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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070412
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5628 20120101AFI20240516BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G01C19/5628
H01L29/84 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180884
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】數野 雅隆
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲司
【テーマコード(参考)】
2F105
4M112
【Fターム(参考)】
2F105BB04
2F105BB09
2F105BB12
2F105BB17
2F105CC01
2F105CD02
2F105CD06
2F105CD13
4M112AA02
4M112BA07
4M112CA45
4M112EA02
(57)【要約】
【課題】動作特性の低下を抑制することのできる電子デバイスを提供すること。
【解決手段】電子デバイスは、基板と、前記基板に搭載され、前記基板に沿う第1面に沿って振動する第1振動素子を備える第1電子部品と、前記基板に搭載され、前記第1面と交差する第2面に沿って振動する第2振動素子を備える第2電子部品と、前記基板に搭載され、前記第1面および前記第2面と交差する第3面に沿って振動する第3振動素子を備える第3電子部品と、前記基板に搭載され、前記第1電子部品、前記第2電子部品および第3電子部品を覆うキャップと、を有し、動作温度範囲において前記第2振動素子および前記第3振動素子の振動周波数帯内に前記キャップの共振モードを有しない。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に搭載され、前記基板に沿う第1面に沿って振動する第1振動素子を備える第1電子部品と、
前記基板に搭載され、前記第1面と交差する第2面に沿って振動する第2振動素子を備える第2電子部品と、
前記基板に搭載され、前記第1面および前記第2面と交差する第3面に沿って振動する第3振動素子を備える第3電子部品と、
前記基板に搭載され、前記第1電子部品、前記第2電子部品および第3電子部品を覆うキャップと、を有し、
動作温度範囲において前記第2振動素子および前記第3振動素子の振動周波数帯内に前記キャップの共振モードを有しないことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記動作温度範囲において前記第1振動素子の振動周波数帯内に前記キャップの共振モードを有しない請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記第1振動素子、前記第2振動素子および前記第3振動素子は、互いに振動周波数が異なる請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記第1電子部品は、第1ベースおよび第1リッドを備え、内部に前記第1振動素子を収容する第1パッケージを有し、
前記第2電子部品は、第2ベースおよび第2リッドを備え、内部に前記第2振動素子を収容する第2パッケージを有し、
前記第3電子部品は、第3ベースおよび第3リッドを備え、内部に前記第3振動素子を収容する第3パッケージを有し、
前記キャップは、金属材料で構成され、
前記基板、前記第1ベース、前記第2ベースおよび前記第3ベースは、それぞれ、セラミック材料で構成されている請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記基板は、表裏関係にある第1面および第2面を有し、
前記第1面に前記第1電子部品、前記第2電子部品および前記第3電子部品が搭載され、
前記第2面に搭載された第4電子部品と、
前記基板から前記第2面側に延出するリードと、を有する請求項1に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された電子デバイスは、基板と、基板に実装された3つの角速度センサーと、これら3つの角速度センサーを覆うように基板に被せられたキャップと、を有する。また、各角速度センサーは、パッケージに収容された振動素子を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-046922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、キャップの共振周波数は、温度によって変化する。そのため、特定の温度においてキャップの共振周波数が振動素子の振動周波数に接近すると、キャップと振動素子とが共鳴して振動素子に不要な振動が発生する。これにより、角速度センサーの出力が変動し、電子デバイスの特性、例えば、温度ドリフト特性が悪化する。つまり、温度によって静止時の角速度センサーからの出力が変動し易くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子デバイスは、基板と、
