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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070293
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】ゴルフ練習装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
A63B69/36 502A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180663
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】503433903
【氏名又は名称】原田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】原田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】原田 麻衣
(57)【要約】
【課題】クラブによるフルスイング、ハーフスイング等の異なるスイング範囲のいずれにも対応可能で、分解、組立が容易で簡単に携帯でき、場所を選ばずに練習できる。
【解決手段】ベース盤1と、このベース盤1上に立脚方向、立脚角度を自在に調整して、ベース連結手段20によって立脚固定する伸縮自在な支柱10と、練習者のスイング軌道面に沿って支柱10の上端で軌道体連結手段40によって連結支持するスイング軌道アーチ体30とから成る。スイング軌道アーチ体30は、複数のアーチピース体31によって組立自在に分割し、スイング幅に対応して適数で組み合わせて接続形成するアーチピース体31をベース盤1に対して傾斜角度を自在に調整設定して支柱10によって支持する。支柱10は、スイング軌道アーチ体30の下部、左右側部それぞれを支持するようにしてある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース盤と、このベース盤上に立脚方向、立脚角度を自在に調整して立脚固定される支柱と、練習者のスイング軌道面に沿って支柱の上端で連結支持されるスイング軌道アーチ体とから成り、スイング軌道アーチ体は、複数のアーチピース体によって組立自在に分割されていて、スイング幅に対応して適数で組み合わせられて接続形成されるアーチピース体をベース盤に対して傾斜角度が自在に調整設定されて支柱に支持できるようにしてあることを特徴とするゴルフ練習装置。
【請求項2】
支柱は、スイング軌道アーチ体の下部、左右側部それぞれを支持するようにしてある請求項1に記載のゴルフ練習装置。
【請求項3】
支柱自体は伸縮自在に形成されていて、ベース連結手段を介して角度自在、方向自在にしてベース盤上に立脚支持されるようにしてあって、このベース連結手段は、ベース盤にねじ止めされる取付支持台と、支柱の下端に連繋されて、支柱の支持角度、方向を自在に調整させて取付支持台に連結される支持調整体と、支持調整体を取付支持台に固定する固定体とから成る請求項1に記載のゴルフ練習装置。
【請求項4】
支柱の上端には、スイング軌道アーチ体をベース盤に対して傾斜角度を自在に調整させて連結支持する軌道体連結手段が設けられていて、この軌道体連結手段は、スイング軌道アーチ体にねじ止めされる取付連結台と、支柱の上端に連繋されて、スイング軌道アーチ体の傾斜支持角度を自在に調整させて取付連結台に連結される支持調整体と、支持調整体を取付連結台に固定する固定体とから成る請求項1に記載のゴルフ練習装置。
【請求項5】
前記スイング軌道アーチ体は、12個のアーチピース体に分割してある請求項1に記載のゴルフ練習装置。
【請求項6】
アーチビース体は、隣接配置されるそれぞれの端部相互で弾発的に作用して着脱自在に連結する連結手段によって組立、分解自在にしてあって、連結手段は、アーチピース体のいずれか一方を雌部、他方を雄部とし、雌部は扁平な空洞状で係止口が形成されており、雄部は雌部内に強制的に挿入され、弾発付勢されていて係止口に係止あるいは解除される係止突部を有して成る請求項1に記載のゴルフ練習装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフスイング特にそのスイング軌道面に沿ったゴルフスイングを体得するにつき、番手によって異なるスイング幅に対応した練習に好適で、ドライバー等のフルスイング、アプローチ等のハーフスイング更にはパター練習のいずれも可能にし、しかも組立容易で、可搬性によってどこにでも設置して簡単に練習できるようにしたゴルフ練習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴルフスイングを練習するための各種の器具、装置が提案されており、例えば特許文献1に係る簡易型ゴルフ練習装置、特許文献2に係るゴルフスイング矯正具等がある。