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特開2024-70258不揮発性メモリ装置およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070258
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240515BHJP
   H10B 41/10 20230101ALI20240515BHJP
   H10B 41/35 20230101ALI20240515BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H10B41/10
H10B41/35
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192011
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】63/424,139
(32)【優先日】2022-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/469,041
(32)【優先日】2023-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523115689
【氏名又は名称】物聯記憶體科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】范徳慈
(72)【発明者】
【氏名】黄義欣
(72)【発明者】
【氏名】鄭宗文
(72)【発明者】
【氏名】鄭育明
(72)【発明者】
【氏名】蔡振明
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP03
5F083EP13
5F083EP23
5F083EP24
5F083EP26
5F083EP30
5F083EP33
5F083EP35
5F083EP53
5F083EP77
5F083ER05
5F083ER06
5F083ER14
5F083ER18
5F083GA19
5F083GA21
5F083JA02
5F083JA32
5F083PR12
5F083PR21
5F101BA06
5F101BA08
5F101BA15
5F101BA23
5F101BA37
5F101BB02
5F101BB03
5F101BB09
5F101BC11
5F101BH04
(57)【要約】
【課題】記憶されたデータをより効率的に消去する。
【解決手段】不揮発性メモリ装置(100_1)は、基板(200)と選択ゲート(204)と制御ゲート(240)と平面浮遊ゲート(224)と結合誘電体層(238)と消去ゲート誘電体層(234)と消去ゲート(236)とを含み、結合誘電体層(238)の第1厚さ(T1)と消去ゲート誘電体層(234)の第2厚さ(T2)とが、(T2)<(T1)<2(T2)、の関係を満たす。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのメモリセルを備え、
前記少なくとも1つのメモリセルが、
基板と、
前記基板上に配置された選択ゲートと、
前記基板上に配置され、前記選択ゲートから側方に離間され、非垂直面を含む制御ゲートと、
前記基板と前記制御ゲートとの間に配置され、前記制御ゲートから側方に離間した側部先端を含む平面浮遊ゲートと、
前記制御ゲートと前記平面浮遊ゲートとの間に配置され、第1厚さを有する結合誘電体層と、
前記制御ゲートの前記非垂直面および前記平面浮遊ゲートの前記側部先端を覆い、第2厚さを有する消去ゲート誘電体層と、
前記消去ゲート誘電体層および前記平面浮遊ゲートの前記側部先端を覆う消去ゲートと、を含み、
T1が前記結合誘電体層の前記第1厚さを表し、T2が前記消去ゲート誘電体層の前記第2厚さを表すとき、
前記第1厚さと前記第2厚さとは、
(T2)<(T1)<2(T2)、
の関係を満たす不揮発性メモリ装置。
【請求項2】
前記制御ゲートの前記非垂直面が、傾斜面または湾曲面を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項3】
前記平面浮遊ゲートが、
互いに対向し、第1方向に沿って配置された2つの第1側壁であって、前記第1側壁のうちの1つは、前記側部先端に接続される、2つの第1側壁と、
前記第1方向とは異なる第2方向に沿って配置された2つの第2側壁とをさらに含み、
前記制御ゲートが、前記第2方向に沿って延在し、前記平面浮遊ゲートの前記2つの第2側壁を覆う請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項4】
前記結合誘電体層は、前記第2方向に沿って延在し、前記平面浮遊ゲートの前記2つの第2側壁を覆う請求項3に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項5】
前記結合誘電体層は、
前記制御ゲートと前記選択ゲートとの間に配置された垂直部と、
前記制御ゲートと前記平面浮遊ゲートとの間に配置された水平部とを含み、
前記結合誘電体層の前記水平部は、湾曲側壁を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項6】
前記結合誘電体層の前記垂直部は、湾曲上面を含む請求項5に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項7】
前記結合誘電体層は、前記制御ゲートで覆われた湾曲側壁を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項8】
前記消去ゲート誘電体層の一部が、前記制御ゲートと前記平面浮遊ゲートとの間に配置される請求項7に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項9】
前記消去ゲートは、前記結合誘電体層の前記湾曲側壁に向かって延びる突出部を含む請求項7に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項10】
前記消去ゲートは、前記制御ゲートの前記非垂直面を覆う平坦上面を含む請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項11】
前記消去ゲートは、前記選択ゲートから側方に離間している請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのメモリセルは第1メモリセルおよび第2メモリセルを備え、
