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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070322
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180725
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】坂原 洋人
(72)【発明者】
【氏名】松崎 剛之
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS03
3C707CS08
3C707ES03
3C707ET08
3C707HT20
3C707HT22
3C707KS33
3C707KW03
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】人間による搬送が困難な重量の搬送対象物を、より簡易な構成によって搬送することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置100は、水平面内の第1の方向において離間して配置されており、搬送対象物5を同時に保持する第1及び第2のハンド部1,2と、第1及び第2のハンド部1,2をそれぞれ第1の方向に移動させる第1の移動部10と、第1の移動部10を水平面内の第1の方向に垂直な第2の方向に移動させる第2の移動部20と、第2の移動部20を、鉛直方向に移動させる第3の移動部30と、第3の移動部30が固定された台車40とを備える。このような構成により、搬送対象物5を保持する第1及び第2のハンド部1,2を簡易な構成によって移動させることができ、可搬重量をより大きくすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面内の第1の方向において離間して配置されており、搬送対象物を同時に保持する第1及び第2のハンド部と、
前記第1及び第2のハンド部をそれぞれ前記第1の方向に移動させる第1の移動部と、
前記第1の移動部を水平面内の前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動させる第2の移動部と、
前記第2の移動部を、鉛直方向に移動させる第3の移動部と、
前記第3の移動部が固定された台車と、を備えた搬送装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のハンド部は、前記搬送対象物を吊り下げて保持する、請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のハンド部は、搬送対象物を前記第1の方向の両側から挟んで保持する、請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1及び第2のハンド部は、電磁石によって搬送対象物を保持する、請求項1記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1から第3の移動部をそれぞれ制御する制御部をさらに備え、
前記第1及び第2のハンド部は、搬送対象物の重量を取得するセンサをそれぞれ有しており、
前記制御部は、前記第1及び第2のハンド部が有する各センサによって取得された重量が一致している際に、前記第3の移動部を制御して前記第2の移動部を上方に移動させる、請求項1から請求項4のいずれか記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物を同時に保持する一対のハンド部を3軸方向に移動させることができる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造現場などにおいて、人間では搬送することが困難な重量の搬送対象物、例えば、溶接の治具やプラズマ電源などを搬送したいという要望がある。そのような搬送対象物を搬送するため、フォークリフトを用いることも考えられるが、フォークリフトで搬送するほど搬送対象物の重量が大きくないこともある。また、搬送対象物がパレットに載置されていない場合には、フォークリフトで搬送することが困難である。
【0003】
そのような搬送対象物をマニピュレータで搬送することも考えられるが、マニピュレータのハンド部が、搬送対象物の重心付近を保持することができない場合には、搬送対象物の搬送時にハンド部に対してモーメントが掛かることになる。そのモーメントに対応するためにはマニピュレータの強度を向上させる必要があり、マニピュレータが大型化するという問題がある。
【0004】
このモーメントの問題は、双腕のマニピュレータを用いて搬送対象物を2箇所で同時に保持することによって解決することができる。そのような双腕ロボットについて、動作範囲や作業性を向上させるための工夫などが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-189364号公報
