(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070326
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】見守りシステム、見守りプログラム及び見守り方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240516BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240516BHJP
G06Q 50/22 20240101ALI20240516BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240516BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20240516BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20240516BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
G06Q50/22
A61B5/00 102C
A61B5/145
A61B5/16 130
A61B5/107 300
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180730
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】522441633
【氏名又は名称】小椋 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】小椋 英司
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
5C086
5C087
5L099
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KK10
4C038PP05
4C038PS00
4C038VA04
4C038VB35
4C038VC20
4C117XA03
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4C117XE76
4C117XJ45
4C117XL01
4C117XP12
5C086AA06
5C086AA09
5C086AA22
5C086BA07
5C086CA08
5C086CA11
5C086CA21
5C086CA28
5C086CB01
5C086CB07
5C086CB36
5C086EA40
5C086EA45
5C087DD03
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG52
5C087GG70
5C087GG83
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高齢者又は患者等の対象者の急病や怪我を早急に察知することができ、かつ、早急に対応するシステムを提供する。
【解決手段】高齢者を含む対象者の見守りシステムにおいて、異常判定部が異常と判定した場合、異常と判定された体温、心拍数又は熱中症のおそれがある情報及び異常である内容が第3端末700に送信される。第3端末700は、対象者を診断するために第1端末200と第3端末700とを通話可能に通信する診断部と、位置信号判定部の判定に基づいて、対象者に救急車を含む配車を行う配車部と、を含む。第3端末700の使用者である医師は、診断部を通じて対象者の診断を行う。配車部は、医師の判断により位置信号判定部が特定した位置に配車を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高齢者を含む対象者が所持する第1端末と通信可能であり、前記対象者の見守り人が所持する第2端末、及び、医師又は看護師が使用する第3端末と通信可能であるサーバを備える高齢者を含む対象者の見守りシステムであって、
前記サーバが、
前記第1端末から送信された体温情報により前記対象者の体温を判定する体温判定部と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の心拍数を判定する心拍数判定部と、
前記第1端末から送信された気温情報、湿度情報及び輻射熱情報と、前記体温判定部が判定した前記対象者の体温と、前記心拍数判定部が判定した前記対象者の心拍数と、から対象者が熱中症のおそれがあるか否かを判定する熱中症判定部と、
前記体温判定部、前記心拍数判定部、前記対象者の体温及び心拍数が正常か異常かを判定する、並びに、前記熱中症判定部において熱中症のおそれがあると判定された場合に異常であると判定する異常判定部と、
WBGT値が高いと判定した場合に前記第1端末及び前記第3端末に通知を行うWBGT判定部と、
前記第1端末から送信される位置信号により前記対象者の位置を判定する位置信号判定部と、を含み、
前記異常判定部が異常と判定した場合、異常と判定された体温、心拍数又は熱中症のおそれがある情報、及び、異常である内容が前記第3端末に送信され、
前記第3端末は、前記対象者を診断するために前記第1端末と前記第3端末とを通話可能に通信する診断部と、
前記位置信号判定部の判定に基づいて、前記対象者に救急車を含む配車を行う配車部と、を含み、
前記第3端末の使用者である医師が、前記診断部を通じて前記対象者の診断を行い、前記医師の判断により、前記配車部が、前記位置信号判定部が特定した位置に配車を行う高齢者を含む対象者の見守りシステム。
【請求項2】
前記サーバが、前記心拍数情報及び前記第1端末から送信された血流情報により前記対象者の血圧を判定する血圧判定部と、
前記第1端末から送信された血糖値情報により前記対象者の血糖値を判定する血糖値判定部と、
前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者の歩数を判定する歩数判定部と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、
前記第1端末から送信される発汗情報により前記対象者の発汗状態が判定される発汗判定部と、を含み、
前記異常判定部が、前記血圧判定部及び前記血糖値判定部において判定された血圧、血糖値、睡眠状態及び発汗状態が異常か否かを判定するものである請求項1記載の高齢者を含む対象者の見守りシステム。
【請求項3】
前記サーバが、前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者が転倒したか否かを判定する転倒判定部を含み、
前記異常判定部は、前記転倒判定部が、前記対象者が転倒したと判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する請求項1記載の高齢者を含む対象者の見守りシステム。
【請求項4】
前記サーバが、加速度センサ及び地磁気センサがセンシングした情報に基づき、前記対象者が停滞しているか否かを判定する停滞判定部を含み、
前記異常判定部は、前記転倒判定部が、前記対象者が転倒したと判定した場合であって、前記停滞判定部が停滞していると判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する請求項3記載の高齢者を含む対象者の見守りシステム。
【請求項5】
前記サーバが、前記第1端末のSPO2センサから送信された情報により前記対象者の血液中の酸素濃度を判定するSPO2判定部を含み、
前記異常判定部が、前記SPO2判定部によって判定された酸素濃度の情報に基づき、前記対象者が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるか否かを判定する請求項1記載の高齢者を含む対象者の見守りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者、被介護者、患者等の見守りシステム、見守りプログラム及び見守り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢の親と離れて暮らす子の割合が増加傾向にある。また、高齢者は自分や家族の健康の悩みを抱えている人が多い。
