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特開2024-70534サイトグラス、測定装置および測定システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070534
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】サイトグラス、測定装置および測定システム
(51)【国際特許分類】
   G06M 7/00 20060101AFI20240516BHJP
   A01K 61/95 20170101ALI20240516BHJP
【FI】
G06M7/00 301B
A01K61/95
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181088
(22)【出願日】2022-11-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003274
【氏名又は名称】マルハニチロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】中野 達也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】小西 恭介
(72)【発明者】
【氏名】牧 陽一
(72)【発明者】
【氏名】椎名 康彦
(72)【発明者】
【氏名】岡 哲生
(72)【発明者】
【氏名】関 昭生
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104GA01
(57)【要約】
【課題】対象物にかかる負荷を低減しつつ、対象物の正確な状態を迅速に測定する。
【解決手段】 流路の上流側と接続される第1の開口部1161と、第1の開口部1161の流路方向の下流側に形成され、第1の開口部1161よりも扁平に形成された第1の連結口1162とを有する第1の接続部116と、内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、第1の面に対向して設けられ、第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、第1の連結口1162に接続される、筒状に形成された本体部115と、流路の下流側と接続される第2の開口部1171と、第2の開口部1171の流路方向の上流側に形成され、第2の開口部1171よりも扁平な本体部115の下流側に接続される第2の連結口1172を有する第2の接続部117とを有する。
【選択図】図3(a)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成され、前記第1の開口部よりも扁平に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、
内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、
前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記第2の開口部よりも扁平な前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、
を有するサイトグラス。
【請求項2】
請求項1に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の面から前記第2の面までの前記間隔は、前記流路を移送される対象物の移送時における前記第1の面と前記第2の面との重なり方向の最大長の2倍以下であるサイトグラス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の連結口の開口は、前記前記第1の面と前記第2の面との重なり方向において、前記第1の開口部の開口よりも扁平に形成され、前記流路方向および前記第1の面と前記第2の面との重なり方向と直交する方向において、前記第1の開口部の開口よりも幅広に形成されるサイトグラス。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の連結口の前記流路方向および前記第1の面と前記第2の面との重なり方向と直交する方向の長さが、前記第1の開口部の開口径の3倍以下に形成されるサイトグラス。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のサイトグラスにおいて、
前記第2の面は、透明の板状部材から構成されるサイトグラス。
【請求項6】
流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成され、前記第1の開口部よりも扁平に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記第2の開口部よりも扁平な前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、を有するサイトグラスと、
前記サイトグラスを含む前記流路内を液体とともに移送される対象物を、前記サイトグラスの前記第1の面と前記第2の面との重なり方向の前記第1の面側または前記第2の面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から、前記対象物を解析する画像解析部と、
を具備する測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の測定装置と、
前記流路のうち、前記サイトグラスまでに前記液体が移送される第1の流路と、
前記流路のうち、前記サイトグラスから前記液体が移送される第2の流路と、
前記対象物が含まれた前記液体を前記流路上に接続された前記測定装置を経由して移送するポンプと、
を有する測定システム。
【請求項8】
請求項7に記載の測定システムにおいて、
前記サイトグラスと前記第1の流路と前記第2の流路とは、前記液体が外気に触れない構造を持つ測定システム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の測定システムにおいて、
前記対象物は、魚介類である測定システム。
【請求項10】
請求項7または請求項8に記載の測定システムにおいて、
前記画像解析部は、前記対象物の数を測定する測定システム。
【請求項11】
請求項7または請求項8に記載の測定システムにおいて、
前記画像解析部は、前記対象物の形状を解析する測定システム。
【請求項12】
対象物を液体とともに容器からポンプを用いて吸い上げ、前記ポンプを用いて吸い上げられた液体の流路の中途に配置され、前記対象物の移送を前記流路の外側から撮像可能な面、および、前記対象物が互いに撮像方向において重なることなく移送される流路を備えるサイトグラスへ前記対象物を移送する第1ステップと、
前記サイトグラス内を移動する前記対象物を前記サイトグラスの外部に配置された前記サイトグラス内を撮像可能な撮像部が撮像する第2ステップと、
前記撮像部が撮像した前記対象物の画像を、有線または無線を介して前記撮像部と接続された画像解析部へ出力する第3ステップと、