前記第1メモリセルおよび前記第2メモリセルの各々は、前記選択ゲート、前記浮遊ゲート、および前記制御ゲートを含み、
前記不揮発性メモリ装置は、前記第1メモリセルおよび前記第2メモリセルによって共有されるソース領域をさらに備え、
前記ソース領域は前記消去ゲートによって覆われる請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項13】
前記第1メモリセルおよび前記第2メモリセルは、互いに鏡像を有する請求項10に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項14】
前記消去ゲートは、前記第1メモリセルと前記第2メモリセルとの前記制御ゲートの間のギャップに充填される請求項10に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項15】
基板を提供する工程と、
前記基板上に浮遊ゲート層を形成する工程と、
前記浮遊ゲート層から側方に離間する選択ゲート層を前記基板上に形成する工程と、
前記選択ゲート層および前記浮遊ゲート層の側壁を覆い、非垂直面を含む制御ゲートを形成する工程と、
前記制御ゲートをエッチングマスクとして使用して前記浮遊ゲート層をエッチングし、それによって、前記制御ゲートから側方に離間された側部先端を含む平面浮遊ゲートを形成する工程と、
前記制御ゲートの前記非垂直面および前記平面浮遊ゲートの前記側部先端を覆う消去ゲートを形成する工程と、を包含する不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項16】
前記制御ゲートを形成する前に前記浮遊ゲート層上に結合誘電体層を形成する工程と、
前記制御ゲートを前記エッチングマスクとして用いて前記結合誘電体層をエッチングする工程とをさらに包含する請求項15に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項17】
前記結合誘電体層をエッチングした後、前記結合誘電体層をさらなるエッチングマスクとして使用して前記浮遊ゲート層をエッチングする工程をさらに包含する請求項16に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項18】
前記浮遊ゲート層をエッチングした後、前記結合誘電体層の側壁をエッチングして、前記制御ゲートで覆われた湾曲側壁を形成する工程をさらに包含する請求項17に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項19】
前記結合誘電体層の前記側壁をエッチングした後、前記平面浮遊ゲート上に消去ゲート誘電体層を形成する工程をさらに包含し、
前記消去ゲート誘電体層の一部が前記制御ゲートで覆われる請求項18に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項20】
制御ゲートを形成する前に、前記結合誘電体層が、前記選択ゲート層の上面をさらに覆う請求項16に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項21】
前記浮遊ゲートを形成する段階において、前記結合誘電体層が、
前記制御ゲートと前記選択ゲート層との間に配置された垂直部と、
前記制御ゲートと前記基板との間に配置された水平部とを含み、
前記結合誘電体層の前記水平部の一部が、前記制御ゲートの下から延在し、前記制御ゲートから露出している請求項20に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項22】
前記浮遊ゲートを形成する際に、前記結合誘電体層の前記水平部は、前記制御ゲートから露出された非垂直側壁を含む請求項21に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項23】
前記結合誘電体層を形成する段階は、前記選択ゲート層を形成する段階の前に行われる請求項16に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(背景技術)
(1.技術分野)
本発明は半導体装置に関し、特に、不揮発性メモリ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
(2.従来技術の説明)
不揮発性メモリは、例えば、データの記憶、読み出し、消去などの動作を繰り返し行うことができ、不揮発性メモリのシャットダウン後に記憶されたデータが失われることがないため、パーソナルコンピュータや電子機器に広く適用されている。
【0003】
従来の不揮発性メモリの構造は、トンネル酸化物層、浮遊ゲート、結合誘電体層、制御ゲートを順に含むスタックゲート構造を有する。このようなフラッシュメモリ装置に対してプログラムまたは消去動作を行う場合、ソース領域、ドレイン領域、制御ゲートにそれぞれ適切な電圧を印加して、浮遊ゲートに電子を注入したり、浮遊ゲートから電子を引き抜いたりする。
【0004】
不揮発性メモリのプログラムおよび消去動作において、浮遊ゲートと制御ゲートとの間のより大きなゲート結合率(GCR)は一般的に、動作のためにより低い動作電圧が必要なことを意味し、それによって、フラッシュメモリの動作速度および効率が著しく増加する。しかしながら、プログラムまたは消去動作中に、電子は、浮遊ゲートの下に配置されたトンネル酸化物層を通して浮遊ゲートに注入されるか、または、浮遊ゲートから引き出されなければならず、これは、しばしば、トンネル酸化物層の構造を損傷させ、したがって、メモリ装置の信頼性を低下させる。
【0005】
メモリ装置の信頼性を高めるために、消去ゲートが採用され、メモリ装置に組み込まれ、消去ゲートに正の電圧を印加することによって浮遊ゲートから電子を引き出すことができる。このように、浮遊ゲートの電子は、浮遊ゲートの下に配置されたトンネリング酸化物層よりも浮遊ゲート上に配置されたトンネリング酸化物層を介して引き出されるので、メモリ装置の信頼性がさらに向上する。
【0006】
記憶されたデータをより効率的に消去することができる高効率のメモリ装置に対する需要が増加するにつれて、改善されたメモリ装置およびその製造方法を提供する必要性が依然として存在する。
【0007】
(先行技術文献)
(特許文献1)米国特許出願公開第2021/0408119 A1号明細書
(特許文献2)米国特許出願公開第2014/0042383 A1号明細書
