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特開2024-70622静電容量式のタッチセンサ用のRX電極、静電容量式のタッチセンサ及びノイズ低減方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070622
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】静電容量式のタッチセンサ用のRX電極、静電容量式のタッチセンサ及びノイズ低減方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240516BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044 120
G06F3/041 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181238
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】村岡 俊二
(72)【発明者】
【氏名】平野 智也
(72)【発明者】
【氏名】山本 和央
(57)【要約】
【目的】 本発明は外来ノイズの影響を受け難い静電容量式のタッチセンサ用のRX電極を得る。
【構成】 RX電極200は、電極本体210と、第4導体部214とを備えている。電極本体210の第1導体部211及び第2導体部212は、X-X’方向に延びており且つY-Y’方向に間隙を有して近接配置されている。第1導体部211及び第2導体部212に外来ノイズが印加されることによって第1導体部211及び第2導体部212に逆向きの電流が流れて第1導体部211に発生する電界と第2導体部212に発生する電界とが相殺されるようになっている。第3導体部213は第1導体部211の第1端部211aと第2導体部212の第1端部212aとに接続されている。第4導体部214は第1導体部211の第2端部211bと第2導体部212の第2端部212bとに接続されている。
【選択図】 図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極本体を備えており、
前記電極本体は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有しており、
前記第1導体部及び前記第2導体部は、第1方向に間隙を有して近接配置されており、前記第1方向に略直交する第2方向に延びており且つ前記電極本体に外来ノイズが印加されることによって前記第1導体部及び前記第2導体部に逆向きの電流が流れて前記第1導体部に発生する電界と前記第2導体部に発生する電界とが相殺されるようになっており、前記第1方向は、前記第1導体部及び前記第2導体部の並び方向であり、前記第1導体部及び前記第2導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第3導体部は、前記第1導体部の前記第1端部と前記第2導体部の前記第1端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の一方側に位置しており、
前記第4導体部は、前記第1導体部の前記第2端部と前記第2導体部の前記第2端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の他方側に位置しており、
前記第1導体部、前記第2導体部、前記第3導体部及び前記第4導体部のうちの何れかが、接続部を有している静電容量式のタッチセンサ用のRX電極。
【請求項2】
請求項1記載の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極において、
前記第1導体部と前記第2導体部との間の前記第1方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法が、0.05mm以上である静電容量式のタッチセンサ用のRX電極。
【請求項3】
請求項2記載の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極において、
前記第1導体部と前記第2導体部との間の前記第1方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法が、2mm~0.05mmである静電容量式のタッチセンサ用のRX電極。
【請求項4】
絶縁性を有する基体と、
前記基体に設けられた請求項1、2又は3記載の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極と、
前記基体に設けられており且つ前記RX電極の近傍に配置されたTX電極とを備えており、
検出対象が前記RX電極に接近することによる検出対象と前記RX電極との間の静電容量の変化と検出対象が前記TX電極と前記RX電極とに接近することによる前記TX電極と前記RX電極との静電容量の変化とに応じて前記RX電極の信号が変化する静電容量式のタッチセンサ。
【請求項5】
請求項4に記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記基体は、絶縁性を有する少なくとも一つの誘電体を有しており、
前記TX電極と前記RX電極の前記電極本体とが、前記少なくとも一つの誘電体のうちの一の誘電体の同一面上に設けられている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項6】
請求項4に記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記基体は、積層された絶縁性を有する複数の誘電体を有しており、
前記TX電極と前記RX電極の前記電極本体とが、前記複数の誘電体のうちの一の誘電体の異なる面上に設けられている、又は、前記TX電極が前記複数の誘電体のうちの一の誘電体の面上に設けられており且つ前記RX電極の前記電極本体が前記複数の誘電体のうちの一の誘電体以外の別の誘電体の面上に設けられている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項7】
請求項4記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記TX電極は、前記RX電極の周りに配置された略環状の第1TX電極を有しており、
前記第1TX電極は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有しており、
