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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070475
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】電源装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20240516BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
H02M3/28 H
G03G21/00 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180996
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】小島 智行
(72)【発明者】
【氏名】押領司 拓
【テーマコード(参考)】
2H270
5H730
【Fターム(参考)】
2H270KA04
2H270KA46
2H270LA10
2H270MG03
2H270MG04
2H270PA56
2H270ZC04
2H270ZC06
5H730BB43
5H730BB86
5H730BB88
5H730CC01
5H730DD04
5H730DD41
5H730EE02
5H730EE07
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD11
5H730FG25
5H730VV03
(57)【要約】
【課題】省電力モードにおける消費電力を低減する。
【解決手段】画像形成装置5は、商用電源2から、DC24Vと、DC24Vよりも低いDC5Vとを生成する一次二次変換部36と、DC24VをDC5Vに降圧するDC-DCコンバータ39と、一次二次変換部36から出力されたDC5VをDC-DCコンバータ39をバイパスさせて出力するバイパス回路41と、通常動作モードにおいては、一次二次変換部36においてDC24Vを生成させて出力させると共に、DC-DCコンバータ39を動作させDC24VをDC5Vに降圧させて出力させる一方、省電力モードとしてのスリープモードにおいては、一次二次変換部36においてDC24Vを生成させずにDC5Vを生成させ、DC-DCコンバータ39を動作させずにDC5Vをバイパス回路41を介して出力させるサブ制御部54とを設ける。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源から、第1の電圧と、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧とを生成する電圧生成部と、
前記第1の電圧を前記第2の電圧に降圧する降圧部と、
前記電圧生成部から出力された前記第2の電圧を前記降圧部をバイパスさせて出力するバイパス部と、
通常動作モードにおいては、前記電圧生成部において前記第1の電圧を生成させて出力させると共に、前記降圧部を動作させ前記第1の電圧を前記第2の電圧に降圧させて出力させる一方、省電力モードにおいては、前記電圧生成部において前記第1の電圧を生成させずに前記第2の電圧を生成させ、前記降圧部を動作させずに前記第2の電圧を前記バイパス部を介して出力させる制御部と
を有する電源装置。
【請求項2】
前記バイパス部は、
オンすることにより該バイパス部を動作させて前記第2の電圧を前記降圧部をバイパスさせて出力するか、又は、オフすることにより該バイパス部を動作させずに前記第2の電圧を前記降圧部をバイパスさせないかを切り替えるスイッチを有する
請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記スイッチは、半導体である
請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記スイッチは、FETである
請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記スイッチは、トランジスタである
請求項3に記載の電源装置。
【請求項6】
前記スイッチは、リレーである
請求項2に記載の電源装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記通常動作モードと前記省電力モードとが切り替わる際に変化するスリープ信号を前記スイッチに入力することにより、前記スイッチのオンオフを切り替える
請求項2に記載の電源装置。
【請求項8】
前記スイッチは、
前記電圧生成部から前記第2の電圧よりも高い電圧が出力されているか否かに基づき、オンオフが切り替えられる
請求項2に記載の電源装置。
【請求項9】
前記降圧部は、
前記電圧生成部から前記第2の電圧よりも高い電圧が出力されているか否かに基づき、動作するか又は動作しないかが切り替えられる
請求項1に記載の電源装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記通常動作モードと前記省電力モードとが切り替わる際に変化するスリープ信号を前記降圧部に入力することにより、前記降圧部を動作させるか又は動作させないかを切り替える
請求項1に記載の電源装置。
【請求項11】
前記商用電源から前記電圧生成部を介さずに前記第2の電圧を生成する他の電圧生成部
を有さない請求項1に記載の電源装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11の何れかに記載の前記電源装置
を有する画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源装置及び画像形成装置に関し、例えば商用電源から電源を供給される画像形成装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メイン電源部とサブ電源部とが搭載されており、商用電源から、メイン電源部によりDC24Vを生成すると共に、サブ電源部によりDC5Vを生成し、省電力モードにおいてメイン電源部を動作させずにサブ電源部を動作させDC5Vを出力する、いわゆる2トランスタイプの電源装置が用いられている。
【0003】
