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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070289
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】部材連結具
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/14 20060101AFI20240516BHJP
   E04G 5/00 20060101ALI20240516BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20240516BHJP
   E04G 21/24 20060101ALI20240516BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
E04G7/14 A
E04G5/00 301Z
F16B2/10 B
E04G21/24 Z
E04G21/32 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173153
(22)【出願日】2022-10-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】394014490
【氏名又は名称】株式会社新成工業
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】阿部 一夫
【テーマコード(参考)】
3J022
【Fターム(参考)】
3J022DA12
3J022DA15
3J022DA17
3J022EA15
3J022EB14
3J022EC02
3J022EC17
3J022EC22
3J022FA02
3J022FB06
3J022FB07
3J022GA03
3J022GA12
3J022GB23
3J022GB25
(57)【要約】
【課題】 吊り足場や側面防護材を構成するパネル部材のパネル部に単管パイプを取り付けることができる部材連結具を提供する。
【解決手段】 本発明の部材連結具は、パネル部材のパネル部に宛がわれるベース部とベース部を保持するベース部固定具を備え、ベース部に管部材を保持するクランプが設けられたものである。ベース部には、環状部材を備えた吊り具を設けることもできる。吊り具やクランプは、ベース部に着脱可能に設けることができる。ベース部には、足場パネルの吊りリングが露出する通過孔を設けることもできる。ベース部固定具には湾曲部と棒状部を備えたU字ボルトを用いることができる。この場合、ベース部にはU字ボルトの棒状部が挿通する挿通孔を設けることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル部材のパネル部に宛がわれるベース部と、
前記ベース部を保持するベース部固定具を備え、
前記ベース部に管部材を保持するクランプが設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項2】
請求項1記載の部材連結具において、
ベース部に、環状部材を備えた吊り具が設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
吊り具又は/及びクランプは、ベース部に着脱可能に設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部に、足場パネルの吊りリングが露出する通過孔が設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部固定具が湾曲部と棒状部を備えたU字ボルトであり、
ベース部に、前記U字ボルトの棒状部が挿通される挿通孔が設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り足場や側面防護材を構成するパネル部材に、単管パイプをはじめとする各種部材を連結するのに用いる部材連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
高所での工事には複数枚のパネル部材を連結した吊り足場が使用される。パネル部材として、本件出願人が先に特許権を取得したもの(特許文献1)がある。
【0003】
このパネル部材Aは、図11に示すように、間隔をあけて平行に配置された二本の細長材B、両細長材Bの間に設けられた二本の連結パイプ(フレームパイプ)C、及び両細長材Bと両連結パイプの間に設置された補強材Dを備えた周枠上面に、長方形のパネル部(たとえば、金属平板、コンパネ材、エキスパンドメタル、又はその他のパネル部)Eが設けられたものである。
【0004】
