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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070535
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】下肢用マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20240516BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
A61H7/00 322
A61H15/00 340C
A61H7/00 320A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181089
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】592009214
【氏名又は名称】大東電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】清水 新策
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD01
4C100AE01
4C100AF02
4C100BB03
4C100BB05
4C100CA02
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】膝下に位置する脹脛から足先に亘っての施療部に対してマッサージを行うだけでなく、膝上に位置する腿部への着脱が容易であるとともにその腿部などの施療部へも、効果的なマッサージを行うことができる下肢用マッサージ機を提供する。
【解決手段】本発明の下肢用マッサージ機1は、使用者の膝下に位置する脹脛Cから足部Fまでの施療部をマッサージする膝下マッサージ機構2と、膝下マッサージ機構2を収容する下ケース体3と、使用者の膝上に位置する腿部Tをマッサージする膝上マッサージ機構4と、下ケース体3と別体とされ且つ膝上マッサージ機構4が設けられた上ケース体5と、膝下マッサージ機構2および/または膝上マッサージ機構4を駆動する駆動部6と、可撓性を備え且つ下ケース体3と上ケース体5を連結する連結部7と、を有し、連結部7はエアホース13とされている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の膝下に位置する脹脛から足部までの施療部をマッサージする膝下マッサージ機構と、
前記膝下マッサージ機構を収容する下ケース体と、
前記使用者の膝上に位置する腿部をマッサージする膝上マッサージ機構と、
前記下ケース体と別体とされ且つ前記膝上マッサージ機構が設けられた上ケース体と、
前記膝下マッサージ機構および/または前記膝上マッサージ機構を駆動する駆動部と、
可撓性を備え且つ前記下ケース体と前記上ケース体を連結する連結部と、を有する
ことを特徴とする下肢用マッサージ機。
【請求項2】
前記膝上マッサージ機構は、前記腿部をマッサージする膝上エアバッグを備え、
前記連結部は、前記駆動部から前記膝上エアバッグに空気を供給するエアホースとされていて、
前記エアホースは、前記下ケース体から外部に突出するように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項3】
前記上ケース体は、可撓性の前記エアホースの連結により、前記下ケース体に対して任意の位置に移動自在となっていて、
前記下肢用マッサージ機には、前記下ケース体から前記上ケース体を着脱可能に係合する係合部が設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項4】
前記係合部は、前記上ケース体に設けられ且つ、前記下ケース体からの前記エアホースが連結されるジョイント部と、
前記下ケース体に設けられ且つ、前記ジョイント部が収容可能なジョイントホルダー部と、を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項5】
前記係合部には、前記ジョイント部がジョイントホルダー部に収容されているときに、前記膝上エアバッグへの空気の供給を停止する安全機構が備えられている
ことを特徴とする請求項4に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項6】
前記安全機構は、前記ジョイントホルダー部への前記ジョイント部の収容を検出する検出部を有し、
前記検出部は、前記ジョイントホルダー部に設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項7】
前記安全機構は、前記ジョイントホルダー部に前記ジョイント部が収容されると、前記検出部が前記上ケース体の係合を検出し、検出信号により制御部が前記膝上エアバッグへの空気の供給を停止する構成とされている
ことを特徴とする請求項6に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項8】
前記検出部は、前記ジョイント部の収容を検出するリミットスイッチと、前記ジョイント部が前記ジョイントホルダー部に挿入されると前記リミットスイッチを押す押込部材と、を有する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項9】
前記エアホースは、収納部により前記下ケース体内に収納される構成とされ、
前記収納部は、バネ部材を備え、当該バネ部材の反力により前記エアホースを収納する
ものとされている
ことを特徴とする請求項2に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項10】
前記収納部は、前記下ケース体内の前面側に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の下肢用マッサージ機。
【請求項11】
前記収納部は、前記エアホースを連結するホース接続部と、前記ホース接続部を支持するアーム部材と、前記アーム部材を回動自在に支持する回転支持部と、付勢力で前記アーム部材を回動させるバネ部材と、を備えている