【特許文献2】特開2022-108837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、汎用性の高い双腕ロボットは軸数が多いため、マニピュレータ自体が重くなる。そのため、可搬重量を増やすためには、各軸に高出力のモータを使用する必要があり、双腕ロボットが大型化するという問題がある。一方、双腕ロボットを大型化しない場合には、可搬重量が小さくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、人間では搬送することが困難な重量の搬送対象物を、より簡易な構成によって搬送することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様による搬送装置は、水平面内の第1の方向において離間して配置されており、搬送対象物を同時に保持する第1及び第2のハンド部と、第1及び第2のハンド部をそれぞれ第1の方向に移動させる第1の移動部と、第1の移動部を水平面内の第1の方向に垂直な第2の方向に移動させる第2の移動部と、第2の移動部を、鉛直方向に移動させる第3の移動部と、第3の移動部が固定された台車と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様による搬送装置によれば、搬送対象物を同時に保持する一対のハンド部を移動させる構成を簡易なものにすることによって、可搬重量をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態による搬送装置の構成を示す斜視図
図2A】同実施の形態におけるハンド部と搬送対象物との一例を示す正面図
図2B】同実施の形態におけるハンド部と搬送対象物との一例を示す正面図
図2C】同実施の形態におけるハンド部と搬送対象物との一例を示す正面図
図2D】同実施の形態におけるハンド部と搬送対象物との一例を示す正面図
図3】同実施の形態による搬送装置の機能を示す機能ブロック図
図4】同実施の形態による搬送装置の動作を示すフローチャート
図5A】同実施の形態における搬送対象物の一例を示す斜視図
図5B】同実施の形態における搬送対象物及び保持部の一例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による搬送装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による搬送装置は、2個のハンド部を3軸方向に移動させる第1から第3の移動部を有し、基端側の第3の移動部が台車に固定されているものである。
【0012】
図1は、本実施の形態による搬送装置100を示す斜視図であり、図2Aは、搬送対象物5を保持している状態の第1及び第2のハンド部1,2を示す正面図であり、図3は、搬送装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【0013】
搬送装置100は、第1のハンド部1と、第2のハンド部2と、受付部7と、制御部8と、第1の移動部10と、第2の移動部20と、第3の移動部30と、台車40とを備える。
【0014】
第1のハンド部1、及び第2のハンド部2は、水平面内の第1の方向において離間して配置されている。また、第1のハンド部1、及び第2のハンド部2は、搬送対象物5を同時に保持するものである。第1及び第2のハンド部1,2によって搬送対象物5を同時に保持することによって、上記したモーメントの問題を解決することができ、第1から第3の移動部10,20,30を大型化しなくてもよくなる。第1のハンド部1は、例えば、第1の基部1aと、搬送対象物5を保持する第1の保持部1bと、第1の保持部1bで保持されている搬送対象物5の重量を取得するための第1のセンサ1cとを有してもよい。第2のハンド部2は、例えば、第2の基部2aと、搬送対象物5を保持する第2の保持部2bと、第2の保持部2bで保持されている搬送対象物5の重量を取得するための第2のセンサ2cとを有してもよい。第1及び第2の保持部1b,2bはそれぞれ、第1及び第2の基部1a,2aに直接または間接に接続されていてもよい。
【0015】
第1のセンサ1cによって、第1の保持部1bに掛かる重量が取得され、第2のセンサ2cによって、第2の保持部2bに掛かる重量が取得される。第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得される重量の合計は、例えば、搬送対象物5の重量となってもよく、または搬送対象物5の重量に第1及び第2の保持部1b,2bの重量を加算したものであってもよい。第1及び第2のセンサ1c,2cは、例えば、外力を検出するためのセンサであってもよく、重量センサであってもよい。外力を検出するためのセンサは、例えば、3軸または6軸の力覚センサであってもよい。第1及び第2のセンサ1c,2cが外力を検出するためのセンサである場合には、そのセンサが第1及び第2のハンド部1,2で保持された搬送対象物5の重量を測定できるように配置されていることが好適である。
【0016】