前記撮像部から出力されてきた前記画像から前記対象物を前記画像解析部が検出する第4ステップと、
前記画像解析部が検出した前記対象物のデータを出力する第5ステップと、
を行う対象物検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイトグラス、測定装置、測定システムおよび対象物検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
魚の数を計測するために、傾斜した流路を設け、その流路に魚を流してカメラが撮像し、撮像した画像データに基づいて魚の数を画像解析部が計測する装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、工場等においては、液体を送り出す配管の所定の位置に、配管内の流体の状態を配管の外部から確認する目的で、配管の一部に窓を設けた構成が知られている。この窓はサイトグラスとも呼ばれる。一般的には、設置される配管形状に合わせた透過性の窓が配管の一部に設けられ、配管内を移動する液体物を配管の外部から目視可能に構成されている。最近では、サイトグラスの窓を撮像することで、配管内の状態を作業者が容易に把握する方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5049421号
【特許文献2】特開2004-136153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたような技術においては、流路の上面には蓋がなされておらず、流路が開放されているため、撮像のタイミングによっては、流路上で複数の魚が重なってしまい、魚の正確な数を計測することが困難となってしまうことがある。また、傾斜した流路に重力を用いて魚を流すことで、魚の体表が流路の側面や底面と擦れることにより魚の体を傷つけてしまうるおそれがある。また、重力を用いた搬送であるため、迅速な処理を行うことが困難である。
【0006】
また、特許文献2に記載されたような従来のサイトグラスは、配管形状に合わせて内部を視認可能に構成されているため、配管内で状態が均一である液体の状態を確認するうえでは問題がない。しかしながら、例えば、配管内で液体中に個体が分散されているような流体中の個体の分散状態等を確認する場合には、サイトグラスの外部から見て奥行き方向における対象個体の重なりにより、対象個体の状態を正確に測定することが困難となる。そのため、従来のサイトグラスを用いて対象物を液体中に流して対象物の状態の測定を行ったとしても、深度方向に複数の対象物が重なる可能性が高く、対象物の正確な状態、特に正確な数を測定することが困難である。
【0007】
このように、従来の技術を用いた場合、対象物の正確な状態を迅速に測定することができないという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、対象物にかかる負荷を低減しつつ、対象物の正確な状態を迅速に測定することができるサイトグラス、測定装置、測定システムおよび対象物検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のサイトグラスは、
流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成され、前記第1の開口部よりも扁平に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、
内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、
前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記第2の開口部よりも扁平な前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、
を有する。
【0010】
また、本発明の測定装置は、
流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成され、前記第1の開口部よりも扁平に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記第2の開口部よりも扁平な前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、を有するサイトグラスと、
前記サイトグラスを含む前記流路内を液体とともに移送される対象物を、前記サイトグラスの前記第1の面と前記第2の面との重なり方向の前記第1の面側または前記第2の面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から、前記対象物を解析する画像解析部とを具備する。
【0011】
また、本発明の測定システムは、
流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成され、前記第1の開口部よりも扁平に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記第2の開口部よりも扁平な前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、を有するサイトグラスと、
前記サイトグラスを含む前記流路内を液体とともに移送される対象物を、前記サイトグラスの前記第1の面と前記第2の面との重なり方向の前記第1の面側または前記第2の面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から、前記対象物を解析する画像解析部とを具備する測定装置と、
前記流路のうち、前記サイトグラスまでに前記液体が移送される第1の流路と、
前記流路のうち、前記サイトグラスから前記液体が移送される第2の流路と、
前記対象物が含まれた前記液体を前記流路上に接続された前記測定装置を経由して移送するポンプと、
を有する。
【0012】
また、本発明の対象物検出方法は、
対象物を液体とともに容器からポンプを用いて吸い上げ、前記ポンプを用いて吸い上げられた液体の流路の中途に配置され、前記対象物の移送を前記流路の外側から撮像可能な面、および、前記対象物が互いに撮像方向において重なることなく移送される流路を備えるサイトグラスへ前記対象物を移送する第1ステップと、
前記サイトグラス内を移動する前記対象物を前記サイトグラスの外部に配置された前記サイトグラス内を撮像可能な撮像部が撮像する第2ステップと、
前記撮像部が撮像した前記対象物の画像を、有線または無線を介して前記撮像部と接続された画像解析部へ出力する第3ステップと、
前記撮像部から出力されてきた前記画像から前記対象物を前記画像解析部が検出する第4ステップと、
前記画像解析部が検出した前記対象物のデータを出力する第5ステップと、
を行う。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、対象物にかかる負荷を低減しつつ、対象物の正確な状態を迅速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の測定システムの第1の実施の形態を示す図である。
