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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070501
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】反転装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/248 20060101AFI20240516BHJP
   B65G 47/30 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B65G47/248 G
B65G47/30 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181035
(22)【出願日】2022-11-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】591213623
【氏名又は名称】不二輸送機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 正俊
(72)【発明者】
【氏名】植原 聡士
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA10
3F081BD15
3F081BD20
3F081BE03
3F081BE09
3F081CA12
3F081CA14
3F081CA15
3F081CC08
3F081CC30
(57)【要約】
【課題】 所定間隔で搬入される対象物のうちの所定数のみを反転させることができる反転装置を提供する。
【解決手段】 搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、前記主軸部の周りを移動する反転部と、前記主軸部の周りを移動する平行部と、前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができる、反転装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、
前記主軸部の周りを移動する反転部と、
前記主軸部の周りを移動する平行部と、
前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、
前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、
前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項2】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記反転部は、前記主軸部の周りを回転移動する略コ字状の反転アームを有し、
前記反転アームは、第1載置アームと、前記第1載置アームと相対する第2載置アームを有する
ことを特徴とする反転装置。
【請求項3】
請求項2に記載の反転装置であって、
前記第2載置アームは、前記第1載置アームに接近または離隔することができる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項4】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記平行部は、前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームと、
前記平行アームが連結され、奥行方向に延びる平行軸部と、
前記回転連結部に取り付けるための奥行方向に延びる1対の連結軸部と、
前記回転連結部に取り付けるための1対の連結プレートと、
前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を有し、
前記平行軸部の中心は、前記連結軸部の中心からオフセットされており、
前記搬入領域と前記搬出領域は、同一平面上にある
ことを特徴とする反転装置。
【請求項5】
請求項1に記載の反転装置であって、
対となる前記反転部と、対となる前記平行部を有し、
前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項6】
請求項5に記載の反転装置であって、
前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に略同角度で交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項7】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記平行部は、前記主軸部の周りを移動する平行アームを有し、
前記反転装置は、前記平行アームを回転させるための補助駆動部を備え、
前記平行部は、前記搬入領域から取得した対象物を反転させながら前記搬出領域まで送ることができる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項8】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記主軸部の周りを回転移動する反転アームを有する1対の前記反転部と、
前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームを有する1対の前記平行部と、
前記反転部及び前記平行部が前記主軸部を中心に交互に配置されるように取り付けられる前記回転連結部と、
前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を備え、
前記姿勢維持部は、1対の前記平行部に共通して用いられる第1リンク部及び第2リンク部を有し、
前記第1リンク部のリンクアームと前記第2リンク部のリンクアームは、互いに位相をずらしてある
ことを特徴とする反転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物、例えば段ボールシートを反転させる反転装置として、「シート搬送コンベヤと、そのシート搬送コンベヤによって一方向に搬送される積み重ねシートの移送路に配置され、上記積み重ねシートを収容可能とする収容部が設けられたシート反転枠と、このシート反転枠を、上記収容部のシート受入口が上流側に向く横向きの状態を一つの停止位置とし、その停止位置から上向き方向に回転させる回転手段とから成り、前記収容部に送り込まれた積み重ねシートをシート反転枠の回転により反転して前記シート搬送コンベヤにより送り出すようにした積み重ねシートの反転装置において、前記収容部に収容された積み重ねシートが両側縁を上下とする起立状態での停止位置で、そのシートの上下の両側縁を揃える側縁揃え手段を設けたことを特徴とする積み重ねシートの反転装置」が提案されている(特許文献1の請求項1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-233854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
段ボールシート(1枚単位のもの、束ねていない複数枚単位のものの両方を含む)または所定数の段ボールシートを束にした段ボールシート束は、表裏交互に積層することがある。
【0005】
例えば、段ボールシートは水分を吸収しやすく高温多湿の環境等では反りやうねり等の変形が生じやすいことから、段ボールシート束を束ごとに表裏交互に積層して、自身の自重により各段ボールシート束の反りやうねりを相殺させることがある。
【0006】
しかしながら、上記反転装置は、段ボールシートを全数上下反転させる装置であるため、このような表裏交互にする要望には応えられない。
【0007】
この段ボールシートや束を表裏交互にする作業を、現在人手によって行っているところもあるが、人手により行おうとすると、大型の段ボールシートの場合、反転させるのに相当な労力を要する。また、人手で持ち上げたりすると、段ボールシートが折れたり指痕が付いたりして損傷する可能性がある。また、人手による作業ではコルゲータなど段ボールシートに係る他の装置に見合う速度を得ることは困難である。そのため、段ボールシートや束を表裏交互にする作業は、自動化し省力化することが強く望まれている。