前記第1TX電極の前記第1導体部は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第1導体部に対して前記第1方向の一方側に配置されており、前記第1TX電極の前記第1導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第1TX電極の前記第2導体部は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第2導体部に対して前記第1方向の他方側に配置されており、前記第1TX電極の前記第2導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第1TX電極の前記第3導体部は、前記第1TX電極の前記第1導体部の前記第1端部から前記第1TX電極の前記第2導体部の前記第1端部へ延びており且つ前記RX電極に対して前記第2方向の一方側に配置されており、
前記第1TX電極の前記第4導体部は、前記第1TX電極の前記第1導体部の前記第2端部から前記第1TX電極の前記第2導体部の前記第2端部へ延びており且つ前記RX電極に対して前記第2方向の他方側に配置されている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項8】
請求項4記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記TX電極は、第2TX電極及び第3TX電極のうちの少なくとも一方を有しており、
前記第2TX電極は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第1導体部に対して前記第1方向の一方側に配置されており、
前記第3TX電極は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第2導体部に対して前記第1方向の他方側に配置されている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項9】
静電容量式のタッチセンサのRX電極に印加される外来ノイズのノイズ低減方法において、
前記RX電極が、電極本体を備えており、
前記電極本体は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部とを有しており、
前記第1導体部及び前記第2導体部は、第1方向に間隙を有して近接配置されており且つ前記第1方向に略直交する第2方向に延びており、前記第1方向は、前記第1導体部及び前記第2導体部の並び方向であり、前記第1導体部及び前記第2導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第3導体部は、前記第1導体部の前記第1端部と前記第2導体部の前記第1端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の一方側に位置しており、
前記第4導体部は、前記第1導体部の前記第2端部と前記第2導体部の前記第2端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の他方側に位置しており
前記第1導体部、前記第2導体部、前記第3導体部及び前記第4導体部のうちの何れかが、接続部を有しており、
前記ノイズ低減方法は、外来ノイズが前記電極本体に印加されることによって、前記第1導体部及び前記第2導体部に逆向きの電流が流れて前記第1導体部に発生する電界と前記第2導体部に発生する電界とが相殺されることを含むノイズ低減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式のタッチセンサ用のRX電極、静電容量式のタッチセンサ及びノイズ低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の静電容量式のタッチセンサが記載されている。このタッチセンサは、基板と、この基板上に設けられた少なくとも一つのRX電極とを備えている。少なくとも一つのRX電極は、基板の長手方向に互いに間隔をあけて配置されており且つ互いに電気的に接続された3つの分割電極を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-126746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のタッチセンサは、3つの分割電極のうちの隣り合う分割電極間に生じるクーロン力が弱く、外来ノイズ(イミュニティノイズ)の影響を受けやすい。
【0005】
本発明は、外来ノイズの影響を受け難い静電容量式のタッチセンサ用のRX電極、静電容量式のタッチセンサ及びノイズ低減方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極は、電極本体を備えている。電極本体は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有している。第1導体部及び第2導体部は、第1方向に間隙を有して近接配置されており、第1方向に略直交する第2方向に延びており且つ電極本体に外来ノイズが印加されることによって第1導体部及び第2導体部に逆向きの電流が流れて第1導体部に発生する電界と第2導体部に発生する電界とが相殺されるようになっている。第1方向は、第1導体部及び第2導体部の並び方向である。第1導体部及び第2導体部は、第2方向の一方側の第1端部と、第2方向の他方側の第2端部とを有している。第3導体部は、第1導体部の第1端部と第2導体部の第1端部とを接続しており且つ第1導体部と第2導体部と間の間隙に対して第2方向の一方側に位置している。第4導体部は、第1導体部の第2端部と第2導体部の第2端部とを接続しており且つ第1導体部と第2導体部と間の間隙に対して第2方向の他方側に位置している。第1導体部、第2導体部、第3導体部及び第4導体部のうちの何れかが、接続部を有している
【0007】
このような態様のRX電極による場合、RX電極の電極本体は、第1導体部、第2導体部、第3導体部及び第4導体部によってループアンテナ形状をなしている。このRX電極の電極本体に外来ノイズが印加されると、第1導体部及び第2導体部に逆向きの電流が流れて第1導体部に発生する電界と第2導体部に発生する電界とが相殺される。これにより、RX電極が外来ノイズの影響を受け難くなる。
【0008】
