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  • 特開-タイヤの製造方法および製造装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070292
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】タイヤの製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/06 20060101AFI20240516BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20240516BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20240516BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240516BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240516BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240516BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20240516BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20240516BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20240516BHJP
   B05D 7/02 20060101ALI20240516BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20240516BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240516BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B29D30/06
B41J2/17
B41J2/175 301
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C13/02
B05D3/12 Z
B05D1/26 Z
B05D7/02
B05D7/00 K
B05D3/00 B
B05D7/24 301M
B05D3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180662
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】日野原 将太
【テーマコード(参考)】
2C056
4D075
4F041
4F042
4F215
4F501
【Fターム(参考)】
2C056EB20
2C056EB52
2C056EB55
2C056EC12
2C056EC19
2C056EC26
2C056EC36
2C056EC46
2C056FB01
4D075AC06
4D075AC09
4D075AC77
4D075AC78
4D075AC84
4D075AC88
4D075AC91
4D075BB16X
4D075BB91X
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA23
4D075DB35
4D075DC08
4D075DC13
4D075EA05
4D075EA33
4F041AA02
4F041AA07
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA22
4F041BA32
4F041BA35
4F041BA38
4F042AA02
4F042AA09
4F042BA05
4F042BA08
4F042BA09
4F042BA12
4F042CA01
4F042CA06
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB19
4F042DF05
4F042DF19
4F042DF28
4F042DF32
4F042DH09
4F215AH20
4F215VA12
4F215VA13
4F215VD01
4F215VD03
4F215VL13
4F215VL22
4F215VM06
4F501TA12
4F501TA13
4F501TC01
4F501TC03
4F501TE11
4F501TE17
4F501TF06
4F501TV00
(57)【要約】
【課題】タイヤの製造方法における均質な印字
【解決手段】