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の下肢用マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腿部、脹脛や足部などの下肢をマッサージするのに好適な下肢用マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脹脛や足部などの下肢をマッサージすることができる下肢用マッサージ機が様々市販されている。このような下肢用マッサージ機については、例えば特許文献1に示すようなものがある。特許文献1は、膝下に位置する脹脛から足先に亘っての施療部に対して効果的なマッサージを行うことが可能となる下肢用マッサージ機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-89号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、特許文献1に開示されている下肢用マッサージ機は、下肢を挿入することが容易であるとともに、足先から脹脛に亘っての施療部に効果的なマッサージを行うことができるものである。
【0005】
ところが近年、使用者からの要望が多様なものとなっている。例えば、特許文献1のような下肢用マッサージ機において、膝下に位置する脹脛から足先に亘っての施療部だけでなく、膝上に位置する腿部などの施療部へも、効果的なマッサージを行うことができるようにして欲しいとの要望がある。また、腿部へのマッサージについては、使用者が必要に応じて行えるように選択できるものとして欲しいとの要望もある。さらに、腿部に容易に装着できるマッサージ構造として欲しいとの要望もある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、膝下に位置する脹脛から足先に亘っての施療部に対してマッサージを行うだけでなく、膝上に位置する腿部への着脱が容易であるとともにその腿部などの施療部へも、効果的なマッサージを行うことができる下肢用マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
【0008】
本発明にかかる下肢用マッサージ機は、使用者の膝下に位置する脹脛から足部までの施療部をマッサージする膝下マッサージ機構と、前記膝下マッサージ機構を収容する下ケース体と、前記使用者の膝上に位置する腿部をマッサージする膝上マッサージ機構と、前記下ケース体と別体とされ且つ前記膝上マッサージ機構が設けられた上ケース体と、前記膝下マッサージ機構および/または前記膝上マッサージ機構を駆動する駆動部と、可撓性を備え且つ前記下ケース体と前記上ケース体を連結する連結部と、を有することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記膝上マッサージ機構は、前記腿部をマッサージする膝上エアバッグを備え、前記連結部は、前記駆動部から前記膝上エアバッグに空気を供給するエアホースとされていて、前記エアホースは、前記下ケース体から外部に突出するように設けられているとよい。
【0010】
好ましくは、前記上ケース体は、可撓性の前記エアホースの連結により、前記下ケース体に対して任意の位置に移動自在となっていて、前記下肢用マッサージ機には、前記下ケース体から前記上ケース体を着脱可能に係合する係合部が設けられているとよい。
【0011】
好ましくは、前記係合部は、前記上ケース体に設けられ且つ、前記下ケース体からの前記エアホースが連結されるジョイント部と、前記下ケース体に設けられ且つ、前記ジョイント部が収容可能なジョイントホルダー部と、を有するとよい。
【0012】
好ましくは、前記係合部には、前記ジョイント部がジョイントホルダー部に収容されているときに、前記膝上エアバッグへの空気の供給を停止する安全機構が備えられているとよい。
【0013】
好ましくは、前記安全機構は、前記ジョイントホルダー部への前記ジョイント部の収容を検出する検出部を有し、前記検出部は、前記ジョイントホルダー部に設けられているとよい。
【0014】
好ましくは、前記安全機構は、前記ジョイントホルダー部に前記ジョイント部が収容されると、前記検出部が前記上ケース体の係合を検出し、検出信号により制御部が前記膝上エアバッグへの空気の供給を停止する構成とされているとよい。
【0015】
好ましくは、前記検出部は、前記ジョイント部の収容を検出するリミットスイッチと、前記ジョイント部が前記ジョイントホルダー部に挿入されると前記リミットスイッチを押す押込部材と、を有するとよい。
【0016】
好ましくは、前記エアホースは、収納部により前記下ケース体内に収納される構成とされ、前記収納部は、バネ部材を備え、当該バネ部材の反力により前記エアホースを収納するものとされているとよい。
【0017】
好ましくは、前記収納部は、前記下ケース体内の前面側に設けられているとよい。
【0018】
好ましくは、前記収納部は、前記エアホースを連結するホース接続部と、前記ホース接続部を支持するアーム部材と、前記アーム部材を回動自在に支持する回転支持部と、付勢力で前記アーム部材を回動させるバネ部材と、を備えているとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の下肢用マッサージ機によれば、膝下に位置する脹脛から足先に亘っての施療部に対してマッサージを行うだけでなく、膝上に位置する腿部への着脱が容易であるとともにその腿部などの施療部へも、効果的なマッサージを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の下肢用マッサージ機の概略を模式的に示した前方斜視図であり、膝上マッサージ機構を使用する状態を示した前方斜視図である。
図2】本発明の下肢用マッサージ機の概略を模式的に示した側面図であり、膝上マッサージ機構を使用する状態を示した側面図である。
図3】本発明の下肢用マッサージ機の概略を模式的に示した前方斜視図であり、収納状態または膝下マッサージ機構のみを使用する状態を示した前方斜視図である。
図4】本発明の下肢用マッサージ機の概略を模式的に示した側面図であり、収納状態または膝下マッサージ機構のみを使用する状態を示した側面図である。