これに対し、サブ電源部が搭載されておらずにメイン電源部が搭載されており、商用電源からメイン電源部によりDC24Vを生成すると共に、該DC24VからDC-DCコンバータによりDC5Vを生成する、いわゆる1トランスタイプとすることにより、2トランスタイプと比較して小型化された電源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-39229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、1トランスタイプの電源装置においては、サブ電源部が未搭載であるため、省電力モードにおいても、商用電源からメイン電源部によりDC24Vを生成すると共に、該DC24VからDC-DCコンバータによりDC5Vを生成する場合があり、省電力モードにおける消費電力が高くなる可能性があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、省電力モードにおける消費電力を低減し得る電源装置及び情報処理システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の電源装置においては、商用電源から、第1の電圧と、第1の電圧よりも低い第2の電圧とを生成する電圧生成部と、第1の電圧を第2の電圧に降圧する降圧部と、電圧生成部から出力された第2の電圧を降圧部をバイパスさせて出力するバイパス部と、通常動作モードにおいては、電圧生成部において第1の電圧を生成させて出力させると共に、降圧部を動作させ第1の電圧を第2の電圧に降圧させて出力させる一方、省電力モードにおいては、電圧生成部において第1の電圧を生成させずに第2の電圧を生成させ、降圧部を動作させずに第2の電圧をバイパス部を介して出力させる制御部とを設けるようにした。
【0008】
また本発明の画像形成装置においては、上述した電源装置を設けるようにした。
【0009】
本発明は、省電力モードにおいて電圧生成部及び降圧部において消費される電力を低減できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、省電力モードにおいて電圧生成部及び降圧部において消費される電力を低減することにより、省電力モードにおける消費電力を低減できる電源装置及び画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成装置の構成を示す左側面図である。
図2】画像形成装置の制御構成を示す回路図である。
図3】電源部の詳細な構成を示す回路図である。
図4】各信号及び電圧を示すタイムチャートである。
図5】比較例の画像形成装置の制御構成を示す回路図である。
図6】比較例の電源部の詳細な構成を示す回路図である。
図7】比較例の各信号及び電圧を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.画像形成装置の全体構成]
図1に示すように画像形成装置5は、カラー用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる用紙に対し、所望のカラー画像を印刷する。因みに以下では、図1における右端部分を画像形成装置5の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
【0014】
画像形成装置5は、給紙部8、画像形成部9、定着部10及び用紙排出部11により構成されている。給紙部8は、用紙を収容する用紙カセット12と、用紙カセット12に収容された用紙を給紙するピックアップローラ13a、分離ローラ13b及び給紙ローラ13cと、給紙された用紙を画像形成部9へ搬送するレジストローラ14a及び14bとにより構成されている。
【0015】
画像形成部9は、画像形成装置5内における用紙カセット12の上方に設けられており、転写ベルト15、画像形成ユニット16(画像形成ユニット16K、16Y、16M及び16C)、LEDヘッド17(LEDヘッド17K、17Y、17M及び17C)、トナーカートリッジ18(トナーカートリッジ18K、18Y、18M及び18C)並びに転写ローラ19(転写ローラ19K、19Y、19M及び19C)を有している。
【0016】
転写ベルト15は、中心軸を左右方向に向け前後に1個ずつ配置されたローラを周回するように張架された無端状のベルトであり、ローラの回転に伴って走行することにより、レジストローラ14a及び14bから受け渡された用紙を上面に載せて後方向へ搬送する。
【0017】
4個の画像形成ユニット16(画像形成ユニット16K、16Y、16M及び16C(以下、これらをまとめて画像形成ユニット16と呼ぶ))は、転写ベルト15の上側において前側から後側へ向かって順に配置されている。すなわち各色の画像形成ユニット16は、いわゆるタンデム方式で配置されている。この画像形成ユニット16K、16Y、16M及び16Cは、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色にそれぞれ対応している。また画像形成ユニット16K、16Y、16M及び16Cは、互いに同様に構成されており、対応するトナーの色のみがそれぞれ相違する。
【0018】
LEDヘッド17K、17Y、17M及び17C(以下、これらをまとめてLEDヘッド17と呼ぶ)は、各画像形成ユニット16K、16Y、16M及び16Cとそれぞれ対応するように設けられている。このLEDヘッド17は、左右方向に細長い直方体状に構成されると共に、その内部に複数のLED(Light Emitting Diode)が左右方向に沿って並ぶように配置されており、ヘッド制御部48(図2)から供給される画像データに応じた発光パターンで各LEDを発光させる。画像形成ユニット16は、このLEDヘッド17と極めて近接するようになっており、該LEDヘッド17からの光により露光処理が行われる。
【0019】
また各画像形成ユニット16K、16Y、16M及び16Cは、それぞれ上方にトナーカートリッジ18K、18Y、18M及び18C(以下、これらをまとめてトナーカートリッジ18と呼ぶ)が接続されている。トナーカートリッジ18は、左右方向に長い中空の容器であり、粉末状でなる各色のトナーがそれぞれ収容されると共に、所定の撹拌機構が組み込まれている。
【0020】
各画像形成ユニット16の真下となる4箇所には、それぞれ転写ローラ19K、19Y、19M及び19C(以下、これらをまとめて転写ローラ19と呼ぶ)が設けられている。すなわち各画像形成ユニット16は、各転写ローラ19との間に転写ベルト15の上側部分を挟んでいる。因みに転写ローラ19は、帯電し得るように構成されている。
【0021】
画像形成ユニット16は、帯電ローラ20、トナー供給ローラ21、現像ローラ22及び感光体ドラム23を有している。帯電ローラ20は、感光体ドラム23の表面に均一に高電圧を帯電させる。トナー供給ローラ21は、現像ローラ22にトナーを供給する。現像ローラ22は、感光体ドラム23の表面に形成された静電潜像に、現像ローラ22が担持するトナーを現像させる。感光体ドラム23は、静電潜像を表面(表層部分)に担持する部材であり、感光体ドラム23の表面に現像されたトナー像を用紙に転写する。
【0022】
定着部10は、画像形成部9よりも下流側に配置しており、定着ローラ24、ヒータ25及び温度検出センサ26を有している。定着ローラ24は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。ヒータ25は、定着ローラ24内部に設けられており、例えばハロゲンランプやセラミックヒータである。温度検出センサ26は、定着ローラ24の表面温度を検出するサーミスタである。用紙排出部11は、定着が完了した用紙を画像形成装置5の外部に排出する排出ローラ27を有している。