図2図1に示した測定システムに具備された測定装置の構成要素およびその位置関係の一例を示す図である。
図3(a)】図2に示したサイトグラスを撮像部の方向から見た図である。
図3(b)】図3(a)に示したサイトグラスのB-Bにおける断面図である。
図4(a)】流路と接続されたサイトグラスを側面から見た図である。
図4(b)】図4(a)に示したサイトグラスをAの方向から見た図である。
図5(a)】流路と接続されたサイトグラスを側面から見た図である。
図5(b)】図5(a)に示したサイトグラスをAの方向から見た図である。
図6図1に示した測定装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7】本発明の測定システムの第2の実施の形態における測定装置に具備された構成要素およびその位置関係の一例を示す図である。
図8】本発明の測定システムの第3の実施の形態における測定装置に具備された構成要素およびその位置関係の一例を示す図である。
図9(a)】流路と接続されたサイトグラスを側面から見た図である。
図9(b)】図9(a)に示したサイトグラスをAの方向から見た図である。
図10】本発明の測定システムの第4の実施の形態におけるサイトグラスの形状の一例を示す図である。
図11】本発明の測定システムの第5の実施の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0016】
図1は、本発明の測定システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態における測定システム10は、図1に示すように、測定装置100と、ポンプ200とを有する。測定装置100とポンプ200とは、流体的に接続される。測定装置100は、上流側に設けられる流路500を経由して、例えば、水槽等の容器300と流体的に繋げられている。ポンプ200は、測定装置100の下流側に設けられる流路600の一部に配置され、容器300に収容された液体を排出可能に構成されている。なお、本実施形態においては、ポンプ200は流路600に配置されているが、ポンプ200は、流路500側に設けられていても良い。
【0017】
容器300は、稚魚等の対象物が含まれた液体を貯留可能に構成される。容器300は、例えば、いわゆる水槽や生簀、または、貯留用のタンクである。容器300の大きさや形状は特に規定しない。
【0018】
ポンプ200は、測定システム10の流路上に設けられ、容器300内に貯留されている液体および対象物を移送可能に構成される。ポンプ200は、対象物が含まれた液体を容器300から測定装置100を経由して生簀や水槽、または、別の処理工程等へ移送する。具体的には、ポンプ200は、容器300から対象物が含まれた液体を吸い込み、流路500を経由して、液体を含む対象物を測定装置100へ移送する。また、ポンプ200は、測定装置100を通過した対象物が含まれた液体を、流路600を経由して生簀や水槽、または、別の処理工程等へ移送する。流路500および流路600は、それぞれ内部に流れる液体が外気に触れない構造を持つ流路である。ポンプ200は、対象物を傷つけることなく移送することが可能な液体の吸い込みおよび吐き出し機能を具備するものであれば、特に規定しない。ポンプ200は、液体の吸い込みおよび吐き出しの速度や、液体の流速、流量を調整できるものでも良い。
【0019】
測定装置100は、ポンプ200を用いて容器300から吸い上げられて流路500から流入した液体の中の対象物を判定する。ここでの判定は、対象物の数の測定や、対象物の形状、長さ、面積等の測定、さらに測定結果を用いた対象物の状態の判定を意味する。さらに、この判定には、液体中の対象物の存在状態が疎であるか密であるかの判定も含まれる。
【0020】
図2は、図1に示した測定システムに具備された測定装置の構成要素およびその位置関係の一例を示す図である。図2に示すように、図1に示した測定装置100は、サイトグラス110と、撮像部120と、画像解析部130とを有する。なお、図2には、図1に示した測定装置100が具備する構成要素のうち、主要な構成要素のみを示した。
【0021】
サイトグラス110は、対象物の移送方向の長さおよび移送方向と直交する方向の長さよりも厚みが小さな扁平型のサイトグラス110の外面のうち、厚み方向と直交する面を上下の面として配置されている。サイトグラス110は、対象物を含む液体が移送される配管等の中途に配置される。サイトグラス110は、撮像部120によりサイトグラス110内を移動する液体および対象物が撮像可能にその一部が透明に構成される。サイトグラス110の流路の一部は、液体中の対象物が撮像方向において重ならず、対象物が撮像範囲において分散可能な領域を備える。言い換えれば、サイトグラス110は、流路500および流路600と流体的に接続され、撮像方向において、内部を流れる液体中の対象物を検出可能な透過面と、流路500から流入した対象物を、流入側において、重なりなく流路方向と直交する方向に分散させ、排出側において収束させて、流路600へ排出可能に構成される。
【0022】
図3は、図2に示したサイトグラス110の形状の一例を示す図である。図3(a)は、図2に示したサイトグラス110撮像部120の方向から見た図である。本実施形態においては、図3(a)に示すように、サイトグラス110は、第1の接続部116と、本体部115と、第2の接続部117とを備える。
【0023】
第1の接続部116は、測定システム10の流路500に流体的に接続される第1の開口部1161と、上面視(図3(a))において第1の開口部1161よりも幅広に構成され、側面視(図3(a)における第3の面113または第4の面114の方向)において幅狭に構成され、本体部115の一端側と流体的に接続される第1の連結口1162とを有する。これにより、流路500からの液体および対象物が本体部115へ流れる。第2の接続部117は、測定システム10の流路600に流体的に接続される第2の開口部1171と、上面視(図3(a))において第2の開口部1171よりも幅広に構成され、側面視(図3(a)における第3の面113または第4の面114の方向)において幅狭に構成され、本体部115の他端側と流体的に接続される第2の連結口1172とを有する。これにより、本体部115からの液体および対象物が流路600へ流れる。
【0024】