前記基板に搭載され、前記基板に沿う第1面に沿って振動する第1振動素子を備える第1電子部品と、
前記基板に搭載され、前記第1面と交差する第2面に沿って振動する第2振動素子を備える第2電子部品と、
前記基板に搭載され、前記第1面および前記第2面と交差する第3面に沿って振動する第3振動素子を備える第3電子部品と、
前記基板に搭載され、前記第1電子部品、前記第2電子部品および第3電子部品を覆うキャップと、を有し、
動作温度範囲において前記第2振動素子および前記第3振動素子の振動周波数帯内に前記キャップの共振モードを有しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る電子デバイスを示す上面図である。
図2図1の電子デバイスからキャップおよびモールド部を省略した上面図である。
図3図1の電子デバイスの下面図である。
図4】振動素子を示す平面図である。
図5】振動素子の駆動状態を示す模式図である。
図6】振動素子の駆動状態を示す模式図である。
図7】第1角速度センサーの断面図である。
図8】第2角速度センサーの断面図である。
図9】第3角速度センサーの断面図である。
図10図2中のA-A線断面図である。
図11】角速度センサーの仕様を示す表である。
図12】各角速度センサーの動作温度範囲とキャップの振動モードとの関係を示すグラフである。
図13】キャップの共振モードを示す断面図である。
図14】各角速度センサーの動作温度範囲とキャップの振動モードとの関係を示すグラフである。
図15】第2実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の電子デバイスを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図4ないし図6を除く各図には、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸として図示している。X軸と平行な方向を「X軸方向」とも言い、Y軸と平行な方向を「Y軸方向」とも言い、Z軸と平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、Z軸が鉛直方向に沿っており、矢印側を「上」、反対側を「下」とも言う。また、図4ないし図6には、互いに直交する3軸をA軸、B軸およびC軸として図示している。A軸と平行な方向を「A軸方向」とも言い、B軸と平行な方向を「B軸方向」とも言い、C軸と平行な方向を「C軸方向」とも言う。なお、X、Y、Z座標系は、電子デバイスに設定されたものであり、A、B、C座標系は、角速度センサーに設定されたものである。
【0008】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る電子デバイスを示す上面図である。図2は、図1の電子デバイスからキャップおよびモールド部を省略した上面図である。図3は、図1の電子デバイスの下面図である。図4は、振動素子を示す平面図である。図5および図6は、振動素子の駆動状態を示す模式図である。図7は、第1角速度センサーの断面図である。図8は、第2角速度センサーの断面図である。図9は、第3角速度センサーの断面図である。図10は、図2中のA-A線断面図である。図11は、角速度センサーの仕様を示す表である。図12は、各角速度センサーの動作温度範囲とキャップの振動モードとの関係を示すグラフである。図13は、キャップの共振モードを示す断面図である。図14は、各角速度センサーの動作温度範囲とキャップの振動モードとの関係を示すグラフである。
【0009】
図1ないし図3に示す電子デバイス1は、QFP(Quad Flat Package)構造である。また、電子デバイス1は、基板2と、基板2の上面21に搭載された第1電子部品としての第1角速度センサー3z、第2電子部品としての第2角速度センサー3xおよび第3電子部品としての第3角速度センサー3yと、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yを覆うように基板2に被せられたキャップ10と、基板2の下面22に搭載された第4電子部品6と、基板2から延出するリード群7と、第4電子部品6をモールド封止すると共にキャップ10を基板2に接合するモールド部9と、を有する。
【0010】
≪基板2≫
基板2は、平面視形状が略正方形の板状であり、互いに表裏関係にある上面21および下面22を有する。基板2は、セラミック基板であり、アルミナ、チタニア等の各種セラミック材料で構成されている。これにより、高い耐食性と優れた機械的強度とを有する基板2となる。また、吸湿し難く耐熱性にも優れるため、例えば、電子デバイス1の製造時に加わる熱によるダメージを受け難い。なお、基板2は、例えば、所定の配線パターンが形成された複数のセラミックシート(グリーンシート)を積層し、この積層体を焼結することにより製造される。ただし、基板2は、セラミック基板に限定されず、例えば、各種半導体基板、各種ガラス基板、各種プリント基板等を用いることもできる。
【0011】
