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特開2024-70287通信装置、通信方法、通信システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070287
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、通信システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240516BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20240516BHJP
   H04W 72/044 20230101ALI20240516BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W72/02
H04W72/04 135
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021054084
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】松田 大輝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 光貴
(72)【発明者】
【氏名】木村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】眞田 幸俊
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線通信端末と基地局との無線通信接続の初期処理を一部省略しつつ、無線通信の精度の低下を抑える通信装置、通信方法、通信システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】通信システム1において、通信装置(通信端末11)は、決定部(無線通信制御部)と、無線通信部と、を備える。決定部は、無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信した場合に、通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定する。無線通信部は、第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、通信相手に対し、第1チャネルで無線通信を送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信した場合に、前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定する決定部と、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信する無線通信部と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記第1チャネルで無線通信を行うことを決定した場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定し、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記無線通信部は、前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号を送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1信号の送信に割り当てる周波数は複数選出され、
前記複数選出された周波数には、拡張された前記周波数範囲の拡張された部分における周波数が少なくとも一つ含まれ、
同一のタイミングで前記複数選出された周波数のそれぞれにおいて前記第1信号が送信される、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記複数選出された周波数は、前記通信相手と無線通信を行う他の通信装置が前記第1信号を送信する周波数と一致しない、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の数が、前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の数よりも多い、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の間隔が、前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の間隔よりも長い、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる全ての周波数が、前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数として選出されている、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記通信相手からの通知に基づいて、前記周波数範囲を拡張することを決定する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記通信相手からの通知に基づいて、拡張された前記周波数範囲を戻すことを決定し、
拡張された前記周波数範囲を戻すことが決定された後に送信される前記第1信号の全周波数が、拡張していない前記周波数範囲内である、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項10】
前記第1チャネルでの無線通信は、非直交多重通信にて行われる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記第1信号が参照信号またはサイクリックプレフィックスである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項12】
前記無線通信部は、前記第1チャネルで無線通信を行わないことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記無線通信接続のための第2チャネルで無線通信を送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項13】
無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信するステップと、
前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定するステップと、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信するステップと、
を備える通信方法。
【請求項14】
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定するステップと、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定するステップと、
をさらに備え、
前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号が送信される、
請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
1以上の第1通信装置と、
前記第1通信装置と無線通信を行う第2通信装置と、
を備え、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置と無線通信接続がされていない場合において前記第2通信装置からの無線通信を受信したときに、前記第2通信装置に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定する決定部と、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第2通信装置に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信する無線通信部と、