【0003】
高齢者は、自身の健康や、急な体調不良に関して不安を抱えている人が多い。
【0004】
高齢者の家族は、離れて暮らす家族の異変察知や対応の遅れを心配している人が多い。
【0005】
自治体や政府等は、孤独死や徘徊者の失踪等を問題として抱えている。
【0006】
介護施設等は、被介護者の異変察知や対応の遅れ、被介護者の健康管理、徘徊者の失踪、介護従事者等の人手不足という問題を抱えている。
【0007】
同様に、病院は、患者の井辺察知や対応の遅れ、患者の健康管理、徘徊者の失踪、看護師等の人手不足という問題を抱えている。
【0008】
また、患者や高齢者は、病院に入院したり、介護施設で暮らしたりするより自宅で治療したり、介護を受けたいと考える人も多い。
【0009】
一方で、看護師や介護者等が、患者や高齢者等を見守るために訪問する場合、一軒一軒訪問するため非常に時間がかかるという問題がある。特に地方では、このような問題が深刻である。
【0010】
特許文献1では、ユーザの体調の変化を検出するためのウェアラブルセンサシステムが開示されている。
【0011】
具体的には、特許文献1に係るウェアラブルセンサシステムは、生体から心機能に関する情報を取得する第1ウェアラブルセンサ端末と、
生体から血流に関する情報を取得する第2ウェアラブルセンサ端末と、
第1ウェアラブルセンサ端末によって取得された心機能に関する情報、第2ウェアラブルセンサ端末によって取得された血流に関する情報、および生体の地理的な位置の温度に関する情報に基づいて、生体の熱障害に対する状態を判定する判定装置と、を有するというものである。
【0012】
特許文献2では、安否確認装置に登録された携帯端末を所持する本人がダイヤルしなくても存在位置、本人の体の具合、例えば、熱があるかどうか、心拍数はどうか等が確認でき、さらに、携帯端末が故障した場合でも、いち早く確度の高い存在位置の推定を行なうことにより、関係者への早期の連絡、被害者の救助や手当てを速やかに行なうことに役立てることを目的とするものが開示されている。
【0013】
具体的には、特許文献2に係る発明は、安否確認装置に登録された携帯端末を所持する本人の、所望時間毎の移動距離、体温、心拍数の変化を監視し、異常を検出するとログデータを参照して存在位置の検出あるいは推定を行ない、関係者へ連絡を行なうというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2017-38839号公報
【特許文献2】特開2006―120060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、熱中症を防止するため等、暑熱環境下における人の状態変化を検知するためのウェアラブルセンサシステムに関するものである。
【0016】
したがって、熱中症以外の高齢者の急病や怪我を早急に察知するには不十分である。また、検知後の内容に関しては記載されていない。
【0017】
特許文献2に係る発明は、安否確認装置に登録された携帯端末を所持する所持者の、所望時間毎の移動距離、体温、心拍数の変化を監視するものである。
【0018】
しかし、高齢者の急病や怪我を早急に察知するには不十分である。また、関係者に連絡すると記載されているのみで、具体的な内容に関しては記載されていない。
【0019】
本発明の主な目的は、高齢者又は患者等の対象者の急病や怪我を早急に察知することができ、かつ、早急に対応することができるシステムを提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、高齢者又は患者等の対象者の急病や怪我を早急に察知することができ、かつ、早急に対応することができるプログラムを提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、高齢者又は患者等の対象者の急病や怪我を早急に察知することができ、かつ、早急に対応することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の第1の局面に係る高齢者等の見守りシステムは、高齢者を含む対象者が所持する第1端末と通信可能であり、前記対象者の見守り人が所持する第2端末、及び、医師又は看護師が使用する第3端末と通信可能であるサーバを備える高齢者を含む対象者の見守りシステムであって、
前記サーバが、
前記第1端末から送信された体温情報により前記対象者の体温を判定する体温判定部と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の心拍数を判定する心拍数判定部と、
前記第1端末から送信された気温情報、湿度情報及び輻射熱情報と、前記体温判定部が判定した前記対象者の体温と、前記心拍数判定部が判定した前記対象者の心拍数と、から対象者が熱中症のおそれがあるか否かを判定する熱中症判定部と、
前記体温判定部、前記心拍数判定部、前記対象者の体温及び心拍数が、正常か異常かを判定する、並びに、前記熱中症判定部において熱中症のおそれがあると判定された場合に異常であると判定する異常判定部と、
WBGT値が高いと判定した場合に前記第1端末及び前記第3端末に通知を行うWBGT判定部と、
前記第1端末から送信される位置信号により前記対象者の位置を判定する位置信号判定部と、を含み、
前記異常判定部が異常と判定した場合、異常と判定された体温、心拍数又は熱中症のおそれがある情報、及び、異常である内容が前記第3端末に送信され、
前記第3端末は、前記対象者を診断するために前記第1端末と前記第3端末とを通話可能に通信する診断部と、
前記位置信号判定部の判定に基づいて、前記対象者に救急車を含む配車を行う配車部と、を含み、
前記第3端末の使用者である医師が、前記診断部を通じて前記対象者の診断を行い、前記医師の判断により、前記配車部が、前記位置信号判定部が特定した位置に配車を行う高齢者を含む対象者の見守りシステムである。
【0023】
第1端末の所有者である高齢者等の見守り対象者の体温及び心拍数に異常があるか否か、並びに、熱中症のおそれがあるか否かが、離れた位置の第2端末及び第3端末の所有者にもわかるため、異常があった場合にはすぐに対応することができる。
【0024】
また、第3端末が異常通知を受信した場合、医師が第3端末の診断部を通して対象者の診断を行うため、対象者である高齢者及びその家族である第2端末の使用者は安心する。
【0025】
また、診断部は、強制的に第1端末と第3端末とを通話可能とすることが可能である。強制的に通話可能とするか否かは、事前に設定することができる。
【0026】
また、第3端末は、位置信号判定部により、第1端末の位置がわかるため、高齢者等の見守り対象者に何かあれば、第3端末の配車部が、その場所にすぐに救急車を配車することができる。
【0027】
つまり、高齢者等の見守り対象者の急病等をすぐに察知することができ、迅速に対応することができる。
【0028】
本発明の第2の局面に係る高齢者等の見守りシステムは、第1の局面に係る高齢者等の見守りシステムであって、
前記サーバが、前記心拍数情報及び前記第1端末から送信された血流情報により前記対象者の血圧を判定する血圧判定部と、
前記第1端末から送信された血糖値情報により前記対象者の血糖値を判定する血糖値判定部と、
前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者の歩数を判定する歩数判定部と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、
前記第1端末から送信される発汗情報により前記対象者の発汗状態が判定される発汗判定部と、を含み、
前記異常判定部が、前記血圧判定部及び前記血糖値判定部において判定された血圧、血糖値、睡眠状態及び発汗状態が異常か否かを判定するものである高齢者を含む対象者の見守りシステムである。
【0029】
年を重ねるとインスリンの分泌が少なくなる一方で、分泌されてもインスリンの働きが悪くなるため、年齢とともに糖尿病になる頻度は高くなる。