図5】係合部および安全機構の構成を示した図であり、連結部であるエアホースと、上ケース体に設けられているジョイント部と、下ケース体に設けられているジョイントホルダー部を示した図である。
図6】係合部および安全機構の構成を示した図であり、ジョイント部とジョイントホルダー部を拡大した図である。
図7】係合部および安全機構の構成を示した図であり、収容状態におけるジョイント部とジョイントホルダー部の断面図である。
図8】膝下マッサージ機構および駆動部の概略を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明にかかる下肢用マッサージ機1の実施形態を、図を参照して説明する。
【0022】
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。また、図面に関して、見やすくするため、構成部品の一部を省略したり、仮想線などを用いて描いている。また、下肢用マッサージ機1の前後及び左右等の方向については、図面に示す通りである。これは下肢用マッサージ機1に下肢Lを挿入して、椅子などに着座した使用者から見た方向と一致する。以降の説明においては、図面において示す方向を、本発明の下肢用マッサージ機1を説明する際の方向とする。
【0023】
図1図2に、本発明の下肢用マッサージ機1において、膝下マッサージ機構2及び膝上マッサージ機構3を使用する状態を示す。
【0024】
図3図4に、本発明の下肢用マッサージ機1において、収納状態または膝下マッサージ機構2のみを使用する状態を示す。
【0025】
図1図4などに示すように、本発明の下肢用マッサージ機1は、使用者の膝下に位置する脹脛Cから足部F(足先)までの施療部をマッサージする膝下マッサージ機構2と、膝下マッサージ機構2を収容する下ケース体3と、使用者の膝上に位置する腿部Tをマッサージする膝上マッサージ機構4と、下ケース体3と別体とされ且つ膝上マッサージ機構4が設けられた上ケース体5と、膝下マッサージ機構2および/または膝上マッサージ機構4を駆動する駆動部6と、可撓性を備え且つ下ケース体3と上ケース体5を連結する連結部7と、を有している。
【0026】
図1図4などに示すように、下ケース体3は、側面視で略三角形状とされ、後側が開口されている。下ケース体3は、筒部材8並びにエアポンプ26などの駆動部6を格納する筐体である。下ケース体3は、例えば硬質の合成樹脂などを用いて形成されている。
【0027】
具体的には、本実施形態の下ケース体3は、正面視で正三角形状とされ、幅が肩幅程度の長さとなっている。また、下ケース体3は、側面視で前側が傾斜した面で且つ後側が開口された形状とされている。下ケース体3の底部には、床面Yに安定して載置することができる脚部材3aが設けられている。
【0028】
また、下ケース体3の後側(背面側)には、下ケース体3の下部(底部)側から下ケース体3の上端側にかけて連続的に開口された挿入凹部9が形成されている。挿入凹部9は、左右方向に所定間隔を空けて一対形成されている。これら左右一対の挿入凹部9に対して筒部材8が嵌め入れられている。つまり、下ケース体3は、脹脛Cから足部Fまでの施療部を挿入することができる筒部材8の前部(足部Fに対応する部分)を覆う構成となっている。
【0029】
筒部材8(施療凹部)は、左右一対に並んで下ケース体3に配備されている。つまり、本実施形態の下肢用マッサージ機1は、筒部材8が下ケース体3の後側に設けられているため、使用者は脹脛Cから足部Fまでの施療部を筒部材8の後方上側(背面上方)から前方下側に向かって挿入する構造となっている。
【0030】
筒部材8は、側面視で、脹脛Cから足部Fに沿ったL字形状(ブーツ形状)に形成されている。詳しくは、筒部材8は、使用者の足部Fに対応して水平方向を向く水平筒部材8aと、脹脛Cに対応して垂直方向を向く垂直筒部材8bと、を有している。
【0031】
つまり、筒部材8は、水平筒部材8aが足先~足の甲、足裏などの足部Fを覆うとともに、垂直筒部材8bが踵~踝~脹脛Cを覆うものとなっている。筒部材8は、下ケース体3の挿入凹部9に略直立状態で支持されていて、膝下の施療部に対して上下方向の広い範囲に対応したものとなっている。
【0032】
また、筒部材8の周囲には、膨張することで足部Fや脹脛Cなどの施療部に対して押圧マッサージを行う膝下エアバッグ10が配備されている。本実施形態においては、膝下エアバッグ10は複数配備されている。この筒部材8は、膝下エアバッグ10の膨張・収縮に合わせて変形可能なように可撓性を有する布などで形成されている。また、筒部材8には、使用者の下肢Lの重みに耐えられるように所定の厚みを持つように形成されている。
【0033】
本実施形態の下肢用マッサージ機1は、膝下マッサージ機構2を収容する下ケース体3の上方に、膝上マッサージ機構4を備えた上ケース体5を設けている。つまり、本実施形態の下肢用マッサージ機1は、使用者の膝下に位置する脹脛Cから足部Fまでの施療部をマッサージする膝下マッサージ機構2に加えて、膝上に位置する腿部Tをマッサージする膝上マッサージ機構4を有している。
【0034】
図1図4などに示すように、膝上マッサージ機構4は、膝下マッサージ機構2に対して相対位置を変更可能に取り付けられており、使用者の必要に応じて腿部Tに対して押圧マッサージを行うことを可能としている。この膝上マッサージ機構4による腿部T(膝上施療部)の押圧マッサージは、脹脛Cから足部Fまでの膝下施療部に対する押圧マッサージと同時に行ってもよいし、膝下施療部の押圧マッサージを行わずに腿部Tだけ押圧マッサージを行ってもよい。
【0035】
膝上マッサージ機構4は、使用者の腿部Tに巻き付けることで、腿部Tを押圧マッサージするものである。具体的には、膝上マッサージ機構4は、腿部Tに巻回可能とされるカフ帯11と、腿部Tをマッサージする膝上エアバッグ12と、を有する。
【0036】
このカフ帯11には、使用者の左腿部TLに巻き付けることができる左カフ帯11Lと、使用者の右腿部TRに巻き付けることができる右カフ帯11Rからなる。左カフ帯11Lの内周側には、使用者の左腿部TLを押圧マッサージする左膝上エアバッグ12Lが設けられている。また、右カフ帯11Rの内周側には、使用者の右腿部TRを押圧マッサージする右膝上エアバッグ12Rと、が設けられている。