【0023】
[2.画像形成装置の制御構成]
図2に示すように、画像形成装置1は、主に、電源部30、メイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32により構成されている。
【0024】
[2-1.電源部の構成]
電源部30は、主に、ヒータオンオフ回路34、一次整流平滑回路35、一次二次変換部36、電圧フィードバック部37、DC24Vオンオフスイッチ38、DC-DCコンバータ39、ブラウンインアウト回路40及びバイパス回路41により構成されており、商用電源2から出力されるAC電圧(AC電力)により動作する。商用電源2は、例えばコンセントから供給される交流100[V](AC電力)の電源である。
【0025】
ヒータオンオフ回路34は、電源部30の入力部に配置され、メイン制御部42から出力されるヒータオンオフ信号Shにより、定着部10内部のヒータ25(図1)をオンオフさせる回路である。一次整流平滑回路35は、電源部30の入力部に配置され、商用電源2から供給されるAC電圧を整流し平滑する回路である。
【0026】
一次二次変換部36は、整流平滑された電圧を変圧し、メイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32へDC電圧を供給する。因みに、メイン制御ブロック31又はサブ制御ブロック32において、DC24V又はDC5Vを降圧し、降圧されたDC電圧をメイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32におけるロジック系へ供給することもある。また一次二次変換部36は、二次側に複数の巻線出力があり、DC24Vの他にDC電圧を生成する場合もある。電圧フィードバック部37は、一次二次変換部36から出力される電圧を検出し、一次二次変換部36へ結果をフィードバックする回路である。
【0027】
DC24Vオンオフスイッチ38は、リレー又はFET(Field Effect Transistor)により構成されており、サブ制御部54から出力されるスリープ信号Ssにより、電源部30から出力されるDC24Vをオンオフするスイッチである。
【0028】
DC-DCコンバータ39は、一次二次変換部36から出力されるDC24VをDC5Vへ降圧しサブ制御ブロック32へ供給する回路である。このDC-DCコンバータ39は、IC(Integrated Circuit)が使用されることが一般的であり、本実施の形態においては、周辺回路を含めてDC-DCコンバータと呼ぶ。本実施の形態において、電源部30は、メイン制御ブロック31におけるアクチュエータ系へDC24Vを、メイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32におけるロジック系へDC5Vを供給する。電源部30から出力されるDC電圧の種類はメイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32の構成で決定されることが一般的であり、DC24V及びDC5V以外には、DC3.3V出力が一般的である。
【0029】
ブラウンインアウト回路40は、DC-DCコンバータ39の入力電圧、つまり、一次二次変換部36の出力電圧を検出し、ある閾値にてDC-DCコンバータICの機能を用いてDC-DCコンバータ39をオンオフさせる。
【0030】
バイパス回路41は、DC-DCコンバータ39と並列に設けられており、画像形成装置5のスリープモードにおいてオン状態となると、一次二次変換部36から出力されたDC5VをDC-DCコンバータ39を介することなくバイパスさせて出力する。またバイパス回路41は、画像形成装置5の通常動作モードにおいてオフ状態となる。通常動作モードにおいては、DC-DCコンバータ39が動作し、一次二次変換部36から出力されたDC24VをDC5Vへ降圧する。
【0031】
[2-2.メイン制御ブロックの構成]
メイン制御ブロック31は、メイン制御部42、ROM43、RAM44、温度検出部45、センサオンオフ回路46、高圧電源47、ヘッド制御部48及びアクチュエータ駆動部49により構成されている。
【0032】
メイン制御部42は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成されており、プログラムや設定データを保存している不揮発性の記憶部品であるROM(Read Only Memory)43からプログラムを読み出して動作することにより、画像形成装置5全体を統括制御する。またメイン制御部42は、画像形成装置5と接続された上位装置であるホスト6から印刷対象のカラー画像を表す画像データが与えられると共に該カラー画像の印刷が指示されると、用紙の表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。このメイン制御部42は、時間計測のカウンタ等を内蔵している。RAM(Random Access Memory)44は、データを保管すると共に、メイン制御部42によりデータの読み出しが行われるメモリである。
【0033】
温度検出部45は、定着部10内部の温度検出センサ26(図1)の出力を抵抗で分圧し、メイン制御部42へ温度検出信号を出力する。センサオンオフ回路52は、トランジスタにより構成されており、画像形成装置5の電源オン時のウォームアップ動作やホスト6等の指示により動作する印刷時以外は、基本的に、メイン制御部42からセンサオンオフ信号が出力され、後述する各種センサ50に供給する電源をオフしている。
【0034】
高圧電源47は、画像形成部9(図1)の感光体ドラム23や各種ローラへ高圧電圧を印加する電源である。ヘッド制御部48は、LEDヘッド17(図1)のオンオフを制御する制御部である。アクチュエータ駆動部49は、メイン制御部42から出力されるロジック信号を基に、後述するアクチュエータ51へ駆動信号を出力する専用ドライバである。
【0035】
各種センサ50は、給紙部8、画像形成部9、定着部10及び用紙排出部11に設置された用紙位置検出用の図示しない用紙走行路センサや、画像濃度補正用及び色ずれ補正用のセンサ等である。アクチュエータ51は、給紙部8、画像形成部9、定着部10及び用紙排出部11に設置された図示しないモータ、クラッチ、ソレノイドや空冷用のファンであり、アクチュエータ駆動部49により駆動される。
【0036】
[2-3.サブ制御ブロックの構成]