特許文献1に係る練習装置は、スイングするゴルフクラブの先端等をスライドさせるスイング面を有する円環状のガイドレールをスイング面の傾き角度に調整可能なようにスタンド体によって支持して成り、練習者はガイドレールに沿ってゴルフクラブをスイングするようにしている。また、特許文献2に係る矯正具は、ゴルファーのスタンス方向に沿った第1部材と、ボールの目標線に対して平行に延び、自己の整合位置を目視させる反射面を有する第2部材とを直交させて組合せ、目標線に対してスタンス幅を整合できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5379330号公報
【特許文献2】特開平11-137762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の練習用具において、特許文献1の練習装置ではガイドレールを支持するスタンド体がガイドレール全体を吊り下げ状態としてしっかりと支持するように大型に構成されているから、その解体、組立は煩雑であり、練習場所を移動するために携帯するとしても面倒な手間が掛かる。また特許文献2の矯正具は、ゴルファーが自身のスタンス幅、アドレス位置の整合を可能にしても、スイングするときのスイング面の軌道までも適正位置に矯正させることは困難である。
【0005】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的はフルスイングするドライバー、ハーフスイングするアプローチ、パター等の異なるスイング長さ(範囲)のいずれにも対応可能で、分解、組立が容易で携帯することで場所を選ばずに練習でき、アドレス時のスタンス幅等を確認してそれぞれのショットに対応したスイング軌道を体得できるようにしたゴルフ練習装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、ベース盤1と、このベース盤1上に立脚方向、立脚角度を自在に調整して立脚固定される支柱10と、練習者のスイング軌道面に沿って支柱10の上端で連結支持されるスイング軌道アーチ体30とから成り、スイング軌道アーチ体30は、複数のアーチピース体31によって組立自在に分割されていて、スイング幅に対応して適数で組み合わせられて接続形成されるアーチピース体31をベース盤1に対して傾斜角度が自在に調整設定されて支柱10に支持できるようにしてあることを特徴とする。
支柱10は、スイング軌道アーチ体30の下部、左右側部それぞれを支持するようにして構成することができる。
また、支柱10自体は伸縮自在に形成されていて、ベース連結手段20を介して角度自在、方向自在にしてベース盤1上に立脚支持されるようにしてあって、このベース連結手段20は、ベース盤1にねじ止めされる取付支持台21と、支柱10の下端に連繋されて、支柱10の支持角度、方向を自在に調整させて取付支持台21に連結される支持調整体23と、支持調整体23を取付支持台21に固定する固定体24とから構成することができる。
支柱10の上端には、スイング軌道アーチ体30をベース盤1に対して傾斜角度を自在に調整させて連結支持する軌道体連結手段40が設けられていて、この軌道体連結手段40は、スイング軌道アーチ体30にねじ止めされる取付連結台41と、支柱10の上端に連繋されて、スイング軌道アーチ体30の傾斜支持角度を自在に調整させて取付連結台41に連結される支持調整体43と、支持調整体43を取付連結台41に固定する固定体44とから構成することができる。
前記スイング軌道アーチ体30は、12個のアーチピース体31に分割して構成することができる。
アーチピース体31は、隣接配置されるそれぞれの端部相互で弾発的に作用して着脱自在に連結する連結手段32によって組立、分解自在にしてあって、連結手段32は、アーチピース体31のいずれか一方を雌部33、他方を雄部35とし、雌部33は扁平な空洞状で係止口34が形成されており、雄部35は雌部33内に強制的に挿入され、弾発付勢されていて係止口34に係止あるいは解除される係止突部36を有して構成することができる。
【0007】
以上のように構成された本発明に係るゴルフ練習装置にあって、ベース盤1上で支柱10によって調整された傾斜角度で支持されて組み立てられたスイング軌道アーチ体30は、このスイング軌道アーチ体30の後方から入り込むようにしてスタンスした練習者が、スイング軌道アーチ体30による軌道面に沿ってスイングすることで、練習者をしてクラブそれぞれに対応したスイング軌道を体得させる。
スイング軌道アーチ体30は、その下部、左右側部を支持連結する支柱10によって下方から支持され、スイング軌道アーチ体30の上方では部材その他が存せず、練習者によるスイング練習を妨げない。
