(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070607
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240516BHJP
H04N 21/4627 20110101ALI20240516BHJP
H04N 21/835 20110101ALI20240516BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
H04N21/4627
H04N21/835
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181205
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭
(72)【発明者】
【氏名】瀬古 顕子
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5C164MB31P
5C164UC26P
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】映像コンテンツに含まれる権利情報の確認時間を削減する。
【解決手段】実施形態の情報処理システムは、記憶部と解析部とマッチング部とタスク生成部とを備える。記憶部は、映像コンテンツに含まれる権利素材の内容を示す情報と、前記権利素材の権利者名と、前記権利素材の利用情報とを含む権利情報を記憶する。解析部は、前記映像コンテンツを解析する。マッチング部は、前記映像コンテンツの解析結果と、前記権利情報とを照合することによって、前記権利素材の内容のマッチング結果を取得する。タスク生成部は、前記マッチング結果に基づき、前記権利情報を処理するタスクを生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツに含まれる権利素材の内容を示す情報と、前記権利素材の権利者名と、前記権利素材の利用情報とを含む権利情報を記憶する記憶部と、
前記映像コンテンツを解析する解析部と、
前記映像コンテンツの解析結果と、前記権利情報とを照合することによって、前記権利素材の内容のマッチング結果を取得するマッチング部と、
前記マッチング結果に基づき、前記権利情報を処理するタスクを生成するタスク生成部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記解析部は、前記映像コンテンツで検知する対象に応じて設定された解析条件に基づいて、前記権利素材を検知する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記解析条件は、顔認識、物体認識、テロップ認識、音声認識及びシーン認識の少なくとも1つの認識技術を含む、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記マッチング結果は、前記少なくとも1つの認識技術による認識結果に基づいて決定された一致結果を少なくとも含む、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記マッチング部は、前記映像コンテンツの解析結果に存在し、かつ、前記権利情報に存在しない権利素材を、不一致と判定する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記マッチング結果に基づき、前記権利情報と、前記映像コンテンツの解析結果との差異を明示する表示情報を表示部に表示する表示制御部を更に備え、
前記表示制御部は、前記権利素材の内容毎に、前記差異を前記映像コンテンツの解析結果によって修正するか否かを指定する操作入力を受け付け、
前記タスク生成部は、前記指定を受け付けた権利素材の権利情報を更新するタスクを生成する、
請求項4又は5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記権利情報は、前記権利素材の開始位置と、前記権利素材の終了位置とを更に含み、
前記マッチング部は、前記権利情報における前記開始位置及び前記終了位置が、前記映像コンテンツの解析結果における開始位置及び終了位置と一致しているか否かを照合し、
前記表示情報は、前記権利情報における開始位置及び終了位置、前記映像コンテンツの解析結果における開始位置及び終了位置、前記一致結果、並びに、前記少なくとも1つの認識技術による認識結果を含む、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記記憶部は、前記権利素材を特定する権利マスターを更に記憶し、
前記タスク生成部は、前記映像コンテンツの解析結果と、前記権利マスターとを照合し、前記映像コンテンツに含まれる権利素材のうち、前記権利マスターに存在する権利素材を、権利処理アイテムとして自動生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記タスク生成部は、複数の権利処理アイテムが生成された場合、同一の権利素材の権利処理アイテムをマージすることによって1つの権利処理タスクにまとめる、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
情報処理システムが、映像コンテンツに含まれる権利素材の内容を示す情報と、前記権利素材の権利者名と、前記権利素材の利用情報とを含む権利情報を記憶するステップと、
前記情報処理システムが、前記映像コンテンツを解析するステップと、
前記情報処理システムが、前記映像コンテンツの解析結果と、前記権利情報とを照合することによって、前記権利素材の内容のマッチング結果を取得するステップと、
前記情報処理システムが、前記マッチング結果に基づき、前記権利情報を処理するタスクを生成するステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像コンテンツには様々な権利素材(権利の対象となる様々な素材)の権利情報が含まれており、権利情報が作成された後に、映像コンテンツを再生して権利情報と齟齬がないかを確認する作業が従来から行われている。例えば、作成された権利情報と、映像に映っている権利素材の内容とが一致しているか否かの確認が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5218766号公報