【0037】
左カフ帯11L及び左膝上エアバッグ12Lと、右カフ帯11R及び右膝上エアバッグ12Rは、左右に並んだ状態で上ケース体5に支持されている。これらの左右の膝上エアバッグ12L,12Rが、左右の腿部TL,TRに対して押圧マッサージを行う押圧部を構成している。
【0038】
カフ帯11は、可撓性を備える長尺で厚手のシートで形成されている。カフ帯11の長さは、腿部Tの外周囲より長いものとされている。カフ帯11の両端部には、係止部材11aが設けられている。係止部材11aとしては、例えば面ファスナーなどが挙げられる。カフ帯11の長手方向中途部が、上ケース体5に取り付けられている。
【0039】
また、カフ帯11は、係止部材11aが外側に位置するように設けられている。膝上マッサージ機構4を使用しないときには、係止部材11aは貼り合わせて係止しておくことが好ましい。
【0040】
カフ帯11を腿部Tに巻き付ける際、例えば右カフ帯11Rに設けられた係止部材11aの係止を解除して一本の帯状にする。帯状となった右カフ帯11Rを、右腿部TRの形状に沿わせて巻き付ける。
【0041】
つまり、帯状の右カフ帯11Rを、右腿部TRに沿った湾曲形状にする。そして、右腿部TRの太さに合わせて係止部材11aの係止位置を調整して、その係止部材11aを貼り合わせて係止する。これにより、右カフ帯11Rは右腿部TRに巻き付けられることとなる。
【0042】
また、左カフ帯11Lに設けられた係止部材11aの係止を解除して一本の帯状にする。帯状となった左カフ帯11Lを、左腿部TLの形状に沿わせて巻き付ける。つまり、帯状の左カフ帯11Lを、左腿部TLに沿った湾曲形状にする。そして、左腿部TLの太さに合わせて係止部材11aの係止位置を調整して、その係止部材11aを貼り合わせて係止する。これにより、左カフ帯11Lは左腿部TLに巻き付けられることとなる。
【0043】
膝上エアバッグ12は、カフ帯11の内側(腿部Tと接する面側)に配備されている。膝上エアバッグ12は、圧縮された空気を内部に充填することが可能な袋部材である。膝上エアバッグ12(押圧部)は、駆動部6のエアポンプ26から供給される、圧縮された空気により膨張と収縮を繰り返すことにより、腿部T(膝上施療部)に対して押圧マッサージを行うものとなっている。
【0044】
なお、膝上エアバッグ12の個数や配置については、腿部Tの外周を覆うように、カフ帯11の内周面をほぼ全周に亘って包囲するように1つだけ配備されていてもよい。また、膝上エアバッグ12は、カフ帯11の内周面のうち、左側面、上面、右側面などに分かれて複数配備されていてもよい。
【0045】
また、左膝上エアバッグ12Lと右膝上エアバッグ12Rには、駆動部6のエアポンプ26から圧縮された空気が供給されるエアホース13が接続されている。この供給される空気は、エアポンプ26(コンプレッサ)で圧縮され、電磁弁27を通じてエアホース13に送られ、左右の膝上エアバッグ12L,12Rに供給される。
【0046】
さて、エアホース13は、収納部36により下ケース体3内に収納される構成とされている。収納部36は、下ケース体3内の前面側に設けられている。
【0047】
収納部36は、エアホース13を連結するホース接続部37と、ホース接続部37やエアホース13などを支持するアーム部材38と、アーム部材38を回動自在に支持する回転支持部39と、付勢力でアーム部材38を回動させるバネ部材40と、を備えている。
【0048】
ホース接続部37は、膝上エアバッグ12と繋がっている第1のエアホース13aと、エアポンプ26と繋がっている第2のエアホース13bを連結するものである。ホース接続部37には、空気が流通する孔部が形成されていて、その孔部と第1のエアホース13aと第2のエアホース13bが連通状態となっている。また、ホース接続部37は、アー
ム部材38の先端に支持軸37aを介して回動自在に取り付けられている。
【0049】
アーム部材38は、長尺の部材であって、下ケース体3内の前面側に横たわるように設けられている。このアーム部材38は、基端が左側で且つ先端が右側に位置するように配備されている。アーム部材38は、基端が回転支持部39により上下方向に回動自在に支持されている。
【0050】
回転支持部39は、下ケース体3内の前面左側の底部に設けられている。回転支持部39は、支持軸39aを介してアーム部材38を回動自在に支持する。回転支持部39には、アーム部材38を回動させるためのバネ部材40が設けられている。
【0051】
バネ部材40は、エアホース13を下ケース体3内に引き込む方向(アーム部材38を下げる方向)に付勢されていて、その付勢によりアーム部材38を回動させる。つまり、バネ部材40の反力により、アーム部材38の先端(右端)が下降するので、ホース接続部37を介してエアホース13を収納することができる。
【0052】
この収納部36の引き出し時の動きとしては、腿部T用の膝上エアバッグ12を備えた上ケース体5を係合部14から持ち上げてエアホース13が引き出されると、バネ部材40を備えた回転支持部39(アーム部材38の基端(左端))が回動の支点となって、アーム部材38が上方向に回動する。アーム部材38の先端(右端)は、ホース接続部37とともに上昇する。エアホース13が係合部14から伸びるように引き出される。これにより、上ケース体5は、任意の位置に配備することができるようになる。
【0053】
また、収納部36の収納時の動きとしては、上ケース体5を係合部14に近づけてゆくと、回転支持部39(アーム部材38の基端)が回動の支点となって、アーム部材38が下方向に回動する。さらに、アーム部材38は、バネ部材40の付勢により下降する。
【0054】
エアホース13は、アーム部材38の下降に伴って、下ケース体3内に入ってゆく。その後、アーム部材38の先端とホース接続部37が下ケース体3内の底部に到達すると、エアホース13は下ケース体3内に収納されることとなる。そして、上ケース体5を係合部14に係合する。このようにして、収納部36によるエアホース13の収納(上ケース体5の出し入れ)が行われる。
【0055】