本体部115は、その一端を第1の接続部116の第1の連結口1162と、他端を第2の接続部117の第2の連結口1172と流体的に接続される。本体部115は、内部の流路を撮像可能に構成された板状の第1の面111の部材と、第1の面111に所定の間隔を空けて対向して設けられる板状の第2の面112(図3(b)に図示)の部材と、第1の面111および第2の面112の流路方向に沿って互いに対向して設けられ、第1の面111および第2の面112の流路方向に沿った辺と接続される第3の面113および第4の面114の部材により構成される。本体部115は、側面視において、扁平形状であって、角形の筒状に構成される。本体部115の撮像部120と対向する面であって、撮像部120側の面、例えば、第1の面111は、本体部115の内部を移動する液体および対象物を撮像可能に構成される。具体的には第1の面111は、透明の素材により形成され、アクリル板、ガラス板、ポリカ板等により構成される。第2の面112についても透明の素材により形成されても良い。この素材は、液体および対象物を撮像可能であれば、上記記載の素材に限定されない。なお、本実施形態においては、本体部115は、角形の筒状であって、撮像部120と対向する面および対象物に合わせて扁平に形成されているが、本形状に限定されない。第1の面111および第2の面112は、方形、具体的には、長方形に形成される。本体部115は、液体内の対象物が十分に分散され、目的とする撮像が可能に構成されていれば、第1の面111および第2の面112や、第3の面113および第4の面114の形状は、所定の曲面形状等であっても良い。また、本体部115の液体の移送方向と直交する方向の幅、第1の面111と第2の面112との間の間隔は、流れる液体の粘度、対象物の大きさや液体内での対象物の動きに応じて適宜調整可能に構成される。例えば、第1の面111の形状は、図3(a)に示したものに限らず、例えば、第1の面111における第3の面113側の辺や第4の面114側の辺が曲線となるものでも良い(第4の実施の形態で例示する)。
【0025】
第1の接続部116の流路500と接続される第1の開口部1161および第2の接続部117の流路600と接続される第2の開口部1171の形状は、特に限定しないが、流路500および流路600それぞれの形状に応じた形状が好ましい。例えば、流路500の形状がホース等の筒状である場合、第1の接続部116の流路500と接続される開口部分の形状は、筒状が好ましい。この場合、断面の円形の開口部分の開口径(図3(a)に示したD)に対する、本体部115の内部の幅(第1の接続部116と接続する部分における第1の面111の液体が移送される方向と直交する方向の内部の長さ:図3(a)に示したW)の比率は、約3倍以下である。第1の接続部116の流路500と接続される開口部分から、本体部115と接続される部分までの形状は特に限定しない。例えば、第1の接続部116の流路500と接続される開口部分の断面の形状が円形であり、本体部115と接続される部分の断面の形状が方形である場合、第1の接続部116の断面の形状が流路500と接続される開口部分から本体部115と接続される部分にかけて、円形から方形へ徐々に変化していく形状でも良い。第2の接続部117においても同様である。
【0026】
図2に示すように、撮像部120は、サイトグラス110の上面の上方に配置されている。撮像部120は、サイトグラス110の第1の面111を撮像できる位置に配置されている。つまり、撮像部120は、撮像部120がサイトグラス110内を移送される対象物を撮像可能な位置に配置されている。撮像部120は、サイトグラス110内に移送される液体および対象物を撮像可能に構成される。図2に示すように、本実施形態においては、撮像部120は、本体部115の第1の面111側からサイトグラス110内を移送される液体および対象物を撮像可能に構成される。撮像部120は、サイトグラス110内を移送される液体および対象物を撮影、検出、することが可能であれば、特に限定されない。例えば、撮像部120は、単眼のカメラであっても良いし、ステレオカメラのような複眼のカメラであっても良い。撮像部120は、サーマルカメラや、赤外線カメラであっても良い。撮像部120は、所定のタイミングで撮像するカメラ等の画像センサでも良い。撮像部120がカメラである場合、撮像部120はあらかじめ設定された時間間隔以下の時間間隔で撮像するカメラ(例えば、動画撮像用カメラ)でも良い。また、撮像部120は、撮像した画像データを画像解析部130へ出力する構成を備える。撮像部120と画像解析部130とが通信可能に接続されている。つまり、撮像部120が撮像した画像データを画像解析部130へ出力するため、撮像部120から出力された画像データを画像解析部130が取得できるように接続されている。この接続は、有線を用いた接続でも良いし、無線を用いた接続でも良いし、有線と無線との双方を用いた接続でも良い。なお、図2における図示では、図1に示した測定装置100が具備する各構成要素のサイズについては考慮していない。なお、撮像部120と画像解析部130とが、1つの装置内に具備されていても良いし、互いに異なる装置内に具備されていても良い。
【0027】
画像解析部130は、撮像部120から出力されてきた画像データを解析する。具体的には、画像解析部130は、撮像部120から出力されてきた画像データの中から対象物を検出する。画像解析部130の画像検出手段については、対象物を液体内から効率的に検出することができるものであれば、特に限定されない。本実施形態においては、画像解析部130は、画像データから特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて対象物を検出しても良い。ここで、画像解析部130は、対象物についてあらかじめ設定された教師データを用いて機械学習を行なって学習モデルを生成し、生成した学習モデルを用いて対象物を検出しても良い。画像解析部130は、検出した対象物の数の測定や、対象物の形状、長さ、面積等の状態の測定を行う。なお、画像解析部130における対象物の検出と、対象物についての測定とを、それぞれ別個の装置が行うものでも良い。また、画像解析部130として、一般的なPC(Personal Computer)等の情報処理装置が用いられても良い。
【0028】
画像解析部130が対象物の数を測定する場合、画像解析部130が行うカウント方法は、例えば、画像解析部130は撮像部120から出力されてきた画像データに含まれる対象物をマーキングしてカウントしていく方法や、画像データ中の対象物の移動方向の所定の位置に設定された基準位置を越えた数をカウントしていく方法等でも良く、そのカウント方法は特に規定しない。また、画像解析部130が対象物のサイズを測定する場合、画像解析部130が行う測定方法は、例えば、あらかじめ設定された対象物の形状に基づいて、対象物の向きを判定し、判定した向きとスケールとに基づいて、サイズを測定する方法でも良く、その測定方法は特に規定しない。また、画像解析部130が対象物の形状を判定する場合、画像解析部130が行う判定方法は、例えば、あらかじめ設定された対象物の形状に基づいて、対象物の形状が正常な形状であるかどうかを判定する方法や機械学習によって生成された学習モデルを用いて判定する方法でも良く、その測定方法は特に規定しない。
【0029】
画像解析部130は、解析した結果を出力する。画像解析部130の出力方法は、例えば、ディスプレイ等への表示や、音声出力、印刷、他の装置への送信でも良く、ここでは特に規定しない。他の装置への送信は、無線を介したものでも良いし、有線を介したものでも良い。また、画像解析部130からの出力タイミングは、出力を外部から要求された時のタイミングでも良いし、あらかじめ設定されたタイミングや、周期的なタイミングでも良く、特に規定しない。
【0030】
