(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070338
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】モニタ表示輝度測定装置及びモニタ表示輝度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20240516BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240516BHJP
H04N 17/04 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G01M11/00 T
G09G5/00 X
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
H04N17/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180754
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】天花寺 秀紀
【テーマコード(参考)】
2G086
5C061
5C182
【Fターム(参考)】
2G086EE10
5C061BB03
5C061BB11
5C061EE05
5C182AA03
5C182AA13
5C182AB12
5C182AC03
5C182BA14
5C182BA25
5C182BC01
5C182BC22
5C182BC25
5C182CA01
5C182CB42
5C182CC21
5C182CC25
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】モニタの表示輝度をほぼ自動的に測定することができるモニタ表示輝度測定装置を提供する。
【解決手段】発光輝度取得部12は、画像信号生成部11がモニタ20に画像信号を供給している状態で、モニタ20の画面上を自走する自走式センサ30Aに備えられている輝度センサ33が検出した画面の発光輝度を取得する。移動制御部14は自走式センサ30Aの移動を制御する。位置検出部(位置・向き検出部13)は、画像信号生成部11がモニタ20に自走式センサ30Aの位置を検出するための所定のパターンを有する位置検出用画像信号を供給している状態で、所定のパターンが有する輝度値と、発光輝度取得部12が取得した発光輝度との比較結果に基づいて、自走式センサ30Aの画面上の位置を検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタに供給する画像信号を生成する画像信号生成部と、
前記モニタの画面上を自走する自走式センサに備えられている輝度センサが検出した前記画面の発光輝度を取得する発光輝度取得部と、
前記自走式センサの移動を制御する移動制御部と、
前記画像信号生成部が前記モニタに前記自走式センサの位置を検出するための所定のパターンを有する位置検出用画像信号を供給している状態で、前記所定のパターンが有する輝度値と、前記発光輝度取得部が取得した発光輝度との比較結果に基づいて、前記自走式センサの前記画面上の位置を検出する位置検出部と、
を備えるモニタ表示輝度測定装置。
【請求項2】
前記輝度センサは所定の面積の撮像領域を有する撮像素子であり、
前記画像信号生成部が、線対称であり、かつ点対称ではない所定の形状を有する図形を示す向き検出用画像信号を前記モニタに供給して、前記撮像素子が前記図形を撮像している状態で、前記撮像領域と前記図形との位置関係に基づいて、前記自走式センサの向きを検出する向き検出部をさらに備える
請求項1に記載のモニタ表示輝度測定装置。
【請求項3】
前記図形はその全体が前記撮像領域内に収まる大きさを有する請求項2に記載のモニタ表示輝度測定装置。
【請求項4】
前記向き検出部は、前記撮像領域の重心と前記図形の重心とを一致させた状態で、前記自走式センサの向きを検出する請求項3に記載のモニタ表示輝度測定装置。
【請求項5】
輝度センサを備える自走式センサを、モニタの画面上に配置するか前記画面に近接させた状態で、前記モニタに前記自走式センサの位置を検出するための所定のパターンを有する位置検出用画像信号を供給し、
前記自走式センサを移動させ、
前記所定のパターンが有する輝度値と、前記輝度センサが検出した前記画面の発光輝度との比較結果に基づいて、前記画面に対する前記自走式センサの位置を検出し、
前記モニタに表示輝度測定用画像信号を供給している状態で、検出された前記画面に対する前記自走式センサの位置に基づいて、前記画面に対する前記自走式センサの位置を複数の位置に移動させ、
前記複数の位置の各位置において前記輝度センサが検出した前記画面の発光輝度を前記画面に表示されている画像の表示輝度として取得する
