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特開2024-70619認証システム、学習装置、推論装置、学習方法、推論方法、学習プログラム、および推論プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070619
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】認証システム、学習装置、推論装置、学習方法、推論方法、学習プログラム、および推論プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20240516BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240516BHJP
   H04W 12/06 20210101ALI20240516BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20240516BHJP
【FI】
G06N20/00 130
E05B49/00 J
H04W12/06
H04W52/02 110
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181234
(22)【出願日】2022-11-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良輔
【テーマコード(参考)】
2E250
5K067
【Fターム(参考)】
2E250AA12
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF25
2E250FF27
2E250FF36
5K067AA43
5K067CC22
5K067EE02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者の利便性の低下を抑えながら携帯端末における電力消費を抑制できる認証システム並びにその学習装置、推論装置、学習方法、推論方法、学習プログラム及び推論プログラムを提供する。
【解決手段】認証システム1において、携帯端末3は、読取装置4からの質問信号の受信処理を、端末状況におけるその必要性に応じて設定された処理頻度で行う。端末状況は、携帯端末3の位置または時刻の情報を含む。生成部9は、質問信号を受信したときの端末状況を表す受信状況を含むデータを用いて、学習済みモデルを生成する。学習済みモデルは、受信処理の処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を入力とし、かつ、当該対象状況における受信処理の処理頻度を調整する調整情報を出力とする。推定部10は、対象状況における調整情報を、対象状況を含むデータから、学習済みモデルを用いた推定結果として得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
学習用データを取得する取得部と、
前記取得部が取得する前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成部と、
を備え、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とする、
認証システムの学習装置。
【請求項2】
前記学習済みモデルは、前記受信状況および前記対象状況の類似性を前記調整情報として出力する、
請求項1に記載の認証システムの学習装置。
【請求項3】
前記生成部は、過去に取得した複数の前記学習用データに含まれる前記受信状況をクラスタリングによって分類することで前記学習済みモデルを生成し、
前記学習済みモデルは、いずれかの前記学習用データの前記受信状況を含むクラスターに前記対象状況が分類されるときに、当該受信状況および当該対象状況が類似しているものとして前記調整情報を出力する、
請求項2に記載の認証システムの学習装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記携帯端末における前記受信処理による消費電力の抑制および前記携帯端末の前記質問信号へのレスポンスの向上によって報酬を得る強化学習を用いて、前記学習済みモデルを生成する、
請求項1に記載の認証システムの学習装置。
【請求項5】
端末状況は、時刻の情報を含み、当該時刻に対して反復性のある属性が対応付けられ、
前記生成部は、前記受信状況における時刻の属性に対して、前記質問信号の受信頻度を集計し、
前記学習済みモデルは、時刻の属性を含む前記対象状況を入力とし、かつ、前記質問信号の受信頻度の推定値を前記調整情報として出力する、
請求項1に記載の認証システムの学習装置。
【請求項6】
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
対象データを取得する取得部と、
学習済みモデルを用いて、前記取得部が取得する前記対象データから推定結果を得る推定部と、
を備え、
前記学習済みモデルは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、
前記対象データは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を含み、
前記推定部は、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を前記推定結果として推定する、
認証システムの推論装置。
【請求項7】
前記推定部による前記推定結果を用いて、前記携帯端末における前記受信処理による消費電力の抑制および前記携帯端末の前記質問信号へのレスポンスの低下の抑制が両立するように、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を補正する補正部
を備える、請求項6に記載の認証システムの推論装置。
【請求項8】
前記受信処理は、前記質問信号の受信強度が予め設定された受信閾値を超えるときに、前記携帯端末が前記読取装置に無線信号として応答信号を送信する送信処理を含む、
請求項6または請求項7に記載の認証システムの推論装置。
【請求項9】
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
学習用データをコンピュータが取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記学習用データを用いて、学習済みモデルをコンピュータが生成する生成ステップと、
を備え、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とする、
認証システムの学習方法。
【請求項10】
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
対象データをコンピュータが取得する取得ステップと、
学習済みモデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得した前記対象データからコンピュータが推定結果を得る推定ステップと、
を備え、
