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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070615
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】固定具および固定具を備えた調理器
(51)【国際特許分類】
   F16B 47/00 20060101AFI20240516BHJP
   A47J 43/07 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
F16B47/00 A
A47J43/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181228
(22)【出願日】2022-11-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年7月19日 https://brenc.jp/ https://brenc.jp/products/br-k006w
(71)【出願人】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】有井 真吾
【テーマコード(参考)】
3J038
4B053
【Fターム(参考)】
3J038AA02
4B053AA01
4B053BB02
4B053BK44
4B053BL02
(57)【要約】
【課題】容易に固定の解除ができる固定具を提供する。
【解決手段】
物体Xを平面Sに固定する固定具10、10Aであって、固定具10、10Aは、平板状の上部材16と、平板状の下部材20と、下部材20の上面に上部材16を支持する支持部18を有す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を平面に固定する固定具であって、
前記固定具は、
平板状の上部材と、
平板状の下部材と、
前記下部材の上面に前記上部材を支持する支持部を有す、
ことを特徴とする固定具。
【請求項2】
物体を平面に固定する固定具であって、
前記固定具は、
平板上の上部材と、
吸盤の下部材と、
前記下部材の上面に前記上部材を支持する支持部と、
下部材の一部と前記上部材の一部とが接続する解除部を有す、
ことを特徴とする固定具。
【請求項3】
前記固定具は、支持部に空間を有す、
ことを特徴とする前記請求項1および2記載の固定具。
【請求項4】
前記下部材は底面にリブを有す、
ことを特徴とする前記請求項1記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定具および固定具を備えた調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、モーターを駆動源とするミキサーやニーダーなどのかくはん器は、振動により機器本体が移動してしまう。そのため、吸盤状の脚を設けて機器本体の振動を抑制する方法が知られている。しかし、移動のため機器本体を両手で抱えて持ち上げるとき、吸盤は平面からはがしにくいという問題があった。
【0003】
特許第6455821号広報(以下、特許文献1という)には、機器本体に吸盤の支持脚(固定具)と連結する吸盤解除レバーが設けられている。吸盤解除レバーを持ち上げることで、吸盤の固定が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6455821号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の固定具では、機器本体に解除レバーを設けなければならず機器本体の構成が複雑となってしまう。
【0006】
そこで、本発明の一目的は、容易に固定の解除ができる固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一解決手段に係る固定具は、物体を平面に固定し、平板状の上部材と、平板状の下部材と、下部材の上面に上部材を支持する支持部を有する。
【0008】
本発明の一解決手段に係る固定具は、物体を平面に固定し、平板上の上部材と、吸盤の下部材と、下部材の上面に上部材を支持する支持部と、下部材の一部と上部材の一部とが接続する解除部を有する。
【0009】
本発明の一解決手段に係る固定具は、支持部に空間を有する。
【0010】
本発明の一解決手段に係る固定具は、下部材の底面にリブを有する。
【0011】
