3遠端座標に対応する点を始点として、第2駐車線に垂直な一本の線分を作成し、第4駐車線を取得する。
【0128】
例示的に、
図12を参照すると、第3遠端座標に対応する点はC1であり、第4駐車線はC1B2である。
【0129】
S215、電子機器は、第4駐車線と第2駐車線との交点の座標が第1補正近端座標であると決定し、第2駐車線上での第4駐車線から最も遠い点の座標が第2補正近端座標であると決定する。
【0130】
例示的に、
図12を参照すると、第4駐車線と第2駐車線との交点はB2であり、第1補正近端座標は点B2に対応する座標である。第2駐車線上での第4駐車線から最も遠い点はA1であり、第2補正近端座標は点A1に対応する座標である。
【0131】
これに基づいて、電子機器が、第3遠端座標および2つの近端点の座標に基づいて、目標駐車枠を決定することは、S216を含む。
【0132】
S216、電子機器は、第3遠端座標、第1補正近端座標、および第2補正近端座標に基づいて、目標駐車枠を決定する。
【0133】
ある設計では、駐車位置の精度を向上させるために、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法は、S217~S221をさらに含む。
【0134】
S217、電子機器は、基準駐車枠における車両の基準駐車姿勢および目標駐車枠における車両の目標駐車姿勢を取得する。
【0135】
ここで、基準駐車姿勢は、基準駐車座標および基準駐車角度を含み、目標駐車姿勢は、目標駐車座標および目標駐車角度を含む。
【0136】
可能な実現形態として、電子機器は、基準駐車枠を決定した後、経路計画アルゴリズムに基づいて基準駐車経路を生成し、車両の基準駐車姿勢を取得する。また、電子機器は、目標駐車枠を決定した後、経路計画アルゴリズムに基づいて目標駐車経路を生成し、車両の目標駐車姿勢を取得する。これに基づいて、電子機器は、基準駐車枠における車両の基準駐車姿勢および目標駐車枠における車両の目標駐車姿勢を取得する。
【0137】
例示的に、
図13に示すように、
図13の(1)では、T1が基準駐車姿勢であり、
図13の(2)では、T2が目標駐車姿勢である。
【0138】
いくつかの実施例では、駐車角度は、ワールド座標系における車両の車体と横軸または縦軸との間の挟角である。
【0139】
S218、電子機器は、基準駐車座標と目標駐車座標との間の第1距離を計算する。
【0140】
S219、電子機器は、基準駐車角度と目標駐車角度との間の第1角度差を計算する。
【0141】
S220、電子機器は、第1距離が第1距離閾値以下であるかどうか、および第1角度差が第1角度閾値以下であるかどうかを判断する。
【0142】
S221、電子機器は、第1距離が第1距離閾値以下であり、かつ第1角度差が第1角度閾値以下である場合、車両を目標駐車枠に駐車させるように制御する。
【0143】
別の状況では、電子機器は、第1距離が第1距離閾値よりも大きい場合、および/または、第1角度差が第1角度閾値よりも大きい場合、新たな目標駐車枠を生成し、新たな目標駐車枠の駐車姿勢を基準駐車枠の駐車姿勢と比較する。このようにして、新たな目標駐車枠が上記の予め設定された条件を満たすまで実施する(すなわち、第1距離が第1距離閾値以下であり、かつ、第1角度差が第1角度閾値以下である)。
【0144】
いくつかの実施例では、目標駐車枠が上記の条件を満たさない場合、電子機器は、予め設定された数の目標駐車枠がいずれも上記の予め設定された条件を満たさないと判断した後、車両を新たに生成された目標駐車枠に駐車させるように制御する。
【0145】
いくつかの実施例では、目標駐車枠が上記の条件を満たさない場合、電子機器は、予め設定された数の目標駐車枠がいずれも上記の予め設定された条件を満たさないと判断した後、車両を複数の目標駐車枠のいずれかの目標駐車枠に駐車させるように制御する。
【0146】
例示的に、予め設定された数は3であってもよく、5であってもよいが、本開示の実施例では限定されず、運用メンテ担当者が実際の状況に応じて設定することができる。
【0147】
電子機器は、基準駐車枠を決定した後、一つの目標駐車枠を生成するたびに、第1距離と第1距離閾値とを比較し、第1角度差と第1角度閾値とを比較し、第1距離および第1角度差がいずれも予め設定された条件を満たす場合(すなわち、第1距離が第1距離閾値以下であり、かつ第1角度差が第1角度閾値以下である)、電子機器は、後続の駐車中に、目標駐車枠を再生成しない、ということが理解できる。電子機器は、予め設定された条件を満たす目標駐車枠に基づいて、車両を駐車させるように制御する。
【0148】
ある設計では、駐車位置の精度を向上させるために、
図14に示すように、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法は、S222~S223をさらに含む。
【0149】
S222、電子機器は、複数の目標駐車枠を決定する。
【0150】
可能な実現形態として、電子機器は、車両が駐車する過程において、電子バックミラーおよび異なる時刻でAVWによって報告される画像に基づいて、複数の目標駐車枠を決定する。
【0151】