(特許文献3)米国特許出願公開第2012/0295413 A1号明細書
(特許文献4)米国特許出願公開第2013/0112935 A1号明細書
(特許文献5)ロシア特許公報第2 297 625 C1号明細書
(特許文献6)米国特許出願公開第2016/0336415 A1号明細書
(特許文献7)米国特許出願公開第2016/0365350 A1号明細書
(特許文献8)米国特許出願公開第2013/0026552 A1号明細書
(特許文献9)米国特許出願公開第2016/0358928 A1号明細書
(特許文献10)台湾特許公報第202114174 A号明細書
(特許文献11)台湾特許公報第201644037 A号明細書
(特許文献12)台湾特許公報第201633319 A号明細書
(特許文献13)台湾特許公報第201839770 A号明細書
(特許文献14)米国特許出願公開第2013/0313626 A1号明細書
(特許文献15)米国特許出願公開第2021/0384205 A1号明細書
(特許文献16)米国特許出願公開第2017/0040334 A1号明細書
(特許文献17)米国特許出願公開第2004/0041202 A1号明細書
(特許文献18)米国特許出願公開第2006/0205136 A1号明細書
(特許文献19)米国特許出願公開第2011/0281427 A1号明細書
(特許文献20)米国特許出願公開第2005/0269624 A1号明細書
(特許文献21)米国特許出願公開第2003/0162347 A1号明細書
(特許文献22)ロシア特許公報第2 216 821 C2号明細書
(発明の概要)
本発明は、不揮発性メモリ装置および不揮発性メモリ装置の製造方法を提供する。不揮発性メモリ装置は、記憶されたデータをより効率的に消去することができる。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、不揮発性メモリ装置は少なくとも1つのメモリセルを含み、メモリセルは、基板と、選択ゲートと、制御ゲートと、平面浮遊ゲートと、結合誘電体層と、消去ゲート誘電体層と、消去ゲートとを含む。選択ゲートは、基板上に配置される。制御ゲートは基板上に、選択ゲートから側方に離間して配置され、制御ゲートは非垂直面を含む。平面浮遊ゲートは基板と制御ゲートとの間に配置され、平面浮遊ゲートは制御ゲートから側方に離間した側部先端を含む。結合誘電体層は制御ゲートと平面浮遊ゲートとの間に配置され、結合誘電体層は、第1厚さを含む。消去ゲート誘電体層は制御ゲートの非垂直面および平面浮遊ゲートの側部先端を覆い、消去ゲート誘電体層は第2厚さを含む。消去ゲートは、消去ゲート誘電体層および平面浮遊ゲートの側部先端を覆う。消去動作中に平面浮遊ゲートから電子をトンネルさせるための好ましい電場を生成するために、第1厚さおよび第2厚さは、以下の関係、即ち(T2)<(T1)<2(T2)を満たすことができる。T1は結合誘電体層の第1厚さを表し、T2は消去ゲート誘電体層の第2厚さを表す。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、不揮発性メモリ装置を製造するための方法は、基板を提供することと、選択ゲート層が浮遊ゲート層から側方に離間している浮遊ゲート層を基板上に形成することと、選択ゲート層および浮遊ゲート層の側壁を覆う制御ゲートを形成することであって、制御ゲートが非垂直面を含む、制御ゲートを形成することと、制御ゲートをエッチングマスクとして使用して浮遊ゲート層をエッチングすることによって、平面浮遊ゲートを形成することであって、平面浮遊ゲートが制御ゲートから側方に離間している側部先端を含む、エッチングすることと、制御ゲートの非垂直面および平面浮遊ゲートの側部先端を覆う消去ゲートを形成することとを含む。
【0010】
本発明のこれらおよび他の目的は、様々な図および図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになることは間違いない。
【0011】
(図面の簡単な説明)
図面は、本発明のさらなる理解を与えるために添付されており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部の構成要素とする。図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
【0013】
図2は、本開示の一実施形態に係る、図1の線A-A´に沿った不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0014】
図3は、本開示の一実施形態に係る、図2の不揮発性メモリ装置の領域の概略断面図である。
【0015】
図4は、本開示の一実施形態に係る、図1の線B-B´および線C-C´に沿って切り取られた不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
【0016】
図5は、本発明の他の実施例に係る図1の線A-A´に対応する不揮発性メモリ装置の概略的な断面図である。
【0017】
図6A図6Eは、本開示の一実施形態に係る、図1図4の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略図である。
【0018】
図7A図7Cは、本開示の一実施形態に係る、図1および図5の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略断面図である。
【0019】
(詳細な説明)
以下の開示は、本開示の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または実施例を提供する。以下では、本開示を簡略化するために、構成要素および構成の具体例を説明する。これらは、もちろん、単なる例であり、限定を意図するものではない。例えば、以下の説明における第1の特徴の形成は第1および第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、第1および第2の特徴が直接接触しないように、第1および第2の特徴の間に追加の特徴が形成され得る実施形態も含むことができる。加えて、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことができる。この反復は簡単かつ明確にするためのものであり、それ自体、論じられる様々な実施形態および/または構成の間の関係を指示するものではない。
【0020】
