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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070406
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
   B65F 3/00 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
B65F3/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180873
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏原 一仁
【テーマコード(参考)】
3E024
【Fターム(参考)】
3E024AA06
3E024BA01
3E024CA07
3E024DA01
3E024DB03
3E024DC02
(57)【要約】
【課題】塵芥投入箱の投入口を開放するときにカバー部材を容易に上方移動させることができ、かつ塵芥投入箱の外側面における付属部品の取り付け自由度を高める。
【解決手段】塵芥収集車1は、塵芥収容箱2と、投入口3aを有する塵芥投入箱3と、積込装置Tと、基端部31が塵芥投入箱3に対して上下回動可能に支持されているアーム部材30と、アーム部材30の先端部32に連結されてアーム部材30の上下回動により上下移動可能なカバー部材20と、カバー部材20が投入口3aを閉鎖している状態でアーム部材30を上方回動させる方向へ付勢するように一端部41bがアーム部材30に係止され、かつ他端部41bがカバー部材20に係止されている引張コイルばね41と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収容箱と、
前記塵芥収容箱の後方に配置され、後部に塵芥が投入される投入口を有する塵芥投入箱と、
前記投入口から前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込み可能な積込装置と、
基端部が前記塵芥投入箱に対して上下回動可能に支持されているアーム部材と、
前記アーム部材の先端部に連結され、前記アーム部材の上下回動により前記塵芥投入箱の前記後部において上下移動可能なカバー部材と、を備え、
前記アーム部材の下方回動により前記カバー部材が下方移動することで前記投入口が閉鎖され、前記アーム部材の上方回動により前記カバー部材が上方移動することで前記投入口が開放される、塵芥収集車であって、
前記カバー部材が前記投入口を閉鎖している状態で前記アーム部材を上方回動させる方向へ付勢するように、一端部が前記アーム部材に係止され、かつ他端部が前記カバー部材に係止されている付勢部材を備える塵芥収集車。
【請求項2】
前記付勢部材は、前記塵芥投入箱の外側面よりも車幅方向内側に配置されている、請求項1に記載の塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載された塵芥収集車は、塵芥投入箱の投入口を開閉するカバー部材(開閉蓋)を備えている。カバー部材が投入口を閉鎖している状態から、カバー部材に連結されたアーム部材(開閉アーム)を塵芥投入箱に対して上方回動させると、カバー部材が上方へ移動して投入口が開放されるようになっている。その際、アーム部材は、スプリングによって上方回動させる方向に付勢されるため、カバー部材を容易に上方移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4576313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記塵芥収集車では、塵芥投入箱の外側面よりも車幅方向外側にスプリングが配置されている。スプリングの一端はアーム部材に取り付けられ、スプリングの他端は塵芥投入箱の外側面に取り付けられている。一方、塵芥投入箱の外側面には、スプリングの他端以外に、様々な付属部品(例えばホウキ等の清掃道具や作業灯)が取り付けられる。