【0030】
そして、高齢になると全身の動脈硬化の進行が加速するため、それに関連した高血圧、脂質異常症(高脂血症)などの病気を一人でいくつも抱えている人もいる。また、網膜症や神経障害などの糖尿病合併症も多くみられる。
【0031】
糖尿病はもともと自覚症状がでにくい病気であるが、高齢者の場合、身体機能が低下しているため、さらに自覚症状に乏しくなる。また、異常があっても年齢のせいにして見すごしてしまうこともあるので、動脈硬化の進行から糖尿病の合併症がかなり進んでいることがある。
【0032】
したがって、常時、高齢者等の対象者の血糖値を測定することは重要である。
【0033】
対象者の歩数、睡眠状態、発汗状態がわかることにより、対象者の状態をより把握することができる。
【0034】
本発明の第3の局面に係る高齢者等の見守りシステムは、第1の局面に係る高齢者等の見守りシステムであって、
前記サーバが、前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者が転倒したか否かを判定する転倒判定部を含み、
前記異常判定部は、前記転倒判定部が、前記対象者が転倒したと判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する請求項1記載の高齢者を含む対象者の見守りシステムである。
【0035】
対象者が転倒した場合、第3端末の使用者である医師又は看護師は対象者の状態を、診断部を用いて確認することができ、迅速に対応することができる。
【0036】
本発明の第4の局面に係る高齢者等の見守りシステムは、第3の局面に係る高齢者等の見守りシステムであって、
前記サーバが、加速度センサ及び地磁気センサがセンシングした情報に基づき、前記対象者が停滞しているか否かを判定する停滞判定部を含み、
前記異常判定部は、前記転倒判定部が、前記対象者が転倒したと判定した場合であって、前記停滞判定部が停滞していると判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する請求項3記載の高齢者を含む対象者の見守りシステムである。
【0037】
対象者が転倒した後、対象者がしばらく動かない状態であれば、危険な状態であると判断することができ、第3端末の使用者である医師又は看護師は、診断部を通じて対象者の確認を行い、必要であれば配車部が救急車の配車を行わせる。
【0038】
本発明の第5の局面に係る高齢者等の見守りシステムは、第1の局面に係る高齢者等の見守りシステムであって、
前記サーバが、前記第1端末のSPO2センサから送信された情報により前記対象者の血液中の酸素濃度を判定するSPO2判定部を含み、
前記異常判定部が、前記SPO2判定部によって判定された酸素濃度の情報に基づき、前記対象者が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるか否かを判定する請求項1記載の高齢者を含む対象者の見守りシステムである。
【0039】
血液中の酸素濃度を測定することにより、対象者が睡眠時無呼吸症候群であるか否か判定することができる。
【0040】
睡眠時無呼吸症候群の場合、熟睡できないため、日中に眠気が強くなり、集中力が低下したり、眠気のため交通事故や労働中の事故につながる可能性が高くなる。
【0041】
また、無呼吸と低呼吸をくり返すことによって低酸素状態が起こり、心臓に負荷をかける。そして、高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などの合併症を起こしやすくなる。最悪の場合は突然死につながることもある。
【0042】
したがって、対象者の血液中の酸素濃度を測定することは重要である。
【0043】
本発明の第6の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りプログラムは、高齢者を含む対象者が所持する第1端末と通信可能であり、前記対象者の見守り人が所持する第2端末、及び、医師又は看護師が使用する第3端末と通信可能であるサーバを備える高齢者を含む対象者の見守りプログラムであって、
前記サーバが、
前記第1端末から送信された体温情報により前記対象者の体温を判定する体温判定処理と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の心拍数を判定する心拍数判定処理と、
前記第1端末から送信された気温情報、湿度情報及び輻射熱情報と、前記体温判定処理で判定した前記対象者の体温と、前記心拍数判定処理で判定した前記対象者の心拍数と、から対象者が熱中症のおそれがあるか否かを判定する熱中症判定処理と、
前記体温判定処理、前記心拍数判定処理、前記対象者の体温及び心拍数が、正常か異常かを判定する、並びに、前記熱中症判定処理において熱中症のおそれがあると判定された場合に異常であると判定する異常判定処理と、
WBGT値が高いと判定した場合に前記第1端末及び前記第3端末に通知を行うWBGT判定処理と、
前記第1端末から送信される位置信号により前記対象者の位置を判定する位置信号判定処理と、を実行し、
前記異常判定処理が異常と判定した場合、異常と判定された体温、心拍数又は熱中症のおそれがある情報、及び、異常である内容が前記第3端末に送信され、
前記第3端末は、前記対象者を診断するために前記第1端末と前記第3端末とを通話可能に通信する診断処理と、
前記位置信号判定処理の判定に基づいて、前記対象者に救急車を含む配車を行う配車処理と、を実行し、
前記第3端末の使用者である医師が、前記診断処理を通じて前記対象者の診断を行い、前記医師の判断により、前記配車処理が、前記位置信号判定処理が特定した位置に配車を行う高齢者を含む対象者の見守りプログラムである。
【0044】
これにより第1の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0045】
本発明の第7の局面に係る高齢者等の見守りプログラムは、第6の局面に係る高齢者を含む見守りプログラムであって、
前記サーバが、前記心拍数情報及び前記第1端末から送信された血流情報により前記対象者の血圧を判定する血圧判定処理と、
前記第1端末から送信された血糖値情報により前記対象者の血糖値を判定する血糖値判定処理と、
前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者の歩数を判定する歩数判定処理と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の睡眠状態を判定する睡眠判定処理と、
前記第1端末から送信される発汗情報により前記対象者の発汗状態が判定される発汗判定処理と、を実行し、
前記異常判定処理が、前記血圧判定処理及び前記血糖値判定処理において判定された血圧、血糖値、睡眠状態及び発汗状態が異常か否かを判定するものである高齢者を含む対象者の見守りプログラムである。
【0046】
これにより、第2の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0047】
本発明の第8の局面に係る高齢者等の見守りプログラムは、第6の局面に係る高齢者等の見守りプログラムであって、
前記サーバが、前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者が転倒したか否かを判定する転倒判定処理を実行し、
前記異常判定処理は、前記転倒判定処理が、前記対象者が転倒したと判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する高齢者を含む対象者の見守りシステムである。
【0048】
これにより、第3の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0049】
本発明の第9の局面に係る高齢者等の見守りプログラムは第8の局面に係る高齢者等の見守りプログラムであって、
前記サーバが、加速度センサ及び地磁気センサがセンシングした情報に基づき、前記対象者が停滞しているか否かを判定する停滞判定処理を実行し、
