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特開2024-70358発泡樹脂製の台板及びその台板を用いたパレット
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  • 特開-発泡樹脂製の台板及びその台板を用いたパレット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070358
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】発泡樹脂製の台板及びその台板を用いたパレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/24 20060101AFI20240516BHJP
   B65D 19/38 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B65D19/24 A
B65D19/38 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180790
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】593025619
【氏名又は名称】トーホー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小田 徹
(72)【発明者】
【氏名】深澤 大地
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA03
3E063BA06
3E063CA01
3E063DA05
3E063EE03
3E063FF07
3E063GG10
(57)【要約】
【課題】荷物の形状に依らずカバーを確実に固定することができる台板を提供する。
【解決手段】発泡樹脂製の台板1は、荷物が載置される矩形の天板2と、天板2の下面と一体的に設けられた底板3と、を備える。底板3は、平面視において天板2よりも小さく、天板2の各辺に沿った4つの辺31を有する。4つの辺31は、各々の中点を頂部31aとして外方に向かって凸となっている。このように構成された台板1では、荷物ではなく底板3にカバーを固定し、且つ底板3とカバーとの密着度が高いので、荷物の形状に依らずカバーを確実に固定することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物が載置される矩形の天板と、前記天板の下面と一体的に設けられた底板と、を備えた発泡樹脂製の台板であって、
前記底板は、平面視において前記天板よりも小さく、該天板の各辺に沿った4つの辺を有し、前記4つの辺は、各々の中点を頂部として外方に向かって凸となっていることを特徴とする台板。
【請求項2】
前記底板において各々の辺が交差する角部は、面取りされていることを特徴とする請求項1に記載の台板。
【請求項3】
平面視において、前記底板の辺の頂部は、前記天板の縁から該天板の一辺の長さの1~2%内方に入った箇所に配置され、前記底板の角部は、前記天板の縁から該天板の一辺の長さの4~5%内方に入った箇所に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の台板。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の台板において前記底板の下面に複数の脚体が設けられたことを特徴とするパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトで荷物を運搬する際に利用される発泡樹脂製の台板及びその台板を用いたパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フォークリフトで荷物を運搬する際には、荷物を平板状パレットの上に載置し、パレットごと荷物をフォークリフトで持ち上げる。このとき、例えば、荷物を保冷する必要が有る場合には、熱反射層及び/又は断熱層を有するカバーで荷物を覆い、カバーの内側にドライアイス等の冷却材を設置して荷物を冷却する(例えば、特許文献1参照)。そして、カバーの裾をバンドやベルト等で固定することにより、冷却材からの冷気が外界に漏れ出さないようにすると共に、荷物の荷崩れを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-203396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなカバーでは、カバーの裾を荷物の周囲に固定する。そのため、例えば、荷物に凹凸が多い場合には、いくらカバーを強く固定したとしてもカバーと荷物との間に隙間ができ、その隙間から冷気が外界に漏れ出してしまう。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであって、荷物の形状に依らずカバーを確実に固定することができる台板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、荷物が載置される矩形の天板と、前記天板の下面と一体的に設けられた底板と、を備えた発泡樹脂製の台板であって、前記底板は、平面視において前記天板よりも小さく、該天板の各辺に沿った4つの辺を有し、前記4つの辺は、各々の中点を頂部として外方に向かって凸となっていることを特徴とする。
【0007】
前記底板において各々の辺が交差する角部は、面取りされていることが好ましい。
【0008】
平面視において、前記底板の辺の頂部は、前記天板の縁から該天板の一辺の長さの1~2%内方に入った箇所に配置され、前記底板の角部は、前記天板の縁から該天板の一辺の長さの4~5%内方に入った箇所に配置されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明のパレットは、上記台板において前記底板の下面に複数の脚体が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の台板によれば、荷物ではなく底板にカバーを固定し、且つ底板とカバーとの密着度が高いので、荷物の形状に依らずカバーを確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る台板と荷物及びカバーとの配置関係を示す斜視図。
図2】(a)は、上記台板を上方から見たときの斜視図、(b)は、同台板を上下反転させたときの斜視図。
図3】(a)(b)は、それぞれ荷物を載置した上記台板にカバーを取り付けた状態を示す斜視図及び側面図。