前記学習済みモデルは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、
前記対象データは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を含み、
前記推定ステップにおいて、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
が前記推定結果として推定される、
認証システムの推論方法。
【請求項11】
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
コンピュータに、
学習用データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成ステップと、
を実行させ、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とする、
認証システムの学習プログラム。
【請求項12】
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
コンピュータに、
対象データを取得する取得ステップと、
学習済みモデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得した前記対象データから推定結果を得る推定ステップと、
を実行させ、
前記学習済みモデルは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、
前記対象データは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を含み、
前記推定ステップにおいて、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
が前記推定結果として推定される、
認証システムの推論プログラム。
【請求項13】
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムであり、
学習用データを取得する取得部と、
前記取得部が取得する前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成部と、
前記学習済みモデルを用いて、前記取得部が取得する対象データから推定結果を得る推定部と、
を備え、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とし、
前記対象データは、前記対象状況を含み、
前記推定部は、前記調整情報を前記推定結果として推定する、
認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、認証システム、学習装置、推論装置、学習方法、推論方法、学習プログラム、および推論プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、セキュリティシステムの例を開示する。セキュリティシステムは、対象区域の出入口の近傍に設置される読取装置と、利用者が携帯する携帯端末と、を備える。読取装置は、無線信号により携帯端末に識別情報を問い合わせる質問信号を送信する。携帯端末は、質問信号を受信するときに、無線信号により読取装置に識別情報を送信する。読取装置が受信した識別情報に基づいて、利用者が認証される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-128546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、携帯端末は、受信部が質問信号を受信すると受信処理を行う。当該携帯端末において、受信処理に伴う電力消費を抑えるように受信処理の処理頻度を抑えると、質問信号へのレスポンスが低下し、利用者の利便性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、利用者の利便性の低下を抑えながら携帯端末における電力消費を抑制できる認証システム、ならびにその学習装置、推論装置、学習方法、推論方法、学習プログラム、および推論プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る認証システムの学習装置は、認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、学習用データを取得する取得部と、前記取得部が取得する前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成部と、を備え、前記学習用データは、前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況を含み、前記学習済みモデルは、前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を入力とし、かつ、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報を出力とする。
【0007】
本開示に係る認証システムの推論装置は、認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、対象データを取得する取得部と、学習済みモデルを用いて、前記取得部が取得する前記対象データから推定結果を得る推定部と、を備え、前記学習済みモデルは、前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、前記対象データは、前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を含み、前記推定部は、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報を前記推定結果として推定する。
【0008】
本開示に係る認証システムの学習方法は、認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、学習用データをコンピュータが取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記学習用データを用いて、学習済みモデルをコンピュータが生成する生成ステップと、を備え、前記学習用データは、前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況を含み、前記学習済みモデルは、前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を入力とし、かつ、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報を出力とする。
【0009】