図11に示すパネル部材Aは、補強材Dとして、二本の細長材Bと平行な縦補強材D1と、縦補強材D1と直交する向きに設けられた横補強材D2を備えている。横補強材D2は、縦補強材D1の長手方向に間隔をあけて複数本設けられている。縦補強材D1には、吊りリングKが複数個取り付けられ、パネル部Eに形成された吊リング孔E1から上方に引き出せるようにしてある。
【0005】
長手方向両端側の横補強材D2とフレームパイプCとの間には隙間Fがあり、それら横補強材D2とフレームパイプCの間に両者をつなぐ係止材Gが設けられている。このパネル部材Aには、縦2000mm×横660mmのものや縦3000mm×横660mmのもの、縦3850mm×横660mmのもの等がある。
【0006】
図12に示すように、吊り足場は、前記パネル部材AをジョイントJ(図11参照)や自在クランプ(図示しない)等を用いて縦横に連結し、高架道路や鉄橋等の架台(主桁)Hから吊り下げられた吊りチェーンIに係止されて吊り下げられることによって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2647801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記パネル部材Aは、吊り足場を構成する足場パネルA1として利用されるほか、足場パネルA1の側面に立設する側面防護材A2としても利用される。従来、足場パネルA1のパネル部Eに側面防護材A2を設置する際には、吊りリングKを利用してパネル部Eの上面に側面防護材取付け用の単管パイプを設置し、その単管パイプと側面防護材A2のフレームパイプCとをなまし鉄線で結束していた。
【0009】
ところが、パネル部Eの上面への単管パイプの設置には手間がかかる。加えて、なまし鉄線は時間の経過とともに腐食し、強度を維持することが困難であるため、定期的な点検が必要とされ、大きな作業負担となっていた。
【0010】
また、側面防護材A2を設置する際には、控えパイプQによって側面防護材A2を支持する必要がある。従来、側面防護材A2に控えパイプQを設置する際には、図13のように、縦向きに配置された単管パイプ(縦パイプ)Nを側面防護材A2の上下のフレームパイプCに直交クランプRaで連結した上で、当該縦パイプNに、縦パイプNに直交する向きに配置された単管パイプ(横パイプ)Oを別の直交クランプRbで連結し、当該横パイプOに控えパイプQを別の直交クランプRcで連結していた。
【0011】
ところが、この方法では、縦パイプNの二つの支持点の距離が上下のフレームパイプCの距離と同程度と広く、曲げモーメントが大きくなるため、強度が不足するケースが出てくる。
【0012】
この場合、対策として、上下の支持点の中間に別途支持点を設ける方法や控えパイプQの数を増やす方法が考えられる。しかし、前者の方法は、側面防護材A2の中間点にクランプを取り付けることができないという足場パネルA1の構造上の問題で実現することができない。一方、後者の方法は実現可能であるものの、控えパイプQを増やす分だけ作業負担の増加やコスト高という新たな課題が発生する。
【0013】
これらの各課題は、パネル部材(足場パネルA1や側面防護材A2)のパネル部Eに管部材(たとえば、単管パイプ)を取り付けられるようにすることで解決することができるが、これまで、パネル部Eに単管パイプを取り付けられるようにする技術についての提案はなされてこなかった。
【0014】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、パネル部材のパネル部に管部材を取り付けることができる部材連結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の部材連結具は、パネル部材のパネル部に宛がわれるベース部とベース部を保持するベース部固定具を備え、ベース部に管部材を保持するクランプが設けられたものである。
【0016】
ベース部には、環状部材を備えた吊り具を設けることもできる。吊り具やクランプは、ベース部に着脱可能に設けることができる。ベース部には、足場パネルの吊りリングが露出する通過孔を設けることもできる。
【0017】
ベース部固定具には湾曲部と棒状部を備えたU字ボルトを用いることができる。この場合、ベース部にはU字ボルトの棒状部が挿通する挿通孔を設けることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パネル部材のパネル部に管部材を取り付けることができるため、前述の各種不都合の解消の一助となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の部材連結具の一例を示す分解斜視図。
図2】(a)は吊り具取付け部と吊り具の連結箇所の説明図、(b)はクランプ取付け部とクランプの部材連結具の説明図、(c)は部材連結具の通過孔と吊りリングの位置関係の説明図。
図3】(a)~(f)はU字ボルトの取付け手順説明図。
図4】本発明の部材連結具の他例を示す分解斜視図。
