(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070414
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】包装物品
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
B65D81/32 D
B65D81/32 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180886
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】奥出 秀樹
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013AA05
3E013AB03
3E013AB08
3E013AC01
3E013AD07
3E013AE12
3E013AF04
3E013AF29
3E013AF36
(57)【要約】
【課題】 簡単な操作で包装袋から液状内容物を容易に注出できる包装物品を得る。
【解決手段】 矩形状のシート材3を袋状に接着して形成される包装袋2と、包装袋2に収容された液状内容物を備える包装物品であって、包装袋2は、シート材3の第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着して筒状体13を形成し、筒状体13を第3折罫線8と第4折罫線9を山折りして平坦状にし、第3接着区画部8の対向面同士及び第4接着区画部9の対向面同士を接着して筒状体13の開口部を封止して形成される液状内容物を収容する収容部17を備え、第1接着区画部4と第2接着区画部5が接着されて形成される接着部14には、液状内容物を収容した包装袋2の収容部17を外部から押圧したときに、剥離して収容部17と外部とを連通させて注出口となる弱接着部18を設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状のシート材を袋状に接着して形成される包装袋と、前記包装袋に収容された液状内容物を備える包装物品であって、
前記シート材の長手方向の両端の位置に設けられ、短方向に沿って帯状に区画された第1接着区画部、第2接着区画部と、前記第1接着区画部の前記長手方向内端に沿って前記短方向と平行に設けられた第1折罫線と、前記第2接着区画部の前記長手方向内端に沿って前記短方向と平行に設けられた第2折罫線と、前記第1折罫線と前記第2折罫線の中間と前記第1折罫線との中間位置に前記短方向と平行に設けられた第3折罫線と、前記第1折罫線と前記第2折罫線の中間と前記第2折罫線との中間位置に前記短方向と平行に設けられた第4折罫線と、前記短方向の両端の位置に前記長手方向に沿って帯状に区画された第3接着区画部、第4接着区画部と、を有し、
前記包装袋は、前記シート材の前記第1接着区画部と前記第2接着区画部を向かい合わせて接着して筒状体を形成し、該筒状体を前記第3折罫線と前記第4折罫線を山折りして平坦状にし、前記第3接着区画部の対向面同士及び前記第4接着区画部の対向面同士を接着して該筒状体の開口部を封止して形成される前記液状内容物を収容する収容部を備え、
前記第1接着区画部と前記第2接着区画部が接着されて形成される接着部には、前記液状内容物を収容した前記包装袋の前記収容部を外部から押圧したときに、剥離して前記収容部と外部とを連通させて注出口となる弱接着部が設けられていることを特徴とする包装物品。
【請求項2】
前記シート材は、前記液状内容物と当接する内面又は両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなることを特徴とする請求項1に記載の包装物品。
【請求項3】
前記接着部に設けられた弱接着部は、易剥離剤の塗布により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装物品。
【請求項4】
前記シート材には、前記第1折罫線と前記第2折罫線のと中間位置に前記短方向と平行に設けられた第5折罫線を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の包装物品。
【請求項5】
前記シート材には、前記長手方向における前記第3接着区画部と前記第4接着区画部の中間位置に、前記第1接着区画部と前記第2接着区画部に繋がる第5接着区画部が帯状に区画されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の包装物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状のシート材を袋状に接着して形成される包装袋と、前記包装袋に収容された液状内容物を備える包装物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装袋内に液状内容物が密封された包装物品として、例えば、特許文献1に開示される包装物品が知られている。特許文献1の包装物品は、熱溶着可能な樹脂フィルムからなるシート材を袋状に接着して形成される包装袋と、包装袋に収容された液状内容物を備えており、包装袋は、液状内容物を収容する収容部と、収容部に隣接して設けられる流入部と、収容部と流入部とを区画する区画部と、流入部に連通されるとともに外部に開放された流出通路とを備え、区画部には、開封操作時に剥離されることによって、収容部と流入部とを連通させる弱シール部が設けられている。