また、エアホース13には、長手方向に沿って直線状の縦筋部41が形成されている。この直線状の縦筋部41を設けることで、エアホース13のねじれを簡単に確認することができ、そのねじれの修正をすぐにすることができるようになる。縦筋部41は、例えば、エアホース13の外周面に凸状に形成してもよいし、凹状に形成してもよい。つまり、使用者がエアホース13に形成された縦筋部41を容易に視認することができれば、特に限定はしない。
【0056】
なお、収納部36には、エアホース13の任意の長さに引き出して留めることができるロック機構を設けていてもよい。
【0057】
上ケース体5は、カフ帯11および膝上エアバッグ12を支持する。具体的には、上ケース体5は、幅(左右)方向に長い部材である。上ケース体5は、左カフ帯11Lと右カフ帯11Rを左右に並んだ状態で且つ吊るすように支持する部材である。つまり、上ケース体5は、水平方向に沿って配備された帯板状の部材であり、左右に並んだカフ帯11L,11Rを端から端までを十分に覆うことができるものとされている。
【0058】
上ケース体5の下面には、カフ帯11が巻回された状態で取り付けられている。詳しくは、上ケース体5は、左右のカフ帯11L,11Rのそれぞれに設けられた係止部材11aが幅方向外側に位置するように配備され、左右のカフ帯11L,11Rを下面から吊下するような状態で支持している。
【0059】
この上ケース体5は、例えば硬質の合成樹脂などを用いて形成されている。また、上ケース体5の幅方向中央の後側には、使用者が把持可能な取手部材9aが設けられている。上ケース体5は、下ケース体3に対して連結部7を介して連結されている。
【0060】
図5に、連結部7であるエアホース13と、係合部14を構成するジョイント部15およびジョイントホルダー部16と、安全機構20を構成する検出部21を示す。図5示すように、ジョイント部15は上ケース体5に設けられていて、ジョイントホルダー部16は下ケース体3に設けられていて、検出部21はジョイントホルダー部16内に設けられ
ている。
【0061】
図6に、係合部14のジョイント部15とジョイントホルダー部16、および、安全機構20の検出部21を拡大した図を示す。
【0062】
図7に、係合部14の収容状態におけるジョイント部15とジョイントホルダー部16、および、安全機構20の検出部21(リミットスイッチ23)の断面図を示す。
【0063】
図5図7などに示すように、連結部7は、可撓性を備え且つ、下ケース体3(膝下マッサージ機構2)と上ケース体5(膝上マッサージ機構4)を連結するものである。また、連結部7は、前後、左右および上下方向に移動自在であるとともに、下ケース体3に対する上ケース体5の長さを調整することができる構成とされている。
【0064】
つまり、連結部7は、床面Yなどに載置されて使用される下ケース体3(膝下マッサージ機構2)に対して、上ケース体5(膝上マッサージ機構4)の位置を前後、左右および上下方向に自由に変更可能となるように連結した部材である。
【0065】
図1図2などに示すように、本実施形態の連結部7は、駆動部6から膝上エアバッグ12に空気を供給するエアホース13とされている。エアホース13は、例えば可撓性を備える合成樹脂やゴムを用いて形成されている。
【0066】
このように、上ケース体5は、可撓性のエアホース13の連結により、下ケース体3に対して任意の位置に移動自在(前後、左右および上下方向に移動自在)となっている。それ故、上ケース体5を使用する時の取り回しが容易となり、カフ帯11を腿部Tの形状に沿わせて巻き付けて、適切な位置に調整することができる。
【0067】
エアホース13は、下ケース体3の前面側から外部に突出するように設けられていて、その先端側は膝上エアバッグ12(上ケース体5)に繋げられている。また、エアホース13の基端側は、下ケース体3の内部に配備された駆動部6の電磁弁27に接続されている。
【0068】
エアポンプ26で加圧された空気が電磁弁27を経て、エアホース13内を通過し、膝上エアバッグ12に供給される。このように、膝下マッサージ機構2と膝上マッサージ機構4は、連結部7であるエアホース13により連結されている。
【0069】
さて、図1図4などに示すように、下肢用マッサージ機1には、下ケース体3から上ケース体5を着脱可能に係合する係合部14が設けられている。すなわち、係合部14に、膝上マッサージ機構4(膝上エアバッグ12)を備えた上ケース体5を係合することで、使用しないときなどに上ケース体5を下ケース体3に留め置くことができる。
【0070】
図5図7などに示すように、係合部14は、上ケース体5に設けられ且つ、下ケース体3から突出するように配備されたエアホース13(連結部7)が連結されるジョイント部15と、下ケース体3に設けられ且つ、ジョイント部15が収容可能なジョイントホルダー部16と、を有している。
【0071】
ジョイント部15は、上ケース体5の下面側に設けられた凸形状の部材である。ジョイント部15は、上ケース体5の幅(左右)方向中央に設けられている。詳しくは、ジョイント部15は、左右方向の断面が角型で且つ、下方に延びるように設けられている。
【0072】
ジョイント部15は、上ケース体5の上面に対して直交する下方向に延設され、長手方向中途部から前方向に屈曲して設けられている。つまり、本実施形態では、ジョイント部15は、フック形状に形成されているといえる。
【0073】
そのジョイント部15の前方に屈曲した部位の先端に、連結部7であるエアホース13が連結されている。エアホース13は、ジョイント部15の内部を通過して、膝上エアバッグ12に繋げられている。
【0074】
このジョイント部15に前方に屈曲した部位を設けることで、下ケース体3の傾斜した前面側に沿って上ケース体5を留め置くことができる。つまり、上ケース体5の屈曲部位の角度は、下ケース体3の傾斜した前面の角度と平行となるような角度である。このような上ケース体5を下ケース体3に係合することで、収納時の外観が良くなる。なお、ジョイント部15は、上ケース体5と同様の材質(例えば硬質の合成樹脂など)で形成されている。
【0075】
ジョイントホルダー部16は、ジョイント部15が挿入可能な凹形状の部材である。ジ
ョイントホルダー部16は、下ケース体3の前面側中央に設けられている。詳しくは、ジョイントホルダー部16は、ジョイント部15が挿入可能な凹形状の本体部17と、その本体部17が嵌め込まれる孔部18と、を有している。
