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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070426
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】空調装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0018 20190101AFI20240516BHJP
   F24F 1/0025 20190101ALI20240516BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
F24F1/0018
F24F1/0025
F24F13/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180905
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】森田 誠
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真吾
(72)【発明者】
【氏名】藤田 秀穂
【テーマコード(参考)】
3L049
【Fターム(参考)】
3L049BB07
3L049BB20
3L049BD02
(57)【要約】
【課題】払拭機構によるガイド面部の塵埃の払拭を確実に実施可能な空調装置を提供する。
【解決手段】ガイド面部に付着した塵埃を払拭する払拭機構を格納部から出発させガイド面部を移動させた後、格納部へ払拭機構を戻すようモータを制御するものにおいて、払拭機構を出発させる起動時の払拭機構の移動速度が、払拭機構がガイド面部を移動しているときの移動速度と比較して低くなるようモータを制御するので、払拭機構の出発時におけるトルクを確実に確保することができるため、払拭機構がガイド面部を移動し塵埃を払拭することができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの空気を取り入れ可能な空気取入口及び取り入れられた空気を外部へ吹出し可能な空気吹出口が開けられているケースと、
当該ケースに回転可能に支持され回転することにより送風を行なうファンと、
当該ファンの軸線方向に沿って前記ケースに形成され、前記ファンの送風する空気を前記空気吹出口に向かってガイドするガイド面部と、を備え、
前記ケース内には、
前記ガイド面部に付着した塵埃を払拭する払拭機構と、
当該払拭機構を格納する格納部と、
前記ガイド面部内で前記払拭機構を移動させるモータと、
前記払拭機構を前記格納部から出発させ前記ガイド面部を移動させた後、前記格納部へ前記払拭機構を戻すよう前記モータを制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記払拭機構を出発させる起動時の前記払拭機構の移動速度が、前記払拭機構が前記ガイド面部を移動しているときの移動速度と比較して低くなるよう前記モータを制御することを特徴とした空調装置。
【請求項2】
前記払拭機構は、前記ガイド面部に沿って移動可能な移動体と、この移動体に設けられ前記ガイド面部に付着した塵埃を払拭可能なシートと、前記移動体から前記ファンまで延び前記ファンの清掃を行なうことが可能なブラシと、で構成され、
前記ブラシは、前記ファンの軸線に沿った方向を中心としてスイング可能に設けられており、
前記格納部は、前記払拭機構が移動するときに前記ブラシが当接することでスイングさせるスライド部を有したことを特徴とした請求項1記載の空調装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記払拭機構を前記格納部へ戻す格納時の前記払拭機構の移動速度が、前記払拭機構が前記ガイド面部を移動しているときの移動速度と比較して低くなるよう前記モータを制御することを特徴とした請求項2記載の空調装置。
【請求項4】
前記ブラシは、塵埃を払拭する毛が植え付けられた基部を備え、
前記ブラシの前記基部は、前記スライド部に対してスライド可能なことを特徴とした請求項2又は3に記載の空調装置。
【請求項5】
前記ブラシが前記ファンへ近づく方向へスイングするように前記ブラシに力を与えるばねを備えていることを特徴とした請求項2又は3に記載の空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、室内の温度を調節するための空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の室内の温度を調節するのに広く空調装置が用いられている。空調装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、空調装置は、壁に固定されているケースと、このケースに収納され回転することにより室内に送風するファンと、当該ファンに当接可能に設けられファンを清掃するためのブラシ部と、を有する。
【0004】
空調装置によれば、ブラシ部をファンに当接させた状態でファンを回転させることにより、ファンに付着した塵埃を除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-143961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この従来のものでは、一般に、ケースには、ファンの送風する空気を吹出口に向かってガイドするガイド面部が形成されている。このガイド面部にも塵埃が付着することがあるが、ガイド面部とファンとの間は狭く、空調装置の使用者が手を入れて清掃を行うことは困難である。また、一般に、ブラシ部がファンに当接するので、ファンに付着した塵埃を除去するとき、除去した塵埃がガイド面部に落下してしまう。ファンが駆動すると、ガイド面部に落下した塵埃が空気吹出口から飛散するため室内環境が悪化する。