【0003】
特許文献1の包装物品にあって、包装袋からの液状内容物の注出は、包装袋の収容部を挟圧して収容部内の液状内容物を加圧し、加圧された液状内容物の押圧により弱シール部を剥離させて開封させ、更に収容部の挟圧を続け、収容部に収容されている液状内容物を剥離した弱シール部から前記流入部、流出通路を通して外部に絞り出すようにして注出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1の包装物品では、包装袋からの液状内容物の注出は、包装袋の収容部を挟圧して収容部内の液状内容物を加圧し、収容部に収容されている液状内容物を剥離した弱シール部から絞り出すようにするが、収容部内の液状内容物が少なくなると絞り出し難くなり、液状内容物を残らず注出させるには面倒な操作を要するといた問題があった。
【0006】
本発明の目的は、簡単な操作で包装袋から液状内容物を容易に注出できる包装物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、矩形状のシート材を袋状に接着して形成される包装袋と、前記包装袋に収容された液状内容物を備える包装物品であって、前記シート材の長手方向の両端の位置に設けられ、短方向に沿って帯状に区画された第1接着区画部、第2接着区画部と、前記第1接着区画部の前記長手方向内端に沿って前記短方向と平行に設けられた第1折罫線と、前記第2接着区画部の前記長手方向内端に沿って前記短方向と平行に設けられた第2折罫線と、前記第1折罫線と前記第2折罫線の中間と前記第1折罫線との中間位置に前記短方向と平行に設けられた第3折罫線と、前記第1折罫線と前記第2折罫線の中間と前記第2折罫線との中間位置に前記短方向と平行に設けられた第4折罫線と、前記短方向の両端の位置に前記長手方向に沿って帯状に区画された第3接着区画部、第4接着区画部と、を有し、前記包装袋は、前記シート材の前記第1接着区画部と前記第2接着区画部を向かい合わせて接着して筒状体を形成し、該筒状体を前記第3折罫線と前記第4折罫線を山折りして平坦状にし、前記第3接着区画部の対向面同士及び前記第4接着区画部の対向面同士を接着して該筒状体の開口部を封止して形成される前記液状内容物を収容する収容部を備え、前記第1接着区画部と前記第2接着区画部が接着されて形成される接着部には、前記液状内容物を収容した前記包装袋の前記収容部を外部から押圧したときに、剥離して前記収容部と外部とを連通させて注出口となる弱接着部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前記包装袋は、前記シート材の前記第1接着区画部と前記第2接着区画部を向かい合わせて接着して筒状体を形成し、該筒状体を前記第3折罫線と前記第4折罫線を山折りして平坦状にし、前記第3接着区画部の対向面同士及び前記第4接着区画部の対向面同士を接着して該筒状体の開口部を封止して形成される前記液状内容物を収容する収容部を備え、前記第1接着区画部と前記第2接着区画部が接着されて形成される接着部には、前記液状内容物を収容した前記包装袋の前記収容部を外部から押圧したときに、剥離して前記収容部と外部とを連通させて注出口となる弱接着部が設けられているので、前記収容部から液状内容物を注出させる場合、前記収容部を前記第1折罫線と前記第2折罫線の中間から谷折りして二つ折りすることにより、二つ折りされた収容部が互いに押し合い、前記収容部に収容されている液状内容物を加圧する作用が働き、加圧された液状内容物の押圧により前記第1接着区画部と前記第2接着区画部が接着されて形成される接着部に設けられている注出口となる前記弱接着部を容易に剥離させ注出口を開口させることができる。そして、二つ折りされた収容部の二つに分けられた分割収容部を重ね合わせて両側から挟圧することにより、前記分割収容部同士が押し合って、液状内容物を前記分割収容部から容易に絞り出し外部へ注出することができる。このように、二つ折りして挟圧し液状内容物を注出する機構を用いることで、二つ折りしないで押し出す場合よりも、一度に注出する液量を2倍にすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記シート材は、前記液状内容物と当接する内面又は両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記シート材は、前記液状内容物と当接する内面又は両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材からなるので、シート材が樹脂フィルムの場合と比べ剛性が高く、前記収容部からの液状内容物の注出時に、前記収容部を挟圧したときの液状内容物への加圧が効果的に作用し、前記収容部からの液状内容物の絞り出しを効果的に行うことができる。また、前記シート材は板紙素材からなるので環境問題、廃棄性に適している。