【0076】
本体部17は、左右方向の断面が角型で且つ深型凹形状の部材である。この本体部17の凹形内部は、ジョイント部15と略同様の断面形状である。すなわち、本体部17の凹形状は、ジョイント部15の凸形状を転写したような形状である。つまり、凹形状の本体部17内に、凸形状のジョイント部15が嵌り込むようになっている。本体部17の上部には、鍔部17aが形成されている。鍔部17aは、孔部18の縁に形成された庇部18aに係合する部材である。
【0077】
また、本体部17の底部には、貫通孔17bが形成されている。貫通孔17bは、本体部17が孔部18に係合されたとき、下ケース体3内と連通し且つエアホース13が通過するものである。この貫通孔17bは、エアホース13が通過するのに十分な広さを有するものである。
【0078】
孔部18は、下ケース体3の前面側に設けられている。また、孔部18は、下ケース体3の幅方向中央で且つ上部側に設けられている。孔部18の大きさは、本体部17が嵌り込む大きさとされている。孔部18の上部には、本体部17の鍔部17aが係合される庇部18aが形成されている。これにより、本体部17は孔部18に係合され、ジョイントホルダー部16が下ケース体3に取り付けられる。
【0079】
孔部18の上部縁には、庇部18aが形成されている。庇部18aは、本体部17の鍔部17aが係合される部材である。また、孔部18の底部には、貫通孔18bが形成されている。貫通孔18bは、孔部18に本体部17が係合されたとき、下ケース体3内と連通し且つエアホース13が通過するものである。この貫通孔18bは、エアホース13が通過するのに十分な広さを有するものである。
【0080】
ジョイントホルダー部16の後壁の下側は、後方に開放された開口部19が設けられている。開口部19は、幅(左右)方向に長く切り欠かれた貫通孔とされている。その開口部19に、後述する押込部材24が配備されている。
【0081】
図5図7などに示すように、本実施形態の係合部14には、ジョイント部15がジョイントホルダー部16に収容されているときに、膝上エアバッグ12への空気の供給を停止する安全機構20が備えられている。この安全機構20は、膝上マッサージ機構4を使用していない(上ケース体5が係合部14にて係合されている)ときに、不意に膝上エアバッグ12が動作しないようにするためのものである。
【0082】
安全機構20は、ジョイントホルダー部16内へのジョイント部15の収容を検出する検出部21を有している。この検出部21は、ジョイントホルダー部16の内部に設けられている。
【0083】
安全機構20は、ジョイントホルダー部16にジョイント部15が収容されると、検出部21が上ケース体5の係合を検出し、検出信号により制御部28が膝上エアバッグ12への空気の供給を停止する構成とされている。
【0084】
検出部21は、ステー部材22を介して下ケース体3の裏側(内側)に取り付けられている。つまり、ステー部材22は、下ケース体3の内側に取り付けられ、検出部21を支持する部材である。
【0085】
本実施形態の検出部21は、ジョイント部15の収容を検出するリミットスイッチ23と、ジョイント部15がジョイントホルダー部16内に挿入されるとリミットスイッチ23を押す押込部材24と、を有している。
【0086】
リミットスイッチ23は、支持部材25に配備されている。リミットスイッチ23は、レバーが前方に位置するように配備されるとともに、押込部材24の後側に設けられている。
【0087】
押込部材24は、前後方向に回動可能で且つ吊るされたような形状とされている。この押込部材24は、当該押込部材24を回動自在にする棒部材24aと、棒部材24aから吊下状に設けられた板部材24bと、を有している。
【0088】
棒部材24aは、円柱形状の部材であり、左外方向と右外方向のそれぞれに突出するよ
うに設けられている。つまり、棒部材24aは、左右一対設けられている。板部材24bは、前面側が凸形状とされ、その凸部がジョイントホルダー部16の開口部19に嵌り込むように配備される。
【0089】
支持部材25は、棒部材24aを回動自在に支持する支持部25aと、リミットスイッチ23が載置可能な載置部25bと、を有している。この支持部25aに棒部材24aが回動自在に支持されることで、板部材24bが前後方向に揺動することとなり、押込部材24がリミットスイッチ23を押し込むことができる。すなわち、支持部材25は、押込部材24を回動自在に支持し、ステー部材22に取り付けられている。
【0090】
この検出部21の検出動作(安全機構20の動作)としては、ジョイント部15がジョイントホルダー部16内に挿入されると、ジョイント部15が板部材24bを押すことにより、押込部材24が後方に回動して蹴るような動きとなる。この押込部材24がリミットスイッチ23のレバーに接触することにより、リミットスイッチ23がジョイント部15を検出する。検出信号として、制御部28に上ケース体5が下ケース体3に係合されていることを伝達する。制御部28は、膝上エアバッグ12への空気の供給を停止する。
【0091】
また、安全機構20は、膝上マッサージ機構4の使用時に、係合部14において、ジョイントホルダー部16からジョイント部15が離脱したと検知し、膝上マッサージ機構4の駆動(膝上エアバッグ12への空気の供給)が可能であることを示す検出信号を、制御部28に送信する。
【0092】
すなわち、制御部28は、上ケース体5が係合部14を介して下ケース体3に留め置かれているとき、上ケース体5の収容状態と検出して膝上エアバッグ12への空気の供給(膝上マッサージ機構4の駆動)を停止し、膝上マッサージ機構4(上ケース体5)を使用しているとき、腿部Tに対して押圧マッサージを行う膝上エアバッグ12への空気の供給(膝上マッサージ機構4の駆動)を可能とする。
【0093】
なお、検出部21に関しては、本実施形態で例示した構成(リミットスイッチ23など)に限定されず、例えば微弱な電流や電圧の変位を検出して、下ケース体3への上ケース体5の収容を検出するようにしてもよい。
【0094】
ここで、本実施形態の膝下マッサージ機構2および駆動部6について説明する。
【0095】
図8に、膝下マッサージ機構2および駆動部6の概略を示す。