【特許文献2】特開2020-135029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、映像コンテンツに含まれる権利情報の確認時間を削減することが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理システムは、記憶部と解析部とマッチング部とタスク生成部とを備える。記憶部は、映像コンテンツに含まれる権利素材の内容を示す情報と、前記権利素材の権利者名と、前記権利素材の利用(一次利用、マルチユース利用)情報とを含む権利情報を記憶する。解析部は、前記映像コンテンツを解析する。マッチング部は、前記映像コンテンツの解析結果と、前記権利情報とを照合することによって、前記権利素材の内容のマッチング結果を取得する。タスク生成部は、前記マッチング結果に基づき、前記権利情報を処理するタスクを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態の情報処理システムの装置構成の例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の解析条件の例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の権利マスターの例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の権利情報の基本情報の例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の権利情報の詳細情報の例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態のコンテンツ情報の例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態のコンテンツ解析結果に含まれるデータの例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態のコンテンツ解析結果の具体例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態のマッチング結果の例を示す図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態の表示情報の例を示す図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態の補正された権利情報の例を示す図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態の情報処理方法の概要を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第1実施形態の情報処理方法の具体例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第2実施形態の情報処理について説明するための図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態の権利情報の例を示す図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態のコンテンツ解析結果の例を示す図である。
【
図18A】
図18Aは、第2実施形態の権利マスターの例(肖像権)を示す図である。
【
図18B】
図18Bは、第2実施形態の権利マスターの例(商標・意匠)を示す図である。
【
図18C】
図18Cは、第2実施形態の権利マスターの例(建築物)を示す図である。
【
図18D】
図18Dは、第2実施形態の権利マスターの例(美術品)を示す図である。
【
図19】
図19は、第2実施形態の権利処理アイテムの例を示す図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態の権利処理タスクの例を示す図である。
【
図21】
図21は、第2実施形態の情報処理方法の概要を示すフローチャートである。
【
図22A】
図22Aは、第2実施形態の情報処理方法の例を示すシーケンス図である。
【
図22B】
図22Bは、第2実施形態の情報処理方法の例を示すシーケンス図である。
【
図22C】
図22Cは、第2実施形態の情報処理方法の例を示すシーケンス図である。
【
図22D】
図22Dは、第2実施形態の情報処理方法の例を示すシーケンス図である。
【
図23】
図23は、第1及び第2実施形態のサーバ装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム及び情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。
【0008】
(第1実施形態)
はじめに、第1実施形態の情報処理システム1の装置構成及び機能構成の例について説明する。
【0009】
[装置構成及び機能構成の例]
図1は、第1実施形態の情報処理システム1の装置構成の例を示す図である。
図2は、第1実施形態の情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
【0010】
第1実施形態の情報処理システム1は、ストレージ10、アプリケーションサーバ装置21、映像解析サーバ装置22、タスク生成・マッチングサーバ装置23、データベース(DB:database)サーバ装置24及び連携サーバ装置25を備える。ストレージ10は、複数の映像コンテンツ101を記憶する。
【0011】
アプリケーションサーバ装置21は、解析条件・権利マスター設定部201、権利情報設定部202、コンテンツ情報設定部203及び表示制御部206を備える。映像解析サーバ装置22は、解析部204を備える。
タスク生成・マッチングサーバ装置23は、マッチング部205及びタスク生成部207を備える。
【0012】
データベースサーバ装置24は、解析条件・権利マスターDB301、権利情報DB302、コンテンツ情報DB303、コンテンツ解析結果DB304、マッチング結果DB305及び解析辞書306を備える。連携サーバ装置25は、実行指示部208を備える。