さらに、「真下」、「下」、「下部」、「アンダー」、「上」、「オーバー」、「上方」、「さらに上」、「底」、「上部」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では説明を容易にするために、図に示されるように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示される方位に加えて、使用または動作中の装置の異なる方位を包含することが意図される。例えば、図中の装置がひっくり返される場合、他の要素または特徴の「下」および/または「アンダー」として説明される要素は、他の要素または特徴の「上方」および/または「オーバー」に向けられる。装置は、他の方位(90度回転されるか、または他の方位)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は同様に、それに応じて解釈されてもよい。
【0021】
本開示は特定の実施形態に関して説明されるが、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される本開示の原理は本明細書に説明される本開示の具体的に説明される実施形態を超えて明らかに適用され得る。さらに、本開示の説明では、本開示の発明の態様を不明瞭にしないために、いくつかの詳細が除外されている。省略された詳細は、当業者の知識の範囲内である。
【0022】
図1は、本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。図1を参照すると、不揮発性メモリ装置100_1は、第1、第2、第3、および第4メモリセル領域110、112、114、116にそれぞれ収容された4つのメモリセルのような少なくとも1つのメモリセルを含むNORフラッシュメモリ装置であり得る。第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112の構造は互いに鏡像を有し、第3メモリセル領域114および第4メモリセル領域116の構造は互いに鏡像を有する。本開示の一実施形態によれば、不揮発性メモリ装置100_1は4つ以上のメモリセルを含み、これらのメモリセルは多数の行および列を有するアレイに配列され得る。
【0023】
図1を参照すると、不揮発性メモリ装置は、基板200および分離構造102を含む。基板200は、シリコン基板またはSOI(silicon-on-insulator)基板などの半導体基板であり得るが、これに限定されない。分離構造102は、絶縁材料で作ることができ、メモリセルの活性領域103を画定するために使用される。
【0024】
メモリセルの各々は、分離構造102によって画定された活性領域103内に配置されたソース領域222およびドレイン領域244を含む。ソース領域222およびドレイン領域244は、n型またはp型などの同じ導電型のドープ領域とすることができる。ソース領域222およびドレイン領域244の導電型は、基板200の導電型とは異なるか、またはソース領域222およびドレイン領域244を収容するために使用されるドープされたウェル(図示せず)の導電型とは異なる。ソース領域222は活性領域103の一端に配置され、ドレイン領域244は活性領域103の他端に配置される。本開示のいくつかの実施形態によれば、ソース領域222は、Y方向に沿って延在し、同じ列のメモリセルによって共有される連続領域である。
【0025】
各メモリセルは、基板200上に配置され、ドレイン領域244に隣接する選択ゲート206をさらに含むことができる。選択ゲート204はY方向に沿って延在し、同じ列に位置するメモリセルによって共有され得る。選択ゲート204はポリシリコンまたは金属などの導電性材料から作製することができ、選択ゲート204は、ワード線の下に配置されたメモリセルのチャネル領域をオン/オフするように構成されたワード線として働くことができる。したがって、同じ列のメモリセルのチャネル領域を同時にオンまたはオフにすることができる。
【0026】
選択ゲート204を他の導電性構成要素から絶縁するために、誘電体スペーサ212を選択ゲート204の側壁上に配置することができる。誘電体スペーサ212は、選択ゲート204の各側壁に配置された単層、二層、または多層のスペーサであってもよいが、これに限定されない。
【0027】
各メモリセルはまた、基板200上に配置されソース領域222に隣接する平面浮遊ゲート224を含む。したがって、平面浮遊ゲート224は選択ゲート204の一方の側に配置され、ドレイン領域244は選択ゲート204の他方の側に配置される。浮遊ゲート224は、ポリシリコンまたは他の半導体などの導電性材料から作製される。浮遊ゲート224は、浮遊ゲート224に蓄積された電荷が隣接する浮遊ゲート224間で直接伝達されないように、互いに離間されている。浮遊ゲート224は互いに離間されているので、平面浮遊ゲート224の各々は独立してプログラムまたは消去され、それによって、状態「1」または状態「0」などの各メモリセルの状態を決定することができる。図2および図3などの以下の断面図に示すように、各平面浮遊ゲート224は、実質的平坦上面を有する平面浮遊ゲートである。平面浮遊ゲート224の詳細な構造については、図2および図3に対応する記載で説明する。
【0028】
各メモリセルはまた、基板200上に配置され、ソース領域222に隣接する制御ゲート240を含む。制御ゲート240はY方向に沿って延在し、同じ列にあるメモリセルによって共有され得る。したがって、浮遊ゲート224は、同じ列にある制御ゲート240で覆うことができる。さらに、平面浮遊ゲート224は、制御ゲート240から同じ行内の隣接するメモリセル領域間の境界に向かって部分的に突出することができる。制御ゲート240はポリシリコンまたは金属などの導電性材料から作製することができ、制御ゲート240は、チャネル領域から対応する平面浮遊ゲート224に注入されるホットキャリア(例えば、電子)を作製するように構成される。
【0029】
不揮発性メモリ装置100_1は、Y方向に沿って延在する消去ゲート236をさらに含む。さらに、消去ゲート236は、同じ行内の隣接するメモリセル領域間の境界におけるギャップ(同じ行内の2つの隣接する浮遊ゲート224間のギャップなど)を埋める連続層とすることができる。したがって、消去ゲート236は、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112内の少なくとも2つの浮遊ゲート224および2つの制御ゲート240を覆うことができる。不揮発性メモリ100の消去動作では、消去ゲート236がバイアスされ、これにより、平面浮遊ゲート224に蓄積された電子が主に平面浮遊ゲート224の側部先端(図示せず)を通して引き出される。平面浮遊ゲート224の側部先端の位置および配置は、以下に詳述される。