を備える、
通信システム。
【請求項16】
前記決定部は、
前記第1チャネルで無線通信を行うことを決定した場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記第2通信装置へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定し、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記無線通信部は、前記第2通信装置に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号を送信する、
請求項15に記載の通信システム。
【請求項17】
無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信するステップと、
前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定するステップと、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信するステップと、
を備える、コンピュータによって実行されるプログラム。
【請求項18】
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定するステップと、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定するステップと、
をさらに備え、
前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号が送信される、
請求項17に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、通信システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project: 3GPP)において、セルラー移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワークなどの検討が行われているが、さらなる低遅延通信を実現するための仕組みが求められている。
【0003】
例えば、IoT(Internet of Things)技術の普及に伴い、様々な場所において無線通信が行われると考えられている。例えば、監視員が立ち入ることが困難な場所に設置された機器を監視するためにセンシングデバイスなどの無線通信端末が当該機器付近に配置され、収集したデータをデータセンターなどへ無線送信するようになる。しかし、インターネットなどのネットワークと無線通信端末を通信接続するための固定基地局は、設置コストが膨大なため、全ての無線通信端末を網羅できるように整備されないと考えられている。
【0004】
そのため、固定基地局が存在しないエリアに配置された無線通信端末の収集データを移動基地局によって回収することが検討されている。例えば、低軌道衛星、車などを、移動基地局として用い、移動基地局との通信が可能となったときに無線通信端末が蓄えていたセンシングデータを移動基地局に送信することにより、収集データを回収することができる。
【0005】
このような移動基地局は、常に移動している場合もあり得る。その場合、無線通信端末がデータを移動基地局に送信できる時間は限られる。例えば、移動基地局が低軌道衛星である場合、通信可能な時間は数秒オーダーともなり得る。また、大多数の無線通信端末がほぼ同時に移動基地局にデータを送信しようとすると、接続の失敗や大きな遅延が発生し得る。これにより、データの送信が当該時間内に完了しないことも考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP,"R1-1911405, Channel Structure for Two-Step RACH","https://portal.3gpp.org/ngppapp/TdocList.aspx?meetingId=32826"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
データを送信する時間の確保、低遅延化などのためには、無線通信端末と基地局との無線通信接続の初期処理を一部省略することが検討されている。しかし、当該省略によって無線通信の精度が低下する問題が生じる。
【0008】
そこで、本開示は、無線通信端末と基地局との無線通信接続の初期処理を一部省略しつつ、無線通信の精度の低下を抑える通信装置などを提示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一側面の通信装置は、決定部と、無線通信部と、を備える。前記決定部は、無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信した場合に、前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定する。前記無線通信部は、前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信する。
【0010】
また、前記決定部は、前記第1チャネルで無線通信を行うことを決定した場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定してもよく、拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定してもよく、前記無線通信部は、前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号を送信してもよい。
【0011】
また、前記第1信号の送信に割り当てる周波数は複数選出されてもよく、前記複数選出された周波数には、拡張された前記周波数範囲の拡張された部分における周波数が少なくとも一つ含まれており、同一のタイミングで前記複数選出された周波数のそれぞれにおいて前記第1信号が送信されてもよい。
【0012】
また、前記複数選出された周波数は、前記通信相手と無線通信を行う他の通信装置が前記第1信号を送信する周波数と一致しなくてもよい。
【0013】
また、前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定してもよく、前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の数が、前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の数よりも多くてもよい。
【0014】
また、前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定してもよく、前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の間隔が、前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の間隔よりも長くてもよい。
【0015】
また、前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定してもよく、前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる全ての周波数が、前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数として選出されていてもよい。
【0016】
また、前記決定部は、前記通信相手からの通知に基づいて、前記周波数範囲を拡張することを決定してもよい。
【0017】
また、前記決定部は、前記通信相手からの通知に基づいて、拡張された前記周波数範囲を戻すことを決定してもよく、拡張された前記周波数範囲を戻すことが決定された後に送信される前記第1信号の全周波数が、拡張していない前記周波数範囲内であってもよい。