本発明の一解決手段によれば、容易に固定の解除ができる固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態にかかる固定具の正面図である。
図2図1に示す固定具の平面図である。
図3図2のA-A’線の断面図である。
図4図1に示す固定具の底面図である。
図5図1の固定具の解除状態と固定状態を示す説明図である。
図6図2のB-B’線の断面図である。
図7】固定具の固定状態を示す図である。
図8】固定具の解除方法を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る固定具10Aの正面図である。
図10図9に示す固定具の平面図である。
図11図9に示す固定具の底面図である。
図12図10のC-C’線の断面図である。
図13】固定具の解除状態と固定状態を示す説明図である。
図14】固定具の解除方法を示す図である。
図15】固定具の使用例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る固定具について図面を参照して説明する。尚、図1の左右方向を固定具の幅方向、上下方向を固定具の高さ方向として説明する。
【0016】
(第一実施形態)
図1は、固定具10の正面図である。図2は、固定具10の平面図である。図3図2のA-A’線の断面図である。固定具10は、物体Xを水平面に固定したり、垂直面あるいは天井などに吊り下げるためのものである。固定具10は、ゴムやプラスチックのような弾性の部材であることが好ましい。本発明に係る実施形態では、固定具10を物体Xの脚に取付け、物体Xを水平面Sに固定することを例にして説明する。
【0017】
固定具10は、下部に吸盤の下部材20を有している。下部材20は内面24(底面)から上方に向かって間41ができるよう凹んでいる。固定具10は、下部材20が平面Sに押しつけられることで下部材20がくぼみ、下部材20の間41の空気が外に追い出されることで平面Sに固定することができる。
【0018】
固定具10は、下部材20の上部に板状の上部材16を有している。上部材16は、物体Xの重さに耐えられるよう所定の厚みを有している。また、上部材16は物体Xから受ける振動などの力を均等に分散するため平面視において円形であることが好ましいが、矩形や多角形などの形状でもよい。
【0019】
固定具10は支持部18を有している。支持部18は、上部材16と下部材20とを接続するもので、円柱の形状をしている。固定具10がモーターを駆動源とするミキサーやニーダーなどの機器本体の支持脚などに使用されたとき、機器本体から伝わる振動を支持部18で吸収することが出来る。
【0020】
固定具10は、上部材16の上面に取付部11を有している。取付部11は頭部12を有しており、頭部12は物体Xの底面に差し込みやすいよう円錐台の形状をしている。また、上部材16と頭部12を接続する円柱の首部14を有している。首部14の直径は、物体Xに差し込んだ頭部12が抜けないよう頭部12の底面の直径より小さいことが好ましい。また、本実施形態の頭部12は円錐台の形状とすることが好ましいが、頭部12の形状は、物体Xの底面に差し込みやすければこれにこだわらない。
【0021】
固定具10は間41、42、43を有している(間41、42、43を合わせて間40と言う。)。具体的に説明すると、間43は頭部12に設けられた空間である。間43は、固定具10を物体Xの底面に差し込む時、間43が凹むことで頭部12が変形し、頭部12を物体Xにねじ込みやすくするためである。
【0022】
また、間42は、支持部18に設けられた空間である。物体Xが振動すると、支持部18は間42を有すため揺動しやすい。支持部18は揺動することで物体Xの振動を吸収することができる。
【0023】
間41は、固定具10を平面Sに載置したとき、下部材20の内面(底面)24に構成される空間であり、平面Sと内面24とで囲まれた空間である。また、固定具10は、間41の空気が押し出されることで平面Sに固定される。
【0024】
間40の空気は、固定具10が平面Sに押し付けられることで一部が周囲に追い出される。間40の気圧と周辺の気圧とで差が生じると、固定具10は平面Sに固定される。また、気圧の差が大きくなるほど固定具10の固定する力は強くなる。つまり、固定具10に間41のみならず間42、43を設けたことにより空間部分が広がる。そのため固定具10の吸着力を大きくすることができる。
【0025】