【0008】
対象物を表裏交互にする工程、あるいは所定間隔で搬入される対象物のうちの所定数のみを反転させる工程は、段ボールシートや箱の製造現場や搬送現場のみならず、他の物の製造現場や搬送現場にもあり得る。
【0009】
2つのラインを用いて、一方のラインでは専ら対象物の反転を行い、他方のラインでは対象物の反転を行わず通過させて、双方をその後合流させることも考えられるが、1つのラインの場合に比べて、2倍以上のスペースを占拠することになり、搬送装置も余分に必要となるため、コストが高くなる。
【0010】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、所定間隔で搬入される対象物のうちの所定数のみを反転させることができる反転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係る反転装置は、搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、前記主軸部の周りを移動する反転部と、前記主軸部の周りを移動する平行部と、前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができる。
【0012】
上記反転装置において、前記反転部は、前記主軸部の周りを回転移動する略コ字状の反転アームを有し、前記反転アームは、第1載置アームと、前記第1載置アームと相対する第2載置アームを有する。
【0013】
上記反転装置において、前記第2載置アームは、前記第1載置アームに接近または離隔することができる。
【0014】
上記反転装置において、前記平行部は、前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームと、前記平行アームが連結され、奥行方向に延びる平行軸部と、前記回転連結部に取り付けるための奥行方向に延びる1対の連結軸部と、前記回転連結部に取り付けるための1対の連結プレートと、前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を有し、前記平行軸部の中心は、前記連結軸部の中心からオフセットされており、前記搬入領域と前記搬出領域は、同一平面上にある。
【0015】
上記反転装置において、対となる前記反転部と、対となる前記平行部を有し、前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる。
【0016】
上記反転装置において、前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に略同角度で交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる。
【0017】
上記反転装置において、前記平行部は、前記主軸部の周りを移動する平行アームを有し、前記反転装置は、前記平行アームを回転させるための補助駆動部を備え、前記平行部は、前記搬入領域から取得した対象物を反転させながら前記搬出領域まで送ることができる。
【0018】
上記反転装置において、前記主軸部の周りを回転移動する反転アームを有する1対の前記反転部と、前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームを有する1対の前記平行部と、前記反転部及び前記平行部が前記主軸部を中心に交互に配置されるように取り付けられる前記回転連結部と、前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を備え、前記姿勢維持部は、1対の前記平行部に共通して用いられる第1リンク部及び第2リンク部を有し、前記第1リンク部のリンクアームと前記第2リンク部のリンクアームは、互いに位相をずらしてある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、所定間隔で搬入される対象物のうちの所定数のみを反転させることができる反転装置を提供することができる。
【0020】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に係る反転装置の一例を示す正面図である。
図2】実施形態1に係る反転装置の一例を示す平面図である。
図3】実施形態1に係る反転装置の一例を示す側面図である。
図4】実施形態1に係る反転装置の平行部の一例を示す正面図である。
図5】実施形態1に係る反転装置の平行部の一例を説明するための図である。
図6】実施形態1に係る反転装置の平行部の他の一例を示す正面図である。
図7】実施形態1に係る反転装置の平行部の他の一例を説明するための図である。
図8】実施形態1に係る反転装置の動作例を説明する図である。
図9】実施形態1に係る反転装置の動作例を説明する図である。
図10】実施形態1に係る反転装置の動作例を説明する図である。
図11】実施形態1に係る反転装置の反転部及び平行部の移動軌跡を説明するための図である。
図12】実施形態2に係る反転装置の一例を示す正面図である。
図13】実施形態2に係る反転装置の一例を示す平面図である。
図14】実施形態2に係る反転装置の一例を示す側面図である。
図15】実施形態2に係る反転装置の動作例を説明する図である。
図16】実施形態2に係る反転装置の動作例を説明する図である。
図17】実施形態1に係る反転装置の変形例1を説明するための図である。
図18】実施形態2に係る反転装置の変形例1を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態(変形例を含む)において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。また、取付け、連結、固定等の語は直接行う場合及び他の部材を介在して間接的に行う場合の双方を含むものとする。
【0023】
<実施形態1>
図1は実施形態1に係る反転装置の一例を示す正面図、図2は一例を示す平面図、図3は一例を示す側面図である。なお、説明の便宜上、図2では反転部の図示が省略され、図3では平行部の図示が省略されている。各図において、一部の構成は断面で示されている(以下各図において同じ)。各図において、Xは前後方向(水平方向)(+Xが後方、-Xが前方)、Yは上下方向(鉛直方向)(+Yが上方、-Yが下方)、Zは奥行方向(左右方向)(+Zが背面方向、-Zが正面方向)を示す(以下各図において同じ)。
【0024】
本実施形態に係る反転装置1は、所定間隔で搬入される対象物のうちの所定数のみを反転させることができる。対象物は、特に限定されない。対象物は、1枚ずつ搬入される段ボールシートや組立前の段ボール箱等でもよいし、複数枚ずつ搬入される段ボールシートや組立前の段ボール箱等でもよいし、1束ずつ搬入される段ボールシート束や組立前の段ボール箱束でもよい。対象物は、その他の物でもよい。説明の便宜上、以下各実施形態(変形例を含む)では、具体例として段ボールシート束を挙げて説明する。
【0025】
本実施形態に係る反転装置1は、搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部11を有し、主軸部11の周りを移動する反転部3と、主軸部11の周りを移動する平行部4と、反転部3と平行部4を同期して移動させるための回転連結部5と、回転連結部5を回転させるための駆動部6を備える。平行部4は、反転部3が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を搬出領域まで送ることができる。
【0026】
従来の反転装置は、対象物を全数上下反転させる装置であるため、一部を反転させないで送ることはできない。一方で、2つのライン(装置)を用いて、一方のライン(装置)では専ら対象物の反転を行い、他方のライン(装置)では対象物の搬送のみを行って、双方をその後合流させるようにすると、2倍以上のスペースを占拠し、搬送装置も余分に必要となるため、コストが高くなる。また、設備全体が大型化する分、ランニングコストも増加する。
【0027】