タイヤの製造方法には、ゴム部材20に文字を印字する工程を含むタイヤの製造方法であって、インクタンク13に入った液状のインク13aを攪拌しながら、ポンプ15bでインク13aを吸い上げて印字ヘッド12に供給する工程と、印字ヘッド12によってゴム部材20に印字する工程とが含まれている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム部材に文字を印字する工程を含むタイヤの製造方法であって、
インクタンクに入った液状のインクを攪拌しながら、ポンプでインクを吸い上げて印字ヘッドに供給する工程と、
前記印字ヘッドによってゴム部材に印字する工程と
を含む、
タイヤの製造方法。
【請求項2】
前記攪拌は、前記インクタンクに投入された撹拌子に前記インクタンクの外から磁力を作用させて前記撹拌子を回転させることよって行なわれる、請求項1に記載されたタイヤの製造方法。
【請求項3】
前記供給する工程において、前記インクタンクに入ったインクの量が予め定められた量よりも少なくなったときに通知が発せられる、請求項1に記載されたタイヤの製造方法。
【請求項4】
前記印字ヘッドがインクジェット方式である、請求項1に記載されたタイヤの製造方法。
【請求項5】
前記ゴム部材が、加硫前のゴム部材であり、
前記印字する工程では、前記ゴム部材を搬送しつつ、前記印字ヘットで印字される、
請求項1から4までの何れか一項に記載されたタイヤの製造方法。
【請求項6】
前記ゴム部材が、トロイダル状の加硫前のローカバーまたは加硫後のタイヤであり、
前記印字する工程では、前記ローカバーまたは前記タイヤを回転させつつ、前記印字ヘットで印字される、
請求項1から4までの何れか一項に記載されたタイヤの製造方法。
【請求項7】
印字対象となるゴム部材を支持する支持装置と、
前記支持装置に支持されたゴム部材に向けられるように構成された印字ヘッドと、
インクが入れられるインクタンクと、
前記インクタンク内のインクを攪拌させるミキサーと、
前記インクタンク内からインクを吸い上げて、前記印字ヘッドにインクを供給するための供給機構と、
を備え、
前記供給機構は、前記ミキサーが前記インクを攪拌しているときに、前記インクタンク内からインクを吸い上げるように構成された、
タイヤ製造装置。
【請求項8】
前記ミキサーが、マグネチックスターラーである、請求項7に記載されたタイヤ製造装置。
【請求項9】
前記印字対象となるゴム部材が、加硫前のゴム部材であり、
前記支持装置が、前記ゴム部材を搬送する搬送装置である、
請求項7または8に記載されたタイヤ製造装置。
【請求項10】
前記ゴム部材が、トロイダル状に成形された加硫前のローカバーまたは加硫後のタイヤであり、
前記支持装置が、前記ローカバーまたは前記タイヤを回転支持するように構成された支持装置である、請求項7または8に記載されたタイヤ製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-199041号公報には、タイヤ用カラーライン塗布装置および塗布方法が開示されている。ここで開示された塗布方法では、押出加工されたタイヤ材料を搬送しながら、その表面に連続的にカラーラインのマーキングが施される。タイヤ用カラーライン塗布装置は、カラーペイントを蓄えておくペイント補給タンクと、ペイント補給タンクに連結され、ペイント補給タンクからカラーペイントを圧力搬送するポンプと、塗布用ガンとを備えている。塗布用ガンは、ポンプに連結され、ポンプによって圧力搬送されてきたカラーペイントを取り入れて、タイヤ材料の表面にカラーラインをマーキングするように構成されている。
【0003】
特開2016-159448号公報には、タイヤ印字装置が開示されている。タイヤ印字装置は、中子支持機と、印字機とを備えている。中子支持機は、加硫金型から取り出されたタイヤ付きの剛性中子を軸心廻りで回転可能に支持する支持手段を有している。印字機は、タイヤのトレッド表面に非接触で印字する印字ヘッドと、印字ヘッドをタイヤ半径方向に移動させる移動手段と、タイヤ軸心方向に移動させる移動手段とを備えている。これにより、加硫済みタイヤの内腔形状と略等しい外形形状を有する剛性中子を用いたタイヤ製造方法(中子工法)において、ゴムストリップの剥離や外観不良を招くことなく、かつトレッド溝による文字欠け等を生じることなく印字できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-199041号公報
【特許文献2】特開2016-159448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タイヤの製造で使われる印字装置では、比較的大きいインクタンクに入れられたインクをポンプで吸い上げて印字ヘッドに供給している。本発明者が調べたところ、インクタンク内では徐々に顔料が沈殿し、インクが濃くなっていく傾向があった。また、インクタンク内のインクの濃度が高くなると、単純にインクを足すだけでは、インクの濃さが安定しなくなる。このため、インクタンクに入ったインクが少なくなり、インクタンク内のインクの濃度が高くなると、インクタンクごとインクを交換する必要があり、インクタンク内のインクを使い切れない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