また、図2に示すように、上面21には、第1角速度センサー3zと電気的に接続された端子P3zと、第2角速度センサー3xと電気的に接続された端子P3xと、第3角速度センサー3yと電気的に接続された端子P3yと、が形成されている。一方、図3に示すように、下面22には、第4電子部品6と電気的に接続された端子P6と、リード群7と電気的に接続された端子P7と、が形成されている。これら各端子P3z、P3x、P3y、P6、P7は、基板2に形成された図示しない配線を介して電気的に接続されている。
【0012】
≪第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3y≫
第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yは、それぞれ、基板2の上面21に搭載されている。また、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yは、それぞれ、パッケージ化された表面実装部品である。これにより、素子が剥き出しの実装部品と比べて高い機械的強度を発揮することができる。さらに、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yの基板2への搭載が容易となる。
【0013】
第1角速度センサー3zは、Z軸まわりの角速度を検出し、第2角速度センサー3xは、X軸まわりの角速度を検出し、第3角速度センサー3yは、Y軸まわりの角速度を検出する。これら第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yは、それぞれ、後述する振動素子34の振動周波数が異なること以外は、基本的構成が同じであり、検出軸がX軸、Y軸およびZ軸を向くように互いに姿勢を直交させて配置されている。
【0014】
このような第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yは、それぞれ、パッケージ31と、パッケージ31に収容された振動素子34と、を有する。また、パッケージ31は、凹部を有し、凹部内に収容された振動素子34を支持する箱型のベース32と、凹部の開口を塞ぐようにベース32に接合されたリッド33と、を有する。また、ベース32には、振動素子34と電気的に接続された接続端子39が形成されている。また、ベース32は、アルミナ、チタニア等のセラミック材料で構成され、リッド33は、コバール等の金属材料で構成されている。これにより、ベース32とリッド33との線膨張係数差が小さくなり、熱応力の発生を効果的に抑制することができる。
【0015】
振動素子34は、例えば、駆動腕および振動腕を有する水晶振動素子である。水晶振動素子では、駆動信号を印加して駆動腕を駆動振動させた状態で検出軸まわりの角速度が加わると、コリオリの力によって検出腕に検出振動が励振される。そして、検出振動により検出腕に発生する電荷を検出信号として取り出し、取り出した検出信号に基づいて角速度を求めることができる。
【0016】
振動素子34の構成は、特に限定されないが、本実施形態の振動素子34は、図4に示す構成である。なお、図4では、互いに直交する3軸であるA軸、B軸およびC軸を図示している。振動素子34は、中央部に位置する基部341と、基部341からB軸方向両側に延出する一対の検出振動腕342、343と、基部341からA軸方向両側へ延出する一対の支持腕344、345と、一方の支持腕344の先端部からB軸方向両側に延出する一対の駆動振動腕346、347と、他方の支持腕345の先端部からB軸方向両側に延出する一対の駆動振動腕348、349と、を有する。このような振動素子34は、基部341においてベース32に支持される。
【0017】
また、振動素子34は、検出振動腕342の両主面に配置された第1検出信号電極351と、検出振動腕342の両側面に配置された第1検出接地電極352と、検出振動腕343の両主面に配置された第2検出信号電極353と、検出振動腕343の両側面に配置された第2検出接地電極354と、駆動振動腕346、347の両主面および駆動振動腕348、349の両側面に配置された駆動信号電極355と、駆動振動腕346、347の両側面および駆動振動腕348、349の両主面に配置された駆動接地電極356と、を有する。
【0018】
駆動信号電極355と駆動接地電極356との間に駆動信号を印加すると、図5に示すように、駆動振動腕346、347と駆動振動腕348、349とがA-B平面に沿ってA軸方向に逆相で屈曲振動する(以下、この状態を「駆動振動モード」とも言う)。この状態では、駆動振動腕346、347、348、349の振動がキャンセルされ、検出振動腕342、343は、実質的に振動しない。駆動振動モードで駆動している状態で振動素子34にC軸まわりの角速度ωcが加わると、図6に示すように、駆動振動腕346、347、348、349にコリオリの力が働いてA軸方向の屈曲振動が励振され、この屈曲振動に呼応するように検出振動腕342、343がB軸方向に屈曲振動する(以下、この状態を「検出振動モード」とも言う)。
【0019】
このような屈曲振動によって検出振動腕342に発生した電荷を第1検出信号電極351から第1出力信号として取り出し、検出振動腕343に発生した電荷を第2検出信号電極353から第2出力信号として取り出し、これら第1、第2出力信号に基づいて角速度ωcが求められる。
【0020】