第1及び第2のハンド部1,2は、第1から第3の移動部10,20,30によって、水平面内における第1の方向及び第2の方向、並びに鉛直方向に移動される。なお、第2の方向は、第1の方向に垂直な方向である。すなわち、第1及び第2のハンド部1,2は、直交座標系における3軸の方向にそれぞれ移動されることになる。本実施の形態では、第1の方向、第2の方向、鉛直方向がそれぞれ、図1で示されるy軸方向、x軸方向、z軸方向であるとする。
【0017】
第1及び第2のハンド部1,2が搬送対象物5を保持する方法は問わない。図1図2Aで示されるように、第1及び第2のハンド部1,2は、搬送対象物5を吊り下げて保持してもよい。なお、本実施の形態では、搬送対象物5を吊り下げて保持する第1及び第2の保持部1b,2bの断面がJ字形状である場合について主に説明するが、後述するように、第1及び第2の保持部1b,2bの断面は他の形状であってもよい。また、後述するように、第1及び第2のハンド部1,2は、搬送対象物5を両側から挟んで保持してもよく、電磁石によって搬送対象物5を保持してもよく、真空吸着機構によって搬送対象物5を保持してもよく、その他の方法によって搬送対象物5を保持してもよい。
【0018】
搬送対象物5は特に限定されないが、例えば、プラズマ電源や溶接の治具などのように、製造現場で用いられるものであってもよい。搬送対象物5の重量は特に限定されないが、人間による搬送が困難な重量、例えば、30kg以上であってもよく、50kg以上であってもよい。また、搬送対象物5の重量は、フォークリフトなどの大型の運搬車両を用いる必要のない程度の重量、例えば、200kg以下であってもよく、150kg以下であってもよく、100kg以下であってもよい。
【0019】
図1等では、一例として、搬送対象物5が板状の部材である場合について示しているが、搬送対象物5は、立体的な物体であってもよく、板状の部材に別の装置などが載置されたものであってもよい。後者の場合には、例えば、板状の部材と、その板状の部材に載置されている装置などの載置物とが搬送対象物5であってもよい。また、搬送対象物5が第1及び第2のハンド部1,2によって吊り下げられる場合には、図1等に示されるように、搬送対象物5に取っ手などの2個の被保持部5aが設けられていてもよい。そして、被保持部5aが第1及び第2の保持部1b,2bによって吊り下げれられることによって、搬送対象物5が第1及び第2のハンド部1,2によって保持されてもよい。
【0020】
受付部7は、ユーザから操作や指示を受け付けてもよい。受付部7は、例えば、第1から第3の移動部10,20,30に関する操作や指示を受け付けてもよく、台車40に関する操作や指示を受け付けてもよい。ここで、この受け付けは、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報の受け付けでもよく、有線または無線の通信回線を介して送信された情報の受信でもよい。なお、受付部7は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、入力デバイス、通信デバイスなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部7は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0021】
制御部8は、第1の移動部10、第2の移動部20、及び第3の移動部30をそれぞれ制御する。この制御部8による制御によって、例えば、搬送対象物5が第1及び第2のハンド部1,2によって保持されたり、またその保持が解除されたりすることになる。また、この制御によって、搬送対象物5の位置決めなどの局所的な搬送が行われることになる。また、例えば、台車40が駆動手段を有している場合には、制御部8は、台車40の移動制御をも行ってもよい。これらの制御は、例えば、受付部7によって受け付けられた操作や指示に応じて行われてもよい。台車40の移動制御は、例えば、受付部7によって受け付けられた操作に応じた移動方向や移動速度に関する移動制御であってもよく、あらかじめ決められた出発地から目的地までの自律的な移動制御であってもよい。なお、制御部8による具体的な制御については後述する。
【0022】
第1の移動部10は、第1及び第2のハンド部1,2を支持しており、その第1及び第2のハンド部1,2をそれぞれ第1の方向に移動させる。第1の移動部10は、例えば、第1及び第2のハンド部1,2を第1の方向にそれぞれ独立して移動できることが好適である。第1の移動部10によって、第1及び第2のハンド部1,2を移動することによって、例えば、第1及び第2のハンド部1,2による搬送対象物5の保持を行ったり、その保持を解除したりすることができる。また、第1の移動部10によって、第1及び第2のハンド部1,2を同時に同じ向きに移動させることによって、例えば、第1及び第2のハンド部1,2によって保持されている搬送対象物5を第1の方向に移動させることもできる。
【0023】
第1の移動部10は、一例として、第1及び第2のハンド部1,2を支持する第1の支持部11と、第1の支持部11に対して第1及び第2のハンド部1,2を第1の方向に移動させるリニアアクチュエータとを有していてもよい。より具体的には、第1の方向に延びる第1の支持部11の底面に第1の方向に沿ったガイドが設けられており、そのガイドにスライダが第1の方向にスライド可能に組み付けられていてもよい。そして、第1及び第2のハンド部1,2の第1及び第2の基部1a,2aがそれぞれ異なるスライダに固定されていてもよい。