ベース盤1上でスイング軌道アーチ体30を支持する伸縮自在な支柱10は、ベース盤1にはベース連結手段20によって立脚支持され、軌道体連結手段40によってスイング軌道アーチ体30を連結支持し、それぞれで角度自在、方向性が自在とされていることで、スイング軌道アーチ体30をベース盤1に対して所定の高さ位置で、また傾斜角度を調整させて、練習者それぞれにおける適正なスイング軌道面に対応させる。
スイング軌道アーチ体30は、12個のアーチピース体31に分割され、相互に連結されることで360度のリング状、あるいは所定の角度範囲となるように円弧状の組立を選択させ、フルスイングのドライバーショット等、ハーフスイングのアプローチショット、更にはパター等のそれぞれのスイング幅に対応可能にさせて組立させる。
スイング軌道アーチ体30におけるアーチピース体31それぞれは、隣接する端部相互間に形成した雌部33、雄部35相互が弾発的に係止し、また解除される連結手段32によって連結あるいは分解可能にしてあることで、練習場所において簡単に連結して組み立てさせる。しかも、全部のアーチピース体31によるリング状、一部のアーチピース体31の組合せによる部分的な円弧状とすることで、フルスイング、ハーフスイング等のスイング幅に対応させた所定数のアーチピース体31による組立を選択させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は以上説明したように構成されているため、ゴルフ特にそのスイング軌道を適正な軌道面に沿うようにし、またドライバーショット等のフルスイング、アプローチショット等のハーフスイング等にそれぞれ対応して組立使用でき、またそれぞれの部材に分解可能で携帯が容易であり、練習現場において組み立てることで練習場所に制約されることなく練習可能である。
【0009】
すなわちこれは本発明において、ベース盤1上に立脚方向、立脚角度を自在に調整して立脚固定される支柱10と、スイング軌道面に沿って支柱10で連結支持されるスイング軌道アーチ体30とから成り、スイング軌道アーチ体30は、複数のアーチピース体31に分割されていて、スイング幅に対応して組み合わせ形成されるアーチピース体31をベース盤1に対して傾斜角度が調整設定されて支柱10に支持されるようにしたからである。これによって、スイング幅に対応した適正なスイング軌道面の体得、分解・組立によるコンパクトな携帯可搬性、練習場所における設置容易性等を図ることができる。
【0010】
また、スイング軌道アーチ体30はベース盤1に立脚固定される支柱10によって、スイング軌道アーチ体30の下部、左右側部の下方から支持されることで、スイング軌道アーチ体30の後方から入り込んでスイングする練習者のスイングの邪魔になる部材はなく、スイング・ショットの軌道面に沿ったゴルフスイングを安心して練習でき、適正な軌道面による矯正も可能にする。
【0011】
ベース盤1上に支柱10を立脚支持するベース連結手段20は、ベース盤1にねじ止めされる取付支持台21に、支柱10の下端に連繋されていて、支柱10の支持角度、方向を自在に調整させる支持調整体23を連結し、固定体24によって支持調整体23を取付支持台21に固定するようにしてあることで、支柱10をベース盤1上で角度、方向を自在に調整でき、支柱10が伸縮自在であることと相俟ち、支柱10によって支持するスイング軌道アーチ体30において設定される傾斜角度に対応して調整できる。
【0012】
支柱10の上端でスイング軌道アーチ体30を連結支持する軌道体連結手段40は、スイング軌道アーチ体30にねじ止めされる取付連結台41に、支柱10の上端に連繋されて、スイング軌道アーチ体30の傾斜支持角度を自在に調整させる支持調整体43を連結し、固定体44によって支持調整体43を取付連結台41に固定するようにしてあることで、支柱10の上端位置でスイング軌道アーチ体30をベース盤1に対して傾斜角度を自在に調整して連結支持でき、支柱10の伸縮自在性と相俟って練習者に対する適正なスイング軌道面を提供でき、その矯正によって練習者に好適なスイング軌道面を体得させることができる。
【0013】
スイング軌道アーチ体30は12個のアーチピース体31によって分割構成されていることで、フルスイングはもとより、アプローチショット等のハーフスイングの練習では、例えばその1/2前後数で構成される6乃至7個のアーチピース体31によって半円形状の軌道面を形成できる。また、パターの練習では、例えばその1/4程度の数で構成される3個のアーチピース体31によって90度程度の軌道面を形成でき、スイング幅に対応したスイング軌道面を簡単に構成できる。
【0014】