【0007】
そこで、ガイド面部に溜まった塵埃を払拭するシートを有した払拭機構をケース内に設置し、当該払拭機構がモータの駆動によりガイド面部を移動することで、ガイド面部の塵埃を除去する方法が考えられる。払拭機構が移動する時、モータ速度が一定だと払拭機構の起動時におけるトルクが不足し、払拭機構が出発場所からスムーズに移動できず、ガイド面部の払拭ができない虞があることから、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、外部からの空気を取り入れ可能な空気取入口及び取り入れられた空気を外部へ吹出し可能な空気吹出口が開けられているケースと、
当該ケースに回転可能に支持され回転することにより送風を行なうファンと、
当該ファンの軸線方向に沿って前記ケースに形成され、前記ファンの送風する空気を前記空気吹出口に向かってガイドするガイド面部と、を備え、
前記ケース内には、
前記ガイド面部に付着した塵埃を払拭する払拭機構と、
当該払拭機構を格納する格納部と、
前記ガイド面部内で前記払拭機構を移動させるモータと、
前記払拭機構を前記格納部から出発させ前記ガイド面部を移動させた後、前記格納部へ前記払拭機構を戻すよう前記モータを制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記払拭機構を出発させる起動時の前記払拭機構の移動速度が、前記払拭機構が前記ガイド面部を移動しているときの移動速度と比較して低くなるよう前記モータを制御することを特徴とした。
【0009】
また、請求項2では、前記払拭機構は、前記ガイド面部に沿って移動可能な移動体と、この移動体に設けられ前記ガイド面部に付着した塵埃を払拭可能なシートと、前記移動体から前記ファンまで延び前記ファンの清掃を行なうことが可能なブラシと、で構成され、
前記ブラシは、前記ファンの軸線に沿った方向を中心としてスイング可能に設けられており、
前記格納部は、前記払拭機構が移動するときに前記ブラシが当接することでスイングさせるスライド部を有したことを特徴とした。
【0010】
また、請求項3では、前記制御部は、前記払拭機構を前記格納部へ戻す格納時の前記払拭機構の移動速度が、前記払拭機構が前記ガイド面部を移動しているときの移動速度と比較して低くなるよう前記モータを制御することを特徴とした。
【0011】
また、請求項4では、前記ブラシは、塵埃を払拭する毛が植え付けられた基部を備え、
前記ブラシの前記基部は、前記スライド部に対してスライド可能なことを特徴とした。
【0012】
また、請求項5では、前記ブラシが前記ファンへ近づく方向へスイングするように前記ブラシに力を与えるばねを備えていることを特徴とした。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、ガイド面部に付着した塵埃を払拭する払拭機構を出発させガイド面部を移動させた後、格納部へ払拭機構を戻すようモータを制御するものにおいて、払拭機構を出発させる起動時の払拭機構の移動速度が、払拭機構がガイド面部を移動しているときの移動速度と比較して低くなるようモータを制御するので、払拭機構の出発時におけるトルクを確実に確保することができるため、払拭機構がガイド面部を移動し塵埃を払拭することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1による空調装置の模式図である。
図2図1に示された空調装置の室内機の斜視図である。
図3図2に示された室内機のケースと、ケースに収納されているファンを説明する図である。
図4】払拭機構の駆動機構を説明する図である。
図5】ファンの軸線方向に沿った方向から見た払拭機構の断面図である。
図6図6Aは、ブラシ及びシートが取り付けられた移動体の斜視図である。図6Bは、移動体に対するブラシ及びシートの着脱を説明する図である。
図7】払拭機構の動作を説明する図である。
図8図8Aは、格納位置にある移動体を説明する図である。図8Bは、格納位置にある移動体の断面図である。
図9】実施例1による空調装置の制御ブロック図である。
図10】実施例1によるモータ速度とトルクとの関係を説明する図である。
図11】実施例1による払拭機構が移動したときにおけるモータ速度の変化を説明する図である。
図12図12Aは、実施例2による空調装置の駆動力伝達部(ウォーム)を説明する図である。図12Bは、駆動力伝達部(ウォーム)の斜視図である。
図13図13Aは、モータケース及びモータを取り外した状態の格納位置にある移動体の斜視図である。図13Bは、駆動力伝達部に対する移動体の着脱を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図中Frは前、Rrは後、Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。
【0016】
<実施例1>
図1には、実施例1による空調装置10が示されている。空調装置10は、屋内Inを冷却する冷房機能と、屋内Inを暖房する暖房機能と、を備えている。
【0017】