【0024】
第2の移動部20は、第1の移動部10を支持しており、その第1の移動部10を第2の方向に移動させる。したがって、第2の移動部20によって、第1及び第2のハンド部1,2が一緒に第2の方向に移動されることになる。第2の移動部20は、一例として、第1の移動部10の第1の支持部11を支持する第2の支持部21と、第2の支持部21に対して第1の支持部11を第2の方向に移動させるリニアアクチュエータとを有していてもよい。より具体的には、第2の方向に延びる第2の支持部21の底面に第2の方向に沿ったガイドが設けられており、そのガイドにスライダが第2の方向にスライド可能に組み付けられていてもよい。そして、第1の支持部11の上面がそのスライダに固定されていてもよい。
【0025】
第3の移動部30は、第2の移動部20を支持しており、その第2の移動部20を鉛直方向に移動させる。したがって、第3の移動部30によって、第1及び第2のハンド部1,2が一緒に鉛直方向に移動されることになる。第3の移動部30は、一例として、第1の方向に離間して配置された一対の支柱31,32と、支柱31,32の上端側を繋ぐ上面板33と、一対の支柱31,32によって端部が支持されており、第2の移動部20の第2の支持部21を支持する昇降部34と、昇降部34を一対の支柱31,32に対して鉛直方向に同期して移動させる一対のリニアアクチュエータとを有していてもよい。より具体的には、鉛直方向に延びる支柱31,32の昇降部34側の面にそれぞれ鉛直方向に沿ったガイドが設けられており、そのガイドにスライダが鉛直方向にスライド可能に組み付けられていてもよい。そして、昇降部34の第1の方向の両端がそれぞれスライダに固定されていてもよい。
【0026】
第1から第3の移動部10,20,30において、例えば、スライダは、平行に設けられた2以上のガイドに組み付けられていてもよい。また、第1から第3の移動部10,20,30が有するリニアアクチュエータはそれぞれ独立して、例えば、ラックアンドピニオン機構と、ピニオンを回転させる駆動手段とを有するものであってもよく、ボールねじ機構と、ボールねじ機構のねじ軸を回転させる駆動手段とを有するものであってもよく、一対のプーリと、その一対のプーリに掛け渡された無端のベルトと、プーリを回転させる駆動手段とを有するものであってもよく、そのプーリ及びベルトに代えてスプロケット及びチェーンを用いたものであってもよく、その他の構成であってもよい。第1及び第2のハンド部1,2を第1の方向にそれぞれ独立して移動させるため、第1の移動部10は、第1のハンド部1を移動させるリニアアクチュエータと、第2のハンド部2を移動させるリニアアクチュエータとを有していてもよい。なお、ガイドやスライダ、リニアアクチュエータなどを用いて支持対象を直線方向に移動させる機構はすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。図1では、ガイドやスライダ、リニアアクチュエータの図示は省略している。
【0027】
台車40には、第3の移動部30が固定されている。なお、第3の移動部30の基端側、すなわち下方側の端部が台車40に固定されていてもよい。台車40は、一例として、第3の移動部30の基端側が固定された基台41と、基台41に固定されており、床面などの走行面を走行可能な複数の走行手段42とを有してもよい。基台41は、一例として、板状の部材であってもよい。走行手段42は、通常、車輪であるが、車輪以外のローラ、無限軌道、ボールを有するボールキャスタなどであってもよい。また、台車40は、走行手段42を駆動するための駆動手段を有していてもよく、または、そうでなくてもよい。後者の場合には、台車40は、手動で移動されてもよい。また、手動で移動される台車40は、第1から第3の移動部10,20,30による搬送対象物5の局所的な搬送を行う際に台車40が動かないように走行手段42を固定するための固定手段を有していてもよい。固定手段は、例えば、車輪のストッパなどであってもよい。本実施の形態では、台車40が駆動手段を有しておらず、手動で移動される場合について主に説明する。第1から第3の移動部10,20,30によって搬送対象物5が局所的に搬送されるのに対して、台車40によって搬送対象物5がより大域的に搬送されることになる。
【0028】