以上、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yの構成についてまとめて説明した。図7に示すように、第1角速度センサー3zは、C軸がZ軸に沿うように配置されている。そのため、振動素子34は、基板2に沿うX-Y平面である第1面F1に沿って振動する。また、第1角速度センサー3zは、ベース32の底面において複数の導電性の接合部材B3zを介して基板2の上面21に接合されている。また、各接続端子39は、接合部材B3zを介して所定の端子P3zと電気的に接続されている。
【0021】
また、図8に示すように、第2角速度センサー3xは、C軸がX軸に沿うように配置されている。そのため、振動素子34は、第1面F1と交差するY-Z平面である第2面F2に沿って振動する。また、第2角速度センサー3xは、ベース32の側面において複数の導電性の接合部材B3xを介して基板2の上面21に接合されている。また、各接続端子39は、接合部材B3xを介して所定の端子P3xと電気的に接続されている。
【0022】
また、図9に示すように、第3角速度センサー3yは、C軸がY軸に沿うように配置されている。そのため、振動素子34は、第1面F1および第2面F2と交差するX-Z面である第3面F3に沿って振動する。また、第3角速度センサー3yは、ベース32の側面において複数の導電性の接合部材B3yを介して基板2の上面21に接合されている。また、各接続端子39は、接合部材B3yを介して所定の端子P3yと電気的に接続されている。
【0023】
なお、本実施形態では、第1面F1、第2面F2および第3面F3が互いに直交しているが、これに限定されず、互いに交差していればよい。
【0024】
なお、以下では、図7ないし図9に示したように、第1角速度センサー3zのパッケージ31を「第1パッケージ31z」、ベース32を「第1ベース32z」、リッド33を「第1リッド33z」、振動素子34を「第1振動素子34z」とも言う。また、第2角速度センサー3xのパッケージ31を「第2パッケージ31x」、ベース32を「第2ベース32x」、リッド33を「第2リッド33x」、振動素子34を「第2振動素子34x」とも言う。また、第3角速度センサー3yのパッケージ31を「第3パッケージ31y」、ベース32を「第3ベース32y」、リッド33を「第3リッド33y」、振動素子34を「第3振動素子34y」とも言う。
【0025】
電子デバイス1では、第1振動素子34zの駆動振動モードでの振動周波数fzと、第2振動素子34xの駆動振動モードでの振動周波数fxと、第3振動素子34yの駆動振動モードでの振動周波数fyと、が互いに異なっている。つまり、fz≠fx≠fyである。これにより、第1、第2、第3振動素子34z、34x、34y同士の干渉(共鳴)が抑制され、角速度検出特性の低下を効果的に抑制することができる。
【0026】
≪キャップ10≫
図10に示すように、キャップ10は、基板2の上面21に接合されており、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yを覆っている。キャップ10は、ハット型であり、下面に開口する凹部を有する基部101と、基部101の下端部から外周側に突出する環状のフランジ部102と、を有する。このようなキャップ10は、凹部内に第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yを収容するようにして基板2の上面21に配置されている。そして、モールド部9によってフランジ部102が基板2に接合されている。このように、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yを収容するキャップ10を設けることで、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yを水分、埃、衝撃等から保護することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、キャップ10内が大気封止されている。ただし、これに限定されず、例えば、減圧封止、陽圧封止してもよいし、窒素、アルゴン等の安定したガスに置換してもよい。また、キャップ10が気密封止されていなくてもよい。
【0028】
また、キャップ10は、導電性を有し、例えば、金属材料で構成されている。特に、本実施形態では、鉄-ニッケル系合金である42アロイで構成されている。これにより、セラミック基板からなる基板2とキャップ10との線膨張係数差を十分に小さくすることができ、これらの線膨張係数差に起因する熱応力を効果的に抑制することができる。したがって、環境温度に影響を受け難く、安定した特性を有する電子デバイス1となる。
【0029】
また、キャップ10は、電子デバイス1の使用時にグランド(GND)に接続される。これにより、キャップ10が外部からの電磁ノイズを遮断するシールドとして機能し、キャップ10の内部に収容された第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yの駆動がより安定する。ただし、キャップ10の構成材料としては、42アロイに限定されず、例えば、SUS材等の金属材料、各種セラミック材料、各種樹脂材料、シリコン等の半導体材料、各種ガラス材料等を用いることもできる。
【0030】
