(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070364
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】教育システム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/02 20060101AFI20240516BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240516BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20240516BHJP
G09B 5/06 20060101ALN20240516BHJP
【FI】
G09B5/02
G09B19/00 H
G09B9/00 Z
G09B5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180803
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002255
【氏名又は名称】SWCC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516049674
【氏名又は名称】株式会社ACW-DEEP
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】工藤 恭久
(72)【発明者】
【氏名】山口 聡
(72)【発明者】
【氏名】中山 雄裕
(72)【発明者】
【氏名】瀬間 信幸
【テーマコード(参考)】
2C028
【Fターム(参考)】
2C028BB04
2C028BB06
(57)【要約】
【課題】受講者に対し、より教育効果の高い手段を提供すること。
【解決手段】受講者への教育に使用する教育システムAであって、表示部10、撮影部20、計測部30および演算部40を少なくとも具備する。計測部30は、受講者の身体に取り付けて、受講者の動作を把握するための計測情報31を取得する。演算部40は、撮影部20からの撮影情報21およびまたは計測部30からの計測情報31に基づいて、表示部10に表示させる教育画面11を遷移させる機能を有する。また、演算部40は、計測情報31およびまたは撮影情報21が予め保存してある判定基準を満たしている場合に、受講者の動作が正しいと判定する動作判定機能をさらに有してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受講者への教育に使用する教育システムであって、
表示部、撮影部、計測部および演算部を少なくとも具備し、
前記計測部は、前記受講者の身体に取り付け可能に構成し、かつ、当該計測部による計測情報を前記演算部に送信する機能を有し、
前記撮影部は、当該撮影部による撮影情報を前記演算部に送信する機能を有し、
前記演算部は、前記計測情報およびまたは前記撮影情報に基づいて、前記表示部に表示させる教育画面を遷移させる機能を有することを特徴とする、教育システム。
【請求項2】
前記演算部が、
前記計測情報およびまたは前記撮影情報が、予め保存してある判定基準を満たしている場合に、前記受講者の動作が正しいと判定する、動作判定機能をさらに有することを特徴とする、
請求項1に記載の教育システム。
【請求項3】
前記計測情報が、座標情報、加速度情報、移動方向のうち少なくとも何れか一つの情報を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の教育システム。
【請求項4】
前記撮影情報が、前記受講者が使用する教材を撮影した映像情報を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の教育システム。
【請求項5】
前記計測部を、受講者の手に取り付け可能に構成してあることを特徴とする、
請求項1に記載の教育システム。
【請求項6】
所定場所に設置し、前記受講者が手に取れる態様で教材を設置してある、教材設置部を更に具備したことを特徴とする、
請求項5に記載の教育システム。
【請求項7】
前記教材設置部が、前記教材の設置箇所を示す案内部を有することを特徴とする、
請求項6に記載の教育システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受講者への教育に使用する教育システムに関する。
【背景技術】
【0002】
