IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図6
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図7
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図8
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図9
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図10
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図11
  • 特開-情報処理装置およびプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070497
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240516BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G07G1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181030
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野寺 信朋
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA13
3E142DA04
3E142JA01
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、レシートのヘッダー部を店舗にとってより有効に活用することを可能とする情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、商品を識別する商品識別情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する登録部と、一取引において前記登録部で登録された商品情報が示されるレシートのヘッダー部に示される画像データであって、前記取得部が取得した商品識別情報に対応づけられ、商品を販売する事業者を示す情報と当該商品に関する付加情報とを含む第1ロゴデータを管理する情報管理部と、前記取得部が取得した商品識別情報に基づいて、前記第1ロゴデータを選定する選定部と、前記選定部で選定された第1ロゴデータを出力する出力部と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する商品識別情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する登録部と、
一取引において前記登録部で登録された商品情報が示されるレシートのヘッダー部に示される画像データであって、前記取得部が取得した商品識別情報に対応づけられ、商品を販売する事業者を示す情報と当該商品に関する付加情報とを含む第1ロゴデータを管理する情報管理部と、
前記取得部が取得した商品識別情報に基づいて、前記第1ロゴデータを選定する選定部と、
前記選定部で選定された第1ロゴデータを出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報管理部は、前記取得部が取得した商品識別情報に対応する第1ロゴデータが複数存在する場合に前記選定部が当該第1ロゴデータのいずれかを選択するための優先順位を当該第1ロゴデータに対応付けて記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報管理部は、前記レシートのヘッダー部に示される画像データであって、商品を販売する事業者を示す情報と当該事業者が実施する企画に関する情報とを含む第2ロゴデータを管理する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選定部は、前記情報管理部が管理する前記第1ロゴデータのいずれか、または前記第2ロゴデータのいずれかを選定し、
前記出力部は、前記選定部が選定した第1ロゴデータまたは第2ロゴデータを出力する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報管理部は、前記選定部が前記第1ロゴデータより優先して前記第2ロゴデータを選択するか否かを示す情報を当該第2ロゴデータに対応付けて記憶する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
商品を識別する商品識別情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する登録部と、
一取引において前記登録部で登録された商品情報が示されるレシートのヘッダー部に示される画像データであって、前記取得部が取得した商品識別情報に対応づけられ、商品を販売する事業者を示す情報と当該商品に関する付加情報とを含む第1ロゴデータを管理する情報管理部と、
前記取得部が取得した商品識別情報に基づいて、前記第1ロゴデータを選定する選定部と、
前記選定部で選定された第1ロゴデータを出力する出力部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービス(以下、総称して「商品」という)を販売する店舗では、POS端末が採用されている。POS端末は、顧客が商品の購入代金の支払いを行うための会計処理を実行し、レシートプリンタにレシートを発行させる。発行されるレシートは、ヘッダー部に店舗名等のロゴが印刷される。レシートプリンタは、自装置に記憶されたロゴデータ(画像データ)に基づいて、レシートのヘッダー部にロゴを印刷する。
【0003】
従来、所定の条件に基づいてレシートプリンタに記憶されるロゴデータを更新する制御装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この従来技術のものは、例えば、クリスマスシーズンや正月シーズンになると、ロゴデータをこれらシーズンに応じたものに更新するものである。
【0004】