ここで、制御部8による第1から第3の移動部10,20,30の制御について、簡単に説明する。受付部7によって第1及び第2のハンド部1,2の少なくとも一方を移動させる旨の操作が受け付けられた場合に、制御部8は、例えば、第1の移動部10が有するリニアアクチュエータの駆動手段を動作させることによって、第1及び第2のハンド部1,2の少なくとも一方を第1の方向に移動させてもよい。また、受付部7によって第1の移動部10を第2の方向に移動させる旨の操作が受け付けられた場合に、制御部8は、例えば、第2の移動部20が有するリニアアクチュエータの駆動手段を動作させることによって、第1の移動部10を第2の方向に移動させてもよい。また、受付部7によって昇降部34を昇降させる旨の操作が受け付けられた場合に、制御部8は、例えば、第3の移動部30が有する一対のリニアアクチュエータの駆動手段を同期して動作させることによって、昇降部34を鉛直方向に昇降させてもよい。また、制御部8は、例えば、第1から第3の移動部10,20,30のうち、少なくとも2以上の移動部を同時に動作させてもよい。より具体的には、制御部8は、第1及び第2の移動部10,20を同時に動作させることによって、搬送対象物5を第1及び第2の方向に同時に移動させてもよい。また、例えば、第1から第3の移動部10,20,30に関する所定の動作プログラムがあらかじめ設定されている場合には、制御部8は、その設定された動作プログラムに応じた動作が行われるように第1から第3の移動部10,20,30を制御してもよい。具体的には、台車40を用いた大域的な搬送を行う際に搬送対象物5を保持する位置が決まっている場合には、制御部8は、その搬送前に第1から第3の移動部10,20,30を制御して、搬送対象物5をあらかじめ決められた位置に移動させてもよい。なお、本実施の形態では、受付部7によって受け付けられた操作に応じて制御部8が第1から第3の移動部10,20,30を制御する場合、すなわち第1から第3の移動部10,20,30が手動で制御される場合について主に説明する。
【0029】
また、制御部8は、例えば、受付部7によって受け付けられた操作や指示等に応じて、または、あらかじめ設定されている動作プログラム等に応じて第2の移動部20を上方に移動させる際に、第1及び第2のハンド部1,2が有する第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得された重量が一致している場合に、第3の移動部30を制御して第2の移動部20を上方に移動させ、そうでない場合に、第3の移動部30による第2の移動部20を上方に移動させなくてもよい。このようにすることで、例えば、第1及び第2のハンド部1,2のうち、一方のみによって搬送対象物5が保持されている状態で第2の移動部20を上方に移動させる事態を回避することができる。なお、第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得された重量が一致しているとは、例えば、両者が厳密に一致していることであってもよく、誤差の範囲内において両者が一致していることであってもよい。その誤差は、例えば、測定誤差であってもよく、搬送対象物5の重心の偏りに応じた誤差であってもよい。
【0030】
次に、搬送装置100の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受付部7は、第1から第3の移動部10,20,30に関する操作を受け付けたかどうか判断する。そして、操作を受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、操作を受け付けるまでステップS101の処理を繰り返す。
【0031】
(ステップS102)制御部8は、第1及び第2のハンド部1,2を上方に移動させる制御のための操作が受け付けられたかどうか判断する。そして、第1及び第2のハンド部1,2を上方に移動させる制御のための操作が受け付けられた場合には、ステップS103に進み、そうでない場合には、ステップS105に進む。制御部8は、例えば、第3の移動部30の昇降部34を上昇させるための操作が受け付けられた場合に、第1及び第2のハンド部1,2を上方に移動させる制御のための操作が受け付けられたと判断してもよい。
【0032】
(ステップS103)制御部8は、第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得された重量が一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、ステップS101に戻る際には、例えば、第1及び第2のハンド部1,2に掛かる重量が一致していない旨をユーザに通知してもよい。この通知は、例えば、出力部によって出力されてもよい。その出力は、例えば、表示や音出力、送信、警告灯の点灯などであってもよい。
【0033】
(ステップS104)制御部8は、第1及び第2のハンド部1,2を上方に移動させる制御、すなわち昇降部34を上昇させるための制御を行う。そして、ステップS101に戻る。
【0034】
(ステップS105)制御部8は、第1及び第2のハンド部1,2を上方に移動させる以外の制御、例えば、第1及び第2のハンド部1,2を第1の方向または第2の方向に移動させる制御や、第1及び第2のハンド部1,2を加工させる制御などを行う。そして、ステップS101に戻る。
【0035】