S223、電子機器は、第1目標駐車枠に対応する第1目標駐車姿勢および第2目標駐車枠に対応する第2目標駐車姿勢を取得する。
【0152】
ここで、第1目標駐車枠と第2目標駐車枠は、それぞれ複数の目標駐車枠のうちの異なる目標駐車枠である。
【0153】
可能な実現形態として、電子機器は、一つの目標駐車枠を取得するたびに、経路計画アルゴリズムに基づいて目標駐車経路を生成し、目標駐車枠に対応する目標駐車姿勢を取得する。これに基づいて、電子機器は、複数の目標駐車枠の中から第1目標駐車枠に対応する第1目標駐車姿勢を決定し、第1目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうちのいずれかの目標駐車枠である。そして、電子機器は、複数の目標駐車枠の中から第2目標駐車枠に対応する第2目標駐車姿勢を決定し、第2目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうち第1目標駐車枠を除くいずれかの目標駐車枠である。
【0154】
そして、電子機器は、第1目標駐車姿勢の第1目標駐車座標および第1目標駐車角度を取得し、第2目標駐車姿勢の第2目標駐車座標および第2目標駐車角度を取得する。
【0155】
別の可能な実現形態として、電子機器は、第1目標駐車枠および第2目標駐車枠を取得し、経路計画アルゴリズムに基づいて、それぞれ第1目標駐車枠に対応する第1目標駐車経路および第2目標駐車枠に対応する第2目標駐車経路を生成する。そして、電子機器は、第1目標駐車姿勢の第1目標駐車座標および第1目標駐車角度を取得し、第2目標駐車姿勢の第2目標駐車座標および第2目標駐車角度を取得する。
【0156】
電子機器は、基準駐車枠を決定した後、複数の目標駐車枠を生成し、複数の目標駐車枠のうちのいずれかの2つの目標駐車枠に対応する2つの目標駐車姿勢の駐車座標間の第2距離を第2距離閾値と比較し、および当該2つの目標駐車枠に対応する2つの目標駐車姿勢の駐車角度間の第2角度差を第2角度閾値と比較する。これに基づいて、電子機器は、第2距離が第2距離閾値以下であり、第2角度差が第2角度閾値以下である場合、後続の駐車中に、目標駐車位置を再生成しない。電子機器は、車両を複数の目標駐車枠のうちのいずれかの目標駐車枠に駐車させるように制御する。
【0157】
なお、第1距離と第2距離は同じであっても異なってもよく、第1角度差と第2角度差は同じであっても異なってもよく、第1距離閾値と第2距離閾値は同じであっても異なってもよく、第1角度閾値と第2角度閾値は同じであっても異なってもよく、本開示の実施例では限定されない。
【0158】
別の状況では、電子機器は、基準駐車枠および基準駐車経路を決定した後、複数の目標駐車枠を生成し、経路計画アルゴリズムに基づいて、第3目標駐車枠に対応する第3目標駐車経路を生成する。第3目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうちのいずれかの目標駐車枠である。電子機器は、基準駐車枠における車両の基準駐車座標および基準駐車角度を取得し、第3目標駐車枠における車両の第3目標駐車座標および第3目標駐車角度を取得する。
【0159】
これに基づいて、電子機器は、基準駐車座標と第3目標駐車座標との間の第3距離を計算し、基準駐車角度と第3目標駐車角度との間の第3角度差を計算する。そして、電子機器は、第3距離が第3距離閾値以下であるか否か、及び第3角度差が第3角度閾値以下であるか否かを判断し、第3距離が第3距離閾値以下、かつ第3角度差が第3角度閾値以下である場合、車両を第3目標駐車枠内に駐車させるように制御する。
【0160】
第3距離が第3距離閾値より大きく、および/または第3角度差が第3角度閾値より大きい場合、電子機器は、第4目標駐車枠に対応する目標駐車姿勢を基準駐車枠に対応する基準駐車姿勢と比較する。第4目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうち第3目標駐車枠を除いた一つの目標駐車枠である。
【0161】
いくつかの実施例では、電子機器は、第5目標駐車枠を生成し、第5目標駐車枠に対応する目標駐車姿勢を基準駐車枠に対応する基準駐車姿勢と比較する。
【0162】
ある設計では、目標駐車枠と実際の駐車枠との間の誤差を低減するために、
図15に示すように、本開示の実施例は、車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられる駐車枠決定方法を提供し、車両には電子バックミラーおよびアラウンドビューモニター(around monitor,AVW)が含まれ、当該方法は、S301~S304を含む。
【0163】
S301、電子機器は、電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1遠端座標を決定する。
【0164】
第1遠端座標は、第1画像における駐車スペースの目標遠端点の座標である。
【0165】
S302、電子機器は、基準駐車枠における目標遠端点の第2遠端座標を取得する。
【0166】
基準駐車枠は、AVMによって取得された第2画像に基づいて生成され、第2画像には、駐車スペースの2つの近端点が含まれる。
【0167】