空調装置10は、屋外Ouに設けられた室外機11及び屋内Inに設けられた室内機20を備えている。室外機11と、室内機20とは、冷媒を循環させることができるよう互いに接続されている。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0018】
室外機11は、冷房運転時及び暖房運転時における冷媒の循環する方向を切り替える四路切替弁12と、この四路切替弁12を通過した冷媒が流され冷媒を圧縮する圧縮機13と、この圧縮機13において圧縮され高温高圧となった冷媒が流れる室外熱交換器14と、この室外熱交換器14に向かって送風を行う室外ファン15と、室外熱交換器14を通過した冷媒を減圧する膨張弁16と、を備える。
【0019】
室内機20は、屋内Inにおいて壁Waに掛けて用いられる。室内機20のケース30は、支持板を介して壁Waに固定されている。左右方向に延びるケース30には、屋内Inの空気をケース30内に取り込み屋内Inへ送風を行う室内ファン21と、この室内ファン21が取り込んだ空気と熱交換を行う室内熱交換器27と、が収納されている。
【0020】
冷房運転時において、圧縮機13で高温高圧とされた冷媒は、室外熱交換器14において外気と熱交換を行い、熱を放出する。このとき、室外ファン15が作動することによって、外気を強制的に室外熱交換器14の外周に流し、熱交換を促す。室外熱交換器14を通過し熱を放出した冷媒は、膨張弁16において減圧され、温度が低下する。温度が低下した冷媒は、室内機20に送られる。
【0021】
室内機20のケース30には、室内ファン21が作動することにより空気が導入される。導入された空気は、室内熱交換器27の外周を通過し、屋内Inに送風される。室内熱交換器27には、室外機11において冷却された冷媒が供給されている。室内熱交換器27の外周を通過する空気は、冷媒と熱交換を行い、冷却される。屋内Inには、冷却された空気が送風される。
【0022】
暖房運転時には、四路切替弁12が冷媒の流路を切り替え、冷房運転時とは逆方向に冷媒を循環させる。
【0023】
図1及び図2を参照する。ケース30の上面には、外部(屋内In)からの空気を取り入れ可能な空気取入口31が開けられている。ケース30の前下部には、外部(屋内In)へ空気を吹出し可能な空気吹出口32が開けられている。空気吹出口32には、空気吹出口32を開閉可能であると共に、空気の吹き出す方向を上下方向に調整可能な上下ルーバー28が設けられている。
【0024】
図3を参照する。上下ルーバー28(図2参照)の後方には、空気の吹き出す方向を左右方向に調整可能な左右ルーバー29が設けられている。
【0025】
[ケースの収納部、ガイド面部、側面]
ケース30は、室内ファン21を収納しているファン収納部33を有している。ファン収納部33は、室内ファン21の外周の一部を囲っており室内ファン21の送風する空気を空気吹出口32へ向かってガイドするガイド面部40と、室内ファン21の両側の端面22,23の隣に位置している2つの側面34,35と、を有している。
【0026】
ガイド面部40は、室内ファン21の軸線Cが延びる方向に沿ってケース30の長手方向に亘って形成されている。ケース30のガイド面部40と、2つの側面34,35と、室内ファン21とにより画定され、送風された空気が流れることが可能な空間を送風路36(図5参照)とする。
【0027】
[払拭機構]
図4及び図5を参照する。ケース30は、ケース30の内部(室内ファン21及びガイド面部40)に付着した塵埃を払拭可能な払拭機構50を備えている。
【0028】
[駆動部]
払拭機構50の駆動部51は、後述する移動体60の駆動源であり通電することにより作動するモータ52と、モータ52の駆動力を伝達可能であり複数のギヤによって構成されるギヤ部53と、このモータ52に接続され移動体60にモータ52の駆動力を伝達する駆動力伝達部54と、を有する。モータ52は、ステッピングモータで構成されており、モータ速度に応じたトルクが出力される。詳細は後述する。
【0029】
[駆動力伝達部]
駆動力伝達部54は、一部に平歯車が形成されておりギヤ部53により駆動して回転する駆動プーリ55と、駆動プーリ55と反対側(室内ファン21の軸方向を基準)に設けられた従動プーリ(図示なし)と、駆動プーリ55及び従動プーリに環状に架け渡された歯付きロープ56(シンクロメッシュロープ)と、を備えている。
【0030】
[伝達部収納部]
図4及び図5を参照する。ガイド面部40には、室内ファン21に向かって開くように凹んでおり駆動力伝達部54が収納されている伝達部収納部41が形成されている。伝達部収納部41は、室内ファン21の軸線C方向に沿ってガイド面部40の右端(後述する格納側)から左端(格納側の反対側)に亘り設けられている。送風路36の空気の流れ方向を基準として、ガイド面部40のうち、伝達部収納部41よりも上流側の面を上流側ガイド面43とし、伝達部収納部41よりも下流側の面を下流側ガイド面44とする。
【0031】
伝達部収納部41はカバー42によって覆われている。カバー42の表面42aは、上流側ガイド面43と下流側ガイド面44とを滑らかに接続している(ガイド面部40に対して突出したり、凹んでいたりせずに連なっている)。即ち、カバー42の表面42aは、上流側ガイド面43及び下流側ガイド面44と共にガイド面部40の一部を構成している。カバー42の裏面42bは、伝達部収納部41へ向かって突出しカバー42を補強するリブ42cを有している。
【0032】
上流側ガイド面43とカバー42の表面42aとの間には、隙間Gが設定されている。隙間Gは、略同一の幅で室内ファン21の軸線C方向に亘って形成されている。