図3(b)は、図3(a)に示したサイトグラス110のB-Bにおける断面図である。ここで、第1の面111を構成する部材の内側の面と、第2の面112を構成する部材の内側の面との間の距離Tは、移送時における対象物の最大の高さの2倍以下である。また、距離Tは、第1の接続部116の流路500と接続される開口部分の開口径Dよりも短い(小さい)ことが好ましい。対象物の高さとは、対象物が液体と共に流れる場合の、対象物の第1の面111側の端部から第2の面112側の端部までの長さである。例えば、対象物が魚である場合、この高さは魚の体高でも良いし、背鰭の上端から腹鰭の下端までの長さでも良い。また、対象物が球形のものである場合、この高さは対象物の直径である。対象物が、魚以外のものや、その形状が球形ではないものである場合、その対象物の重心や流れる液体から受ける抵抗との関係等に基づいて、その高さが算出されても良い。これにより、撮像部120が対象物を撮像する方向に複数の対象物が互いに重なることを防ぐことができる。つまり、撮像の深度方向に複数の対象物が互いに重なってしまうという問題点を解決することができる。なお、第1の接続部116の本体部115との接続部分の内部の高さが、第1の面111の内側と第2の面112の内側との間の長さTよりも長くても良い。なお、本実施形態に関する実験は、主として、D:W:Tの比が、3.175:10:1となる条件で行った。D:W:Tのおおよその比が、3:10:1であれば、本発明の効果を発揮する。また、第1の連結口1162および第2の連結口1172それぞれにおける第1の面111と第2の面112との重なり方向の開口の高さは、第1の開口部1161および第2の開口部1171それぞれにおける第1の面111と第2の面112との重なり方向の開口の高さよりも低いサイトグラス110を用いた。
【0031】
図4は、流路500および流路600と接続されたサイトグラス110の内部を水と共に対象物が流れる様子の一例を示す図である。図4に示した例では、対象物が稚魚である。図4(a)は、流路500および流路600と接続されたサイトグラス110を側面から見た図である。図4(b)は、図4(a)に示したサイトグラス110をAの方向から見た図である。図4に示すように、サイトグラス110の開口した一端とその一端と対向する他端とのそれぞれに、流路500および流路600それぞれを取り付ける。流路500および流路600それぞれは、例えば、筒状のいわゆるホース形状のものを用いることができる。流路500および流路600を第1の接続部116および第2の接続部117にそれぞれ取り付ける際に、例えば、ゴム製のパッキン等を用いて取り付け部分から外気が入り込まないようにしても良い。これにより、ポンプ200を駆動させたときに稚魚が含まれる水が流れる経路に空気が混入することを避けることができる。ポンプ200を駆動させると、稚魚は水と共に流路500からサイトグラス110へ移送され、サイトグラス110から流路600へ移送される。図3(b)に示すように、サイトグラス110内では、第1の面111を構成する部材の内側の面と第2の面112を構成する部材の内側の面との間の距離Tが、図4(a)に示すように、稚魚の体高の2倍以下になるように形成されているため、複数の稚魚が移送方向に直交する距離Tの方向に互いに重なることがない。そのため、図4(b)に示すように、撮像部120は、互いに重なる稚魚が含まれることはなく、十分に分散されて移送されていく稚魚の様子の画像を撮像することができる。このため、画像解析部130は、サイトグラス110を移送される稚魚の数を正確に計数することができる。また、サイトグラス110のサイズや形状にもよるが、サイトグラス110の四隅に滞留が発生する(稚魚が固まる)ケースが考えられる。その場合、ポンプ200を制御して、流路500,600およびサイトグラス110に流れる水の流速を調整するか、サイトグラス110の幅(図3(a)における第3の面113と第4の面114との間の距離W)を調整する。また、対象物に応じて、サイトグラス110の高さ(図3(b)における第1の面111と第2の面112との間の距離)を調整する。
【0032】
図5は、流路500および流路600と接続されたサイトグラス110の内部を水と共に対象物が流れる様子の他の例を示す図である。図5に示した例では、対象物がみかんのふさである。図5(a)は、流路500および流路600と接続されたサイトグラス110を側面から見た図である。図5(b)は、図5(a)に示したサイトグラス110をAの方向から見た図である。図5(a)および図5(b)に示すように、対象物としてみかんのふさを移送した場合、みかん個々の個体として存在する状態で薄皮を除いて他のふさと接触する2つの面(以下、ふさ側面と称する)が、第1の面111または第2の面112と対向する向きとなるように移送される。第1の面111の流路側の面から第2の面112の流路側の面までの距離が2つのふさ側面の互いの間の長さの2倍以下である。
【0033】
以下に、図1に示した測定装置100における処理について説明する。図6は、図1に示した測定装置100における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0034】
まず、図1に示すように、ポンプ200を駆動させて、容器300に貯留されている稚魚が含まれる水を吸い上げて、流路500を経由して測定装置100のサイトグラス110へ供給する。その後、撮像部120は、サイトグラス110の内部の稚魚を撮像する(ステップS1)。ポンプ200の駆動および撮像部120への撮像の指示(制御)は、これらと接続された制御装置(不図示)が行っても良い。撮像部120は撮像した画像データを画像解析部130へ出力する。すると、画像解析部130は、撮像部120から出力されてきた画像データを解析する(ステップS2)。解析の結果、画像解析部130は画像データから稚魚を検出する(ステップS3)。続いて、画像解析部130は検出した稚魚の数をカウントする(ステップS4)。画像解析部130は、カウント値を出力する(ステップS5)。なお、稚魚の数のカウントではなく、稚魚のサイズ測定等の形状(状態)の解析を行う場合は、画像解析部130は、ステップS2の画像解析としてサイズ測定等の形状(状態)の解析を行い、ステップS5において解析結果を出力する。
【0035】
このように本形態においては、対象物が含まれた液体が貯留されている容器300から流路500を介して、サイトグラス110へポンプ200が吸い上げた液体を供給し、サイトグラス110の一端から他端へ流れる液体を撮像部120が撮像する。撮像部120が撮像した画像データを画像解析部130が解析して、対象物の状態を判定(測定)する。ポンプ200を用いて対象物を移送することで、斜面にて重力を用いて対象物を搬送するよりも迅速な測定を行うことができる。また、サイトグラス110の第1の面111の流路側の面と第2の面112の流路側の面との間の距離を、サイトグラス110を通過する対象物の高さの2倍以下としている。このため撮像部120が、サイトグラス110の本体部115の第1の面111側であって、流路方向と直交する方向から撮像する構成であっても、撮像する深度方向に複数の対象物が互いに重なることがなく、サイトグラス110の内部を通過する対象物の正確な状態を測定することができる。さらに、サイトグラス110、容器300からサイトグラス110までに液体が流れる流路500およびサイトグラス110から生簀や水槽等までに液体が流れる流路600それぞれの構造は、液体が外気に触れない構造である。そのため、本システムを使用する場所が屋内であっても屋外であっても外気の変化の影響を受けないことから、設置場所が限定されないという効果を奏する。さらに、流路500,600およびサイトグラス110内を液密に保つことにより、流路を構成するホースや、ガラス、金属類と稚魚との接触が起こりにくくなり、接触による稚魚の損傷を軽減する効果を奏する。また、ポンプ200は、その構成上、測定装置100の上流側と下流側とのいずれにも配置することが可能であることから、柔軟な配置構成を実現することができる。なお、対象物として稚魚(例えば、尾叉長が5cm以下の魚)を例に挙げて説明したが、稚魚以外の対象物として、他のエビなどの魚介類や、豆類やコーン、菓子ゼリーに含まれる果物等の食材も挙げられる。また、稚魚としては、ブリ族に含まれるブリやカンパチや、真鯛、鮭鱒類等が挙げられる。