S303、電子機器は、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得する。
【0168】
S304、電子機器は、第3遠端座標および基準駐車枠における2つの近端点の座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定する。
【0169】
幾つかの実施例では、
図16に示すように、S304は、S3041~S3043を含む。
【0170】
S3041、電子機器は、第1画像から第1駐車線を決定する。
【0171】
第1駐車線は、目標遠端点を含む側方駐車線である。
【0172】
S3042、電子機器は、第1駐車線に基づいて、基準駐車枠における2つの近端点の座標を補正して、2つの近端点の補正後座標を取得する。
【0173】
2つの近端点の補正後座標から構成される第2駐車線は、第1駐車線に垂直である。
【0174】
S3043、電子機器は、第3遠端座標及び2つの近端点の補正後座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定する。
【0175】
ある設計では、正確な近端点の座標を取得するために、S3042は、S401~S403を含む。
【0176】
S401、電子機器は、第1駐車線に従って第3駐車線を補正して、第2駐車線を取得する。
【0177】
第3駐車線は、基準駐車枠における、2つの近端点を含む線分である。
【0178】
S402、電子機器は、第3遠端座標に基づいて、第2駐車線から2つの近端点のうちの第1近端点の補正後座標を決定する。
【0179】
第1近端点の補正後座標と第3遠端座標から構成される線分は、第2駐車線に垂直である。
【0180】
S403、電子機器は、第2駐車線における第1駐車線から最も遠い近端点の座標を、2つの近端点のうちの第2近端点の補正後座標として決定する。
【0181】
駐車スペースの2つの近端点の間の結線は、長期間の損耗の間にボケが生じてしまうので、本開示の実施例によって提供される技術案は、ワールド座標系における2つの近端点の位置を補正することができ、よって、正確な近端点の座標を取得することができ、ひいては、目標駐車枠と実際の駐車枠との間の誤差を低減することができる、ということが理解できる。
【0182】
いつかの実施例では、
図17に示すように、S303は、S3031~S3033を含む。
【0183】
S3031、電子機器は、第1遠端座標の第1横軸座標値、第2遠端座標の第2横軸座標値、および第1遠端座標の縦軸座標値を取得する。
【0184】
ここで、縦軸座標値は駐車スペースの長さを特徴付けるために用いられる。
【0185】
S3032、電子機器は、第1横軸座標値および第2横軸座標値に重み付け処理を行い、第3横軸座標値を取得する。
【0186】
例示的に、第1横軸座標値に対応する重みは、第2横軸座標値に対応する重みより大きい。
【0187】
S3033、電子機器は、第3横軸座標値および縦軸座標値に基づいて、第3遠端座標を決定する。
【0188】
ある設計では、車両の駐車位置の精度を向上させるために、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法は、S305~S306をさらに含む。
【0189】
S305、電子機器は、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得する。
【0190】
S306、電子機器は、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を目標駐車枠に駐車させるように制御する。
【0191】
ある設計では、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度および駐車座標を含み、予め設定条件は、2つ駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つ駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0192】
車両の駐車位置の精度を向上させるために、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法は、S307~S309をさらに含む。
【0193】
S307、電子機器は、複数の目標駐車枠を決定する。
【0194】
S308、電子機器は、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得する。
【0195】
ここで、第1目標駐車枠および第2目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうちの異なる目標駐車枠である。
【0196】
S309、電子機器は、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を第3目標駐車枠に駐車させるように制御する。
【0197】
第3目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうちのいずれかである。
【0198】