以上のように、キャップ10は、金属材料で構成され、基板2、第1ベース32z、第2ベース32xおよび第3ベース32yは、それぞれ、セラミック材料で構成されている。これにより、これら各部の線膨張係数差が小さくなり、熱応力の発生を効果的に抑制することができる。そのため、振動素子34z、34x、34yに検出対象以外の外力が加わり難くなり、電子デバイス1の検出精度の低下を効果的に抑制することができる。
【0031】
≪第4電子部品6≫
第4電子部品6は、基板2の下面22に搭載されている。このように、基板2の下面22に第4電子部品6を搭載することにより、基板2の下面22を有効活用することができる。第4電子部品6は、パッケージ化された表面実装部品である。これにより、素子が剥き出しの実装部品と比べて高い機械的強度を発揮することができる。さらに、第4電子部品6の基板2への実装も容易となる。
【0032】
図10に示すように、第4電子部品6は、基板2の下面に接合された回路素子5と、回路素子5上に接合された加速度センサー4と、を有する。また、回路素子5は、ボンディングワイヤーを介して端子P6に電気的に接続され、加速度センサー4は、ボンディングワイヤーを介して回路素子5に電気的に接続されている。
【0033】
加速度センサー4は、X軸方向の加速度、Y軸方向の加速度およびZ軸方向の加速度をそれぞれ独立して検出することができる3軸加速度センサーである。これにより、電子デバイス1は、X軸、Y軸およびZ軸の各軸まわりの角速度および各軸方向の加速度を検出可能な6軸複合センサーとなる。そのため、様々な電子部品に搭載可能で、利便性および需要の高い電子デバイス1となる。
【0034】
加速度センサー4は、パッケージ41と、パッケージ41に収納されている加速度振動素子44、45、46と、を有する。パッケージ41は、加速度振動素子44、45、46を支持するベース42と、ベース42との間に加速度振動素子44、45、46を収容するようにしてベース42に接合されたリッド43と、を有する。
【0035】
また、加速度振動素子44は、X軸方向の加速度を検出する素子であり、加速度振動素子45は、Y軸方向の加速度を検出する素子であり、加速度振動素子46は、Z軸方向の加速度を検出する素子である。これら加速度振動素子44、45、46は、ベース42に固定された固定電極と、ベース42に対して可変な可動電極と、を有するシリコン振動素子である。検出軸方向の加速度を受けると可動電極が固定電極に対し変位し、固定電極と可動電極との間に形成された静電容量が変化する。そのため、加速度振動素子44、45、46の静電容量の変化を検出信号として取り出し、取り出した検出信号に基づいて各軸方向の加速度を求めることができる。
【0036】
回路素子5は、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3y、加速度センサー4およびリード群7と電気的に接続されている。回路素子5は、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yおよび加速度センサー4の駆動を制御する制御回路51と、外部との通信を行うインターフェース回路52と、を有する。
【0037】
制御回路51は、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yおよび加速度センサー4の駆動を独立して制御し、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yおよび加速度センサー4から出力される検出信号に基づいて、X軸、Y軸およびZ軸の各軸まわりの角速度および各軸方向の加速度を独立して検出する。インターフェース回路52は、信号の送受信を行い、外部装置からの指令を受け付けたり、検出した角速度および加速度を外部装置に出力したりする。
【0038】
以上、第4電子部品6について説明したが、第4電子部品6の構成としては、特に限定されない。例えば、加速度センサー4を省略してもよい。この場合、電子デバイス1は、3軸角速度センサーとして機能する。反対に、回路素子5を省略してもよい。この場合、電子デバイス1が実装される外部装置に回路素子5と同様の機能を有する回路を持たせ、当該回路によって電子デバイス1の制御を行えばよい。また、第4電子部品6は、加速度以外を検出する各種センサーであってもよいし、センサーでなくてもよい。また、第4電子部品6は、省略してもよい。
【0039】
≪リード群7≫
図3および図10に示すように、リード群7は、基板2の下面22側に位置し、導電性の接合部材B7を介して基板2の下面22に接合された複数のリード71を有する。複数のリード71は、基板2の四辺に沿ってほぼ均等に設けられている。また、複数のリード71は、接合部材B7を介して端子P7と電気的に接続されている。
【0040】
≪モールド部9≫
図10に示すように、モールド部9は、第4電子部品6をモールドし、これらを水分、埃、衝撃等から保護する。また、モールド部9は、基板2と各リード71との接続部をモールドし、当該部分を機械的に補強すると共に、水分、埃、衝撃等から保護する。また、モールド部9は、キャップ10と基板2とを接合している。モールド部9を構成するモールド材としては、特に限定されず、例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂、その他、硬化型の樹脂材料を用いることができる。また、モールド部9は、例えば、トランスファーモールド法等によって形成することができる。