しかしながら、上記更新されたロゴデータは、顧客が購入した商品とは無関係の情報であり、商品アピールという点において店舗にとって必ずしも有効といえるものではなかった。レシートのヘッダー部は、レシートの中で顧客が着目しやすい箇所であることから店舗名等のロゴが印刷されているが、このヘッダー部を店舗にとってより有効に活用することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、レシートのヘッダー部を店舗にとってより有効に活用することを可能とする情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、商品を識別する商品識別情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する登録部と、一取引において前記登録部で登録された商品情報が示されるレシートのヘッダー部に示される画像データであって、前記取得部が取得した商品識別情報に対応づけられ、商品を販売する事業者を示す情報と当該商品に関する付加情報とを含む第1ロゴデータを管理する情報管理部と、前記取得部が取得した商品識別情報に基づいて、前記第1ロゴデータを選定する選定部と、前記選定部で選定された第1ロゴデータを出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態のPOSシステムの概略を示す図である。
図2図2は、実施形態のレシートプリンタが発行するレシートの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態のレシートプリンタが発行するレシートの他の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態のサーバ装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される商品情報テーブルのデータ構成を示す図である。
図6図6は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶されるレシート企画テーブルのデータ構成を示す図である。
図7図7は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される取引情報部のデータ構成を示す図である。
図8図8は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶されるレシートデータ部のデータ構成を示す図である。
図9図9は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶されるロゴデータ部のデータ構成を示す図である。
図10図10は、実施形態のサーバ装置の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図11図11は、実施形態のPOSシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
図12図12は、実施形態のサーバ装置の制御部によるロゴID選定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の情報処理装置およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、情報処理装置をサーバ装置に適用した例について説明するが、これに限らない。情報処理装置は、POS(Point Of Sales)端末で構成されてもよく、あるいはサーバ装置とPOS端末とによって構成されてもよい。
【0009】
また、本実施形態においては、レシートをレシートプリンタが発行する紙レシートとした例について説明するが、これに限らない。レシートは、電子レシートサーバが発行する電子レシートであってもよい。
【0010】
図1は、実施形態のPOSシステム1の概略を示す図である。本実施形態のPOSシステム1は、例えば、スーパーマーケットなどの店舗に適用される。POSシステム1は、サーバ装置2と、POS端末3と、レシートプリンタ4とを有する。これらサーバ装置2、POS端末3、およびレシートプリンタ4は、有線あるいは無線のLAN(Local Area Network)等を介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
サーバ装置2は、店舗の各種情報を管理する店舗サーバとして機能する。サーバ装置2は、例えば店舗で販売される商品の商品情報を管理する。また、サーバ装置2は、POS端末3で会計処理された取引情報を管理する。さらに、サーバ装置2は、レシートプリンタ4で印刷されるレシートのヘッダー部に印刷されるロゴのロゴデータを管理する。サーバ装置2は、情報処理装置の一例である。なお、サーバ装置2は、複数のコンピュータによって構成されてもよい。サーバ装置2の詳細は後述する。
【0012】
POS端末3は、店舗に1以上設置される。POS端末3は、当該POS端末3に接続されるスキャナや釣銭機(ともに図示せず)、レシートプリンタ4等の周辺機器を制御する。POS端末3は、顧客が購入する商品に係る会計処理を実行する。会計処理は、顧客が支払を行うための処理である。POS端末3が実行する会計処理は、クレジットカード決済や二次元コード決済などのキャッシュレス決済においては決済サーバとの情報の送受信を含む。また、POS端末3が実行する会計処理は、現金決済においては顧客からの預かり金の入金や釣銭の払い出しなどの釣銭機の制御を含む。
【0013】
なお、本実施形態においては、一例として、顧客が購入する商品情報の登録(以下、「商品登録」ともいう)、一取引に係る取引額の算出、釣銭額の算出など、従来POS端末で実行していたPOS業務に係る処理をサーバ装置2で実現するとして説明する。なお、サーバ装置2は、従来POS端末で実行していたPOS業務に係る処理をマイクロサービスまたはマイクロサービスアーキテクチャにより実装してよい。また、POSシステム1はこれに限定されるものではなく、サーバ装置2が実行する処理の一部または全部をPOS端末3が実行するとしてもよい。
【0014】
また、POS端末3は、サーバ装置2から取得したロゴデータをレシートプリンタ4に出力する。POS端末3は、レシートプリンタ4にレシート発行指示を出力して、当該レシートプリンタ4にレシートを発行させる。
【0015】