【0013】
なお、
図1の装置構成の例は、一例であり、装置構成は任意でよい。例えば、サーバ装置の数は任意でよく、1つのサーバ装置で、上記装置構成を実現してもよい。
【0014】
次に、第1実施形態の情報処理システム1の各機能構成について説明する。解析条件・権利マスター設定部201は、解析条件・権利マスターDB301に記憶される解析条件及び権利マスターを設定する。
【0015】
図3は、第1実施形態の解析条件の例を示す図である。解析部204は、例えば、検知する対象(検知対象)が人物の場合、顔認識、テロップ認識及び音声認識を用いて人物を検知する。第1実施形態の解析条件は、
図3に示すように映像コンテンツで検知する対象に応じて設定された解析条件に基づいて権利素材を検知する。解析条件には、各種の検知対象を適切に検知するための種々の認識技術が含まれる。解析条件は、解析部204、マッチング部205及びタスク生成部207により参照される。
【0016】
図4は、第1実施形態の権利マスターの例を示す図である。第1実施形態の権利マスターは、
図4に示すような権利処理分類を定義する。それぞれの権利処理分類に分類される検知対象は、上述の
図3の解析条件で設定された認識技術により検知される。
【0017】
図2に戻り、権利情報設定部202は、ユーザの操作入力に応じて、権利情報DB302に記憶される権利情報を手動設定する。
【0018】
図5は、第1実施形態の権利情報の基本情報の例を示す図である。第1実施形態の権利情報の基本情報は、映像コンテンツ101のタイトル、映像コンテンツ101の放送日/予定日、映像コンテンツ101の再生回数、責任者、責任者の連絡先、登録者、登録者の連絡先、原盤担当、原盤担当の連絡先、原盤制作可能範囲及び変更履歴等を含む。
【0019】
図5に示されるユーザインタフェースの例では、「放送原盤」がProxy再生でボタン表示され、「配信原盤」、「ビデオグラム」及び「同録(同時録画)」が関連Proxy再生でボタン表示されている。「放送原盤」は、地上放送用に準備されたコンテンツである。「配信原盤」は、配信用に準備されたコンテンツである。「ビデオグラム」は、DVD/BD等の販売用に準備されたコンテンツである。
【0020】
「同録」は、実際に地上放送(オンエア)されている映像が録画されたコンテンツである。「同録」には、準備された段階の放送原盤には収録されていない情報(例えば、テロップやスーパーなど)も含まれている。民間放送局の場合、「同録」に、更に放送途中のCMがそのまま含まれていてもよい。
【0021】
なお、映像コンテンツ101は、原盤単位に一つとして管理される。例えば一つの番組の映像コンテンツ101には、「放送原盤」、「配信原盤」及び「同録」などの複数のコンテンツが存在する。映像コンテンツ101において、地上放送のみで、配信されなければ、「配信原盤」は存在しないこともある。
【0022】
図6は、第1実施形態の権利情報の詳細情報の例を示す図である。第1実施形態の権利情報の詳細情報は、TC(Time Code) in、TC out、権利処理分類、権利素材内容、権利者名、連絡先、補足説明、条件、CU(Catch Up)、同時配信、無料配信、有料配信、再放送、衛星放送、国内番販、海外番販及びビデオグラムを含む。
【0023】
TC inは、映像コンテンツ101に含まれる権利素材の出現タイミングの開始位置を示す。TC outは、映像コンテンツ101に含まれる権利素材の出現タイミングの終了位置を示す。権利処理分類は、権利素材の権利処理の分類を示す。権利素材内容は、権利素材の内容を示す。権利者名は、権利素材の権利者の名称を示す。連絡先は、権利者の連絡先を示す。補足説明は、権利処理対象の権利素材に関する説明、及び、放送するための条件の内容説明などである。
【0024】
条件は、マルチユースを行う際の条件の有無を示し、たとえば以下に示す利用形態のうちその全てまたはいずれかの条件が存在する場合に「有」と示す。CU、同時配信、無料配信、有料配信、再放送、衛星放送、国内番販、海外番販及びビデオグラムは、権利素材のマルチユース先の例である。
【0025】
図2に戻り、コンテンツ情報設定部203は、コンテンツ情報DB303に記憶されるコンテンツ情報を設定する。
【0026】
図7は、第1実施形態のコンテンツ情報の例を示す図である。第1実施形態のコンテンツ情報は、コンテンツ種別、放送日/配信日、コンテンツ名、回数、責任者、登録者、原盤担当、原盤制作範囲、変更履歴情報、作成日及び映像コンテンツファイル名を含む。
【0027】
コンテンツ種別は、映像コンテンツ101の種別を示す。放送日/配信日は、映像コンテンツ101の放送日または配信日を示す。コンテンツ名は、映像コンテンツ101の名称であり、たとえば番組名、番組サブタイトル、取材素材映像名等を示す。回数は、映像コンテンツ101の放送回数または配信回数を示す。責任者は、映像コンテンツ101の責任者を示す。登録者は、当該コンテンツの権利明細基本情報の登録者を示す。原盤担当は、映像コンテンツ101の原盤の担当者を示す。原盤制作範囲は、映像コンテンツ101の原盤の制作範囲を示す。変更履歴情報は、当該コンテンツ情報の変更履歴を示す。
【0028】
作成日は、映像コンテンツ101の作成日を示す。映像コンテンツファイル名は、映像コンテンツ101のファイル名を示す。なお、映像コンテンツ101のファイルは、コンテンツ情報と共にコンテンツ情報DB303に記憶されていてもよい。
【0029】
図2に戻り、解析部204は、コンテンツ情報DB303を参照して、解析対象の映像コンテンツ101を特定し、上述の解析条件(
図3)と解析辞書306とに基づき、映像コンテンツ101に含まれる権利素材を検知する。
【0030】
解析辞書306には、例えば、顔認識であれば、「名前」、「その人の顔画像」及び「その人の特徴量:顔画像から抽出された情報」を含む。また例えば、物体認識では、物体に関する情報が解析辞書306に含まれる。また例えば、音声認識では、曲名、作詞、作曲及び歌詞に関する情報が解析辞書306に含まれる。また例えば、シーン認識では、競技シーンなど様々なシーンに関する情報が解析辞書306に含まれる。解析部204は、解析結果をコンテンツ解析結果DB304へ記憶する。
【0031】