なお、動作プログラムに応じた制御が行われる場合には、制御部8は、第1及び第2のハンド部1,2を上方に移動させるための制御を行っている際に、第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得された重量が一致するかどうかを繰り返して判断してもよい。そして、制御部8は、重量が一致している場合には、その制御を継続して行い、重量が一致しなくなった場合には、その制御を中止してもよい。また、第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得された重量を用いた制御が行われない場合には、図4のフローチャートにおいて、操作が受け付けられた際に、その操作に応じて第1から第3の移動部10,20,30が制御されてもよい。また、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0036】
次に、本実施の形態による搬送装置100の動作について、具体例を用いて説明する。本具体例では、搬送対象物5を第1の位置から第2の位置に搬送する場合について説明する。
【0037】
まず、ユーザは、第1の位置に存在する搬送対象物5の近傍まで搬送装置100を手動で移動させる。そして、搬送装置100を搬送対象物5の近傍に移動させた後に、ユーザは、台車40の走行手段42を固定して動かないようにする。
【0038】
その後、ユーザは、第1から第3の移動部10,20,30への操作を入力することにより、搬送対象物5の一対の被保持部5aを吊り下げることができる位置に第1及び第2の保持部1b,2bを移動させ(ステップS101,S102,S105)、その後に、第3の移動部30への操作を入力することにより、第1及び第2の保持部1b,2bによって搬送対象物5の一対の被保持部5aが吊り下げられられるようにする(ステップS101~S104)。また、ユーザは、第2の移動部20への操作を入力することにより、平面視で搬送対象物5が台車40の中央付近になるように移動させる(ステップS101,S102,S105)。
【0039】
なお、搬送対象物5が上方に移動される際に、第1及び第2の保持部1b,2bのうち、一方のみが被保持部5aを保持できており、他方が被保持部5aを保持できていない場合には、第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得される重量が異なることになり、搬送対象物5の上方への移動が中止される(ステップS103)。このようして、搬送対象物5が第1及び第2のハンド部1,2の一方のみによって保持された状態で持ち上げられ、搬送対象物5が横転することなどによって破損する事態を回避することができる。
【0040】
次に、ユーザは、走行手段42の固定を解除し、第2の位置の近傍まで搬送装置100を手動で移動させる。その後、ユーザは、台車40の走行手段42を固定して動かないようにする。そして、ユーザは、第2の移動部20への操作を入力することにより、搬送対象物5をx軸の正の向きに移動させ、搬送対象物5が第2の位置の上方となった時点でその移動を停止させる(ステップS101,S102,S105)。また、ユーザは、第3の移動部30への操作を入力することにより、搬送対象物5を下方に移動させ、搬送対象物5が第2の位置の床面に載置され、第1及び第2の保持部1b,2bを水平方向の移動によって一対の被保持部5aから取り外すことができるようになった時点でその移動を停止させる(ステップS101,S102,S105)。そして、ユーザが、第1の移動部10への操作を入力して、第1のハンド部1をy軸の負の向きに移動させると共に、第2のハンド部2をy軸の正の向きに移動させることによって、第1及び第2のハンド部1,2による搬送対象物5の保持が解除されることになる(ステップS101,S102,S105)。このようにして、目的とする位置に搬送対象物5を移動させることができる。
【0041】
また、搬送装置100は、例えば、床面ではなく棚や台などに載置されている搬送対象物5をピックアップしてもよく、また、棚や台などに搬送対象物5を搬送してもよい。また、搬送装置100は、搬送先に配置されている位置決めのための部材に対して位置決めが行われるように搬送対象物5を搬送してもよい。具体的には、搬送先において、位置決めのためのガイド部材などに沿うように、搬送対象物5が位置決めされてもよい。
【0042】
以上のように、本実施の形態による搬送装置100によれば、第2の方向及び鉛直方向については、第1及び第2のハンド部1,2を一括して移動させるようにしたことにより、軸数を抑えることができ、第1及び第2のハンド部1,2を移動させるための構成を双腕ロボットと比較して簡易なものとすることができる。その結果、第1及び第2のハンド部1,2側の重量が増加しないようにすることができ、それに応じて可搬重量をより大きくすることができる。また、双腕ロボットと比較して部品数が少なくなったことにより、搬送装置100の重量を抑えることができ、また全体として小型にすることもできるようになる。また、第1から第3の移動部10,20,30によって、第1及び第2のハンド部1,2を3軸方向に移動させることもでき、第1及び第2のハンド部1,2によって保持されている搬送対象物5の位置決めなどを行うこともできる。また、台車40によって、第1及び第2のハンド部1,2によって保持されている搬送対象物5の大域的な搬送も実現することができる。そのため、例えば、製造現場において、重量物のレイアウトを変更する際などに搬送装置100を用いることができる。また、第1及び第2のハンド部1,2によって搬送対象物5を吊り下げて保持する場合には、その保持を解除する際に搬送対象物5の位置がずれないようにすることができ、精度の高い位置決めが可能となる。