【0030】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、図1の線A-A´に沿った不揮発性メモリ装置の概略断面図である。図2を参照すると、平面浮遊ゲート224は、基板200と制御ゲート240との間に配置された平面浮遊ゲートである。平面浮遊ゲート224は、制御ゲート240から露出する突出部232を含む。平面浮遊ゲート224はまた、突出部分232の上隅に対応し、制御ゲート240から側方に離間した側部先端226aを含む。消去動作中、平面浮遊ゲート224に蓄積された電子は、主に平面浮遊ゲート224の側部先端226aを通って引き出され得る。さらに、平面浮遊ゲート224は、2つの対向する第1側壁230_1をさらに含む。第1側壁230_1は、互いに対向し、第1方向、例えばX方向に沿って配置され、第1側壁230_1のうちの1つは、平面浮遊ゲート224の側部先端226aに接続される。
【0031】
制御ゲート240は、基板200上に配置され、選択ゲート204から側方に離間される。制御ゲート240は、傾斜面または湾曲面などの非垂直面246を含む。例えば、非垂直面246は凸面である。
【0032】
消去ゲート236は、第1メモリセル領域110から第2メモリセル領域112に至る連続層である。消去ゲート236は、制御ゲート240の非垂直面246の部分と、平面浮遊ゲート224の側部先端226aとを覆う。消去ゲート236は制御ゲート240の非垂直面246を部分的に覆うので、消去ゲート236の底面のその部分は湾曲面である。
【0033】
消去ゲート236は、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との境界のギャップに充填される。結合誘電体層238の端部242の湾曲側壁239_2は凹面を有するので、消去ゲート236の対応する部分は、結合誘電体層238の端部242の湾曲側壁239_2(凹面側壁など)に向かって延びる突出部分250を含むことができる。消去ゲート236の突出部分250は平面浮遊ゲート224の側部先端226aを覆うことができ、これにより、消去ゲート236は、平面浮遊ゲート224の側部先端226aの周りを部分的に包囲する。これにより、平面浮遊ゲート224に元々蓄積されていた電子を、平面浮遊ゲート224の側部先端228aからより効果的に引き出すことができる。
【0034】
消去ゲート236はまた、制御ゲート240の非垂直面246を覆う平坦上面を含み、消去ゲート236は、選択ゲート204から横方向に離間される。消去ゲート236の高さは選択ゲート204の高さよりも最大で20%高く、またはさらに低くなるので、不揮発性メモリ装置110_1はデジタル回路内のMOSFETなどの他の半導体デバイスと容易に集積することができる。これにより、半導体装置の製造工程を大幅に調整したり変更したりすることなく、デジタル回路内の不揮発性メモリ装置110_1と他の半導体装置とを同時に製造することができる。
【0035】
不揮発性メモリ装置100_1は、制御ゲート240と平面浮遊ゲート224との間に配置された結合誘電体層238をさらに含む。結合誘電体層238は、シリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物を含む複合誘電体層であるが、これに限定されない。
【0036】
結合誘電体層238は、垂直部238_1と水平部238_2とを含むL字型の結合誘電体層である。結合誘電体層238の垂直部238_1は、制御ゲート240と平面浮遊ゲート224の垂直部224_1との間に配置される。結合誘電体層238の垂直部238_1は、曲面形状を有する上面239_1を含むが、これに限定されない。水平部238_2は、制御ゲート240と平面浮遊ゲート224の水平部224_2との間に配置され、結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240の下から延在し、制御ゲート240から露出される。結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240から露出した湾曲側壁239_2を含む。湾曲した側壁239_2は、消去ゲート誘電体層234と直接接触する凹面である。
【0037】
不揮発性メモリ装置100_1は、消去ゲート236と平面浮遊ゲート224との間、および消去ゲート236と制御ゲート240との間に配置された消去ゲート誘電体層234をさらに含む。消去ゲート誘電体層234は、平面浮遊ゲート224に最初に蓄積された電子がFowler-Nordheim(FN)トンネリング機構によってそれを通過することを可能にする誘電体層から作製することができる。いくつかの実施形態では、消去ゲート誘電体層234が第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112から延びる連続層である。さらに、選択ゲート204の上面および制御ゲート240の上部先端は、消去ゲート誘電体層234で覆うことができる。プログラミング動作中、ホットエレクトロンは浮遊ゲート誘電体層218を通過し、平面浮遊ゲート224に蓄積することができる。
【0038】
誘電体スペーサ212は選択ゲート204の側壁の1つに配置される。本開示のいくつかの実施形態では、誘電体スペーサ212が凹状上面213を含む。
【0039】
不揮発性メモリ装置100_1は、基板200と選択ゲート204との間に配置された選択ゲート誘電体層202をさらに含む。異なる要件に基づいて、選択ゲート誘電体層202の組成は、浮遊ゲート誘電体層218の組成と同じであっても異なっていてもよい。
【0040】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、図2の不揮発性メモリ装置の領域の概略断面図である。図3に示す構造は、図2に示す構造の領域R1に対応する。図3を参照すると、平面浮遊ゲート224の側部先端226aは、結合誘電体層238の薄層で覆うことができる。例えば、平面浮遊ゲート224の側部先端226aを覆う結合誘電体層238の厚さは、5オングストローム~30オングストロームのオーダーであり得るが、これに限定されない。平面浮遊ゲート224に蓄積された電荷をより効率的に消去するために、側部先端226aは、いかなる結合誘電体層238で覆われなくてもよい。したがって、側部先端226aは、消去ゲート誘電体層234と直接接触している。