前記異常判定処理は、前記転倒判定処理が、前記対象者が転倒したと判定した場合であって、前記停滞判定処理が停滞していると判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する高齢者を含む対象者の見守りシステムである。
【0050】
これにより、第4の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0051】
本発明の第10の局面に係る高齢者等の見守りプログラムは、第6の局面に係る高齢者等の見守りプログラムであって、
前記サーバが、前記第1端末のSPO2センサから送信された情報により前記対象者の血液中の酸素濃度を判定するSPO2判定処理を実行し、
前記異常判定処理が、前記SPO2判定処理によって判定された酸素濃度の情報に基づき、前記対象者が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるか否かを判定する高齢者を含む対象者の見守りプログラムである。
【0052】
これにより、第5の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0053】
本発明の第11の局面に係る高齢者等の見守り方法は、高齢者を含む対象者が所持する第1端末と通信可能であり、前記対象者の見守り人が所持する第2端末、及び、医師又は看護師が使用する第3端末と通信可能であるサーバを備える高齢者を含む対象者の見守り方法であって、
前記サーバが、
前記第1端末から送信された体温情報により前記対象者の体温を判定する体温判定工程と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の心拍数を判定する心拍数判定工程と、
前記第1端末から送信された気温情報、湿度情報及び輻射熱情報と、前記体温判定工程で判定した前記対象者の体温と、前記心拍数判定工程で判定した前記対象者の心拍数と、から対象者が熱中症のおそれがあるか否かを判定する熱中症判定工程と、
前記体温判定工程、前記心拍数判定工程、前記対象者の体温及び心拍数が、正常か異常かを判定する、並びに、前記熱中症判定工程において熱中症のおそれがあると判定された場合に異常であると判定する異常判定工程と、
WBGT値が高いと判定した場合に前記第1端末及び前記第3端末に通知を行うWBGT判定工程と、
前記第1端末から送信される位置信号により前記対象者の位置を判定する位置信号判定工程と、を含み、
前記異常判定工程で異常と判定した場合、異常と判定された体温、心拍数又は熱中症のおそれがある情報、及び、異常である内容が前記第3端末に送信され、
前記第3端末は、前記対象者を診断するために前記第1端末と前記第3端末とを通話可能に通信する診断工程と、
前記位置信号判定工程での判定に基づいて、前記対象者に救急車を含む配車を行う配車工程と、を含み、
前記第3端末の使用者である医師が、前記診断工程にて前記対象者の診断を行い、前記医師の判断により、前記配車工程にて、前記位置信号判定工程で特定した位置に配車を行う高齢者を含む対象者の見守り方法である。
【0054】
これにより第1の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0055】
本発明の第12の局面に係る高齢者等の見守り方法は、第11の局面に係る高齢者等の見守り方法であって、
前記サーバが、前記心拍数情報及び前記第1端末から送信された血流情報により前記対象者の血圧を判定する血圧判定工程と、
前記第1端末から送信された血糖値情報により前記対象者の血糖値を判定する血糖値判定工程と、
前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者の歩数を判定する歩数判定工程と、
前記第1端末から送信された心拍数情報により前記対象者の睡眠状態を判定する睡眠判定工程と、
前記第1端末から送信される発汗情報により前記対象者の発汗状態が判定される発汗判定工程と、を含み、
前記異常判定工程では、前記血圧判定工程及び前記血糖値判定工程において判定された血圧、血糖値、睡眠状態及び発汗状態が異常か否かを判定するものである高齢者を含む対象者の見守り方法である。
【0056】
これにより、第2の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0057】
本発明の第13の局面に係る高齢者等の見守り方法は、第11の局面に係る高齢者等の見守り方法であって、
前記サーバが、前記第1端末の加速度センサ及び地磁気センサから送信された情報により前記対象者が転倒したか否かを判定する転倒判定工程を含み、
前記異常判定工程では、前記転倒判定工程において、前記対象者が転倒したと判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する高齢者を含む対象者の見守り方法である。
【0058】
これにより、第3の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0059】
本発明の第14の局面に係る高齢者等の見守り方法は、第13の局面に係る高齢者等の見守り方法であって、
前記サーバが、加速度センサ及び地磁気センサがセンシングした情報に基づき、前記対象者が停滞しているか否かを判定する停滞判定工程を含み、
前記異常判定工程では、前記転倒判定工程において、前記対象者が転倒したと判定した場合であって、前記停滞判定工程で停滞していると判定した場合、異常であると判定し、その情報を前記第3端末に送信する高齢者を含む対象者の見守り方法である。
【0060】
これにより、第4の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【0061】
本発明の第15の局面に係る高齢者等の見守り方法は、第11の局面に係る高齢者等の見守り方法であって、
前記サーバが、前記第1端末のSPO2センサから送信された情報により前記対象者の血液中の酸素濃度を判定するSPO2判定工程を含み、
前記異常判定工程は、前記SPO2判定工程で判定された酸素濃度の情報に基づき、前記対象者が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるか否かを判定する高齢者を含む対象者の見守り方法である。
【0062】
これにより、第5の局面に係る高齢者を含む対象者の見守りシステムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明に係る一実施形態における高齢者含む対象者の見守りシステムの概念図。
【
図2】同実施形態における高齢者含む対象者の見守りシステムの概念図。
【
図3】同実施形態における高齢者含む対象者の見守りシステムの概念図。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明に係る見守りシステム100の実施形態に関して図面を参照しながら説明する。
【0065】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の見守りシステム100は、老人等の見守り対象者Aが所持する第1端末200と、
第1端末200と通信可能なサーバ300と、
対象者Aに異常があると判定された場合に通知される第2端末600と、
サーバ300と通信可能であり、サーバ300から対象者Aの情報の通知を受け取ることができる第3端末700と、を含む。
【0066】
第1端末200は、対象者Aの心拍、脳波、呼吸、体温、発汗、血圧、運動状態等の生体情報を測定し、サーバ300にその生体情報(バイタル情報等)を送信する。
【0067】
図2に示すように、本実施形態では、第1端末200は、体温センサS1、光学式心拍数センサS2、加速度センサS3、地磁気センサS4、血糖値センサS5、SPO
2センサS6、発汗センサS7、気温センサS8、湿度センサS9及び黒球温度センサS10を含む各種センサと、
センシングされた情報を記憶する第1記憶部210と、
センシングされた情報をサーバ300に送信する第1通信部220と、