【0018】
また、前記第1チャネルでの無線通信は、非直交多重通信にて行われてもよい。
【0019】
また、前記第1信号が参照信号またはサイクリックプレフィックスであってもよい。
【0020】
また、前記無線通信部は、前記第1チャネルで無線通信を行わないことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記無線通信接続のための第2チャネルで無線通信を送信してもよい。
【0021】
本開示の他の一態様では、無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信するステップと、前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定するステップと、前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信するステップと、を備える通信方法が提供される。
【0022】
また、当該通信方法は、前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定するステップと、拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定するステップと、をさらに備え、前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号が送信されてもよい。
【0023】
本開示の他の一態様では、1以上の第1通信装置と、前記第1通信装置と無線通信を行う第2通信装置と、を備え、前記第1通信装置は、前記第1通信装置と無線通信接続がされていない場合において前記第1通信装置からの無線通信を受信したときに、前記第1通信装置に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定する決定部と、前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第1通信装置に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信する無線通信部と、を備えるといった通信システムが提供される。
【0024】
また、当該通信システムにおいて、前記決定部は、前記第1チャネルで無線通信を行うことを決定した場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記第2通信装置へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定し、拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、前記無線通信部は、前記第2通信装置に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号を送信してもよい。
【0025】
本開示の他の一態様では、無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信するステップと、前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定するステップと、前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信するステップと、を備える、コンピュータによって実行されるプログラムが提供される。
【0026】
また、当該プログラムは、前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定するステップと、拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定するステップと、をさらに備えており、前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号が送信されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図。
図2】基地局装置の配置例を示す図。
図3】従来のリソースグリッドの第1例を示す図。
図4】本実施形態のリソースグリッドの第1例を示す図。
図5】本実施形態のリソースグリッドの第2例を示す図。
図6】本実施形態のリソースグリッドの第3例を示す図。
図7】従来のリソースグリッドの第2例を示す図。
図8】本実施形態のリソースグリッドの第4例を示す図。
図9】Configuration type 1のときのパラメータの値を示す図。
図10】Configuration type 2のときのパラメータの値を示す図。
図11】Configuration type 3のときのパラメータの値を示す図。
図12】NOMA送信の第1例を示す図。
図13】NOMA送信の第2例を示す図。
図14】NOMA送信の第3例を示す図。
図15】NOMA送信の第4例を示す図。
図16】NOMA送信の第5例を示す図。
図17】通信端末と基地局装置との間での無線通信のシーケンスの一例を示す図。
図18】シミュレーション条件を示す図。
図19】シミュレーション結果を説明する第1図。
図20】シミュレーション結果を説明する第2図。
図21】シミュレーション結果を説明する第3図。
図22】シミュレーション結果を説明する第4図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(本発明の一実施形態)
図1は、本開示の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。図1の通信システム1は、通信端末(第1通信装置)11と、基地局装置(第2通信装置)12と、を備える。また、通信端末11は、記憶部111と、無線通信制御部(決定部)112と、無線通信部113と、を備える。なお、本開示において、通信端末11のその他の構成要素は、既存の通信端末と同じでよいため、省略する。また、通信システム1に複数の通信端末11が属していてもよい。
【0029】
図1の例では、通信システム1が、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)といった無線アクセス技術を使ったセルラー通信システムであることを想定している。なお、本開示で用いられる用語は、本実施形態の理解を深めるために用いられており、不当な限定を掛けるものではない。例えば、LTEには、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)、EUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)などの種類があるが、LTEと記載した場合、これらの種類もLTEに含まれる。同様に、例えば、NRAT(New Radio Access Technology)、FEUTRA(Further EUTRA)といった意味もNRに含まれる。なお、LTEにおいて基地局はeNodeB(evolved NodeB)とも称され、NRにおいてはgNodeBとも称される。また、LTEおよびNRにおいて通信端末はUE(User Equipment)とも称される。なお、NRは、eMBB(Enhanced mobile broadband)、mMTC(Massive machine type communications)、URLLC(Ultra reliable and low latency communications)といった様々なユースケースにおける利用シナリオ、要求条件、配置シナリオなどに対応するように検討が進められている技術フレームワークでもある。
【0030】
また、本開示では、通信端末11から基地局装置12への無線リンクをアップリンクと記載し、基地局装置12から通信端末11への無線リンクをダウンリンクと記載する。通信端末11から無線送信されたデータは、アップリンクを介して、基地局装置12に到達する。アップリンクを介した無線送信をアップリンク送信とも記載し、ダウンリンクを介した無線送信をダウンリンク送信とも記載する。