図5】本発明の部材連結具の使用方法の一例を示す説明図。
図6】(a)は図5の足場パネルと側面防護材の連結箇所の説明図、(b)は図5の上補助パイプ及び下補助パイプの連結箇所の説明図、(c)は図5の上補助パイプ及び下補助パイプと縦補助パイプの連結箇所並びに当該縦補助パイプと持ち送り枠の連結箇所の説明図。
図7】本発明の部材連結具の使用方法の他例を示す説明図。
図8】(a)は図7の足場パネルと足場パネル側補助パイプの連結箇所の説明図、(b)は図7の側面防護材と防護材側補助パイプの連結箇所の説明図。
図9】(a)は図7の足場パネル側補助パイプと控えパイプの連結箇所の説明図、(b)は図7の防護材側補助パイプと控えパイプの連結箇所の説明図。
図10】(a)は本発明の部材連結具を用いて立設した側面防護材に扉受け具を取り付けた場合の一例を示す説明図、(b)は(a)の扉受け具の説明図。
図11】従来の足場パネルの説明図。
図12図11に示す足場パネルで構築した吊り足場の説明図。
図13】従来の側面防護材に控えパイプを設置する場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態)
本発明の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明の部材連結具10は、パネル部材A(図11参照)のパネル部Eに取り付けて使用するものである。
【0021】
はじめに、パネル部材Aについて説明する。図11に示すパネル部材Aは、二本の細長材Bと二本の連結パイプ(フレームパイプ)Cと補強材Dを備えた周枠上面に、長方形のパネル部(たとえば、金属平板、コンパネ材、エキスパンドメタル、又はその他のパネル部)Eが配置固定されたものである。
【0022】
図11に示すパネル部材Aは、補強材Dとして、二本の細長材Bと平行な縦補強材D1と、縦補強材D1と直交する向きに設けられた横補強材D2を備えている。横補強材D2は、縦補強材D1の長手方向に間隔をあけて複数本設けられている。縦補強材D1には、吊りリングKが複数個取り付けられ、パネル部Eに形成された吊リング孔E1から上方に引き出せるようにしてある。
【0023】
長手方向両端側の横補強材D2とフレームパイプCとの間には隙間Fがあり、それら横補強材D2とフレームパイプCの間には両者をつなぐ係止材Gが設けられている。このパネル部材Aには、縦2000mm×横660mmのものや縦3000mm×横660mmのもの、縦3850mm×横660mmのもの等がある。
【0024】
前記パネル部材Aは、図12に示すように、高架道路や鉄橋等の架台(主桁)Hから吊り下げられた吊りチェーンIに係止されて吊り下げられて縦横に連結することによって吊り足場を形成することができる。
【0025】
次に、本発明の部材連結具10の一例について説明する。本発明の部材連結具10は、パネル部材Aのパネル部Eに取り付けて使用するものである。
【0026】
一例として図1に示す部材連結具10は、パネル部Eに宛がわれるベース部11を備えている。この実施形態のベース部11は長方形の板状部材(プレート)で構成されている。この実施形態では、ベース部11として縦150mm×横100mm×厚さ6mmの鋼板(SS平鋼)を一例としているが、ベース部11の大きさや材質はこれ以外であっても良い。
【0027】
ベース部11のうち、パネル部Eに宛がわれる面(以下「宛がい面」という)11aと反対側の面(以下「取付け面」という)11bには、二つの取付け部12がベース部11の長手方向に間隔をあけて設けられている。
【0028】
二つの取付け部12のうち、一方の取付け部(第一の取付け部)12は吊り具13を取り付けるためのもの(以下「吊り具取付け部」という)12a、他方の取付け部(第二の取付け部)12はクランプ14を取り付けるためのもの(以下「クランプ取付け部」という)12bである。
【0029】
この実施形態では、ベース部11の取付け面11bに一部を埋設したナットを溶接することで、吊り具取付け部12a及びクランプ取付け部12bとしている。ここでは、吊り具取付け部12a用のナットとして、クランプ取付け部12b用のナットよりも大きなもの(高さの高いもの)を用いているが、両取付け部12は同じ高さとすることもできる。場合によっては、クランプ取付け部12b用のナットとして吊り具取付け部12a用のナットよりも大きなものを用いることもできる。
【0030】
図2(a)に示すように、吊り具取付け部12aには、吊りリングKの代わりにチェーンI(図12)等の各種部材を係止するための吊り具13が設けられている。この実施形態では、吊り具13として、吊り具取付け部12aのナット孔にねじ込まれる軸部13aと、当該軸部13aに回転可能に連結された環状部材13bを備えた吊りカーンが取り付けられている。吊り具13は、所期の目的を達成できるものであれば、吊りカーン以外であっても良い。
【0031】