図8は、第1実施形態のコンテンツ解析結果に含まれるデータの例を示す図である。例えば、物体認識による解析結果では、映像コンテンツ101に含まれる1つ又は複数の検知場所の範囲を特定する情報(開始位置~終了位置)、検知場所で検知された物体の確からしさを示す認識度、及び、当該物体の物体名を含む。
【0032】
図9は、第1実施形態のコンテンツ解析結果の具体例を示す図である。
図9の例では、例えば、1つ目のコンテンツ解析結果の例では、「横綱〇〇」のテロップ認識の認識結果と、顔認識の認識結果とが含まれている。
【0033】
図2に戻り、マッチング部205は、ユーザにより作成された権利情報(
図6)と、コンテンツ解析結果(
図9)とが、一致しているか否かをチェック(マッチング)する。例えば、マッチング部205は、下記のマッチングを実施し、マッチング結果を出力する。
【0034】
●マッチング
・作成された権利情報に対して、権利の分類及び出現タイミングが、一致しているかチェック
・作成された権利情報に対して、映像コンテンツ101に他に必要な権利情報が含まれていないかチェック
【0035】
下記のように権利の範囲は、エンドロール等クレジットタイトルとして表示される権利情報に加え、例えば建築物や新聞記事、看板の映り込みなど多岐にわたっており、映像コンテンツ101のマルチユースがネット配信等に拡大されることに伴い権利処理の業務が多様化・複雑化し、より広い範囲に拡大している。
【0036】
●権利関係の種類、及び、検知対象
・人物(顔認識(本人認識):映像、写真での人物を認識)
・物体(建築物、山、車、骨董品、美術品、キャラクターぬいぐるみ、及び、ロゴなど)
・テロップ(記事、書籍、手紙、人物・物体・楽曲に関係する文字列、及び、シーンを特定する文字列など)
・音声(音声から摘出した文字列:音声認識、及び、特定人物の声など)
・シーン(ホームラン打ったシーンなど特定のシーンなど)
【0037】
具体的には、マッチング部205は、権利情報(
図6)と、コンテンツ解析結果データ(
図8)とを突き合わせして、マッチング結果を作成する。例えば、権利情報が出演者に対する出演許諾情報の場合、マッチング部205は、権利情報(
図6)の出演者と、映像コンテンツ101の解析により、人物情報(顔認識の結果から得られた人物の名前)、テロップに含まれる出演者の名前の表示、及び、音声に含まれる出演者の名前等から検知された出演者とが一致するか否かをマッチングする。マッチング部205は、マッチング結果をマッチング結果DB305に記憶する。
【0038】
図10は、第1実施形態のマッチング結果の例を示す図である。第1実施形態のマッチング結果は、TC in、TC out、権利処理分類、一致結果、総合一致度、補足説明及びサポート情報を含む。
図10の例では、符号411~426によって、ユーザにより作成された権利情報(
図6)と、コンテンツ解析結果(
図9)との不一致が示されている。
【0039】
TC in、TC out及び権利処理分類の説明は、
図6と同じなので省略する。
【0040】
一致結果は、権利情報(
図6)と、コンテンツ解析結果(
図9)との一致結果を示す。一致結果は、映像コンテンツ101に含まれる権利素材の認識結果、及び、当該権利素材の出現タイミングに基づき判定される。例えば、マッチング部205は、総合一致度が90%以上である場合、一致とし、総合一致度が90%未満である場合、不一致とする。
【0041】
総合一致度は、コンテンツ解析結果(
図9)に含まれる1以上の認識度に基づいて決定される。例えば、検知対象が、物体の場合、総合一致度は、物体認識の認識度、及び、テロップ認識の認識度の平均値により決定される。補足説明は、総合一致度や
図9に示すような解析状況メモ等の解析内容に応じた一致結果の補足説明であり、マッチング部205にあらかじめ設定された条件に基づき生成される。例えば、補足説明は、映像コンテンツ101の権利情報の過不足情報などを含む。サポート情報は、権利情報の見直しに関するサポート情報である。例えば、サポート情報は、マッチング部205にあらかじめ設定された条件に基づき生成される。
【0042】
具体的には、マッチング結果は、例えば下記の様な照合(マッチング)の方法によって得られる。
・権利情報(
図6)の出現タイミング(TC in、TC out)が、コンテンツ解析結果(
図9)の出現タイミングと一致するか否かのマッチング
・権利情報の人名に対する認識度に基づくマッチング(検知された人物が当該人物ではない、人物を認識しない場合は不一致と判定)
・権利情報の特定には、物体認識(人物認識)と、テロップの文字列情報(人物の場合は人名)の一致度合いとの複合条件で、当該権利情報の一致度合いを判定
・解析結果では、特定の人物として検知できる(権利対象として認識できる)が、権利情報DB302に設定がない場合は、権利情報DBに権利情報なしと判定
【0043】
表示制御部206は、マッチング結果に基づき表示情報を生成し、当該表示情報を表示部401に表示する。表示情報は、権利情報のマッチング結果の一致度合いを視覚的に判り易く示す情報(例えば記号及びマーク等)、補足情報及びサポート情報等を含む。
【0044】
例えば、表示情報は、権利情報DB302の権利情報における開始位置及び終了位置、映像コンテンツの解析結果における開始位置及び終了位置、一致結果、総合一致度、補足説明、サポート情報、並びに、少なくとも1つの認識技術による認識結果を含む。この表示情報は、例えばオペレータにより確認される。例えば、権利情報(
図6)とのマッチング結果を比較形式で表示する表示情報が表示部401に視覚的に表示されることにより、権利関係の作業にかかる時間を軽減することができる。
【0045】
図11は、第1実施形態の表示情報の例を示す図である。
図11は、
図9のコンテンツ解析結果、及び、
図10のマッチング結果に基づく表示情報の例を示す。第1実施形態の表示情報は、チェックボックス、TC in、TC out、権利処理分類、権利素材内容、マッチング結果(判定及び度合)、解析結果情報(Image、解析及び認識度)、及び、出現タイミングの%表示を含む。
【0046】
なお、表示箇所431~450は、権利情報と、コンテンツ解析結果とに差異があることを視覚的に判る様に、強調して表示される。例えば、表示箇所431~450は、赤色で表示される。例えば、1行目の権利情報では、TC in/outの上段に権利情報の設定状態を示し、下段にコンテンツ解析結果を赤色で示すことによって、差異を可視化する。なお、表示箇所431~450の字体及び文字の太さ等を変更することによって、差異を強調してもよい。