あるの設計では、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度と駐車座標を含み、予め設定条件は、2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0199】
上記では、本開示の実施例によって提供される技術案を主に方法の観点から説明した。上記の機能を実現するために、電子機器は、様々な機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含む。本明細書に開示された実施例で説明された様々な例のユニットおよびステップを組み合わせて、本開示の技術案がハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせの形式で実現され得ることは、当業者であれば、容易に理解するはずである。特定の機能がハードウェアによって実行されるか、ハードウェアを駆動するコンピューターソフトウェアによって実行されるかは、技術案の特定の応用および設計制約条件に依存する。当業者は、特定の応用に異なる方法を使用して記載された機能を実現することができるが、そのような実現は本開示の範囲を超えるものとみなされるべきではない。
【0200】
上記の方法に従って、例示的に、電子機器に対して、機能モジュールの分割を実施することができる。例えば、電子機器は、各機能に対応する各機能モジュールを含んでもよいし、2つ以上の機能を1つの処理モジュールに統合してもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアの形式で実現してもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現してもよい。なお、本開示の実施例におけるモジュールの分割は例示的なものであり、論理的な機能分割に過ぎず、実際に実現する時には、別の分割方式があり得る。
【0201】
例えば、本開示の実施例は、電子バックミラーおよびアラウンドビューモニター(around monitor,AVM)を含む車両についての駐車スペースの駐車枠を決定するために用いられる駐車枠決定装置も提供する。
図18に示すように、装置50は、決定ユニット501と、取得ユニット502と、および調整ユニット503とを備える。
【0202】
決定ユニット501は、電子バックミラーによって収集された第1画像に基づいて、第1遠端座標を決定するために用いられる。第1遠端座標は第1画像における駐車スペースの目標遠端点の座標である。
【0203】
取得ユニット502は、基準駐車枠における目標遠端点の第2遠端座標を取得するために用いられる。基準駐車枠は、AVMによって取得された第2画像に基づいて生成され、第2画像には、駐車スペースの2つの近端点が含まれる。
【0204】
調整ユニット503は、第1遠端座標に従って第2遠端座標を調整して、第3遠端座標を取得するために用いられる。決定ユニット501は、さらに、第3遠端座標および基準駐車枠における2つの近端点の座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するために用いられる。
【0205】
いくつかの実施例では、決定ユニット501は、第1画像から第1駐車線を決定するために用いられ、第1駐車線に基づいて、基準駐車枠における2つの近端点の座標を補正して、2つの近端点の補正後座標を取得するために用いられ、第3遠端座標および2つの近端点の補正後座標に基づいて、駐車スペースの目標駐車枠を決定するために用いられる。ここで、前記第1駐車線は、目標遠端点を含む側方駐車線である。前記2つの近端点の補正後座標から構成される第2駐車線は、前記第1駐車線に垂直である。
【0206】
いくつかの実施例では、決定ユニット501は、第1駐車線に従って、第3駐車線を補正して、第2駐車線を取得するために用いられ、第3遠端座標に基づいて、第2駐車線から2つの近端点のうちの第1近端点の補正後座標を決定するために用いられ、第2駐車線における第1駐車線から最も遠い近端点の座標を、2つの近端点のうちの第2近端点の補正後座標として決定するために用いられる。ここで、前記第3駐車線は、基準駐車枠における、前記2つの近端点を含む線分である。前記第1近端点の補正後座標と前記第3遠端座標から構成される線分は、前記第2駐車線に垂直である。
【0207】
いくつかの実施例では、調整ユニット503は、第1遠端座標の第1横軸座標値、第2遠端座標の第2横軸座標値、および第1遠端座標の縦軸座標値を取得するために用いられ、第1横軸座標値および第2横軸座標値に重み付け処理を行い、第3横軸座標値を取得するために用いられ、第3横軸座標値および縦軸座標値に基づいて、第3遠端座標を決定するために用いられる。ここで、前記縦軸座標値は駐車スペースの長さを特徴付けるために用いられる。前記第1横軸座標値に対応する重みは、前記第2横軸座標値に対応する重みより大きい。
【0208】
いくつかの実施例では、
図18に示すように、駐車枠決定装置50は、制御ユニット504をさらに含む。
【0209】
取得ユニット502は、さらに、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得するために用いられる。
【0210】