(第2の実施の形態)
【0036】
図7は、本発明の測定システムの第2の実施の形態における測定装置101に具備された構成要素およびその位置関係の一例を示す図である。図7に示した測定装置101は、第1の実施の形態における測定装置100に代えて、流路500と流路600との間に設けられる。測定装置101は、サイトグラス110と、撮像部120と、画像解析部130と、ライト140とを有する。サイトグラス110、撮像部120および画像解析部130のそれぞれは、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。なお、図7には、測定装置101が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0037】
ライト140は、撮像部120が撮像する位置に光を照らす。ライト140は、サイトグラス110の第1の面111側または第2の面112側から撮像部120が撮像する位置に光を照らす。ライト140がサイトグラス110の第2の面112側から光を照らす場合、サイトグラス110の第2の面112の部材は、光を通す部材である。ライト140が照らす光の照度は、撮像部120が対象物をより鮮明に撮像できる照度が好ましいことは言うまでもない。ライト140は、外部から照度や向きの調整(変更)が可能なものでも良い。なお、画像解析部130における解析状況に応じて、画像解析部130がライト140の照度や向きを変更する機構を具備しても良い。例えば、画像解析部130が画像の解析を開始してから、所定の時間、対象物を検出しない場合、画像解析部130がライト140の照度を上げる制御を行っても良い。ライト140は、可視光でも赤外光でも良い。ライト140として赤外光を使用した場合、ライト140を点灯させても眠っている魚が起きにくいという利点がある。
【0038】
このように本形態においては、第1の実施の形態を構成する要素に加えて、撮像部120が撮像する位置に光を照らすライト140が設けられている。サイトグラス110の上方からライト140が光を照らす場合、順光撮像となり、対象物の表面が明瞭となる画像を撮像することができる。また、サイトグラス110の下方からライト140が光を照らす場合、逆光撮像となり、対象物と背景とのコントラストが明確になる画像を撮像することができる。そのため、撮像部120が撮像する位置が明るくなり、撮像部120が鮮明な画像を撮像することができ、対象物の正確な状態を測定することができる。
(第3の実施の形態)
【0039】
図8は、本発明の測定システムの第3の実施の形態における測定装置102に具備された構成要素およびその位置関係の一例を示す図である。図8に示した測定装置102は、第1の実施の形態における測定装置100に代えて、流路500と流路600との間に設けられる。本形態における測定装置102は図8に示すように、第1の実施の形態における測定装置100とは、サイトグラス110および撮像部120の位置がそれぞれ異なる。サイトグラス110は、第1の面111と第2の面112とが水平方向に並んでおり、撮像部120が第1の面111側からサイトグラス110内に移送される液体および対象物を撮像可能な位置に配置される。サイトグラス110には、図8の紙面手前側に流路500が流体的に接続され、その対向側に流路600が流体的に接続される。
【0040】
図9は、本形態において流路500および流路600と接続されたサイトグラス110の内部を水と共に対象物が流れる様子の一例を示す図である。図9に示した例では、対象物が稚魚である。図9(a)は、流路500および流路600と接続されたサイトグラス110を側面から見た図である。図9(b)は、図9(a)に示したサイトグラス110をAの方向から見た図である。ポンプ200を駆動させると、稚魚は水と共に流路500からサイトグラス110へ移送され、サイトグラス110から流路600へ移送される。図9に示すように、サイトグラス110内では、第1の面111を構成する部材の内側の面と第2の面112を構成する部材の内側の面との間の距離Tが、図9(a)に示すように、稚魚の体幅の2倍以下になるように形成されているため、複数の稚魚が移送方向に直交する距離Tの方向に互いに重なることがない。そのため、図9(b)に示すように、撮像部120は、互いに重なる稚魚が含まれることはなく、十分に分散されて移送されていく稚魚の様子の画像を撮像することができる。このため、画像解析部130は、サイトグラス110を移送される稚魚の数を正確に計数することができる。さらに、稚魚を側面方向から撮像できるため、稚魚の状態を解析しやすい画像を取得することができる。
(第4の実施の形態)
【0041】
図10は、本発明の測定システムの第4の実施の形態におけるサイトグラス1101の形状の一例を示す図である。図10に示したサイトグラス1101は、第1~3の実施の形態におけるサイトグラス110の代わりに設けられる。図10に示すように、サイトグラス1101は、第1の面111における第3の面113側の辺および第4の面114側の辺が曲線である形状を有する。サイトグラス1101は図10に示すように、第1の面111における第3の面113側の辺と第4の面114側の辺とが、本体部115の液体および対象物の移送方向の中央付近でW方向において互いに離間するように湾曲する形状である。また、図10に示すように、本体部115の四隅の角部分1181~1184のそれぞれは、鈍角の形状であっても良いし、丸みを帯びた形状でも良い。
【0042】
このように本形態においては、サイトグラス1101を図10に示したような形状とすることで、第1の接続部116および第2の接続部117それぞれと本体部115との接続部分の水流に急激な角度変化(方向変化)が生じないように、または緩和するようにする。これにより、液体とともに移送される対象物の滞留を防ぐことができる。
(第5の実施の形態)
【0043】