このため、塵芥投入箱の外側面には、スプリングの他端と干渉しない位置に付属部品を取り付ける必要があり、その取り付け自由度が制限されるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、塵芥投入箱の投入口を開放するときにカバー部材を容易に上方移動させることができ、かつ塵芥投入箱の外側面における付属部品の取り付け自由度を高めることができる塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱の後方に配置され、後部に塵芥が投入される投入口を有する塵芥投入箱と、前記投入口から前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込み可能な積込装置と、基端部が前記塵芥投入箱に対して上下回動可能に支持されているアーム部材と、前記アーム部材の先端部に連結され、前記アーム部材の上下回動により前記塵芥投入箱の前記後部において上下移動可能なカバー部材と、を備え、前記アーム部材の下方回動により前記カバー部材が下方移動することで前記投入口が閉鎖され、前記アーム部材の上方回動により前記カバー部材が上方移動することで前記投入口が開放される、塵芥収集車であって、前記カバー部材が前記投入口を閉鎖している状態で前記アーム部材を上方回動させる方向へ付勢するように、一端部が前記アーム部材に係止され、かつ他端部が前記カバー部材に係止されている付勢部材を備える塵芥収集車である。
【0007】
本発明によれば、カバー部材が塵芥投入箱の投入口を閉鎖している状態で、付勢部材はアーム部材を上方回動させる方向へ付勢しているので、カバー部材は、付勢部材によりアーム部材を介して上方移動させる方向へ付勢される。これにより、塵芥投入箱の投入口を開放するときに、カバー部材を容易に上方移動させることができる。また、付勢部材の一端部はアーム部材に係止され、かつ付勢部材の他端部はカバー部材に係止されているので、塵芥投入箱の外側面に、付勢部材の端部を係止するためのスペースを確保する必要がない。これにより、塵芥投入箱の外側面における付属部品の取り付け自由度を高めることができる。
【0008】
(2)前記(1)の塵芥収集車において、前記付勢部材は、前記塵芥投入箱の外側面よりも車幅方向内側に配置されているのが好ましい。
この場合、塵芥投入箱の外側面よりも車幅方向外側に付勢部材が配置されることはないので、付属部品の取り付け自由度をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の塵芥収集車によれば、塵芥投入箱の投入口を開放するときにカバー部材を容易に上方移動させることができ、かつ塵芥投入箱の外側面における付属部品の取り付け自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る塵芥収集車の後部を示す概略側断面図である。
図2】塵芥投入箱を車両後方から見た図である。
図3図2のI-I矢視断面図である。
図4】アーム部材及びその周辺を示す図3の拡大断面図である。
図5図4のII矢視図である。
図6図3に対応する断面図であり、アーム部材が上方回動した状態を示している。
図7図4のIII矢視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る塵芥収集車のアーム部材及びその周辺を示す拡大断面図である。
図9図8のIV矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る塵芥収集車1の後部を示す概略側断面図である。なお、図1では、後述するアーム部材30及び付勢部材40の図示を省略している。図1において、塵芥収集車1は、車体1a上に搭載された塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後方に配置された塵芥投入箱3と、を備えている。塵芥収容箱2の後端には、塵芥を塵芥収容箱2内に積み込むための開口部2aが形成されている。塵芥投入箱3は、その後部に塵芥が投入される投入口3aを有している。
【0012】
塵芥投入箱3は、その上部に設けられた支点Pを中心として、塵芥収容箱2に対して上下方向に回動可能である。塵芥投入箱3は、図1に示す下方へ回動した位置で塵芥収容箱2の開口部2aを閉鎖し、図示しない上方へ回動した位置で開口部2aを開放して塵芥収容箱2内の塵芥を排出することができる状態となる。
【0013】