POS端末3は、商品コードの読み取りや購入代金の支払いに係る操作を店員が行うPOS端末であってもよいし、これら操作を顧客自身が行うセルフPOS端末であってもよい。また、POS端末3は、店員が商品コードの読み取りに係る操作を行う登録装置と、顧客が購入代金の支払いに係る操作を行う会計装置とを備えたセミセルフPOS端末であってもよい。
【0016】
レシートプリンタ4は、各POS端末3と1対1で対応する。レシートプリンタ4は、対応するPOS端末3からの指示にしたがいレシートを印刷して発行する。レシートプリンタ4は、デフォルトヘッダーロゴデータ41およびデフォルトフッターロゴデータ42を記憶する。
【0017】
デフォルトヘッダーロゴデータ41は、レシートのヘッダー部に印刷される画像データである。デフォルトヘッダーロゴデータ41は、例えば、店舗の名称を図案化した画像を含む。デフォルトヘッダーロゴデータ41は、レシートプリンタ4がPOS端末3からの印刷指示に付随してヘッダー部のロゴデータを受信しない場合、レシートのヘッダー部に印刷される。
【0018】
デフォルトフッターロゴデータ42は、レシートのフッター部に印刷される画像データである。デフォルトフッターロゴデータ42は、例えば、店舗の住所、電話番号、ホームページのURL(Uniform Resource Locator)等の情報を含む。本実施形態においては、レシートプリンタ4は、レシートのフッター部にデフォルトフッターロゴデータ42を常時印刷するようにしているが、POS端末3からフッター部のロゴデータを受信した場合には、当該受信したロゴデータをフッター部に印刷するようにしてもよい。なお、デフォルトフッターロゴデータ42の情報の一部または全部をデフォルトヘッダーロゴデータ41に含めてもよい。この場合、デフォルトフッターロゴデータ42の情報の一部または全部は、レシートのヘッダー部に印刷される。
【0019】
ここで、レシートプリンタ4が発行するレシートについて説明する。図2は、レシートプリンタ4が発行するレシート(A)50を示す図である。レシート(A)50は、レシートプリンタ4がPOS端末3からの印刷指示に付随してヘッダー部のロゴデータを受信しない場合に印刷されるレシートである。
【0020】
レシート(A)50には、ヘッダー部(A)51、取引情報部(A)52、およびフッター部(A)53が形成される。ヘッダー部(A)51には、デフォルトヘッダーロゴデータ41が印刷される。取引情報部(A)52には、取引日時、会計処理したPOS端末3の番号、POS端末3を操作した店員の氏名、取引対象商品の商品情報(商品名、価格など)、小計額、外税額、合計額、顧客からの預り額、釣銭額、購入された商品点数、レシート番号、店舗番号などが印刷される。なお、図2の例は現金決済された取引に係るレシートを示している。キャッシュレス決済により決済された取引のレシートでは、取引情報部52(A)に決済事業者に係る情報等が印刷される。フッター部(A)53には、デフォルトフッターロゴデータ42が印刷される。
【0021】
図3は、レシートプリンタ4が発行するレシート(B)60を示す図である。レシート(B)60は、レシートプリンタ4がPOS端末3からの印刷指示に付随してヘッダー部のロゴデータを受信した場合に印刷されるレシートである。レシートプリンタ4が受信するロゴデータは、店舗名を示す情報と顧客が購入した商品(以下、「購入商品」ともいう)に関する付加情報とを含む第1ロゴデータ、または、店舗名を示す情報と店舗が実施する企画に関する情報とを含む第2ロゴデータである。
【0022】
ここで、購入商品に関する付加情報は、購入商品に係る広告、購入商品のロゴマーク、購入商品に関連する商品に係る広告、購入商品とコラボレーション企画されているキャラクタの画像などである。購入商品に関連する商品とは、例えば購入商品がシャンプーである場合のリンス等であり、購入商品とセットで使用される商品などである。第1ロゴデータは、購入商品ごとに異なるものとなっており、複数用意されている。また、店舗が実施する企画に関する情報は、特売企画、通常は販売していない特別商品を販売する企画、在庫一掃セール等の企画の内容や実施期間を示す情報などである。
【0023】
レシート(B)60には、ヘッダー部(B)61、取引情報部(B)62、およびフッター部(B)63が形成される。ヘッダー部(B)61には、上述した第1ロゴデータまたは第2ロゴデータが印刷される。ヘッダー部(B)61の大きさは、印刷する第1ロゴデータまたは第2ロゴデータに応じて可変するものとする。なお、ヘッダー部(B)61の大きさをヘッダー部(A)51の大きさと同じに設定してもよい。この場合、印刷される第1ロゴデータまたは第2ロゴデータは、設定されたヘッダー部(B)61の大きさに応じて拡縮される。取引情報部(B)62には、図2の取引情報部(A)52と同様の情報が印刷される。フッター部(B)63には、デフォルトフッターロゴデータ42が印刷される。
【0024】
顧客が購入した商品に第1ロゴデータが対応付けられた商品が含まれている場合、レシートプリンタ4は、POS端末3を介してサーバ装置2から取得した第1ロゴデータをヘッダー部に印刷する。一取引において第1ロゴデータが対応付けられた購入商品が複数含まれている場合、レシートプリンタ4は、サーバ装置2が選定した第1ロゴデータを印刷する。サーバ装置2は、第1ロゴデータに予め設定された優先順位にしたがって第1ロゴデータを選定する。
【0025】
取引が行われた取引日が第2ロゴデータに対応付けられた企画通知期間に該当する場合、レシートプリンタ4は、POS端末3を介してサーバ装置2から取得した第2ロゴデータを印刷する。以下の説明において、取引日が該当する企画通知期間に対応する第2ロゴデータを、「取引日に対応する第2ロゴデータ」という場合がある。本実施形態においては、取引日に対応する第2ロゴデータは1つとなるよう企画が設定されているが、取引日に対応する第2ロゴデータが複数存在するようにしてもよい。この場合、サーバ装置2は、第2ロゴデータに予め設定された優先順位にしたがって第2ロゴデータを選定するものとする。
【0026】
また、顧客が購入した商品に第1ロゴデータが対応付けられた商品が含まれており、かつ、取引日が第2ロゴデータに対応付けられた企画通知期間に該当する場合、レシートプリンタ4は、サーバ装置2が選定した第1ロゴデータまたは第2ロゴデータを印刷する。サーバ装置2は、第2ロゴデータに予め設定された優先フラグにしたがって第1ロゴデータまたは第2ロゴデータを選定する。
【0027】