経営者は、工場や工事現場などの作業員として従事することになった未経験者だけでなく、熟練した経験者に対しても、日頃から作業内容や作業手順、その他の注意事項などを、定期的に教育する必要がある。
この教育の実施方法としては、指導員による対面講義またはビデオ講義などを受講する座学型や、指導員監督下で教育内容を実践する実技型などがある。
【0003】
これらの教育を実施または支援するシステムとして、例えば以下の特許文献1に記載の発明では、研修設備を導入室、体感室、体験室および体得室の四室に分け、受講者が四室を順に移動しながら研修を受けることで、受講者の心・身体・頭にそれぞれ刺激を与えることで、研修内容を印象深いものとすることを期待している。
【0004】
また、以下の特許文献2に記載の発明では、災害事例をシミュレートするシミュレーション装置として、災害が発生するまでの流れ(エラーチェーン)を受講者によって確認可能に構成することで、災害発生に至った経緯を受講者により深く理解させることを期待している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7013671号
【特許文献2】特許第6339045号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記した従来技術で開示されている内容とは異なる態様で、受講者に対し、教育効果の高い手段の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべくなされた本願発明は、受講者の教育に使用する教育システムであって、表示部、撮影部、計測部および演算部を少なくとも具備し、前記計測部は、前記受講者の身体に取り付け可能に構成し、かつ、当該計測部による計測情報を前記演算部に送信する機能を有し、前記撮影部は、当該撮影部による撮影情報を前記演算部に送信する機能を有し、前記演算部は、前記計測情報およびまたは前記撮影情報に基づいて、前記表示部に表示させる教育画面を遷移させる機能を有するよう構成した。
当該構成により、計測情報およびまたは撮影情報から得られる受講者の動作に応じた教育画面を自動で表示させていくことで、指導員による個別の立ち会い指導などが無くとも、受講者単独で十分な教育効果を得ることができる。
【0008】
また、本願発明は、前記発明において、前記演算部に対し、前記計測情報およびまたは前記撮影情報が予め保存してある判定基準を満たしている場合に、前記受講者の動作が正しいと判定する動作判定機能をさらに有するよう構成することもできる。
当該構成により、実技教育において受講者の動作が正しく行われているかどうかを定量的に判断しつつ判断結果に応じた教育画面を表示させていくことで、指導員の主観を排し、全ての受講者に対し、均一な教育効果を与えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、受講者に対し、効果の高い教育を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る教育システムの機能ブロック図。
【
図3】撮影情報に基づく動作判定の判定例1を示すイメージ図。
【
図4】撮影情報に基づく動作判定の判定例2を示すイメージ図。
【
図5】計測情報に基づく動作判定の判定例1を示すイメージ図。
【
図6】計測情報に基づく動作判定の判定例2を示すイメージ図。
【
図7】本発明に係る教育システムの全体構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の詳細について説明する。
【0012】
<1>全体構成(
図1)
本発明に係る教育システムAは、表示部10、撮影部20、計測部30および演算部40を少なくとも具備する。
各部は、個別に独立した装置で構成してもよいし、1つの装置で複数の任意の各部を兼用するように構成してもよい。
また、本発明では、必要に応じて、受講者Xや監督者が使用可能な操作部(キーボード、マウスなど)を設けてもよい(図示せず)。
以下、各部の詳細について説明する。
【0013】
<2>表示部(
図1)
表示部10は、演算部40から送信される映像信号を受信して、受講者Xに対し教育画面11を表示するための要素である。
表示部10には、外付けのモニターやスクリーン、ノートPC、タブレット、スマートフォンなどの情報処理端末に設けてある内蔵ディスプレイなどを用いることができる。
【0014】
<3>撮影部(
図1)
撮影部20は、受講者Xや、受講者Xが使用する教材Yなどを撮影するための要素である。