【0031】
通信端末11および基地局装置12の間で無線通信を開始するためには、通信端末11および基地局装置12はタイミングアドバンス値を調整して同期を取る必要がある。基地局装置12のアップリンクに対するタイミングアドバンス値の調整をアップリンク同期と記載する。一方、通信端末11のダウンリンクに対するタイミングアドバンス値の調整をダウンリンク同期と記載する。一般的には、基地局装置12は、システムインフォメーションなどといったダウンリンク同期に用いられる信号を定期的に送信しており、通信端末11は、当該信号を受信して基地局装置12を認識し、ダウンリンク同期を行う。そして、従来では、通信端末11は、ランダムアクセス手順などに従い、プリアンブルといったアップリンク同期に用いることが可能な信号をPRACH(Physical Random Access Channel)といった当該信号用の所定チャネルでアップリンク送信する。
【0032】
しかし、本実施形態の通信端末11は、プリアンブルを送信せずに、最初からデータをPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)といったデータ送信用の所定チャネルでアップリンク送信してもよい。こうすることにより、通信端末11は、基地局装置12からダウンリンク同期信号を受信直後にデータ送信を開始することができ、データ送信を開始するまでに要する時間が短縮される。
【0033】
図2は、基地局装置12の配置例を示す図である。図2の例では、基地局装置12が移動基地局2に備えられている。移動基地局2が常に移動している場合では、移動基地局2が通信端末11の通信可能な範囲に存在している間のみ、通信端末11は基地局装置12にデータを送信することができる。すなわち、通信端末11が基地局装置12にデータを送信可能な時間は限られる。また、図2に示すように、多数の通信端末11がほぼ同時に基地局装置12にデータを送信しようとすると、接続の失敗や大きな遅延が発生し得る。そのため、データ送信に時間がかかり、データ送信が完了するまでに移動基地局2が通信端末11の通信可能な範囲外に移動してしまい、データ送信が失敗することもあり得る。しかし、本開示のように、データ送信を開始するまでに要する時間を抑えれば、データ送信の完了時間が早まり、そのような事態をなるべく防ぐことができる。
【0034】
なお、図2の例では基地局装置12は移動基地局2に備えられていたが、固定基地局に備えられていてもよい。基地局装置12が移動しない場合でも、基地局装置12のアップリンク同期を待たずしてデータ送信を開始することで、データ送信の完了時間を早めるメリットは得られる。
【0035】
しかし、アップリンク同期を実施しないと、基地局装置12は、アップリンク送信されたデータを復号することはできない。そのため、本実施形態の基地局装置12は、プリアンブルなどの従来のアップリンク同期のための信号によらず、参照信号、サイクリックプレフィックスなど、PUSCHで送信された信号を利用して、アップリンク同期を行う。
【0036】
また、参照信号などを使用してアップリンク同期を行ったとしても、同期点がずれてしまい、チャネル推定の精度が低下する。この問題を解決するため、本実施形態では、PUSCHでのアップリンク送信の方法も変更する。
【0037】
なお、上記では、通信端末11および基地局装置12が無線通信を開始する場合を例にあげたが、本開示の無線通信方法は、アップリンク同期が必要となる、通信端末11および基地局装置12が無線通信接続されていない場面において用いることができる。無線通信を開始する場合以外としては、例えば、通信接続が取れていない状態を、LTEやNRでは、Radio Resource Control(RRC) Idle、RRC Inactiveなどと称するが、このような状態から、RRC Connectedなどといった通信接続が取れている状態に再度移行しようとする場合においても、本開示の無線通信方法を用いることができる。
【0038】
なお、図1の例では、通信端末11と基地局装置12との無線通信を想定したが、本開示の無線通信方法は、通信端末11同士の無線通信で実施されてもよい。図2には、第1の通信端末11Aと、第2の通信端末11Bと、が示されているが、第1の通信端末11Aから第2の通信端末11Bへのデータ無線送信にも、本開示の無線通信方法が用いられてよい。その場合、通信端末11を第1の通信端末11Aと読み替え、基地局装置12を第2の通信端末11Bと読み替え、通信端末11から基地局2へのアップリンク送信を、第1の通信端末11Aから第2の通信端末11Bへのサイドリンク送信と読み替え、基地局2から通信端末11へのダウンリンク送信を、第2の通信端末11Bから第1の通信端末11Aへのサイドリンク送信と読み替えてよい。すなわち、第1の通信端末11Aは、第2の通信端末11Bへサイドリンク同期のための信号を送信せずに、第2の通信端末11Bへデータを送信し、通信端末11Bが、データとともに受信した参照信号、サイクリックプレフィックスなどを用いてて、サイドリンク同期を行ってもよい。
【0039】
PUSCHでのアップリンク送信について説明する。図3は、従来のリソースグリッドの第1例を示す図である。NRなどにおいて採用されているOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、NOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)といった無線通信技術では、無線フレームは複数のサブフレームから構成されており、サブフレームはリソースエレメントと呼ばれる最小単位から構成されている。図3に示された各格子線で囲まれた各矩形がリソースエレメントに該当する。リソースエレメントには、周波数および時間が順に割り当てられている。図3の例では、横軸が周波数を意味し、縦軸が時間を意味する。なお、リソースグリッドの横幅全体、つまり、周波数幅(周波数帯域)は、コンポーネントキャリア、Band Width Part (BWP)などに相当し、リソースエレメントの横幅、つまり、周波数幅はサブキャリアに相当する。
【0040】
PUSCHでのアップリンク送信では、データのみならず参照信号なども送信されるが、データ、参照信号などを送信するための各周波数は、リソースエレメントに基づいて指定される。例えば、図3の黒色で塗られたリソースエレメント群は、データの送信に割り当てられたリソースエレメントである。ゆえに、通信端末11は、当該リソースエレメント群に対応する時間幅において当該リソースエレメント群に対応する周波数帯域でデータを送信する。なお、このように、隣接する複数のリソースエレメントをまとめたリソースエレメント群はリソースブロックと称される。通常、データは、リソースブロック単位で割り当てられる。一方、太枠で囲まれた範囲31内に存在し、ドット柄で表されている四つのリソースエレメント32は、参照信号の送信に割り当てられたリソースエレメントである。通常、参照信号は、干渉を避けるため、リソースブロック単位ではなく、リソースエレメント単位で、間隔を空けて割り当てられる。
【0041】
なお、後述するが、より具体的には、範囲31のように参照信号に割り当てられ得るリソースエレメントの範囲が指定されており、通信端末11が有するアンテナポートの数などに応じて、当該範囲内のいずれのリソースエレメントを用いるかが決定される。言い換えれば、指定された範囲31から1以上のリソースエレメントが選出される。ゆえに、範囲31を選出可能範囲とも記載する。
【0042】
本実施形態では、チャネル推定の精度が低下することを防ぐため、チャネル推定に用いられる信号の送信に使用され得るリソースエレメントの選出可能範囲を変更する。選出可能範囲を変更することにより、当該信号の送信に用いられる周波数を決定する自由度が向上する。例えば、当該信号の送信に用いられる周波数の上限および下限を変更することができる。また、例えば、当該信号の数、当該信号の周波数間隔なども変更することができる。