具体的には、取引日に対応する第2ロゴデータに設定された優先フラグが「1」である場合、サーバ装置2は、第1ロゴデータでなく第2ロゴデータを選定する。また、取引日に対応する第2ロゴデータに設定された優先フラグが「0」である場合、サーバ装置2は、第2ロゴデータでなく第1ロゴデータを選定する。優先フラグは、店舗が任意に設定することができる。
【0028】
なお、本実施形態においては、上記のとおり出力対象となる第1ロゴデータ、第2ロゴデータが複数存在する場合、サーバ装置2はいずれかを1つのロゴデータを選定するが、複数のロゴデータを選定してもよい。この場合、レシート(B)60のヘッダー部61に複数のロゴデータが印刷されることとなる。
【0029】
次に、サーバ装置2について詳細に説明する。図4は、サーバ装置2の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、制御部20と、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、通信部24と、を備えている。制御部20、記憶部21、表示部22、操作部23、および通信部24は、バス25等を介して互いに接続されている。
【0030】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス25を介して互いに接続されている。
【0031】
CPU201はサーバ装置2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されてRAM203に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、サーバ装置2の各種制御処理を実行する。
【0032】
また、RAM203は、ロゴID部2031を備える。ロゴID部2031は、一取引において購入商品に対応付けられた第1ロゴデータのロゴID、および当該一取引の取引日に対応する第2ロゴデータのロゴIDを記憶する。言い換えると、ロゴID部2031は、一取引においてレシートのヘッダー部に印刷される候補となるロゴデータのロゴIDを記憶する。
【0033】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品情報テーブル212、レシート企画テーブル213、取引情報部214、レシートデータ部215、およびロゴデータ部216を記憶する。
【0034】
制御プログラム211は、POS端末3にマイクロサービスを提供するためのプログラムなどである。例えば、制御プログラム211は、POS端末3から商品コードを取得して商品登録を行うためのプログラム、一取引の合計金額(取引額)や釣銭額を算出するためのプログラム、第1ロゴデータおよび第2ロゴデータを管理するためのプログラム、一取引においてレシートに印刷されるロゴデータを選定するためのプログラム、選定されたロゴデータをPOS端末3に出力するためのプログラムなどである。
【0035】
商品情報テーブル212は、店舗が販売する商品の商品情報を記憶したマスタファイルである。店舗で販売する商品は日々変化するため、商品情報テーブル212は適宜更新される。図5は、商品情報テーブル212のデータ構成を示す図である。商品情報テーブル212は、商品コードに対応付けて、商品名、価格、ロゴID、および優先順位を記憶する。
【0036】
商品コードは、商品を識別する情報であり、商品識別情報の一例である。商品名は、商品の名称を示す情報である。価格は、商品の価格を示す情報である。ロゴIDは、レシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータを識別する情報である。商品情報テーブル212に登録(記憶)されるロゴIDは、第1ロゴデータのロゴIDである。本実施形態においては、一部の商品のみに第1ロゴデータが対応付けられているので、商品によっては商品コードに対応するロゴIDが登録されていない。なお、全ての商品にロゴデータを対応付けてもよいことは当然である。
【0037】
優先順位は、一取引においてロゴIDが対応付けられた商品が複数購入された場合に、レシートのヘッダー部に印刷される第1ロゴデータを選定するための優先順位を示す情報である。第1ロゴデータが対応付けられた全商品、すなわち商品情報テーブル212においてロゴIDが登録された全商品に対して優先順位が定められている。商品情報テーブル212における優先順位は、第1ロゴデータの中における優先順位が定められているということもできる。
【0038】
レシート企画テーブル213は、店舗が実施する企画を管理するテーブルである。レシート企画テーブル213は、店舗が任意に更新可能である。図6は、レシート企画テーブル213のデータ構成を示す図である。レシート企画テーブル213は、企画番号に対応付けて、企画通知期間、開始日時、終了日時、実施曜日、ロゴID、および優先フラグを記憶する。
【0039】
企画番号は、店舗で計画された企画を特定する番号である。企画通知期間は、企画に関する情報をレシートのヘッダー部に印刷する期間を定めた情報である。所定期間の特売企画が予定されている場合、企画通知期間には、例えば、当該特売企画の開始日の1週間前の日から当該特売期間の開始日の前日までの期間が登録される。制御部20は、ある取引の取引日が企画通知期間に該当する場合、対応するロゴIDで識別される第2ロゴデータを、当該取引に係るレシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータの候補として抽出する。
【0040】
開始日時は、企画の開始日時を示す情報である。終了日時は企画の終了日時を示す情報である。実施曜日は、企画が実施される曜日を示す情報である。ロゴIDは、レシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータを識別する情報である。レシート企画テーブル213に登録されるロゴIDは、第2ロゴデータのロゴIDである。
【0041】
優先フラグは、レシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータの候補として、第1ロゴデータと第2ロゴデータとが抽出された場合に、第2ロゴデータを優先するか否かを示す情報である。優先フラグに「1」が登録されている場合、対応するロゴIDで識別される第2ロゴデータが第1ロゴデータよりも優先される。また、優先フラグに「0」が登録されている場合、対応するロゴIDで識別される第2ロゴデータよりも第1ロゴデータが優先される。