第1導体部と第2導体部との間の第1方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法は、例えば、0.05mm以上とすることが可能である。第1導体部と第2導体部との間の第1方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法は、例えば、2mm~0.05mm又は1mm~0.05mmとすることも可能である。
【0009】
本発明の一態様の静電容量式のタッチセンサは、絶縁性を有する基体と、基体に設けられた上記した何れかの態様のRX電極と、基体に設けられており且つRX電極の近傍に配置されたTX電極とを備えた構成とすることが可能である。
【0010】
タッチセンサは、検出対象がRX電極に接近することによる検出対象とRX電極との間の静電容量の変化と検出対象がTX電極とRX電極とに接近することによるTX電極とRX電極との静電容量の変化とに応じてRX電極の信号が変化する構成とすることが可能である。
【0011】
基体は、絶縁性を有する少なくとも一つの誘電体を有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの誘電体は、積層された絶縁性を有する複数の誘電体を含んでいてもよい。
【0012】
TX電極とRX電極の電極本体とが、少なくとも一つの誘電体のうちの一の誘電体の同一面上に設けられている静電容量式のタッチセンサ。
【0013】
TX電極とRX電極の電極本体とが、複数の誘電体のうちの一の誘電体の異なる面上に設けられていてもよい。又は、TX電極が複数の誘電体のうちの一の誘電体の面上に設けられており且つRX電極の電極本体が複数の誘電体のうちの一の誘電体以外の別の誘電体の面上に設けられていてもよい。
【0014】
TX電極は、RX電極の周りに配置された略環状の第1TX電極、第2TX電極及び第3TX電極のうちの少なくとも一つを有していてもよい。
【0015】
第1TX電極は、RX電極の周りに配置された略環状とすることが可能である。
【0016】
第1TX電極は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有していてもよい。第1TX電極の第1導体部は、第2方向に延びており且つRX電極の第1導体部に対して第1方向の一方側に配置されていてもよい。第1TX電極の第1導体部は、第2方向の一方側の第1端部と、第2方向の他方側の第2端部とを有していてもよい。第1TX電極の第2導体部は、第2方向に延びており且つRX電極の第2導体部に対して第1方向の他方側に配置されていてもよい。第1TX電極の第2導体部は、第2方向の一方側の第1端部と、第2方向の他方側の第2端部とを有していてもよい。第1TX電極の第3導体部は、第1TX電極の第1導体部の第1端部から第1TX電極の第2導体部の第1端部へ延びており且つRX電極に対して第2方向の一方側に配置されていてもよい。第1TX電極の第4導体部は、第1TX電極の第1導体部の第2端部から第1TX電極の第2導体部の第2端部へ延びており且つRX電極に対して第2方向の他方側に配置されていてもよい。
【0017】
第2TX電極は、第2方向に延びており且つRX電極の第1導体部に対して第1方向の一方側に配置されていてもよい。
【0018】
第3TX電極は、第2方向に延びており且つRX電極の第2導体部に対して第1方向の他方側に配置されていてもよい。
【0019】
本発明の一態様のノイズ低減方法は、上記した何れかの態様のRX電極に印加される外来ノイズを抑制する方法であって、外来ノイズが当該RX電極の電極本体に印加されることによって、電極本体の第1導体部及び第2導体部に逆向きの電流が流れて第1導体部に発生する電界と第2導体部に発生する電界とが相殺されることを含んでいるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明の実施例1に係る静電容量式のタッチセンサの概略的斜視図である。
図1B】実施例1のタッチセンサの概略的正面図である。
図1C】実施例1のタッチセンサの概略的側面図である。
図2A】実施例1のタッチセンサの基体の第1誘電体の概略的平面図である。
図2B】実施例1のタッチセンサの基体の第1誘電体の概略的底面図である。
図2C】実施例1のタッチセンサの基体の第2誘電体の概略的平面図である。
図2D】実施例1のタッチセンサの基体の第2誘電体の概略的底面図である。
図3】比較例に係る静電容量式のタッチセンサの概略的斜視図である。
図4A】比較例のタッチセンサの基体の第1誘電体の概略的平面図である。
図4B】比較例のタッチセンサの基体の第1誘電体の概略的底面図である。
図5A】第1モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するグラフである。
図5B】第1モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するチャートである。
図5C】第1モデルのシミュレーションによって得られたVSWRに関するグラフである。
図6A】第2モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するグラフである。
図6B】第2モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するチャートである。
図6C】第2モデルのシミュレーションによって得られたVSWRに関するグラフである。
図7A】第3モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するグラフである。
図7B】第3モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するチャートである。
図7C】第3モデルのシミュレーションによって得られたVSWRに関するグラフである。
図8A】第4モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するグラフである。
図8B】第4モデルのシミュレーションによって得られたSParameterに関するチャートである。
図8C】第4モデルのシミュレーションによって得られたVSWRに関するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例1及びその設計変更例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変更例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0022】