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記接着部に設けられた弱接着部は、易剥離剤の塗布により形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記接着部に設けられた弱接着部は、易剥離剤の塗布により形成されているので、前記接着部に弱接着部を容易に設けることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載の、前記シート材には、前記第1折罫線と前記第2折罫線のと中間位置に前記短方向と平行に設けられた第5折罫線を有していることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記シート材には、前記第1折罫線と前記第2折罫線のと中間位置に前記短方向と平行に設けられた第5折罫線を有しているので、前記収容部からの液状内容物の注出時、前記第5折罫線により、前記収容部を前記第1折罫線と前記第2折罫線の中間から容易に谷折りして二つ折りすることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか1項に記載の、前記シート材には、前記長手方向における前記第3接着区画部と前記第4接着区画部の中間位置に、前記第1接着区画部と前記第2接着区画部に繋がる第5接着区画部が帯状に区画されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、前記シート材には、前記長手方向における前記第3接着区画部と前記第4接着区画部の中間位置に、前記第1接着区画部と前記第2接着区画部に繋がる第5接着区画部が帯状に区画されているので、前記包装袋は、第5接着区画部で仕切られた2つの収容部が形成され2つの収容部にそれぞれ液状内容物を収容することができ、そして、2つの収容部に収容されている液状内容物を別々に注出することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係る包装物品によれば、前記収容部を前記第1折罫線と前記第2折罫線の中間から谷折りして二つ折りすることにより、二つ折りされた収容部の二つに分けられた分割収容部を重ね合わせて両側から挟圧することにより、液状内容物を前記分割収容部から容易に絞り出し外部へ注出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る包装物品の実施の形態の第1例を示す平面図である。
【
図3】
図1に示す包装物品が備える包装袋の展開図である。
【
図4】
図1に示す包装物品を形成する過程を示す説明図である。
【
図5】
図1に示す包装物品から液状内容物を注出する操作を示す説明図である。
【
図6】本発明に係る包装物品の実施の形態の第2例を示す平面図である。
【
図7】
図6に示す包装物品が備える包装袋の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る包装物品を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1~
図4は本発明に係る包装物品の実施の形態の第1例を示すものであり、
図1は第1例の包装物品を示す平面図、
図2は
図1に示す包装物品の正面図、
図3は
図1に示す包装物品が備える包装袋の展開図、
図4は
図1に示す包装物品を形成する過程を示す説明図、
図5は
図1に示す包装物品から液状内容物を注出する操作を示す説明図である。
【0020】
第1例の包装物品1は、包装袋2と、包装袋2の内部に収容された液状内容物(図示せず。)を備えている。
【0021】
包装袋2は、矩形状のシート材3を袋状に接着して形成されるものであり、シート材3は、
図3の展開図に示される通り、その長手方向Xの両端の位置に設けられ、短方向Yに沿って帯状に区画された第1接着区画部4、第2接着区画部5と、第1接着区画部4の長手方向Xの内端に沿って短方向Yと平行に設けられた第1折罫線6と、第2接着区画部5の長手方向Xの内端に沿って短方向Yと平行に設けられた第2折罫線7と、第1折罫線6と第2折罫線7の中間Cと第1折罫線6との中間位置に短方向Yと平行に設けられた第3折罫線8と、第1折罫線6と第2折罫線7の中間と第2折罫線7との中間位置に短方向Yと平行に設けられた第4折罫線9と、短方向Yの両端の位置に長手方向Xに沿って帯状に区画された第3接着区画部10、第4接着区画部11と、を有している。
【0022】
さらに、第1例では第1折罫線6と第2折罫線7の中間Cの位置に短方向Yと平行に第5折罫線12が設けられている。第5折罫線12はシート材3の外表面側から内表面側に向けて凹んでいる。
【0023】
シート材3による包装袋2の形成にあっては、
図4に示す様に、前記のような展開構造を有するシート材3の第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着して筒状体13を形成し、筒状体13を第3折罫線8と第4折罫線9を山折りして平坦状にし、第3接着区画部10の対向面同士及び第4接着区画部11の対向面同士を接着して筒状体13の開口部を封止することにより、第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着した接着部14と、第3接着区画部10の対向面同士及び第4接着区画部11の対向面同士を接着した接着部15,16より囲まれて形成される液状内容物Wを収容する収容部17を備えた包装袋2が形成される。
【0024】