本開示に係る認証システムの推論方法は、認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、対象データをコンピュータが取得する取得ステップと、学習済みモデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得した前記対象データからコンピュータが推定結果を得る推定ステップと、を備え、前記学習済みモデルは、前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、前記対象データは、前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を含み、前記推定ステップにおいて、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報が前記推定結果として推定される。
【0010】
本開示に係る認証システムの学習プログラムは、認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、コンピュータに、学習用データを取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成ステップと、を実行させ、前記学習用データは、前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況を含み、前記学習済みモデルは、前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を入力とし、かつ、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報を出力とする。
【0011】
本開示に係る認証システムの推論プログラムは、認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、コンピュータに、対象データを取得する取得ステップと、学習済みモデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得した前記対象データから推定結果を得る推定ステップと、を実行させ、前記学習済みモデルは、前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、前記対象データは、前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を含み、前記推定ステップにおいて、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報が前記推定結果として推定される。
【0012】
本開示に係る認証システムは、認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムであり、学習用データを取得する取得部と、前記取得部が取得する前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成部と、前記学習済みモデルを用いて、前記取得部が取得する対象データから推定結果を得る推定部と、を備え、前記学習用データは、前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況を含み、前記学習済みモデルは、前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を入力とし、かつ、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報を出力とし、前記対象データは、前記対象状況を含み、前記推定部は、前記調整情報を前記推定結果として推定する。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る認証システム、またはその学習装置、推論装置、学習方法、推論方法、学習プログラム、もしくは推論プログラムによれば、利用者の利便性の低下を抑えながら携帯端末における電力消費を抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1に係る認証システムの構成図である。
図2】実施の形態1に係る認証システムにおいて携帯端末の周辺に認証装置があるときの動作の例を説明する図である。
図3】実施の形態1に係る認証システムにおいて携帯端末の周辺に認証装置がないときの動作の例を説明する図である。
図4】実施の形態1に係る認証システムの動作の例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る認証システムの主要部のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る認証システム1の構成図である。
【0017】
認証システム1は、利用者を認証するシステムである。この例において、認証システム1は、入退管理システムに適用される。入退管理システムは、入退管理区域への利用者の入退を管理するシステムである。入退管理区域は、例えば建物の内部または外部の区域である。入退管理区域の境界において、当該区域に入域できる利用者が通行する通行口が設けられる。通行口は、例えば建物の玄関、または建物の内部の部屋の出入口などである。通行口を含む地点は、認証地点の例である。通行口において、電気錠2を備えたドアが設けられる。認証システム1の利用者は、例えば入退管理区域に入域できる人物などである。認証システム1の利用者は、携帯端末3を所持する。携帯端末3は、無線信号を通信する機能を搭載する。無線信号は、例えば電磁波による無線通信の信号である。無線信号は、例えば、無線PAN(Personal Area Network)、またはUWB(Ultra Wide Band)などの信号である。無線信号は、例えば、IEEE 802.11規格もしくはIEEE 802.15.1規格、またはこれらの後継規格、関連規格、代替規格、もしくは類似規格などによる無線通信における信号であってもよい。携帯端末3において、認証システム1のアプリケーションを含む、無線通信を伴う複数のアプリケーションが並行して動作していてもよい。携帯端末3は、所持している利用者を識別する識別情報を保持する。識別情報は、例えば利用者に付与される固有のID番号(ID:IDentifier)などである。携帯端末3は、例えば、スマートフォンなどの可搬な汎用の情報端末装置であってもよいし、無線タグなどの専用装置であってもよい。携帯端末3は、例えば、利用者が所有するものであってもよいし、認証システム1の管理者などから利用者に配布される認証システム1の内部機器であってもよい。
【0018】
認証システム1は、読取装置4と、コントローラ5と、を備える。読取装置4は、コントローラ5に接続される。コントローラ5は、電気錠2に接続される。読取装置4は、携帯端末3との間で無線信号を通信する機能を搭載する。読取装置4は、認証地点に設置される。読取装置4は、例えば認証地点である入退管理区域の通行口に隣接した壁面などに設置される。
【0019】
認証システム1における認証動作の例を説明する。読取装置4は、無線信号として質問信号を送信する。無線信号である質問信号は、空間を伝播して携帯端末3に到達する。携帯端末3は、搭載されたアンテナなどにより、到達した無線信号に含まれる情報を読み取る。携帯端末3は、読み取った無線信号が、携帯端末3上で動作するどのアプリケーションに向けられた信号であるかを判定する。
【0020】