図11は、本発明の測定システムの第5の実施の形態を示す図である。本形態における測定システム11は図11に示すように、複数の測定装置100-1~100-3と、分岐部700と、合流部701と、ポンプ200とを有する。分岐部700は、流路500から移送されてきた対象物を含む液体を測定装置100-1~100-3それぞれへ分岐して移送する。合流部701は、測定装置100-1~100-3それぞれから移送されてきた対象物を含む液体を合流して流路600へ移送する。分岐部700の分岐構造および合流部701の合流構造それぞれは、特に規定しない。ポンプ200は、適宜調整されるが、液体および対象物の十分な移送能力を具備しているものであれば、第1の実施の形態におけるものと同じもので良い。また、ポンプ200が、流路500または分岐部700と測定装置100-1~100-3それぞれとの間または測定装置100-1~100-3それぞれと合流部701との間に設けられていても良い。測定装置100-1~100-3それぞれは、第1の実施の形態における測定装置100が具備しているサイトグラス110、撮像部120および画像解析部130を具備する。また、測定装置100-1~100-3それぞれは、第2の実施の形態で説明したライト140を具備していても良い。また、撮像部120および画像解析部130は、測定装置100-1~100-3それぞれに設けられているものではなく、1つまたは2つ設けられていても良い。この場合、複数の測定装置それぞれに設けられているサイトグラス110を1つの撮像部120が撮像し、撮像部120が撮像した画像を1つの画像解析部130が画像の解析を行う。なお、本形態は、第3の実施の形態のようなサイトグラス110および撮像部120の測定装置102や、第4の実施の形態1101が設けられた測定装置を、任意に組み合わせた形態でも良い。
【0044】
このように本形態においては、測定装置を並列に複数設け、複数の測定装置それぞれに設けられたサイトグラスに対象物が含まれる液体を移送する。これにより、対象物の数が多くなった場合であっても、対象物の密度を提言し、短時間かつ高精度に解析を行うことが可能となる。
【0045】
なお、本発明は、稚魚等の生物の計数、形状やサイズの測定に限らず、液体中に流すことができる食品の計数、形状やサイズの測定にも適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10,11 測定システム
100,101,100-1~100-3 測定装置
110,1101 サイトグラス
111 第1の面
112 第2の面
113 第3の面
114 第4の面
115,1151 本体部
116 第1の接続部
1161 第1の開口部
1162 第1の連結口
117 第2の接続部
1171 第2の開口部
1172 第2の連結口
1181~1184 角部分
120 撮像部
130 画像解析部
140 ライト
200 ポンプ
300 容器
500,600 流路
700 分岐部
701 合流部
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の魚介類を移送する流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、
状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、
前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、
を有し、
前記第1の連結口は、前記第1の開口部よりも、前記第1の面を上側として見た上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成され、
前記第2の連結口は、前記第2の開口部よりも、前記上面視において幅広に形成され、前記側面視において幅狭に形成され、
前記本体部は、前記上面視において前記流路方向と直交する幅方向に前記複数の魚介類が分散した状態で、前記第1接続部から前記流路方向に前記複数の魚介類を移送可能に形成され、
前記第1の面または前記第2の面は、前記分散された状態で前記本体部を移送される前記複数の魚介類を撮像可能に構成されるサイトグラス。
【請求項2】
請求項1に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の面から前記第2の面までの前記間隔は、前記流路を移送される前記魚介類の移送時における前記第1の面側から前記第2の面側方向の最大の高さの2倍以下であるサイトグラス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の連結口の前記流路方向および前記第1の面と前記第2の面との重なり方向と直交する方向の長さが、前記第1の開口部の開口径よりも長く該開口径の3倍以下に形成されるサイトグラス。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の面と前記第2の面とのうち、前記複数の魚介類を撮像可能に構成されている面は、透明の板状部材から構成されるサイトグラス。
【請求項5】
複数の魚介類を移送する流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置され板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、を有し、前記第1の連結口は、前記第1の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成され、前記第2の連結口は、前記第2の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成されたサイトグラスと、
前記第1の面を上面、前記第2の面を下面として配置された前記サイトグラスを含む前記流路内を液体とともに移送される前記複数の魚介類を、記第1の面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から、前記複数の魚介類を解析する画像解析部と、
を具備する測定装置。
【請求項6】
複数の魚介類を移送する流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置された内部を撮像可能に構成された板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、を有し、前記第1の連結口は、前記第1の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成され、前記第2の連結口は、前記第2の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成されたサイトグラスと、
前記第1の面を上面、前記第2の面を下面として配置された前記サイトグラスを含む前記流路内を液体とともに移送される前記複数の魚介類を、前記第2の面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から、前記複数の魚介類を解析する画像解析部と、
を具備する測定装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の測定装置において、
前記本体部を介して、前記撮像部に対向して設けられるライトと、
前記ライトから照射される光を透過可能に構成され、前記撮像部側の面と対向して設けられる前記第1の面または前記第2の面を有する測定装置。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の測定装置と、
前記流路のうち、前記サイトグラスまでに前記液体が移送される第1の流路と、
前記流路のうち、前記サイトグラスから前記液体が移送される第2の流路と、
前記複数の魚介類が含まれた前記液体を前記流路上に接続された前記測定装置を経由して移送するポンプと、