本実施形態の反転装置1は、対象物のうちの所定数のみを反転させることができるため、例えば対象物を表裏交互にする要望等に容易に応えることができる。また、1つのラインにおいて、1つの装置を用いるため、余分なコストがかからず、低コストで実現できる。以下、反転装置1の構成について、詳細に説明する。
【0028】
図1に示すように、反転装置1は、搬送部2と、反転部3と、平行部4と、回転連結部5と、駆動部6とを備える。また、反転装置1は、これらの各構成部を支持するフレーム10と、フレーム10により支持され、搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部11とを有する。以下、前後方向(X方向)を搬送方向とし、図示の矢印のように、対象物を後方の上流側から搬入し、前方の下流側へ搬出する例を説明するが、これに限らず、搬送方向は適宜設定し得る。説明の便宜上、主軸部11の中心を通る水平面をX1とし、主軸部11の中心を通る垂直面をY1とする。
【0029】
搬送部2は、対象物を搬入するための搬入部21と、対象物を搬出するための搬出部22とを有する。
【0030】
図2に示すように、搬入部21は、好ましくは、主軸部11に近い位置に配置される近位部211と、近位部211の上流側に所定距離離れて配置される遠位部212とを有する。搬出部22は、好ましくは、主軸部11に近い位置に配置される近位部221と、近位部221の下流側に所定距離離れて配置される遠位部222とを有する。近位部211、遠位部212、近位部221及び遠位部222は、例えば、図示のように、ベルトコンベヤで構成され、フレーム10の不図示の部分に取り付けられる。近位部211及び近位部221は、主軸部11の外周に設けたフレームに取り付けられてもよい。近位部211、遠位部212、近位部221及び遠位部222は、ローラコンベヤなど他の搬送装置により構成されてもよい。
【0031】
搬入部21は、近位部211と遠位部212を含む搬入ユニットが、1つ設けられてもよいが、好ましくは、複数設けられる。複数の搬入ユニットは、奥行方向に所定間隔を置いて並列に並ぶ。搬出部22は、近位部221と遠位部222を含む搬出ユニットが、1つ設けられてもよいが、好ましくは、複数設けられる。複数の搬出ユニットは、奥行方向に所定間隔を置いて並列に並ぶ。好ましくは、搬出ユニットは搬入ユニットと同数設けられ、各搬入ユニットと対応の搬出ユニットが直列に配置される。
【0032】
搬入された対象物(W)が置かれる面状領域である搬入領域は、好ましくは、搬入部21の上面を含む平面で構成され、搬出される対象物(W)が置かれる面状領域である搬出領域は、好ましくは、搬出部22の上面を含む平面で構成される(図8のG1、G2を参照)。言い換えれば、反転部3及び平行部4は、好ましくは、搬入部21から対象物(W)を取得し、搬出部22に対象物(W)を届ける。
【0033】
図1に戻って、反転部3の一例を説明する。反転部3は、奇数設けられてもよいが、好ましくは、対となるように設けられる。反転部3は、1対設けられてもよいし、2対以上設けられてもよい。対となる反転部3同士は、主軸部11の周りに点対称に配置される。
【0034】
反転部3は、主軸部11の周りを回転移動する略コ字状の反転アーム31と、反転アーム31が連結され、奥行方向に延びる反転軸部32とを有する。反転アーム31が主軸部11の周りを180度回転移動すると、載せている対象物も180度回転移動して反転する(裏返しになる)。反転アーム31は、相対する第1載置アーム311及び第2載置アーム312と、両者の主軸部11に近位の部分を接続して反転アーム31の一端(近位端)を閉鎖する接続部313とを有する。第1載置アーム311及び第2載置アーム312は、主軸部11の中心からオフセットされて配置され、後述のように、搬入領域と搬出領域が同一平面上に配置可能になっている。第1載置アーム311と第2載置アーム312は、長さが同等でもよいし、一方が長くてもよい。
【0035】
反転アーム31は、第2載置アーム312が第1載置アーム311に接近及び離隔可能になっており、対象物を挟持可能になっていてもよい。一例として、反転部3は、シリンダ装置(不図示)を備え、シリンダ装置の本体が第1載置アーム311に取り付けられ、伸縮ロッドが第2載置アーム312に取り付けられて、回転に伴って第2載置アーム312が第1載置アーム311に接近するようになっていてもよい。
【0036】
図3に示すように、反転アーム31は、好ましくは、奥行方向に所定間隔を置いて並列に複数設けられる。反転アーム31は、搬入部21の搬入ユニットと交互に配置される。反転アーム31は、搬入ユニットの数と同数でもよいが、好ましくは、搬入ユニットの数±1の数設けられる。複数の反転アーム31は、反転軸部32により連結される。反転軸部32の正面側端部は、回転連結部5の後述の第1回転体51に取り付けられ、他端部は第2回転体52に取り付けられる。
【0037】
図1に戻って、平行部4の一例を説明する。平行部4は、奇数設けられてもよいが、好ましくは、対となるように設けられる。平行部4は、1対設けられてもよいし、2対以上設けられてもよい。
【0038】
平行部4は、主軸部11の周りを姿勢を維持して移動する平行アーム41と、平行アーム41が連結され、奥行方向に延びる平行軸部42と、回転連結部5に取り付けるための奥行方向に延びる、正面側及び背面側に設けられる1対の連結軸部43と、連結軸部43を介して回転連結部5に取り付けるための、正面側及び背面側に設けられる1対の連結プレート44と、平行アーム41の姿勢を維持するための姿勢維持部45とを有する。
【0039】
平行部4は、図示の状態では、平行アーム41が搬入領域ないし搬出領域に対応する停止位置にある。平行アーム41は、この姿勢を維持しながら主軸部11の周りを移動する。すなわち、平行アーム41が水平な姿勢に配置されている場合、反転部3と同期して移動するときも平行アーム41は略水平のまま移動する。言い換えれば、ここでは、平行アーム41は、それを構成する各点が同一方向に同一距離だけ移る平行移動をする。
【0040】
平行アーム41が主軸部11の周りを、姿勢を維持して移動すると、載せている対象物も搬入時の姿勢を維持して(元の姿勢で)移動し、反転はしない(反転が抑制される)。詳細は後述するが、平行軸部42の中心は、主軸部11の中心からオフセットされて配置され、搬入領域と搬出領域が同一平面上に配置可能になっている。
【0041】
図2に示すように、平行アーム41は、好ましくは、奥行方向に所定間隔を置いて並列に複数設けられる。平行アーム41は、搬入部21の搬入ユニットと交互に配置される。平行アーム41は、搬入ユニットの数と同数でもよいが、好ましくは、搬入ユニットの数±1の数設けられる。言い換えれば、平行アーム41は、反転アーム31と同等の前後幅ないし近似の前後幅を有する。複数の平行アーム41は、平行軸部42により連結される。平行軸部42の正面側端部は、正面側の連結プレート44に取り付けられ、他端部は背面側の連結プレート44に取り付けられる。
【0042】
図4は実施形態1に係る反転装置の平行部の一例を示す正面図、図5は本例を説明するための図である。以下、平行部の一例をより具体的に説明する。なお、平行軸部42の中心を通る水平面をX2とし、平行軸部42の中心を通る垂直面をY2とする。
【0043】
本例の平行部4は、1対の連結プレート44が、やや縦長で、下端部中央に平行軸部42を挿通させる孔部を有し、上端部中央に連結軸部43を挿通させる孔部を有する。正面側の連結プレート44は上端部中央の孔部を用いて正面側の連結軸部43を介して後述の第1回転体51に取り付けられ、背面側の連結プレート44は同様に背面側の連結軸部43を介して後述の第2回転体52に取り付けられる。
【0044】
このように、平行アーム41は、連結軸部43を介して第1回転体51及び第2回転体52に取り付けられることで、連結軸部43からオフセットした位置に配置される。ここでは、平行軸部42の中心が連結軸部43から距離E分ずれたX2上に配置される。これは、平行軸部42の中心がX1から距離E分ずれたX2上へ配置されたとも言える。
【0045】
姿勢維持部45は、平行部4毎に設けられ、好ましくは、正面側及び背面側にそれぞれ設けられる。姿勢維持部45は、本例では、平行リンク的な役割を果たす機構を含んで構成される。このような機構として、例えば、チェーンとスプロケットからなる巻掛け伝動機構、ベルトとプーリからなる巻掛け伝動機構、またはクランク機構等が挙げられる。