この実施形態の吊り具13は、吊り具取付け部12aに着脱可能に取り付けられている。吊り具13は、吊り具取付け部12aから取り外せないように、吊り具取付け部12aに固定しておくこともできる。
【0032】
図2(b)に示すように、クランプ取付け部12bには、単管パイプを保持するクランプ14が設けられている。この実施形態では、クランプ14として、クランプ取付け部12bのナット孔にねじ込まれる軸部14aと、軸部14aの一端側に設けられた単クランプ14bを備えた軸付きクランプが取り付けられている。
【0033】
この実施形態の単クランプ14bは、単管パイプが収まる凹部14cを備えた固定部14dと、凹部14cに収まった単管パイプを押さえる可動部14eを備えている。固定部14dの自由端側にはナット付き螺子棒14fが、可動部14eの自由端側にはナット付き螺子棒14fが収まる係止溝14gが設けられている。
【0034】
このほか、単クランプ14bには、可動部14eの自由端側にナット付き螺子棒14fが、固定部の自由端側にナット付き螺子棒14fが収まる係止溝14gが設けられたもの等を用いることができる。単クランプ14bは、所期の目的を達成できるものであれば、これら以外の構成のものであっても良い。
【0035】
この実施形態のクランプ14は、クランプ取付け部12bに着脱可能に取り付けられている。クランプ14は、クランプ取付け部12bから取り外せないように、クランプ取付け部12bに固定しておくこともできる。
【0036】
ベース部11の吊り具取付け部12aとクランプ取付け部12bの間であって、吊り具取付け部12a寄りの位置には、パネル部材Aの吊りリングKの一部が露出する通過孔15が設けられている(図1及び図2(c))。この実施形態の通過孔15はベース部11の短手方向に長い長孔であるが、通過孔15の形状はこれ以外であっても良い。
【0037】
ベース部11の通過孔15の長手方向両外側の位置には、後述するベース部固定具17の棒状部17bが挿通される挿通孔16が設けられている。
【0038】
ベース部11のクランプ取付け部12bと通過孔15の間には、図示しない巾木材を配置するための巾木配置スペース18が確保されている。巾木材は、たとえば、図5の足場パネルA1の上方に側面防護材A2を立設するとする場合に、側面防護材A2の補強材DとフレームパイプCとの間の隙間Fを塞ぐために用いられる部材である。
【0039】
この実施形態のベース部11は、ベース部固定具17によってパネル部材Aのパネル部Eに固定されるようにしてある。この実施形態では、ベース部固定具17として、弧状の湾曲部17aと二本の棒状部17bを備えたU字ボルトを用いている。二本の棒状部17bには雄ネジが形成されている。
【0040】
ベース部固定具17としてU字ボルトを用いる場合、U字ボルトの両棒状部17bをパネル部Eの裏面側から両挿通孔16に挿通し、両棒状部17bのパネル部Eの上面よりも上側に突出した部分にナット17cを締結する。
【0041】
図11に示すように、この実施形態のパネル部材Aは、パネル部Eの裏側に縦補強材D1が設けられている。このため、ベース部固定具17としてU字ボルトを用いる場合、両棒状部17bの間に縦補強材D1が収まるように、換言すれば、縦補強材D1にU字ボルトが下側から被さるようにする。
【0042】
なお、ベース部11は、吊り足場の設置前にパネル部Eに取り付けておくことも、吊り足場の設置後にパネル部Eに取り付けることもできる。吊り足場の設置後に取り付ける場合、パネル部Eの裏側から挿通孔16に差し込むことは困難であるため、図3(a)に示すような治具Xを用いることができる。
【0043】
図3(a)に示す治具Xは、一端側にU字ボルトに連結する連結部X1を備えた棒状の部材であり、他端側には薄板状の摘まみ部X2が設けられている。この治具Xを用いる場合、次の(1)~(6)の手順に従って、ベース部11をU字ボルトで保持することができる。
(1)図3(a)のように、棒状部17bを治具Xの連結部X1に連結したU字ボルトを横に寝かせ、パネル部Eの吊リング孔E1の隙間にU字ボルトの他方の棒状部17bを差し込む。
(2)U字ボルトの他方の棒状部17bを差し込んだのち、図3(b)のように、治具Xを垂直に立ち上げ、治具Xを180度水平回転させる。
(3)水平回転させた治具Xを図3(c)のように上方に持ち上げ、パネル部Eの吊リング孔E1から、U字ボルトの両棒状部17bをパネル部Eの上面側に引き上げる。
(4)両棒状部17bがパネル部Eの上面よりも上方に突出したら、図3(d)のようにU字ボルトから治具Xを取り外す。このとき、U字ボルトが落下しないよう、U字ボルトから治具Xを取り外す際には、必要に応じてU字ボルトを仮止めする。
(5)U字ボルトから治具Xを取り外した後、図3(e)のように両棒状部17bのパネル部Eの上面よりも上側に突出した部分がベース部11の挿通孔16を通過するように、ベース部11をパネル部Eの上面に配置する。