【0047】
チェックボックスは、補正の実行により、コンテンツ解析結果で権利情報を修正するか否かを示す。チェックボックスがチェックされた行の権利情報は、補正実行対象の権利処理アイテムとして、タスク生成部207の処理対象となる。
【0048】
TC in、TC out、権利処理分類及び権利素材内容は、権利情報の詳細情報(
図6)と同じなので説明を省略する。
【0049】
マッチング結果(判定及び度合)は、閾値により判定された一致/不一致と、当該判定に使用された解析結果の一致の度合(上述の総合一致度)を示す。
【0050】
解析結果情報(Image、解析及び認識度)は、解析結果に対応するサムネイル画像と、解析の種類と、当該解析の認識度とを示す。
【0051】
出現タイミングの%表示は、権利情報が検知された出現タイミングを、コンテンツ全体の時間に対する割合で示しており、顔認識及び物体認識等ではバー表示される。例えばバー表示は、一致の場合(
図11の例では、バー表示453)、青色で表示される。不一致の場合のバー表示(
図11の例では、バー表示452、455及び456)は、赤色で表示される。そして、一部不一致の場合のバー表示(
図11の例では、バー表示451及び454)は、バーの輪郭が赤色で表示され、バーの内部は青色で表示される。
【0052】
また、テロップ認識及び音声認識では検知された位置からの文字列表示などで、視覚的に場所を特定しやすい形式とする。この文字列表示には、例えば、上述の総合一致度に応じた補足説明と、前記権利情報の修正に関するサポート情報とが使用される。
【0053】
図2に戻り、タスク生成部207は、マッチング結果で修正が必要な部分について、オペレータ等のユーザの指示に応じて、権利情報を更新(補正)する。
【0054】
図12は、第1実施形態の補正された権利情報の例を示す図である。タスク生成部207は、
図11の表示情報に含まれるチェックボックスでチェックされた権利情報を、コンテンツ解析結果によって更新する。
図12の例では、表示箇所461~469の情報が、コンテンツ解析結果に含まれる情報によって補正されている。
【0055】
図2に戻り、実行指示部208は、権利情報DB302について、外部との連携を含む権利処理の実行を、ブロックチェーン、WF(workflow)またはメール等を使用して、外部システムに対し指示する。
【0056】
[情報処理方法の例]
図13は、第1実施形態の情報処理方法の概要を示すフローチャートである。はじめに、情報処理システム1が、映像コンテンツ101をストレージ10に取り込む(ステップS1)。次に、コンテンツ情報設定部203が、映像コンテンツ101のコンテンツ情報をコンテンツ情報DB303に登録する(ステップS2)。
【0057】
次に、権利情報設定部202が、ユーザの操作入力に応じて、権利情報DB302に記憶される権利情報を設定する(ステップS3)。次に、マッチング部205が、処理対象の権利情報(処理アイテム)を設定する(ステップS4)。次に、解析部204が、映像コンテンツ101を解析することによって生成された解析結果を、コンテンツ解析結果DB304に記憶する(ステップS5)。
【0058】
次に、マッチング部205が、ステップS4で設定された権利情報(処理アイテム)と、ステップS5で生成された解析結果とをマッチングする(ステップS6)。次に、表示制御部206が、ステップS6で得られたマッチング結果を含む表示情報を表示部401に表示し、ユーザによる手動編集を受け付ける(ステップS7)。ユーザによる手動編集は、例えば、上述の
図11の表示情報に含まれるチェックボックスのチェックを含む。
【0059】
次に、タスク生成部207が、ステップS7の手動編集に応じて、権利情報を更新(補正)する権利処理タスクを実行する(ステップS8)。次に、タスク生成部207が、権利処理タスクの状況を登録する(ステップS9)。権利処理タスクの状況は、例えば権利処理タスクの実行有無(実行済/保留)を示す情報を含む。
【0060】
図14は、第1実施形態の情報処理方法の具体例を示すフローチャートである。ステップS21~S24は、
図13のS1~S3及びS5と同じであるので説明を省略する。マッチング部205は、権利情報DB302の権利情報と、コンテンツ解析結果DB304の解析結果とが一致しているか否かを判定する(ステップS25)。一致している場合(ステップS25,Yes)、マッチング部205は、マッチング結果DB305に一致情報を記録する(ステップS26)。
【0061】
一致していない場合(ステップS25,No)、マッチング部205は、マッチング結果DB305に不一致情報を記録する(ステップS27)。なお、不一致情報は、解析結果に含まれる権利素材に対応する権利情報が、権利情報DB302に存在しない場合も含む。
【0062】
次に、表示制御部206が、マッチング結果に基づく表示情報(
図11)を表示部401に表示する(ステップS28)。次に、タスク生成部207が、表示情報(
図11)に含まれるチェックボックスのチェック結果に基づき、処理対象の権利情報(権利処理アイテム)を補正するか否かを判定する(ステップS29)。権利情報を補正する場合(ステップS29,Yes)、タスク生成部207が、マッチング結果に従い権利情報を更新(補正)する権利処理タスクを実行することにより、権利情報DB302の権利情報を補正する(ステップS30)。権利情報を補正しない場合(ステップS29,No)、処理はステップS31に進む。
【0063】
次に、実行指示部208が、権利情報DB302の権利情報の外部連携を実施するか否かを判定する(ステップS31)。権利情報の外部連携を実施する場合(ステップS31,Yes)、実行指示部208が、ブロックチェーン、WFまたはメール等を使用して、外部連携を行い(ステップS32)、ステップS21に戻る。権利情報の外部連携を実施しない場合(ステップS31,No)、処理はステップS21に戻る。
【0064】