撮影部20には、外付けのWEBカメラ、デジタルカメラ、ノートPC、タブレット、スマートフォンなどの情報処理端末に設けてある内蔵カメラなどを用いることができる。
撮影部20によって撮影された映像は撮影情報21として、演算部40に送られる。
【0015】
<4>計測部(
図1)
計測部30は、受講者Xの身体に装着して、受講者Xの動きを把握するための要素である。
計測部30には、以下で説明する計測情報31を取得可能なセンサ(加速度センサ、赤外線センサ、磁気センサなど)を有する装置であればあらゆる装置を用いることができ、例えば、VRシステムなどでユーザの位置・姿勢・動作などを把握するためにベースステーションと組み合わせて使用されるモーションキャプチャー用のトラッキング装置を用いることができる。
計測部30によって取得された情報は、計測情報31として、演算部40に送られる。
【0016】
<4.1>計測情報
計測部30によって取得される計測情報31としては、座標情報、加速度情報、移動方向のうち少なくとも何れか一つを含むものとし、教育内容に応じて、後述する受講者Xの動作の成否判定に必要な計測情報31を適宜選択して使用すればよい。
【0017】
<4.2>計測部の装着箇所
本発明において、計測部30を受講者Xの身体の何れの部位に装着するかは特段限定しない。これは教育内容に応じて、受講者Xの身体の中からどの部位の動きを把握するか否かが異なるためである。
計測部30を装着する位置は、受講者Xの実技の邪魔にならない箇所が望ましく、例えば手指を用いた実技を行う場合には、受講者Xの手(受講者Xの肩から指先までの部分を指し、受講者Xの肩、腕、肘、手首、甲、掌および指を含むものとする。)に直接または間接的に計測部30を装着する態様が考えられる。
【0018】
<4.3>計測部の取付数
本発明において、計測部30は単数でも複数であってもよい。
例えば、受講者Xの実技の際に両手を使用する場合には、受講者Xの両手にそれぞれ計測部30を装着しておくことが望ましい。
また、片手のみを使用する場合には、使用する一方の手に計測部30を装着する方法も考えられる。
また、実技内容の都合上、例えば、受講者Xの手首と肘の二点の位置を把握する必要がある場合には、受講者Xの一方の手の、手首と肘の両方に計測部30を装着してもよい。
【0019】
<5>演算部(
図1~
図6)
演算部40は、計測部30からの計測情報31およびまたは撮影部20からの撮影情報21に基づいて、表示部10に表示させる教育画面11を遷移させていくための要素である。
演算部40は、サーバ、PC、タブレット、スマートフォンなどの情報処理装置にインストールされて動作するソフトウェアなどによって構成することができる。
【0020】
<5.1>教育画面の表示機能(
図1,
図2)
演算部40は、サーバ、PC、タブレット、スマートフォンなどの情報処理装置内の記憶部に予め保存してある教育コンテンツを再生して、表示部10に教育画面11として画面表示させる機能を有する。
図2に、教育画面11のイメージ図を示す。
教育画面11として表示される教育コンテンツは、受講者Xが閲覧する動画として、教育内容の詳細を説明するパートや、実技見本を紹介するパート、受講者Xの実技支援を行うパート、採点パート、まとめパートなどの各種の目的に応じた動画および又は静止画の組み合わせで構成することができる。
【0021】
<5.1.1>受講者表示画面
教育画面11には、撮影部20による撮影情報21を流用する形で、受講者Xの姿を表示する受講者表示画面12を設けてもよい。
また、教育画面11は、受講者Xなどによる図示しない操作部の操作によって、再生する教育コンテンツの停止や、各パートへの頭出しなどを可能に構成することもできる。
【0022】
<5.2>教育画面の遷移表示機能
演算部40では、教育画面11のうち少なくとも何れか1つの教育画面11の表示時において、計測部30からの計測情報31およびまたは撮影部20からの撮影情報21に基づいて、次の教育画面11への遷移を行うように構成することができる。
この「遷移」とは、予め定められた順番通りに教育画面11を表示していく態様や、計測部30からの計測情報31およびまたは撮影部20からの撮影情報21に基づいて異なる教育画面へと分岐表示させる態様の何れも含まれる。
【0023】
<5.2.1>教育画面の分岐例
演算部40において教育画面11の画面表示を分岐させる条件の一つとして、後述する動作判定機能を用いる場合がある。