モニタ表示輝度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタ表示輝度測定装置及びモニタ表示輝度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医用モニタにおいては、画像が所望の輝度値で表示されているかを確認するため画面上の表示輝度を測定して、測定結果に基づいて表示輝度を校正する必要がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モニタの表示輝度を測定する際に、ユーザによる手作業を極力減らすことが求められている。本発明は、モニタの表示輝度をほぼ自動的に測定することができるモニタ表示輝度測定装置及びモニタ表示輝度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、モニタに供給する画像信号を生成する画像信号生成部と、前記モニタの画面上を自走する自走式センサに備えられている輝度センサが検出した前記画面の発光輝度を取得する発光輝度取得部と、前記自走式センサの移動を制御する移動制御部と、前記画像信号生成部が前記モニタに前記自走式センサの位置を検出するための所定のパターンを有する位置検出用画像信号を供給している状態で、前記所定のパターンが有する輝度値と、前記発光輝度取得部が取得した発光輝度との比較結果に基づいて、前記自走式センサの前記画面上の位置を検出する位置検出部とを備えるモニタ表示輝度測定装置を提供する。
【0006】
本発明は、輝度センサを備える自走式センサを、モニタの画面上に配置するか前記画面に近接させた状態で、前記モニタに前記自走式センサの位置を検出するための所定のパターンを有する位置検出用画像信号を供給し、前記自走式センサを移動させ、前記所定のパターンが有する輝度値と、前記輝度センサが検出した前記画面の発光輝度との比較結果に基づいて、前記画面に対する前記自走式センサの位置を検出し、前記モニタに表示輝度測定用画像信号を供給している状態で、検出された前記画面に対する前記自走式センサの位置に基づいて、前記画面に対する前記自走式センサの位置を複数の位置に移動させ、前記複数の位置の各位置において前記輝度センサが検出した前記画面の発光輝度を前記画面に表示されている画像の表示輝度として取得するモニタ表示輝度測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のモニタ表示輝度測定装置及びモニタ表示輝度測定方法によれば、モニタの表示輝度をほぼ自動的に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係るモニタ表示輝度測定装置を搭載するモニタ校正装置を示すブロック図である。
【
図2】第1の構成例の自走式センサをモニタの画面上に載置している状態を示す平面図である。
【
図3A】第1の構成例の自走式センサをモニタの画面上に載置するために、モニタを横に倒した状態を示す側面図である。
【
図3B】第1の構成例の自走式センサをモニタの画面上に載置するために、筐体を倒した状態を示す側面図である。
【
図4】第1の構成例の自走式センサの裏面を示す平面図である。
【
図6】モニタの画面に向き検出用画像を表示した状態を示す図である。
【
図7】自走式センサが向き検出用画像の位置へと向かって、輝度センサの撮像領域が向き検出用画像を覆った状態を示す図である。
【
図8】
図7の状態で、発光輝度取得部に供給される輝度センサからの出力信号を示す図である。
【
図9】移動制御部が、自走式センサを、画面を複数の領域に分割した各領域に順に移動させて、発光輝度取得部が各領域における発光輝度を取得した状態を示す図である。
【
図10】バックライト輝度設定部がバックライトの領域を複数の領域に分割した状態を示す図である。
【
図11A】第2の構成例の自走式センサを示す正面図である。
【
図11B】第2の構成例の自走式センサを示す側面図である。
【
図12】第3の構成例の自走式センサを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態に係るモニタ表示輝度測定装置及びモニタ表示輝度測定方法について、添付図面を参照して説明する。一実施形態に係るモニタ表示輝度測定装置は、モニタの輝度を校正する後述する
図1に示すモニタ校正装置10に搭載されている場合を例とする。
【0010】
図1において、モニタ校正装置10は、画像信号生成部11、発光輝度取得部12、位置・向き検出部13、移動制御部14、輝度校正制御部15を備える。位置・向き検出部13は位置検出部と向き検出部との双方の機能を備える。位置検出部と向き検出部とが別々に設けられていてもよい。輝度校正制御部15は保持部151を有する。モニタ20は、液晶パネル21、バックライト22、バックライト輝度設定部23を備える。典型的には、モニタ20は医用モニタである。モニタ20は医用モニタに限定されない。液晶パネル21はモニタ20が備える表示パネルの一例である。表示パネルは液晶パネル21に限定されない。
【0011】