(6)パネル部Eの上面にベース部11を配置した後、図3(f)のようにベース部11の上側からU字ボルトの両棒状部17bにナット17cを締結し、ベース部11をパネル部Eに固定する。
【0044】
ベース部固定具17としてU字ボルトを用いて補強材Dを下側から被せるようにした場合、ベース部11が安定しやすいというメリットがある。また、補強材Dを下側から被せない場合に比べて、ベース部11自体の強度を確保しやすいというメリットがある。但し、ここで示したベース部固定具17は一例であり、ベース部固定具17はU字ボルト以外であってもよい。
【0045】
なお、ベース部固定具17としてU字ボルトを用いる場合、ナット17cにワイヤ等の落下防止具を取り付けることができる。ベース部固定具17としてU字ボルト以外のものを用いる場合も同様である。
【0046】
前記実施形態の部材連結具10は一例であり、本発明の部材連結具10は前記実施形態の構成に限定されるものではない。本発明の部材連結具10は、所期の目的を達成できる範囲で、適宜構成の入替えや追加、省略等の変更を加えることができる。
【0047】
たとえば、部材連結具10の変形例として、前記実施形態のSS平鋼に代えて、図4に示すような溝形鋼を用いてベース部11を構成することもできる。この場合、市販されている溝形鋼(チャンネル鋼材)やプレス成型鋼等を用いることができる。溝形鋼のように、幅方向両端に突条部(リブ)11cを備えた鋼材でベース部11を構成することで、強度の向上、具体的には、曲げ応力の向上が期待できる。
【0048】
(使用例1)
次に、本発明の部材連結具の第一の使用例を、図5及び図6(a)を参照して説明する。この使用例は、前記実施形態で説明した部材連結具10を用いて、足場パネルA1に側面防護材A2を立設する場合の例である。この使用例では、足場パネルA1及び側面防護材A2として、図11のパネル部材Aを用いている。
【0049】
(1)図5に示すように、吊り足場を構成する足場パネルA1のパネル部Eに部材連結具10を取り付ける。部材連結具10は、複数枚の足場パネルA1に取り付ける。
(2)次いで、部材連結具10の複数のクランプ14に跨るように、横並びに連結された側面防護材A2を縦向きに配置し、当該側面防護材A2のフレームパイプCを各部材連結具10のクランプ14で保持して、それら側面防護材A2を立設する。
(3)前記(2)で側面防護材A2を立設した後、当該側面防護材A2の裏側に、控えパイプQ1として単管パイプを配置し、その一端(上端)側を側面防護材A2の上側のフレームパイプCに直交クランプR1で連結し、他端(下端)側を足場パネルA1の一方のフレームパイプCに直交クランプR2で連結する。
【0050】
前記手順で連結された各部材は、図6(a)に示すような連結構造を有する。図6(a)は、前記手順で連結された足場パネルA1と側面防護材A2の連結箇所の説明図である。この図に示すように、足場パネルA1と側面防護材A2の連結箇所は、吊り足場を構成する足場パネルA1のパネル部Eに部材連結具10が取り付けられ、当該部材連結具10のクランプ14で側面防護材A2の下側のフレームパイプCが保持されている。
【0051】
部材連結具10のクランプ14で保持されて立設された側面防護材A2は、控えパイプQ1で支持されている。控えパイプQ1は、一端(上端)側が側面防護材A2の上側のフレームパイプCに直交クランプR1で連結され、他端(下端)側が足場パネルA1の一方のフレームパイプCに直交クランプR2で連結されている。
【0052】
(使用例2)
本発明の部材連結具10の第二の使用例を、図5及び図6(b)(c)を参照して説明する。この使用例は、前記実施形態で説明した部材連結具10を用いて、足場パネルA1に立設した側面防護材A2に中段足場Sを取り付ける場合の例である。使用例1と同様、この使用例でも、足場パネルA1及び側面防護材A2として、図11のパネル部材Aを用いている。
【0053】
(1)図5に示すように、足場パネルA1に立設された側面防護材A2のパネル部Eに部材連結具10を取り付ける。部材連結具10は、複数枚のパネル部Eに取り付ける。この使用例では、部材連結具10を上段と下段に分けて取り付けている。
(2)前記(1)で上段に取り付けられた複数の部材連結具10のクランプ14に跨るように、単管パイプ(以下「上補助パイプ」という)T1を配置し、当該上補助パイプT1を上段に取り付けられた複数の部材連結具10の複数のクランプ14で保持する。
(3)同様に、前記(1)で下段に取り付けられた複数の部材連結具10のクランプ14に跨るように、単管パイプ(以下「下補助パイプ」という)T2を配置し、当該下補助パイプT2を下段に取り付けられた複数の部材連結具10の複数のクランプ14で保持する。
(4)前記(1)~(3)の手順で取り付けられた上補助パイプT1及び下補助パイプT2に、上補助パイプT1及び下補助パイプT2と直交する向き(鉛直向き)の単管パイプ(以下「縦補助パイプ」という)T3を、直交クランプR3を用いて連結する。縦補助パイプT3は、上補助パイプT1及び下補助パイプT2の長手方向に間隔をあけて複数本連結する。