【0096】
図8に示すように、膝下マッサージ機構2は、例えば椅子などに着座した使用者の下肢Lのうち、脹脛Cおよび踵から足先(足裏や足の甲など)までの足部Fに対して押圧マッサージを行うものであり、下ケース体3の内部に収容されている。
【0097】
本実施形態の膝下マッサージ機構2は、筒部材8に挿入された脹脛Cから足部Fに対して押圧マッサージを行う膝下エアバッグ10を備えている。膝下エアバッグ10は、エアポンプ26からの加圧された空気を貯留可能に形成された袋体である。例えば、筒部材8の水平筒部材8aの上側面、垂直筒部材8bの後側と左右両側面などに、膝下エアバッグ10を備えている。
【0098】
また、膝下エアバッグ10には、駆動部6のエアポンプ26から圧縮された空気が供給されるエアホース(図示せず)が接続されている。この供給される空気は、エアポンプ26で圧縮され、電磁弁27を通じてエアホースに送られ、膝下エアバッグ10に供給される。
【0099】
具体的には、水平筒部材8aの膝下エアバッグ10に、エアポンプ26から加圧された空気が電磁弁27およびエアホースを通じて供給されて、この膝下エアバッグ10を膨張させることにより、水平筒部材8aに挿入された足先、足の甲およびその周辺部位などの足部Fに対して押圧マッサージが行われる。
【0100】
また、垂直筒部材8bの膝下エアバッグ10に、エアポンプ26から加圧された空気が電磁弁27およびエアホースを通じて供給されて、この膝下エアバッグ10を膨張させることにより、垂直筒部材8bに挿入された脹脛Cに対して押圧マッサージが行われる。
【0101】
下ケース体3の内部には、膝下マッサージ機構2と膝上マッサージ機構4を駆動する駆動部6が収納されている。駆動部6は、膝下エアバッグ10および膝上エアバッグ12に加圧した空気を供給する。
【0102】
駆動部6は、膝下エアバッグ10に加圧した空気を供給するエアポンプ26(コンプレッサ)と、膝下エアバッグ10への空気の導入と排出を切り替える電磁弁27と、この電磁弁27などを制御する制御部28と、を有している。
【0103】
エアポンプ26は、左右一対配備された筒部材8の間(下ケース体3内の中央)に設けられている。エアポンプ26は、エアホース(図示せず)を介して電磁弁27に接続されている。電磁弁27は、下ケース体3の底部側で且つエアポンプ26の上側に配備されている。電磁弁27は、エアホース(図示せず)を介して膝下エアバッグ10に接続されている。制御部28は、下ケース体3の底部側で且つエアポンプ26の後側に配備されている。なお、制御部28は、後述する駆動モータ29なども制御する。
【0104】
エアポンプ26で加圧された空気は電磁弁27に送出され、その電磁弁27を経由して各膝下エアバッグ10に供給される。また、エアポンプ26で加圧された空気は電磁弁27に送出され、その電磁弁27を経由しエアホース13を通過して膝上エアバッグ12に供給される。この電磁弁27は、制御部28にて制御されており、エアポンプ26で加圧された空気を膝下エアバッグ10、膝上エアバッグ12に送出している。
【0105】
さらに、本実施形態の駆動部6は、回転駆動力を発生する駆動モータ29と、回転駆動力を所定の速度に減速するギアケース30と、回転駆動力により回転する回転軸31と、を有している。駆動モータ29は、下ケース体3の底部側で且つ、出力軸が後方を向くように配備されている。ギアケース30は、駆動モータ29の出力軸が挿入され、複数のギアが格納されている。回転軸31は、軸心が左右方向(下ケース体3の幅方向)を向くように配備されている。回転軸31は、ギアケース30を貫通するように配備されている。
【0106】
回転軸31には、筒部材8に挿入された足部Fの足裏(土踏まず)に対して押圧マッサージする足裏ローラ部材32が設けられている。足裏ローラ部材32は、円筒状の部材であり、回転軸31に串刺し状に設けられている。足裏ローラ部材32は、回転軸31と供回りする。足裏ローラ部材32は、左右一対の筒部材8R,8Lの下部(左右の土踏まず)に対応する位置に設けられている。つまり、足裏ローラ部材32は、回転軸31上に所定の間隔をあけて左右一対設けられている。
【0107】
駆動モータ29からの回転駆動力がギアケース30に入力されると、回転駆動力は所定の速度に減速されて、回転軸31に伝達される。回転軸31が回転駆動力により回転すると、足裏ローラ部材32が回転し、足裏ローラ部材32上に設けられた複数の施療子32aが足裏(土踏まず)に対して好適な押圧マッサージをするようになる。
【0108】
また、下ケース体3の底部には、使用者の足裏の足先側と踵側に対応する位置に施療突起33が複数設けられている。さらに、足裏ローラ部材32の周辺に、足部Fを温めてマッサージ効果を高める温風ヒータ34を備えていてもよい。温風ヒータ34は、エアポンプ26からの空気を温めて、足部Fや脹脛Cなど膝下の下肢Lを温めるようにしてもよい。温風ヒータ34を備えることで、マッサージ効果をさらに向上させることができるようになる。
[作動態様]
次いで、本発明の下肢用マッサージ機1の作動態様について、図を参照しながら説明する。
【0109】
図3図4に示すように、下肢用マッサージ機1は、まず、膝上マッサージ機構4を備える上ケース体5が係合部14を介して、膝下マッサージ機構2を備える下ケース体3に係合された状態となっている。この下肢用マッサージ機1の状態は、収納状態または膝下マッサージ機構2のみを使用する状態である。
【0110】
使用者は、椅子などに着座して脹脛Cから足部F(膝下の下肢L)を、下ケース体3に備えられた筒部材8に挿入する。使用者の足先~足の甲、足裏などの足部Fと、踵~踝~脹脛Cが筒部材8に覆われるようになる。
【0111】
図1図2に示すように、使用者は、上ケース体5の取手部材5aを掴み、上ケース体5を引き上げる。すると、上ケース体5に設けられた係合部14のジョイント部15が、下ケース体3に設けられた係合部14のジョイントホルダー部16から離脱するようになる。さらに上ケース体5を引き上げてゆくと、下ケース体3内に配備された収納部36の
アーム部材38が持ち上がることにより、連結部7であるエアホース13が、係合部14のジョイントホルダー部16から外部へ伸びるようにして出てくる。
【0112】