自走式センサ30Aは自走式センサ30の第1の構成例であり、自走式センサ30Bは、自走式センサ30の第2の構成例である。後述する自走式センサ30Cは、自走式センサ30の第3の構成例である。自走式センサ30Aまたは30Bは、駆動部31、タイヤ32、輝度センサ33を備える。
【0012】
モニタ20をモニタ校正装置10によって校正していない状態においては、モニタ校正装置10はモニタ20及び自走式センサ30には接続されていない。モニタ20をモニタ校正装置10によって校正するとき、モニタ校正装置10とモニタ20とが有線または無線で接続され、モニタ校正装置10と自走式センサ30とが有線または無線で接続される。
【0013】
モニタ20をモニタ校正装置10によって校正しておらず、モニタ20を画像表示のために使用する場合には、液晶パネル21には画像表示するための画像信号が供給される。モニタ20が医用モニタである場合には、液晶パネル21に供給される画像信号は医用画像信号である。
【0014】
以下、モニタ20をモニタ校正装置10によって校正する場合の各部の動作を説明する。まず、自走式センサ30が自走式センサ30Aである場合を説明する。
図2に示すように、自走式センサ30Aはモニタ20(液晶パネル21)の画面上に載置されている。自走式センサ30Aは、移動制御部14による制御に従って画面上を自走する。
図3A及び
図3Bに示すように、モニタ20は、液晶パネル21、バックライト22、バックライト輝度設定部23を収納する筐体201、筐体201に連結または一体化されている支柱202、支柱202に連結または一体化されている台座203を備える。
【0015】
自走式センサ30Aを
図2に示すように画面上に載置するため、モニタ20は、
図3Aに示すように横に倒された状態とされるか、
図3Bに示すように画面が水平面と平行になるように筐体201を倒すことができるように構成されている。
【0016】
図4に示すように、自走式センサ30Aは、裏面に、タイヤ32としての一対のタイヤ32a及び32bと、ローラ34を備える。輝度センサ33は、所定の面積の矩形状の撮像素子によって構成されている。撮像素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサである。駆動部31がタイヤ32aもしくは32b、またはタイヤ32a及び32bを駆動することにより、自走式センサ30Aは各種の方向に移動する。
【0017】
図1に戻り、画像信号生成部11は、液晶パネル21の画面上の自走式センサ30Aの位置を検出するための位置検出用画像信号、自走式センサ30Aの向きを検出するための向き検出用画像信号、画面に表示されている画像の表示輝度を測定するための表示輝度測定用画像信号を選択的に生成してモニタ20に供給する
【0018】
発光輝度取得部12は、画像信号生成部11がモニタ20に画像信号を供給している状態で、自走式センサに備えられている輝度センサ33が検出した画面の発光輝度を取得する。移動制御部14は、駆動部31を制御することにより自走式センサ30Aの移動を制御する。駆動部31は例えばモータである。
【0019】
画像信号生成部11は、液晶パネル21に自走式センサ30Aの位置を検出するための
図5に示すような所定のパターンを有する位置検出用画像を示す位置検出用画像信号を供給する。
図5に示すパターンは、一例として、黒と白の領域を含む。自走式センサ30Aが黒の領域上に位置していれば、発光輝度取得部12が取得する画面の発光輝度は低い値になる。自走式センサ30Aが白の領域上に位置していれば、発光輝度取得部12が取得する画面の発光輝度は高い値となる。
【0020】
図5において、(a)は液晶パネル21の全画面が黒の状態を示しており、(b1)は画面の左半分が黒で右半分が白の状態、(b2)は画面の左半分が白で右半分が黒の状態を示している。画像信号生成部11は、
図5の(b1)に示す状態の画像信号と(b2)に示す状態の画像信号とを順に生成して液晶パネル21に供給する。このように位置検出用画像信号のパターンを切り替えて、
図5の(b1)に示す状態の画像信号を供給しているときに発光輝度取得部12が取得する画面の発光輝度が高い値となっていれば、自走式センサ30Aは画面の右半分の領域に位置していることが検出される。
【0021】
自走式センサ30Aが画面の右半分の領域に位置していることが検出されたら、
図5の(c1)及び(c2)に示すように、画像信号生成部11は、画面の右半分における上半分が白で下半分が黒の状態の画像信号と、画面の右半分における上半分が黒で下半分が白の状態の画像信号とを順に生成して液晶パネル21に供給する。このように位置検出用画像信号のパターンを切り替えて、
図5の(c1)に示す状態の画像信号を供給しているときに発光輝度取得部12が取得する画面の発光輝度が高い値となっていれば、自走式センサ30Aは画面の右半分における上半分の領域に位置していることが検出される。
【0022】