以下、本発明の実施例1及びその設計変更例を含む複数の実施例に係る静電容量式のタッチセンサSについて、図1A図2Dを参照しつつ説明する。図1A図2Dには、実施例1のタッチセンサSが示されている。タッチセンサSは自己容量型及び相互容量型を兼ねた構成となっている。図1C図2Dには、Y-Y’方向(第1方向)が示されている。Y-Y’方向は、Y方向(第1方向の一方)及びY’方向(第1方向の他方)を含む。図1B及び図2A図2Dには、Y-Y’方向に略直交するX-X’方向(第2方向)が示されている。X-X’方向は、X方向(第2方向の一方)及びX’方向(第2方向の他方)を含む。図1B図1Cには、Y-Y’方向及びX-X’方向に略直交するZ-Z’方向(第3方向)が示されている。Z-Z’方向は、Z方向(第3方向の一方)及びZ’方向(第3方向の他方)を含む。
【0023】
タッチセンサSは、絶縁性を有する基体100を備えている。基体100は、Y-Y’方向及びX-X’方向に延びたフラットな形状であってもよいし(図1A図1C参照)、一部又は全体がZ方向又はZ’方向に凸となるように曲面状に曲がった形状であってもよい(図示なし)。基体100は、絶縁性を有する少なくとも一つの誘電体を有している。少なくとも一つの誘電体は、絶縁性を有する一の誘電体(図示なし)又はZ-Z’方向に積層された絶縁性を有する複数の誘電体(図1A図1C参照)を含んでいる。例えば、少なくとも一つの誘電体は、(1)第1誘電体110を含む構成(図示せず)、(2)Z-Z’方向に積層された第1誘電体110と第2誘電体120とを含む構成(図示せず)、又は、(3)Z-Z’方向に積層された第1誘電体110と第2誘電体120と一又は複数の第3誘電体130とを含んでおり且つ一又は複数の第3誘電体130が第1誘電体110と第2誘電体120との間に介在する構成(図1A図2D参照)とすることが可能である。
【0024】
第1誘電体110は、Z方向側の第1面111と、Z’方向側の第2面112とを有する。第2誘電体120は、Z方向側の第1面121と、Z’方向側の第2面122とを有する。一又は複数の第3誘電体130は、Z方向側の第1面131と、Z’方向側の第2面132とを有する。
【0025】
タッチセンサSは、RX電極200(受信電極)を更に備えている。RX電極200は、電極本体210を有している。
【0026】
電極本体210は、第1導体部211と、第2導体部212とを有している。第1導体部211及び第2導体部212は、透明導電膜又は導体で構成されており且つ基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかの一の誘電体の第1面上又は第2面上に設けられていればよい。例えば、少なくとも一つの誘電体が上記(1)~(3)の何れかの構成を有する場合、第1導体部211及び第2導体部212は、第1誘電体110の第1面111上に設けられていてもよい。なお、前記透明導電膜は、例えば、ITO(酸化インジウム+酸化錫)、CNT(カーボンナノチューブ)、IZO(酸化インジウム+酸化亜鉛)、AZO(AIドープ酸化亜鉛)又は導電性高分子(PEDOT又はPSS)等で構成可能である。前記導体は、例えば、感光性銀、銀ナノインク、銀ナノワイヤ、蒸着銅、圧延銅又は銅ナノインク等とすることが可能である。
【0027】
第1導体部211及び第2導体部212は、X-X’方向に延びている。第1導体部211及び第2導体部212のそれぞれのX-X’方向の寸法は、第1導体部211及び第2導体部212のそれぞれのY-Y’方向の寸法よりも大きい。第1導体部211と第2導体部212とは、Y-Y’方向に間隙Gを有して近接配置されている。なお、Y-Y’方向は、第1導体部211及び第2導体部212の並び方向に相当する。
【0028】
第1導体部211は、X方向側の第1端部211aと、X’方向側の第2端部211bと、Y’方向側の内側端211cと、Y方向側の外側端211dとを有している。第2導体部212は、X方向側の第1端部212aと、X’方向側の第2端部212bと、Y方向側の内側端212cと、Y’方向側の外側端212dとを有している。第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとは、Y-Y’方向で間隙Gを有して対向している。第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとは、以下の(A)~(E)の何れかの構成を更に有している。
【0029】
(A)第1導体部211の内側端211c及び第2導体部212の内側端212cは、X-X’方向に直線状に延びている(図1A及び図2A参照)。この場合、第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとの間のY-Y’方向の間隔は、第1導体部211の内側端211c及び第2導体部212の内側端212cのX方向側の端から第1導体部211の内側端211c及び第2導体部212の内側端212cのX’方向側の端にかけて略一定である。
【0030】
(B)第1導体部211の内側端211cがY’方向側に凸となるように円弧状であり且つ第2導体部212の内側端212cがY方向側に凸となるように円弧状である(図示なし)。この場合、第1導体部211の内側端211cの頂部と第2導体部212の内側端212cの頂部との間のY-Y’方向の間隔が最も小さく、且つ、第1導体部211の内側端211cのX方向の端と第2導体部212の内側端212cのX方向の端との間のY-Y’方向の間隔及び/又は第1導体部211の内側端211cのX’方向の端と第2導体部212の内側端212cのX’方向の端との間のY-Y’方向の間隔が最も大きくなっている。
【0031】
(C)第1導体部211の内側端211cがY’方向側に凹となるように円弧状であり且つ第2導体部212の内側端212cがY方向側に凹となるように円弧状である(図示なし)。この場合、第1導体部211の内側端211cの頂部と第2導体部212の内側端212cの頂部との間のY-Y’方向の間隔が最も大きく、且つ、第1導体部211の内側端211cのX方向の端と第2導体部212の内側端212cのX方向の端との間のY-Y’方向の間隔及び/又は第1導体部211の内側端211cのX’方向の端と第2導体部212の内側端212cのX’方向の端との間のY-Y’方向の間隔が最も小さくなっている。
【0032】