図4】(a)(b)は、それぞれ従来の台板にバンドを取り付けた状態を示す下面図及び斜視図。
図5】(a)(b)は、それぞれ本実施形態の台板にバンドを取り付けた状態を示す下面図及び側面図。
図6】(a)は、本実施形態の台板に脚体を設けて構成したパレットを上方から見たときの斜視図、(b)は、同パレットを上下反転させたときの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る台板及びその台板を用いたパレットについて図面を参照して説明する。図1に示すように、平板状に形成された台板1の上に荷物Pが載置され、台板1及び荷物PにカバーCがかけられる。
【0013】
図2(a)(b)に示すように、台板1は、矩形平板状に形成された天板2と、天板2の下面と一体的に設けられた底板3と、を備える。天板2及び底板3は、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系の発泡樹脂により一体形成され、好ましくは、発泡ポリスチレン(EPS(expanded polystyrene))により一体形成される。
【0014】
天板2は、例えば、一辺が1100mmで厚みが20mmの正方形板状に形成される。底板3は、例えば、厚みが40mmの平板状に形成され、平面視において天板2よりも小さい。底板3は、天板2の各辺に沿った4つの辺31と、各々の辺31が交差する4つの角部32と、を有する。4つの辺31は、各々の中点を頂部31aとして外方に向かって凸となるように形成されており、4つの角部32は、それぞれ面取りされている。
【0015】
頂部31aは、天板2の縁21から天板2の一辺の長さの1~2%内方に入った箇所に配置され、角部32は、天板2の縁21から天板2の一辺の長さの4~5%内方に入った箇所に配置されている。天板2の一辺の長さが1100mmである場合、頂部31a及び角部32は、それぞれ縁21から11~22mm及び44~55mm内方に入った箇所に配置される。
【0016】
図3(a)(b)に示すように、カバーCは、荷物Pの上から荷物P及び台板1の側面を覆うように被せられ、カバーCを台板1に固定するためにバンドBが取り付けられる。バンドBは、例えば、ポリプロピレン(PP)バンドやゴムバンドにより構成され、カバーCの上から底板3の側周に巻き付けられる。
【0017】
ここでまず、図4(a)(b)に示すように、辺31’が外方に向かって凸となっておらず、平面視略正方形状に形成された従来の底板3’にバンドBを巻き付ける場合について説明する。この場合、バンドBによる締め付け力は、底板3’の角部32’には強くかかるものの、辺31’の中程では弱くなり易い。そのため、辺31’の中程ではバンドBが底板3’から浮いた状態となり、バンドBと底板3’との間に隙間Gができることがある。そうすると、このような隙間Gからカバー(不図示)の内側に埃や害虫が入り込んでしまったり、カバーの内側に冷却材を設置し、その冷却材からの冷気で荷物(不図示)を冷却する場合には、冷気が隙間Gから外界に漏れ出して効率良く荷物を冷却することができない。
【0018】
これに対して、図5(a)(b)に示すように、本実施形態の台板1では、辺31が外方に向かって凸となるように形成されているので、底板3の角部32だけでなく辺31の中程でもバンドBによる締め付け力が満遍なくかかり、バンドBが底板3の側周に密着して巻き付けられる。これにより、カバー(不図示)内側への埃や害虫の入り込みや、カバー内側に設置した冷却材からの冷気が外界に漏れ出すのを防止することができる。また、角部32が面取りされているので、バンドBによる締め付け力が強くかかる角部32の欠けや傷みを抑制することができる。
【0019】
このように台板1によれば、荷物Pではなく底板3にカバーCを固定し、且つ底板3とカバーCとの密着度が高いので、荷物Pの形状に依らずカバーCを確実に固定することができる。
【0020】
本来、底板3が円板状に形成されていれば、底板3の全周に亘ってバンドBによる締め付け力が均等にかかる。しかしながら、そうすると、矩形平板状に形成された天板2の角部22近傍には底板3が配置されないことになるので、角部22の強度が低下し、角部22近傍に荷物Pを載置したときに荷物Pの重みによって角部22が割れてしまうことがある。そこで、本実施形態では、頂部31a及び角部32を、例えば、それぞれ天板2の縁21から15mm及び53mm内方に入った箇所に配置し、頂部31a近傍でもバンドBによる締め付け力が十分にかかるようにしつつ、角部32をなるべく天板2の角部22近傍に配置している。これにより、角部22を底板3で補強し、角部22近傍に載置した荷物Pの重みにより角部22が割れてしまうのを抑制することができる。
【0021】
上述のように、頂部31a及び角部32は、それぞれ天板2の縁21から天板2の一辺の長さの1~2%及び4~5%内方に入った箇所に配置される。これら範囲よりも更に内方に頂部31a及び角部32すると、底板3に対して天板2の周縁が張り出すことになり、天板2の強度が周縁において低下してしまう。一方、同範囲よりも更に外方に頂部31a及び角部32すると、周縁における天板2の強度は増すものの、頂部31a近傍においてバンドBによる締め付け力が十分にかからず、バンドBと底板3との間に隙間ができ易くなる。
【0022】
図6に示すように、上述した台板1において、底板3の下面に複数の脚体4を設けることでパレット10としてもよい。脚体4は、例えば、天板2及び底板3と同じ材料により、天板2及び底板3と一体形成される。脚体4は、例えば、3x3のマトリクス状に配置され、外方に位置する8つの脚体4は、それぞれ底板3の辺31に沿って配置されている。各々の脚体4は、下面側が小さくなった逆四角錐台状に形成され、その内部が肉抜きされることで軽量化されている。隣り合う脚体4間のスペースに、フォークリフトのフォークが差し込まれる。
【0023】
なお、本発明に係る台板及びパレットは、上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。例えば、底板の角部は、必ずしも面取りされていなくてもよい。また、天板は、平面視正方形状に限定されず、長方形状に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 台板
2 天板
21 (天板の)縁
3 底板
31 (底板の)辺
31a (底板の辺の)頂部
32 (底板の)角部
4 脚体
10 パレット
P 荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6