タイヤの製造方法は、ゴム部材に文字を印字する工程を含むタイヤの製造方法であって、インクタンクに入った液状のインクを攪拌しながら、ポンプでインクを吸い上げて印字ヘッドに供給する工程と、印字ヘッドによってゴム部材に印字する工程とを含んでいる。
【0007】
タイヤ製造装置は、印字対象となるゴム部材を支持する支持装置と、支持装置に支持されたゴム部材に向けられるように構成された印字ヘッドと、インクが入れられるインクタンクと、インクタンク内のインクを攪拌させるミキサーと、インクタンク内からインクを吸い上げて、印字ヘッドにインクを供給するための供給機構とを備えている。ここで、供給機構は、ミキサーがインクを攪拌しているときに、インクタンク内からインクを吸い上げるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
インクタンクに入った液状のインクが攪拌されながら、ポンプでインクを吸い上げられて印字ヘッドに供給される。このため、インクの濃度が、インクタンク内で均一に保たれやすく、インクタンク内からインクを吸い上げていってもインクタンク内のインクが濃くなりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、タイヤ製造装置10の模式図である。
図2図2は、ゴム部材20が、トロイダル状に加硫成形された加硫後のタイヤである場合のタイヤ製造装置10の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、ここで開示されるタイヤの製造方法および製造装置を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、タイヤ製造装置10の模式図である。タイヤ製造装置10は、図1に示されているように、支持装置11と、印字ヘッド12と、インクタンク13と、ミキサー14と、供給機構15と、制御装置16とを備えている。
【0012】
〈支持装置11〉
支持装置11は、印字対象となるゴム部材20を支持する装置である。図1では、ゴム部材20が、加硫前のトレッドゴムである場合が図示されている。加硫前のトレッドゴムは、予め定められた厚さを有する板状のゴム部材である。トレッドゴム例えば、ローラコンベアのような搬送装置に載せられて搬送される。
【0013】
図2は、ゴム部材20が、トロイダル状に加硫成形された加硫後のタイヤである場合のタイヤ製造装置10を模式的に示す平面図である。この場合、支持装置11には、例えば、特開2016-159448号公報に開示されているような中子支持機が用いられるとよい。タイヤ20aは、支持装置11としての中子支持機に装着された状態で支持されているとよい。このとき、支持装置11としての中子支持機は、タイヤ20aを水平に回転可能に支持しており、印字ヘッド12は、外周のトレッド面20a1に向けて印字できるようにセットされているとよい。かかる構成において、支持装置11としての中子支持機は、タイヤ20aを水平に回転させつつ、印字ヘッド12によって、トレッド面20a1に印字されるように構成されているとよい。また、支持装置11としての中子支持機は、レール31に載せられており、レール31に沿って、タイヤ20aを搬送するものでもよい。なお、図示は省略するが、タイヤ成形用の成形ドラムに印字対象となるゴム部材を巻いた状態で支持するものでもよい。
【0014】
印字対象となるゴム部材20は、このように板状のゴム部材であってもよく、ローラーコンベヤのような搬送装置に支持されて搬送されてもよい。また、印字対象となるゴム部材は、トロイダル状に成形されたタイヤ用のローカバーや加硫後のタイヤでもよい。トロイダル状に成形されたタイヤ用のローカバーや加硫後のタイヤでは、支持装置11には、回転支持する支持装置が用いられうる。
【0015】
〈印字ヘッド12〉
印字ヘッド12は、図1に示されているように、支持装置11に支持されたゴム部材に向けられるように構成されている。印字ヘッド12は、例えば、インクジェット方式のインクジェットヘッドで構成されうる。
【0016】
〈インクタンク13〉
インクタンク13は、インク13aが入れられる容器である。ここで、インクは、油性インクであり、顔料を含むナフサ溶液である。インクタンク13は、例えば、ポリプロピレン製の容器でありうる。
【0017】
〈ミキサー14〉