【0046】
姿勢維持部45は、一例として、一方のスプロケット455が連結軸部43に取り付けられ、他方のスプロケット12が主軸部11に取り付けられ、チェーン456が両者に巻き掛けられる、巻掛け伝動ユニットにより構成される。チェーン456には、例えばオートテンショナー付きチェーンが用いられる。スプロケット12は、一例として、主軸部11に回動不能に取り付けられる。本例の姿勢維持部45は、部品点数が少なく、簡便に実現できる。
【0047】
なお、段ボールシートのサイズは、小さい物から大きい物まで多種多様である。そのため、平行アーム41は、大きいサイズのものに合わせて大きく形成することが望ましい。一方で、平行アーム41は、対象物が載る位置によって荷重位置が異なり、バランスが取れにくくなり、水平が取れにくくなることも考えられる。また、チェーンやベルト等は長期に使用すると伸びてしまうことがある。
【0048】
図5に示すように、例えば、チェーン456のH1側が緩み、H2側が張っている場合、前後幅が大きい平行アーム41の偏った位置に、前後幅の小さい段ボールシート束(W)が載ると、平行アーム41が傾いて水平を保てなくなる恐れがある。
【0049】
図6は実施形態1に係る反転装置の平行部の他の一例を示す図で、図1の一部拡大図である。図7は本例を説明するための図である。本例の平行部4は、図5のような場合も対応可能である。なお、上記例と重複する部分については、適宜説明を省略する。
【0050】
本例の平行部4は、1対の連結プレート44が、やや横長の菱形で、中央に平行軸部42を挿通させるための孔部を有する。姿勢維持部45は、上記巻掛け伝動ユニットに加えて、さらに平行リンクユニットと、押付けユニットとを有する。平行リンクユニットと押付けユニットは、好ましくは、正面側と背面側にそれぞれ設けられる。
【0051】
各平行リンクユニットは、リンクプレート451と、1対のリンク452と、2対のピン部453とを有する。リンクプレート451は、やや横長の台形で、連結軸部43を挿通させる孔部を有する。正面側のリンクプレート451はこの孔部を用いて正面側の連結軸部43を介して後述の第1回転体51に取り付けられ、背面側のリンクプレート451はこの孔部を用いて背面側の連結軸部43を介して後述の第2回転体52に取り付けられる。
【0052】
1対のリンク452の上端部は、ピン部453により、リンクプレート451に、連結軸部43の前後両側に位置するように取り付けられる。1対のリンク452の下端部は、ピン部453により、連結プレート44に、平行軸部42の前後両側に位置するように取り付けられる。リンク452の上端部を取り付けるピン部453の中心はX1上にあり、リンク452の下端部を取り付けるピン部453の中心はX2上にある。
【0053】
このように、平行アーム41は、連結軸部43及び平行リンクユニットを介して第1回転体51及び第2回転体52に取り付けることで、連結軸部43からオフセットした位置に配置される。ここでは、平行軸部42の中心が連結軸部43から距離E分ずれたX2上に配置される。これは、平行軸部42の中心がX1から距離E分ずれたX2上へ配置されたとも言える。
【0054】
押付けユニットは、平行リンクユニットの変形を抑制するものである。押付けユニットは、一例として、1対の圧縮バネ454を含んで構成される。押付けユニットは、前後両側から圧縮バネ454の力で、平行リンクユニットの形を保持し、平行アーム41の傾きを補正する。
【0055】
図7に示すように、例えば、チェーン456が伸びて、平行リンクユニットが変形した場合、平行アーム41は自重により水平を保とうとするが、拘束されていないため前後に振られる。そこで、押付けユニットを備え、押付けユニットにより常時、平行リンクユニットの変形を抑制することで、平行アーム41の水平を維持する。より具体的には、(1)前方の沈んだ側の圧縮バネ454が縮んで反力が発生し、後方の浮いた側の圧縮バネ454は伸びて反力が失われる。そうすると、(2)平行リンクユニットが元の形状を維持しようとし、平行アーム41の水平が保たれるようになる。
【0056】
図1に戻って、回転連結部5を説明する。回転連結部5は、反転部3と平行部4を同期して移動させる部分である。回転連結部5は、反転部3及び平行部4に移動するための動力を伝える部分であるとも言える。反転部3及び平行部4は、主軸部11を中心に同間隔となるように回転連結部5に取り付けられる。
【0057】
回転連結部5は、ベアリング等を介して、主軸部11の正面側端部に取付けられる第1回転体51と、背面側端部に取り付けられる第2回転体52とを有する。第1回転体51及び第2回転体52は、駆動部6により駆動され、主軸部11を中心に回転する。第1回転体51及び第2回転体52は、反転部3の数と平行部4の数を合わせた数だけの、中心部から放射状に延びる翼部を有する。
【0058】
図示の場合、第1回転体51及び第2回転体52は、4つの翼部を有して略X字状に形成され、1対の反転部3及び1対の平行部4は、主軸部11を中心に交互に略同間隔(即ち略同角度、例えば90度間隔)に4つの翼部に取り付けられる。反転部3は、反転軸部32により翼部の先端部に取り付けられ、第1回転体51及び第2回転体52の回転に伴って回転移動する。1対の反転部3は互いに連結され、連結部分が主軸部11に挿通されてもよい。平行部4は、連結軸部43により翼部の先端部に回動可能に取り付けられ、第1回転体51及び第2回転体52の回転に伴って主軸部11の周りを姿勢を維持して移動する。
【0059】
図3に示すように、駆動部6は、一例として、減速機付きのモータ61と、モータ61の出力軸に連結されるスプロケット62と、主軸部11に挿通され第1回転体51に連結されるスプロケット63と、スプロケット62、63に巻き掛けられるオートテンショナー付きのチェーン64とを有する。駆動部6は、片側駆動するように構成されてもよいし、図示のように、ドライブシャフトを備えて両側駆動するように構成されてもよい。なお、第1回転体51及び第2回転体52は、主軸部11に回動不能に取り付けられ、駆動部6により主軸部11が回転することで回転する構成でもよい。この場合、上記スプロケット12はベアリング等を介して主軸部11に回動可能に取り付けられる。
【0060】
図1に戻って、その他の構成を説明する。反転装置1は、好ましくは、アームストッパ81を備える。チェーンやベルトを用いる駆動部で駆動し、ブレーキで制御する場合、反転アーム31または平行アーム41が搬入領域及び搬出領域に対応の停止位置に正確に停止しない恐れがある。そのため、アームストッパ81を備えてストッパを前後方向に往復(係止・解放)させることで、反転アーム31及び平行アーム41が正確な位置に停止するようにする。
【0061】
反転装置1は、好ましくは、対象物の位置決めをするための昇降ストッパ82を備える(図4も参照)。昇降ストッパ82は、上昇・下降して、主軸部11側の対象物の端部の位置を決めるものである。昇降ストッパ82は、例えばガイド付きシリンダ装置により上下動する。
【0062】
反転装置1は、好ましくは、回転位置を補正するための検出装置83を備える。チェーンやベルトを用いる駆動部で駆動する場合、チェーンやベルトの伸びにより、停止位置がずれる可能性がある。そのため、検出装置83を備えて、例えば図示例では、1/4回転毎に位置補正を行う。検出装置83には、例えば光電センサが用いられ、読取ラインは例えば図2(符号831)のように配置される。
【0063】
図8図10は実施形態1に係る反転装置の動作例を説明する図である。反転装置1は、図示例では、1/4回転ごとに対象物(不図示)の搬入・搬出を行う。反転装置1は、反転部3及び平行部4の数に応じて停止の間隔を設定し、対象物の搬入・搬出を行うことができる。反転装置1は、搬入領域G1と搬出領域G2が同一平面上にあり、対象物の搬入高さと搬出高さが一致している。
【0064】
図8では、反転装置1は、一方(後方)の反転部3が搬入領域G1に対応の停止位置、他方(前方)の反転部3が搬出領域G2に対応の停止位置にある。この状態では、一方(下方)の平行部4と他方(上方)の平行部4は、それぞれ反転部3と90度(1/4回転)間隔の位置にある。後方の反転部3の第1載置アーム311は搬入領域G1よりやや下方(または同等の位置)にあり、前方の反転部3の第2載置アーム312は搬出領域G2よりやや下方(または同等の位置)にある。前方の反転部3により、対象物はすでに搬出領域G2に送られている(届いている)。この位置で、搬入部21により対象物が搬入され、搬出部22により対象物が搬出される。回転連結部5は、90度ずつ間歇的に駆動される。