【0041】
結合誘電体層238の水平部238_2は、凹状側壁などの湾曲側壁239_2を含む。湾曲側壁239_2の輪郭は、消去ゲート236の対応する部分の輪郭に影響を与えることができる。例えば、湾曲側壁239_2の湾曲が増加すると、消去ゲート236の突出部250は、結合誘電体層238の湾曲側壁239_2に向かってより突出することができる。したがって、側部先端226aだけでなく、側部先端226aに隣接する平面浮遊ゲート224の領域も、消去ゲート236の突出部250で覆われる。これにより、消去効率をより向上させることができる。
【0042】
消去ゲート誘電体層234は、制御ゲート240、結合誘電体層238の湾曲側壁239_2、および平面浮遊ゲート224の第1側壁230_1を実質的に適合的に覆う。結合誘電体層238の湾曲側壁239_2の部分は制御ゲート240で覆われているので、結合誘電体層238と直接接触している消去ゲート誘電体層234の部分は制御ゲート240と平面浮遊ゲート224との間に配置することができる。
【0043】
消去動作中に平面浮遊ゲート224から電子をトンネルさせるための好ましい電場を生成するために、消去ゲート236の突出部250の曲率および輪郭を適切に制御することができる。結合誘電体層238の厚さ(第1厚さとも呼ばれる)T1と、消去ゲート誘電体層234の厚さ(第2厚さとも呼ばれる)T2との関係は、
(T2)<(T1)<2(T2)、
の式を満たす。
【0044】
ここで、T1は、制御ゲート240で覆われた結合誘電体層238の平均厚さを表し、T2は、平面浮遊ゲート224の第1側壁230_1上にある消去ゲート誘電体層234の平均厚さを表す。
【0045】
結合誘電体層238の第1厚さT1が消去ゲート誘電体層234の第2厚さT2未満であるとき、対応する消去ゲート誘電体層234は、制御ゲート240と平面浮遊ゲート224との間の空間に充填されにくい。したがって、消去ゲート236の突出部250はより小さく突出することができ、したがって、平面浮遊ゲート224の側部先端226aは、もはや突出部250で覆われない。これにより、容易性が低下する。
【0046】
対照的に、結合誘電体層238の第1厚さT1が消去ゲート誘電体層234の第2厚さT2の2倍よりも大きいとき、対応する消去ゲート誘電体層234は、制御ゲート240と平面浮遊ゲート224との間の空間に充填される可能性がより高い。これにより、消去ゲート236の突出部250の端部が尖った端部となる。不揮発性メモリ装置100_1の動作時には、突出部250の尖端から電子が放出され、突出部250に正電荷が蓄積され、不揮発性メモリ装置100_1の電気的特性に悪影響を及ぼす。
【0047】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、図1の線B-B´および線C-C´に沿って切り取られた不揮発性メモリ装置の概略断面図である。図4の視野BB´を参照すると、制御ゲート240および消去ゲート236は分離構造102上に配置され得、制御ゲート240は消去ゲート236と分離構造102との間に配置され得る。また、図4に示す分離構造102は、平面浮遊ゲート224で覆われていない。結合誘電体層238は、分離構造102上に配置されたL字型層である。
【0048】
図4の視野CC´を参照すると、平面浮遊ゲート224は、互いに対向し、第1の方向とは異なる第2の方向、例えばY方向に沿って配置された2つの第2側壁230_2を含む。制御ゲート240は、第2の方向に沿って延在し、平面浮遊ゲート224の第2側壁230_2を覆う。さらに、第2側壁230は、結合誘電体層238で覆うこともできる。視野CC´に示す制御ゲート240は消去ゲート(図示せず)によって覆われていない。
【0049】
図5は、本発明の他の実施例による図1の線A-A´に対応する不揮発性メモリ装置の概略的な断面図である。図5を参照すると、図3に示された不揮発性メモリ装置100_2は図2に示された不揮発性メモリ装置100_1と類似しており、主な相違点は、結合誘電体層238が水平部238_2のみを有し、図2に示された垂直部が省略されていることである。これにより、結合誘電体層238の上面全体を制御ゲート240で覆うことができる。さらに、結合誘電体層238の端部242は依然として湾曲側壁239_2を含み、湾曲側壁239_2の一部は制御ゲート240から突出する。
【0050】
図6A図6Eは、本開示のいくつかの実施形態による、図1図4の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略図である。
【0051】
図6Aを参照すると、ステップ602において、基板200が提供される。次に、基板200上に、浮遊ゲート誘電体層218、浮遊ゲート層254、およびエッチングマスク256が順次積層されて配置される。その後、浮遊ゲート誘電体層218および浮遊ゲート層254は、蒸着工程およびエッチング工程によって形成することができる。エッチング工程中、エッチングマスク256のパターンは浮遊ゲート誘電体層218および浮遊ゲート層254に転写することができる。また、エッチング工程後、浮遊ゲート誘電体層218および浮遊ゲート層254は上面視でY方向(第2方向ともいう)に沿って延在することができる。
【0052】
次いで、誘電体スペーサ212が、浮遊ゲート層254、浮遊ゲート誘電体層218、およびエッチングマスク256の側壁上に形成される。選択ゲート誘電体層202は、浮遊ゲート誘電体層218の2つの側で基板200上に形成される。
【0053】
次に、ステップ604において、選択ゲート層264が、浮遊ゲート誘電体層218の両側の基板200上に形成される。選択ゲート層264は、浮遊ゲート層254から側方に離間している。以下の工程では、選択ゲート層264が、不揮発性メモリ装置の選択ゲートとして機能するように、さらにパターン化または変更され得る。選択ゲート層264を形成する方法は、以下のステップを含むことができる。例えば、導電層(図示せず)が、エッチングマスク256を覆うように基板200上に堆積される。次に、エッチングマスク256の上端が露出されるまで、導伝層の上面を平坦化するために、導電層上に平坦化工程が実行される。選択ゲート層264の形成後、エッチングマスク256を除去して、浮遊ゲート層254の上面を露出させることができる。
【0054】