また、第1接着区画部4と第2接着区画部5が接着されて形成される接着部14には、液状内容物Wを収容した包装袋2の収容部16を外部から押圧したときに、剥離して収容部17と外部とを連通させて注出口となる弱接着部18が設けられている。弱接着部18は、他の各接着部14,15,16よりも接着強度が低く設定されており、所定の負荷が作用した際に容易に剥離するようになっている。第1例では、第1接着区画部4と第2接着区画部5の一方あるいは双方の面に、易剥離剤を塗布することにより接着部14の一部に弱接着部18を設けている。
【0025】
また、第1例では、シート材3にあっては、液状内容物Wと接する内面又は両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材が使用されている。また、板紙素材には、収容する液状内容物が、例えば匂いの強いものである場合は、匂いの透過を阻止するバリアフィルム層を積層することもできる。
【0026】
前記のようにして形成される包装袋2の収容部17へ液状内容物Wを収容した第1例の包装物品1は次のようにして製造される。
先ず、シート材3の第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着して筒状体13を形成し、筒状体13を第3折罫線8と第4折罫線9を山折りして平坦状にする。
次に、第4接着区画部11の対向面同士を接着して筒状体13の下側開口部を封止する。
筒状体13の下側開口部を封止して袋状としたら、筒状体13の上側開口部から袋状内に液状内容物Wを充填し、液状内容物Wの充填後に第3接着区画部10の対向面同士を接着して筒状体13の上側開口部を封止しする。本発明の接着は、製造のし易さから、ヒートシールで行うことが好ましいが、これに代えて、超音波接着またはホットメルト接着剤を用いてもよい。
なお、第1接着区画部4は、シート材3の外表面側に接触するように畳まれていてもよい。その接触は、第4接着区画部11の対向面同士、第3接着区画部10の対向面同士をそれぞれ接着する際に、
図2にように畳まれた第1接着区画部4も重ねた状態で一対の熱エンボスロールを用いてヒートシールすることでも達成することができるが、別途用意するホットメルト剤で接着してもよい。
このようにして包装袋2と、包装袋2に収容された液状内容物Wを備えた第1例の包装物品1が製造される。
【0027】
以上のように構成された第1例の包装物品1によれば、包装袋2は、シート材3の第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着して筒状体13を形成し、筒状体13を第3折罫線8と第4折罫線9を山折りして平坦状にし、第3接着区画部10の対向面同士及び第4接着区画部11の対向面同士を接着して筒状体13の開口部を封止して形成される液状内容物Wを収容する収容部17を備え、第1接着区画部4と第2接着区画部5が接着されて形成される接着部14には、液状内容物Wを収容した包装袋2の収容部17を外部から押圧したときに、剥離して収容部17と外部とを連通させて注出口となる弱接着部18が設けられているので、収容部17から液状内容物Wを注出させる場合、収容部17を第1折罫線6と第2折罫線7の中間Cから谷折りして二つ折りすることにより、収容部17の二つに分けられた分割収容部17a、17bが互いに押し合い、収容部17に収容されている液状内容物Wを加圧する作用が働き、加圧された液状内容物Wの押圧により第1接着区画部4と第2接着区画部5が接着されて形成される接着部14に設けられている注出口となる弱接着部18を容易に剥離させ注出口を開口させることができる。
【0028】
そして、収容部17の二つに分けられた分割収容部17a、17bを重ね合わせて両側から挟圧することにより、分割収容部17a、17b同士が押し合って、液状内容物Wを分割収容部17a、17bから容易に絞り出し外部へ注出することができる。
【0029】
第1例では、第1折罫線6と第2折罫線7の中間Cの位置に短方向Yと平行に第5折罫線12が設けられているので、第5折罫線12により、収容部17を第1折罫線6と第2折罫線7の中間から容易に谷折りして二つ折りすることができ、しかも、第5折罫線12はシート材3の外表面側から内表面側に向けて凹んでいるので、より容易に二つ折りすることができる。
【0030】
また、第1例では、シート材3にあっては、液状内容物Wと当接する内面又は両面に熱可塑性樹脂を積層した板紙素材が使用されているので、シート材3は樹脂フィルムの場合と比べ剛性が高く、収容部17からの液状内容物Wの注出時に、収容部17を挟圧したときの液状内容物Wへの加圧が効果的に作用し、収容部17からの液状内容物Wの絞り出しを効果的に行うことができる。板紙の坪量は、80gsm~350gsmが好ましく、120gsm~300gsmがより好ましい。80gsm以上にすることで、注出前の状態で適度な剛度を保つことができ持ち運びが容易となり、120gsm以上がより剛度が適切になる。一方、350gsmより大きくなると、剛度が強すぎて二つ折りし難くなり、300gsm以下がより二つ折りし易い。また、シート材3は板紙素材からなるので環境問題、廃棄性に適している。熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や公知の樹脂を用いることができるが、環境問題の観点から、ポリ乳酸等の公知の生分解性樹脂を選択することが望ましい。熱可塑性樹脂の積層方法は特に限定されず、公知のラミネート方法や水系塗工を用いることができる。なお、液状内容物Wが揮発性ガスを発生させる場合は、ガスバリア性が要求されるが、その場合は熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を選択または追加し、必要に応じて金属箔または蒸着フィルムを組み合わせてもよい。