携帯端末3は、予め設定された処理頻度で、質問信号の受信処理を行う。ここで、処理頻度は、携帯端末3の端末状況における受信頻度に応じて設定される。端末状況は、携帯端末3の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む。この例において、端末状況は、携帯端末3の位置および時刻の両方の情報を含む。携帯端末3は、例えば処理頻度に応じた処理周期で、質問信号の受信処理を行う。
【0021】
携帯端末3は、受信処理を行うタイミングにおいて読み取られた無線信号が認証システム1の質問信号であるときに、当該質問信号に対して受信処理を行う。なお、携帯端末3は、受信処理を行うタイミング外において無線信号が読み取られた場合に、当該無線信号が認証システム1のアプリケーションに向けられた質問信号であったとしても、質問信号としての受信処理を行わずに読み取った情報を破棄してもよい。あるいは、携帯端末3は、受信処理を行うタイミング外において無線信号が読み取られた場合に、当該無線信号が認証システム1のアプリケーションに向けられた質問信号であるときに、質問信号としての受信処理を行うまで読み取った情報を保持してもよい。
【0022】
携帯端末3は、質問信号の受信処理として、受信した質問信号の受信強度が予め設定された受信閾値を超えるかを判定する。質問信号の受信強度が受信閾値を超えるときに、携帯端末3は、質問信号の受信処理として、応答信号を無線信号として読取装置4に送信する。この例において、携帯端末3は、当該質問信号を受信しないとき、または受信した当該質問信号の受信強度が受信閾値を超えないときに、応答信号を送信しない。応答信号は、携帯端末3が保持している識別情報を含む。
【0023】
読取装置4は、携帯端末3から応答信号を受信するときに、当該応答信号に含まれる識別情報をコントローラ5に通知する。コントローラ5は、通知された識別情報に識別される利用者が認証可能な人物であるかを、例えば予め設定された認証可能な利用者のリストと照合することなどによって判定する。ここで、認証可能な人物は、例えば入退管理区域に入域できる人物などである。利用者が認証可能であるときに、コントローラ5は、当該利用者を認証する。このとき、コントローラ5は、電気錠2を解錠させる。コントローラ5は、読取装置4などを介して、認証の結果を携帯端末3に通知してもよい。携帯端末3を所持する利用者は、電気錠2が解錠されたドアを開けて入退管理区域に入域する。
【0024】
ここで、受信強度および受信閾値を比較する処理、および応答信号を送信する処理などを含む受信処理により、携帯端末3において電力が消費される。このような受信処理に伴う電力消費を抑えるために受信処理の処理頻度を低く設定すると、携帯端末3が質問信号に応答して応答信号を送信しない可能性が高くなる。すなわち、携帯端末3による質問信号へのレスポンスが低下しうる。これにより、携帯端末3を所持して移動する利用者の認証がスムーズに行われず、利用者が読取装置4に近づいても認証が行われないために通行口の通行が滞るなどの、利用者の利便性の低下が生じる可能性がある。このため、利用者の利便性および携帯端末3の省電力を両立しうるように、携帯端末3における質問信号の受信処理の処理頻度が、認証システム1の調整装置6によって調整される。
【0025】
調整装置6は、例えば、1つまたは複数のサーバコンピュータなどである。調整装置6の機能の一部または全部は、認証システム1が適用される場所またはその遠隔地に配置された1つまたは複数の装置に搭載されるものであってもよい。調整装置6の機能の一部または全部は、他の装置と共有されるハードウェア上に搭載されるものであってもよい。調整装置6の機能の一部または全部は、クラウドサービス上の仮想マシン上に実装されるものであってもよいし、クラウドサービス上の記憶または処理のリソースなどによって実装されるものであってもよい。調整装置6は、例えばインターネットなどの通信網を通じて、調整装置6を構成する複数の内部装置の間の通信、ならびに、携帯端末3、および読取装置4などを含む調整装置6の外部装置などとの間の通信を行う。調整装置6は、例えば、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、当該プログラムに従って動作することで各機能を実行する。当該プログラムを記録する記録媒体は、例えば調整装置6を構成する内部装置に内蔵されるもの、もしくは当該内部装置に接続されるものであってもよいし、または調整装置6と通信する外部装置によって情報が読み出されるものなどであってもよい。当該プログラムは、調整装置6を構成する複数の内部装置の各々の上で動作するソフトウェアを複数含むソフトウェアパッケージなどであってもよい。
【0026】
調整装置6は、学習済みモデルを用いて質問信号の受信処理の処理頻度を調整する。学習済みモデルは、例えば教師なし学習、強化学習、または教師あり学習などの機械学習の手法などによって生成される。調整装置6は、学習済みモデルを生成する学習装置の例である。また、調整装置6は、学習済みモデルを用いて推定を行う推論装置の例である。この例において、調整装置6は、処理頻度の調整を行いながら、学習済みモデルの生成を並行して行う。ここで、調整装置6における学習済みモデルの生成は、既に生成されている学習済みモデルの更新を含む。調整装置6が随時調整を行う処理頻度に基づいて、認証システム1における携帯端末3は、入退管理区域に入退する利用者の認証のための動作などを行う。
【0027】
調整装置6は、取得部7と、記録部8と、生成部9と、推定部10と、補正部11と、を備える。
【0028】
取得部7は、データを取得する機能を搭載する部分である。取得部7は、携帯端末3、および読取装置4などからデータを取得する。取得部7は、学習用データと、対象データと、を取得する。学習用データは、学習済みモデルの生成に用いられるデータである。対象データは、学習済みモデルを用いた推定に用いられるデータである。
【0029】
取得部7は、例えば次のように学習用データを取得する。読取装置4が送信した質問信号を携帯端末3が受信して情報を読み取るときに、携帯端末3は、このときの端末状況を受信状況として取得部7に通知する。受信状況は、質問信号を携帯端末3が受信したときの携帯端末3の受信位置の情報を含む。また、受信状況は、質問信号を携帯端末3が受信したときの受信時刻の情報を含む。携帯端末3は、質問信号の受信処理を行ったときの端末状況を受信状況として取得部7に通知してもよい。携帯端末3は、応答信号を送信する処理を行ったときの端末状況を受信状況として取得部7に通知してもよい。携帯端末3は、利用者が認証されたたときの端末状況を受信状況として取得部7に通知してもよい。取得部7は、例えばこのように、受信位置および受信時刻の情報を含む学習用データを取得する。
【0030】
取得部7は、例えば次のように対象データを取得する。携帯端末3は、例えば予め設定されたタイミングで、受信処理の処理頻度の調整処理を行う。当該タイミングは、定期的なタイミングであってもよいし、携帯端末3のバッテリー残量が予め設定された容量を下回るタイミングであってもよいし、その他の予め設定された条件が満たされたタイミングなどであってもよい。携帯端末3は、処理頻度の調整対象となる端末状況を対象状況として取得部7に通知する。この例において、対象状況は、現時点の端末状況である。このとき、対象状況は、携帯端末3の現在位置の情報および現在時刻の情報を含む。対象状況は、将来の端末状況であってもよい。このとき、対象状況は、例えば数分後または数秒後などの将来の時刻の情報、および当該時刻における携帯端末3の推定位置の情報を含む。推定位置は、携帯端末3の移動速度などに基づいて推定されてもよい。取得部7は、例えばこのように、対象状況における携帯端末3の位置および時刻の情報を含む対象データを取得する。