図5の(d1)及び(d2)は、画面の右半分の下半分を黒として上半分を左右に分割して、白と黒とを切り替えた状態を示している。画像信号生成部11が位置検出用画像信号のパターンの変更を繰り返すことにより、位置・向き検出部13は、自走式センサ30Aの画面上の位置を絞り込むことができる。このようにして、位置・向き検出部13は、所定のパターンが有する輝度値と発光輝度取得部12が取得する画面の発光輝度との比較結果に基づいて自走式センサ30Aの位置を検出する。
【0023】
自走式センサ30Aの位置検出方法は、
図5に示す位置検出用画像信号のパターンを用いる方法に限定されない。例えば、画像信号生成部11が画面上の所定の領域だけ白でその他の領域が黒の画像信号を生成して、白の領域を移動させながら、位置・向き検出部13が、発光輝度取得部12が取得する画面の発光輝度を検出することで自走式センサ30Aの位置を特定してもよい。
【0024】
以上のようにして位置・向き検出部13が自走式センサ30Aの画面上の位置を検出したら、位置・向き検出部13は次のようにして自走式センサ30Aの向きを検出する。
図6に示すように、画像信号生成部11は、液晶パネル21に自走式センサ30Aの向きを検出するための向き検出用図形40(以下、図形40と略記する)を示す向き検出用画像信号を供給する。
図6に示す例では、図形40は台形である。台形は、線対称であり、かつ点対称ではない形状の一例である。自走式センサ30Aの向きを検出するための図形40は、この条件を満たせば所定の形状でよい。図形40の上底及び下底の直線が水平方向または垂直方向と平行となるような画像信号とするのがよい。画像信号生成部11は、図形40の位置を自走式センサ30Aの位置へと移動させる。
【0025】
図7は、図形40の位置が自走式センサ30Aの位置へと移動して、輝度センサ33の撮像領域が図形40を覆った状態を示している。図形40はその全体が輝度センサ33の撮像領域内に収まる大きさを有することが好ましい。画像信号生成部11は、撮像領域の重心C33と図形40の重心C40とを一致させることが好ましい。
【0026】
図7の状態で、発光輝度取得部12に供給される輝度センサ33からの出力信号S33は
図8となる。出力信号S33は、図形40に対応する撮像画像S40を含む。位置・向き検出部13は、発光輝度取得部12が取得した出力信号S33と、出力信号S33内の撮像画像S40との位置関係に基づいて自走式センサ30Aの向きD30を検出することができる。
【0027】
位置・向き検出部13は、撮像画像S40に二点鎖線で示す仮想的な中心線40CLを引く。位置・向き検出部13は、中心線40CLと出力信号S33(輝度センサ33の撮像領域)の短辺とがなす角度と、出力信号S33内の撮像画像S40の向きとに基づいて、自走式センサ30Aの向きD30を検出する。
【0028】
以上のようにして、位置・向き検出部13が自走式センサ30Aの位置及び向きD30を検出すれば、画像信号生成部11は、液晶パネル21の画面に表示されている画像の表示輝度を測定するための表示輝度測定用画像信号を液晶パネル21に供給する。表示輝度測定用画像信号は例えば白の画像信号でよい。即ち、画像信号を8ビットとすれば、表示輝度測定用画像信号は、それぞれが階調255である赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号でよい。
【0029】
この状態で、移動制御部14は、自走式センサ30Aを、
図9に示すように例えば液晶パネル21の画面を領域21a~21iに分割した各領域に順に移動させる。発光輝度取得部12は、領域21a~21iにおける画面の発光輝度La~Liを順に取得する。輝度校正制御部15の保持部151は、領域21a~21iにおける発光輝度La~Liを保持する。
【0030】
図10に示すように、バックライト輝度設定部23は、液晶パネル21の画面に対応するバックライト22の領域を例えば領域22a~22iに分割して、各領域の発光輝度を設定している。液晶パネル21によって画像を表示するモニタ20においては、バックライト22による発光輝度を調整することによって画面に表示される画像の表示輝度が調整される。輝度校正制御部15は、画面の領域21a~21iに表示される画像の表示輝度が一定となるようなバックライト22における領域22a~22iの発光輝度を設定するよう、バックライト輝度設定部23を制御する。
【0031】
図1においては、バックライト22による発光輝度を調整することによって画面に表示される画像の表示輝度を調整しているが、液晶パネル21に供給する画像信号の輝度値を調整することによって画面に表示される画像の表示輝度を調整してもよい。モニタ20が液晶パネル21の代わりに自発光式の表示パネルを備える場合には、表示パネルに供給する画像信号の輝度値を調整すればよい。
【0032】
図2に示す自走式センサ30Aの代わりに、
図11A及び
図11Bに示す自走式センサ30Bを用いてもよい。
図11Aまたは