【0031】
図6、
図7は本発明に係る包装物品の実施の形態の第2例を示すものであり、
図6は第2例の包装物品を示す平面図、
図7は
図6に示す包装物品が備える包装袋の展開図である。
第2例の包装物品1は、第1例の包装物品1と基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成につては同一の符号を付して説明する。
【0032】
第2例の包装物品1は、
図7に示すように、シート材3には、長手方向Xにおける第3接着区画部10と第4接着区画部11の中間位置に、第1接着区画部4と第2接着区画部5に繋がる第5接着区画部19が帯状に区画されている。
その他の構成は第1例と同様なので第1例を援用し、その説明を省略する。
【0033】
シート材3による包装袋2の形成にあっては、第1例と同様に、
図7の展開構造を有するシート材3の第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着して筒状体13を形成し、筒状体13を第3折罫線8と第4折罫線9を山折りして平坦状にし、第3接着区画部10の対向面同士、第4接着区画部11の対向面同士及び第5接着区画部19の対向面同士を接着して筒状体13の開口部を封止することにより、第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着した接着部14と、第3接着区画部10の対向面同士及び第5接着区画部19の対向面同士を接着した接着部15,20より囲まれて形成される液状内容物Wを収容する第1収容部17Aと、第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着した接着部14と、第4接着区画部11の対向面同士及び第5接着区画部19の対向面同士を接着した接着部16,20より囲まれて形成される液状内容物Wを収容する第2収容部17Bからなる収容部17を備えた包装袋2が形成される。
【0034】
前記のようにして形成される包装袋3の収容部17へ液状内容物Wを収容した第2例の包装物品1は次のようにして製造される。
【0035】
先ず、第1例と同様に、シート材3の第1接着区画部4と第2接着区画部5を向かい合わせて接着して筒状体13を形成し、筒状体13を第3折罫線8と第4折罫線9を山折りして平坦状にする。
【0036】
次に、第4接着区画部11の対向面同士を接着して筒状体13の下側開口部を封止する。
筒状体13の下側開口部を封止して袋状としたら、筒状体13の上側開口部から袋状内に液状内容物Wを第5接着区画部19に達しない範囲で充填し、液状内容物Wの充填後に第5接着区画部19の対向面同士を接着して第2収容部17Bを形成し、さらに筒状体13の上側開口部から袋状内に液状内容物Wを充填して第3接着区画部10の対向面同士を接着して筒状体13の上側開口部を封止しすることにより第1収容部17Aを形成する。
【0037】
このようにして第1収容部17A,第2収容部17Bからなる収容部17を備えた包装袋2と、包装袋2の第1収容部17A,第2収容部17Bに収容された液状内容物Wを備えた第2例の包装物品1が製造される。
【0038】
以上のように構成された第2例の包装物品1によれば、シート材3には、長手方向Xにおける第3接着区画部10と第4接着区画部11の中間位置に、第1接着区画部4と第2接着区画部5に繋がる第5接着区画部19が帯状に区画されているので、包装袋2は、第5接着区画部19で仕切られた第1収容部17A,第2収容部17Bが形成され、第1収容部17A,第2収容部17Bにそれぞれ液状内容物Wを収容することができ、そして、第1収容部17A,第2収容部17Bに収容されている液状内容物Wを別々に注出することができ、例えば、第1収容部17Aにシャンプーを収容し、第2収容部17Bにリンスをセットで収容するといったことができる。また、白髪染めやヘアーカラーリング剤などの2種類の薬剤を混合して使用する液体を、第1収容部17A,第2収容部17Bにそれぞれ収容することもでき、あるいは、エポキシ樹脂系接着剤などの2液混合させる接着剤の各剤を第1収容部17A,第2収容部17Bにそれぞれ収容することもできる。前者は家庭用途、後者は工業用途の一例である。
その他の効果は、第1例と同様なので第1例を援用し、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0039】
1 包装物品
2 包装袋
3 シート材
4 第1接着区画部
5 第2接着区画部
6 第1折罫線
7 第2折罫線
8 第3折罫線
9 第4折罫線
10 第3接着区画部
11 第4接着区画部
12 第5折罫線
13 筒状体
14,15,16 接着部
17 収容部
17A 第1収容部
17B 第2収容部
17a、17b 分割収容部
18 弱接着部
19 第5接着区画部
20 接着部
X 長手方向
Y 短方向
C 中間
W 液状内容物