(D)第1導体部211の内側端211cがY’方向側に凸となるように円弧状であり且つ第2導体部212の内側端212cがY’方向側に凹となるように円弧状である(図示なし)、又は、第1導体部211の内側端211cがY方向側に凹となるように円弧状であり且つ第2導体部212の内側端212cがY方向側に凸となるように円弧状である(図示なし)。この場合、第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとの間のY-Y’方向の間隔は、第1導体部211の内側端211c及び第2導体部212の内側端212cのX方向側の端から第1導体部211の内側端211c及び第2導体部212の内側端212cのX’方向側の端にかけて略一定である。
【0033】
(E)第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとの間隔が、内側端211c及び内側端212cのX方向側の端から内側端211c及び内側端212cのX’方向側の端にかけて漸次拡大又は縮小する(図示なし)。前者の場合(拡大する場合)、内側端211cのX方向側の端と内側端212cのX方向側の端との間のY-Y’方向の間隔が最も大きく、内側端211cのX’方向側の端と内側端212cのX’方向側の端との間のY-Y’方向の間隔が最も小さい。後者の場合(縮小する場合)、その逆である。
【0034】
何れの場合も、第1導体部211と第2導体部212との間のY-Y’方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法(すなわち、第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとの間のY-Y’方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法(以下、「間隙Gの寸法」とも称する。))は、例えば、0.05mm以上とすることが可能である。間隙Gの寸法は、例えば、2mm~0.05mmとしてもよいし、1mm~0.05mmとしてもよい。間隙Gの寸法は、0.2mm又は0.1mmとすることが可能である。
【0035】
第1導体部211の外側端211dの形状は任意である。例えば、第1導体部211の外側端211dは、X-X’方向に直線状に延びていてもよいし(図1A及び図2A参照)、Y方向側に凸となるように円弧状としてもよいし(図示なし)、Y’方向側に凹となるように円弧状としてもよいし(図示なし)、Y’方向及びX方向に傾斜していてもよいし(図示なし)、Y方向及びX方向に傾斜していてもよい(図示なし)。
【0036】
第2導体部212の外側端212dの形状は任意である。例えば、第2導体部212の外側端212dは、X-X’方向に直線状に延びていてもよいし(図1A及び図2A参照)、Y方向側に凸となるように円弧状としてもよいし(図示なし)、Y’方向側に凹となるように円弧状としてもよいし(図示なし)、Y’方向及びX方向に傾斜していてもよいし、Y方向及びX方向に傾斜していてもよい(図示なし)。
【0037】
電極本体210は、第3導体部213と、第4導体部214とを更に有している。電極本体210の第3導体部213は、第1導体部211の第1端部211aと第2導体部212の第1端部212aとを接続しており且つ第1導体部211と第2導体部212と間の間隙Gに対してX方向側に位置している。第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bと第2導体部212の第2端部212bとを接続しており且つ第1導体部211と第2導体部212と間の間隙Gに対してX’方向側に位置している。このようにしてRX電極200は、ループアンテナ形状をなしている。
【0038】
第1導体部211、第2導体部212、第3導体部213及び第4導体部214の何れかが接続部を有している。例えば、第4導体部214が接続部を有している場合、第3導体部213及び第4導体部214は、以下の構成とすることが可能である。
【0039】
第3導体部213は、上記した透明導電膜又は導体で構成されており且つ基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかの一の誘電体の第1面及び第2面のうちの第1導体部211及び第2導体部212が設けられた面上に設けられている。第1導体部211及び第2導体部212が、第1誘電体110の第1面111上に設けられている場合、第3導体部213も、第1誘電体110の第1面111上に設けられている(図1A及び図2A参照)。第3導体部213は、第1導体部211の第1端部211aから第2導体部212の第1端部212aへY-Y’方向に直線状に延びていてもよいし(図1A及び図2A参照)、X方向側に凸となるように第1導体部211の第1端部211aから第2導体部212の第1端部212aに円弧状に延びていてもよい(図示なし)。
【0040】
第4導体部214は、接続部を兼ねた構成となっている。具体的には、第4導体部214は、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極(図1A図2D参照)、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうち一部の誘電体(全ての誘電体よりも少ない数の誘電体)をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極(図示なし)、又は、基体100の全ての誘電体のうちの何れかの一の誘電体の第1面及び第2面のうちの第1導体部211及び第2導体部212が設けられた面上に設けられた電極(図示なし)等であって、第1導体部211の第2端部211bと第2導体部212の第2端部212bとに接続されている。第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bのY’方向側の角部と第2導体部212の第2端部212bのY方向側の角部に接続されていてもよいが(図1A及び図2A参照)、これに限定されるものではない。第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bのX’方向側の端及び第2導体部212の第2端部212bのX’方向側の端よりも部分的に凸となるように配置されていてもよいが(図1A及び図2A参照)、第4導体部214は、X-X’方向において、そのX’方向側の端が第1導体部211の第2端部211bのX’方向側の端及び第2導体部212の第2端部212bのX’方向側の端と略一致するように配置されていてもよい(図示なし)。