【0043】
なお、上記したように、搬送対象物5を吊り下げて保持する第1及び第2の保持部1b,2bの断面は、J字形状以外であってもよい。第1及び第2のハンド部1,2は、例えば、図2Bで示されるように、断面がL字形状の第1及び第2の保持部1b,2bによって、搬送対象物5を吊り下げて保持してもよい。
【0044】
また、第1及び第2のハンド部1,2は、電磁石によって搬送対象物5を保持してもよい。この場合には、例えば、図2Cで示されるように、電磁石である第1及び第2の保持部1b,2bによって、搬送対象物5の上面を保持してもよい。なお、電磁石である第1及び第2の保持部1b,2bによって保持される搬送対象物5は、通常、鉄などの強磁性体によって構成されていることが好適である。なお、搬送対象物5が強磁性体以外の材料によって構成されている場合には、例えば、強磁性体の被保持部を搬送対象物5に設けてもよい。また、電磁石である第1及び第2の保持部1b,2bが当接する搬送対象物5の面は、平坦であることが好適である。第1及び第2の保持部1b,2bが電磁石である場合には、搬送対象物5を保持する際には電磁石に通電し、その保持を解除する際には電磁石への通電を停止してもよい。第1及び第2のハンド部1,2が電磁石によって搬送対象物5を保持する場合にも、その保持を解除する際に搬送対象物5の位置がずれないようにすることができ、精度の高い位置決めが可能となる。また、搬送対象物5が強磁性体によって構成されている場合には、搬送対象物5側に被保持部を設ける必要もない。
【0045】
また、第1及び第2のハンド部1,2は、搬送対象物5を第1の方向の両側から挟んで保持してもよい。この場合には、例えば、図2Dで示される断面がU字形状の第1及び第2の保持部1b,2bによって搬送対象物5を挟んで保持してもよい。第1及び第2の保持部1b,2bは、図2Dで示されるように、U字形状の開口部側が対向するように配置されてもよい。また、搬送対象物5を挟んで保持する際に、床面などの載置面に載置されている搬送対象物5を第1及び第2の保持部1b,2bによって挟むことができるようにするため、第1及び第2の保持部1b,2bのU字形状の開口部側の端辺のうち、載置面に接触する側の端辺がくさび形状になっていてもよい。このくさび形状は、図2Dで示されるように、U字形状の開口部側から底部側に向かって、上面側の高さが高くなるように傾斜していてもよい。また、搬送対象物5が載置面に載置された状態において、搬送対象物5の周縁部と載置面との間に隙間がある場合、例えば、搬送対象物5の周縁部が中心部側よりも上方側に位置している場合には、第1及び第2の保持部1b,2bの開口部側がくさび形状になっていなくてもよい。また、断面がU字形状以外の第1及び第2の保持部1b,2b、例えば、断面がL字形状の第1及び第2の保持部1b,2bによって搬送対象物5を挟んで保持してもよい。このように、第1及び第2のハンド部1,2が搬送対象物5を挟んで保持する場合には、搬送対象物5側に被保持部を設ける必要がない。
【0046】
なお、図2Dでは、搬送対象物5の第1の方向(すなわち、図中の左右方向)における両端が、第1及び第2の保持部1b,2bのU字形状の底部に当接している状態について示しているが、そうでなくてもよい。搬送対象物5の第1の方向における両端が、第1及び第2の保持部1b,2bのU字形状の底部に当接しない範囲において、第1及び第2の保持部1b,2bが搬送対象物5を両側から挟んで保持してもよい。
【0047】
また、搬送対象物5の搬送先に配置されている位置決めのための部材を用いて搬送対象物5の位置決めを行う場合には、第1及び第2のハンド部1,2が搬送対象物5を保持した状態で、第1及び第2のハンド部1,2と搬送対象物5との間に遊びが存在してもよい。すなわち、第1及び第2のハンド部1,2が搬送対象物5を保持した状態で、第1及び第2のハンド部1,2と搬送対象物5との相対的な位置関係が固定されておらず、変化可能になっていてもよい。また、第1及び第2のハンド部1,2が搬送対象物5を保持した際に第1及び第2のハンド部1,2における搬送対象物5に当接する面は低摩擦係数の面であってもよい。低摩擦係数の面とは、例えば、フッ素樹脂や、モノマーキャストナイロンなどの低摩擦係数の素材で構成されたり、そのような素材でコーティングされたりした面であってもよい。フッ素樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)などであってもよい。また、モノマーキャストナイロンは、特に摺動グレードのものが好適であり、例えば、摺動グレードのMCナイロン(登録商標)であってもよい。このように、第1及び第2のハンド部1,2が搬送対象物5を保持した状態で、両者の間に遊びが存在したり、第1及び第2のハンド部1,2における搬送対象物5に当接する面が低摩擦係数の面であったりすることによって、搬送対象物5の位置決めを行う際に搬送対象物5が第1及び第2のハンド部1,2に対してより容易に動くことができるようになり、その結果、より適切な位置決めを行うことができるようになる。