【0065】
図9図8の状態から回転連結部5が90度回転した状態である。後方の停止位置にあった反転部3は、主軸部11の周りを移動し、搬入領域G1を通過する際に第1載置アーム311上に対象物を取得して上方の停止位置に到達している。反転アーム31の回転に伴って、対象物は回転し反転しつつある。この位置では、接続部313により対象物を支えている。あるいは、これに加えて第1載置アーム311及び第2載置アーム312の一方または双方も対象物を支えている。なお、この位置を超えると対象物は徐々に主に第2載置アーム312が支えるようになる。前方の停止位置にあった反転部3は、主軸部11の周りを移動して下方の停止位置に到達している。
【0066】
下方の停止位置にあった平行部4は、主軸部11の周りを移動して搬入領域G1に対応の後方の停止位置に到達し、平行アーム41が搬入領域G1よりやや下方(または同等の位置)にある。上方の停止位置にあった平行部4は、主軸部11の周りを移動して搬出領域G2に対応の前方の停止位置に到達し、平行アーム41は搬出領域G2よりやや下方(または同等の位置)にある。前方の平行部4により、対象物はすでに搬出領域G2に送られている(届いている)。この位置で、搬入部21により対象物が搬入され、搬出部22により対象物が搬出される。
【0067】
このように、反転装置1は、90度間隔で対象物の搬入・搬出を行い、90度間隔で搬入される対象物のうちの所定数、ここでは、そのうちの1/2のみを反転させて、対象物の交互反転を行う。
【0068】
図10図9の状態から回転連結部5が90度未満の角度を回転し、反転部3と平行部4が同期して移動している状態である。ここでは、後方の平行部4は、前方の反転部3が搬入領域G1から取得した対象物を反転させながら搬出領域G2まで送る間に、搬入領域G1の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転部3により反転した当該対象物が搬出領域G2から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を搬出領域G2まで送る。
【0069】
本例の反転装置1は、1ラインで交互反転を行うため省スペース化できる。また、1/4回転毎に対象物の搬入・搬出を行って、高速で対象物の交互反転を行うことができる。本例の反転装置1は、低コストの交互反転装置を提供できるだけでなく、ランニングコストも低く抑えることができる。また、対象物の製造に係る他の装置の速度に見合う処理速度を得ることもできる。
【0070】
図11は実施形態1に係る反転装置の反転部及び平行部の移動軌跡を説明するための図である。図示のJ1は反転部3の反転軸部32が主軸部11を中心に回転した軌跡である。図示のJ2は平行部4の平行軸部42が主軸部11を中心に回転した軌跡である。図示のJ1は平行部4の連結軸部43が主軸部11を中心に回転した軌跡でもある。
【0071】
反転装置1は、図示のように、反転部3及び平行部4の軸部が搬入部21の近位部211と遠位部212の間(I1)、及び搬出部22の近位部221と遠位部222の間(I2)を通過している。言い換えれば、反転装置1は、反転部3及び平行部4が、搬入部21及び搬出部22の占有スペース上で対象物を所望の姿勢に調整している。また、反転装置1は、搬送部2の配線や各構成部の配管などを主軸部11の外周に設けたフレームK内部から接続できる。
【0072】
例えば、段ボールシートは、幅が2~3m以上のものも多く、段ボールシートを搬送する機械や印刷機などは大型の装置になるため、工場内は特に省スペース化が望まれている。反転装置1は、1ラインで対象物を交互反転させるだけでなく、反転部3及び平行部4が搬入部21及び搬出部22の占有スペース上で対象物を交互反転させるため、顕著な省スペース効果が得られる。
【0073】
本実施形態の反転装置1は、1対1で交互に反転する構成に限らず、総数のうちの所定数を反転するものであればよい。一例として、2つの反転部と1つの平行部を同間隔に配置して、例えば120度(1/3回転)間隔で搬入される、第1の対象物及び次の第2の対象物を回転移動して反転させ、その次の第3の対象物を平行移動させて、対象物を2対1の割合で交互反転させてもよい。また、高速化するため、このような反転部及び平行部を対となるように構成して、例えば、60度(1/6回転)間隔で対象物の搬入・搬出を行ってもよい。
【0074】
<実施形態1の変形例1>
図17は、実施形態1に係る反転装置の変形例1を説明するための図である。本例の反転装置1は、対象物を全数反転させることもできる。本例の反転装置1は、平行部4が主軸部11の周りを移動する平行アーム41aを有し、駆動部6とは別途に、平行アーム41aを回転させるための補助駆動部9を備える。これにより、平行部4は、搬入領域G1から取得した対象物を反転させながら搬出領域G2まで送ることができる。言い換えれば、本例の反転装置1は、所定間隔で搬入される対象物の一部のみを反転させる必要がある場合は、平行アーム41aを姿勢を維持しながら移動させ、対象物の全数を反転させる必要がある場合は、平行アーム41aを上記反転アーム31のように姿勢を変えながら回転移動させることができる。なお、複数の平行部4を有する場合は、一部の平行部4のみがこのように構成されてもよい。補助駆動部9の構成は、特に限定されないが、以下一例を説明する。
【0075】
補助駆動部9は、一例として、モータ(不図示)と、巻掛け伝動ユニット91とを有する。巻掛け伝動ユニット91は、モータの出力軸に連結される第1スプロケット911と、主軸部11に挿通される第2スプロケット912と、両者に巻き掛けられるチェーン913とを有する。第2スプロケット912には、一例として、図示のように上記スプロケット12が用いられる、またはスプロケット12に連結される。実施形態1と異なり、第2スプロケット912(スプロケット12)は、ベアリング等を介して主軸部11に回動可能に取り付けられる。
【0076】
ここで、第2スプロケット912(スプロケット12)は、補助駆動部9の駆動により主軸部11の周りを回転するか、または補助駆動部9の停止により主軸部11に対して停止状態を維持するか、が選択可能になっている。例えば、駆動部6により回転連結部5が反時計方向に回転する際に、第2スプロケット912(スプロケット12)が反時計方向に回転すると、翼部の先端部(の孔部)に枢支されている連結軸部43が反時計方向に回転し、これに連結されている平行アーム41aが反時計方向に回転する。つまり、平行アーム41aは、連結軸部43を中心に回転しながら主軸部11の周りを反転アーム31と同期して移動することができる。一方、第2スプロケット912(スプロケット12)が停止していると、連結軸部43の回転は停止しており、これに連結されている平行アーム41aの回転も停止している。つまり、平行アーム41aは、姿勢を維持しながら主軸部11の周りを反転アーム31と同期して移動することができる。
【0077】
なお、実施形態1において、第1回転体51及び第2回転体52が、主軸部11に回動不能に取り付けられ、駆動部6により主軸部11が回転することで回転する構成とした場合も、同様に動作する。例えば、駆動部6により主軸部11とともに回転連結部5が反時計方向に回転する際に、第2スプロケット912(スプロケット12)が反時計方向に回転すると、翼部の先端部(の孔部)に枢支されている連結軸部43が反時計方向に回転し、これに連結されている平行アーム41aが反時計方向に回転する。一方、第2スプロケット912(スプロケット12)が停止していると、連結軸部43の回転は停止しており、これに連結されている平行アーム41aの回転も停止している。
【0078】
平行アーム41aは、一例として、相対する第1載置アーム411及び第2載置アーム412と、両者の主軸部11に近位の部分を接続して平行アーム41aの一端(近位端)を閉鎖する接続部413と、を有して正面視略コ字状に構成される。接続部413は、開閉可能に構成され、平行部4が対象物を反転させながら移動させる場合は、接続部413が近位端を閉鎖し、平行部4が対象物を姿勢を維持して移動させる場合は、接続部413が近位端を開放するようになっている。