次いで、フォトリソグラフィおよびエッチング工程が実行されて、浮遊ゲート層254および浮遊ゲート誘電体層218がエッチングされる。その結果、浮遊ゲート層254および浮遊ゲート誘電体層218をパターニングして、Y方向に沿って配置され、上面視で互いに分離された複数のストライプ状構造(図示せず)を形成することができる。ストライプ状構造体の各々は、X方向に沿って、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112の両方に延在することができる。
【0055】
図6Bを参照すると、ステップ606において、結合誘電体層248が、選択ゲート層264および浮遊ゲート層254を適合的に覆うように基板200上に形成される。浮遊ゲート層254は上面視でストライプ形状であるため、結合誘電体層248は、浮遊ゲート層254の上面だけでなく、浮遊ゲート層254の側壁(図示せず)も覆う。結合誘電体層248は、シリコン酸化物/窒化ケイ素/シリコン酸化物を含む複合誘電体層とすることができるが、これに限定されない。
【0056】
次に、制御ゲート層240が、結合誘電体層248上に配置される。制御ゲート層240の厚さは、制御ゲート層240が下にある構造の形状に適合するように適切に制御することができる。制御ゲート層240は、ポリシリコンまたは金属などの導電性材料で形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0057】
次いで、ステップ608において、制御ゲート層240が異方性エッチング工程によってエッチングされ、それによって、選択ゲート層264の側壁上および浮遊ゲート層254の上面上に制御ゲート240が形成される。制御ゲート240は、非垂直面246を有する自己整合構造であり、したがって、フォトリソグラフィ処理を使用する必要がない。制御ゲート240の形成後、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112のそれぞれにおける制御ゲート240は、X方向において互いに側方に分離され得る。さらに、制御ゲート240の形成後、選択ゲート層264の上に配置された結合誘電体層248の部分を制御ゲート240から露出させることができる。
【0058】
図6Cを参照すると、ステップ610において、制御ゲート層240をエッチングマスクとして用いて、結合誘電体層248に異方性エッチング工程を行い、垂直部238_1と水平部238_2とを含むL字型構造の結合誘電体層238を形成する。垂直部238_1は、制御ゲート240と選択ゲート層264との間に配置される。水平部238_2は、制御ゲート240と基板200との間に配置される。エッチングレシピおよびエッチャントのタイプまたは比率を適切に制御することによって、垂直部238_1の上面239_1は、制御ゲート240の上部先端よりも低い平坦または凹面であり得る。また、結合誘電体層238の水平部238_2は、制御ゲート240の部分から延び、制御ゲート240から露出する端部242を含む。結合誘電体層238の水平部238_2の端部242は、制御ゲート240から延在して露出する湾曲側壁239_2を含む。垂直部238_1および水平部238_2を含む結合誘電体層238を形成した後、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との境界にある浮遊ゲート層254の部分を露出させることができる。
【0059】
図6Dを参照すると、ステップ612において、制御ゲート240および結合誘電体層238をエッチングマスクとして使用して浮遊ゲート層254をエッチングし、それによって平面浮遊ゲート224を形成する。平面浮遊ゲート224は、制御ゲート240から側方および垂直方向に離間された側部先端226aを含む平面構造である。制御ゲート240および結合誘電体層238をエッチングマスクとして使用することによって、平面浮遊ゲート224の形状を画定するために追加のフォトリソグラフィ処理を実行する必要がない。さらに、平面浮遊ゲート224の形成中に、制御ゲート240の一部を同時にエッチングすることができ、制御ゲート240の高さをわずかに低減することができる。エッチング工程中に制御ゲート240のサイズが縮小されたとしても、結合誘電体層238の組成が平面浮遊ゲート224の組成と異なるので、結合誘電体層238の寸法はそれほど縮小されない。平面浮遊ゲート224の形成後、浮遊ゲート誘電体層218をエッチングして、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との間の境界において基板200を露出させることもできる。
【0060】
図6Eを参照すると、ステップ614において、選択ゲート層264をパターニングして、選択ゲート204を形成することができる。2つのドレイン領域244などの少なくとも1つのドレイン領域244が、選択ゲート204の側部に形成され得る。ドレイン領域244は、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112にそれぞれ配置され、後続の製造工程において、ビアまたはコンタクトを介して電気的に接続される。さらに、ソース領域222は、制御ゲート220間の基板200に同時に形成することができる。
【0061】
ドレイン領域244およびソース領域の形成方法は例えば、イオン注入工程を含む。注入されるドーパントは装置の設計に従って決定されるように、n型またはp型ドーパントであり得る。ソース領域222およびドレイン領域244のドーパントおよびドーピング濃度は、同じであってもよく、異なるものであってもよい。
【0062】
次いで、消去ゲート誘電体層234が、選択ゲート204、平面浮遊ゲート224、および制御ゲート240上に適合的に形成される。消去ゲート誘電体層234の一部は、制御ゲート240と平面浮遊ゲート224との間のギャップを埋めることができる。
【0063】
次いで、消去ゲート層266が、制御ゲート240を覆うように堆積され、第1メモリセル110と第2メモリセル112との間の境界におけるギャップ内に充填される。消去ゲート層266は、制御ゲート240の非垂直面246だけでなく、平面浮遊ゲート224の側部先端226aも覆う。
【0064】
その後、図2に示すように、消去ゲート層266に平坦化処理を行って消去ゲートを形成することができる。また、図1図4に示した構造と同様の不揮発性メモリ装置を得るために、適切な製造工程を実施することにより、他の構造要素を製造することができる。
【0065】