【0041】
第3導体部213が接続部を有している場合(図示なし)、第3導体部213は、第1導体部211の第1端部211aと第2導体部212の第1端部212aとを接続する以外、前段落の第4導体部214と同様の構成とすることが可能であり、且つ、第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bと第2導体部212の第2端部212bとを接続する以外、上記した透明導電膜又は導体で構成された第3導体部213と同様の構成とすることが可能である。第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bから第2導体部212の第2端部212bへY-Y’方向に直線状に延びていてもよいし、X’方向側に凸となるように第1導体部211の第2端部211bから第2導体部212の第2端部212bに円弧状に延びていてもよい。
【0042】
第1導体部211又は第2導体部212が接続部を有している場合(図示なし)、第1導体部211又は第2導体部212は、上記した透明導電膜又は導体と、接続部とを有する構成とすることが可能である。第1導体部211又は第2導体部212の接続部は、上記した透明導電膜又は導体に接続された基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうち一部の誘電体(全ての誘電体よりも少ない数の誘電体)をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極、又は、基体100の全ての誘電体のうちの何れかの一の誘電体の第1面及び第2面のうちの第1導体部211及び第2導体部212が設けられた面上に設けられた電極等とすることが可能である。この場合、第3導体部213及び第4導体部214は、上記した透明導電膜又は導体で構成されている。また、第3導体部213又は第4導体部214も、上記した透明導電膜又は導体と、接続部とを有する構成とすることが可能である。この場合、第3導体部213又は第4導体部214の接続部は、第1導体部211又は第2導体部212の接続部と同様の構成とすることが可能である。
【0043】
タッチセンサSは、TX電極300(送信電極)を更に備えている。TX電極300は、基体100に設けられており且つRX電極200の近傍に配置されている。TX電極300とRX電極200の電極本体210とが、基体100の少なくとも一つの誘電体のうちの一の誘電体の同一面上に設けられていてもよいし、基体100の複数の誘電体のうちの一の誘電体の異なる面上に設けられていてもよいし、TX電極300が複数の誘電体のうちの一の誘電体の面上に設けられており且つRX電極200の電極本体210が前記複数の誘電体のうちの一の誘電体以外の別の誘電体の面上に設けられていてもよい。
【0044】
TX電極300は、例えば、略環状の第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cを有していてもよい。
【0045】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)~(3)の何れかの構成を有している場合、第1TX電極300aは、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかの一の誘電体の第1面及び第2面のうちのRX電極200の電極本体210が設けられた面上に設けられており且つRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されていてもよいし、当該一の誘電体の第1面及び第2面のうちのRX電極200の電極本体210が設けられていない面上に設けられており且つRX電極200の電極本体210の周りに配置されていてもよい。基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)又は(3)の構成を有している場合、第1TX電極300aは、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかのRX電極200の電極本体210が設けられた一の誘電体以外の別の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されていてもよい。
【0046】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)~(3)の何れかの構成を有している場合、第2TX電極300b、第3TX電極300cは、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかの一の誘電体の第1面及び第2面のうちのRX電極200の電極本体210が設けられた面上に設けられており且つRX電極200の電極本体210に対してY方向側、Y’方向側に間隔をあけて配置されていてもよいし、当該一の誘電体の第1面及び第2面のうちのRX電極200の電極本体210が設けられていない面上に設けられており且つRX電極200の電極本体210に対してY方向側、Y’方向側に配置されていてもよい。基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)又は(3)の構成を有している場合、第2TX電極300b、第3TX電極300cは、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかのRX電極200の電極本体210が設けられた一の誘電体以外の別の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200に対してY方向側、Y’方向側に配置されていてもよい。何れの場合も、第2TX電極300b及び第3TX電極300cと、第1TX電極300aとは、一の誘電体の同一面上に設けられていないことに留意されたい。
【0047】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)の構成を有しており且つRX電極200の電極本体210が第1誘電体110の第1面111上に設けられている場合、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cは、以下の(a)又は(b)の構成を有しているとよい(図示なし)。
【0048】
(a)第1TX電極300aは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0049】