図4は、固定具10の底面図である。図5は、固定具10の解除状態と固定状態を示す説明図であり、Aが解除状態、Bが固定状態を示している。下部材20は縁26を有している。また、下部材20は内面24に複数のリブ22(221、222、223、224)が設けられている。詳しく説明すると、複数のリブ22は下部材20の縁26側から所定距離離間して円周状に設けられている。固定具10が固定状態のとき、複数のリブ22の各々の太さw(w1、w2、w3、w4)は、平面Sに密着する面が広くなるよう下部材20の縁26側から支持部18に向かって太くなるよう設けられている。さらに、固定具10が固定状態のとき、複数のリブ22の高さL(L1、L2、L3、L4)は、縁26側から支持部18に向かって高くなるよう設けられている。リブ22は平面Sと密着することで、固定具10が横方向に移動(スライド)することを防ぐことができる。
【0026】
図6は、図2のB-B’線の断面図である。図7は、固定具10の固定状態を示す図である。図8は、固定具10の解除方法を示す図である。固定具10は解除部30を複数有している。解除部30は、下部材20と上部材16とが連動するよう接続している(図1)。固定具10を斜めに傾けると、(平面Sから引き剥がす)と水平状態の上部材16が傾く。上部材16が傾斜すると上部材16の一部は下部材20と離れる。すると解除部30は弾性を有するため高さ方向に延伸することができる。上部材16がさらに傾斜し、解除部30が限界まで延伸すると、解除部30は下部材20の一部を上方へ持ち上げる。下部材20は解除部30により上方へ持ち上げられると平面Sから剥がれる。これにより、固定具10の固定を容易に解除することができる。
【0027】
固定具10が平面Sに固定されるとき、上部材16は下方向に押しつけられるため解除部30はたるむ(図7)。そのため、解除部30は物体Xが振動してもたるんでいるため、下部材20をめくりあげることがなく固定具10の固定を保つことができる。
【0028】
また、図6の断面図において、解除部30は、上部材16の下面から下部材20に向かって曲線となるようアール31を有している。アール31を有すことで解除部30の面積A(図1)を小さくすることができる。そのため、固定具10が固定状態の時、解除部30がたるみすぎるのを防ぐことができる。また、固定具10は、アール31を設けることで下部材20と上部材16が離間する距離(解除部30が延伸する長さ)を長くしている。そうすることで固定具10は、下部材20のめくれやすさ(剥がしやすさ)を抑えることができる。本実施形態では、解除部30にアール31を設ける構成として説明した。しかし、アール31を直線となるようまたは、直線に近づける形状とすることで、下部材20をよりめくれやすく(剥がれやすく)することも可能である。
【0029】
次に、固定具10の作用について説明する。まず、固定具10を物体Xの底面に取付ける。その際、固定具10は間43を有するため、頭部12を物体Xの底面に差し込みやすい。また、取付け後、固定具10は首部14により抜けにくくなる。
【0030】
物体Xに固定具10を複数取付けたら、物体Xを平面Sに固定する。このとき、固定具10は物体Xの重みにより下方へ押しつけられる。そのため間40の空気が周囲に押し出される。一方、下部材20は弾性により元の形状に戻ろうとする。間40内は周囲と比べ低圧になり、下部材20は平面Sに固定される。
【0031】
下部材20の縁26が平面Sに密着し、間40が低圧になると、固定具10が平面Sに固定される。また、このときリブ22も平面Sに密着する。複数のリブ22の太さwは、下部材20の縁26から支持部18に向かって大きくなるため平面Sに密着する面積も大きくなる。また、リブ22は、縁26に沿って円周状に設けらている。例えば、物体Xがモーターを駆動源とするミキサーやニーダーのとき、機器本体が横方向にスライドしたり、撹拌の威力よって機器本体が回転してしまう。しかし、リブ22が平面Sに密着するため、機器本体が横方向へ移動したり、回転したりすることを防いでいる。
【0032】
また、例えば、物体Xが振動する機器のとき、固定具10は支持部18により、機器の上下方向への振動を吸収する。具体的に説明すると、固定具10は上部材16と下部材20との二段構成であり、その二段を支持部18で接続している。そのため、物体Xが上下方向に振動すると上部材16は振動する。この時、支持部18は弾性を有し且つ間42を有しているため支持部18は揺動する。さらに、支持部18は上部材16の中心に設けられているため上部材16から伝わる振動を均等に分散することができる。そのため、支持部18は振動を吸収することができる。つまり、固定具10は固定を保つことができる。
【0033】