サブ制御ブロック32は、DC5Vオンオフスイッチ53及びサブ制御部54により構成されている。DC5Vオンオフスイッチ53は、半導体であるFET若しくはトランジスタ、又はリレーにより構成されており、サブ制御部54の制御を基に、電源部30から出力されるDC5Vをオンオフするスイッチである。サブ制御部54は、低消費モード用のマイコンであり、スリープ信号Ss等、低消費モードの信号を出力する。このサブ制御部54は、設定された時間経過後、又は、ユーザにより押下されるメカスイッチ55のオンオフと連動して、通常動作モードから低消費モードの一種であるスリープモードへ移行することが可能であると共に、ユーザにより押下されるメカスイッチ55のオンオフと連動してスリープモードから通常動作モードへ復旧することが可能である。
【0037】
[3.電源部の詳細な構成]
図3に、電源部30を詳細に示すように、電源部30は、保護素子60、フィルタ61、フィルタ62、ヒータオンオフ回路34、ACゼロクロス検出回路63、突入防止回路64、一次整流平滑回路35、一次二次変換部36、二次整流平滑回路65、電圧フィードバック部37、DC24V保護回路66、二次フィルタ67、DC24Vオンオフスイッチ38、DC-DCコンバータ39、ブラウンインアウト回路40、DC5V保護回路68、フィルタ69及びバイパス回路41により構成されている。
【0038】
保護素子60は、過電流保護用のヒューズや雷サージ保護用のバリスタ等で構成されており、商用電源2に接続されている。フィルタ61は、コモンモードチョークコイル又はノーマルモードチョークコイルとコンデンサとにより構成されており、保護素子60に接続されている。コンデンサは、いわゆるXコン(Xコンデンサ)であり、LINEとNEUTRALとの間に接続されている。また、LINE又はNEUTRALとFG(フレームグラウンド)との間に配置されるYコンデンサも搭載されている。
【0039】
ヒータオンオフ回路34は、図示しないトライアックとフォトトライアックとにより構成されており、メイン制御部42(図2)から出力されるヒータオンオフ信号Shにより、フォトトライアックをオンオフしてトライアックをオンオフすることにより、定着部10内部のヒータ25(図1)へ通電する。ヒータオンオフ回路34は、トライアック暴走等のようなアブノーマル対策として、リレーを備える場合もある。またヒータオンオフ回路34は、ヒータ数に応じて複数備えることもある。フィルタ62は、ヒータオンオフ回路34の後段に配置されており、フィルタ61と同様の構成である。
【0040】
ACゼロクロス検出回路63は、一次整流平滑回路35の前段に配置されており、図示しない整流ダイオードとフォトカプラとにより構成されており、メイン制御部42(図2)へゼロクロス点でHiレベルとなるACゼロクロス信号Szを出力する回路である。ACゼロクロス検出回路63の構成は特に限定されない。
【0041】
突入防止回路64は、一次整流平滑回路35の前段に配置されており、一次整流平滑回路35の電解コンデンサ78の充電時の突入電流を防止する回路である。突入防止回路64は、サーミスタにより構成する場合は安価な構成にできるが高温時に突入電流を防止できないため、サーミスタの他に抵抗とスイッチ素子であるトライアックやリレーとを組み合わせた回路が使用される場合もある。
【0042】
一次整流平滑回路35は、整流ダイオード77及び電解コンデンサ78により構成されており、一次二次変換部36の前段に配置されている。整流ダイオード77は、4つのダイオードで構成されており、一般的に4素子入りのブリッジダイオードと呼ばれる素子が使用されることが多い。電解コンデンサ78は、アルミ電解コンデンサが使用されることが一般的である。
【0043】
一次二次変換部36は、トランス71、メインFET72、スナバ回路73、電源制御部74、補助巻線整流平滑回路75及び電圧クランプ回路76により構成されている。トランス71は、一次側と二次側とを絶縁させており、商用電源2から入力され一次整流平滑回路35により整流平滑された電圧を変圧する。メインFET72は、トランス71の一次側巻線に供給される電力をオンオフする、所謂スイッチングFETである。スナバ回路73は、ファーストリカバリダイオード、抵抗及びコンデンサにより構成されており、メインFET72のオフ時のサージ電圧を抑制する回路である。またスナバ回路73は、低消費を目的に、ツェナーダイオードが使用されることもある。電源制御部74は、主に二次側のDC出力電圧のフィードバック結果を基にメインFET72のゲート電圧のオンデューティを決定する。本実施の形態において電源制御部74は、他励方式のICを示している。電源制御部74は、後述する補助巻線出力電圧を利用し、自励方式にすることも可能である。補助巻線整流平滑回路75は、整流ダイオード及び電解コンデンサにより構成されており、主に電源制御部74の電源電圧となる補助巻線出力電圧を整流平滑する。電圧クランプ回路76は、ツェナーダイオード、整流ダイオード、トランジスタ及び抵抗により構成されており、補助巻線出力電圧が電源制御の絶対最大定格を超える場合、電圧をクランプする回路である。
【0044】
二次整流平滑回路65は、一次二次変換部36の後段に接続されており、トランス71の二次巻線出力電圧を整流平滑する。図示は省略するものの、DC24VとDC5Vとを2巻線出力する場合、DC24VとDC5Vとの各々に、整流ダイオード及び電解コンデンサが配置される。また、DC24V単一出力にDC-DCコンバータを接続してDC5Vを出力する構成もある。DC5Vは、メイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32におけるロジック系において用いられ、DC5Vに限らず、DC3.3V等、他の種々の電圧値でも良い。
【0045】
電圧フィードバック部37は、二次整流平滑回路65の後段に接続されスリープ信号Ssが入力されており、シャントレギュレータ80、フォトカプラ81及び設定電圧変換トランジスタ82により構成されている。シャントレギュレータ80は、基準電圧を有しており、周辺の分圧抵抗により、DC出力電圧を設定するICである。またシャントレギュレータ80は、設定電圧に対して実際の電圧が上下した場合、該シャントレギュレータ80に接続されたフォトカプラ81をオンオフさせ、電源制御部74へ検出結果をフィードバックし、DC24Vの電圧を安定化させている。設定電圧変換トランジスタ82は、サブ制御部54(図2)から出力されるスリープ信号Ssによりオンオフし、シャントレギュレータ80の周辺分圧抵抗値を変更することで、設定電圧を変更し、一次二次変換部36の出力電圧を変更する。
【0046】
DC24V保護回路66は、過電圧検出回路や過電流検出回路を搭載している。過電圧検出回路は、ツェナーダイオード及びフォトカプラにより構成されており、過電圧検出時は、一次側の電源制御部74により、ラッチ又は間欠でスイッチング停止させる。また過電圧検出時は、補助巻線出力電圧も上昇するため、一次側の電源制御部74で検出することも可能である。過電流検出回路は、電流検出、DC出力電圧垂下検出又はヒューズ等と回路構成は様々である。電源制御部74により、過電流を一次電流として検出することも可能である。二次フィルタ67はLCフィルタであり、必ずしも搭載は必須ではないが、リップル電圧やリップルノイズ電圧抑制として使用される。