(b)第1TX電極300aは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0050】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)の構成を有しており且つRX電極200の電極本体210が第1誘電体110の第1面111上に設けられている場合、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cは、以下の(c)~(h)の何れかの構成を有しているとよい(図示なし)。
【0051】
(c)第1TX電極300aは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cが第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0052】
(d)第1TX電極300aは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bが第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cが第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0053】
(e)第1TX電極300aは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bは第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cは第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0054】
(f)第1TX電極300aは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bは第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cは第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0055】
(g)第1TX電極300aは第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0056】
(h)第1TX電極300aは第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている。第2TX電極300bは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。
【0057】
少なくとも一つの誘電体が上記(3)の構成を有しており且つRX電極200の電極本体210が第1誘電体110の第1面111上に設けられている場合、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cは、以下の(i)~(n)の何れかの構成を有しているとよい。
【0058】
(i)第1TX電極300aは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている(図1A図2D参照)。第2TX電極300bは、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第3TX電極300cは、当該一の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。なお、図1A図2Dでは、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが第2誘電体120の第2面122上に設けられている。
【0059】
(j)第1TX電極300aは、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている(図示なし)。第2TX電極300bは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている(図示なし)。第3TX電極300cは第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている(図示なし)。
【0060】
(k)第1TX電極300aは、第1誘電体110の第2面112且つRX電極200の周りに配置されている(図示なし)。第2TX電極300bは、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一の誘電体の第1面上(但し、一の誘電体が一の第3誘電体130である場合の一の第3誘電体130の第1面131上及び複数の第3誘電体130のうちの最もZ方向側の第3誘電体130である場合の最もZ方向側の第3誘電体130の第1面131上を除く。)若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている(図示なし)。第3TX電極300cが当該一の誘電体の第1面上(但し、一の誘電体が一の第3誘電体130である場合の一の第3誘電体130の第1面131上及び複数の第3誘電体130のうちの最もZ方向側の第3誘電体130である場合の最もZ方向側の第3誘電体130の第1面131上を除く。)若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている(図示なし)。
【0061】
(l)第1TX電極300aは、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一の誘電体の第1面上(但し、一の誘電体が一の第3誘電体130である場合の一の第3誘電体130の第1面131上及び複数の第3誘電体130のうちの最もZ方向側の第3誘電体130である場合の最もZ方向側の第3誘電体130の第1面131上を除く。)若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている(図示なし)。第2TX電極300bは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている(図示なし)。第3TX電極300cが第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている(図示なし)。
【0062】