【0042】
取引情報部214は、取引情報を一取引ごとに管理する。取引情報部214は、POS端末3からの情報に基づいて随時更新される。図7は、取引情報部214のデータ構成を示す図である。取引情報部214は、POS番号に対応付けて、取引ID、商品情報、取引金額、および選定ロゴIDを記憶する。
【0043】
POS番号は、複数のPOS端末3のいずれかを特定する番号である。POS番号は、一取引に係る商品の商品コードをサーバ装置2に送信したPOS端末3を特定する。POS番号は、例えば、サーバ装置2が一取引において最初にPOS端末3から商品コードとPOS番号を受信した際に登録される。取引IDは、取引を識別する識別情報である。取引IDは、例えば、POS番号が登録される際にサーバ装置2によって発行されて登録される。
【0044】
商品情報は、商品に係る情報であり、商品コード、商品名、価格、点数を含む。商品コード、商品名、価格についての説明は上述しているので、ここでは重複する説明は省略する。点数は、顧客が購入する商品点数を示す情報である。取引金額は、一取引に係る商品の合計金額を示す情報である。取引金額は、例えば、サーバ装置2がPOS端末3から会計指示を受信した際に、当該サーバ装置2によって算出された取引金額が登録される。
【0045】
選定ロゴIDは、サーバ装置2によって選定された第1ロゴデータのロゴIDまたは第2ロゴデータのロゴIDである。第1ロゴデータのロゴIDおよび第2ロゴデータのロゴIDのいずれもがサーバ装置2によって選定されなかった場合、選定ロゴIDの項目には選定されたロゴIDがない旨の情報が登録される。サーバ装置2がロゴIDを選定するロゴID選定処理については後述する。
【0046】
レシートデータ部215は、サーバ装置2で生成したレシートデータを取引IDごとに管理する。図8は、レシートデータ部215のデータ構成を示す図である。レシートデータ部215は、取引IDとレシートデータとを対応付けて記憶する。
【0047】
取引IDは、上述のとおり取引を識別する情報である。レシートデータは、図2に示すレシートの取引情報部(A)52や図3に示すレシートの取引情報部(B)62に印刷されるデータである。レシートデータは、レシートプリンタ4が印刷可能なデータ形式で生成されて記憶される。
【0048】
ロゴデータ部216は、第1ロゴデータおよび第2ロゴデータを管理する。図9は、ロゴデータ部216のデータ構成を示す図である。ロゴデータ部216は、ロゴIDとロゴデータとを対応付けて記憶する。
【0049】
ロゴIDは、上述のとおり第1ロゴデータまたは第2ロゴデータのそれぞれを識別する情報である。ロゴデータは、第1ロゴデータのいずれか、または第2ロゴデータのいずれかである。第1ロゴデータは、店舗名を示す情報と商品に関する付加情報とを含む画像データである。第2ロゴデータは、店舗名を示す情報と店舗が実施する企画に関する情報とを含む画像データである。店舗名を示す情報は、商品を販売する事業者を示す情報の一例である。なお、商品を販売する事業者を示す情報として、企業名、社標(ハウスマーク)、店舗固有のマーク、などを用いてもよい。
【0050】
図4に戻って、サーバ装置2のハードウェア構成を説明する。
【0051】
表示部22は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部22は、制御部20の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部22は、商品情報テーブル212、レシート企画テーブル213等に手動で情報を登録する際の登録画面を表示する。
【0052】
操作部23は、入力デバイスであり、キーボードなどで構成される。操作部23は、サーバ装置2を操作するユーザの操作により入力された各種情報を制御部20に入力する。例えば、操作部23は、商品情報テーブル212、レシート企画テーブル213等を更新するための情報を制御部20に入力する。
【0053】
通信部24は、POS端末3などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部24を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0054】
続いて、サーバ装置2の制御部20の主たる機能構成について説明する。図10は、サーバ装置2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、取得部2001、登録部2002、算出部2003、情報管理部2004、選定部2005、生成部2006、および出力部2007として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0055】
取得部2001は、商品を識別する商品識別情報を取得する。具体的には、取得部2001は、POS端末3に入力された商品コードを当該POS端末3から受信する。POS端末3には、当該POS端末3に接続されたスキャナが読取った商品コードが入力される。取得部2001は、POS端末3に商品コードが入力されるたびに当該商品コードを取得する。
【0056】
登録部2002は、取得部2001が取得した商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する。具体的には、登録部2002は、取得部2001が取得した商品コードに対応する商品情報を商品情報テーブル212から読み出す。そして、登録部2002は、商品コード、商品名、単価、点数を取引情報部214に登録することによって商品登録を実行する。
【0057】
算出部2003は、取引に係る金額の算出を行う。例えば、算出部2003は、POS端末3からの会計指示に対応して、一取引の取引額を算出する。算出部2003は、取引情報部214に登録された商品情報に基づいて取引額を算出する。また、POS端末3において現金決済がなされる際、算出部2003は、POS端末3からの要求に応じて釣銭額の算出を行う。
【0058】
情報管理部2004は、ロゴデータに係る情報などの各種情報を管理する。ここで、情報を管理するとは、記憶部21に各種情報(データ)を書き込み、あるいは読み出すことをいうものとする。
【0059】