図11Bに示すように、自走式センサ30Bは、第1の移動体35、引っ掛け部36、支柱37、第2の移動体38を備える。
【0033】
第1の移動体35にはタイヤ32としてのタイヤ32c~32fが装着されており、タイヤ32c~32fを駆動する
図1に示す駆動部31を収納している。引っ掛け部36は、第1の移動体35を筐体201に引っ掛けて落下しないようにしている。支柱37は端部が第1の移動体35に固定されており、鉛直方向に伸びている。
【0034】
第2の移動体38の液晶パネル21の画面と対向する面には、輝度センサ33が装着されている。輝度センサ33は撮像素子であってもよい。第2の移動体38は、例えばラックアンドピニオンによって支柱37に沿って上下方向に移動自在とされている。駆動部31とは別の図示していない駆動部は、第2の移動体38が上下動するようラックアンドピニオンを駆動する。
【0035】
移動制御部14は、駆動部31を制御して第1の移動体35を筐体201の上端面に沿って移動させ、図示していない駆動部を制御して第2の移動体38を支柱37に沿って上下方向に移動させる。これによって、移動制御部14は、輝度センサ33を液晶パネル21の画面の任意の位置に対向させることができる。移動制御部14は、自走式センサ30Bを、
図9に示すように例えば液晶パネル21の画面を領域21a~21iに分割した各領域に順に移動させる。発光輝度取得部12、輝度校正制御部15、及びバックライト輝度設定部23の動作は、自走式センサ30Aを用いた場合と同様である。
【0036】
自走式センサ30A及び30Bの代わりに、
図12に示すような自走式センサ30Cを用いてもよい。自走式センサ30Cは、液晶パネル21表面のガラス板21G1と、カバーガラス板21G2との間に配置されている。自走式センサ30Cは、可撓性を有する基材301と複数の圧電素子302とを含む圧電アクチュエータによって構成されている。カバーガラス板21G2から自走式センサ30Cに圧力をかけると、圧電素子302は基材301を変形させる。基材301及び圧電素子302が移動子、ガラス板21G1及びカバーガラス板21G2が固定子である。
【0037】
複数の圧電素子302によって基材301を波状に変形させ、例えば波が右側から左側へと動くように基材301を変形させると、自走式センサ30Cは右側から左側へと動く。複数の圧電素子302が駆動部31に相当する働きをし、基材301がタイヤ32に相当する働きをする。
図12では図示していないが、自走式センサ30Cは輝度センサ33に相当する構成を含む。外部から各圧電素子302に配線して電力を供給してもよいし、自走式センサ30Cがバッテリを内蔵してバッテリから各圧電素子302に電力を供給してもよい。
【0038】
圧電アクチュエータによって構成された自走式センサ30Cは、電力を供給していない状態では移動子が動かないので移動しない
【0039】
以上のように、ユーザは、輝度センサ33を備える自走式センサ30を、モニタ20の画面上に配置するか画面に近接させる。モニタ校正装置10は、次のようにモニタ表示輝度測定方法を実行する。画像信号生成部11は、モニタ20に自走式センサ30の位置を検出するための所定のパターンを有する位置検出用画像信号を供給する。移動制御部14は、画面に所定のパターンが表示されている状態で自走式センサ30を移動させる。
【0040】
位置・向き検出部13は、所定のパターンが有する輝度値と、輝度センサ33が検出した画面の発光輝度との比較結果に基づいて、画面に対する自走式センサ30の位置を検出する。移動制御部14は、モニタ20に表示輝度測定用画像信号を供給している状態で、検出された画面に対する自走式センサ30の位置に基づいて、画面に対する自走式センサ30の位置を複数の位置に移動させる。発光輝度取得部12は、複数の位置の各位置において輝度センサ33が検出した画面の発光輝度を画面に表示されている画像の表示輝度として取得する。
【0041】
以上説明した本実施形態のモニタ表示輝度測定装置及びモニタ表示輝度測定方法によれば、モニタ20の表示輝度をほぼ自動的に測定することができる。
【0042】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々可能である。モニタ校正装置10をモニタ20と一体化させてもよい。モニタ校正装置10をパーソナルコンピュータで構成してもよい。パーソナルコンピュータの中央処理装置が、本実施形態のモニタ表示輝度測定方法に相当する処理を実行させるコンピュータプログラムを実行してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 モニタ校正装置
11 画像信号生成部
12 発光輝度取得部
13 位置・向き検出部
14 移動制御部
15 輝度校正制御部
20 モニタ
21 液晶パネル
22 バックライト
30A,30B,30C 自走式センサ
31 駆動部
32 タイヤ
33 輝度センサ
151 保持部