【0031】
記録部8は、データを記録する機能を搭載する部分である。記録部8は、取得部7が取得した学習用データなどの情報を記録する。記録部8は、受信時刻DB12(DataBase)、および受信位置DB13を記憶する。受信時刻DB12は、学習用データなどにおける時刻の情報を格納するデータベースである。受信位置DB13は、学習用データなどにおける携帯端末3の位置の情報を格納するデータベースである。
【0032】
生成部9は、学習済みモデルを生成する機能を搭載する部分である。生成部9は、記録部8が蓄積して記録する複数の学習用データに基づいて、学習済みモデルを生成する。このとき、生成部9は、受信状況を入力に対応づけて学習済みモデルを生成する。この例において、生成部9は、受信状況をクラスタリングによって分類することで学習済みモデルを生成する。このとき、生成部9は、例えば教師なし学習などの手法によってクラスタリングを行う。
【0033】
推定部10は、学習済みモデルに基づいて推定を行う機能を搭載する部分である。推定部10は、例えば、生成部9が生成した学習済みモデルを用いて推定を行う。推定部10は、取得部7が取得する対象データを学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、対象状況の入力を受け付け、対象状況における受信処理の処理頻度の調整に用いられる情報である調整情報を出力する。推定部10は、推定結果として、学習済みモデルの出力を用いて、対象状況における調整情報を推定する。調整情報は、例えば、対象状況における質問信号の受信処理の必要性などを表す情報である。例えば、対象状況と質問信号の受信時の受信状況とが類似している場合に、当該対象状況における質問信号の受信処理の必要性は高くなる。このため、調整情報は、学習用データとして取得された受信状況および対象状況の類似性を表す情報であってもよい。この例において、過去に取得されたいずれかの学習用データの受信状況を含むクラスターに対象状況が分類されるときに、学習済みモデルは、当該受信状況および当該対象状況が類似しているものとして調整情報を出力する。
【0034】
なお、受信状況および対象状況の類似性は、受信状況における携帯端末3の位置および対象状況における携帯端末3の位置の間の距離に基づくもの、または受信状況における時刻および対象状況における時刻に基づくものなどであってもよい。2つの時刻間の類似性は、例えば各時刻に対応づけられた属性に基づいて判定されてもよい。このとき、認証システム1において、各時刻について反復性のある属性が対応づけられる。すなわち、ある時刻に対応づけられた属性は、他のいずれかの時刻にも対応づけられる。より具体的に、属性は、例えば「火曜日」または「13:00から14:00までの時間帯」などの一週間または一日などの周期で繰り返されるものであってもよいし、例えば「休日であるか否か」などの非周期的に繰り返されるものであってもよいし、例えば「平日の通勤時間帯」などのこれらを組み合わせたものであってもよい。学習済みモデルは、例えば、受信状況における時刻の属性および対象状況における時刻の属性が同一のときに、当該受信状況および当該対象状況が類似しているものとして調整情報を出力してもよい。
【0035】
属性は、例えば「13時57分台」または「13:57:00から13:58:00までの時間帯」などであってもよい。このとき、属性の間に類似度が設定されていてもよい。属性の間の類似度は、例えば属性の間の時間差に基づいて設定される。例えば、「13時57分台」および「14時16分台」の間の類似度は、その時間差「19分」に基づいて設定される。学習済みモデルは、例えば、受信状況における時刻の属性および対象状況における時刻の属性の類似度が予め設定された閾値より高い受信状況があるときに、当該受信状況および当該対象状況の類似度を調整情報として出力してもよい。
【0036】
補正部11は、推定部10による推定結果を用いて、携帯端末3における受信処理による消費電力の抑制および質問信号へのレスポンスの低下の抑制が両立するように、対象状況における受信処理の処理頻度の補正を行う機能を搭載する部分である。補正部11は、例えば、推定結果である調整情報が表す質問信号の受信処理の必要性が低いときに、それに応じて処理頻度を低くすることで、受信処理による電力消費を抑制する。補正部11は受信処理の必要性が低いときに処理頻度を低くするため、質問信号へのレスポンスへの影響が抑えられる。一方、補正部11は、例えば、推定結果である調整情報が表す質問信号の受信処理の必要性が高いときに、それに応じて処理頻度を高くすることで、質問信号へのレスポンスの低下を抑制する。このように、携帯端末3における受信処理の省電力およびレスポンスの低下抑制が両立される。
【0037】
この例において、補正部11は、過去に取得されたいずれかの学習用データの受信状況と対象状況とが類似していないことを学習済みモデルから出力された調整情報が表す場合に、処理頻度をより低く補正する。一方、補正部11は、過去に取得されたいずれかの学習用データの受信状況と対象状況とが類似していることを学習済みモデルから出力された調整情報が表す場合に、処理頻度をより高く補正する。
【0038】
なお、処理頻度は、処理周期などの連続的なパラメータによって設定されるものであってもよいし、例えば「高」「中」「低」などの離散的な複数の段階の間で選択されるものであってもよい。ここで、処理頻度の設定値は、2段階であってもよいし、4段階以上であってもよい。
【0039】
続いて、図2から図4を用いて、認証システム1における動作の例を説明する。
【0040】
図2は、実施の形態1に係る認証システム1において携帯端末3の周辺に認証装置があるときの動作の例を説明する図である。
【0041】
読取装置4が送信した質問信号を携帯端末3が受信して情報を読み取るときに、携帯端末3は、このときの端末状況を受信状況として取得部7に通知する。生成部9は、携帯端末3から取得した学習用データを用いて、学習済みモデルを更新する。
【0042】
その後、受信処理の処理頻度の調整処理のタイミングにおいて、携帯端末3は、例えば現時点の端末状況を対象状況として取得部7に通知する。推定部10は、更新された学習済みモデルに対象データを入力することで、調整情報を推定結果として得る。補正部11は、推定結果に基づいて、携帯端末3における質問信号の受信処理の処理頻度を補正する。この例において、補正部11は、補正後の処理頻度に対応する処理周期を携帯端末3に通知する。ここで、補正後の処理頻度は、例えば「高」に設定される。携帯端末3は、通知された処理周期に基づいて処理頻度の設定を更新する。
【0043】