対象者Aの位置情報を示す第1位置信号部230と、を含む。
【0068】
また、本実施形態のサーバ300は、体温判定部310と、心拍数判定部320と、歩数判定部330と、血圧判定部340と、血糖値判定部350と、SPO2判定部360と、睡眠判定部370と、発汗判定部380と、転倒判定部390と、停滞判定部400と、熱中症判定部410と、異常判定部420と、通信部430と、記憶部440と、位置信号判定部450と、WBGT判定部460と、を含む。具体的内容に関しては後述する。なお、サーバ300は、クラウドサーバであってもよい。
【0069】
(第1端末200)
第1端末200は防水性を有するものが好ましい。第1端末200は、ウェアラブル端末が好ましく、本実施形態では時計が用いられている。また、第1端末200は、対象者Aの皮膚に塗布するものであってもよい。なお、対象者Aは例えば高齢者、認知症看者又は在宅患者である。
【0070】
体温センサS1は、対象者Aの体温を測定する。本実施形態では、対象者Aの体温を24時間測定する。本実施形態における体温センサS1は、赤外線センサである。
【0071】
体温センサS1は対象者Aの体温を24時間継続的に測定するものが好ましいが、例えば1分ごと、1時間ごと等所定時間ごとに測定するものであってもよい。
【0072】
測定された対象者Aの体温情報は、第1通信部220を介してサーバ300に送信される。
【0073】
体温センサS1は、例えば2箇所にサーミスセンサを配置し、2点間の熱流束を測定することにより体温を測定するものであってもよい。
【0074】
体温センサS1は、対象者Aの胸部などの中枢部に塗付して測定するものであってもよい。
【0075】
体温センサS1で測定された体温情報は、サーバ300に送信され、サーバ300の体温判定部310で対象者Aの体温が判定される。なお、体温判定部310は、加速度センサS3で測定された対象者Aの動きや、心拍数センサS2を考慮して判定してもよい。
【0076】
本実施形態では、例えば、体温センサS1が37.5度以上を3回連続で検知した場合、体温判定部310は、対象者Aの体温が37.5度以上あると判定し、それに基づいて異常判定部420は、異常と判定する。
【0077】
また、本実施形態では、気温センサS8が、32度以上を検知し、体温センサS1が38度以上を3回連続で検知した場合、熱中症判定部410は、対象者Aが熱中症にかかっているおそれがあるとして判定し、異常判定部420は異常と判定する。
【0078】
心拍数センサS2は、対象者Aの心拍数を測定するところである。
【0079】
心拍数センサS2は、本実施形態では、LEDの光を照射し、血流によって反射される散乱光の量を測定する。
【0080】
なお、心拍数センサS2によって測定された心拍数情報は、体温判定部310による体温測定に用いられても良い。
【0081】
脈拍あるいは血液量(心拍出量)の変動などによって血流動態が変化すると、その変化に応じて体内に浸透する光が予測可能な方法で反射(散乱)されるため、心拍数センサS2によって心拍数を測定することができる。
【0082】
つまり、心拍数センサS2は、LEDは1秒間に数百回ほど照射し、その反射光を分析することにより、心拍数を測定する。
【0083】
これによって、第1端末200は、24時間継続的に対象者Aの心拍数を測定することができる。
【0084】
心拍数センサS2で測定された心拍数情報は、サーバ300に送信され、サーバ300の心拍数判定部320で対象者Aの心拍数が判定される。
【0085】
なお、心拍数センサS2は、生体インピーダンス法によって対象者Aの心拍数を測定するものであってもよい。
【0086】
本実施形態では、心拍数センサS2が、40拍以下を3回連続で検知した場合、心拍数判定部320は、対象者Aの心拍数が40拍以下であると判定し、異常判定部420は異常と判定する。
【0087】
また、本実施形態では、心拍数センサS2が、160拍以上を10回連続で検知した場合、心拍数判定部320は、対象者Aの心拍数が160拍以上であると判定し、異常判定部420は異常と判定する。
【0088】
また、本実施形態では、心拍数センサS2が、「180-(年齢)」以上の心拍数を検知した場合、異常判定部420は、その情報を第3端末700に送信し、所定時間以上「180-(年齢)」以上の心拍数を検知した場合、第1端末200の表示画面に「熱中症注意。水分を補給して下さい。」といった注意喚起の表示がされる。
【0089】
そして、異常判定部420は、その情報を第3端末700に送信し、第3端末700にアラートが通知される。
【0090】
さらに、対象者Aの就寝時に心拍数を測定することにより、対象者Aの眠りの状態を把握することができる。
【0091】
つまり、対象者Aの眠りの状態は、測定された心拍数情報がサーバ300に送信され、サーバ300の睡眠判定部370で判定される。
【0092】
加速度センサS3は、対象者Aの動作や姿勢を測定する。なお、対象者Aの動作や姿勢をセンシングするセンサとして、ジャイロセンサや角速度センサが用いられてもよい。
【0093】
加速度センサS3からの情報はサーバ300に送信される。加速度センサS3からの情報は、体温判定部310、心拍数判定部320、歩数測定部330、血圧判定部340、睡眠判定部370、転倒判定部390、停滞判定部400に用いられる。
【0094】
例えば、対象者Aが運動している場合、加速度センサS3がセンシングした情報をサーバ300に送信することにより、体温判定部310は、体温センサS1が標準より高い体温だった場合であっても、対象者Aが運動していると判定することができる。
【0095】
これにより、異常判定部420は、対象者Aの体温が異常か否か判定することができる。なお、異常判定部420が、加速度センサS3がセンシングした情報により、対象者Aが運動していると判定してもよい。
【0096】
また、対象者Aが運動している場合、加速度センサS3がセンシングした情報をサーバ300に送信することにより、心拍数判定部320は、標準より多い心拍数であった場合であっても、対象者Aが運動していると判定することができる。
【0097】
これにより、異常判定部420は、対象者Aの心拍数が異常か否か判定することができる。なお、異常判定部420が、加速度センサS3がセンシングした情報により、対象者Aが運動していると判定してもよく、また、心拍数判定部320は、体温判定部310の情報に基づき、対象者Aが運動していると判定してもよい。
【0098】
対象者Aが寝返りをした場合、加速度センサS3がセンシングした情報をサーバ300に送信することにより、睡眠判定部370は、対象者Aの睡眠状態を判定することができる。
【0099】
地磁気センサS4は、第1端末200の地面に対する傾きを検出する。地磁気センサS4でセンシングされた情報は、サーバ300に送信され、歩数測定部230は、加速度センサS3の地面に対する上下方向の加速度値を抽出する。
【0100】
これにより、歩数判定部330は、対象者Aの歩数を測定することができる。
【0101】
つまり、歩数判定部330は、本実施形態では、加速度センサS3と地磁気センサS4によって対象者Aの歩数を判定する。
【0102】
また、転倒判定部390は、加速度センサS3と地磁気センサS4によって対象者Aが転倒したか否かを検知する。
【0103】
本実施形態では、転倒判定部390が、対象者Aが転倒したことを検知した場合、第1端末200の表示画面には『転倒を検知しました。助けを呼びますか? 「はい」「いいえ」』と表示される。そして、対象者Aは、「はい」か「いいえ」をタッチパネルで選択することができる。
【0104】
「はい」か「いいえ」を20秒間で選択されなかった場合、アラートが第3端末700に通知される。
【0105】
同様に、停滞判定部400は、加速度センサS3と地磁気センサS4によって対象者Aが停滞しているか否かを判定する。
【0106】
本実施形態では、転倒判定部390が、対象者Aが転倒したと判定し、停滞判定部400が、その後、「対象者Aが、3分間活動がない(停滞している)」と判定した場合、異常判定部420は、異常と判定する。
【0107】