【0033】
[移動体]
図5図6A及び図6Bを参照する。払拭機構50は、送風路36(室内ファン21とガイド面部40との間)を室内ファン21の軸線Cに沿って移動可能な移動体60を備えている。移動体60は、歯付きロープ56に接続され駆動部51が作動することにより室内ファン21の軸線C方向に従動する従動部61と、従動部61から隙間Gを貫通して送風路36まで延びている一対の腕部62,62と、一対の腕部62,62に支持されガイド面部40に沿って形成された支持部70と、が一体となり構成されている。
【0034】
換言すると、移動体60のうち、従動部61は伝達部収納部41に収納された部位であり、支持部70は、送風路36に位置している部位であり、一対の腕部62,62は、従動部61と支持部70とを接続する部位である。なお、一対の腕部62,62を廃して、支持部70と従動部61とをガイド面部40を挟んで磁石によって連結してもよい。
【0035】
リブ42cが第2ガイドローラ63に接触可能な位置に形成されている場合には、カバー42を補強するためのリブ42cによって、第2ガイドローラ63をガイドすることが可能となる。
【0036】
[従動部]
従動部61は、伝達部収納部41の上面又は下面に対して転がり可能な第1ガイドローラ64と、リブ42c又は伝達部収納部41に対して転がり可能な第2ガイドローラ63と、を備えている。
【0037】
[支持部]
図6Bを参照する。支持部70は、送風路36の空気の流れ方向が長手方向となる矩形の枠状を呈している。支持部70は、一対の腕部62,62に支持されている一対の縦枠部71,71と、一対の縦枠部71,71の上端同士を接続している上枠部73と、一対の縦枠部71,71の下端同士を接続している下枠部74と、が一体となり構成されている。
【0038】
[払拭部]
支持部70に対して払拭部80が取り付けられている。払拭部80は、支持部70の枠を塞ぐことが可能な矩形の板状の本体部81を備えている。本体部81は、上枠部73に対して差し込み可能な差込部82と、下枠部74に係止可能な係止部83と、を有している。一対の縦枠部71,71は、本体部81を支持可能な支持縁72,72を有している。
【0039】
[シート]
本体部81は、ガイド面部40に接触してガイド面部40に付着した塵埃を払拭可能なシート84を備えている。シート84は、不織布やスポンジ等によって構成することができる。
【0040】
[ブラシ]
本体部81は、室内ファン21の外周縁24(図5参照)に接触して外周縁24に付着した塵埃を払拭可能なブラシ76を備えている。ブラシ76は、本体部81に対してスイング可能に設けられている。スイングの中心線は室内ファン21の軸線Cに沿った方向である。ブラシ76は、室内ファン21の塵埃を払拭する樹脂製の毛77が植え付けられた基部78を備えている。
【0041】
[ばね]
ブラシ76は、引張りばね79(ばね)を備えている。引張りばね79の一端はブラシ76の基部78に固定されており、引張りばね79の他端は本体部81に固定されている。引張りばね79は、ブラシ76が室内ファン21へ近づく方向へスイングするようにブラシ76に力を与えている。
【0042】
図9を参照する。以下に、空調装置10の制御部300(107,207)の一構成例について説明する。制御部300は、例えば2つの制御部(第1制御部及び第2制御部)で構成され、制御部107(室内制御部)及び室外制御部207である。
【0043】
図9(又は図1)の室内機20は、入力部301を備えることができ、入力部301は、例えば赤外線受信モジュールであるリモコン入力部(リモートコントローラ入力部)であるが、これに限定されるものではない。入力部301がリモコン入力部である場合に、操作者は、図示されないリモコン(リモートコントローラ)を介して、一例として、冷房運転又は暖房運転(運転モード)を選択可能である。これに応じて、制御部107は、入力部301又はリモコン入力部を介して、運転モードとして、冷房運転又は暖房運転を設定可能である。具体的には、操作者がリモコンの例えば冷房ボタン(図示せず)を押す場合に、冷房運転の選択を表す信号がリモコンから送信され、リモコン入力部がその信号を受信し、制御部107は、冷房運転の選択を認識又は判定し、制御部107に冷房運転が設定される。
【0044】
制御部107は、例えばCPU、ROM、RAM等で構成されるマイコン(マイクロコンピュータ)であるが、これに限定されるものではない。制御部107がマイコンである場合に、ROMは、CPUに所定の動作を実行させるプログラムを記憶し、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、ROMは、制御部107に設定された運転及びその運転を実行するために必要なデータを記憶することができる。
【0045】
制御部107がマイコンである場合に、制御部107は、その内部に記憶部(図示せず)を備えているが、空調装置10(室内機20、室外機11)は、制御部107、室外制御部207等の制御部300の外部に記憶部(室内記憶部、室外記憶部)を有しても良い。言い換えれば、制御部300(制御部107,室外制御部207)は、様々なデータ(設定データを含む)を制御部300(制御部107,室外制御部207)の内部ないし外部に記憶することができる。
【0046】