【0047】
DC24Vオンオフスイッチ38は、半導体やリレー等のスイッチであり、サブ制御部54(図2)から出力されるスリープ信号Ssによりオンオフする。このDC24Vオンオフスイッチ38は、一次二次変換部36の出力電圧を、サブ制御部54から出力されるスリープ信号Ssにより、メイン制御部42へ供給するか否かを切り替えるスイッチである。
【0048】
DC-DCコンバータ39は、二次整流平滑回路65(すなわち一次二次変換部36)から出力されるDC24V電圧をDC5V電圧へ降圧し出力する。DC-DCコンバータ39は、負荷電流によって、ドロップタイプかスイッチングタイプかが決められ、また、スイッチング周波数が決められることが一般的である。本実施の形態においてDC-DCコンバータ39は、スイッチングタイプとする。またDC-DCコンバータ39の入力端子をIN端子と呼び、出力端子をOUT端子と呼ぶ。さらに、DC-DCコンバータ39は、外部端子にオンオフ機能を備えたDC-DCコンバータICであることが多く、本実施の形態においては、外部端子をENABLE端子と呼ぶ。
【0049】
ブラウンインアウト回路40は、二次整流平滑回路65の後段に接続されており、主に、ブラウンインアウトツェナーダイオード84、前段トランジスタ85及び後段トランジスタ86により構成されている。後段トランジスタ86のコレクタ端子は、DC-DCコンバータ39のENABLE端子と接続されている。ブラウンインアウトツェナーダイオード84は、二次整流平滑回路65の出力と接続されており、ツェナー電圧よりも高い電圧が二次整流平滑回路65から印加されたか否かに応じて、前段トランジスタ85及び後段トランジスタ86のオンオフを切り替えることにより、DCDC作動電圧VdceをHiレベル又はLoレベルに切り替える。ブラウンインアウトツェナーダイオード84のツェナー電圧は任意であり、使用されるDC-DCコンバータ39のENABLE機能や周辺定数により決定される。
【0050】
DC5V保護回路68は、DC-DCコンバータ39の後段に配置されており、DC24V保護回路66と同様の構成である。DC5V保護回路68は、電源制御部74に接続する場合は、図示しないフォトカプラが必要となるが、DC24V保護回路66とDC5V保護回路68との出力を共通で1つとして使用する場合もある。フィルタ69は、LCフィルタであり、必ずしも搭載は必須ではないが、リップル電圧やリップルノイズ電圧抑制として使用される。
【0051】
バイパス回路41は、主に、バイパス回路FET88、整流ダイオード89及びツェナーダイオード90により構成されている。バイパス回路FET88は、ドレイン端子及びソース端子が、DC-DCコンバータ39のIN端子及びOUT端子それぞれに接続されている。またバイパス回路FET88のゲート端子には、スリープ信号Ssが入力されている。整流ダイオード89は、バイパス回路FET88のドレイン端子とソース端子との間に接続されている。また、DC-DCコンバータ39のOUT端子とバイパス回路FET88との間にも例えばショットキバリアダイオードである整流ダイオードが接続されている。ツェナーダイオード90は、バイパス回路FET88がオンからオフに切り替わる際に、FET出力電圧Vfo(後述する)が5[V]から24[V]に向かって上昇したとしても、ツェナー電圧によりツェナー後段電圧Vt(後述する)をクランプし、5[V]を保持する。
【0052】
[4.画像形成装置の動作]
図4に、画像形成装置5の代表的な動作モードである、スリープモード及び通常動作モードにおける、電源部30のタイムチャートを示す。
【0053】
[4-1.タイムチャート全体の説明]
図4において、縦軸は電圧、横軸は時間の経過を表しており、スリープ信号Ss、DCDC入力電圧Vdci、DCDC作動電圧Vdce、DCDC出力電圧Vdco、FET出力電圧Vfo、ツェナー後段電圧Vt、DC5V出力電圧及びDC24V出力電圧の8種類の波形を表している。
【0054】
また図4の横軸においては、画像形成装置5がスリープモード及び通常動作モードの順番に遷移した場合について示している。スリープモードとは、低消費モード(省エネモード)の一種である。通常動作モードとは、イニシャルモード、印刷モード、待機モード及びパワーセーブモードを含む、スリープモードが解除された後のモードである。
【0055】
具体的に、時点t1において画像形成装置5はスリープモードとなっている。時点t2においてスリープモードが解除されると、画像形成装置5はイニシャルモードとなりウォームアップ動作を開始し、所定時間経過後、印刷モードに移行する。
【0056】
[4-2.各信号波形の説明]
スリープ信号Ssは、サブ制御部54から出力されDC24Vオンオフスイッチ38、電圧フィードバック部37及びバイパス回路41へ入力される信号である。このスリープ信号Ssは、P極性であるため、動作モードが通常動作モードの場合、Loレベル(OFF)となる。これによりDC24Vが出力される。一方、スリープ信号Ssは、動作モードがスリープモードの場合、Hiレベル(ON)となる。これによりDC24Vが出力停止となる。スリープ信号Ssは、N極性でも構わない。
【0057】
DCDC入力電圧Vdciは、DC-DCコンバータ39のIN端子に入力される電圧、すなわち、二次整流平滑回路65の出力電圧を表している。DCDC作動電圧Vdceは、DC-DCコンバータ39のENABLE端子に入力される電圧を表している。DCDC出力電圧Vdcoは、DC-DCコンバータ39の出力部(すなわちOUT端子)の出力電圧を表している。
【0058】
FET出力電圧Vfoは、バイパス回路41のバイパス回路FET88の出力電圧(ソース端子の電圧)を表している。ツェナー後段電圧Vtは、ツェナーダイオード90の出力部の電圧を表している。
【0059】
DC5V出力電圧は、電源部30からサブ制御ブロック32へ出力されるDC5Vの出力電圧を表している。DC24V出力電圧は、電源部30からメイン制御ブロック31へ出力されるDC24Vの出力電圧を表している。
【0060】
[4-3.動作]
画像形成装置5がスリープモードであり、時点t1においてサブ制御部54によりHiレベルのスリープ信号Ssが出力されているため、DC24Vオンオフスイッチ38がオフになり、DC24V出力電圧は0[V]である。但し、時点t1において一次二次変換部36は動作している。またスリープ信号SsがHiレベルであるため、設定電圧変換トランジスタ82がオンとなり、設定電圧をDC24Vから変更している。本実施の形態において設定電圧変換トランジスタ82は、設定電圧を例えばDC5Vへ変更している。電圧フィードバック部37の設定電圧がDC24VからDC5Vへ変更されたため、DCDC入力電圧Vdciは5[V]に保持される。
【0061】