【0043】
なお、図4から図8では、例として、参照信号をチャネル推定に用いるものとし、参照信号の送信に使用され得るリソースエレメントの範囲を変更している。サイクリックプレフィックスなど別の信号を用いる場合は、当該別の信号に使用され得るリソースエレメントの選出可能範囲を同様に変更すればよい。
【0044】
図4は、本実施形態のリソースグリッドの第1例を示す図である。太枠で囲まれた範囲33は、図4の例における選出可能範囲である。範囲33のほうが、範囲31よりも周波数軸方向に範囲が拡張されている。すなわち、従来よりも、参照信号の送信に使用可能な周波数範囲が拡張されている。そして、図4の例では、範囲33から8個のリソースエレメントが等間隔で選出されている。リソースエレメントの間隔は、図3の例と同じであるが、選出可能範囲が拡張されたため、リソースエレメントが図3の例よりも多く選出できている。リソースエレメントの間隔が同じであるため干渉の程度は同じであるが、リソースエレメントの個数が多い分、参照信号を多く送信できるため、チャネル推定の精度は、図4の例のほうが図3の例よりも高くなる。
【0045】
なお、選出可能範囲を拡張するか否かを決めるための条件、言い換えれば、参照信号の送信に使用可能な周波数帯域の切り替えの条件は、予め定めておいてよい。例えば、アップリンク同期が実施されていない状態では、選出可能範囲を拡張し、アップリンク同期が実施されている状態では、選出可能範囲を拡張しないとしてもよい。また、アップリンクの帯域幅が、コンポーネントキャリア、BWP、FFTサイズなどの比較対象よりも狭い場合は、選出可能範囲を拡張するとしてもよい。また、当該条件は、International Mobile Subscriber Identity(IMSI)などの通信端末11固有の情報に基づくものであってもよい。あるいは、例えば、送信時間(symbol, slot, subframe, frame, radio frame など)、送信帯域(subcarrier, resource block, BWP, component carrier など)など無線通信に関する情報に基づくものであってもよい。
【0046】
また、基地局装置12が拡張範囲を用いるかどうかを決めてもよい。その場合、基地局装置12は、システムインフォメーション、RRC signalingなどに選出可能範囲を拡張するか否かの指示を含め、通信端末11は当該指示に従えばよい。
【0047】
なお、図4の例では、範囲33から8個のリソースエレメントが等間隔で選出されているが、常に同じリソースエレメントが選出されなくともよい。図5は、本実施形態のリソースグリッドの第2例を示す図である。図5の例では、図4の例とは異なり、6個のリソースエレメントが選出されている。また、選出されたリソースエレメントの位置も、図4の例とは異なっている。このように、選出されるリソースエレメントの数、位置などは、適宜に変えてよい。
【0048】
また、拡張されていない通常の選出可能範囲から選出されるリソースエレメントは固定とし、選出可能範囲の拡張された部分から選出されるリソースエレメントは固定しないとしてもよい。図5の例では、通常の選出可能範囲である範囲31から選出されたリソースエレメントは図3および4の例と同じである。その一方、選出可能範囲の拡張された部分から選出されたリソースエレメント、言い換えれば、範囲31外で範囲33内から選出されたリソースエレメントは、図4の例と異なっている。
【0049】
また、選出されるリソースエレメントの間隔を広くすることも、チャネル推定の精度向上に有効である。図6は、本実施形態のリソースグリッドの第3例を示す図である。図6の例では4個のリソースエレメントが選出されており、図4の例と同じ個数である。しかし、選出可能範囲を拡張した範囲33からリソースエレメントを選出したことにより、選出されたリソースエレメントの間隔は、図4の例よりも広い。このようにすると、送信に使用される周波数の間隔が長くなることから、瞬間的なチャネル品質の低下の影響を避けることができる。
【0050】
なお、選出可能範囲を拡張すると、別の通信端末に割り当てられたリソースエレメントを選出することもあり得る。そのため、選出可能範囲の拡張した部分に存在するリソースエレメントは、選出可能範囲の拡張していない部分に存在するリソースエレメントよりも選ばれにくくしたほうが好ましい。ゆえに、例えば、選出可能範囲の拡張した部分から選出されるリソースエレメントの数を、選出可能範囲の拡張していない部分から選出されるリソースエレメントよりも少なくするといった条件を定めてもよい。もしくは、選出可能範囲の拡張した部分で別の通信端末に割り当てられているアンテナポートと異なるアンテナポートを、選出可能範囲の拡張した部分で使用してもよい。
【0051】
また、別の通信端末に割り当てられたリソースエレメントを選出不可としてもよい。図7は、従来のリソースグリッドの第2例を示す図である。右斜線を有するリソースエレメントは、別の通信端末のデータ送信に割り当てられたリソースエレメントである。左斜線を有するリソースエレメント34は、別の通信端末の参照信号の送信に割り当てられたリソースエレメントである。図7のような例において、通信端末11が選出可能範囲を拡張し、同じ間隔でリソースエレメントを選出すると、リソースエレメント34を選出してしまい、参照信号の衝突、つまり、干渉が発生してしまう。そのため、別の通信端末に割り当てられたリソースエレメントが選出されないようにするのが好ましい。なお、別の通信端末に割り当てられたリソースエレメントだけでなく、その周辺のリソースエレメントも選出しないとしてもよい。
【0052】
図8は、本実施形態のリソースグリッドの第4例を示す図である。図8の例では、図4の例と同様に一定間隔おきにリソースエレメントを選出するようにしているが、そのままでは別の通信端末に割り当てられたリソースエレメント34を選出してしまうため、選出するリソースエレメントをずらしている。
【0053】
なお、選出しないリソースエレメントが存在する場合は、結果的に、拡張された選出可能範囲が複数に分割されているのと同じである。すなわち、拡張された選出可能範囲が、非連続の複数の範囲から構成されていてもよい。また、これまでの図の例では、選出可能範囲が周波数方向の増大方向にも減少方向にも拡張されていたが、いずれか一方向に拡張されていてもよい。選出可能範囲の拡張された部分に存在するリソースエレメントの少なくとも一つが選出されることにより、選出可能範囲を拡張しないときに使用可能な周波数範囲よりも外にある周波数を少なくとも一つ用いて参照信号を送信することができるようにすればよい。
【0054】
拡張された選出可能範囲からのリソースエレメントの選出方法は、適宜に定めてよいが、通信方式によっては、予め定めれられていることもある。例えば、NRで使用される参照信号の一つであるDM-RS(Demodulation Reference Signal)は、以下の式に基づいてリソースエレメントの位置が算出され、当該位置のリソースエレメントが選出される。
【数1】

【0055】
これに対し、本実施形態のように選出可能範囲を拡張するときは、上式を次のようにすればよい。
【数2】

【0056】
なお、リソースグリッド、選出可能範囲、選出可能範囲の変更の判定条件、選出可能範囲の拡張後の範囲、リソースエレメントの選出方法など、上記の処理を実施するための情報は、予め通信端末11の記憶部111に記憶されておいてもよいし、基地局装置12がダウンリンク同期に用いられる信号と同様に定期的に送信することによって通信端末11が取得できるようにしてもよい。例えば、参照信号のConfigurationタイプ、アンテナポートIndex、参照信号送信リソース情報などといった参照信号のConfigurationに関する情報がダウンリンク送信されてもよい。また、例えば、送信リソースに関する情報や、変調方式、コードレート、レイヤ数、送信重みなどの情報がダウンリンク送信されてもよい。
【0057】