血糖値センサS5は、高出力中赤外光レーザが用いられており、血中グルコースの微弱な情報をセンシングする。
【0108】
具体的には、中赤外光はグルコースによる吸収が大きいため、高出力中赤外光レーザを皮膚上から照射することにより、光の粒子の一部はグルコースに吸収され、吸収されなかった光は皮膚で反射される。
【0109】
そして、反射された光を検出器で検出し、第1端末200は、入射光と反射光の差の情報をサーバ300に送信する。そして、サーバ300の血糖値判定部350は、その情報から血糖値を算出する。
【0110】
つまり、本実施形態における血糖値センサS5は、非侵襲血糖値センサである。
【0111】
これにより、糖尿病患者が痛みを伴わず日常の血糖値を管理することができる。また、健常者の予防、健康管理による糖尿病人口の増加を抑制することが期待できる。
【0112】
血糖値センサS5によってセンシングされた情報は、サーバ300に送信され、血糖値判定部350は、その情報により対象者Aの血糖値を判定する。
【0113】
SPO2センサS6は、SPO2(Saturation Pulse O2、経皮的動脈血酸素飽和度)をセンシングする。つまり、対象者Aの血液中の酸素濃度を検出する。
【0114】
SPO2センサS6でセンシングされた情報は、サーバ300に送信され、SPO2判定部360は、対象者AのSPO2を判定する。
【0115】
SPO2判定部360は、SPO2を判定することにより、対象者Aの睡眠時無呼吸症候群を判定することができる。
【0116】
発汗センサS7は、対象者Aの発汗状態をセンシングする。発汗センサS7によってセンシングされた情報は、サーバ300に送信され、発汗判定部380が対象者Aの発汗状態を判定する。
【0117】
異常判定部420は、対象者Aの体温、運動状態、心拍数、発汗状態等の情報により異常か否か判定する。
【0118】
第1位置信号部230は、本実施形態では、対象者Aの位置情報を発信する。
【0119】
本実施形態では、第1位置信号部230は、GPS(Global Positioning System)の信号を受信できるものである。これにより第1端末200の所持者である対象者Aの位置がGPSで把握される。
【0120】
具体的に説明すると、衛星からは常に「現在位置」と「現在時刻」が発信されており、第1端末200の第1位置信号部230(GPS衛星受信機)が衛星からの電波信号を受信すると、第1位置信号部230は信号が届くまでにかかった時間に電波の速度を掛けて、衛星と第1位置信号部230の距離を割り出す。
【0121】
これを対象者Aの地域の上空にある複数の衛星と繰り返えす。そして、算出された複数の衛星との距離から、第1端末200の現在位置を特定する。
【0122】
特定された第1端末200の現在位置は、第1通信部220を介してサーバ300に送信される。
【0123】
なお、第1位置信号部230は、ビーコンやBluetooth(登録商標)を用いて、第1端末200の位置情報をサーバ300に送信するものであってもよい。
【0124】
第1記憶部210は、体温センサS1、心拍数センサS2、加速度センサS3、地磁気センサS4、血糖値センサS5、SPO2センサS6、発汗センサS7、及び、気温センサS8、湿度センサS9又は黒球温度センサS10においてセンシングされた情報を記憶する。
【0125】
なお、本実施形態では、第1端末200は、第1記憶部210を有するが、センシングされた情報は、第1端末200に記憶されず、直接サーバ300に送信されるものであってもよい。
【0126】
第1通信部220は、サーバ300の通信部430と通信可能である。
【0127】
第1通信部220によって、体温センサS1、心拍数センサS2、加速度センサS3、地磁気センサS4、血糖値センサS5、SPO2センサS6、発汗センサS7、気温センサS8、湿度センサS9又は黒球温度センサS10においてセンシングされた情報を、サーバ300の通信部430に送信する。
【0128】
(サーバ300)
本実施形態のサーバ300は、体温センサS1等がセンシングした情報により対象者Aの体温を判定する体温判定部310と、
心拍数センサS2がセンシングした情報により対象者Aの心拍数を判定する心拍数判定部320と、
加速度センサS3及び地磁気センサS4がセンシングした情報により対象者Aの歩数を判定する歩数判定部330と、
心拍数判定部320で判定された対象者Aの心拍数から対象者Aの血圧を判定する血圧判定部340と、
血糖値センサS5からの情報により対象者Aの血糖値を判定する血糖値判定部350と、
SPO2センサS6からの情報により対象者AのSPO2を判定するSPO2判定部360と、
心拍数判定部320によって判定された心拍数と、加速度センサS3でセンシングされた情報によって対象者Aの睡眠状態を判定する睡眠判定部370と、
発汗センサS7と加速度センサS3でセンシングされた情報によって対象者Aの発汗状態を判定する発汗判定部380と、
加速度センサS3及び地磁気センサS4でセンシングされた情報によって対象者Aが転倒したか否かを判定する転倒判定部390と、
加速度センサS3及び地磁気センサS4がセンシングした情報により対象者Aが停滞しているか否かを判定する停滞判定部400と、
体温判定部310及び心拍数判定部320の判定により対象者Aが熱中症であるか否か判定する熱中症判定部410と、
判定の結果、対象者Aに異常があるか否か判定する異常判定部420と、
第1端末200及び第2端末600等と通信を行う通信部430と、
判定結果を記憶する記憶部440と、
第1端末200から送信された位置情報により対象者Aの位置を判定する位置信号判定部450と、
気温センサS8、湿度センサS9及び黒球温度センサS10がセンシングした情報により対象者Aがいる環境下のWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)値を算出するWBGT判定部460と、を含む。
【0129】
体温判定部310は、体温センサS1によってセンシングされた情報に基づいて対象者Aの体温を判定する。
【0130】
体温判定部310は、加速度センサS3で測定された対象者Aの動きを考慮や、心拍数センサS2で測定された対象者Aの心拍数を考慮して対象者Aの体温を判定してもよい。
【0131】
異常判定部420は、体温判定部310で判定された対象者Aの体温が所定範囲外だった場合(例えば、36.2度以下、37.5度以上)、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0132】
なお、異常判定部420は、加速度センサS3によってセンシングされた情報に基づき、対象者Aの体温が異常かどうか判定する。
【0133】
つまり、例えば、対象者Aが運動している場合、体温は通常より高くなるため、異常判定部420が加速度センサS3によって対象者Aが運動していると判定する場合、それを考慮して対象者Aの体温が異常かどうか判定する。
【0134】
心拍数判定部320は、心拍数センサS2で測定された心拍数情報によって対象者Aの心拍数が判定される。
【0135】
異常判定部420は、心拍数判定部320で判定された対象者Aの心拍数が所定範囲外だった場合(例えば、59以下、91以上)、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0136】
なお、異常判定部420は、加速度センサS3によってセンシングされた情報に基づき、対象者Aの心拍数が異常かどうか判定する。
【0137】
つまり、例えば、対象者Aが運動している場合、心拍数は通常より高くなるため、異常判定部420が加速度センサS3によって対象者Aが運動していると判定する場合、それを考慮して対象者Aの心拍数が異常かどうか判定する。
【0138】
歩数判定部330は、加速度センサS3及び地磁気センサS4で測定された情報に基づいて対象者Aの歩数を判定する。
【0139】
具体的には、歩数判定部330は、地磁気センサS4により加速度センサS3の上下方向の加速度値を抽出し、対象者Aの歩数を判定する。
【0140】