例えば、情報管理部2004は、一取引において登録部2002で登録された商品情報が示されるレシートのヘッダー部に印刷される画像データであって、取得部2001が取得した商品識別情報に対応づけられ、商品を販売する事業者を示す情報と当該商品に関する付加情報とを含む第1ロゴデータを管理する。具体的には、情報管理部2004は、商品情報テーブル212、取引情報部214、およびロゴデータ部216に第1ロゴデータのロゴIDやロゴデータを書き込む。また、情報管理部2004は、商品情報テーブル212、取引情報部214、およびロゴデータ部216から第1ロゴデータのロゴIDやロゴデータを読み出す。
【0060】
また、情報管理部2004は、取得部2001が取得した商品識別情報に対応する第1ロゴデータが複数存在する場合に選定部2005が当該第1ロゴデータのいずれかを選択するための優先順位を当該第1ロゴデータに対応付けて記憶する。具体的には、情報管理部2004は、操作部23から入力された情報にしたがって、商品情報テーブル212の優先順位の項目に情報を書き込む。
【0061】
情報管理部2004は、レシートのヘッダー部に示される画像データであって、商品を販売する事業者を示す情報と当該事業者が実施する企画に関する情報とを含む第2ロゴデータを管理する。具体的には、情報管理部2004は、レシート企画テーブル213、取引情報部214、およびロゴデータ部216に第2ロゴデータのロゴIDやロゴデータを書き込む。また、情報管理部2004は、レシート企画テーブル213、取引情報部214、およびロゴデータ部216から第2ロゴデータのロゴIDやロゴデータを読み出す。
【0062】
情報管理部2004は、選定部2005第1ロゴデータより優先して第2ロゴデータを選択するか否かを示す情報を当該第2ロゴデータに対応付けて記憶する。具体的には、情報管理部2004は、操作部23から入力された情報にしたがって、レシート企画テーブル213の優先フラグの項目に情報を書き込む。
【0063】
情報管理部2004は、ロゴID部2031にロゴIDを書き込む。例えば、情報管理部2004は、取得部2001が取得した商品コードに対応するロゴIDを商品情報テーブル212から読み出してロゴID部2031に記憶する。また、情報管理部2004は、取引日に対応するロゴIDをレシート企画テーブル213から読み出してロゴID部2031に記憶する。
【0064】
選定部2005は、取得部2001が取得した商品識別情報に基づいて、第1ロゴデータを選定する。具体的には、選定部2005は、商品情報テーブル212を参照して、取得部2001が取得した商品コードに対応するロゴIDを選定する。そして、選定部2005は、ロゴデータ部216において上記読み出したロゴIDに対応する第1ロゴデータを選定する。
【0065】
また、選定部2005は、情報管理部2004が管理する第1ロゴデータのいずれか、または第2ロゴデータのいずれかを選定する。具体的には、選定部2005は、ロゴID部2031に記憶されたロゴデータの中から、第1ロゴデータのいずれか、または第2ロゴデータのいずれかを、POS端末3に出力するロゴデータに選定する。選定部2005は、商品情報テーブル212に登録された優先順位やレシート企画テーブル213に登録された優先フラグに基づいて、第1ロゴデータのいずれか、または第2ロゴデータのいずれかを選定する。
【0066】
なお、選定部2005は、取得部2001が取得した商品コードに対応する第1ロゴデータ、および取引日に対応する第2ロゴデータが存在しない場合、POS端末3に出力するロゴデータを選定しない。
【0067】
生成部2006は、レシートデータを生成する。生成部2006は、POS端末3からのレシートデータ要求に応じて、取引情報部214に記憶された取引情報に基づいてレシートデータを生成する。生成部2006が生成するレシートデータは、レシートプリンタ4が印刷可能なデータ形式である。
【0068】
出力部2007は、選定部2005が選定した第1ロゴデータのいずれか、または第2ロゴデータのいずれかをPOS端末3に出力する。また、選定部2005が第1ロゴデータおよび第2ロゴデータを選定しなかった場合、出力部2007は、選定されたロゴデータがない旨の情報をPOS端末3に出力する。この場合、POS端末3は、レシートプリンタ4に対して、ヘッダー部にデフォルトヘッダーロゴデータ41を印刷する旨の指示を出力する。
【0069】
なお、レシートとして電子レシートを採用する場合、出力部2007は、選定部2005が選定した第1ロゴデータのいずれか、または第2ロゴデータのいずれかを電子レシートサーバに出力する。電子レシートサーバは、出力部2007が出力したロゴデータをヘッダー部に表記した電子レシートを顧客の携帯端末に送信する。また、選定部2005が第1ロゴデータおよび第2ロゴデータを選定しなかった場合、出力部2007は、選定されたロゴデータがない旨の情報を電子レシートサーバに出力する。この場合、電子レシートサーバは、予め定められたデフォルトヘッダーロゴデータを用いて電子レシートを発行する。
【0070】
次に、POSシステム1の動作の概略について説明する。図11は、POSシステム1の動作の流れを示すシーケンスチャートである。なお、このシーケンスチャートは、取得部2001が取得した商品コードに対応する第1ロゴデータ、および取引日に対応する第2ロゴデータが存在する場合の動作を示したものである。
【0071】
POS端末3には、取引開始入力の後、例えばスキャナから商品コードが入力される(ステップS1)。POS端末3は、入力された商品コードと自装置のPOS番号とをサーバ装置2に送信する(ステップS2)。なお、以下の動作において、POS端末3がサーバ装置2に対して情報を送信する場合、併せて自装置のPOS番号を送信するものとする。また、サーバ装置2は、受信したPOS番号に基づいて、情報送信先のPOS端末3を特定する。
【0072】
サーバ装置2は、受信した商品コードに対応する商品情報を取得する(ステップS3)。具体的には、サーバ装置2は、受信した商品コードに対応する商品情報を商品情報テーブル212から読み出す。商品情報には、第1ロゴデータのロゴID(以下、「第1ロゴID」ともいう)が含まれる。サーバ装置2は、読み出した商品情報に含まれる第1ロゴIDをロゴID部2031に記憶する(ステップS4)。
【0073】