ここで、安全機構20は、係合部14において、ジョイントホルダー部16からジョイント部15が離脱したと検知し、膝上マッサージ機構4の駆動(膝上エアバッグ12への空気の供給)が可能であることを示す検出信号を、制御部28に送信する。
【0113】
上ケース体5を腿部Tの上に置き、カフ帯11の係止部材11a(面ファスナー)を解除する。カフ帯11は一本の帯状となる。解除された左カフ帯11Lを左腿部TLに巻き付けて、左腿部TLの太さに合わせて調整して係止部材11aで係止する。同様に、解除された右カフ帯11Rを右腿部TRに巻き付けて、右腿部TRの太さに合わせて調整して係止部材11aで係止する。
【0114】
下ケース体3の操作部35を操作して、膝下マッサージ機構2と膝上マッサージ機構4を駆動させる。駆動部6は、エアポンプ26で空気を加圧し、電磁弁27へ送出する。電磁弁27は、制御部28で制御されており、加圧された空気を膝下エアバッグ10および膝上エアバッグ12に振り分けてそれぞれに供給する。
【0115】
加圧された空気は、電磁弁27を経たのち、エアホース(図示せず)を通過して膝下エアバッグ10に供給される。また、加圧された空気は、電磁弁27を経たのち、エアホース13を通過して膝上エアバッグ12に供給される。
【0116】
加圧された空気により膝下エアバッグ10が膨張と収縮を繰り返すことで、筒部材8の水平筒部材8aに挿入された足先・足の甲およびその周辺部位などの足部Fに対して押圧マッサージが行われる。また、加圧された空気により膝下エアバッグ10が膨張と収縮を繰り返すことで、筒部材8の垂直筒部材8bに挿入された脹脛Cに対して押圧マッサージが行われる。
【0117】
一方で、加圧された空気により左膝上エアバッグ12Lが膨張と収縮を繰り返すことで、左カフ帯11Lが巻き付けられた左腿部TLに対して押圧マッサージが行われる。また、加圧された空気により右膝上エアバッグ12Rが膨張と収縮を繰り返すことで、右カフ帯11Rが巻き付けられた右腿部TRに対して押圧マッサージが行われる。
【0118】
マッサージを終えると、下ケース体3の操作部35を操作して、駆動部6を停止する。膝下エアバッグ10および膝上エアバッグ12内の空気が抜けると、まず腿部Tに巻き付けられたカフ帯11を外す。すなわち、左カフ帯11Lの係止部材11aを解除し、左腿部TLから左カフ帯11Lを外す。また、右カフ帯11Rの係止部材11aを解除し、右腿部TRから右カフ帯11Rを外す。
【0119】
上ケース体5を腿部Tより上方に持ち上げて、腿部Tから上ケース体5を外す。腿部Tから外した状態で、係止部材11aを係止して左カフ帯11Lをまとめておく。同様に、係止部材11aを係止して右カフ帯11Rをまとめておく。
【0120】
上ケース体5の取手部材5aを掴み、上ケース体5を係合部14に近づけてゆくと、下ケース体3内に配備された収納部36のアーム部材38が、バネ部材40の付勢により下降する。このアーム部材38の下降により、連結部7であるエアホース13が下ケース体3内に収納される。
【0121】
エアホース13は、下ケース体3に設けられたジョイントホルダー部16内を通過し、上ケース体5に設けられたジョイント部15をジョイントホルダー部16に挿入して、下肢用マッサージ機1を収納状態にする。
【0122】
このように、下肢用マッサージ機1に、エアホース13を上ケース体5の連結部7として備え且つ、係合部14と安全機構20を備えることで、上ケース体5の腿部Tへの着脱が容易であり且つ、脹脛Cから足部F、腿部Tなどの施療部に対して押圧マッサージを行うことが可能となる。
【0123】
すなわち、本発明の下肢用マッサージ機1によれば、膝下に位置する脹脛Cから足先(足部F)に亘っての施療部に対して押圧マッサージを行うだけでなく、膝上に位置する腿部Tへの装着が容易であるとともにその腿部Tなどの施療部へも、効果的な押圧マッサージを行うことができる。
【0124】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考
えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
【0125】
本実施形態では、連結部7をエアホース13としたが、例えば膝上マッサージ機構4が揉み施療子を揺動させる機械式の場合、その膝上マッサージ機構4を駆動する電源コードを連結部7としてもよい。
【0126】
また、係合部14について、ジョイント部15を上ケース体5に設け、ジョイントホルダー部16を下ケース体3に設けて、フックを引っ掛けるような構成としたが、この構成に限定されない。例えば、上ケース体5を下ケース体3に係合するにあたり、ジョイント部15を真っ直ぐ突出した凸形状とし、それを凹状のジョイントホルダー部16に挿入してロックし、さらに押し込んでロックを解除する構成であってもよい。
【0127】
また、安全機構20について、本実施形態で例示した検出の構成に限定されず、例えば電流や電圧の変位で上ケース体5の離脱を検出する構成であってもよい。また、例えば、膝上エアバック10の個数、大きさや形状などの構成、膨張と収縮のリズムや、膨張させる順番等については、施療範囲を鑑み適宜変更可能である。同様に、膝下エアバック12の個数、大きさや形状などの構成、膨張と収縮のリズムや、膨張させる順番等についても、施療範囲を鑑み適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 下肢用マッサージ機
2 膝下マッサージ機構
3 下ケース体
4 膝上マッサージ機構
5 上ケース体
6 駆動部
7 連結部
8 筒部材
11 カフ帯
12 膝上エアバッグ
13 エアホース
14 係合部
15 ジョイント部
16 ジョイントホルダー部
17 本体部
18 孔部
19 開口部
20 安全機構
21 検出部
22 ステー部材
23 リミットスイッチ
24 押込部材
25 支持部材
26 エアポンプ
27 電磁弁
28 制御部
36 収納部
37 ホース接続部
38 アーム部材
39 回転支持部
40 バネ部材
41 縦筋部
C 脹脛
F 足部
T 腿部
TR 右腿部
TL 左腿部
L 下肢
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8