【0079】
平行アーム41aは、一例として、相対する第1載置アーム411及び第2載置アーム412を有して正面視略二の字状に構成され、第2載置アーム412が第1載置アーム411に接近及び離隔可能になって対象物を挟持可能になっていてもよい。平行部4が対象物を反転させながら移動させる場合は、第2載置アーム412が第1載置アーム411に接近して対象物を挟持し、平行部4が対象物を姿勢を維持して移動させる場合は、第2載置アーム412が第1載置アーム411に接近せず離隔状態にある。
【0080】
平行部4は、一例として、正面視略コ字状の平行アーム41aと、図1の正面視略一の字状の平行アーム41の両方を備えてもよい。平行アーム41aは、接続部413が開閉不能に構成されてもよい。平行部4が対象物を反転させながら移動させる場合は、略コ字状の平行アーム41aを使用し、平行部4が対象物を姿勢を維持して移動させる場合は、略一の字状の平行アーム41を使用する。平行アーム41a及び平行アーム41は、自動的に切り替えられるようになっていてもよいし、人力で交換するようになっていてもよい。
【0081】
<実施形態2>
図12は実施形態2に係る反転装置の一例を示す正面図、図13は一例を示す平面図、図14は一例を示す側面図である。なお、説明の便宜上、図13では反転部の図示が省略され、図14では平行部の図示が省略されている。
【0082】
本実施形態の反転装置1は、搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部11を有し、主軸部11の周りを移動する反転部3と、主軸部11の周りを移動する平行部4と、反転部3と平行部4を同期して移動させるための回転連結部5と、回転連結部5を回転させるための駆動部6を備える。本実施形態の反転装置1は、上記姿勢維持部45の代わりに、姿勢維持部7を備える。本実施形態の反転装置1は、上記実施形態1と同様に、アームストッパ81、昇降ストッパ82及び検出装置83を備えてもよい。本実施形態の反転装置1は、上記実施形態1と同様な効果を奏することができる。以下、主に上記実施形態1と異なる構成について説明する。
【0083】
反転部3は、主軸部11の周りを回転移動する略コ字状の反転アーム31と、反転アーム31が連結され、奥行方向に延びる反転軸部32とを有する。反転アーム31が主軸部11の周りを180度回転移動すると、載せている対象物も180度回転移動して反転する。反転アーム31は、相対する第1載置アーム311及び第2載置アーム312と、両者の主軸部11に近位の部分を閉鎖する接続部313とを有する。反転アーム31は、好ましくは、複数設けられ、第1載置アーム311は第1反転軸部321により連結され、第2載置アーム312は第2反転軸部322により連結される。第1載置アーム311及び第2載置アーム312は、主軸部11の中心(図16に図示のようにX1)からオフセットされて配置される。反転軸部32の正面側端部は、回転連結部5の後述の第1回転体51に取り付けられ、他端部は後述の第2回転体52に取り付けられる。
【0084】
平行部4は、主軸部11の周りを姿勢を維持して移動する平行アーム41と、平行アーム41が連結され、奥行方向に延びる平行軸部42と、回転連結部5に取り付けるための奥行方向に延びる、正面側及び背面側に設けられる1対の連結軸部43と、連結軸部43を介して回転連結部5に取り付けるための、正面側及び背面側に設けられる1対の連結プレート44とを有する。平行アーム41が主軸部11の周りを姿勢を維持して移動すると、載せている対象物も搬入時の姿勢を維持して(元の姿勢で)移動し、反転はしない。平行アーム41は、好ましくは、複数設けられ、平行軸部42により連結される。平行軸部42の正面側端部は、正面側の連結プレート44に取り付けられ、他端部は背面側の連結プレート44に取り付けられる。
【0085】
1対の連結プレート44は、やや縦長で、下端部中央に平行軸部42を挿通させる孔部を有し、上端部中央に連結軸部43を挿通させる孔部を有する。正面側の連結プレート44は上端部中央の孔部を用いて正面側の連結軸部43を介して後述の第1回転体51に取り付けられ、背面側の連結プレート44は同様に背面側の連結軸部43を介して後述の第2回転体52に取り付けられる。このように、平行アーム41は、連結軸部43を介して第1回転体51及び第2回転体52に取り付けられることで、連結軸部43からオフセットした位置に配置される。ここでは、平行軸部42の中心が連結軸部43から距離E分ずれたX2上に配置される。これは、平行軸部42の中心がX1から距離E分ずれたX2上へ配置されたとも言える。
【0086】
回転連結部5は、反転部3と平行部4を同期して移動させる部分である。回転連結部5は、反転部3及び平行部4に移動するための動力を伝える部分であるとも言える。回転連結部5は、ベアリング等を介して、主軸部11の正面側端部に取付けられる第1回転体51と、背面側端部に取り付けられる第2回転体52とを有する。第1回転体51及び第2回転体52は、一例として、中心に孔部を有する円盤状で、駆動部6により駆動され、主軸部11を中心に回転する。
【0087】
第1回転体51及び第2回転体52は、外周近辺の所定幅を有する環状部分である外環部を有する(図12の511を参照)。図示のように、反転装置1が1対の反転部3と1対の平行部4を有する場合、これらは主軸部11を中心に交互に略同間隔(即ち略同角度、例えば90度間隔)に外環部に取り付けられる。より具体的には、反転部3は、反転アーム31が反転軸部32により外環部に取り付けられて、第1回転体51及び第2回転体52の回転に伴って回転移動する。1対の反転部3は互いに連結され、連結部分が主軸部11に挿通されてもよい。平行部4は、平行アーム41が連結軸部43により外環部に取り付けられて、第1回転体51及び第2回転体52の回転に伴って主軸部11の周りを姿勢を維持して移動する。
【0088】
駆動部6は、一例として、減速機付きのモータ61と、モータ61の出力軸に連結されるスプロケット62と、スプロケット62と第1回転体51の外周フレームに巻き掛けられるオートテンショナー付きのチェーン64とを有する(図14を参照)。すなわち、回転連結部5は、ここでは、反転アーム31や平行アーム41、後述のリンクアーム711、721との干渉を回避するため、外周フレームを利用する駆動方式が用いられる。一例として、第1回転体51の外周フレームがスプロケット状に形成され、チェーン駆動方式が用いられる。一例として、第1回転体51の外周フレームにホイールラックやチェーンホイールが設けられ、これと噛み合う特殊歯形のギヤがモータ61の出力軸に連結されて、ピンギヤ駆動方式が用いられてもよい。駆動部6は、片側駆動する構成でもよいし、図示のように、ドライブシャフトを備えて両側駆動する構成でもよい。
【0089】
姿勢維持部7は、平行部4の平行アーム41の姿勢を維持するための部分である。本実施形態では、姿勢維持部7は、1対の平行部4に共通して用いられる第1リンク部71及び第2リンク部72を有する。以下、詳細に説明する。
【0090】
第1リンク部71は、リンクアーム711と、中心軸部712と、1対のリンク713と、1対のリンク軸部714とを有する。中心軸部712は、奥行方向に延びるようにフレーム10に支えられる。中心軸部712は、主軸部11に対して上方(+Y方向)にオフセットされて配置される(図14を参照)。リンクアーム711は、中心部に孔部を有し、この孔部を用いてベアリング等を介して中心軸部712に取り付けられる。
【0091】
リンクアーム711は、第1回転体51の外環部511の相対する両側を跨る長さを有し、両端部に孔部を有する。1対のリンク軸部714は、リンクアーム711の両端部の孔部と1対のリンク713の上端部の孔部を挿通するようにして両者を連結する。1対のリンク713は、下端部の孔部を用いて1対の平行部4の正面側の連結軸部43に取り付けられる。
【0092】
第2リンク部72は、リンクアーム721と、中心軸部722と、1対のリンク723と、1対のリンク軸部724とを有する。中心軸部722は、奥行方向に延びるようにフレーム10に支えられる。中心軸部722は、主軸部11に対して後方(+X方向)にオフセットされて配置される(図13を参照)。リンクアーム721は、中心部に孔部を有し、この孔部を用いてベアリング等を介して中心軸部722に取り付けられる。