血圧判定部340は、心拍数センサS2で測定された心拍数情報又は心拍数判定部320によって判定された心拍数によって、対象者Aの血圧を推定して判定する。
【0141】
具体的には、心拍数センサS2によって測定された電気信号による心拍数の測定結果(心拍数情報)と、光学センサ(心拍数センサS2)を使った血流の測定結果(血流情報)を組み合わせて、血圧を算出する。
【0142】
光学センサを使った血流測定(血流情報)は、緑色発光ダイオードを用い、血液が緑色の光を反射する仕組みを利用する。
【0143】
血管に緑色の光を当てると、血流が多い時(心臓が脈打った時)と、少ないときでは光の反射の仕方が異なる。その反射の違いをとらえて、血流を測定する(血流情報)。
【0144】
異常判定部420は、血圧判定部340によって判定された対象者Aの血圧が所定範囲外だった場合(例えば、最高血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下及び最低血圧(拡張期血圧)が60mmHg以下、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上及び最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上)、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0145】
血糖値判定部350は、血糖値センサS5によってセンシングされた情報に基づいて対象者Aの血糖値が算出され判定される。
【0146】
年齢を重ねると、視力や聴力などの感覚機能や筋力を含めた運動機能、心臓や呼吸の機能などが低下する。そして、膵臓から出ているインスリンの分泌も同様に、加齢とともに減少する。
【0147】
また、年齢を重ねると、筋肉量の低下や内臓脂肪の増加、活動量の低下などから、血糖を下げるインスリンの効果が得られにくくなり、結果として糖尿病を持つ方の割合が増加する。
【0148】
また、高齢の糖尿病の方は食後の血糖が高くなる傾向にある。また低血糖のときであっても、発汗、動悸、手のふるえなどの低血糖症状が出現しにくくなり、糖分をとるなどの対応をしないうちに重症な低血糖になることがある。
【0149】
高齢者の低血糖は、糖尿病の治療を続けることの負担感が増えたり、生活の質が低下したりすることにつながる。さらに、重症の低血糖は転倒・骨折や、認知症、心血管疾患 の発症につながる。
【0150】
加齢とともに薬がからだにたまりやすくなるなどの理由で、以前よりも効果が強くなって低血糖につながる、副作用が出るなどの危険性が高まる。
【0151】
また、脳梗塞や虚血性心疾患、下肢末梢動脈疾患になる頻度が高くなる。したがって、高齢者は常時血糖値を測定するのが好ましい。
【0152】
異常判定部420は、血糖値判定部350によって判定された対象者Aの血糖値が所定範囲外だった場合(例えば、早期空腹時血糖値が126mg/dl以上、75gOGTT2時間値が200mg/dl以上、随時血糖値が200mg/dl以上、HbA1c(JDS値)が6.1%以上)、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0153】
SPO2判定部360は、SPO2センサS6がセンシングした情報に基づき、対象者Aの経皮的動脈血酸素飽和度(SPO2)を判定する。
【0154】
つまり、SPO2判定部360は、対象者Aの血液中の酸素濃度を判定する。
【0155】
睡眠時無呼吸症候群の場合、無呼吸時には血液中の酸素濃度が低くなり、呼吸時には酸素濃度が急激に上昇する。
【0156】
異常判定部420は、SPO2判定部360によって判定された酸素濃度の情報(酸素濃度の変化等)に基づき、対象者Aの睡眠時無呼吸症候群の可能性があるか否かを判定する。
【0157】
異常判定部420は、対象者Aが睡眠時無呼吸症候群の可能性がある場合(1時間に5回以上、それぞれ10秒以上呼吸が止まる場合)、その旨を通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0158】
睡眠判定部370は、心拍数センサS2で測定された心拍数情報又は心拍数判定部320によって判定された心拍数と、加速度センサS3からの対象者Aの情報により、対象者Aの睡眠状態を判定する。
【0159】
つまり、睡眠判定部330は、対象者Aの「浅い眠り」、「深い眠り」、「目覚め」、「レム睡眠」を判定する。
【0160】
睡眠判定部370は、加速度センサS3からの情報により、対象者Aの姿勢や寝返りしたかどうか等を判定することができる。
【0161】
また、睡眠時は心拍数が減少するため、睡眠判定部370は、心拍数から対象者Aが睡眠しているか否か判定することができる。
【0162】
異常判定部420は、睡眠判定部370の情報に基づき、対象者Aの睡眠が足りていないと判定する場合(設定は任意)、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0163】
発汗判定部380は、発汗センサS7がセンシングした情報に基づき、対象者Aの発汗状態を判定する。
【0164】
なお、発汗判定部380は、加速度センサS3によってセンシングされた対象者Aの動作状態を考慮して判定してもよい。
【0165】
異常判定部420は、発汗判定部380からの対象者Aの発汗情報、加速度センサS3による対象者Aの動作、及び、体温センサS1又は体温判定部310からの対象者Aの体温情報に基づいて、対象者Aの体調情報を通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。
【0166】
転倒判定部390は、加速度センサS3及び地磁気センサS4がセンシングした情報に基づき、転倒判定部390は、対象者Aが転倒したか否かを判定する。
【0167】
具体的には、加速度センサS3及び地磁気センサS4がセンシングした値が急激に変化した場合、転倒判定部390は、対象者Aが転倒したと判定する。
【0168】
異常判定部420は、転倒判定部390が、対象者Aが転倒したと判定した場合、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0169】
停滞判定部400は、加速度センサS3及び地磁気センサS4がセンシングした情報に基づき、対象者Aが停滞しているか否かを判定する。
【0170】
異常判定部420は、転倒判定部390が、対象者Aが転倒したと判定した場合で、停滞判定部400が、対象者Aが所定時間停滞していると判定した場合、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0171】
熱中症判定部410は、体温判定部310及び心拍数判定部320の判定に基づいて、対象者Aが熱中症のおそれがあるか否か判定する。
【0172】
異常判定部420は、通信部430を介して第2端末600及び第3端末700に通知する。
【0173】
異常判定部420は、対象者の状態が正常か異常かを判定するところである。正常か異常かは、事前に設定することができ、事前に設定された医師が判定する一般的な基準で判定する。
【0174】
通信部430は、通知部421と緊急通知部422とを含む。したがって、異常判定部420は、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0175】
異常判定部420は、対象者Aの異常を判定した場合であって、緊急性を有するものであると判定した場合、緊急通知部422を介して第2端末600及び第3端末700に通知する。
【0176】
なお、異常判定部420が対象者の状態が正常と判定した場合であっても、常時、対象者Aの状態の情報が第3端末700に送信される。
【0177】
記憶部440は、第1端末200から各センサの情報及びサーバ300内の各判定部によって判定された結果を記憶する。また、高齢者等を含む在宅患者の個人情報が記憶されている。
【0178】
位置信号判定部450には地図情報が含まれる。位置信号判定部450は、第1端末200の第1位置信号部230から送信された位置信号を地図情報に反映させる。
【0179】