また、サーバ装置2は、読み出した商品情報と受信したPOS番号とを対応付けて取引情報部214に登録する(ステップS5)。言い換えると、サーバ装置2は商品登録を実行する。サーバ装置2は、登録した商品情報を含む取引情報をPOS端末3に送信する(ステップS6)。サーバ装置2は、受信したPOS番号で特定されるPOS端末3に取引情報を送信する。
【0074】
POS端末3は、受信した取引情報を表示する(ステップS7)。これにより、店員や顧客は購入商品の商品情報を確認することができる。一取引において顧客が購入する商品が複数ある場合、ステップS1~ステップS7の動作が繰り返される。顧客が購入する商品全ての商品登録が完了すると、POS端末3に会計指示入力がなされる(ステップS8)。POS端末3は、サーバ装置2に会計指示を送信する(ステップS9)。
【0075】
サーバ装置2は、受信した会計指示に含まれる取引IDに基づいて、当該取引IDで特定される取引の取引金額を算出し、取引情報部214に登録する(ステップS10)。具体的には、サーバ装置2は、受信した取引IDに対応する商品情報を取引情報部214から読み出して取引金額を算出する。そして、サーバ装置2は、算出した取引金額を取引情報部214に登録する。
【0076】
サーバ装置2は、レシート企画テーブル213から第2ロゴデータのロゴID(以下、「第2ロゴID」ともいう)を読み出す(ステップS11)。サーバ装置2は、現在の日時を計時するRTC(Real Time Clock)部(図示せず)によって取引日を認識し、レシート企画テーブル213から当該取引日が該当する企画通知期間に対応する第2ロゴIDを読み出す。サーバ装置2は、読み出した第2ロゴIDをロゴID部2031に記憶する(ステップS12)。
【0077】
サーバ装置2は、ロゴID部2031に記憶された第1ロゴIDおよび第2ロゴIDの中からPOS端末3に送信するロゴIDを選択するロゴID選定処理を実行する(ステップS13)。ロゴID選定処理の詳細は後述する。サーバ装置2は、ロゴID選定処理で選定されたロゴIDを取引情報部214に登録して、取引情報を更新する(ステップS14)。サーバ装置2は、更新された取引情報をPOS端末3に送信する(ステップS15)。
【0078】
POS端末3は、受信した取引情報に基づいて会計処理を行う(ステップS16)。なお、POS端末3は会計処理において必要に応じてサーバ装置2との間で情報を送受信する。例えば、POS端末3は、釣銭額の算出要求をサーバ装置2に送信し、当該サーバ装置2から算出された釣銭額を受信する。
【0079】
POS端末3は、レシートデータ要求およびロゴデータ要求をサーバ装置2に送信する(ステップS17)。レシートデータ要求は、POS端末3がレシートプリンタ4に送信するレシートデータを要求するものである。ロゴデータ要求は、POS端末3がレシートプリンタ4に送信するロゴデータの有無、および送信するロゴデータが有る場合には当該ロゴデータを要求するものである。
【0080】
サーバ装置2は、選定されたロゴデータ、すなわち取引情報部214に登録された選定ロゴIDによって識別されるロゴデータをロゴデータ部216から読み出す(ステップS18)。また、サーバ装置2は、受信したレシートデータ要求に含まれる取引IDで特定される取引情報に基づいてレシートデータを生成する(ステップS19)。サーバ装置2は、読み出したロゴデータ、および生成したレシートデータをPOS端末3に送信する(ステップS20)。
【0081】
POS端末3には、レシート発行指示が入力される(ステップS21)。レシート発行指示は、例えば、一取引の終了を宣言するための締めキーが操作されることによって入力される。POS端末3は、レシートデータおよびロゴデータを含むレシート発行指示をレシートプリンタ4に送信する(ステップS22)。
【0082】
レシートプリンタ4は、レシートのヘッダー部に印刷するロゴデータをデフォルトヘッダーロゴデータ41から受信したロゴデータに置き換える(ステップS23)。言い換えれば、レシートプリンタ4は、レシートのヘッダー部に印刷するロゴデータとして、記憶されているデフォルトヘッダーロゴデータ41でなく、受信したロゴデータを採用する。そして、レシートプリンタ4は、置き換えたロゴデータを用いて印刷することによってレシートを発行する(ステップS24)。
【0083】
以上の動作により、POSシステム1は、レシートプリンタ4が発行するレシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータを適宜変更することができる。
【0084】
次に、サーバ装置2が実行するロゴID選定処理について説明する。図12は、サーバ装置2の制御部20によるロゴID選定処理の流れを示すフローチャートである。
【0085】
選定部2005は、ロゴID部2031に第2ロゴIDが記憶されているか否か判断する(ステップS31)。言い換えると、選定部2005は、デフォルトヘッダーロゴデータ41を置き換える対象となる第2ロゴデータがあるか否か判断する。ロゴID部2031に第2ロゴIDが記憶されている場合(ステップ31のY)、選定部2005は、当該第2ロゴIDの優先フラグが「1」であるか否か判断する(ステップS32)。具体的には、選定部2005は、情報管理部2004がレシート企画テーブル213から読み出した上記第2ロゴIDに対応する優先フラグが「1」であるか否か判断する。
【0086】
第2ロゴIDの優先フラグが「1」である場合(ステップS32のY)、選定部2005は、POS端末3に出力するロゴデータのロゴIDとして当該第2ロゴIDを選定する(ステップS33)。そして、制御部20はロゴID選定処理を終了する。
【0087】
ステップS32に処理において、ロゴID部2031に記憶されている第2ロゴIDの優先フラグが「0」である場合(ステップS32のN)、選定部2005は、ロゴID部2031に第1ロゴIDが記憶されているか否か判断する(ステップS34)。ロゴID部2031に第1ロゴIDが記憶されていない場合(ステップS34のN)、制御部20はステップS33の処理に移行する。
【0088】
ロゴID部2031に第1ロゴIDが記憶されている場合(ステップS34のY)、選定部2005は、ロゴID部2031に記憶されている第1ロゴIDのうち、最も優先順位の高い第1ロゴIDを選定する(ステップS35)。選定部2005は、商品情報テーブル212を参照して最も優先順位の高い第1ロゴIDを、POS端末3に出力するロゴデータのロゴIDとして選定する。そして、制御部20はロゴID選定処理を終了する。