【0093】
リンクアーム721は、第2回転体52の外環部の相対する両側を跨る長さを有し、両端部に孔部を有する。1対のリンク軸部724は、リンクアーム721の両端部の孔部と1対のリンク723の上端部の孔部を挿通するようにして両者を連結する。1対のリンク723は、下端部の孔部を用いて相対する1対の平行部4の背面側の連結軸部43に取り付けられる。
【0094】
本実施形態の姿勢維持部7は、チェーン等を含む機構ではなく、回転連結部5とその回転中心からオフセットした位置で回転するリンクアーム711、721を用いるため、前述のチェーンの弛みや、荷重のアンバランスにより、移動時の姿勢が保てない懸念を排除できる。また、第1リンク部71のリンクアーム711と第2リンク部72のリンクアーム721を、互いに位相をずらすことにより、回転連結部5の回転時の死点を回避するとともに、平行アーム41が姿勢を保つためのトルクを確保する。
【0095】
図15及び図16は実施形態2に係る反転装置の動作例を説明する図である。説明の便宜上、ここでは、第2リンク部72は破線で示されている。反転装置1は、1/4回転ごとに対象物(不図示)の搬入・搬出を行う。反転装置1は、搬入領域G1と搬出領域G2が同一平面上にあり、対象物の搬入高さと搬出高さが一致している。
【0096】
(1)では、一方の反転部3は上方の停止位置、他方の反転部3は下方の停止位置にある。一方の平行部4は搬入領域G1に対応の後方の停止位置、他方の平行部4は搬出領域G2に対応の前方の停止位置にある。以下では、現在上方にある反転部3と、現在後方にある平行部4を例に説明する。上方の反転部3は、すでに搬入領域から対象物を取得しているものとする。回転連結部5は、90度ずつ間歇的に駆動される。
【0097】
この位置で、搬入部21により対象物が搬入され、搬出部22により対象物が搬出される。次いで、回転連結部5が90度回転する。
【0098】
(2)は(1)の状態から回転連結部5が90度未満の角度を回転し、反転部3と平行部4が同期して移動している状態である。後方にあった平行部4は、主軸部11の周りを姿勢を維持して移動し、後方の停止位置を離れ、搬入領域G1を通過する際に対象物を取得して、搬出領域G2へ向かっている。上方にあった反転部3は、搬出領域G2へ向かっている。
【0099】
(3)は(1)の状態から回転連結部5が90度回転後停止した状態である。上方にあった反転部3は前方の停止位置にあり、搬入領域G1から第1載置アーム311上に取得した対象物は、反転して第2載置アーム312上に載るようになった後、搬出領域G2に届けられている。後方にあった平行部4は、上方の停止位置に到達している。この位置で、搬入部21により対象物が搬入され、搬出部22により対象物が搬出される。次いで、回転連結部5が90度回転する。
【0100】
(4)は(3)状態から回転連結部5が90度未満の角度を回転し、反転部3と平行部4が同期して移動している状態である。上方にあった反転部3は、前方の停止位置を離れている。後方にあった平行部4は、対象物を元の姿勢で保持して搬出領域G2へ向かっている。
【0101】
このように、後方の平行部4は、上方の反転部3が搬入領域G1から取得した対象物を反転させながら搬出領域G2まで送る間に、搬入領域G1の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転部3により反転した当該対象物が搬出領域G2から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を搬出領域G2まで送る。
【0102】
本実施形態の反転装置1は、上記実施形態1と同様に、1ラインで省スペース化でき、さらに、1/4回転毎に対象物の搬入・搬出を行って、高速で対象物の交互反転を行うことができる。また、リンクアーム711、721を用いる構成とすることで、より安定して、平行アーム41を姿勢を維持して移動させることができる。
【0103】
なお、実施形態2の第1回転体51及び第2回転体52は、円盤状ではなく、実施形態1のような形状やその他の形状に形成され、主軸部11に装着されたスプロケット等の回転体を駆動させることで回転する構成でもよい。以下、一例を具体的に説明する。
【0104】
<実施形態2の変形例1>
図18は、実施形態2に係る反転装置の変形例1を説明するための図である。本例の駆動部6は、減速機付きのモータ61と、モータ61の出力軸に連結される第1スプロケットと、主軸部11に挿通され第1回転体51に連結される第2スプロケットと、両スプロケットに巻き掛けられるオートテンショナー付きのチェーン64とを有する(第1スプロケット及び第2スプロケットについては図3のスプロケット62、63を参照)。駆動部6は、片側駆動するように構成されてもよいし、ドライブシャフトを備えて両側駆動するように構成されてもよい。
【0105】
本例の反転装置1は、第1回転体51の外周フレームにチェーン64を巻き掛ける代わりに、第1回転体51と連結する小さな第2スプロケットにチェーン64を巻き掛けて駆動することで、製造コストやランニングコストを削減することができる。
【0106】
駆動部6をこのように構成する場合、第1回転体51及び第2回転体52は、図示のように円盤状に形成してもよいし、図示しないが円盤状以外の形状に形成して製造コストを削減してもよい。例えば、上記実施形態1のように翼部が放射状に延出するような形状や多角形などに形成されてもよい。
【0107】
以上、本発明に係る反転装置の実施形態について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0108】
また、本発明は、反転装置に限らず、反転方法、反転装置の制御プログラムなどの様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0109】
1…反転装置、10…フレーム、11…主軸部、2…搬送部、21…搬入部、22…搬出部、3…反転部、31…反転アーム、32…反転軸部、4…平行部、41…平行アーム、42…平行軸部、43…連結軸部、44…連結プレート、45…姿勢維持部、5…回転連結部、51…第1回転体、52…第2回転体、6…駆動部、7…姿勢維持部、71…第1リンク部、711…リンクアーム、72…第2リンク部、721…リンクアーム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-03-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、
前記主軸部の周りを移動する反転部と、
前記主軸部の周りを移動する平行部と、
前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、
前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、
前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、同じ向き且つ反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項2】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記反転部は、前記主軸部の周りを回転移動する略コ字状の反転アームを有し、
前記反転アームは、第1載置アームと、前記第1載置アームと相対する第2載置アームと、前記第1載置アームと前記第2載置アームの前記主軸部に近位の部分を接続する接続部とを有する
ことを特徴とする反転装置。
【請求項3】
請求項に記載の反転装置であって、
前記反転部は、前記主軸部の周りを回転移動する略コ字状の反転アームを有し、
前記反転アームは、第1載置アームと、前記第1載置アームと相対する第2載置アームを有し、
前記第2載置アームは、前記第1載置アームに接近または離隔することができる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項4】
搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、