(5)前記(4)で取り付けられた各縦補助パイプT3に持ち送り枠(ブラケット)Uを連結し、隣接する持ち送り枠Uに跨るように中段足場Sを取り付ける。持ち送り枠Uや中段足場Sには、既存の又は新規のものを用いることができる。
【0054】
前記手順で連結された各部材は、図6(b)(c)に示すような連結構造を有する。図6(b)は、前記手順で側面防護材A2に連結された上補助パイプT1及び下補助パイプT2の連結箇所の説明図である。
【0055】
この図に示すように、側面防護材A2のパネル部Eには部材連結具10のベース部11が上下に間隔をあけて取り付けられ、上段の部材連結具10のクランプ14で上補助パイプT1が保持され、下段の部材連結具10のクランプ14で下補助パイプT2が保持されている。
【0056】
図6(c)は、前記手順で設置された上補助パイプT1及び下補助パイプT2と縦補助パイプT3の連結箇所並びに当該縦補助パイプT3と持ち送り枠Uの連結箇所の説明図である。
【0057】
この図に示すように、前記手順で設置された上補助パイプT1と下補助パイプT2の手前には縦補助パイプT3が配置され、当該上補助パイプT1及び下補助パイプT2と直交クランプR3で連結されている。縦補助パイプT3は側面防護材A2の配列方向に間隔をあけて複数本取り付けられている。
【0058】
前述のように上補助パイプT1と下補助パイプT2に連結された各縦補助パイプT3には持ち送り枠Uが連結され、隣接する持ち送り枠Uの上面には、中段足場Sが複数の持ち送り枠Uに跨るように設置されている。
【0059】
(使用例3)
本発明の部材連結具10の第三の使用例を、図7及び図8(a)(b)を参照して説明する。この使用例は、前記実施形態で説明した部材連結具10を用いて、側面防護材A2に控えパイプQ2を取り付ける場合の例である。使用例1及び2と同様、この使用例でも、足場パネルA1及び側面防護材A2として、図11のパネル部材Aを用いている。
【0060】
(1)図7に示すように、足場パネルA1のパネル部Eに部材連結具10を取り付ける。部材連結具10は、複数枚の足場パネルA1に取り付ける。
(2)前記(1)で取り付けられた複数の部材連結具10のクランプ14に跨るように、単管パイプ(以下「足場パネル側補助パイプ」という)T4を配置し、当該足場パネル側補助パイプT4を複数の部材連結具10の複数のクランプ14で保持する。
(3)同様に、足場パネルA1に立設された側面防護材A2のパネル部Eに部材連結具10を取り付ける。部材連結具10は、複数枚の側面防護材A2に取り付ける。
(4)前記(3)で取り付けられた複数の部材連結具10のクランプ14に跨るように、単管パイプ(以下「防護材側補助パイプ」という)T5を配置し、当該防護材側補助パイプT5を複数の部材連結具10の複数のクランプ14で保持する。
(5)前記(1)及び(2)の手順で取付けられた足場パネル側補助パイプT4と、前記(3)及び(4)の手順で取り付けられた防護材側補助パイプT5の双方に跨るように、控えパイプQ2を配置し、当該控えパイプQ2の下端寄りの位置と足場パネル側補助パイプT4とを直交クランプR4で連結し、当該控えパイプQ2の上端寄りの位置と防護材側補助パイプT5とを別の直交クランプR5で連結する。控えパイプQ2は、足場パネル側補助パイプT4と防護材側補助パイプT5の長手方向に間隔をあけて複数本取り付ける。
【0061】
部材連結具10を用いて控えパイプQ2を連結する場合、従来の場合(図13の場合)のように、側面防護材A2の上下のフレームパイプCに縦パイプNを連結する必要も、縦パイプNに横パイプOを連結する必要もないため、作業効率を改善することができる。
【0062】
加えて、従来の方法における懸念点であった、縦パイプNの支持点間の距離が広いことに起因する強度不足の問題も生じにくいというメリットがある。
【0063】
前記手順で連結された各部材は、図8(a)(b)及び図9(a)(b)に示すような連結構造を有する。図8(a)は、前記手順で連結された足場パネルA1と足場パネル側補助パイプT4の連結箇所の説明図である。
【0064】
この図に示すように、足場パネルA1のパネル部Eには部材連結具10のベース部11が取り付けられ、部材連結具10のクランプ14で足場パネル側補助パイプT4が保持されている。
【0065】
図8(b)は、前記手順で連結された側面防護材A2と防護材側補助パイプT5の連結箇所の説明図である。この図に示すように、側面防護材A2のパネル部Eには部材連結具10のベース部11が取り付けられ、部材連結具10のクランプ14で防護材側補助パイプT5が保持されている。
【0066】
図9(a)は、前記手順で足場パネルA1に連結された足場パネル側補助パイプT4と控えパイプQ2の連結箇所の説明図である。この図に示すように、足場パネル側補助パイプT4の外側には控えパイプQ2が配置され、当該控えパイプQ2の下端側が直交クランプR4で足場パネル側補助パイプT4に連結されている。