塵芥収集車1は、塵芥投入箱3内に設けられた積込装置Tを備えている。積込装置Tは、投入口3aから塵芥投入箱3内に投入された塵芥を塵芥収容箱2に積み込み可能である。本実施形態の積込装置Tは、押込板のみで塵芥を積み込むプレス式である。積込装置Tは、ガイドレール4、スライダ5、押込板7、プッシュシリンダ8、及びプレスシリンダ9を有している。
【0014】
ガイドレール4は、塵芥投入箱3内において左右の側壁3cにそれぞれ設けられている。ガイドレール4は、各側壁3cの前斜め上側から後斜め下側に向かって延びている。スライダ5は、塵芥投入箱3内において左右のガイドレール4に沿って上下移動可能に設けられている。押込板7は、塵芥投入箱3内において、スライダ5の下端部に軸部材6を介して前後揺動可能に取り付けられている。これにより、押込板7は、スライダ5を介して上下移動可能であり、かつスライダ5に対して前後揺動可能である。
【0015】
プッシュシリンダ8は、塵芥投入箱3の左右両側に一対配置されている。プッシュシリンダ8の基端部は、塵芥投入箱3の側壁3cにおける下端部の後側に連結されている。プッシュシリンダ8の先端部は、スライダ5の側面部材5aの上端部に連結されている。プレスシリンダ9も、塵芥投入箱3の左右両側に一対配置されている。プレスシリンダ9の基端部は、押込板7の側面部材7aに連結されている。プレスシリンダ9の先端部は、スライダ5の側面部材5aの上端部に連結されている。
【0016】
積込装置Tは、以下のように動作する。まず、図1の実線で示す状態から、プレスシリンダ9の収縮動作により、押込板7は、軸部材6を中心として反時計回り方向に回動して反転する(反転工程)。次に、プッシュシリンダ8の収縮動作により、スライダ5と共に押込板7が斜め後方に降下し、投入口3aから投入された塵芥を押込板7で圧縮する(一次圧縮工程)。そして、プレスシリンダ9の伸長動作により、図1の二点鎖線で示すように、押込板7が軸部材6を中心として時計回り方向に回動して塵芥の二次圧縮を行う(二次圧縮工程)。
【0017】
次に、プッシュシリンダ8の伸長動作により、スライダ5と共に押込板7が斜め前方に上昇して図1の実線で示す状態となり、二次圧縮した塵芥を塵芥収容箱2側へ押し込む(押込工程)。このように、積込装置Tは、反転工程、一次圧縮工程、二次圧縮工程、及び押込工程の順に1サイクル動作することで、塵芥投入箱3に投入された塵芥を塵芥収容箱2に積み込む動作を行うことができる。
【0018】
塵芥投入箱3には、投入口3aの下部に載置台10が設けられている。載置台10は、塵芥投入箱3に対して水平軸回りに回動可能に取り付けられ、起立姿勢(図1の実線位置)と展開姿勢(図1の一点鎖線位置)とに姿勢変化する。つまり、図1の実線位置にある載置台10は、その基端部を中心として下方(後方)へ回動可能とされており、下方へ90°回動して展開された状態(図1の一点鎖線位置)となる。
【0019】
作業者が投入口3aから塵芥を投入する際に、載置台10を展開姿勢にすると、載置台10上に塵芥を一旦載置することができ、塵芥投入の作業性を高めることができる。載置台10は、投入口3aの車幅方向の全長にわたって形成されており(図2参照)、起立姿勢になると投入口3aの下部を閉鎖する。なお、塵芥投入箱3の左右の各側壁3cの外側面3c2(図3参照)には、図示を省略する付属部品が取り付けられる。付属部品としては、ホウキ等の清掃道具や作業灯等が挙げられる。
【0020】
<カバー部材>
図2は、塵芥投入箱3を車両後方から見た図である。図3は、図2のI-I矢視断面図である。なお、図3では、載置台10の図示を省略している(図6も同様)。図2及び図3において、塵芥収集車1は、塵芥投入箱3の投入口3aを開閉するためのカバー部材20と、カバー部材20の下端部を上下移動可能に案内する左右一対のレール部材11と、を備えている。
【0021】
カバー部材20は、カバー本体21と、カバー本体21の後面の上端部に突設された左右一対の連結ブラケット22と、を有している。連結ブラケット22の詳細については後述する。カバー本体21は、塵芥投入箱3の後部において投入口3aの車幅方向の全長にわたって形成されており、投入口3aの下部を除く他部、つまり投入口3aにおいて起立姿勢時の載置台10よりも上側部分を開閉するものである。カバー本体21の後面の下端部には、作業者がカバー部材20の上下移動を操作するための取手24が設けられている。