また、前述の通り、基地局装置12が、通信端末11に選出可能範囲の拡張を指示する通知を行ってもよい。例えば、無線接続状態にない通信端末11がPUSCHで選出可能範囲の拡張をせずにデータを送信した場合に、基地局装置12が選出可能範囲を拡張するように通知してもよい。
【0058】
このようにして、選出された複数のリソースエレメントに対応する同一時間において当該複数のリソースエレメントそれぞれに対応する周波数で参照信号が送信される。言い換えれば、同一のタイミングで複数選出された周波数のそれぞれにおいて参照信号が基地局装置12に送信される。
【0059】
基地局装置12によるチャネル推定方法は、例えば、参照信号の自己相関から行うことができる。また、参照信号に離散フーリエ変換(IDFT)を適用して時間領域に変換後に周波数領域に再変換をする方式を適用してもよい。
【0060】
受信タイミングの推定方法は、例えば、通信端末11からの参照信号と、基地局装置12が受信した受信信号と、の相関に基づき、インパルス応答から、直接、受信タイミングを推定してもよい。インパルス応答は、例えば、参照信号との相関出力の最大ピークから所定数ほど前のサンプルまでを探索範囲とし、当該探索範囲内において、ピークが最大ピークの所定割合以上であったサンプルのパスとしてもよい。このような探索範囲とすると、最大ピークが先頭のパスに相当しない場合でも、タイミング判定が遅れることを防ぐことができる。複数の通信端末11が存在する場合は、基地局装置12は、推定した各通信端末11に対して上記のようにインパルス応答を推定し、ユーザのインパルス応答の先頭を、それぞれの受信タイミングとしてよい。
【0061】
なお、前述の所定数および所定割合の値は、無線通信の仕様などに基づいて事前に定められていてもよい。なお、通信端末11間のサイドリンク送信を行う場合は、基地局装置12が、これらの値を通信端末11に送信してもよい。
【0062】
なお、通信端末11がアップリンク送信を開始した後に、基地局装置12から使用するリソースが指定されても、データ送信を開始するまでに要する時間は短縮されているので問題ない。例えば、基地局装置12からRRC signalingなどで使用するリソースが通知されてもよい。
【0063】
なお、本実施形態の無線通信に用いることが可能である非直交多元接続(Non-Orthogonal Multiple Access :NOMA)について説明する。
【0064】
OFMDAのような直交多元接続(Orthogonal Multiple Access:OMA)送信では、周波数および時間といった直交する二つのパラメータに基づいて無線通信が行われる。無線通信のサブキャリアの間隔によって無線フレームの構成が定まり、無線通信において使用可能とされたリソースエレメントに割り当てられたリソース(パラメータの範囲)よりも多くのリソースを使用することはできない。一方、NOMA送信においては、直交する周波数軸および時間軸に加えて、非直交軸、例えば、Interleave pattern軸、Spreading Pattern 軸、Scrambling Pattern軸、Codebook軸、Power軸といったパラメータの軸を追加して、フレーム構成が決定される。
【0065】
図12は、NOMA送信の第1例を示す図である。図12の例では、送信信号セット#0および#1という、二つの送信信号セットが多重化されている。なお、三つ以上の送信信号セットが多重化されてもよい。また、それぞれの送信信号セットは、その送信先が同じでも異なっていってもよい。
【0066】
二つの送信信号セットには、それぞれ対応するMultiple Access (MA) signatureが適用される。MA signatureは、非直交軸のリソースであり、例えば、Interleave pattern、Spreading Pattern、Scrambling Pattern、Codebook、Power Allocation、Repetitionなどでもよい。なお、MA signatureは、単にPatternやIndexとも称され、NOMA送信で使用されるPatternやIndexといった識別子を意味してもよいし、Patternそのものを意味してもよい。
【0067】
MA signatureが適用された二つの送信信号セットは、直交軸の同一リソースで多重化される。ここでは、直交軸のリソースは、周波数(周波数リソース)と、時間(時間リソース)とする。直交軸の同一リソースで多重化されたが非直交軸のリソースは異なるため、二つの送信信号セットが重なっているように示されている。多重化された送信信号セットは、同一のアンテナポートを介して、無線送信される。
【0068】
図13は、NOMA送信の第2例を示す図である。図12の例では、送信信号セット#0および#1は同一のパラメータセットであるが、図13の例では、送信信号セット#0および#1が異なるパラメータセットである。その点以外は、図12の例と同様である。このように異なるパラメータセットの送信信号セットをNOMA送信してもよい。
【0069】
一方、多重化を行わずにMA signatureを適用した信号を無線送信し、伝搬チャネル上で非直交多重化が行われるようにする方法も考えられる。図14および図15は、それぞれNOMA送信の第3例および第4例を示す図である。また、図14の例は、送信信号セット#0および#1が同一のパラメータセットであり、図15の例は、送信信号セット#0および#1が異なるパラメータセットである。図14および図15の例でも、これまでの例と同様、それぞれの送信信号セットには対応するMA signatureが適用される。しかし、MA signatureが適用された信号は、多重化されずに同一の周波数リソースおよび時間リソースで送信されて、伝搬チャネル上で多重化される。なお、図14および図15の例では、多重化が伝搬チャネル上で行われるため、送信信号セット#0および#1は別々の通信端末から送信されてもよい。
【0070】
図16はNOMA送信の第5例を示す図である。図16では、NOMA送信されたデータの復号が示されている。前述の通り、NOMA送信では、複数の送信信号が同一の周波数リソースおよび時間リソース上で多重化された状態で送信されてくる。そのため、多重化される前に適用されたMA signatureを用いてチャネル等化および干渉信号キャンセラが実施されることにより、多重化された送信信号セットが復号される。そのため、適用されるMA signatureを送信側および受信側の両方で共有する必要がある。
【0071】
なお、同一のMA signatureが用いられて多重化が行われてしまった場合は、多重化された信号間の干渉の影響が大きくなるために復号が困難となる。そのため、NOMA送信では、多重化される送信信号セットごとに異なるMA signatureが適用される必要がある。
【0072】
NOMA送信に用いられるMA signatureは、本実施形態の無線通信に用いるリソースの一つとして含めてよい。リソースエレメントにMA signatureの値が割り当てられていてもよい。また、周波数、時間、およびMA signatureの三つを含むリソースはMultiple Access (MA)リソースと称されてもよい。また、周波数と時間のみを含むリソースはMultiple Access (MA) Physicalリソースと称されてもよい。本実施形態の構成を上記のようにして非直交多重通信が用いられてもよい。
【0073】
次に、通信端末11の構成要素の処理およびその流れを説明する。図17は、通信端末11と基地局装置12との間での無線通信のシーケンスの一例を示す図である。図17の例では、初期接続における処理が示されている。なお、各処理が本シーケンスの通りに必ず行われるわけではない。また、基地局装置12は、本シーケンスで示す処理を、同時に別の通信端末と実施してもよい。
【0074】