【0067】
図9(b)は、前記手順で側面防護材A2に連結された防護材側補助パイプT5と控えパイプQ2の連結箇所の説明図である。この図に示すように、防護材側補助パイプT5の外側には控えパイプQ2が配置され、当該控えパイプQ2の上端側が直交クランプR5で防護材側補助パイプT5に連結されている。
【0068】
なお、第三の使用例では、控えパイプQ2の一端(上端)側を防護材側補助パイプT5に連結し、他端(下端)側を足場パネル側補助パイプT4に連結する場合を一例としているが、控えパイプQ2を連結するための躯体があるような場合には、控えパイプQ2の一端側を防護材側補助パイプT5に、他端側を当該躯体に連結することもできる。この場合、控えパイプQ2は斜めに設置する必要はなく、躯体の連結位置に向けて(たとえば、水平に)設置することができる。
【0069】
(応用例)
最後に、足場パネルA1に立設した側面防護材A2を用いて非常扉Vを設置する場合の一例を、図10(a)(b)を参照して説明する。使用例1~3と同様、この応用例でも、足場パネルA1及び側面防護材A2として、図11のパネル部材Aを用いている。
【0070】
前記非常扉Vは、側面防護材A2の間に形成された非常口を開閉するための扉である。一例として図10(a)に示す非常扉Vは縦長方形状の部材である。非常扉Vの戸先側と戸尻側には、開閉時に指を掛ける指掛け部V1が設けられている。
【0071】
非常扉Vの戸先側と戸尻側の上端側には、非常扉Vを吊持する吊り具V2が取り付けられている。吊り具V2は非常扉Vの上方側に設けられたレールW内に収まり、当該吊り具V2がレールW内をスライドすることで非常扉Vがスライドするようにしてある。
【0072】
非常扉Vの開方向後方側には、開いた状態の非常扉Vのガタツキを抑える扉受け具Yが設けられている。一例として図10(b)に示す扉受け具Yは、フレームパイプCを保持するクランプY1と、非常扉Vの戸尻側の下端が収まる扉受け体Y2を備えている。クランプY1と扉受け体Y2は図示しない連結具で連結されている。
【0073】
前記扉受け体Y2は、非常扉Vの肉厚方向前後に対向する立設部Y3と、両立設面Y3の下側の底部Y4と、両立設部Y3のうち非常扉Vの開方向先方側の端部に設けられた抜け止め部Y5を備えている。
【0074】
扉受け体Y2の両立設部Y3のうち、非常扉Vの開方向後方側の端部には抜け止め部Y5に相当する構成のない開口部Y6が形成されている。また、両立設部Y3の上端側(底部Y4の上方側)には上方開口部Y7が係止されている。
【0075】
立設部Y3の一方にはクランプY1が連結されている。クランプY1には、既存の又は新規のものを用いることができる。
【0076】
図10(a)に示す例では、扉受け具Yは、上方開口部Y7が上方を向くように、クランプY1を非常扉Vの開方向先方側に設置された側面防護材A2のフレームパイプCに連結されている。
【0077】
この位置に設置された扉受け具Yには、非常時に開かれた非常扉Vの開方向先方側の下端が収まり、開いた状態の扉が前後方向(肉厚方向)にがたつくのを防止することができる。
【0078】
前記各使用例及び応用例はあくまでも一例であり、本発明の部材連結具10は、これら以外の方法で使用することもできる。また、各使用例及び応用例における手順も一例であり、その手順は施工現場の環境や状況(たとえば、作業時間帯や作業地域、天候など)に応じて適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の部材連結具10は、各種パネル部材のパネル部に単管パイプを取り付ける際に利用することができ、特に、図11に示すパネル部材Aのパネル部Eに、単管パイプを取り付ける際に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
10 部材連結具
11 ベース部
11a 宛がい面
11b 取付け面
11c 突条部(リブ)
12 取付け部
12a 第一の取付け部(吊り具取付け部)
12b 第二の取付け部(クランプ取付け部)
13 吊り具
13a 軸部
13b 環状部材
14 クランプ
14a 軸部
14b 単クランプ
14c 凹部
14d 固定部
14e 可動部
14f ナット付き螺子棒
14g 係止溝
15 通過孔
16 挿通孔
17 ベース部固定具
17a 湾曲部
17b 棒状部
17c ナット
18 巾木配置スペース
A パネル部材
A1 足場パネル
A2 側面防護材
B 細長材
C 連結パイプ(フレームパイプ)
D 補強材
D1 縦補強材
D2 横補強材
E パネル部
E1 吊リング孔
F 隙間
G 係止材
H 架台(主桁)
I 吊りチェーン
J ジョイント
K 吊りリング
N 単管パイプ(縦パイプ)
O 単管パイプ(横パイプ)
Q 控えパイプ
Q1 控えパイプ
Q2 控えパイプ