【0041】
以上、電子デバイス1の構成について説明した。このような電子デバイス1では、キャップ10が第1、第2、第3振動素子34z、34x、34yと共鳴してしまうと、第1、第2、第3振動素子34z、34x、34yに不要振動が生じ、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yからのゼロ点出力が変動して電子デバイス1の検出精度が低下するおそれがある。なお、前記「ゼロ点出力」とは、角速度が加わっていない静止状態における第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yからの出力を意味する。そこで、電子デバイス1では、第1、第2、第3振動素子34z、34x、34yの振動周波数とキャップ10の共振周波数とが十分に離間するように構成されている。以下、このことについて詳細に説明する。
【0042】
電子デバイス1には、期待された機能を保持し正常に動作する範囲として動作温度範囲Taが設定されている。図11に示すように、一般的には、動作温度範囲Taは、電子デバイス1の包装箱や取扱説明書の製品仕様欄等に記載されている。動作温度範囲Taとしては、特に限定されず、電子デバイス1の構成によって異なるが、本実施形態では、動作温度範囲Ta=-40℃~+105℃である。
【0043】
また、電子デバイス1には、第1振動素子34zの振動周波数帯Tfzと、第2振動素子34xの振動周波数帯Tfxと、第3振動素子34yの振動周波数帯Tfyと、がそれぞれ設定されている。振動周波数帯Tfzは、第1振動素子34zの振動周波数fzを基準とし、第1振動素子34zの個体差を加味して設定された周波数帯である。また、振動周波数帯Tfxは、第2振動素子34xの振動周波数fxを基準とし、第2振動素子34xの個体差を加味して設定された周波数帯である。また、振動周波数帯Tfyは、第3振動素子34yの振動周波数fyを基準とし、第3振動素子34yの個体差を加味して設定された周波数帯である。特に限定されないが、振動周波数帯Tfz、Tfx、Tfyは、それぞれ、振動周波数fz、fx、fyの±0.5%程度に設定される。
【0044】
なお、本実施形態では、図11に示すように、第1振動素子34zの振動周波数fz=49.575kHzであり、振動周波数帯Tfz=49.000kHz~50.150kHzである。また、第2振動素子34xの振動周波数fx=51.025kHzであり、振動周波数帯Tfx=50.450kHz~51.600kHzである。また、第3振動素子34yの振動周波数fy=53.550kHzであり、振動周波数帯Tfy=52.900kHz~54.200kHzである。
【0045】
このように、振動周波数帯Tfz、Tfx、Tfyは、互いに重なり合わないように設定されている。これにより、第1、第2、第3振動素子34z、34x、34y同士の干渉(共鳴)が抑制される。したがって、第1、第2、第3振動素子34z、34x、34yに不要振動が生じ難くなり、ゼロ点出力の変動が抑えられる。したがって、電子デバイス1の検出精度の低下を効果的に抑制することができる。
【0046】
また、キャップ10は、少なくとも1つの共振モードを有する。本実施形態では、図12に示すように、キャップ10は、7つの共振モードM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7を有する。ただし、キャップ10が有する共振モードの種類や数は、特に限定されない。以下では、共振モードM1の共振周波数をfm1、共振モードM2の共振周波数をfm2、共振モードM3の共振周波数をfm3、共振モードM4の共振周波数をfm4、共振モードM5の共振周波数をfm5、共振モードM6の共振周波数をfm6、共振モードM7の共振周波数をfm7とする。なお、これら共振周波数fm1~fm7は、それぞれ、温度依存性を有し、例えば、電子デバイス1の温度によって変化する。
【0047】
電子デバイス1では、動作温度範囲Ta内において、振動周波数帯Tfz、振動周波数帯Tfxおよび振動周波数帯Tfy内に共振周波数fm1~fm7を有しない。すなわち、動作温度範囲Ta内の全温度において、共振周波数fm1~fm7は、それぞれ、振動周波数帯Tfz、振動周波数帯Tfxおよび振動周波数帯Tfy外に位置する。これにより、第1、第2、第3振動素子34z、34x、34yとキャップ10とが共振し難くなる。そのため、キャップ10との共鳴によって第1、第2、第3振動素子34z、34x、34yに不要な振動が生じるのを抑制することができる。したがって、第1、第2、第3角速度センサー3z、3x、3yのゼロ点出力の温度ドリフト、すなわち、温度変化に伴うゼロ点出力の変動が抑制され、優れた角速度検出特性を発揮することができる。
【0048】
なお、図13に示すように、キャップ10の共振モードM1~M7では、それぞれ、主に、基部101の底部を構成する天板部101aが厚さ方向つまりZ軸方向に振動する。この振動は、3つの振動素子34z、34x、34yの中でも、特に、第2、第3振動素子34x、34yに不要な振動を生じさせ易い。これは、第2振動素子34xの検出軸であるC軸がX軸方向を向き、第3振動素子34yの検出軸であるC軸がY軸方向を向いているため、天板部101aが共振モードによって厚さ方向に振動すると、当該振動によって各検出軸がZ軸方向に揺れ、それに伴って第2、第3振動素子34x、34yの振動が不安定になるためである。これに対して、第1振動素子34zの検出軸は、Z軸方向を向いている。そのため、天板部101aが共振モードによって厚さ方向に振動しても第1振動素子34zの検出軸であるC軸は、揺れない。したがって、第1振動素子34zは、第2、第3振動素子34x、34yよりもキャップ10の振動の影響を受け難い。