アーチピース体31は、隣接配置されるそれぞれの端部相互を弾発的作用で着脱自在に連結する雌雄嵌合構成の連結手段32によって組立、分解自在にしてあることで、全部によるリング構成、一部による円弧構成を簡単に組立セットできる。しかも、連結手段32の雌部33は扁平な空洞状で係止口34が形成されており、雄部35は雌部33内に強制挿入され、弾発付勢されて係止口34に係止あるいは解除される係止突部36を有していることで、連結手段32による強制的な係止による雌雄嵌合で連結でき、係止突部36の係止口34から内方への押圧による強制的な解除によって分離解体でき、面倒な手間が掛からないで済む。
【0015】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を実施するための一形態を示す使用時の斜視図である。
図2】同じく側面図である。
図3】同じく例えばドライバーショット練習に対応した組立時の正面図である。
図4】同じく例えばアプローチショット練習に対応した組立時の正面図である。
図5】同じく例えばパター練習に対応した組立時の正面図である。
図6】同じくスイング軌道アーチ体の分解図である。
図7】同じく支柱の正断面図である。
図8】同じくベース盤と支柱との連結組立構造を示す組立断面図である。
図9】同じく支柱とスイング軌道アーチ体との連結組立構造を示す組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は練習場所において載置されるベース盤であり、このベース盤1は、適宜肉厚の板状材にて形成されており、例えば肉厚が5~10mm程度のアクリル樹脂板やゴム製マット材としてあり、ゴム材製であると非使用時では巻回してコンパクトに纏められるようになっている。
【0018】
ベース盤1は、練習者が乗ってスイング練習を行えるように、例えば平面から見て前後奥行き長さが50cm、左右幅員が80cm程度の長方形状に形成されていて、前方側には例えば中心位置から左右方向に沿って5cm毎に目盛りを表示したスタンス幅確認部2を形成してある。なお、このスタンス幅確認部2は、ゴルフ練習者それぞれに対応したスタンス幅を確認させることにある。
【0019】
また、ベース盤1には、このベース盤1の上方位置に適数の支柱10によってスイング軌道アーチ体30が支持されている。図示のように、スイング軌道アーチ体30は、支柱10によって後傾姿勢・状態で支持され、後方から入り込んだ練習者がスイング練習するときの適正とされるクラブのスイング軌道面に沿うように、これに対応して設定配置されるようにしてある。
【0020】
支柱10は、後傾状態とさせるスイング軌道アーチ体30の最低位置部位を支持する第1の支柱10A、スイング軌道アーチ体30の左右部位それぞれを支持する第2の支柱10Bの、例えば計3本を1組とすることで構成されている。なお、第1の支柱10Aはベース盤1の前部側中央位置に設定され、第2の支柱10Bは同様に左右位置、例えばベース盤1上に乗った練習者の例えば後方脇位置に設定され、いずれもクラブのスイングの軌道面の後方位置とされ、スイングの邪魔にならない位置に配置される。
【0021】
これらの第1の支柱10A、第2の支柱10Bを説明するに、これらはスイング軌道アーチ体30を支持する位置及び支持する高さに対応して長さが異なること以外に相違はないので、支柱10として同一符号によって構造を説明する。
【0022】
図示のように、支柱10は、伸縮自在で、外側でねじ止めされることで伸縮位置が固定される大小径の例えばパイプ材の組合せから成っている。そして、この支柱10には、これの下端には、前記ベース盤1に傾斜角度を自在にして連結されるベース連結手段20が、同じく上端には、前記スイング軌道アーチ体30をその傾斜角度を自在にして連結支持する軌道体連結手段40がそれぞれ設けられる。
【0023】
支柱10は、図7に示すように、小径の一方のパイプ材11が大径の他方のパイプ材12に引き入れあるいは引き出し可能にすることで伸縮自在となっていて、例えば大径のパイプ材12の端部にねじ止めしてある締付リング13によって、パイプ材12の内径を窄めあるいは拡開することで、パイプ材12に対する締付、開放によって支柱10全体の長
さ(高さ)を自在に調整できるようにしてある。なお、第1の支柱10Aでは例えば50~80cm程度、第2の支柱10Bでは例えば80~120cm程度で調整できるようにしてあるも、もとよりこれらに限定されるものではない。
【0024】
ベース連結手段20は、ベース盤1にねじ止めされる取付支持台21と、支柱10の下端に連繋されて、支柱10の支持角度、方向を自在に調整させて取付支持台21に連結される支持調整体23と、支持調整体23を取付支持台21に固定する固定体24とから成る。
【0025】
取付支持台21は、図8に示すように、スイング軌道アーチ体30を支持する支柱10の位置に対応してベース盤1に例えば開穿されている取付孔にベース盤1の底面から挿通させた取付ネジ22に、ベース盤1上でねじ止め固定される例えば円柱ブロック状に形成されている。なお、取付ネジ22は、ベース盤1の下面に形成された窪み部分に収納されるようにしてあって、練習場所に載置したベース盤1ガタつかないようにしている。