携帯端末3は、設定された処理頻度で質問信号の受信処理を行う。携帯端末3は、受信処理を行うタイミングにおいて読み取られた無線信号が認証システム1の質問信号であるときに、当該質問信号に対して受信処理を行う。携帯端末3は、受信処理において、質問信号の受信強度が受信閾値を超えるときに、応答信号を無線信号として読取装置4に送信する。当該応答信号に含まれる識別情報が読取装置4から通知されたコントローラ5は、当該識別情報で識別される利用者の認証可否を判定する。この例において、処理頻度が「高」に設定されているので、利用者の認証がスムーズに行われる。
【0044】
図3は、実施の形態1に係る認証システム1において携帯端末3の周辺に認証装置がないときの動作の例を説明する図である。
【0045】
受信処理の処理頻度の調整処理のタイミングにおいて、携帯端末3は、例えば現時点の端末状況を対象状況として取得部7に通知する。推定部10は、更新された学習済みモデルに対象データを入力することで、調整情報を推定結果として得る。補正部11は、推定結果に基づいて、携帯端末3における質問信号の受信処理の処理頻度を補正する。この例において、補正部11は、補正後の処理頻度に対応する処理周期を携帯端末3に通知する。ここで、補正後の処理頻度は、例えば「低」に設定される。携帯端末3は、通知された処理周期に基づいて処理頻度の設定を更新する。
【0046】
携帯端末3は、設定された処理頻度で質問信号の受信処理を行う。このとき、携帯端末3の周辺に認証装置がないので、携帯端末3は受信閾値以上の強度の質問信号を受信しない。この状況においては利用者の認証が行われないので、質問信号の受信処理の処理頻度が「低」に設定されていたとしても、利用者の利便性が低下しない。一方、質問信号の受信処理の処理頻度が「低」に設定されることにより、受信処理に伴う携帯端末3の消費電力が節約される。
【0047】
図4は、実施の形態1に係る認証システム1の動作の例を示すフローチャートである。
【0048】
ステップS101において、調整装置6の推定部10は、学習済みモデルを読み込む。推定部10は、例えば生成部9から学習済みモデルを読み込む。その後、調整装置6の処理は、ステップS102に進む。
【0049】
ステップS201において、携帯端末3は、受信処理の処理頻度の調整処理のタイミングであるかを判定する。判定結果がYesのときに、携帯端末3の処理は、ステップS202に進む。一方、判定結果がNoのときに、携帯端末3の処理は、ステップS204に進む。
【0050】
ステップS202において、携帯端末3は、調整処理の対象となる端末状況を表す対象状況を調整装置6の取得部7に通知する。その後、携帯端末3の処理は、ステップS203に進む。
【0051】
ステップS102において、調整装置6の取得部7は、携帯端末3から対象状況の通知を受けたかを判定する。判定結果がYesのときに、調整装置6の処理は、ステップS103に進む。一方、判定結果がNoのときに、調整装置6の処理は、ステップS106に進む。
【0052】
ステップS103において、調整装置6の取得部7は、携帯端末3からの通知に基づいて、対象データを取得する。その後、調整装置6の処理は、ステップS104に進む。
【0053】
ステップS104において、調整装置6の推定部10は、取得部7が取得した対象データを学習済みモデルに入力することで、調整情報を推定結果として得る。その後、調整装置6の処理は、ステップS105に進む。
【0054】
ステップS105において、調整装置6の補正部11は、推定結果に基づいて、携帯端末3における質問信号の受信処理の処理頻度を補正する。補正部11は、補正後の処理頻度に設定を更新させる指令を携帯端末3に通知する。その後、調整装置6の処理は、ステップS106に進む。
【0055】
ステップS203において、携帯端末3は、調整装置6の補正部11からの指令に応じて、処理頻度の設定を更新する。その後、携帯端末3の処理は、ステップS204に進む。
【0056】
ステップS204において、携帯端末3は、設定された処理頻度に基づく受信処理のタイミングであるかを判定する。判定結果がNoのときに、携帯端末3の処理は、ステップS201に進む。一方、判定結果がYesのときに、携帯端末3の処理は、ステップS205に進む。
【0057】
ステップS205において、携帯端末3は、認証システム1のアプリケーションに向けられた質問信号を受信したかを判定する。判定結果がNoのときに、携帯端末3の処理は、ステップS201に進む。一方、判定結果がYesのときに、携帯端末3の処理は、ステップS206に進む。
【0058】
ステップS206において、携帯端末3は、受信した質問信号の受信強度が受信閾値を超えたかを判定する。判定結果がNoのときに、携帯端末3の処理は、ステップS201に進む。一方、判定結果がYesのときに、携帯端末3の処理は、ステップS207に進む。
【0059】
ステップS207において、携帯端末3は、応答信号を無線信号として読取装置4に送信する。その後、携帯端末3の処理は、ステップS208に進む。
【0060】
ステップS208において、携帯端末3は、質問信号を受信したときの端末状況を表す受信状況を調整装置6の取得部7に通知する。その後、携帯端末3の処理は、ステップS201に進む。
【0061】
ステップS106において、調整装置6の取得部7は、携帯端末3から受信状況の通知を受けたかを判定する。判定結果がYesのときに、調整装置6の処理は、ステップS107に進む。一方、判定結果がNoのときに、調整装置6の処理は、ステップS102に進む。
【0062】
ステップS107において、調整装置6の取得部7は、携帯端末3からの通知に基づいて、学習用データを取得する。その後、調整装置6の処理は、ステップS108に進む。
【0063】
ステップS108において、調整装置6の生成部9は、取得部7が取得した学習用データを用いて、学習済みモデルを更新する。その後、生成部9は、更新された学習済みモデルを読み込む。その後、調整装置6の処理は、ステップS102に進む。
【0064】
以上に説明したように、実施の形態1に係る認証システム1において、携帯端末3は、読取装置4が送信する質問信号の受信処理を予め設定された処理頻度で行う。処理頻度は、携帯端末3の端末状況における受信処理の必要性に応じて設定される。端末状況は、携帯端末3の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む。認証システム1は、取得部7と、生成部9と、推定部10と、を備える。取得部7は、学習用データ、および対象データを取得する。学習用データは、質問信号を携帯端末3が受信したときの端末状況を表す受信状況を含む。対象データは、受信処理の処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況を含む。生成部9は、取得部7が取得する学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する。推定部10は、学習済みモデルを用いて、取得部7が取得する対象データから推定結果を得る。学習済みモデルは、対象状況を入力とし、かつ、当該対象状況における調整情報を出力とする。推定部10は、対象状況における受信処理の処理頻度を調整する調整情報を、推定結果として得る。
【0065】