【0049】
このことから、本実施形態では、動作温度範囲Ta内において振動周波数帯Tfz、振動周波数帯Tfxおよび振動周波数帯Tfy内にキャップ10の共振周波数fm1~fm7を有しないが、これに限定されず、図14に示すように、少なくとも、振動周波数帯Tfxおよび振動周波数帯Tfy内にキャップ10の共振周波数fm1~fm7を有しなければよい。このような構成によっても、各角速度センサー3z、3x、3yのゼロ点出力の変動を効果的に抑制することができる。また、本実施形態と比べて、共振周波数fm1~fm7の設定可能範囲が広がるため、キャップ10の設計が容易となる。
【0050】
キャップ10の共振周波数の調整方法は、特に限定されないが、例えば、キャップ10の厚さを変更する方法が挙げられる。一般的に、厚さを大きくする程、各共振モードM1~M7の共振周波数fm1~fm7が高くなる。また、キャップ10の寸法を変更することによっても、キャップ10の共振周波数を調整することができる。一般的に、寸法を小さくする程、各共振モードM1~M7の共振周波数fm1~fm7が高くなる。また、キャップ10の構成材料を選択することによっても、キャップ10の共振周波数を変更することができる。構成材料の選定においては、例えば、振動周波数fz、fx、fyのうち最も周波数が高い振動周波数fyに対して+13%以上の共振周波数を持つ材質を選定することが好ましい。
【0051】
また、動作温度範囲Ta内において、振動周波数帯Tfz、Tfx、Tfy内にキャップ10の共振周波数fm1~fm7を有しないことは、例えば、次のようにして調べることができる。例えば、各振動素子34z、34x、34yを駆動させながら、動作温度範囲Ta内において電子デバイス1の使用温度を変化させ、その際、各振動素子34z、34x、34yの検出信号にディップ等の顕著な変化が生じなければ、振動周波数帯Tfz、Tfx、Tfx内にキャップ10の共振周波数fm1~fm7を有しないと推定することができる。また、レーザードップラー計測器を用いて常温でのキャップ10の共振モードおよびその周波数を検出し、その結果に基づいてシミュレーション、実験データなどから動作温度範囲Ta内での各共振モードの周波数変化を推定し、推定結果が振動周波数帯Tfz、Tfx、Tfy外であれば、振動周波数帯Tfz、Tfx、Tfy内にキャップ10の共振周波数fm1~fm7を有しないと推定することができる。
【0052】
以上、電子デバイス1について説明した。このような電子デバイス1は、前述したように、基板2と、基板2に搭載され、基板2に沿う第1面F1に沿って振動する第1振動素子34zを備える第1電子部品である第1角速度センサー3zと、基板2に搭載され、第1面F1と交差する第2面F2に沿って振動する第2振動素子34xを備える第2電子部品である第2角速度センサー3xと、基板2に搭載され、第1面F1および第2面F2と交差する第3面F3に沿って振動する第3振動素子34yを備える第3電子部品である第3角速度センサー3yと、基板2に搭載され、第1角速度センサー3z、第2角速度センサー3xおよび第3角速度センサー3yを覆うキャップ10と、を有する。そして、動作温度範囲Taにおいて第2振動素子34xおよび第3振動素子34yの振動周波数帯Tfx、Tfy内にキャップ10の共振モードM1~M7を有しない。これにより、第2、第3振動素子34x、34yとキャップ10とが共鳴し難くなる。そのため、第2、第3振動素子34x、34yに不要な振動が生じるのを抑制することができる。したがって、動作温度範囲Ta内でのゼロ点出力の変動が抑制され、電子デバイス1の温度ドリフト特性の低下を効果的に抑制することができる。
【0053】
また、前述したように、電子デバイス1は、動作温度範囲Taにおいて第1振動素子34zの振動周波数帯Tfz内にキャップ10の共振モードM1~M7を有しない。これにより、第1振動素子34zとキャップ10とが共振し難くなる。そのため、キャップ10との共振によって第1振動素子34zに不要な振動が生じるのを抑制することができる。したがって、動作温度範囲Ta内でのゼロ点出力の変動が抑制され、電子デバイス1の温度ドリフト特性の低下を効果的に抑制することができる。
【0054】
また、前述したように、第1振動素子34z、第2振動素子34xおよび第3振動素子34yは、互いに振動周波数fz、fx、fyが異なる。つまり、fz≠fx≠fyである。これにより、第1、第2、第3振動素子34z、34x、34y同士の干渉が抑制される。つまり、ある振動素子34の振動によって別の振動素子34に不要な振動が生じるのを抑制することができる。したがって、ゼロ点出力の変動が抑制され、優れた角速度検出特性を発揮することができる。
【0055】