制御ユニット504は、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を目標駐車枠に駐車させるように制御するために用いられる。
【0211】
いくつかの実施例では、基準駐車枠における車両の駐車姿勢および目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度および駐車座標を含み、予め設定条件は、2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0212】
いくつかの実施例では、決定ユニット501は、さらに、複数の目標駐車枠を決定するために用いられる。
【0213】
取得ユニット502は、さらに、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢を取得するために用いられる。第1目標駐車枠および第2目標駐車枠は複数の目標駐車枠のうちの異なる目標駐車枠である。
【0214】
制御ユニット504は、さらに、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢が予め設定された条件を満たす場合に、車両を第3目標駐車枠に駐車させるように制御するために用いられる。第3目標駐車枠は、複数の目標駐車枠のうちのいずれかである。
【0215】
いくつかの実施例では、第1目標駐車枠における車両の駐車姿勢および第2目標駐車枠における車両の駐車姿勢は、いずれも駐車角度と駐車座標を含み、予め設定条件は、2つの駐車姿勢の駐車座標の間の距離が予め設定された距離閾値以下であることと、2つの駐車姿勢の駐車角度の間の角度差が予め設定された角度閾値以下であることと、を含む。
【0216】
上記の統合されたユニットの機能がハードウェアの形式で実現される場合、本開示の実施例には、上記の実施例に係る電子機器の一つの可能な構造の模式図が提供される。
図19に示すように、当該電子機器60は、プロセッサ601、メモリ602、およびバス603を含む。プロセッサ601とメモリ602はバス603を介して接続され得る。
【0217】
プロセッサ601は、電子機器の制御中枢であり、1つのプロセッサであってもよいし、複数の処理要素の総称であってもよい。例えば、プロセッサ601は、汎用の中央処理装置(central processing unit,CPU)、または他の汎用プロセッサ等であってもよい。ここで、汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサであってもよい。
【0218】
ある実施例として、プロセッサ601は、1つ以上のCPUを含むことができ、例えば、プロセッサ601は、
図19に示すCPU0およびCPU1を含む。
【0219】
メモリ602は、読み出し専用メモリ(read-only memory,ROM)または静的な情報および命令を記憶できる他のタイプのスタティック記憶装置、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)または情報および命令を記憶できる他のタイプの動的な記憶装置であってもよく、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable pragrammable read-only memory,EEPROM)、磁気ディスク記憶媒体またはその他の磁気記憶装置、または、命令やデータ構造の形で所望のプログラムコードを携帯または記憶するために使用可能で、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体であってもよく、これらに限定されない。
【0220】
可能な実現形態として、メモリ602はプロセッサ601とは独立して存在することができ、メモリ602は、バス603を介してプロセッサ601に接続され、命令またはプログラムコードを格納するために用いられる。プロセッサ601がメモリ602に格納された命令またはプログラムコードを呼び出して実行すると、本開示の実施例によって提供される駐車枠決定方法が実現され得る。
【0221】
別の可能な実現形態では、メモリ602をプロセッサ601と統合することができる。
【0222】
バス603は、工業標準仕様(Industry Standard Architecture,ISA)バス、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect,PCI)バス、または拡張業界標準アーキテクチャー(Extended Industry Standard Architecture,EISA)バス等であってもよい。当該バスはアドレスバス、データバス、コントロールバスなどに分けることができる。表示を容易にするために、
図19では、バスは1本の太線だけで表示されているが、これはバスが1つだけまたは1種類しか存在しないことを意味するものではない。
【0223】
なお、
図19に示す構造は、当該電子機器60を限定するものではない。
図19に示される構成要素に加えて、当該電子機器60は、図示よりも多いまたは少ない構成要素を含んでもよく、または特定の構成要素を組み合わせてもよく、または異なる要素構成を有してもよい。