基地局装置12は、通信端末11にシステムインフォメーションなどの無線通信を送信し(S101)、通信端末11の無線通信部113が受信する。システムインフォメーションには、通信端末11のデータ送信に関する指示が含まれていてもよい。例えば、リソースエレメントの選出可能範囲の変更を指示する情報が含まれていてもよい。例えば、使用可能または不可能なアンテナポートに関する情報が含まれていてもよい。また、送信リソースに関する情報、変調方式、コードレート、レイヤ数、送信重みなどといった、選出可能範囲の変更に関係ない情報が含まれていてもよい。
【0075】
通信端末11の無線通信制御部112は、PRACHではなくPUSCHで無線通信を行うことを検討し、PUSCHで送信すると決定した場合は、所定条件に基づき、データ送信に用いられるリソースエレメントの選出可能範囲の変更を検討する(S102)。なお、基地局装置12のような特定の通信相手と無線通信を開始するときは、PUSCHで無線通信を行うと決めておいてもよい。図17の例では、選出可能範囲を通常範囲から変更するものとする。無線通信制御部112は、変更された選出可能範囲内からリソースエレメントを選出することにより、使用する無線リソースを決定する(S103)。
【0076】
前述の通り、通常の選出可能範囲、拡張後の選出可能範囲、選出可能範囲の変更方法、変更する条件、リソースエレメントの選出方法などは、事前に記憶部111に記憶させておき、無線通信制御部112は、S102の処理において記憶部111からこれらの情報を取得してもよい。あるいは、無線通信部113が基地局からのシステムインフォメーションからこれらの情報を取得してもよい。
【0077】
通信端末11の無線通信部113は、無線通信制御部112によって決定されたリソースにおいて無線送信を行う(S104)。当該無線送信は、PUSCHにおいて行われ、さらに、図17の例では、選出可能範囲が変更されているため、参照信号の周波数は、通常では使用されない周波数でも送信されている。また、図17に示すように、データ送信の前に、プリアンブルなどのアップリンク同期のための信号は送信されていない。これにより、初期接続処理が従来よりも簡潔化されている。
【0078】
なお、無線通信制御部112は、PRACHで無線接続を行うと決定してもよい。その場合、無線通信部113は、従来同様、PRACHでプリアンブルなどの信号を送信すればよい。
【0079】
基地局装置12は、チャネル推定および受信タイミング推定を行う(S105)。通常の周波数範囲外の周波数によって参照信号が送信されているので、これらの推定の精度の低下が抑えられる。
【0080】
チャネル推定および受信タイミング推定を行った後、基地局装置12は、再度、システムインフォメーションを通信端末11に送信してもよい。システムインフォメーションの再送信は、定期的でも非定期的でもよい。図17の例では、選出可能範囲を戻すために、システムインフォメーションを再送信している(S106)。
【0081】
無線通信制御部112は、システムインフォメーションを再受信すると、選出可能範囲の変更判定を再度実施する。図17の例では、システムインフォメーションに選出可能範囲を戻す指示が含まれているため、無線通信制御部112が選出可能範囲を元の拡張されていない範囲に戻している(S107)。そして、無線通信制御部112は、使用するリソースを拡張されていない選出可能範囲から決定し(S108)、無線通信部113が決定されたリソースで無線送信を開始する(S109)。このようにして、通常の周波数範囲での無線送信が行われてもよい。
【0082】
本実施形態の処理の評価を記載する。本実施形態の処理を評価するために、参照信号の選出可能範囲を拡張しない場合と、拡張した場合と、でシミュレーションを行った。拡張しない場合は、図3に示したようにリソースエレメントを選出した。拡張する場合は、図6に示したようにリソースエレメントを選出した。図3は参照信号の間隔が6サブキャリア間隔である一方で、図6では参照信号の間隔が12サブキャリア間隔としているため、参照信号の選出可能範囲を拡張した場合の参照信号のサブキャリア数が、参照信号の選出可能範囲を拡張しない場合の参照信号のサブキャリア数に対して増加をしないようにしている。
【0083】
また、本シミュレーションでは、通信端末11は電力軸で非直交多重されたアップリンク送信を行い、基地局装置12は非同期で送信されたアップリンク信号の同期を取った後に復号を実施した。また、両方の場合において、アップリンク信号間において受信タイミングのずれが無いものと仮定した。また、図18は、シミュレーション条件を示す図であり、その他のシミュレーション条件が示されている。
【0084】
図19および図20は、シミュレーション結果を説明する図である。図19のシミュレーションと、図20のシミュレーションとでは、評価対象となる通信端末が異なる。図19および図20には、誤り率特性と、受信SNR(Signal to noise ratio)と、の関係を示すグラフが示されている。これらの図の横軸は受信SNR(dB)を示し、縦軸は、誤り率であるBLER(Block Error Rate)を示す。図19および図20の両方とも、ほとんどのSNRにおいて、拡張した場合のグラフが、拡張しなかった場合のグラフよりも、下にある。このように、選出可能範囲を拡張して参照信号の送信方法を変更した本開示の無線通信方法のほうが、BLERを低く抑えることができる。
【0085】
図21および図22は、別のシミュレーション結果を説明する図である。これらの図でも、誤り率特性と、受信SNRと、の関係を示すグラフが示されているが、誤り特性として平均二乗誤差(Mean Square error: MSE)を用いている。図21のシミュレーションと、図22のシミュレーションとでは、評価対象となる通信端末が異なる。図21および図22の両方ともに、全てのSNRにおいて、拡張した場合のグラフが、拡張しなかった場合のグラフよりも下にある。ゆえに、平均二乗誤差による検証でも、本開示の無線通信方法のほうがチャネル推定精度を改善することが明らかである。
【0086】
したがって、本開示の無線通信方法を用いれば、通信端末11が、無線通信接続のない状態で、PRACHなどの無線通信接続のためのチャネルではなく、PUSCHなどのデータを送信するためのチャネルでアップリンク送信を開始しても、基地局装置12は参照信号などから十分にチャネル推定および受信タイミング推定を行うことができる。
【0087】
以上のように、本実施形態では、無線接続状態でなくともプリアンブルを送信せずに、最初からデータをPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)といったデータ送信用の所定チャネルでアップリンク送信することができる。こうすることにより、ダウンリンク同期信号を受信直後にデータ送信を開始することができ、データ送信を開始するまでに要する時間が短縮される。
【0088】
また、本実施形態では、参照信号などに割り当てられるリソースエレメントの選出可能範囲を拡張し、選出可能範囲の拡張された部分からリソースエレメントを選出する。これにより、無線通信接続の初期処理であるアップリンク同期の処理を一部省略しても、チャネル推定精度の低減をある程度に抑えることが可能となる。そして、通信時間が限られている無線送信においてもデータ送信が失敗するリスクを減らすことができる。
【0089】
なお、上述の実施形態は本開示を具現化するための一例を示したものであり、その他の様々な形態で本開示を実施することが可能である。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形、置換、省略またはこれらの組み合わせが可能である。そのような変形、置換、省略などを行った形態も、本開示の範囲に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0090】
また、上述の通信シーケンスなど、本開示において説明された処理の手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよい。あるいは、これら一連の手順を、回路またはプロセッサを有するコンピュータに実施させるためのプログラム、または、当該プログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。記録媒体の種類は、本開示の実施形態に影響を及ぼすものではないため、特に限られるものではない。