また、前述したように、第1角速度センサー3zは、第1ベース32zおよび第1リッド33zを備え、内部に第1振動素子34zを収容する第1パッケージ31zを有し、第2角速度センサー3xは、第2ベース32xおよび第2リッド33xを備え、内部に第2振動素子34xを収容する第2パッケージ31xを有し、第3角速度センサー3yは、第3ベース32yおよび第3リッド33yを備え、内部に第3振動素子34yを収容する第3パッケージ31yを有する。そして、キャップ10は、金属材料で構成され、基板2、第1ベース32z、第2ベース32xおよび第3ベース32yは、それぞれ、セラミック材料で構成されている。これにより、これら各部の線膨張係数差が小さくなり、熱応力の発生を効果的に抑制することができる。そのため、振動素子34z、34x、34yに検出対象以外の外力が加わり難くなり、電子デバイス1の検出精度の低下を効果的に抑制することができる。
【0056】
また、前述したように、基板2は、表裏関係にある第1面としての上面21および第2面としての下面22を有し、上面21に第1角速度センサー3z、第2角速度センサー3xおよび第3角速度センサー3yが搭載されている。また、電子デバイス1は、下面22に搭載された第4電子部品6と、基板2から下面22側に延出するリード71と、を有する。これにより、基板2の下面22を有効活用することができる。特に、本実施形態のように、第4電子部品6として加速度センサー4を搭載することにより、電子デバイス1を6軸複合センサーとすることができ、電子デバイス1の利便性が向上する。
【0057】
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【0058】
本実施形態の電子デバイス1は、モールド部9が省略されたことと、第4電子部品6の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
【0059】
図15に示すように、本実施形態の電子デバイス1では、前述した第1実施形態からモールド部9が省略されており、第4電子部品6が露出している。その代わり、第4電子部品6は、パッケージ化された表面実装部品となっており、前述した第1実施形態では剥き出しとなっていた加速度センサー4および回路素子5を収容するパッケージ61を有する。
【0060】
パッケージ61は、凹部を有する箱型のベース62と、凹部の開口を塞ぐようにベース62に接合されたリッド63と、を有する。ベース62は、アルミナ、チタニア等のセラミック材料で構成され、リッド63は、コバール等の金属材料で構成されている。このように、加速度センサー4および回路素子5をパッケージ61に収容することで、加速度センサー4および回路素子5が暴露せず、これらを保護することができる。
【0061】
第4電子部品6は、パッケージ61の底面において導電性の接合部材B6を介して基板2の下面22に接合されている。パッケージ61の底面には回路素子5と電気的に接続された端子65が形成されており、この端子65が接合部材B6を介して端子P6と電気的に接続されている。
【0062】
また、キャップ10は、フランジ部102において接合部材を介して基板2の上面21に接合されている。
【0063】
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0064】
以上、本発明の電子デバイスを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…電子デバイス、10…キャップ、101…基部、101a…天板部、102…フランジ部、2…基板、21…上面、22…下面、3x…第2角速度センサー、3y…第3角速度センサー、3z…第1角速度センサー、31…パッケージ、31x…第2パッケージ、31y…第3パッケージ、31z…第1パッケージ、32…ベース、32x…第2ベース、32y…第3ベース、32z…第1ベース、33…リッド、33x…第2リッド、33y…第3リッド、33z…第1リッド、34…振動素子、34x…第2振動素子、34y…第3振動素子、34z…第1振動素子、341…基部、342…検出振動腕、343…検出振動腕、344…支持腕、345…支持腕、346…駆動振動腕、347…駆動振動腕、348…駆動振動腕、349…駆動振動腕、351…第1検出信号電極、352…第1検出接地電極、353…第2検出信号電極、354…第2検出接地電極、355…駆動信号電極、356…駆動接地電極、39…接続端子、4…加速度センサー、41…パッケージ、42…ベース、43…リッド、44…加速度振動素子、45…加速度振動素子、46…加速度振動素子、5…回路素子、51…制御回路、52…インターフェース回路、6…第4電子部品、61…パッケージ、62…ベース、63…リッド、65…端子、7…リード群、71…リード、9…モールド部、B3x…接合部材、B3y…接合部材、B3z…接合部材、B6…接合部材、B7…接合部材、F1…第1面、F2…第2面、F3…第3面、M1…共振モード、M2…共振モード、M3…共振モード、M4…共振モード、M5…共振モード、M6…共振モード、M7…共振モード、P3x…端子、P3y…端子、P3z…端子、P6…端子、P7…端子、Ta…動作温度範囲、Tfx…振動周波数帯、Tfy…振動周波数帯、Tfz…振動周波数帯、fm1…共振周波数、fm2…共振周波数、fm3…共振周波数、fm4…共振周波数、fm5…共振周波数、fm6…共振周波数、fm7…共振周波数、ωc…角速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15