例えば、受講者Xによる実技動作が正しく行われたか否かを判定するパートの場合、実技動作の判定結果に応じて、次の実技動作パートへの教育画面11へと進むか、または「作業をやり直して下さい」などのメッセージを含んだ教育画面11を表示したり、或いは再度実技見本を紹介するパートの教育画面11を表示したりする態様が考えられる。
【0024】
<5.3>動作判定機能(
図1,
図3~
図5)
演算部40では、受講者Xの受講中に、計測部30からの計測情報31およびまたは撮影部20からの撮影情報21に基づいて、受講者Xの実技動作が正しく行われているかどうかを判定する機能(動作判定機能)を設けておくことができる。
この判定方法は、システム管理者が予め設定してある判定基準に沿ってもよいし、機械学習などによって得られる判定基準に沿ったものであってもよい。
以下、動作判定機能の一例について説明する。
【0025】
<5.3.1>撮影情報に基づく動作判定(
図3,
図4)
「撮影情報に基づく動作判定」とは、撮影部20から取得した撮影情報21を画像解析した結果から、受講者Xの実技動作が正しいか否かを判定する処理である。
本発明において、撮影情報21の画像解析方法は特段限定せず、あらゆる方法を採用することができる。
以下、判定方法の一例について説明する。
【0026】
(1)判定例1(手袋の着用)(
図3)
受講者Xの実技パートにおいて、手袋Y1を着用することが求められる場合には、まず、手袋Y1の掌部分や甲部分などに、任意のマーカZを付与しておく。
そして、演算部40では、教育画面11において「手袋を着用し、手の甲をかざして下さい。」などのメッセージを表示しておく(
図3(a))。
受講者Xは、手袋Y1の着用後、マーカZが撮影されるように、手袋Y1を着用した手を撮影部20の画角内に位置させる。このとき、教育画面11に、撮影部20による撮影情報21を流用する形で、受講者Xの姿を表示する受講者表示画面12を設けてもよい。
その後、演算部40は、撮影部20から取得した撮影情報21(
図3(b))を画像解析して、マーカZを認識できた場合に、受講者Xが手袋Y1を着用したと判定して、教育画面11を次のパートに進めるなどの処理を行うことができる。
なお、マーカZは、例えば所定形状の図形や、二次元コードなどを教材Yに、印刷、シールなどを用いた貼付などにより付与することができるが、マーカZを撮影情報21として取得した際に演算部40がマーカZを認識できる程度であれば、マーカZの付与手段は限定されない。
【0027】
(2)判定例2(刃物の刃出し量)(
図4)
受講者Xの実技パートにおいて、刃物であるカッターナイフY2(略して「カッター」とも呼ばれる。以下「カッターY2」という。)などを用いる場合には、刃Y21の部分に任意のマーカZを付しておく。
そして、演算部40では、表示部10での教育画面11に「刃を出したカッターをかざしてください」などのメッセージを表示しておく。
受講者Xは、カッターY2を撮影部20の画角内に位置させて、刃Y21を出したカッターY2が撮影される状態とする。
演算部40では、カッターY2を撮影した撮影情報21を画像解析し、刃Y21の刃出し量が適切な範囲であるか否かを判定して、この判定結果に基づき、教育画面11を次のパートに進めるなどの処理を行うことができる。
【0028】
例えば、
図4(a)に示す例では、刃Y21の表面に設けたマーカZのうち画像認識したマーカZの数でもって、刃出し量を求めている。
また、
図4(b)に示す例では、刃Y21の表面に矩形のマーカZを設けておき、画像認識したマーカZの縦横比を求めることによって、刃出し量を求めている。
マーカZの形状以外の点については判定例1の場合と同様であり、詳細な説明を省略する。
図4に示した何れの判定例によっても、撮影部20とカッターY2との離隔距離が一定でなくても、刃Y21の刃出し量を定量的に求めることができる。
【0029】
その他の判定例としては、撮影情報21を画像解析することにより、カッターY2の輪郭線を抽出しつつ、刃Y21をしまった状態のカッターY2の形状と比較することによって、刃出し量が適切な範囲であるか否かを判定する方法なども考えられる。
【0030】
<5.3.2>計測情報に基づく動作判定(
図5,
図6)
「計測情報に基づく動作判定」とは、計測部30から取得した計測情報31に基づいて、受講者Xの動作が正しいか否かを判定する処理である。
以下、「計測情報に基づく動作判定」の判定例について説明する。
【0031】
(1)判定例1(適切な教材の選択)(
図5)
受講者Xの実技パートにおいて、実技作業で使用する教材Y(工具、加工対象など)を受講者Xが手に取る必要がある場合には、まず受講者Xの前に複数の教材Yの候補を並べて配置しておく状態とする。