ブラウンインアウト回路40は、ブラウンインアウトツェナーダイオード84のツェナー電圧がDC5Vよりも高く設定されているため、前段トランジスタ85がオフ、後段トランジスタ86がオンとなり、DCDC作動電圧VdceはLoレベルとなる。よって、時点t1においてDC-DCコンバータ39が動作していないため、DCDC出力電圧Vdcoは0[V]を出力している。また時点t1においては、サブ制御部54によりHiレベルのスリープ信号Ssがバイパス回路FET88のゲート端子に印加されているため、バイパス回路FET88がオンとなり、ドレイン端子-ソース端子間が導通する。このためFET出力電圧Vfoは、スリープモードでの二次整流平滑回路65の出力電圧である5[V]となり、ツェナー後段電圧Vtも5[V]となる。これによりDC5V出力電圧も5[V]となる。
【0062】
時点t2において例えばユーザによりメカスイッチ55が押下されると、画像形成装置5はスリープモードから通常動作モードへ復帰し、サブ制御部54によりLoレベルのスリープ信号Ssが出力される。このため、設定電圧変換トランジスタ82がオフとなり、設定電圧がDC5VからDC24Vへ変更される。これによりDCDC入力電圧Vdciは5[V]から24[V]に向かって上昇を始める。ブラウンインアウト回路40は、ブラウンインアウトツェナーダイオード84のツェナー電圧よりも高い電圧がDCDC入力電圧Vdciにより逆電圧として印加されると、前段トランジスタ85がオン、後段トランジスタ86がオフとなり、DCDC作動電圧VdceをHiレベルとする。よって、時点t2においてDC-DCコンバータ39が動作し始めるため、DCDC出力電圧Vdcoは0[V]から5[V]に向かって上昇を始める。
【0063】
時点t2において、DC24Vオンオフスイッチ38の入力側にはスリープモードでの二次整流平滑回路65の出力電圧である5[V]が印加されているため、Loレベルのスリープ信号SsによりDC24Vオンオフスイッチ38がオンとなると、DC24V出力電圧は5[V]まで上昇する。その後DC24V出力電圧は、通常動作モードとなった二次整流平滑回路65の出力電圧である24[V]に向かって上昇を始める。
【0064】
なお図4においては省略するものの、時点t2においてDCDC入力電圧Vdciが上昇を始めてからブラウンインアウトツェナーダイオード84のツェナー電圧よりも高い電圧となるまでに所定時間を要するため、実際には、DCDC作動電圧Vdceは時点t2の所定時間後にHiレベルとなる。
【0065】
また時点t2においては、サブ制御部54によりLoレベルのスリープ信号Ssがバイパス回路FET88のゲート端子に印加されると、バイパス回路FET88がオフとなり、ドレイン-ソース間が絶縁状態となる。しかしながらバイパス回路FET88は、周辺のCR時定数により、即座にオフにはならない。このためFET出力電圧Vfoは、通常動作モードとなった二次整流平滑回路65の出力電圧である24[V]の影響を受け、5[V]から上昇する。但し、ツェナーダイオード90のツェナー電圧によりクランプされるため、ツェナー後段電圧Vtは、5[V]を保持した状態となる。これによりDC5V出力電圧も5[V]を維持している。
【0066】
時点t3においてDCDC入力電圧Vdciが24[V]に到達すると、電圧フィードバック部37により、DCDC入力電圧Vdciが24[V]に保持される。このためDC24V出力電圧も24[V]に保持される。時点t3においては、ブラウンインアウト回路40におけるブラウンインアウトツェナーダイオード84のツェナー電圧よりも高い電圧がDCDC入力電圧Vdciにより逆電圧として印加されているため、DCDC作動電圧VdceはHiレベルを維持している。また時点t3においても、DCDC出力電圧Vdcoは5[V]に向かって上昇を継続している。FET出力電圧Vfoは、周辺のCR時定数によりバイパス回路FET88が即座にオフにはならず、上昇を継続する。但し、ツェナーダイオード90のツェナー電圧によりクランプされるため、ツェナー後段電圧Vtは、5[V]を保持した状態となる。これによりDC5V出力電圧も5[V]を維持している。
【0067】
時点t4において、バイパス回路FET88がオフとなり、FET出力電圧Vfoの下降が始まる。時点t5においてDCDC出力電圧Vdcoが5[V]に到達すると、DC-DCコンバータ39により、DCDC出力電圧Vdcoが5[V]に保持される。時点t5においても、FET出力電圧Vfoは0[V]に向かって下降を継続している。
【0068】
時点t6においてFET出力電圧Vfoが0[V]に到達すると、バイパス回路FET88はオフであるため、FET出力電圧Vfoが0[V]に保持される。但し、時点t6においてDCDC出力電圧Vdcoが5[V]に保持されているため、DC5V出力電圧は5[V]を保持した状態となる。時点t6においてツェナー後段電圧Vtは0[V]に向かって下降を始め、所定時間後に0[V]に到達する。
【0069】
[5.比較例]
図1と、図2と対応する部材に同一符号を付した図5と、図3と対応する部材に同一符号を付した図6とに示すように、比較例の画像形成装置105は、画像形成装置5と比較して、電源部30に代わる電源部130が設けられている点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。比較例の電源部130は、電源部30と比較して、電圧フィードバック部37に代わる電圧フィードバック部137が設けられている点と、バイパス回路41が省略されている点とにおいて相違するものの、他の点については同様に構成されている。比較例の電圧フィードバック部137は、電圧フィードバック部37と比較して、設定電圧変換トランジスタ82と抵抗数点とが省略されている点と、スリープ信号Ssが入力されていない点とにおいて相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0070】
[6.比較例の画像形成装置の動作]
図4と対応する図7に、画像形成装置105の代表的な動作モードである、スリープモード及び通常動作モードにおける、電源部130のタイムチャートを示す。
【0071】
[6-1.タイムチャート全体の説明]
図7において、縦軸は電圧、横軸は時間の経過を表しており、スリープ信号Ss、DCDC入力電圧Vdci、DCDC作動電圧Vdce、DCDC出力電圧Vdco、DC5V出力電圧及びDC24V出力電圧の6種類の波形を表している。また図7の横軸においては、画像形成装置105がスリープモード及び通常動作モードの順番に遷移した場合について示している。
【0072】
具体的に、時点t11において画像形成装置105はスリープモードとなっている。時点t12においてスリープモードが解除されると、画像形成装置105はイニシャルモードとなりウォームアップ動作を開始し、所定時間経過後、印刷モードに移行する。
【0073】
[6-2.各信号波形の説明]