さらに、固定具10が固定状態のとき、解除部30はたるむ。そのため、上部材16と下部材20は上部材16が振動しても解除部30のたるみ分だけ高さ方向へ離れることができる。つまり、固定具10の固定を保つことができる。このように固定具10は、前後左右と上下方向とに振動する物体Xを平面Sに固定することができる。
【0034】
また、物体Xを平面Sから移動させるときは、物体Xを斜め上方に持ち上げ、固定具10の固定を解除する。具体的には、物体Xを斜め上方に持ち上げ、水平状態の上部材16を傾斜させる。すると、たるんでいる状態の複数の解除部30のひとつは上方に引っ張られてたるみがなくなる。さらに上部材16が傾斜すると解除部30は上方に引っ張られ下部材20の一部を持ち上げる(めくり上げる)。下部材20は、一部が持ち上げられることで減圧されている間40に気体が流入する。そのため、固定具10の固定が解除される。このように、物体Xを斜め上方に持ち上げるだけで固定具10の固定を解除することができる。
【0035】
本発明の固定具10の解除部30は図6で示すように上部材16と下部材20とが接続する構成で説明した。例えば解除部30は、上部材16が持ち上がることで下部材20も持ち上がり、下部材20の間40に気体が流入するような構成とするならばこれにこだわることはない。
【0036】
(第二実施形態)
本発明の他の実施形態について図面をもとに説明する。本実施形態では主に第一実施形態と相違する点を説明する。図9は固定具10Aの正面図、図10は平面図、図11は底面図である。図12図10のC-C’線の断面図である。固定具10Aは、主に水平面で使用し、主に横方向(幅方向)に振動する物体Xや、モーターなどの駆動源により機器本体に遠心力がかかる物体Xの移動を抑制するものである。また、本発明に係る固定具10Aは水平面に載置することを例にして説明する。
【0037】
固定具10Aは、下部に板状の下部材20aを有している。下部材20aは所定の厚みを有し、その内面(底面)24は上方に向かって凹み、下部材20aは間41aを有している。そのため、固定具10Aは平面Sに物体Xを一時的に固定することができる。固定具10Aの間41aの体積は固定具10の間41の体積と比べて小さい。そのため固定具10Aの吸着力は固定具10より小さくなる。このように間41の体積を調節することで固定具の吸着力を調節することができる。また、固定具10Aの下部材20aは、所定の厚みを有している。これは固定具10Aが平面Sに吸着するとき、下部材20aがくぼむことを抑えることができる。そうすることで、固定具10Aの吸着力を調節することができる。
【0038】
固定具10Aは、上部に上部材16aを有している。上部材16aは円形の板状である。上部材16aは、物体Xからの荷重に耐えられるよう所定の厚みを有している。
【0039】
固定具10Aは、上部材16aと下部材20aとの間に支持部18aを有している。支持部18aは、上部材16aから伝わる振動を吸収するためのものである。また、支持部18aは間42を有している。そのため、支持部18は振動しやすい。そのため、物体Xの振動を吸収することができる。
【0040】
固定具10Aは、上部材16aの上面に取付部11aを有している。取付部11aは頭部12aと首部14aを有しており、頭部12aの形状は円錐台で、固定具10Aを物体Xに取付けるとき挿入しやすいようにしている。また、首部14aは、固定具10Aを取付けたのち固定具10Aが物体Xから抜けにくいようするためのもので、首部14aの直径は、頭部12aの底面の直径と比べて小さく設けられている。
【0041】
また、固定具10Aは、支持部18a、上部材16a、取付部11aに間43aを有している。間43aは、固定具10Aを物体Xに取付けるとき頭部12aが変形することで物体Xに挿入しやすいようにしている。
【0042】
図13は固定具10Aの解除状態と固定状態を示す説明図であり、Aが解除状態、Bが固定状態を示している。下部材20aは、内面(底面)24aに複数の円周状のリブ22a(221a、222a、223a、224a)を有している。また、固定具10Aを平面Sに固定した状態のとき、複数のリブ22aは平面Sに密着するよう設けられている。具体的に説明すると、図13Aの解除状態を示す固定具10Aの説明図では、固定具10Aのリブ22aは、縁26aから支持部18に向かって平面Sから離れるよう設けられている。一方Bの固定状態では、物体Xの荷重により固定具10Aの下部材20aが下方向に押される。下部材20aが押されることでリブ22aが平面Sと密着する。リブ22aをこのような構成とすることで、固定具10Aは取付けられる物体Xの横滑りや回転を防ぐことができる。