地図情報に反映された第1端末200の位置信号は、第2端末600及び第3端末700に送信される。なお、サーバ300は、地図情報も含めて第1端末200の位置情報を第2端末600及び第3端末700に送信しても良い。
【0180】
異常判定部420は、予め定められた所定の範囲を超えて第1端末200が移動した場合、通知部421又は緊急通知部422を介して第3端末700に通知する。なお、緊急通知部422が使用された場合は、第2端末600にも通知される。
【0181】
WBGT判定部460は、気温センサS8、湿度センサS9及び黒球温度センサS10がセンシングした情報に基づいてWBGT値を算出する。
【0182】
黒球温度センサS10は、輻射熱を検知するものである。
【0183】
熱中症判定部410は、WBGT判定部460によって算出されたWBGT値、及び、事前に設定した値に基づき、第1端末200及び第3端末700に、「注意」、「警戒」等の通知を行う。
【0184】
(第2端末600)
図1に示すように、第2端末600は、スマートフォン等の端末であり、所有者の例は、高齢者等の対象者Aの家族等である。
【0185】
第2端末600は、情報を記憶する第2記憶部610と、
第3端末700又はサーバ300と通信をする第2通信部620と、
位置信号判定部450からの位置信号を受信する第2位置信号部630と、を含む。
【0186】
第2記憶部610は、サーバ300から送信された対象者Aの情報を保存するところである。なお、第2記憶部610を有さない構成であってもよい。
【0187】
第2通信部620は、第3端末700又はサーバ300と通信するところである。具体的には、第2通信部620は、第3端末700の第3通信部720又はサーバ300の通信部430と通信する。
【0188】
第2通信部620は、第2緊急受信部621を含む。
【0189】
サーバ300の異常判定部420で第1端末200の所有者Aの異常が判定された場合、異常判定部420は緊急通知部422を介して第2端末600及び第3端末700にその旨を通知する。
【0190】
第2端末600の第2緊急受信部621は、サーバ300の緊急通知部422又は第3端末700の第3緊急通知部721からの緊急通知を受信する。
【0191】
第2端末600が緊急通知部422又は第3緊急通知部721からの緊急通知を受信した場合、アラーム等により第2端末600の所有者に対象者Aに異常があったことを通知する。
【0192】
これにより、第2端末600の所有者は、見守り対象である高齢者等の対象者Aの状態を、対象者Aから離れた場所であってもすぐに把握することができる。
【0193】
第2位置信号部630は、第1端末200の位置信号を受信するところである。
【0194】
第2位置信号部630は、画面等の表示部(図示しない)に表示された地図に第1端末200の位置を表示する。
【0195】
これにより、第2端末600の所有者は、見守り対象である高齢者等の対象者Aの位置を、対象者Aから離れた場所であってもすぐに把握することができる。
【0196】
そのため、例えば、対象者Aが認知症看者である場合、対象者Aが徘徊しても、第2端末600の所有者はすぐに対象者Aの位置を把握することができる。
【0197】
(第3端末700)
図1及び
図2に示すように、第3端末700は、異常判定部420から通知があった場合に、第1端末200の所有者である対象者Aの状況を確認し、診断を行い、また、救急車の配車を行う。
【0198】
本実施形態では、第3端末700の所有者は、病院等の医療機関である。
【0199】
第3端末700は、サーバ300から送信された情報を保存する第3記憶部710と、
サーバ300及び第2端末600と通信する第3通信部720と、
第1端末200からの位置信号(又は位置信号判定部450からの位置信号)を受信する第3位置信号部730と、
第1端末200の所有者である対象者Aの診断を行う診断部740と、
第1端末200の所有者の対象者Aに対して救急車等の配車を行う配車部750と、
第2端末600に第1端末200の所有者の対象者Aの状況を報告する報告部760と、
を含む。
【0200】
第3通信部720は、サーバ300及び第2端末600と通信し、サーバ300の異常判定部420からの通知を受信する。
【0201】
第3通信部720は、第3緊急通信部721を備えている。
【0202】
異常判定部420が判定した内容が緊急性を有する内容の場合、緊急通知部422から第3緊急通信部721に通信が行われる。
【0203】
緊急性を有する内容か否かは、事前に設定された内容で判断される。
【0204】
異常判定部420が「異常である」と通知した場合、第3端末700ではアラーム音が鳴ったり、非常ランプが点灯したり、表示画面上に対象者Aに異常が生じた旨が表示される。
【0205】
異常判定部420が「異常」と判定した通知がサーバ300から第3端末700にあった場合、診断部740は第1端末200の対象者Aの診断を行う。
【0206】
また、診断部740では、対象者Aの状況を確認し、異常判定部420の判定が正しいか否か確認する。
【0207】
第3位置信号部730は、第1端末200の位置信号を受信し、第1端末200の位置を第3端末700の表示画面に表示させる。
【0208】
これにより、第3端末700の使用者は、対象者Aがどこにいるか把握することができる。
【0209】
診断部740では、第1端末200と通信を行い、第1端末200と映像又は音声によって通話ができるようにする。
【0210】
本実施形態では、診断部740は、第1端末200の利用者(対象者A)が通話着信に出なくても、強制的に接続し通話ができるようになっている。
【0211】
第3端末700の利用者は、医師又は看護師であり、診断部740を介して第1端末200の利用者(対象者A)を診断することができる。
【0212】
なお、診断部740では、テレビ電話によって相手方の映像が表示されるようにすることも可能である。
【0213】
本実施形態では、監視カメラを設置しており、診断部740は、監視カメラの映像を表示画面に表示させることが可能である。
【0214】
診断部740によって、対象者Aに異常がないと第3端末700の利用者である医師が判断した場合、診断内容が診断部740に保存される。
【0215】
同様に、診断部740によって、対象者Aに異常があると第3端末700の利用者である医師が判断した場合、診断内容が診断部740に保存される。
【0216】
診断部740での診断結果は、第3端末700から第2端末600に、報告部760によって報告される。
【0217】
診断部740によって、対象者Aに異常があると第3端末700の利用者である医師が判断した場合で、緊急性を有する場合は、配車部750が救急車等の配車を行う。
【0218】
配車部750は、救急車等の配車の手配を行うところである。
【0219】
第3端末700の利用者である医師又は看護師が、対象者Aに配車が必要であると判断した場合、配車部750は配車を行う。
【0220】
配車部750は、第3位置信号部730によって第1端末200の位置信号が表示されている位置に、救急車等の配車を行う。
【0221】
第3端末700は、対象者Aの異変に24時間対応できるように、複数人で所持するのが好ましい。
【0222】
なお、本実施形態では第3端末700の所有者は、民生委員等であったが、第3端末700を介して緊急通知部422から自動的に病院に連絡するものであってもよい。
【0223】
また、第3端末700を介して緊急通知部422から自動的に対象者Aの位置に救急車を配車するものであってもよい。
【0224】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0225】
100…見守りシステム
200…第1端末
300…サーバ
310…体温判定部
320…心拍数判定部
330…歩数判定部
340…血圧判定部
350…血糖値判定部
360…SPO2判定部
370…睡眠判定部
380…発汗判定部
390…転倒判定部
400…停滞判定部
410…熱中症判定部
420…異常判定部
460…WBGT判定部
600…第2端末
700…第3端末