以上説明したように、第1実施形態の情報処理システム1では、記憶部(権利情報DB302)が、映像コンテンツ101に含まれる権利素材の内容を示す情報と、権利素材の権利者名と、権利素材の利用(一次利用、マルチユース利用)情報とを含む権利情報を記憶する。解析部204が、映像コンテンツ101を解析する。マッチング部205が、映像コンテンツ101の解析結果と、権利情報DB302の権利情報とを照合することによって、権利素材の内容のマッチング結果を取得する。そして、タスク生成部207が、マッチング結果に基づき、権利情報を処理するタスクを生成する。
【0065】
これにより第1実施形態の情報処理システム1によれば、映像コンテンツ101に含まれる権利情報の確認時間を削減することができる。例えば、映像コンテンツ101内に含まれる権利素材については、例えば契約及び許諾の管理などの権利処理が行われている。第1実施形態の情報処理システム1によれば、映像コンテンツ101の解析結果と、事前に設定された権利情報DB302の権利情報とのマッチング結果を確認することができるので、突合作業にかかる時間を短縮できる。
【0066】
また、表示制御部206は、マッチング結果に基づき、権利情報と、映像コンテンツの解析結果との差異を明示する表示情報を表示部401に表示する。そして、表示制御部206は、権利素材の内容毎に、差異を映像コンテンツ101の解析結果によって修正するか否かを指定する操作入力を受け付ける。タスク生成部207は、指定を受け付けた権利素材の権利情報を更新するタスクを生成する。
【0067】
これにより第1実施形態の情報処理システム1によれば、指定された権利情報を補正することができるので、見直し作業にかかる時間を短縮できる。
【0068】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の説明については省略し、第1実施形態と異なる箇所について説明する。第2実施形態では、権利処理アイテムを自動生成する動作について説明する。
【0069】
映像コンテンツ101の権利情報は、メタ情報として、映像コンテンツ101そのものに対し付与または、映像コンテンツ101を構成する複数のシーンごとに付与される。映像コンテンツ101に存在する各種権利およびその権利者は多岐にわたる。また、映像コンテンツ101の用途も複雑化しており、網羅性の高い確実な権利処理を効率的に実施し、管理することで、映像コンテンツ101に含まれる権利情報の確認時間を削減することができる。
【0070】
第2実施形態の情報処理システム1の装置構成は、第1実施形態の
図1と同じなので説明を省略する。
【0071】
図15は、第2実施形態の情報処理について説明するための図である。権利情報設定部202は、ストレージ10に記憶された映像コンテンツ101の利用条件設定をユーザから受け付け、当該利用条件設定に応じた権利情報を、権利情報DB302に記憶する。解析部204は、映像コンテンツ101を解析することによって、映像コンテンツ101に含まれる人物、物体、テロップ、楽曲、声紋、シーン、意匠及び商標等を認識する。解析部204による解析結果は、コンテンツ解析結果DB304に記憶される。
【0072】
タスク生成部207は、コンテンツ解析結果DB304と権利情報DB302との照合、及び、コンテンツ解析結果DB304と権利マスターDB301との照合によって、権利処理アイテムを生成する。そして、タスク生成部207は、当該権利処理アイテムのマージ処理をすることによって、権利処理タスクを生成する。
【0073】
実行指示部208は、表示制御部206に、権利処理タスクの表示を要求し、表示部401でユーザが確認できるようにする。また、実行指示部208は、権利処理タスクの状況(実行済み/保留など)を登録する。外部システム500は、実行指示部208の指示に応じて、ブロックチェーン、WFまたはメール等による外部システムへ連携を指示するとともに、外部システムにおける権利処理タスクの状況(実行済み/保留など)を実行指示部208に登録する。
【0074】
図16は、第2実施形態の権利情報の例を示す図である。第2実施形態の権利情報DB302に記憶される権利情報は、コンテンツ名、概要、権利者名、連絡先、特記事項、地上波、再放送、番組販売、同時配信及びビデオグラムを含む。
【0075】
コンテンツ名は、映像コンテンツ101の名称である。概要は、映像コンテンツ101の概要である。権利者名は、映像コンテンツ101の権利者名である。連絡先は、権利者の連絡先である。特記事項は、映像コンテンツ101の利用条件に関する特記事項である。地上波、再放送、番組販売、同時配信及びビデオグラムは、使用許可の有無(〇:使用可、-:使用不可)を示す。
【0076】
図17は、第2実施形態のコンテンツ解析結果の例を示す図である。第2実施形態のコンテンツ解析結果DB304に記憶されるコンテンツ解析結果は、TC in、TC out、解析種類及び解析結果を含む。TC in及びTC outは、第1実施形態の説明と同じである。解析種類は、解析処理の種類を示し、権利マスターDB301に定義された権利種類に対応する。権利マスターには、権利処理の対象に加え、権利処理が不要な対象(例えばクリエイティブ・コモンズ・ライセンスやパブリックドメインなど)を含んでもよい。解析結果は、解析種類に応じた解析結果(例えば氏名、企業ロゴ及び楽曲名等)を示す。
【0077】
図18Aは、第2実施形態の権利マスターの例(肖像権)を示す図である。第2実施形態の権利マスターDB301に記憶される肖像権の権利マスターは、人物名、グループ名、事務所、種別、適用国・州、権利者、連絡先及び備考を含む。人物名は、肖像権を有する人物の氏名である。グループ名は、肖像権を有する人物が属するグループの名称である。事務所は、肖像権を有する人物又はグループが所属する事務所である。種別は、権利処理の要否に基づく種別を示し、ここでは肖像権の権利処理が必要なものは「要」、肖像権の権利処理が不要なものは「否」とする。なお、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスやパブリックドメインなどであってそもそも判断の必要もなく権利処理が不要なものは例えば「CC」、「PD」としてもよい。適用国・州は、肖像権が適用される国・州を示す。権利者は、肖像権の権利者を示す。連絡先は、権利者の連絡先を示す。備考は、肖像権に関する付記である。
【0078】