【0026】
支持調整体23は、取付支持台21の上部に球体偶構造で挿入されている球体部と、この球体部に一体形成したネジ棒部とから成っていて、球体部は取付支持台21内で取付支持台21に対して任意な方向で角度自在に調整し、選定できるようにしてある。そして、ネジ棒部は、支柱10の下端に設けてあるメネジ孔にねじ込み可能にしてあって、取付支持台21と共に支柱10の傾斜角度を調整して立脚支持するようにしている。
【0027】
固定体24は、取付支持台21に挿入されている支持調整体23の球体部を固定支持するもので、球体部を取付支持台21の内部で囲繞支持しているスライド体25を取付支持台21内でスライドさせるように、先端をスライド体25に突き当てた状態で取付支持台21の外側からねじ込まれている。支持調整体23による支柱10の支持方向、傾き角度等の設定後の支持調整体23を、固定体24をねじ込むことでスライド体25、球体部を介して固定支持するようにしてある。
【0028】
スイング軌道アーチ体30は、練習者がクラブをスイングしたときのクラブの適正な軌道面に沿った軌道面(スイングプレーン)を形成しており、直径は例えば180cm程度としてあるも、練習者のスイング軌道の大小に対応して適宜に選定される。そして、図示のように12分割されたアーチピース体31相互の連結によって組み立てられ、またそれぞれのアーチピース体31に分割・分解されるようにしてある。また、スイング練習には、時計の時数表示を利用してスイングが半円軌道であると例えば「4時から8時までの間」あるいは「5時から7時までの間」というように表現されることがあるのに対応して、アーチピース体31には数字の「1」から「12」を表示してあり、頂部位置が「12」としてある。
【0029】
アーチピース体31は、円周の約1/12の長さの所定幅員の円弧板状を呈していて、アーチピース体31同士は、隣接するアーチピース体31それぞれの端部で、弾発的に作用することで係止連結あるいは係止解除されることで着脱自在に連結する連結手段32によって、組立、分解自在にしてある。なお、アーチピース体31は、図示のように、表面側では周縁が隆起した突条部としてあって、内側が窪んでいることで後述する連結ネジ42の頭部がアーチピース体31の表面から突出しないようにし、スイングする際のゴルフクラブがスイング軌道アーチ体30の表面に衝接することがあっても移動の障害とならずに滑らかに移動できるようにしている。
【0030】
この連結手段32は、図6に示すように、アーチピース体31のいずれか一方を雌部33、他方を雄部35として、これらの雌部33、雄部35相互を、弾発作用を利用して連結し、その弾発作用を解除することで離反、解体できるようにしている。
【0031】
雌部33は扁平な空洞状で例えば左右方向に沿うスリット状の係止口34が形成されており、雄部35は雌部33内に強制的に挿入係止されたとき、係止口34に係止するよう弾発付勢されている係止突部36を有する。この係止突部36は雌部33の内側面に沿って弾発力に抗して挿入されると雌部33内で倒伏されるも、係止口34位置に至ると復元する弾発作用で起立して係止口34に係止する。こうすることで、雌部33と雄部35とは係止状態となり、隣接するアーチピース体31相互は連結状態となる。
【0032】
そして、雌部33には解除操作口37が開口形成されていて、雄部35にはこの解除操作口37に嵌合する押圧操作突部38が設けられている。そして、雌部33に雄部35を挿入したとき、係止口34に係止突部36が係止すると同時に解除操作口37に押圧操作突部38が嵌合するようにしてあり、押圧操作突部38を強制的に押し込むと、係止口34から係止突部36をも解除し、雄部35を引出後退させることで、連結状態を解放でき、アーチピース体31それぞれに分割・分離できるようにしてある。
【0033】
また,支柱10の上端に連結されている前記軌道体連結手段40は、前記ベース連結手段20とほぼ同構成のものとしてあって、スイング軌道アーチ体30を、練習者における適正なスイング軌道に対応してベース盤1に対する傾斜角度を自在に調整させて支持できるようにしている。
【0034】
この軌道体連結手段40は、スイング軌道アーチ体30にねじ止めされる取付連結台41と、支柱10の上端に連繋されて、スイング軌道アーチ体30の傾斜支持角度を自在に調整させて取付連結台41に連結される支持調整体43と、支持調整体43を取付連結台41に固定する固定体44とから成る。
【0035】
取付連結台41は、図9に示すように、スイング軌道アーチ体30を連結支持する支柱10の位置に対応してスイング軌道アーチ体30自体に、周縁が肉厚となって補強されていることで、例えば開穿されている連結孔39にスイング軌道アーチ体30の上面から挿通させた連結ネジ42に、スイング軌道アーチ体30の下面でねじ止め固定される例えば円柱ブロック状に形成されている。