制御部107に冷房運転が設定されるとき、制御部107は、冷房運転の開始を室外機11(配線109又は信号線を介して室外制御部207)に指示することができる。次に、操作者がリモコンの例えば暖房ボタン(図示せず)を押す場合に、制御部107に暖房運転が設定されて、制御部107は、暖房運転の開始を室外機11(室外制御部207)に指示することができる。代替的に、操作者がリモコンの例えば停止ボタン(図示せず)を押す場合に、制御部107に、現在実施されている運転モード(例えば、冷房運転又は暖房運転)の停止が設定されて、制御部107は、冷房運転又は暖房運転の停止を室外機11(室外制御部207)に指示することができる。
【0047】
なお、リモコンは、例えば温度設定ボタン(図示せず)を有してもよく、室内機20は、例えば室温を検出する検出部(温度センサ)を有してもよく、操作者からの設定温度が制御部107に設定されても良い。この場合、制御部107は、例えば室温に応じて、室内ファン21の回転数(冷房回転数、暖房回転数等)を調整しても良い。好ましくは、制御部107に設定温度が設定されて、制御部107は、例えば室温と設定温度との差に応じて、室内ファン21の回転数(冷房回転数、暖房回転数等)を調整することができる。
【0048】
好ましくは、リモコンは、例えば自動清掃設定ボタン(図示せず)を有し、操作者からの操作(自動清掃のON(入)又はOFF(切))が制御部107に設定される。自動清掃がONである場合、例えば冷房運転又は暖房運転が停止されるとき、室内機20は、室内ファン21及びガイド面部40(室内ファン21とガイド面部40との間の送風路36)に付着した塵埃の除去を準備又は開始することができる。
【0049】
自動清掃がOFFである場合、具体的には、操作者がリモコンの例えば手動おそうじボタン(図示せず)を押すとき、室内機20は、室内ファン21及びガイド面部40に付着した塵埃の除去を準備又は開始することができる。
【0050】
[払拭機構の動作]
図4及び図7を参照する。空調装置10は、自動清掃設定がONのときは操作者によるリモコンでの運転停止信号を受けた後、又は、操作者のリモコン操作で手動おそうじボタンが押されたら、払拭機構50による清掃を開始する。
【0051】
制御部107は、モータ52を所定の回転数で駆動させる。モータ52が駆動すると、ギヤ部53及び駆動プーリ55が回転する。駆動プーリ55が回転すると、歯付きロープ56に接続された移動体60が左右方向に移動する。
【0052】
移動体60の移動について詳述すると、移動体60は、格納部としてのモータケース90を出発した後、左方向へ移動する。その後、制御部107がモータ52のパルス数カウントにより移動体60の位置を把握し、移動体60がガイド面部40の折り返し位置に達したパルス数カウントか判断する。移動体60が折り返し位置に達したと判断したら、制御部107は、モータ52を停止させた後、逆方向へ回転させる。モータ52が逆方向へ回転することで、移動体60は、ガイド面部40を右方向に移動する。
【0053】
このように、制御部107がモータ52のパルス数を検出して移動体60の位置を把握し、移動体60が折り返し位置に到達したらモータ52の回転方向を切り替えることで、移動体60を左右方向に移動させることができる。移動体60をモータケース90に格納するとき、移動体60がモータケース90内の停止位置まで移動すると、移動体60が図示しないマイクロスイッチを押す。制御部107は、当該マイクロスイッチが押されたと判断したら、モータ52の回転を停止させることで移動体60を格納位置で停止させる。払拭機構50による室内ファン21、及びガイド面部40の清掃が完了する。
【0054】
ガイド面部40にはシート84が接触し、室内ファン21にはブラシ76が接触している。この状態で移動体60が隙間Gに沿って移動することにより、ガイド面部40に付着した塵埃はシート84により払拭され、室内ファン21に付着した塵埃もブラシ76によって払拭される。このとき、室内ファン21を回転(図5において反時計回り方向)させておくことにより室内ファン21の外周縁24の全体を清掃することができる。なお、清掃中のブラシ76の基部78の底面(図示なし)は本体部81に接触している。
【0055】
移動体60はシート84とブラシ76の両方を有している。このため、ブラシ76によって室内ファン21からガイド面部40に塵埃を落とし、シート84によって払拭することができる。
【0056】
払拭機構50の空気流れ下流側に左右ルーバー29(図3参照)が設置されているので、室内ファン21とガイド面部40との間の送風路36に手を入れて清掃することが困難であることから、ガイド面部40に沿って移動可能な払拭機構50を設けることで、簡易にガイド面部40に付着した塵埃を除去できる。
【0057】
[移動体の格納位置]
図3及び図8Aを参照する。払拭機構50による清掃が終了すると、移動体60が格納部としてのモータケース57に格納される。払拭機構50の停止中に、移動体60が格納される位置を格納位置とする。移動体60の格納位置は、室内ファン21の軸線C方向を基準として送風路36の端部36aに設定されている。
【0058】
以下、室内ファン21の軸線C方向を基準として、移動体60が格納されている側を格納側(右側)とする。なお、格納位置は、格納側の反対側(左側)の端部36b(図3参照)であってもよい。
【0059】
[モータの位置]
モータ52(図4参照)は、送風路36の格納側の端部36aに位置しているが、送風路36の反対側の端部36bに位置していても良い。換言すると、移動体60の格納位置と、モータ52の位置とは互いに反対側であってもよい。
【0060】
[基板収納部の位置]