スリープ信号Ss、DCDC入力電圧Vdci、DCDC作動電圧Vdce、DCDC出力電圧Vdco、DC5V出力電圧及びDC24V出力電圧は、電源部30と同様の箇所の信号及び電圧である。
【0074】
[6-3.動作]
画像形成装置105がスリープモードであり、時点t11においてサブ制御部54によりHiレベルのスリープ信号Ssが出力されているため、DC24Vオンオフスイッチ38がオフになり、DC24V出力電圧は0[V]である。但し、時点t11において一次二次変換部36は動作しているため、DCDC入力電圧Vdciは24[V]が出力されている。このため、ブラウンインアウト回路40は、前段トランジスタ85がオン、後段トランジスタ86がオフとなり、DCDC作動電圧VdceをHiレベルとしている。よって、時点t11においてDC-DCコンバータ39が動作しているため、DCDC出力電圧Vdcoは5[V]を出力しており、DC5V出力電圧は5[V]となる。
【0075】
時点t12において例えばユーザによりメカスイッチ55が押下されると、画像形成装置105はスリープモードから通常動作モードへ復帰し、サブ制御部54によりLoレベルのスリープ信号Ssが出力される。このためDC24Vオンオフスイッチ38がオンになり、DC24V出力電圧は0[V]から24[V]に向かって上昇を始める。時点t12においても一次二次変換部36は動作しているため、DCDC入力電圧Vdciは24[V]が出力されている。このため、ブラウンインアウト回路40は、前段トランジスタ85がオン、後段トランジスタ86がオフとなり、DCDC作動電圧VdceをHiレベルとしている。よって、時点t12においてDC-DCコンバータ39が動作しているため、DCDC出力電圧Vdcoは5[V]を出力しており、DC5V出力電圧は5[V]となる。
【0076】
時点t13においてDC24V出力電圧が24[V]に到達すると、電圧フィードバック部137により、DC24V出力電圧が24[V]に保持される。
【0077】
[7.効果等]
以上の構成において画像形成装置5は、電圧フィードバック部37から一次二次変換部36への設定電圧のフィードバックに基づき、一次二次変換部36において商用電源2を変換しDC24V又はDC5Vを出力するようにした。また画像形成装置5は、一次二次変換部36から出力されたDC24VをDC5Vへ降圧するDC-DCコンバータ39を、ブラウンインアウト回路40の制御によりオンオフするようにした。さらに画像形成装置5は、一次二次変換部36から出力されたDC5Vを、DC-DCコンバータ39を介することなくバイパスさせて出力するバイパス回路41をDC-DCコンバータ39と並列に設けるようにした。
【0078】
このような構成において画像形成装置5は、通常動作モードにおいては、一次二次変換部36からDC24Vを出力してメイン制御ブロック31におけるアクチュエータ系(パワー系)へパワー電圧として供給すると共に、DC-DCコンバータ39をオンし、一次二次変換部36から出力されたDC24VをDC-DCコンバータ39によりDC5Vへ降圧してメイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32におけるロジック系へ制御電圧(ロジック電圧)として供給するようにした。
【0079】
一方、画像形成装置5は、省電力モードであるスリープモードにおいては、一次二次変換部36からDC5Vを出力してDC24Vオンオフスイッチ38をオフにしメイン制御ブロック31におけるアクチュエータ系へは供給しないと共に、DC-DCコンバータ39をオフして停止させる一方バイパス回路41をオンにし、一次二次変換部36から出力されたDC5Vをバイパス回路41によりDC-DCコンバータ39をバイパスしてメイン制御ブロック31及びサブ制御ブロック32におけるロジック系へ制御電圧として供給するようにした。
【0080】
このため画像形成装置5は、比較例のようにスリープモードにおいて一次二次変換部36からDC24Vを出力する場合と比較して、トランス71の出力電圧を低下させることができ、一次二次変換部36において消費される電力を低減し、画像形成装置5全体として消費電力を低減させることができる。
【0081】
また画像形成装置5は、比較例のようにスリープモードにおいてDC-DCコンバータ39をオンし一次二次変換部36から出力されたDC24VをDC-DCコンバータ39によりDC5Vへ降圧する場合と比較して、DC-DCコンバータ39をオフにして停止させるためDC-DCコンバータ39において消費される電力をほぼなくし、画像形成装置5全体として消費電力を低減させることができる。
【0082】
以上の構成によれば画像形成装置5は、商用電源2から、第1の電圧としてのDC24Vと、DC24Vよりも低い第2の電圧としてのDC5Vとを生成する一次二次変換部36と、DC24VをDC5Vに降圧するDC-DCコンバータ39と、一次二次変換部36から出力されたDC5VをDC-DCコンバータ39をバイパスさせて出力するバイパス回路41と、通常動作モードにおいては、一次二次変換部36においてDC24Vを生成させて出力させると共に、DC-DCコンバータ39を動作させDC24VをDC5Vに降圧させて出力させる一方、省電力モードとしてのスリープモードにおいては、一次二次変換部36においてDC24Vを生成させずにDC5Vを生成させ、DC-DCコンバータ39を動作させずにDC5Vをバイパス回路41を介して出力させるサブ制御部54とを設けるようにした。
【0083】
これにより画像形成装置5は、スリープモードにおいて一次二次変換部36及びDC-DCコンバータ39において消費される電力を低減することにより、1トランスタイプであったとしてもスリープモードにおける画像形成装置5全体の消費電力を低減できる。
【0084】
[8.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態において画像形成装置5は、バイパス回路41を主にスイッチとしてのバイパス回路FET88により構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、画像形成装置5は、FETに代えて、例えば半導体であるトランジスタによりバイパス回路41を構成したり、種々のリレーによりバイパス回路41を構成したりしても良い。要は画像形成装置5は、スリープモードにおいて種々の構成のスイッチであるバイパス回路をオン状態とし、二次整流平滑回路65(すなわち一次二次変換部36)から出力されたDC5VをDC-DCコンバータ39を介することなくバイパスさせて出力する一方、通常動作モードにおいて種々の構成のスイッチであるバイパス回路をオフ状態とし、二次整流平滑回路65(すなわち一次二次変換部36)から出力されたDC24VをDC-DCコンバータ39によりDC5Vへ降圧して出力すれば良い。
【0085】