このような構成により、携帯端末3において、必要性に応じて質問信号の受信処理の処理頻度が、学習済みモデルによる推定結果に基づいて設定される。受信処理の必要性に応じて処理頻度が調整されるので、質問信号へのレスポンスへの影響を抑えながら、携帯端末3における受信処理に伴う電力消費が抑制される。
【0066】
また、学習済みモデルは、受信状況および対象状況の類似性を調整情報として出力する。対象状況と質問信号の受信時の受信状況とが類似している場合に、当該対象状況における質問信号の受信処理の必要性は高くなりうるため、受信処理の処理頻度が過去の動作実績に基づいて調整されるようになる。これにより、受信処理の処理頻度が、利用実体をよりよく反映するように調整されるようになる。
【0067】
また、生成部9は、過去に取得した複数の学習用データに含まれる受信状況をクラスタリングによって分類することで学習済みモデルを生成する。学習済みモデルは、いずれかの学習用データの受信状況を含むクラスターに対象状況が分類されるときに、当該受信状況および当該対象状況が類似しているものとして調整情報を出力する。ここで、クラスタリングにおいて教師なし学習などの手法を用いることができる。
【0068】
また、認証システム1は、補正部11を備える。補正部11は、推定部10による推定結果を用いて、携帯端末3における受信処理による消費電力の抑制および携帯端末3の質問信号へのレスポンスの低下の抑制が両立するように、対象状況における受信処理の処理頻度を補正する。例えば、受信処理の必要性または過去の受信状況と対象状況との類似性がより高い場合、すなわちレスポンスの低下がより生じやすい場合に、補正部11は、処理頻度をより高く補正する。一方、受信処理の必要性または過去の受信状況と対象状況との類似性がより低い場合、すなわちレスポンスの低下がより生じにくい場合に、補正部11は、消費電力を抑えうるように処理頻度をより低く補正する。これにより、質問信号へのレスポンスへの影響を抑えながら、携帯端末3における受信処理に伴う電力消費が抑制される。
【0069】
また、質問信号の受信処理は、質問信号の受信強度が受信閾値を超えるときに携帯端末3が読取装置4に応答信号を送信する送信処理を含む。これにより、無線信号の送信を伴う送信処理を含む受信処理の処理頻度が必要性に応じて調整されるので、携帯端末3における受信処理に伴う電力消費がより効果的に抑制される。
【0070】
なお、生成部9は、強化学習の手法を用いて学習済みモデルを生成してもよい。例えば、携帯端末3における受信処理による消費電力が抑制される方向に学習が進むように強化学習の報酬またはペナルティが設定される。例えば、単位時間当たりの受信処理による消費電力が予め設定された基準値より低い場合など、消費電力が抑制された場合に強化学習の報酬が与えられるように設定されてもよいし、受信処理による消費電力自体が強化学習のペナルティとして設定されてもよい。また、携帯端末3の質問信号へのレスポンスの低下が抑制される方向に学習が進むように強化学習の報酬またはペナルティが設定される。例えば、レスポンスが向上した場合に強化学習の報酬が与えられるように設定されてもよいし、レスポンスが低下した場合に強化学習のペナルティが与えられるように設定されてもよい。レスポンスの低下は、例えば、質問信号が携帯端末3に読み取られてから受信処理が実行されるまでのタイムラグ、または受信処理が行われずに破棄される質問信号の数などに基づいて計測されてもよい。
【0071】
また、生成部9は、受信状況における時刻の属性に対して、質問信号の受信頻度を集計してもよい。生成部9は、例えば、「平日の8:00から9:00」などの属性について、過去の受信状況から当該属性が対応づけられた時刻の受信状況の数を受信頻度として集計する。あるいは、生成部9は、例えば、「13時57分台」などの属性について、過去の受信状況から当該属性または類似する属性が対応づけられた時刻の受信状況の数を、属性の類似度で重みづけて受信頻度として集計してもよい。このとき、生成部9は、このような受信頻度の集計などによって学習済みモデルを生成する。生成部9は、属性および集計結果のテーブルをそのまま学習済みモデルとしてもよいし、教師あり学習などの機械学習の手法を用いて学習済みモデルを生成してもよい。学習済みモデルは、時刻の属性を含む対象状況を入力とし、かつ、質問信号の受信頻度の推定値を調整情報として出力する。
【0072】
また、学習済みモデルは、複数のモデルを組み合わせたものなどであってもよい。
【0073】
また、例えば取得部7および補正部11などの調整装置6の機能の一部は、携帯端末3、および読取装置4などの他の装置に搭載されていてもよい。
【0074】
また、生成部9は、生成した学習済みモデルを外部の装置などに出力してもよい。また、推定部10は、外部の装置などが生成した学習済みモデルを読み込んで推定に用いてもよい。
【0075】
また、認証システム1において、学習済みモデルの生成は、処理頻度の調整と並行に行われなくてもよい。学習済みモデルの生成は、記録部8に蓄積された複数の学習用データを用いて、定期的または非定期的に行われてもよい。取得部7による学習用データの取得、または携帯端末3による受信状況の通知などは、質問信号の受信の度に行われなくてもよい。取得部7による学習用データの取得、または受信状況の通知などは、例えば携帯端末3のバッテリー残量が予め設定された容量より高いときに行われるものであってもよい。
【0076】
続いて、図5を用いて、認証システム1のハードウェア構成の例について説明する。
図5は、実施の形態1に係る認証システム1の主要部のハードウェア構成図である。
【0077】
認証システム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
【0078】
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、認証システム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、認証システム1の各機能を実現する。
【0079】
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
【0080】
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0081】
認証システム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、認証システム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。認証システム1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで認証システム1の各機能を実現する。
【0082】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
学習用データを取得する取得部と、
前記取得部が取得する前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成部と、
を備え、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とする、
認証システムの学習装置。
(付記2)