ケース30は、モータ52を制御可能な制御基板(図示なし)を収納している基板収納部37を有している。基板収納部37は、ファン収納部33に対して格納側(右側)に形成されている。
【0061】
[モータケース]
図8Aを参照する。モータ52(図4参照)と、ギヤ部53と、駆動プーリ55とは、格納部としてのモータケース57により覆われている。モータケース57は、ガイド面部40に沿うように形成されておりモータ52の上方を覆っている上壁部57aと、上壁部57aの左側の縁からガイド面部40へ向かって延びておりモータ52の左側方を覆っている側壁部57bと、が一体となり構成されている。上壁部57aの右側の縁は、ファン収納部33の格納側の側面34に接触している。側面34は、モータ52の右側方を覆っているともいえる。
【0062】
[移動体の格納方法]
モータケース57の上壁部57aの縁には、移動体60が格納位置(右側)へ向かって移動する際に、ブラシ76の基部78がスライドするスライド部58が形成されている。スライド部58は、室内ファン21に接触しているブラシ76が室内ファン21から離れるまで、ブラシ76がスイングするようにガイド可能である。
【0063】
スライド部58は、例えば、室内ファン21の軸線C方向に対して斜めに直線状に延びているが、曲線状であってもよい。なお、スライド部58は、例えば、ファン収納部33に支持されておりモータケース57とは別体の部材の一部であってもよい。
【0064】
[格納位置におけるブラシの位置]
図8Bを参照する。移動体60が格納位置にあるとき、ブラシ76の基部78の側面78aが移動体60(支持部70の縦枠部71,71)に接触している。即ち、ブラシ76は完全に倒れている。
【0065】
[払拭機構の移動時におけるモータ速度]
図10及び図11を参照する。ステッピングモータとしてのモータ52は、モータ速度が高くなると出力トルクが小さくなる関係になることから、負荷の大きさに合わせてモータ速度を適切に設定する必要がある。払拭機構50の移動体60が移動するとき、高負荷となる時点は以下の3つである。
(1)起動時
(2)折り返し時
(3)格納時
【0066】
各時点における移動体60の動作と負荷が大きくなる理由を説明する。
【0067】
(1)起動時は、停止状態の移動体60をモータケース90内から出発させるため、移動体60の移動時と比較し大きな出力トルクが必要である。また、移動体60がガイド面部40(左側)へ向かって移動する際に、ブラシ76の基部78がスライド部58に接触し摩擦による負荷が発生するため、移動体60の移動時と比較し大きな出力トルクが必要である。よって、制御部107は、ブラシ76の基部78がスライド部58に接触している間は、移動体60がガイド面部40を移動しているときと比較し、モータ52を低速で駆動させて出力トルクを上げる。図11のtをモータ52の起動指示が出された時点、tをブラシ76の基部78がスライド部58から離れた状態となるのに十分な時点とする。制御部107は、モータ52の起動指示が出されたと判断したら、tからtに至るモータ52のパルス数カウントが検出されるまで、移動体60がガイド面部40を移動しているときと比較しモータ52を低速で駆動させ、tからtに至るモータ52のパルス数カウントが検出されたら、モータ52の速度を上げて移動体60がガイド面部40を移動するよう制御する。なお、tからtに達したかの判断を、モータ52のパルス数カウントではなく、予め設定した所定時間が経過したかで判断してもよい。
【0068】
(2)折り返し時は、移動体60がガイド面部40における移動可能部分の左端に達した後、格納場所である右側へ折り返す時、モータ52を停止させた後にモータ52を逆回転させて移動体60を右側へ向けて移動させる。停止状態の移動体60を安定して動作させるため、移動体60の移動時と比較し大きな出力トルクが必要である。よって、制御部107は、停止状態の移動体60が折り返し位置から出発しガイド面部40に移動する間は、移動体60がガイド面部40を移動しているときと比較し、モータ52を低速で駆動させて出力トルクを上げる。図11のtを移動体60が折り返し位置に達した時点、tをモータ52の逆回転の起動指示が出された時点、tを移動体60が安定して移動可能となるのに十分な時点とする。制御部107は、tからtに至るモータ52のパルス数カウントが検出されたと判断したらモータ52の駆動を停止させ、所定時間経過後にモータ52を起動し、tからtに至るモータ52のパルス数カウントが検出されるまで、移動体60がガイド面部40を移動しているときと比較しモータ52を低速で駆動させ、tからtに至るモータ52のパルス数カウントが検出されたら、モータ52の速度を上げて移動体60がガイド面部40を移動するよう制御する。なお、tからtに達したかの判断を、モータ52のパルス数カウントではなく、予め設定した所定時間が経過したかで判断してもよい。
【0069】
(3)格納時は、移動体60がモータケース90内に格納される時、ブラシ76の基部78がスライド部58に接触し摩擦による負荷が発生するため、移動体60の移動時と比較し大きな出力トルクが必要である。よって、制御部107は、ブラシ76の基部78がスライド部58に接触している間は、移動体60がガイド面部40を移動しているときと比較し、モータ52を低速で駆動させて出力トルクを上げる。図11のtをブラシ76の基部78がスライド部58に接触する直前の時点、tを移動体60が図示しないマイクロスイッチを押圧する時点とする。制御部107は、tからtに至るモータ52のパルス数カウントが検出されたと判断したらモータ52の速度を低下させ、tからtに至るまで、移動体60がガイド面部40を移動しているときと比較しモータ52を低速で駆動させ、tに至ったと判断したらモータ52が停止するよう制御する。