図7A図7Cは、本開示のいくつかの実施形態による、図1および図5の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略断面図である。図7A図7Cにおいて、構造は、図1の線A-A´に対応する。また、図7A図7Cに示す実施形態の製造工程は、図6A図6Eに示す実施形態の製造工程と同様であるため、簡潔にするため、実施形態間の主な相違点のみを説明する。
【0066】
図7Aを参照すると、ステップ702において、基板200上に、浮遊ゲート誘電体層218、浮遊ゲート層254、結合誘電体層258、およびエッチングマスク256が順次積層されて配置される。浮遊ゲート誘電体層218、浮遊ゲート層254、および結合誘電体層258は、堆積およびエッチング工程を使用することによって形成することができる。エッチング工程中、エッチングマスク256のパターンは、浮遊ゲート誘電体層218、浮遊ゲート層254、および結合誘電体層258に転写され得る。浮遊ゲート誘電体層218、浮遊ゲート層254、および結合誘電体層258は、上面視でY方向(第2方向とも呼ばれる)に沿って延在することができる。誘電体スペーサ212が、浮遊ゲート層254、浮遊ゲート誘電体層218、およびエッチングマスク256の側壁上に形成される。選択ゲート誘電体層202は、浮遊ゲート誘電体層218の2つの側で基板200上に配置される。
【0067】
次に、ステップ704において、選択ゲート層264が、浮遊ゲート誘電体層218の両側の基板200上に形成される。選択ゲート層264は、浮遊ゲート層254および結合誘電体層258から側方に離間している。選択ゲート層264の形成後、エッチングマスク256を除去して、結合誘電体層258の上面を露出させることができる。
【0068】
次に、ステップ704の後、フォトリソグラフィおよびエッチング工程が実行され、浮遊ゲート層254、浮遊ゲート誘電体層218、および結合誘電体層258がエッチングされる。これにより、前記エッチング工程によって、浮遊ゲート層254、浮遊ゲート誘電体層218、および結合誘電体層258をパターニングすることができ、上面視で互いに分離された複数のストライプ状構造(図示せず)を形成することができる。ストライプ状構造は、X方向に沿って延在し、少なくとも第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112内に延在することができる。
【0069】
図7Bを参照すると、ステップ706において、制御ゲート層240が結合誘電体層258上に配置される。制御ゲート層240の厚さは、制御ゲート層240が下にある構造の形状に適合するように適切に制御することができる。浮遊ゲート層254は上面視でストライプ形状であるため、制御ゲート層240は、浮遊ゲート層254の上面だけでなく、浮遊ゲート層254の側壁(図示せず)も覆う。
【0070】
次に、ステップ708において、制御ゲート層240が異方性エッチング工程によってエッチングされ、それによって、選択ゲート層264の側壁上および結合ゲート層284の上面上に制御ゲート240が形成される。制御ゲート240は、非垂直面246を有する自己整合構造であり、したがって、フォトリソグラフィ処理を使用する必要がない。制御ゲート240の形成後、第1メモリセル領域110および第2メモリセル領域112のそれぞれにおける制御ゲート240は、X方向において互いに側方に分離され得る。
【0071】
図7Cを参照すると、ステップ710において、制御ゲート層240をエッチングマスクとして使用することによって、異方性エッチング工程が結合誘電体層248上に実行され、それによって、平面構造である結合誘電体層238を形成する。結合誘電体層238は、制御ゲート240の下から延在し、制御ゲート240から露出する端部242を含む。結合誘電体層238の端部242は、制御ゲート240から延在して露出する湾曲側壁239_2を含む。垂直部238_1および水平部238_2を含む結合誘電体層238を形成した後、第1メモリセル領域110と第2メモリセル領域112との境界にある浮遊ゲート層254の部分を露出させることができる。
【0072】
その後、図6D図6Eに示した製造工程と同様の製造工程を行い、図1および図5に示した構造と同様の不揮発性メモリ装置を得ることができる。
【0073】
当業者は本発明の教示を保持しながら、装置および方法の多数の修正および変更を行うことができることを容易に理解するのであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
図2】本開示の一実施形態に係る不揮発性メモリ装置の概略上面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る、図2の不揮発性メモリ装置の領域の概略断面図である。
図4】本開示の一実施形態に係る、図1の線B-B´および線C-C´に沿って切り取られた不揮発性メモリ装置の概略断面図である。
図5】本発明の他の実施例に係る図1の線A-A´に対応する不揮発性メモリ装置の概略的な断面図である。
図6A】本開示の一実施形態に係る、図1図4の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略図である。
図6B】本開示の一実施形態に係る、図1図4の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略図である。
図6C】本開示の一実施形態に係る、図1図4の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略図である。
図6D】本開示の一実施形態に係る、図1図4の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略図である。
図6E】本開示の一実施形態に係る、図1図4の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略図である。
図7A】本開示の一実施形態に係る、図1および図5の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略断面図である。
図7B】本開示の一実施形態に係る、図1および図5の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略断面図である。
図7C】本開示の一実施形態に係る、図1および図5の不揮発性メモリ装置を製造するための方法の製造の様々な段階における概略断面図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C