図18Bは、第2実施形態の権利マスターの例(商標・意匠)を示す図である。第2実施形態の権利マスターDB301に記憶される商標・意匠の権利マスターは、意匠・商標名、種別、適用国・州、権利者、連絡先及び備考を含む。意匠・商標名は、意匠・商標の名称である。種別、適用国・州、権利者、連絡先及び備考は、
図18Aの説明と同じである。
【0079】
図18Cは、第2実施形態の権利マスターの例(建築物)を示す図である。第2実施形態の権利マスターDB301に記憶される建築物の権利マスターは、建築物名、種別、適用国・州、権利者、連絡先及び備考を含む。建築物名は、建築物の名称である。種別、適用国・州、権利者、連絡先及び備考は、
図18Aの説明と同じである。
【0080】
図18Dは、第2実施形態の権利マスターの例(美術品)を示す図である。第2実施形態の権利マスターDB301に記憶される美術品の権利マスターは、美術品名、種別、適用国・州、権利者、連絡先及び備考を含む。美術品名は、美術品の名称である。種別、適用国・州、権利者、連絡先及び備考は、
図18Aの説明と同じである。
【0081】
図19は、第2実施形態の権利処理アイテムの例を示す図である。第2実施形態の権利処理アイテムは、ID(identifier)、TC in、TC out、解析種類、権利素材、権利者名、連絡先、備考、地上波、再放送、番組販売、同時配信及びビデオグラムを含む。IDは、権利処理アイテムを識別する情報である。TC in、TC out及び解析種類は、コンテンツ解析結果(
図17)の説明と同じである。権利素材は、
図17の解析結果(例えば氏名、企業ロゴ及び楽曲名等)に対応する。権利者名、連絡先、備考、地上波、再放送、番組販売、同時配信及びビデオグラムは、上述の説明と同様である。
【0082】
図20は、第2実施形態の権利処理タスクの例を示す図である。
図20の例では、映像コンテンツ101に含まれる「〇〇 ××」さんの肖像権の権利処理アイテムがマージされた権利処理タスクを示す。処理リクエストは、権利処理アイテムの処理が要求された日を示す。処理済みは、権利処理アイテムの権利処理された日を示す。
【0083】
図21は、第2実施形態の情報処理方法の概要を示すフローチャートである。ステップS41~S44、S48及びS49は、第1実施形態の情報処理方法のステップS1~S3、S5、S8及びS9と同じなので、説明を省略する。
図21の説明では、権利処理アイテム自動生成処理について説明する。
【0084】
タスク生成部207は、コンテンツ解析結果DB304に含まれる権利情報と、権利マスターDB301とを照合する(ステップS45)。次に、タスク生成部207は、権利情報の権利処理を行う権利処理アイテムを生成する(ステップS46)。すなわち、タスク生成部207は、映像コンテンツ101に含まれる権利素材のうち、権利マスターDB301に存在する権利素材を、権利処理アイテムとして自動生成する。
【0085】
次に、タスク生成部207は、例えば
図20に示すように、権利処理アイテムのマージ処理を行い、権利処理タスクを生成する(ステップS47)。すなわち、タスク生成部207は、複数の権利処理アイテムが生成された場合、同一の権利素材の権利処理アイテムはマージすることによって1つの権利処理タスクにまとめる。
【0086】
図22A乃至22Dは、第2実施形態の情報処理方法の例を示すシーケンス図である。はじめに、権利情報設定部202が、ストレージ10に記憶された映像コンテンツ101の利用条件設定をユーザから受け付け、当該利用条件設定に応じた権利情報を、権利情報DB302に記憶する(ステップS61)。次に、権利情報設定部202が、映像コンテンツ101のマルチユースか否かを判定する(ステップS62)。映像コンテンツ101のマルチユースか否かは、既にコンテンツ情報DB303に当該映像コンテンツ101が登録されているか否かにより判定される。映像コンテンツ101のマルチユースである場合(ステップS62,Yes)、処理はステップS73に進む。
【0087】
<マルチユースでない場合>
映像コンテンツ101のマルチユースでない場合(ステップS62,No)、すなわち当該映像コンテンツ101がコンテンツ情報DB303に未登録の場合、当該映像コンテンツ101をコンテンツ情報DB303に登録する(ステップS63)。
【0088】
次に、解析部204が、ストレージ10から映像コンテンツ101を取得し(ステップS64)、当該映像コンテンツ101を解析する(ステップS65)。次に、タスク生成部207が、コンテンツ解析結果DB304と、権利マスターDB301とを照合し、権利マスターDB301に該当する権利情報があるか否かを判定する(ステップS66)。権利マスターDB301に該当する権利情報がない権利素材については(ステップS66,No)、ステップS71で処理される。
【0089】
<権利マスターDB301に該当する権利情報がある場合>
権利マスターDB301に該当する権利情報がある権利素材については(ステップS66,Yes)、タスク生成部207が、当該権利素材の権利処理を行う権利処理アイテムを生成する(ステップS67)。次に、タスク生成部207が、同一権利対象の権利処理アイテムが存在するか否かを判定する(ステップS68)。
【0090】
同一権利対象の権利処理アイテムが存在する場合(ステップS69,Yes)、タスク生成部207は、例えば
図20に示すように、マージ処理を行い(ステップS69)、権利処理タスクを生成する(ステップS70)。同一権利対象の権利処理アイテムが存在しない場合(ステップS69,No)、タスク生成部207は、マージ処理を行わずに、権利処理タスクを生成する(ステップS70)。
【0091】
<権利マスターDB301に該当する権利情報がない場合>
タスク生成部207は、権利処理対象の権利処理候補リストを生成する(ステップS71)。次に、タスク生成部207は、権利処理候補リストに対するユーザの操作入力に応じて、権利処理アイテムを生成する(ステップS72)。
【0092】
なお、ステップS72による権利処理アイテムの生成処理が、汎用性のある処理である場合は、当該権利処理アイテムに対応する権利情報を権利マスターDB301に登録する。これにより、次回の権利処理から、当該権利情報の権利処理アイテムの生成処理をステップS67の処理によって自動化することができる。
【0093】
<権利処理タスクの表示・確認処理>