【0036】
支持調整体43は、取付連結台41の下部に球体偶構造で挿入されている球体部と、この球体部に一体形成したネジ棒部とから成っていて、球体部は取付連結台41内で支柱10に対する傾斜連結角度を自在に調整し、選定できるようにしてある。そして、ネジ棒部は、支柱10の上端に設けてあるメネジ孔にねじ込み可能にしてあって、取付連結台41と共にスイング軌道アーチ体30の傾斜角度を調整して連結するようにしている。
【0037】
固定体44は、取付連結台41に挿入されている支持調整体43の球体部を固定支持するもので、球体部を取付連結台41の内部で囲繞支持しているスライド体45を取付連結台41内でスライドさせるように、先端をスライド体45に突き当てた状態で取付連結台41の外側からねじ込まれている。支持調整体43によるスイング軌道アーチ体30の傾き角度、支持方向等の設定後の支持調整体43を、固定体44をねじ込むことでスライド体45、球体部を介して固定支持するようにしてある。
【0038】
また、図示のように、3本の支柱10によってスイング軌道アーチ体30を連結支持するに、例えばスイング軌道アーチ体30における下部位置、左右側部位置の計3カ所で支柱10によってスイング軌道アーチ体30が連結支持される。そのため、スイング軌道アーチ体30における、例えばいわゆる6時位置、3時位置、9時位置に配置されるアーチピース体31に前記連結ネジ42が挿通される前記連結孔39が開穿形成されている。なお、必要があれば、4本以上の支柱10によって4カ所以上でスイング軌道アーチ体30を支持するようにしてもよく、また、その連結支持位置も図示例に限定されない。
【0039】
次にこれの使用の一例を説明すると、ゴルフスイングを練習する場所において、本発明装置を組立設置するのであり、まず、ベース盤1における支柱10の支持位置で、支柱10A、10Bを立脚状にベース連結手段20によって支持固定する。一方、隣接するアーチピース体31相互を連結してスイング軌道アーチ体30を組み立てておく。次いで、支柱10A、10Bそれぞれの上端にスイング軌道アーチ体30を持ち来し、仮にセットすると共に、軌道体連結手段40によって支柱10A、10B上に固定連結する。固定連結するに際し、練習者における適正なスイング軌道面に沿った傾斜角度に調整し、固定する。なお、支柱10A、10Bとスイング軌道アーチ体30との固定連結に際し、分割されているアーチピース体31の必要部分を先ず連結し、その後に順次に連結して軌道面を構成するようにしてもよい。
【0040】
図1図3においては、ドライバーその他を練習に対応するフルスイングの軌道面とする場合であり、図4においては、いわゆるビジネスゾーンのショットに対応するアプローチ用のクラブのスイングの軌道面とする場合であり、図5においては、例えばパター用のスイングの軌道面とする場合である。いずれにしても、スイングの軌道範囲に対応して、スイング軌道アーチ体30の全部あるいは一部によって組み立てて分割使用できるようにしてある。
【0041】
なお、ドライバーショットの軌道面では、スイング軌道アーチ体30における後傾の傾斜角度は大きく、ビジネスゾーンのショットの軌道面ではやや小さくなり、パターのスイング軌道面では、鉛直面にほぼ沿うようにそれぞれの傾斜角度は、ベース連結手段20、軌道体連結手段40それぞれにおいて調整される。
【0042】
なお、練習者におけるスタンス幅は、ベース盤1上に表示されている前記スタンス幅確認部2によって確認すればよい。
【0043】
本発明装置を使用した練習状況を動画撮影し、それを指導者に提供することで、より的確なスイングとすることのアドバイスを具体的に得ることも可能である。
【0044】
また、本発明装置は、ベース盤1、支柱10、スイング軌道アーチ体30それぞれに、更にはそれらを縮小し、分割した各パーツに分解することでコンパクトに纏められ、携帯も容易であり、練習場のみならず、場所を選ばずに組立使用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…ベース盤
2…スタンス幅確認部
10,10A,10B…支柱
11…パイプ材
12…パイプ材
13…締付リング
20…ベース連結手段
21…取付支持台
22…取付ネジ
23…支持調整体
24…固定体
25…スライド体
30…スイング軌道アーチ体
31…アーチピース体
32…連結手段
33…雌部
34…係止口
35…雄部
36…係止突部
37…解除操作口
38…押圧操作突部
39…連結孔
40…軌道体連結手段
41…取付連結台
42…連結ネジ
43…支持調整体
44…固定体
45…スライド体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9