また上述した実施の形態において画像形成装置5は、ブラウンインアウトツェナーダイオード84を二次整流平滑回路65の出力と接続し、ブラウンインアウトツェナーダイオード84のツェナー電圧よりも高い電圧であるDC24Vが通常動作モード中に二次整流平滑回路65からブラウンインアウトツェナーダイオード84の逆電圧として印加された場合は、DCDC作動電圧VdceをHiレベルとする一方、ブラウンインアウトツェナーダイオード84のツェナー電圧よりも低い電圧であるDC5Vがスリープモード中に二次整流平滑回路65からブラウンインアウトツェナーダイオード84の逆電圧として印加された場合は、DCDC作動電圧VdceをLoレベルとする場合について述べた。すなわち画像形成装置5は、ブラウンインアウト回路40によるDCDC入力電圧Vdciの電圧検出により、DCDC作動電圧VdceをHi又はLoレベルに切り替えるようにした。
【0086】
本発明はこれに限らず、画像形成装置5は、DC-DCコンバータ39のENABLE端子に、トランジスタ及び抵抗により極性を反転させつつスリープ信号Ssを入力し、スリープ信号SsがLoレベルの場合はDCDC作動電圧VdceをHiレベルとする一方、スリープ信号SsがHiレベルの場合はDCDC作動電圧VdceをLoレベルとしても良い。すなわち画像形成装置5は、スリープ信号SsのLoレベル又はHiレベルの検出により、DCDC作動電圧VdceをHi又はLoレベルに切り替えても良い。
【0087】
さらに上述した実施の形態において画像形成装置5は、バイパス回路FET88のゲート端子にスリープ信号Ssを入力し、スリープ信号SsのHiレベルによりバイパス回路FET88のゲート電圧をオンとする一方、スリープ信号SsのLoレベルによりバイパス回路FET88のゲート電圧をオフとする場合について述べた。すなわち画像形成装置5は、スリープ信号SsのHiレベル又はLoレベルによりバイパス回路FET88のゲート電圧をオン又はオフに切り替えるようにした。
【0088】
本発明はこれに限らず、画像形成装置5は、ブラウンインアウト回路40の後段トランジスタ86の出力をバイパス回路FET88と接続することにより、バイパス回路FET88のゲート電圧をオン又はオフに切り替えても良い。その場合も画像形成装置5は、トランジスタ及び抵抗により極性を適宜反転させれば良い。
【0089】
さらに上述した実施の形態においては、4個の画像形成ユニット16を有する画像形成装置5に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、3個以下又は5個以上の種々の個数の画像形成ユニット16を有する画像形成装置5に本発明を適用しても良い。
【0090】
さらに上述した実施の形態においては、単機能のカラープリンタである画像形成装置5に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)等、他の種々の機能を有する画像形成装置に本発明を適用しても良い。
【0091】
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置5に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、商用電源2から供給されるAC電力により動作する種々の装置に本発明を適用しても良い。
【0092】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また、本発明は、上述した各実施の形態及び上述した他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用する場合や、該抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加する場合にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0093】
さらに上述した実施の形態においては、電圧生成部としての一次二次変換部36と、降圧部としてのDC-DCコンバータ39と、バイパス部としてのバイパス回路41と、制御部としてのサブ制御部54とによって、電源装置としての電源部30及びサブ制御ブロック32を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる電圧生成部と、降圧部と、バイパス部と、制御部とによって、電源装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、例えば商用電源から電源を供給される画像形成装置で利用できる。
【符号の説明】
【0095】
2……商用電源、5、105……画像形成装置、6……ホスト、8……給紙部、9……画像形成部、10……定着部、11……用紙排出部、12……用紙カセット、13a……ピックアップローラ、13b……分離ローラ、13c……給紙ローラ、14a、14b……レジストローラ、15……転写ベルト、16……画像形成ユニット、17……LEDヘッド、18……トナーカートリッジ、19……転写ローラ、20……帯電ローラ、21……トナー供給ローラ、22……現像ローラ、23……感光体ドラム、24……定着ローラ、25……ヒータ、26……温度検出センサ、27……排出ローラ、30、130……電源部、31……メイン制御ブロック、32……サブ制御ブロック、34……ヒータオンオフ回路、35……一次整流平滑回路、36……一次二次変換部、37、137……電圧フィードバック部、38……DC24Vオンオフスイッチ、39……DC-DCコンバータ、40……ブラウンインアウト回路、41……バイパス回路、42……メイン制御部、43……ROM、44……RAM、45……温度検出部、46……センサオンオフ回路、47……高圧電源、48……ヘッド制御部、49……アクチュエータ駆動部、50……各種センサ、51……アクチュエータ、53……DC5Vオンオフスイッチ、54……サブ制御部、55……メカスイッチ、60……保護素子、61、62……フィルタ、63……ACゼロクロス検出回路、64……突入防止回路、65……二次整流平滑回路、66……DC24V保護回路、67……二次フィルタ、68……DC5V保護回路、69……フィルタ、71……トランス、72……メインFET、73……スナバ回路、74……電源制御部、75……補助巻線整流平滑回路、76……電圧クランプ回路、77……整流ダイオード、78……電解コンデンサ、80……シャントレギュレータ、81……フォトカプラ、82……設定電圧変換トランジスタ、84……ブラウンインアウトツェナーダイオード、85……前段トランジスタ、86……後段トランジスタ、88……バイパス回路FET、89……整流ダイオード、90……ツェナーダイオード、Sz……ACゼロクロス信号、Sh……ヒータオンオフ信号、Ss……スリープ信号、Vdci……DCDC入力電圧、Vdce……DCDC作動電圧、Vdco……DCDC出力電圧、Vfo……FET出力電圧、Vt……ツェナー後段電圧。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7