備え、
前記サイトグラスと前記第1の流路とは、前記液体が外気に触れない構造を有する測定システム。
【請求項9】
請求項に記載の測定システムにおいて、
前記画像解析部は、前記複数の魚介類の数を測定する測定システム。
【請求項10】
請求項に記載の測定システムにおいて、
前記画像解析部は、前記複数の魚介類の形状を解析する測定システム。
【請求項11】
複数の魚介類を液体とともに容器からポンプを用いて吸い上げ、前記ポンプを用いて吸い上げられた液体の流路の中途に配置され、前記複数の魚介類の移送を前記流路の外側から前記複数の魚介類を背側または腹側から撮像可能な面、および、前記複数の魚介類が互いに撮像方向において重なることなく移送される構成を備えるサイトグラスへ前記複数の魚介類を移送する第1ステップと、
前記サイトグラス内を移動する前記複数の魚介類を前記サイトグラスの外部に配置された前記サイトグラス内を撮像可能な撮像部が撮像する第2ステップと、
前記撮像部が撮像した前記複数の魚介類の画像を、有線または無線を介して前記撮像部と接続された画像解析部へ出力する第3ステップと、
前記撮像部から出力されてきた前記画像から前記複数の魚介類を前記画像解析部が検出する第4ステップと、
前記画像解析部が検出した前記複数の魚介類のデータを出力する第5ステップと、
を行う対象物検出方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の魚介類を移送する流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、
板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置される板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、
前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、
を有し、
前記第1の連結口は、前記第1の開口部よりも、前記第1の面を上側として見た上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成され、
前記第2の連結口は、前記第2の開口部よりも、前記上面視において幅広に形成され、前記側面視において幅狭に形成され、
前記本体部は、前記上面視において前記流路方向と直交する幅方向に前記複数の魚介類が分散した状態で、前記第1接続部から前記流路方向に前記複数の魚介類を移送可能に形成され、
前記第1の面または前記第2の面は、前記分散された状態で前記本体部を移送される前記複数の魚介類を撮像可能に構成されるサイトグラス。
【請求項2】
請求項1に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の面から前記第2の面までの前記間隔は、前記流路を移送される前記魚介類の移送時における前記第1の面側から前記第2の面側方向の最大の高さの2倍以下であるサイトグラス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の連結口の前記流路方向および前記第1の面と前記第2の面との重なり方向と直交する方向の長さが、前記第1の開口部の開口径よりも長く該開口径の3倍以下に形成されるサイトグラス。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のサイトグラスにおいて、
前記第1の面と前記第2の面とのうち、前記複数の魚介類を撮像可能に構成されている面は、透明の板状部材から構成されるサイトグラス。
【請求項5】
複数の魚介類を移送する流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、内部を撮像可能に構成された板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置された板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、を有し、前記第1の連結口は、前記第1の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成され、前記第2の連結口は、前記第2の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成されたサイトグラスと、
前記第1の面を上面、前記第2の面を下面として配置された前記サイトグラスを含む前記流路内を液体とともに移送される前記複数の魚介類を、前記第1の面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から、前記複数の魚介類を解析する画像解析部と、
を具備する測定装置。
【請求項6】
複数の魚介類を移送する流路の上流側と接続される第1の開口部と、前記第1の開口部の流路方向の下流側に形成された第1の連結口とを有する第1の接続部と、板状の第1の面と、前記第1の面に対向して設けられ、前記第1の面から間隔を空けて配置された内部を撮像可能に構成された板状の第2の面とを有し、前記第1の連結口に接続される、筒状に形成された本体部と、前記流路の下流側と接続される第2の開口部と、前記第2の開口部の流路方向の上流側に形成され、前記本体部の下流側に接続される第2の連結口を有する第2接続部と、を有し、前記第1の連結口は、前記第1の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成され、前記第2の連結口は、前記第2の開口部よりも上面視において幅広に形成され、側面視において幅狭に形成されたサイトグラスと、
前記第1の面を上面、前記第2の面を下面として配置された前記サイトグラスを含む前記流路内を液体とともに移送される前記複数の魚介類を、前記第2の面側から撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から、前記複数の魚介類を解析する画像解析部と、
を具備する測定装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の測定装置において、
前記本体部を介して、前記撮像部に対向して設けられるライトと、
前記ライトから照射される光を透過可能に構成され、前記撮像部側の面と対向して設けられる前記第1の面または前記第2の面を有する測定装置。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の測定装置と、
前記流路のうち、前記サイトグラスまでに前記液体が移送される第1の流路と、
前記流路のうち、前記サイトグラスから前記液体が移送される第2の流路と、
前記複数の魚介類が含まれた前記液体を前記流路上に接続された前記測定装置を経由して移送するポンプと、
を備え、
前記サイトグラスと前記第1の流路とは、前記液体が外気に触れない構造を有する測定システム。
【請求項9】
請求項8に記載の測定システムにおいて、
前記画像解析部は、前記複数の魚介類の数を測定する測定システム。
【請求項10】
請求項8に記載の測定システムにおいて、
前記画像解析部は、前記複数の魚介類の形状を解析する測定システム。