前記学習済みモデルは、前記受信状況および前記対象状況の類似性を前記調整情報として出力する、
付記1に記載の認証システムの学習装置。
(付記3)
前記生成部は、過去に取得した複数の前記学習用データに含まれる前記受信状況をクラスタリングによって分類することで前記学習済みモデルを生成し、
前記学習済みモデルは、いずれかの前記学習用データの前記受信状況を含むクラスターに前記対象状況が分類されるときに、当該受信状況および当該対象状況が類似しているものとして前記調整情報を出力する、
付記2に記載の認証システムの学習装置。
(付記4)
前記生成部は、前記携帯端末における前記受信処理による消費電力の抑制および前記携帯端末の前記質問信号へのレスポンスの向上によって報酬を得る強化学習を用いて、前記学習済みモデルを生成する、
付記1に記載の認証システムの学習装置。
(付記5)
端末状況は、時刻の情報を含み、当該時刻に対して反復性のある属性が対応付けられ、
前記生成部は、前記受信状況における時刻の属性に対して、前記質問信号の受信頻度を集計し、
前記学習済みモデルは、時刻の属性を含む前記対象状況を入力とし、かつ、前記質問信号の受信頻度の推定値を前記調整情報として出力する、
付記1に記載の認証システムの学習装置。
(付記6)
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
対象データを取得する取得部と、
学習済みモデルを用いて、前記取得部が取得する前記対象データから推定結果を得る推定部と、
を備え、
前記学習済みモデルは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、
前記対象データは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を含み、
前記推定部は、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を前記推定結果として推定する、
認証システムの推論装置。
(付記7)
前記推定部による前記推定結果を用いて、前記携帯端末における前記受信処理による消費電力の抑制および前記携帯端末の前記質問信号へのレスポンスの低下の抑制が両立するように、前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を補正する補正部
を備える、付記6に記載の認証システムの推論装置。
(付記8)
前記受信処理は、前記質問信号の受信強度が予め設定された受信閾値を超えるときに、前記携帯端末が前記読取装置に無線信号として応答信号を送信する送信処理を含む、
付記6または付記7に記載の認証システムの推論装置。
(付記9)
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
学習用データをコンピュータが取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記学習用データを用いて、学習済みモデルをコンピュータが生成する生成ステップと、
を備え、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とする、
認証システムの学習方法。
(付記10)
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
対象データをコンピュータが取得する取得ステップと、
学習済みモデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得した前記対象データからコンピュータが推定結果を得る推定ステップと、
を備え、
前記学習済みモデルは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、
前記対象データは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を含み、
前記推定ステップにおいて、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
が前記推定結果として推定される、
認証システムの推論方法。
(付記11)
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
コンピュータに、
学習用データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成ステップと、
を実行させ、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とする、
認証システムの学習プログラム。
(付記12)
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムにおいて、
コンピュータに、
対象データを取得する取得ステップと、
学習済みモデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得した前記対象データから推定結果を得る推定ステップと、
を実行させ、
前記学習済みモデルは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を入力に対応づけた学習により予め生成されたモデルであり、
前記対象データは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を含み、
前記推定ステップにおいて、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
が前記推定結果として推定される、
認証システムの推論プログラム。
(付記13)
認証地点に設置される読取装置が無線信号として送信する質問信号の受信処理を、利用者に所持される携帯端末の位置または時刻の少なくともいずれかの情報を含む端末状況における前記受信処理の必要性に応じて予め設定された処理頻度で、前記携帯端末が行う認証システムであり、
学習用データを取得する取得部と、
前記取得部が取得する前記学習用データを用いて、学習済みモデルを生成する生成部と、
前記学習済みモデルを用いて、前記取得部が取得する対象データから推定結果を得る推定部と、
を備え、
前記学習用データは、
前記質問信号を前記携帯端末が受信したときの端末状況を表す受信状況
を含み、
前記学習済みモデルは、
前記受信処理の前記処理頻度を調整する対象となる端末状況を表す対象状況
を入力とし、かつ、
前記対象状況における前記受信処理の前記処理頻度を調整する調整情報
を出力とし、
前記対象データは、前記対象状況を含み、
前記推定部は、前記調整情報を前記推定結果として推定する、
認証システム。
【符号の説明】
【0083】
1 認証システム、 2 電気錠、 3 携帯端末、 4 読取装置、 5 コントローラ、 6 調整装置、 7 取得部、 8 記録部、 9 生成部、 10 推定部、 11 補正部、 12 受信時刻DB、 13 受信位置DB、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア
図1
図2
図3
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図5