ミキサー14は、インクタンク13内のインク13aを攪拌させる装置である。ここで、ミキサー14は、マグネチックスターラーで構成されている。マグネチックスターラーは、攪拌子14aと、載置台14bとを備えている。攪拌子14aは、予め定められた形状の磁石が樹脂で被覆されたものである。攪拌子14aは、棒磁石が樹脂で被覆された形態であるとよい。載置台14bは、インクタンク13が置かれる台であり、インクタンク13内に投入された攪拌子14aに所要の磁力を作用させるように構成されている。載置台14bとしてのマグネチックスターラーには、マークテック株式会社製、小池精密機器製作所製などの市販品を用いることができる。攪拌子14aには、アズワン株式会社製のオクタゴン回転子などを用いることができる。
【0018】
なお、載置台14bとしてのマグネチックスターラーは、エアモータで駆動するものがよい。エアモータで駆動する場合、火花が生じないので、ナフサ溶液からなる油性インクが用いられるでも、安全に扱える。インクタンク13は、蓋13bがされているとよい。蓋13bには、ゴムパッキンが付いており、気密性が確保されているとよい。これにより、インク13aの揮発を抑止できる。
【0019】
〈供給機構15〉
供給機構15は、インクタンク13内からインク13aを吸い上げて、印字ヘッド12にインク13aを供給するための機構である。この実施形態では、供給機構15は、インクタンク13から印字ヘッド12に至る供給管15aと、インクタンク13から印字ヘッド12にインク13aを送るポンプ15bとを備えている。供給機構15は、ミキサー14がインク13aを攪拌しているときに、インクタンク13内からインク13aを吸い上げるように構成されている。供給機構15は、インクタンク13から印字ヘッド12に至る供給管15aと、ポンプ15bとを備えているとよい。
【0020】
〈制御装置16〉
タイヤ製造装置10は、制御装置16を備えている。制御装置16は、ポンプ15bを駆動させて、インクタンク13内からインク13aが吸い上げられる際に、ミキサー14が駆動するように構成されているとよい。例えば、ミキサー14が停止している状態から稼働した場合、インク13aが十分に攪拌されるまで一定の時間(例えば、1分程度の時間)が必要である。この場合、例えば、制御装置16は、シーケンス制御などによって、ミキサー14が駆動してから一定の時間が経ってからインク13aが吸い上げられるように構成されているとよい。また、制御装置16は、印字ヘッド12を制御し、搬送されるゴム部材20に対して、予め定められたタイミングで予め定められた印字が行なわれるように構成されていてもよい。このように、タイヤ製造装置10は、制御装置16によって、ミキサー14がインク13aを十分に攪拌している状態で、インクタンク13内からインク13aが吸い上げ、さらに印字ヘッド12を制御してゴム部材20に印字するように構成されていてもよい。なお、ミキサー14と供給機構15とは、それぞれスイッチが設けられてよい。この場合、制御装置16によらず、例えば、人為的な操作で、ミキサー14を駆動させた状態で、供給機構15を駆動させてもよい。このことによって、ミキサー14がインク13aを攪拌しているときに、インクタンク13内からインク13aが吸い上げられることが、実現されてもよい。例えば、ミキサー14を駆動させた状態でなければ、供給機構15のスイッチが入らないように構成されていてもよい。また、他の形態として、ミキサー14は、手動でON,OFFする構造とし、制御装置16は、ポンプ15bと印字ヘッド12を操作するものでもよい。
【0021】
かかるタイヤ製造装置10によれば、インクタンク13に入った液状のインク13aが攪拌されながら、ポンプ15bで吸い上げられて印字ヘッド12に供給される。この際、インクタンク13に入った液状のインク13aが攪拌されているので、インク13aの濃度が、インクタンク13内で均一に保たれやすい。そして、インクタンク13内からインク13aを吸い上げていってもインクタンク13内のインク13aが濃くなりにくい。
【0022】
また、インクタンク13に入った液状のインク13aが攪拌されながら、ポンプ15bで吸い上げられるので、インク13aに含まれる顔料が概ね均一に混ざった状態で、印字ヘッド12にインク13aが供給される。このため、インクタンク13に入った液状のインク13aの濃度が、変わりにくく、均質に印字されやすい。また、インクタンク13に入った液状のインク13aが少なくなると、インク13aの濃度が濃くなるような事象が生じにくく、インクタンク13に入った液状のインク13aをより多く使い切りやすい。
【0023】
ここで、攪拌は、インクタンク13に投入された攪拌子14aにインクタンク13の外から磁力を作用させて攪拌子14aを回転させることよって行なわれる。このため、ポンプ15bで吸い上げつつ、攪拌するのに、攪拌子14aが邪魔になりにくい。また、インクタンク13の底面付近からインク13aを吸い上げてもインク13aが供給機構15や印字ヘッド12などで詰まりにくい。
【0024】