【0224】
いくつかの実施例では、本開示の実施例で提供される電子機器60は、通信インターフェース604をさらに含むことができる。
【0225】
通信インターフェース604は、通信ネットワークを介して他の設備と接続するために用いられる。当該通信ネットワークは、イーサネット、無線アクセスネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks,WLAN)等であってもよい。通信インターフェース604は、データを受信するための受信ユニットと、データを送信するための送信ユニットとを含むことができる。
【0226】
ある設計では、本開示の実施例によって提供される電子機器60では、通信インターフェースは、さらにプロセッサに統合され得る。
【0227】
本開示の実施例で提供される電子機器の別のハードウェア構造では、電子機器は、プロセッサおよび通信インターフェースを含むことができる。プロセッサは通信インターフェースに結合される。
【0228】
プロセッサの機能については、上記のプロセッサの説明を参照することができる。また、プロセッサは記憶機能も有し、上記のメモリの機能を参照することができる。
【0229】
通信インターフェースは、プロセッサにデータを提供するために用いられる。当該通信インターフェースは、通信装置の内部インターフェースであってもよいし、通信装置の外部インターフェースであってもよい。
【0230】
なお、上記の別のハードウェア構造は、電子機器を限定するものではない。当該電子機器は、上記の別のハードウェア構造の構成要素に加えて、より多いまたはより少ない構成要素を含んでもよく、または特定の構成要素を組み合わせてもよく、または異なる要素構成を有してもよい。
【0231】
本開示の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、命令が記憶され、コンピュータが当該命令を実行する場合、上記方法実施例における駐車枠決定方法の各ステップを当該コンピュータに実行させる。例示的に、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【0232】
本開示の実施例は、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。命令がコンピュータ上で実行されると、上記の方法実施例における駐車枠決定方法をコンピュータに実行させる。
【0233】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光学、電磁、赤外線、もしくは半導体システム、装置もしくはデバイス、またはそれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)には、1つ以上のリード線を有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)が含まれます。)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable Pragrammable Read-Only Memory,EPROM)、レジスタ、光ファイバー、コンパクトディスク(CD)による読み出し専用メモリー(Compact Disc Read-Only Memory,CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または上記の任意の適切な組み合わせ、または当技術分野で知られている任意の他の形態のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が含まれる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体から情報を読み取ることができ、当該記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。もちろん、記憶媒体はプロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)内に配置されてもよい。本開示の実施例において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラムを含むまたは記憶する任意の有形媒体であってもよい。当該プログラムは、命令によってシステム、装置またはデバイスの使用を実行することができ、またはそれらと組み合わせて使用され得る。
【0234】
本開示の実施例における電子機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、およびコンピュータプログラム製品は、上記の方法に応用することができるため、得られる技術的効果も上記の方法実施形態を参照することができ、ここで繰り返さない。
【0235】
上記は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されず、本開示の技術的範囲内で当業者が容易に想到できる変更又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。