【0043】
次に、固定具10Aの作用について説明する。まず、固定具10Aを物体Xに取付ける。このとき頭部12aを例えば物体Xの底面に設けられた孔にねじ込んで取付けるとよい。頭部12aは円錐台であり、また、間42aにより頭部12aが変形するため物体Xに取付けやすい。また、固定具10Aは首部14aにより、物体Xに取付けると抜けにくくなる。
【0044】
固定具10Aを取付けたら、物体Xを平面Sに載置する。このとき、物体Xの重さにより固定具10Aは下方へ押しつけられる。そのため間40aの空気が周囲に押し出される。下部材20aは弾性により元の形状に戻ろうとするため間40aは周囲と比べ低圧になる。そして、下部材20aは平面Sに固定される。
【0045】
また、例えば、物体Xが上下に振動する機器のとき、固定具10Aは支持部18aにより振動を吸収する。具体的に説明すると、固定具10Aは上部材16aと下部材20aとの二段構成である。そのため、物体Xが高さ方向へ振動すると上部材18aに振動が伝わり、支持部18aへと伝わる。支持部18aは弾性を有し且つ上部材16aの中心下部に設けられているため上部材16aの振動を吸収する。そのため、固定具10Aは支持部18aにより物体Xから伝わる振動を吸収することができる。
【0046】
固定具10Aが平面Sに固定されると下部材20aの縁26aは平面Sに密着する。また、リブ22aも平面Sに密着する。例えば、物体Xがモーターを駆動源とするミキサーやニーダーなどのとき、機器本体が横方向にスライドしたり、撹拌の遠心力によって機器本体が回転してしまう。しかし、リブ22aが平面Sと密着することで、機器本体が横方向へ移動したり、回転したりすることを防ぐことができる。
【0047】
図14は、固定具10Aの解除方法を示す図である。物体Xを平面Sから移動するときは物体Xを平面Sから斜め上方に向かって持ち上げるとよい。固定具10Aは、上部材16aが傾斜することで下部材20aも平面Sからはがされ固定が解除される。具体的に説明すると、物体Xを斜め上方に持ち上げると上部材16aの一部は下がり、対向する一部は上がる。下部材20aは所定の厚みがあるため、上部材16aの縁と所定の距離分離れると支持部18を軸に下部材20aも上方へとめくれる。下部材20aがめくれ上がると間40に気体が流入する。それにより、固定具10Aの固定は解除される。
【0048】
(第三実施形態)
前述のとおり固定具10、10Aについて説明した。次に、固定具10、10Aを共に使用する例を図15を用いて説明する。固定具10、10Aはモーターなどの駆動源により遠心力がかかる物体Xの移動を抑制するものである。例えば、固定具10は、物体Xの前側、固定具10Aは物体Xの後側に取付けて使用する。
【0049】
本実施形態で使用する物体Xは、モーターを駆動源とするミキサーやニーダーなどの調理器のとき、機器本体が横方向にスライドしたり、撹拌の遠心力によって機器本体が回転してしまう。物体Xが撹拌する内容物によっては、機器本体が平面Sから跳ね上がってしまうこともある。また、本実施形態の物体Xは、機器本体の後ろ側に駆動源のモーターを有している。そこで、固定具10Aをモーターを有す機器本体の後ろ側に取付けることで、主に物体Xが回転して移動することを防止することができる。また、固定具10を物体Xの前側に取付けることで、主に物体Xが跳ね上がって移動してしまうことを防止する。このように、固定具10、10Aを使用することにより物体Xが前後左右方向や回転方向への移動、跳ね上がって移動することを防止することができる。そして、物体Xの固定を解除するときは、前述したように、物体Xを斜め上方に持ち上げるだけで固定を解除することができる。そのため、容易に物体Xの固定と解除を行うことができる。
【0050】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、形状や構成その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0051】
10、10A 固定具, 11、11a 取付部, 12、12a 頭部,
14、14a 首部, 16、16a 上部材, 18、18a 支持部,
20、20a 下部材, 22、22a リブ, 24、24a 内面(底面),26、26a 縁, 30 解除部, 31 アール部,
40、40a、41、42、43 間, X 物体, S 平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15