実行指示部208は、ステップS70の処理により生成された権利処理タスクを、表示制御部206によって表示部401に表示させ、ユーザが権利処理タスクを確認できるようにする(ステップS74)。次に、実行指示部208は、権利処理タスクに含まれる権利情報の外部連携があるか否かを判定する(ステップS75)。
【0094】
外部連携がある場合(ステップS75,Yes)、実行指示部208は、ブロックチェーン、WFまたはメール等による外部連携を実行し(ステップS76)、権利処理タスクの状況(実行済み/保留など)を登録し(ステップS77)、処理を終了する。外部連携がない場合(ステップS75,No)、外部連携を実行せずに、権利処理タスクの状況(実行済み/保留など)を登録し(ステップS77)、処理を終了する。
【0095】
<マルチユースである場合>
タスク生成部207は、マルチユースにおける利用条件と、権利情報DB302とを照合し、新たに必要な権利処理があるか否か判定する(ステップS73)。新たに必要な権利処理がある場合(ステップS73,Yes)、処理はステップS66に進み、新たに必要な権利処理がない場合(ステップS73,No)、処理は終了する。
【0096】
以上、説明したように、第2実施形態の情報処理システム1によれば、AI等の認識技術の利用により、高精度・高粒度で権利処理アイテムを生成できる。また、第2実施形態の情報処理システム1によれば、高粒度の権利処理アイテムを、同一の権利素材ごとにマージ処理を行うことによって、実行単位となる権利処理タスクを生成する。これにより、権利処理の業務、及び、権利情報の管理の効率化を実現することができる。
【0097】
最後に、第1及び第2実施形態の情報処理システム1のハードウェア構成の例について説明する。
【0098】
[ハードウェア構成の例]
図23は、第1及び第2実施形態のサーバ装置(アプリケーションサーバ装置21、映像解析サーバ装置22、タスク生成・マッチングサーバ装置23、データベースサーバ装置24及び連携サーバ装置25)のハードウェア構成の例を示す図である。サーバ装置は、プロセッサ501、主記憶装置502、補助記憶装置503、表示装置504、入力装置505および通信装置506を備える。プロセッサ501、主記憶装置502、補助記憶装置503、表示装置504、入力装置505および通信装置506は、バス510を介して接続されている。
【0099】
なお、サーバ装置は、上記構成の一部が備えられていなくてもよい。例えば、サーバ装置が、外部の装置の入力機能および表示機能を利用可能な場合、サーバ装置に表示装置504および入力装置505が備えられていなくてもよい。
【0100】
プロセッサ501は、補助記憶装置503から主記憶装置502に読み出されたプログラムを実行する。主記憶装置502は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のメモリである。補助記憶装置503は、HDD(Hard Disk Drive)およびメモリカード等である。
【0101】
表示装置504は、例えば液晶ディスプレイ等である。入力装置505は、サーバ装置を操作するためのインタフェースである。なお、表示装置504および入力装置505は、表示機能と入力機能とを有するタッチパネル等により実現されていてもよい。通信装置506は、他の装置と通信するためのインタフェースである。
【0102】
例えば、サーバ装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、メモリカード、ハードディスク、CD-RW、CD-ROM、CD-R、DVD-RAMおよびDVD-R等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されてコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供される。
【0103】
また例えば、サーバ装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0104】
また例えば、サーバ装置で実行されるプログラムをダウンロードさせずにインターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。具体的には、例えばASP(Application Service Provider)型のクラウドサービスによって構成してもよい。
【0105】
また例えば、サーバ装置のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0106】
サーバ装置で実行されるプログラムは、上述の機能構成のうち、プログラムによっても実現可能な機能を含むモジュール構成となっている。当該各機能は、実際のハードウェアとしては、プロセッサ501が記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各機能ブロックが主記憶装置502上にロードされる。すなわち上記各機能ブロックは主記憶装置502上に生成される。
【0107】
なお上述した各機能の一部又は全部をソフトウェアにより実現せずに、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよい。
【0108】
また複数のプロセッサ501を用いて各機能を実現してもよく、その場合、各プロセッサ501は、各機能のうち1つを実現してもよいし、各機能のうち2以上を実現してもよい。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
1 情報処理システム
10 ストレージ
21 アプリケーションサーバ装置
22 映像解析サーバ装置
23 タスク生成・マッチングサーバ装置
24 データベースサーバ装置
25 連携サーバ装置
201 解析条件・権利マスター設定部
202 権利情報設定部
203 コンテンツ情報設定部
204 解析部
205 マッチング部
206 表示制御部
207 タスク生成部
208 実行指示部
301 解析条件・権利マスターDB
302 権利情報DB
303 コンテンツ情報DB
304 コンテンツ解析結果DB
305 マッチング結果DB
306 解析辞書
401 表示部
501 プロセッサ
502 主記憶装置
503 補助記憶装置
504 表示装置
505 入力装置
506 通信装置
510 バス