この実施形態では、ポンプ15bでインク13aを吸い上げて印字ヘッド12に供給する工程において、インクタンク13に入ったインク13aの量が予め定められた量よりも少なくなったときに通知が発せられる。例えば、インクタンク13内に入った、インク13aの量を検知できるセンサ13cが設けられているとよい。かかるセンサ13cには、ファイバーセンサ(例えば、キーエンス株式会社製)が用いられ得る。ファイバーセンサは、光を照射する照射部および受光部が、インクタンク13内のインク13aの液面に向けられ、インクタンク13内のインク13aの液面で反射した光を検知できるように配置されているとよい。また、インクタンク13に、内部のインク13aの量を観察するための窓が設けられており、内部のインク13aの量を目視確認できるように構成されていてもよい。
【0025】
インクタンク13に入ったインク13aの量が予め定められた量よりも少なくなったときに通知が発せられることによって、インク13aを適当なタイミングで継ぎ足すことができる。インク13aが適当なタイミングで継ぎ足された後で、ミキサー14によってインク13aが攪拌され、インクタンク13内からインク13aが吸い上げられるとよい。このように、インクタンク13に入ったインク13aが少なくなると、インク13aを継ぎ足すとよく、これにより、インク13aを廃棄せずにインク13aを使い切りやすくなる。
【0026】
以上、ここでの開示について、種々説明したが、ここでの開示は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態や変形例に限定されない。また、種々言及した実施形態や変形例の各構成は、互いに阻害しない関係であれば、適宜に組み合わせることができる。
【0027】
本発明(1)は、タイヤの製造方法に関する。
ここで、本発明(1)におけるタイヤの製造方法は、
ゴム部材に文字を印字する工程を含むタイヤの製造方法であって、
インクタンクに入った液状のインクを攪拌しながら、ポンプでインクを吸い上げて印字ヘッドに供給する工程と、
前記印字ヘッドによってゴム部材に印字する工程と
を含む。
【0028】
本発明(2)は、本発明(1)におけるタイヤの製造方法において、
前記攪拌は、前記インクタンクに投入された撹拌子に前記インクタンクの外から磁力を作用させて前記撹拌子を回転させることよって行なわれる。
【0029】
本発明(3)は、本発明(1)または(2)においけるタイヤの製造方法において、
前記供給する工程において、前記インクタンクに入ったインクの量が予め定められた量よりも少なくなったときに通知が発せられる。
【0030】
本発明(4)は、本発明(1)から(3)までの何れか一項におけるタイヤの製造方法において、前記印字ヘッドがインクジェット方式である。
【0031】
本発明(5)は、本発明(1)から(4)までの何れか一項におけるタイヤの製造方法において、
前記ゴム部材が、加硫前のゴム部材であり、
前記印字する工程では、前記ゴム部材を搬送しつつ、前記印字ヘットで印字される。
【0032】
本発明(6)は、本発明(1)から(4)までの何れか一項におけるタイヤの製造方法において、
前記ゴム部材が、トロイダル状の加硫前のローカバーまたは加硫後のタイヤであり、
前記印字する工程では、前記ローカバーまたは前記タイヤを回転させつつ、前記印字ヘットで印字される。
【0033】
本発明(7)は、タイヤ製造装置に関する。
ここで、本発明(7)におけるタイヤ製造装置は、
印字対象となるゴム部材を支持する支持装置と、
前記支持装置に支持されたゴム部材に向けられるように構成された印字ヘッドと、
インクが入れられるインクタンクと、
前記インクタンク内のインクを攪拌させるミキサーと、
前記インクタンク内からインクを吸い上げて、前記印字ヘッドにインクを供給するための供給機構と、
を備え、
前記供給機構は、前記ミキサーが前記インクを攪拌しているときに、前記インクタンク内からインクを吸い上げるように構成されている。
【0034】
本発明(8)は、本発明(7)におけるタイヤ製造装置において、
前記ミキサーが、マグネチックスターラーである。
【0035】
本発明(9)は、本発明(7)または(8)におけるタイヤ製造装置において、
前記印字対象となるゴム部材が、加硫前のゴム部材であり、
前記支持装置が、前記ゴム部材を搬送する搬送装置である。
【0036】
本発明(10)は、本発明(7)または(8)におけるタイヤ製造装置において、
前記ゴム部材が、トロイダル状に成形された加硫前のローカバーまたは加硫後のタイヤであり、
前記支持装置が、前記ローカバーまたは前記タイヤを回転支持するように構成された支持装置である。
【符号の説明】
【0037】
10 タイヤ製造装置
11 支持装置
12 印字ヘッド
13 インクタンク
13a インク
13b 蓋
13c センサ
14 ミキサー
14a 攪拌子
14b 載置台
15 供給機構
15a 供給管
15b ポンプ
16 制御装置
20 ゴム部材
20a タイヤ
20a1 トレッド面
31 レール
図1
図2