【0091】
なお、本開示は以下のような構成を取ることもできる。
[1]
無線通信接続がされていない 通信相手からの無線通信を受信した場合に、前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定する決定部と、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信する無線通信部と、
を備える通信装置。
[2]
前記決定部は、
前記第1チャネルで無線通信を行うことを決定した場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定し、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記無線通信部は、前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号を送信する、
[1]に記載の通信装置。
[3]
前記第1信号の送信に割り当てる周波数は複数選出され、
前記複数選出された周波数には、拡張された前記周波数範囲の拡張された部分における周波数が少なくとも一つ含まれ、
同一のタイミングで前記複数選出された周波数のそれぞれにおいて前記第1信号が送信される、
[2]に記載の通信装置。
[4]
前記複数選出された周波数は、前記通信相手と無線通信を行う他の通信装置が前記第1信号を送信する周波数と一致しない、
[3]に記載の通信装置。
[5]
前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の数が、前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の数よりも多い、
[3]に記載の通信装置。
[6]
前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の間隔が、前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数の間隔よりも長い、
[3]に記載の通信装置。
[7]
前記決定部は、前記周波数範囲を拡張しないことを決定した場合に、拡張していない前記周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記周波数範囲を拡張しないときの前記第1信号の送信に割り当てる全ての周波数が、前記周波数範囲を拡張したときの前記第1信号の送信に割り当てる周波数として選出されている、
[3]に記載の通信装置。
[8]
前記決定部は、前記通信相手からの通知に基づいて、前記周波数範囲を拡張することを決定する、
[2]ないし[7]のいずれかに記載の通信装置。
[9]
前記決定部は、前記通信相手からの通知に基づいて、拡張された前記周波数範囲を戻すことを決定し、
拡張された前記周波数範囲を戻すことが決定された後に送信される前記第1信号の全周波数が、拡張していない前記周波数範囲内である、
[2]ないし[8]のいずれかに記載の通信装置。
[10]
前記第1チャネルでの無線通信は、非直交多重通信にて行われる、
[1]ないし[9]のいずれかに記載の通信装置。
[11]
前記第1信号が参照信号またはサイクリックプレフィックスである、
[2]ないし[9]のいずれかに記載の通信装置。
[12]
前記無線通信部は、前記第1チャネルで無線通信を行わないことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記無線通信接続のための第2チャネルで無線通信を送信する、
[1]に記載の通信装置。
[13]
無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信するステップと、
前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定するステップと、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信するステップと、
を備える通信方法。
[14]
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定するステップと、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定するステップと、
をさらに備え、
前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号が送信される、
[13]に記載の通信方法。
[15]
1以上の第1通信装置と、
前記第1通信装置と無線通信を行う第2通信装置と、
を備え、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置と無線通信接続がされていない場合において前記第2通信装置からの無線通信を受信したときに、前記第2通信装置に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定する決定部と、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第2通信装置に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信する無線通信部と、
を備える、
通信システム。
[16]
前記決定部は、
前記第1チャネルで無線通信を行うことを決定した場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記第2通信装置へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定し、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定し、
前記無線通信部は、前記第2通信装置に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号を送信する、
[15]に記載の通信システム。
[17]
無線通信接続がされていない通信相手からの無線通信を受信するステップと、
前記通信相手に対し、データを送信するための第1チャネルで無線通信を行うことを決定するステップと、
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記通信相手に対し、前記第1チャネルで無線通信を送信するステップと、
を備える、コンピュータによって実行されるプログラム。
[18]
前記第1チャネルで無線通信を行うことが決定された場合に、前記第1チャネル内の周波数範囲であって前記通信相手へ送信される無線通信に含まれる第1信号の送信に割り当てることが可能であると予め定められた周波数範囲を拡張することを決定するステップと、
拡張された周波数範囲において前記第1信号の送信に割り当てる周波数を決定するステップと、
をさらに備え、
前記通信相手に対する前記第1チャネルでの無線通信において、前記第1信号の送信に割り当てると決定された周波数で前記第1信号が送信される、
[17]に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0092】
1 通信システム
11 通信端末(第1通信装置)
111 記憶部
112 無線通信制御部(決定部)
113 無線通信部
12 基地局装置(第2通信装置)
2 基地局
31 範囲
32 通信端末11の参照信号の送信に割り当てられたリソースエレメント
33 拡張された範囲
34 他の通信端末の参照信号の送信に割り当てられたリソースエレメント
図1
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図3
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