R1 直交クランプ
R2 直交クランプ
R3 直交クランプ
R4 直交クランプ
R5 直交クランプ
Ra 直交クランプ
Rb 直交クランプ
Rc 直交クランプ
S 中段足場
T1 単管パイプ(上補助パイプ)
T2 単管パイプ(下補助パイプ)
T3 単管パイプ(縦補助パイプ)
T4 単管パイプ(足場パネル側補助パイプ)
T5 単管パイプ(防護材側補助パイプ)
U 持ち送り枠(ブラケット)
V 非常扉
V1 指掛け部
V2 吊り具
W レール
X 治具
X1 連結部
X2 摘まみ部
Y 扉受け具
Y1 クランプ
Y2 扉受け体
Y3 立設部
Y4 底部
Y5 抜け止め部
Y6 開口部
Y7 上方開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強材とパネル部を備えたパネル部材に管部材を取り付けるための部材連結具であって、
前記パネル部材のパネル部に宛がわれるベース部と、
前記ベース部を保持するベース部固定具と、
前記管部材を保持する、前記ベース部固定具とは別体のクランプを備え、
前記ベース部は、第一の面と当該第一の面の裏面である第二の面を備え、
前記ベース部に、当該ベース部の周縁に達しない形状の挿通孔が設けられ、
前記ベース部固定具は、その一部が前記補強材に被さると共に、他の一部が前記パネル部の前記挿通孔を通過して当該パネル部の第一の面側に突出するように配置され、
前記ベース部固定具のうち、前記第一の面側に突出した部分に留め具が設けられることによって、前記ベース部が前記パネル部に固定される、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項2】
請求項1記載の部材連結具において、
ベース部の第一の面にリブが設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部固定具が、補強材に被さる部分である湾曲部と、パネル部の挿通孔を通過して当該パネル部の第一の面側に突出する部分である棒状部を備えたU字ボルトであ
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部に、クランプを取り付けるクランプ取付け部又は/及び吊り具を取り付ける吊り具取付け部が設けられ、
前記クランプ取付け部に前記クランプが取り付けられ、
前記吊り具取付け部に前記吊り具が取り付けられる、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部に、足場パネルの吊りリングが露出する、当該ベース部の周縁に達しない形状の通過孔が設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強材とパネル部を備えたパネル部材に管部材を取り付けるための部材連結具であって、
前記パネル部材のパネル部に宛がわれるベース部と、
前記ベース部を保持するベース部固定具と、
前記管部材を保持する、前記ベース部固定具とは別体のクランプを備え、
前記ベース部は、前記クランプが設けられる第一の面と当該第一の面の裏面であって前記パネル部に宛がわれる第二の面を備え、
前記ベース部に、当該ベース部の周縁に達しない形状の挿通孔が設けられ、
前記ベース部固定具は、前記ベース部の第二の面側がパネル部に宛がわれた状態で、当該ベース部固定具の一部が前記補強材に被さると共に、当該ベース部固定具の他の一部が前記パネル部に形成された孔及び前記ベース部の挿通孔を通過して当該ベース部の第一の面側に突出するように配置され、
前記ベース部固定具のうち、前記第一の面側に突出した部分に留め具が設けられることによって、前記パネル部及び補強材が前記ベース部と前記ベース部固定部の一部に挟まれた状態で、前記ベース部が前記パネル部に固定される、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項2】
請求項1記載の部材連結具において、
ベース部の第一の面にリブが設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部固定具が、補強材に被さる部分である湾曲部と、パネル部の挿通孔を通過して当該パネル部の第一の面側に突出する部分である棒状部を備えたU字ボルトである、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部に、クランプを取り付けるクランプ取付け部又は/及び吊り具を取り付ける吊り具取付け部が設けられ、
前記クランプ取付け部に前記クランプが取り付けられ、
前記吊り具取付け部に前記吊り具が取り付けられる、
ことを特徴とする部材連結具。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の部材連結具において、
ベース部に、足場パネルの吊りリングが露出する、当該ベース部の周縁に達しない形状の通過孔が設けられた、
ことを特徴とする部材連結具。