【0070】
(1)から(3)の時点で出力トルクが不足すると、移動体60が適正に移動できず、払拭機構50によるガイド面部40及び室内ファン21の清掃ができない虞がある。
そこで、制御部107は、払拭機構50による清掃指示が出されたと判断したら、(1)から(3)の時点におけるモータ52の速度を、ガイド面部40を移動体60が移動しているときにおける速度と比較して低くする。移動体60に高負荷がかかる時点において出力トルクが大きくなるよう、モータ52の速度を制御するため、払拭機構50による清掃指示が出されたとき移動体60を確実に移動させることができ、ガイド面部40及び室内ファン21の清掃を実施することができる。
【0071】
また、(1)及び(3)の時点と比較し(2)の時点におけるモータ52の速度を移動体60がガイド面部40を移動する時の速度と比較して低下させる時間は短い。(1)及び(3)の時点では、ブラシ76の基部78がスライド部58に接触している間は出力トルクを上げる必要があるのに対し、(2)の時点ではブラシ76の基部78がスライド部58に接触せず移動体60の起動時における出力トルクを確保するのみである。よって、(2)の時点におけるモータ52の速度を低下させる時間は、(1)及び(3)の時点と比較して短い時間となる。(2)の時点におけるモータ52の速度を低下させる時間が短いことで、払拭機構50によるガイド面部40、及び室内ファン21の清掃に必要な時間が短くなり、払拭機構50による清掃完了後における暖房運転、冷房運転がすばやく実施可能になることから、使用者の使い勝手が向上する。
【0072】
[実施例1の効果]
以下に説明する実施例1の効果は、以下に説明する実施例2においても発揮される。
【0073】
図3及び図8Aを参照する。移動体60の格納位置は、室内ファン21の軸線C方向を基準として送風路36の端部36aに設定されている。そのため、移動体60は送風路36を流れる空気の抵抗となりにくい。
【0074】
ケース30内には、ガイド面部40に付着した塵埃を払拭する払拭機構50と、当該払拭機構50を格納する格納部としてのモータケース90と、ガイド面部40内で払拭機構50を移動させるモータ52と、払拭機構50の移動体60をモータケース57から出発させガイド面部40を移動させた後、モータケース57へ払拭機構50を戻すようモータ52を制御する制御部107と、を有し、制御部107は、払拭機構50を出発させる起動時の移動体60の移動速度が、払拭機構50がガイド面部40を移動しているときの移動速度と比較して低くなるようモータ52を制御する。これにより、払拭機構50の起動時に必要なトルクが確保でき、払拭機構50を確実に出発させることができるため、払拭機構50によるガイド面部40と室内ファン21の清掃が実施可能となる。
【0075】
加えて、払拭機構50は、ガイド面部40に沿って移動可能な移動体60と、この移動体60に設けられガイド面部40に付着した塵埃を払拭可能なシート84と、移動体60から室内ファン21まで延び室内ファン21の清掃を行なうことが可能なブラシ76と、で構成され、ブラシ76は、室内ファン21の軸線Cに沿った方向を中心としてスイング可能に設けられている。移動体60の起動時、格納部であるモータケース90(右側)からガイド面部40へ向かって移動するとき、ブラシ76の基部78がスライド部58に当接する。このとき、ブラシ76の基部78とスライド部58との間で摩擦が発生するので、移動体60が移動するに当たり負荷が増大する。制御部107は、移動体60を出発させる起動時の移動体60の移動速度が、移動体60がガイド面部40を移動しているときの移動速度と比較して低くなるようモータ52を制御するので、移動体60の起動時において基部78とスライド部58との間での摩擦により負荷が増大しても、移動体60の起動時に必要なトルクが確保でき、移動体60を確実に出発させることができるため、払拭機構50によるガイド面部40と室内ファン21の清掃が実施可能となる。
【0076】
加えて、制御部107は、払拭機構50を格納部としてのモータケース90へ戻す格納時の払拭機構50の移動速度が、払拭機構50がガイド面部40を移動しているときの移動速度と比較して低くなるようモータ52を制御する。移動体60がモータケース90へ戻るとき、ブラシ76の基部78がスライド部58に当接する。このとき、ブラシ76の基部78とスライド部58との間で摩擦が発生するので、移動体60が移動するに当たり負荷が増大する。移動体60がモータケース90に格納される時のモータ52の速度を、ガイド面部40を移動しているときの速度と比較して低くなるよう制御することで、移動体60の格納時に必要なトルクが確保でき、移動体60を確実にモータケース90内に格納することができる。これにより、払拭機構50でのガイド面部40と室内ファン21との清掃が完了した後、払拭機構50をモータケース90内へ確実に格納することができ、払拭機構50がモータケース90内に格納されず、払拭機構50での清掃後に冷房運転や暖房運転でブラシ76が室内ファン21に当たり続け、騒音が発生することを阻止できる。
【0077】
加えて、ブラシ76の基部78はスライド部58に対してスライド可能である。ブラシ76の毛77がスライド部58をスライドするように設定してもよいが、ブラシ76の基部78がスライドするほうがブラシ76のスイングが滑らかとなる。
【0078】