前記主軸部の周りを移動する反転部と、
前記主軸部の周りを移動する平行部と、
前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、
前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、
前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができ、
前記平行部は、前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームと、
前記平行アームが連結され、奥行方向に延びる平行軸部と、
前記回転連結部に取り付けるための奥行方向に延びる1対の連結軸部と、
前記回転連結部に取り付けるための1対の連結プレートと、
前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を有し、
前記平行軸部の中心は、前記連結軸部の中心からオフセットされており、
前記搬入領域と前記搬出領域は、同一平面上にある
ことを特徴とする反転装置。
【請求項5】
請求項1に記載の反転装置であって、
対となる前記反転部と、対となる前記平行部を有し、
前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項6】
請求項5に記載の反転装置であって、
前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に略同角度で交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項7】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記平行部は、前記主軸部の周りを移動する平行アームを有し、
前記反転装置は、前記平行アームを回転させるための補助駆動部を備え、
前記平行部は、前記搬入領域から取得した対象物を反転させながら前記搬出領域まで送ることができる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項8】
搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、
前記主軸部の周りを移動する反転部と、
前記主軸部の周りを移動する平行部と、
前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、
前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、
前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができ、
前記主軸部の周りを回転移動する反転アームを有する1対の前記反転部と、
前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームを有する1対の前記平行部と、
前記反転部及び前記平行部が前記主軸部を中心に交互に配置されるように取り付けられる前記回転連結部と、
前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を備え、
前記姿勢維持部は、1対の前記平行部に共通して用いられる第1リンク部及び第2リンク部を有し、
前記第1リンク部のリンクアームと前記第2リンク部のリンクアームは、互いに位相をずらしてある
ことを特徴とする反転装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートまたは組立前の段ボール箱を対象物として搬送し、搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、
前記主軸部の周りを移動する反転部と、
前記主軸部の周りを移動する平行部と、
前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、
前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、
前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、同じ向き且つ反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送
とを特徴とする反転装置。
【請求項2】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記反転部は、前記主軸部の周りを回転移動する略コ字状の反転アームを有し、
前記反転アームは、第1載置アームと、前記第1載置アームと相対する第2載置アームと、前記第1載置アームと前記第2載置アームの前記主軸部に近位の部分を接続する接続部とを有する
ことを特徴とする反転装置。
【請求項3】
請求項1に記載の反転装置であって、
前記反転部は、前記主軸部の周りを回転移動する略コ字状の反転アームを有し、
前記反転アームは、第1載置アームと、前記第1載置アームと相対する第2載置アームを有し、
前記第2載置アームは、前記第1載置アームに接近または離隔することができる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項4】
搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、
前記主軸部の周りを移動する反転部と、
前記主軸部の周りを移動する平行部と、
前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、
前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、
前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができ、
前記平行部は、前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームと、
前記平行アームが連結され、奥行方向に延びる平行軸部と、
前記回転連結部に取り付けるための奥行方向に延びる1対の連結軸部と、
前記回転連結部に取り付けるための1対の連結プレートと、
前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を有し、
前記平行軸部の中心は、前記連結軸部の中心からオフセットされており、
前記搬入領域と前記搬出領域は、同一平面上にある
ことを特徴とする反転装置。
【請求項5】
請求項1に記載の反転装置であって、
対となる前記反転部と、対となる前記平行部を有し、
前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項6】
請求項5に記載の反転装置であって、
前記反転部及び前記平行部は、前記主軸部を中心に略同角度で交互に配置されるように、前記回転連結部に取り付けられる
ことを特徴とする反転装置。
【請求項7】
搬送方向と垂直な奥行方向に延びる主軸部を有する反転装置であって、
前記主軸部の周りを移動する反転部と、
前記主軸部の周りを移動する平行部と、
前記反転部と前記平行部を同期して移動させるための回転連結部と、
前記回転連結部を回転させるための駆動部と、を備え、
前記平行部は、前記反転部が搬入領域から取得した対象物を反転させながら搬出領域まで送る間に、前記搬入領域の次の対象物を取得して姿勢を維持して移動させ、反転した当該対象物が前記搬出領域から搬出された後に、反転していない当該次の対象物を前記搬出領域まで送ることができ、
前記主軸部の周りを回転移動する反転アームを有する1対の前記反転部と、
前記主軸部の周りを姿勢を維持して移動する平行アームを有する1対の前記平行部と、
前記反転部及び前記平行部が前記主軸部を中心に交互に配置されるように取り付けられる前記回転連結部と、
前記平行アームの姿勢を維持するための姿勢維持部と、を備え、
前記姿勢維持部は、1対の前記平行部に共通して用いられる第1リンク部及び第2リンク部を有し、
前記第1リンク部のリンクアームと前記第2リンク部のリンクアームは、互いに位相をずらしてある
ことを特徴とする反転装置。