【0022】
一対のレール部材11は、塵芥投入箱3の左右の側壁3cにおいて、投入口3aの車幅方向の両側縁に沿って上下方向に延びて設けられている。カバー本体21の下端部における車幅方向の両端部には、それぞれガイドローラ(図示省略)が回転自在に設けられている。これらのガイドローラは、各レール部材11に沿って転動するように配置されている。これにより、カバー部材20の下端部は、各レール部材11に沿って上下方向にスライドするようになっている(図6参照)。
【0023】
<アーム部材>
塵芥収集車1は、塵芥投入箱3の左右の各側壁3cに対して上下回動可能に支持されている一対のアーム部材30をさらに備えている。アーム部材30は、側壁3cよりも車幅方向内側に配置されている。アーム部材30は、側面視において長手方向の途中部が湾曲して略へ字状に形成されている。
【0024】
図4は、アーム部材30及びその周辺を示す図3の拡大断面図である。図5は、図4のII矢視図である。図4及び図5において、アーム部材30の基端部31は、側壁3cの内側面3c1に突設された水平方向に延びる支持軸3dに対して、上下回動可能に支持されている。
【0025】
アーム部材30の先端部32は、カバー部材20の連結ブラケット22に連結されている。連結ブラケット22は、左右一対の側板22aと、これらの側板22aに軸方向両端部が固定された水平方向に延びる連結軸22bと、を有している。連結ブラケット22の連結軸22bには、アーム部材30の先端部32が相対回転可能に連結されている。したがって、アーム部材30の先端部32には、カバー部材20の上端部が連結されている。アーム部材30は、カバー部材20の上端部と共に、支持軸3dを中心として上下回動するようになっている。
【0026】
図6は、図3に対応する断面図であり、アーム部材30が上方回動した状態を示している。アーム部材30は、図3に示す下方回動位置と、図6に示す上方回動位置との間で、上下回動する。アーム部材30が上下回動すると、これに伴ってカバー部材20も塵芥投入箱3の後部において上下移動するようになっている。
【0027】
具体的には、図3に示す状態からアーム部材30を上方回動させると、カバー部材20の上端部はアーム部材30を共に上方回動し、カバー部材20の下端部はレール部材11に沿って上方にスライドする。これにより、カバー部材20全体が、塵芥投入箱3に対して上方移動する。図6に示すように、アーム部材30が上方回動位置まで上方回動すると、カバー部材20は、投入口3aの他部(上部)を開放した開放位置となる。この状態で、載置台10を展開姿勢(図1参照)にして投入口3aの下部を開放することで、投入口3a全体が開放される。
【0028】
図6に示す状態からアーム部材30を下方回動させると、カバー部材20の上端部はアーム部材30を共に下方回動し、カバー部材20の下端部はレール部材11に沿って下方にスライドする。これにより、カバー部材20全体が、塵芥投入箱3に対して下方移動する。図3に示すように、アーム部材30が下方回動位置まで下方回動すると、カバー部材20は、投入口3aの他部(上部)を閉鎖した閉鎖位置となる。この状態で、載置台10を起立姿勢(図1参照)にして投入口3aの下部を閉鎖することで、投入口3a全体が閉鎖される。なお、カバー部材20は、図示しないロック機構により下位置でロックされるようになっている。
【0029】
<付勢部材>
図3及び図4において、塵芥収集車1は、カバー部材20が閉鎖位置にある状態で各アーム部材30を上方回動させる方向へ付勢する一対の付勢部材40を備えている。本実施形態の付勢部材40は、引張コイルばね41からなり、塵芥投入箱3の側壁3cよりも車幅方向内側においてアーム部材30の下方に配置されている。引張コイルばね41は、側壁3cの外側面3c2(図3参照)よりも車幅方向内側に配置されている。
【0030】
引張コイルばね41は、コイル部41aと、コイル部41aの長手方向一端に設けられた第1フック部(一端部)41bと、コイル部41aの長手方向他端に設けられた第2フック部(他端部)41cと、を有している。
【0031】