加えて、移動体60が格納位置にあるとき、ブラシ76の基部78の側面78aが移動体60(支持部70の縦枠部71)に接触している。ブラシ76は、移動体60に対して完全に倒れているため、送風路36を流れる空気の抵抗となりにくい。さらに、ブラシ76は、完全に倒れていることにより室内ファン21に接触しておらず、騒音を防止できる。
【0079】
加えて、ブラシ76は、ブラシ76が室内ファン21へ近づく方向へスイングするようにブラシ76に力を与える引張りばね79を備えている。格納位置にあるブラシ76の自重により、ブラシ76を室内ファン21に近づく方向へスイングするように設定してもよいが、引張りばね79を用いることによリ、ブラシ76をより確実にスイングさせることができる。
【0080】
図4を参照する。モータ52は、送風路36の格納側の端部36aに位置している。格納位置にある移動体60と、モータ52とは互いに近くに位置している。ケース30の格納側のみで払拭機構50のメンテナンスが可能となり、メンテナンスしやすい。
【0081】
図3を参照する。基板収納部37は、ファン収納部33に対して格納側(右側)に形成されている。即ち、モータ52のすぐ近くに制御基板が位置している。ケース30の格納側のみで払拭機構50及び制御基板のメンテナンスが可能となり、メンテナンスしやすい。モータ52と制御基板との配線も短くできる。
【0082】
図6Bを参照する。本体部81はブラシ76及びシート84を備えている。この本体部81は、移動体60の支持部70に対して着脱可能である。これにより、シート84及びブラシ76は、それぞれ移動体60に対して着脱可能である。
【0083】
<実施例2>
図12A及び図12Bには、実施例2による空調装置10Aが示されている。実施例1の空調装置10と共通する構成については、実施例1と同一の符号を付すると共に説明は省略する。
【0084】
実施例2では、実施例1の駆動力伝達部54(歯付きロープ56、駆動プーリ55)(図4参照)に代えて、伝達部収納部41Aに収納されており、ギヤ部53(図4参照)により駆動可能なウォーム59が採用されている。移動体60Aの従動部61Aは、ウォーム59に噛み合うラックギヤ65を含む。
【0085】
モータ52(図4参照)が作動すると、ケース30の幅方向に亘って設けられているウォーム59(駆動力伝達部)が回転する。従動部61Aは、ウォーム59に噛み合うラックギヤ65を有しているため、ウォーム59が回転することにより、移動体60Aは左右方向に移動する。
【0086】
図12Aを参照する。移動体60のラックギヤ65は、ウォーム59の上方に位置した状態でウォーム59と噛み合っている。
【0087】
図13A及び図13Bを参照する。伝達部収納部41は、格納側の端部を除いて、カバー42によって覆われている。即ち、伝達部収納部41の格納側の端部には開口45が形成されている。この開口45の幅は、移動体60の従動部61の幅よりも広く設定されている。
【0088】
上記の構成により、格納位置にある移動体60を前方にスライドさせると、ウォーム59とラックギヤ65の?み合いが外れて、伝達部収納部41がカバー42に覆われた状態で、格納位置にある移動体60をウォーム59から取り外すことができる。同様にして、ウォーム59に対して移動体60を取付可能である。したがって、伝達部収納部41がカバー42に覆われた状態で、格納位置にある移動体60は、ウォーム59(駆動力伝達部54)に対して着脱可能である。
【0089】
図6Bに戻る。実施例1の空調装置10においても歯付きロープ56(駆動力伝達部)に対する格納位置にある移動体60の着脱は可能である。支持部70から払拭部80が外されると、支持部70の枠のなかからねじ91の頭部が露出する。ねじ91の頭部は前方を向いている。即ち、ねじ91の軸部(図示なし)は前後方向(ケース30の奥行き方向)へ延びている。従動部61と歯付きロープ56の両端56a,56aとは、前後方向に互いに重ね合わされてねじ91により固定されている。ねじ91を外すと、歯付きロープ56の両端56a,56aと移動体60との固定が解かれる。その後に、移動体60を前方へ移動させると、歯付きロープ56から移動体60を外すことができる。
【0090】
図5を参照する。シート84の下流側端部84aは、ブラシ76の毛77と室内ファン21の外周縁24との接触する部位の鉛直下方に位置している。そのため、シート84の下流側端部84aは、室内ファン21に付着していた塵埃を確実に払拭することができる。
【0091】
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。例えば、実施例では払拭機構50にブラシ76が設置された内容で説明したが、ブラシ76を設置しないものであってもよい。払拭機構50にシート84を有した払拭部80のみを備え、移動体60が移動することでガイド面部40の塵埃を除去し、ブラシ76による室内ファン21の清掃を実施しないものであっても、本発明を適用することで払拭機構50の起動時におけるトルクを確保し、確実にガイド面部40の清掃が可能となる。
【符号の説明】
【0092】
10…空調装置
21…室内ファン
30…ケース
31…空気取入口
32…空気吹出口
40…ガイド面部
50…払拭機構
52…モータ
57…モータケース(格納部)
58…スライド部
60…移動体
76…ブラシ
78…基部
79…引張りばね
84…シート
107…制御部(室内制御部)
C…軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13