【0089】
ステップS31の処理において、ロゴID部2031に第2ロゴIDが記憶されていない場合(ステップS31のN)、選定部2005は、ロゴID部2031に第1ロゴIDが記憶されているか否か判断する(ステップS36)。ロゴID部2031に第1ロゴIDが記憶されている場合(ステップS36のY)、制御部20はステップS35の処理に移行する。
【0090】
ロゴID部2031に第1ロゴIDが記憶されていない場合(ステップS36のN)、選定部2005は、POS端末3に出力するロゴデータのロゴIDを選定しない(ステップS37)。言い換えると、ロゴID部2031に第1ロゴIDおよび第2ロゴIDのいずれもが記憶されていない場合、選定部2005は、POS端末3に出力すべきロゴデータが存在しないと判断する。そして、制御部20はロゴID選定処理を終了する。
【0091】
選定部2005がPOS端末3に出力するロゴデータが存在しないと判断した場合、レシートのデフォルト部にはデフォルトヘッダーロゴデータ41が印刷される。言い換えると、レシートプリンタ4は、ロゴデータを含まないレシート発行指示を受信した場合、印字部を制御してレシートのヘッダー部にデフォルトヘッダーロゴデータ41を印刷する。
【0092】
上記ロゴID選定処理により、制御部20は、一取引に対応してPOS端末3に出力すべきロゴデータの有無を判断することができる。また、制御部20は、出力すべきロゴデータがある場合、当該ロゴデータのロゴIDを選定することができる。
【0093】
以上説明したとおり、実施形態のサーバ装置2は、商品を識別する商品コードを取得する取得部2001と、取得部2001が取得した商品コードで識別される商品の商品情報を登録する登録部2002と、一取引において登録部2002で登録された商品情報が示されるレシートのヘッダー部に示される画像データであって、取得部2001が取得した商品識別情報に対応づけられ、店舗名を示す情報と商品に関する付加情報とを含む第1ロゴデータを管理する情報管理部2004と、取得部2001が取得した商品コードに基づいて、前記第1ロゴデータを選定する選定部2005と、選定部2005で選定された第1ロゴデータを出力する出力部2007と、を備える。
【0094】
これにより、サーバ装置2は、店舗が顧客に対してアピールしたい情報である店舗名および購入商品の付加情報を、レシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータに設定することができる。このため、店舗は、顧客が着目しやすいレシートのヘッダー部をより有効に活用することができる。
【0095】
また、実施形態のサーバ装置2における情報管理部2004は、取得部2001が取得した商品コードに対応する第1ロゴデータが複数存在する場合に選定部2005が当該第1ロゴデータのいずれかを選択するための優先順位を当該第1ロゴデータに対応付けて記憶する。
【0096】
これにより、サーバ装置2は、一取引において複数の商品が購入された場合でも、適切に第1ロゴデータを選定することができる。
【0097】
さらに、実施形態のサーバ装置2における情報管理部2004は、レシートのヘッダー部に示される画像データであって、店舗名を示す情報と当該事業者が実施する企画に関する情報とを含む第2ロゴデータを管理する。
【0098】
これにより、サーバ装置2は、店舗が顧客に対してアピールしたい情報である店舗名および店舗の企画に関する情報も、レシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータとして設定することができる。
【0099】
加えて、実施形態のサーバ装置2において、選定部2005は、情報管理部2004が管理する第1ロゴデータのいずれか、または第2ロゴデータのいずれかを選定し、出力部2007は、選定部2005が選定した第1ロゴデータまたは第2ロゴデータを出力する。
【0100】
これにより、サーバ装置2は、店舗名および購入商品の付加情報を含む第1ロゴデータ、または店舗名および店舗の企画に関する情報を含む第2ロゴデータを選択的にレシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータとして設定することができる。
【0101】
また、実施形態のサーバ装置2の情報管理部2004は、選定部2005が第1ロゴデータより優先して第2ロゴデータを選定するか否かを示す情報を当該第2ロゴデータに対応付けて記憶する。
【0102】
これにより、サーバ装置2は、第1ロゴデータおよび第2ロゴデータが出力部2007による出力対象である場合、第1ロゴデータを優先して出力するか第2ロゴデータを優先して出力するかを設定することができる。このため、レシートのヘッダー部に印刷されるロゴデータの選定に係る店舗の運用を容易とすることができる。
【0103】
なお、上記実施形態において、サーバ装置2で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、サーバ装置2で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0104】
なお、本実施形態においては、一例として、顧客が購入する商品情報の登録、一取引に係る取引額の算出、釣銭額の算出など、従来POS端末で実行していたPOS業務に係る処理をサーバ装置2によるマイクロサービスで実現するものとして説明した。しかしながら、POSシステム1はこれに限定されるものではなく、サーバ装置2が実行する処理の一部または全部をPOS端末3が実行するとしてもよい。この場合、サーバ装置2が実行する処理の一部または全部を実現するハードウェア構成として、図4で説明したサーバ装置2のハードウェアの構成の一部または全部をPOS端末3が備えると読み替えることができる。
【0105】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0106】
2 サーバ装置(情報処理装置)
2001 取得部
2002 登録部
2004 情報管理部
2005 選定部
2007 出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2013-20291号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12