引張コイルばね41の第1フック部41bは、アーム部材30の基端部31側に係止されている。具体的には、アーム部材30は、その基端部31側に被係止部33を有している。被係止部33は、平板部材からなり、その板厚方向に被係止孔34が貫通して形成されている。被係止部33の被係止孔34に、第1フック部41bが係止されている。被係止孔34は、被係止部33に複数(図4では2個)形成されており、被係止部33に対する第1フック部41bの係止位置を調整できるようになっている。
【0032】
図7は、図4のIII矢視図である。図4及び図7において、引張コイルばね41の第2フック部41cは、カバー部材20の上端部に係止されている。具体的には、カバー部材20は、カバー本体21の前面において連結ブラケット22に対応する位置に固定された一対の被係止板25と、これらの被係止板25に軸方向両端部が固定された被係止ピン26と、を有している。カバー部材20の被係止ピン26に第2フック部41cが係止されている。
【0033】
図3及び図6に示すように、引張コイルばね41の第1フック部41b(図4参照)が係止されたアーム部材30の被係止孔34と、引張コイルばね41の第2フック部41c(図4参照)が係止されたカバー部材20の被係止ピン26との直線距離Lは、アーム部材30の上下回動およびカバー部材20の上下移動によって変化する。具体的には、直線距離Lは、アーム部材30が上方回動位置にあり且つカバー部材20が開放位置にあるときに(図6参照)、アーム部材30が下方回動位置にあり且つカバー部材20が閉鎖位置にあるとき(図3参照)よりも短くなる。
【0034】
したがって、引張コイルばね41のコイル部41aは、カバー部材20が開放位置(図6参照)にあるときに収縮状態(自由状態)となり、カバー部材20が閉鎖位置(図3参照)にあるときに伸長状態となる。これにより、引張コイルばね41は、カバー部材20が閉鎖位置にある状態で、各アーム部材30を上方回動させる方向へ付勢するようになっている。
【0035】
<作用効果>
本実施形態の塵芥収集車1では、カバー部材20が閉鎖位置にある状態で、引張コイルばね41はアーム部材30を上方回動させる方向へ付勢しているので、カバー部材20は、引張コイルばね41によりアーム部材30を介して上方移動させる方向へ付勢される。これにより、塵芥投入箱3の投入口3aを開放するときに、カバー部材20を容易に上方移動させることができる。また、引張コイルばね41の第1フック部41bはアーム部材30に係止され、かつ引張コイルばね41の第2フック部41cはカバー部材20に係止されているので、塵芥投入箱3の外側面3c2に、引張コイルばね41の第1フック部41b又は第2フック部41cを係止するためのスペースを確保する必要がない。これにより、塵芥投入箱3の外側面3c2に付属部品を取り付ける際に、その取り付け自由度を高めることができる。
【0036】
引張コイルばね41は、塵芥投入箱3の外側面3c2よりも車幅方向内側に配置されている。これにより、塵芥投入箱3の外側面3c2よりも車幅方向外側に引張コイルばね41が配置されることはないので、塵芥投入箱3の外側面3c2における付属部品の取り付け自由度をさらに高めることができる。
【0037】
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係る塵芥収集車1のアーム部材30及びその周辺を示す拡大断面図である。図9は、図8のIV矢視図である。第2実施形態では、各アーム部材30を上方回動させる方向へ付勢する付勢部材40が第1実施形態と相違する。
【0038】
図8及び図9において、本実施形態の付勢部材40は、一対のねじりコイルばね42からなる。一対のねじりコイルばね42は、連結ブラケット22の左右の側板22a間において、アーム部材30の先端部32の左右両側に配置されている。したがって、一対のねじりコイルばね42は、塵芥投入箱3の側壁3cよりも車幅方向内側、つまり側壁3cの外側面3c2(図3参照)よりも車幅方向内側に配置されている。
【0039】
各ねじりコイルばね42は、コイル部42aと、コイル部42aの一端に設けられた第1係止部(一端部)42bと、コイル部42aの他端に設けられた第2係止部(他端部)42cと、を有している。ねじりコイルばね42のコイル部42aは、連結軸22bの外周に嵌め込まれている。
【0040】