【0048】
なお、第1及び第2のハンド部1,2が搬送対象物5を保持した状態で、第1及び第2のハンド部1,2と搬送対象物5との間に遊びが存在している場合であっても、搬送対象物5が第1及び第2のハンド部1,2から落下しないようになっていることが好適である。そのため、例えば、図2Cで示されるように電磁石である第1及び第2の保持部1b,2bによって搬送対象物5を保持する場合には、図5Aで示されるように、搬送対象物5の上面に設けられた凹部5bの位置において、電磁石である第1及び第2の保持部1b,2bによって搬送対象物5を保持してもよい。凹部5bは、搬送対象物5の上面から下方側に陥没した領域である。また、凹部5bの底面は平坦であることが好適である。なお、平面視における凹部5bの領域は、第1及び第2の保持部1b,2bの搬送対象物5への接触面よりも大きいものとする。このようにすることで、電磁石である第1及び第2の保持部1b,2bが保持する位置が変化したとしても、第1及び第2の保持部1b,2bの当接面は凹部5bの領域内に存在することになり、第1及び第2の保持部1b,2bが搬送対象物5から外れることを防止することができる。また、例えば、図2Dで示される断面がU字形状の第1及び第2の保持部1b,2bによって搬送対象物5を挟んで保持する場合には、図5Bで示されるように、搬送対象物5の第1の方向の両端辺に設けられた凹部5cの位置で、搬送対象物5が第1及び第2の保持部1b,2bによって保持されてもよい。なお、図5Bは、搬送対象物5及び第1及び第2の保持部1b,2bを示す平面図である。また、凹部5cは、搬送対象物5の中心側に向かって陥没するように形成されており、第2の方向において、凹部5cの長さは、第1及び第2の保持部1b,2bの長さよりも長いものとする。このようにすることで、断面がU字形状である第1及び第2の保持部1b,2bと搬送対象物5との相対的な位置関係が変化したとしても、第1及び第2の保持部1b,2bが搬送対象物5から外れることを防止することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、第1及び第2のハンド部1,2が第1及び第2の保持部1b,2bで保持されている搬送対象物5の重量を取得するための第1及び第2のセンサ1c,2cをそれぞれ有する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。第1及び第2の保持部1b,2bは、第1及び第2のセンサ1c,2cを有していなくてもよい。この場合には、制御部8は、第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得された重量を用いた制御を行わなくてもよい。
【0050】
また、本実施の形態による搬送装置100において、滑車に掛け渡されたロープやワイヤ、チェーンなどの線状部材の一端に昇降部34が接続され、その線状部材の他端にカウンターウェイトが接続されるようにしてもよい。このようにすることで、より重たい搬送対象物5を、より小さい力で鉛直方向に移動させることができるようになる。
【0051】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。また、そのプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
【0053】
また、以上の実施の形態は、本発明を具体的に実施するための例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲及び均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
1 第1のハンド部、2 第2のハンド部、1c 第1のセンサ、2c 第2のセンサ、5 搬送対象物、8 制御部、10 第1の移動部、20 第2の移動部、30 第3の移動部、40 台車、100 搬送装置
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
(ステップS105)制御部8は、第1及び第2のハンド部1,2を上方に移動させる以外の制御、例えば、第1及び第2のハンド部1,2を第1の方向または第2の方向に移動させる制御や、第1及び第2のハンド部1,2を下降させる制御などを行う。そして、ステップS101に戻る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
また、本実施の形態では、第1及び第2のハンド部1,2が第1及び第2の保持部1b,2bで保持されている搬送対象物5の重量を取得するための第1及び第2のセンサ1c,2cをそれぞれ有する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。第1及び第2のハンド部1,2は、第1及び第2のセンサ1c,2cを有していなくてもよい。この場合には、制御部8は、第1及び第2のセンサ1c,2cによって取得された重量を用いた制御を行わなくてもよい。