図5の例では、教材Yとして受講者Xから見て左側から、ハサミ、カッター、ニッパーを配置している。
そして、演算部40は、受講者Xが複数の候補の中からある教材Yを手に取った際の、受講者Xの手の動きを計測情報31から推測し、適切な教材Yを手に取ったと判定した場合に、教育画面11を次のパートに進めるといった処理を行う。
この方法では、教材Yの選択前における受講者Xの手の初期位置と、候補となる複数の教材Yの設置位置を特定しておくことで、受講者Xの手首に装着してある計測部30の計測情報31から、受講者Xが何れの教材Yを選択したかを演算部40で推測することができる。
例えば
図5では、受講者Xの右手が初期位置から前方右側へと移動した際には、受講者Xが右側の教材Yであるニッパーを選択したと判断することができる。
同様に、受講者Xの右手が前方正面へと移動した際には、受講者Xが中央の教材Yであるカッターを選択したと判断し、受講者Xの右手が前方左側に移動した際には、受講者Xが左側の教材Yであるハサミを選択したと判断することができる。
【0032】
(2)判定例2(教材の使用方法)(
図6)
受講者Xの実技パートにおいて、実技作業で使用する教材Y(工具、加工対象など)を用いて作業を行う場合、演算部40では、これらの教材Yを安全に使用できているか否かを、計測部30から取得した計測情報31を用いて推測することができる。
例えば
図6に示すように、右利きの受講者Xが右手にカッターY2を持ち、左手で持った加工対象Y3(例えば電線)に対して作業を行う場合、右手首および左手首に取り付けた各計測部30から得られる計測情報31によって、左手首に右手首がより接近するように動作している場合には、カッターY2の刃Y21が受講者Xの左手に徐々に接近する危険な動作であることを検出することができる。
このような危険な動作を検出した場合には、演算部40から表示部10に「危険です!!」などのメッセージを表示させたり、警告音を出力させたりなどの種々の方法によって注意喚起を行うことができる。
【0033】
<5.4>利き手対応機能(図示せず)
演算部40では、受講者Xに対して、利き手の入力または選択を求めて、利き手に応じて動作判定機能における受講者Xの動作の向きの反転機能を設けておいてもよい。
【0034】
<5.5>採点機能(図示せず)
演算部40では、動作判定機能による判定結果に基づいて、受講者Xの受講結果を採点するように構成してもよい。
【0035】
<5.6>録画機能(図示せず)
演算部40では、撮影部20から取得した撮影情報21を保存しておき、保存した撮影情報21を、受講者Xに対する振り返り教材として活用したり、教育履歴の記録として保管しておいたりすることもできる。
【実施例0036】
<1>システム構成(
図7)
本発明に係る教育システムAの構成例について、
図7を参照しながら説明する。
本実施例では、
図7に示すように、机の上に設置したモニターBと、モニターBに取り付けてあるカメラCと、モニターBの前方に設けた教材設置部50と、トラッカーDを取り付けたアームバンドEと、机の下に設置した情報処理装置Fとによって、教育システムAを構成している。
本システム構成では、モニターBは、本発明における表示部10として機能し、カメラCは、本発明における撮影部20として機能し、アームバンドEに取り付けたトラッカーDは、本発明における計測部30として機能し、情報処理装置Fは、本発明における演算部40として機能することになる。
受講者X(図示せず)は、ディスプレイBに正対した位置で、図示しない椅子に座った状態、あるいは机の高さによっては立ったままの状態で各アームバンドEを手首に装着した状態で、教育を受講することになる。
【0037】
<2>教材設置部(
図7)
教材設置部50は、教育に使用する教材Yを受講者Xが手に取れる態様で設置するための要素である。
教材設置部50は、教材Yの設置箇所が判るように設置箇所の印となる案内部51を設けておくことが好ましい。これは、複数の候補の中から、受講者Xが適切な教材Yを選択したかどうかを判定するために計測情報31を利用する場合には、教材Yが机上のどの位置に置かれているかを予め定めておく必要があるためである。
図6では、受講者Xの正面中央、右側、左側の三箇所に目印を付した形で案内部51を設けており、この案内部51の上に、教材Yを置いて使用することになる。
本構成によれば、使用する教材Yの設置箇所を誤る恐れが低くなり、前述した計測情報31を用いた教材Yの選択判定の誤判定を抑制できる点で好適である。