ねじりコイルばね42の第1係止部42bは、コイル部42aの一端からアーム部材30の先端部32側に向かって延びている。第1係止部42bは、アーム部材30の先端部32に当接して係止されている。
【0041】
ねじりコイルばね42の第2係止部42cは、コイル部42aの他端から連結ブラケット22の側板22a側に向かって延びている。第2係止部42cは、連結ブラケット22の側板22aの上面に当接して係止されている。これにより、ねじりコイルばね42の第2係止部42cは、カバー部材20の上端部に係止されている。
【0042】
図3及び図6に示すように、アーム部材30の先端部32は、アーム部材30が上下回動およびカバー部材20の上下移動によって、カバー部材20の連結ブラケット22(連結軸22b)に対して相対回転する。これにより、アーム部材30の先端部32に係止されているねじりコイルばね42の第1係止部42bと、カバー部材20の連結ブラケット22(側板22a)に係止されているねじりコイルばね42の第2係止部42cとの相対位置が変化する。
【0043】
前記相対位置が変化することで、ねじりコイルばね42は、カバー部材20が開放位置(図6参照)にあるときに非ねじり状態(自由状態)となり、カバー部材20が閉鎖位置(図3参照)にあるときにねじり状態となる。これにより、ねじりコイルばね42は、カバー部材20が閉鎖位置にある状態で、各アーム部材30を上方回動させる方向へ付勢するようになっている。本実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様であるため、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
本実施形態の塵芥収集車1では、カバー部材20が閉鎖位置にある状態で、ねじりコイルばね42はアーム部材30を上方回動させる方向へ付勢しているので、カバー部材20は、ねじりコイルばね42によりアーム部材30を介して上方移動させる方向へ付勢される。これにより、塵芥投入箱3の投入口3aを開放するときに、カバー部材20を容易に上方移動させることができる。また、ねじりコイルばね42の第1係止部42bはアーム部材30に係止され、かつねじりコイルばね42の第2係止部42cはカバー部材20に係止されているので、塵芥投入箱3の外側面3c2に、ねじりコイルばね42の第1係止部42b又は第2係止部42cを係止するためのスペースを確保する必要がない。これにより、塵芥投入箱3の外側面3c2に付属部品を取り付ける際に、その取り付け自由度を高めることができる。
【0045】
また、ねじりコイルばね42は、塵芥投入箱3の外側面3c2よりも車幅方向内側に配置されている。これにより、塵芥投入箱3の外側面3c2よりも車幅方向外側にねじりコイルばね42が配置されることはないので、塵芥投入箱3の外側面3c2における付属部品の取り付け自由度をさらに高めることができる。
【0046】
[その他]
上記実施形態の積込装置Tは、押込板7のみで塵芥を積み込むプレス式であるが、押込板と回転板との協働により塵芥を積み込む回転板式であってもよい。第1実施形態の引張コイルばね41は、塵芥投入箱3の外側面3c2よりも車幅方向外側に配置されていてもよい。同様に、第2実施形態のねじりコイルばね42は、塵芥投入箱3の外側面3c2よりも車幅方向外側に配置されていてもよい。
【0047】
第2実施形態の付勢部材40は、一対のねじりコイルばね42からなるが、付勢力の大きい単一のねじりコイルばねを用いてもよい。また、本発明の付勢部材は、上記実施形態(引張コイルばね41、ねじりコイルばね42)に限定されるものではない。
【0048】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0049】
1 塵芥収集車
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
3a 投入口
3c2 外側面
20 カバー部材
30 アーム部材
31 基端部
32 先端部
40 付勢部材
41 引張コイルばね
41b 第1フック部(一端部)
41c 第2フック部(他端部)
42 ねじりコイルばね
42b 第1係止部(一端部)
42c 第2係止部(他端部)
T 積込装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9