(m)第1TX電極300aは、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている(図示なし)。第2TX電極300bは当該一の誘電体の第2面上若しくは第1面上(すなわち、第1TX電極300aが設けられていない面上)に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている(図示なし)。第3TX電極300cは当該一の誘電体の第2面上若しくは第1面上(すなわち、第1TX電極300aが設けられていない面上)に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている(図示なし)。
【0063】
(n)第1TX電極300aは、一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている(図示なし)。第2TX電極300bが一又は複数の第3誘電体130のうちの前記一の誘電体以外の別の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている(図示なし)。第3TX電極300cが当該別の誘電体の第1面上若しくは第2面に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている(図示なし)。
【0064】
第1TX電極300aが上記した何れの構成を有する場合も、第1TX電極300aは、第1導体部310a、第2導体部320a、第3導体部330a及び第4導体部340aを有している。第1導体部310a、第2導体部320a、第3導体部330a及び第4導体部340aによって、第1TX電極300aの第1開口301aが区画されている。
【0065】
第1TX電極300aの第1導体部310aは、X-X’方向に延びており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている。第1TX電極300aの第2導体部320aは、X-X’方向に延びており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている。第1TX電極300aの第1導体部310a及び第2導体部320aは、X方向側の第1端部と、X’方向側の第2端部とを有している。第1TX電極300aの第3導体部330aは、第1TX電極300aの第1導体部310aの第1端部から第1TX電極300aの第2導体部320aの第1端部へY-Y’方向に延びており且つRX電極200に対してX方向側に配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、第1TX電極300aの第1導体部310aの第2端部から第1TX電極300aの第2導体部320aの第2端部へY-Y’方向に延びており且つRX電極200に対してX’方向側に配置されている。
【0066】
第1TX電極300aとRX電極200の電極本体210とが第1誘電体110の第1面111上(同一面上)に設けられている場合、第1TX電極300aの第1導体部310aは、RX電極200の第1導体部211に対してY方向側に間隔をあけて配置されており、第1TX電極300aの第2導体部320aは、RX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に間隔をあけて配置されており、第1TX電極300aの第3導体部330aは、RX電極200に対してX方向側に間隔をあけて配置されており、且つ、第1TX電極300aの第4導体部340aは、RX電極200に対してX’方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第1導体部310aとRX電極200の第1導体部211との間のY-Y’方向の間隔、第1TX電極300aの第2導体部320aとRX電極200の第2導体部212との間のY-Y’方向の間隔、第1TX電極300aの第3導体部330aとRX電極200とのX-X’方向の間隔及び第1TX電極300aの第4導体部340aとRX電極200とのX-X’方向の間隔は、略同じであるとよいが、異なっていてもよい。
【0067】
RX電極200の第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bのX’方向側の端及び第2導体部212の第2端部212bのX’方向側の端よりも部分的に凸である場合、第1TX電極300aの第4導体部340aは、X’方向側に凹の凹部341aが設けられていてもよい。
【0068】
第2TX電極300b及び第3TX電極300cのX-X’方向の寸法は、RX電極200の電極本体210のX-X’方向の寸法よりも大きく且つ第1TX電極300aのX-X’方向の寸法と同じ又は小さくすることが可能である。
【0069】
第2TX電極300bとRX電極200の電極本体210とが第1誘電体110の第1面111上(同一面上)に設けられている場合、第2TX電極300bは、RX電極200の第1導体部211に対してY方向側に間隔をあけて配置されている。第3TX電極300cとRX電極200の電極本体210とが第1誘電体110の第1面111上(同一面上)に設けられている場合、第3TX電極300cは、RX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に間隔をあけて配置されている。第2TX電極300bとRX電極200の電極本体210との間のY-Y’方向の間隔と、第3TX電極300cとRX電極200の電極本体210との間のY-Y’方向の間隔とは、略同じであるとよいが、異なっていてもよい。
【0070】
TX電極300は、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)をZ-Z’方向に貫通した一又は複数の第1スルーホール電極300d又は基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの一部の誘電体をZ-Z’方向に貫通した一又は複数の第1バイアホール電極(図示なし)と、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)をZ-Z’方向に貫通した一又は複数の第2スルーホール電極300e又は基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの一部の誘電体をZ-Z’方向に貫通した一又は複数の第2バイアホール電極とを更に有する。第1TX電極300aと第2TX電極300bとは、一又は複数の第1スルーホール電極300d又は一又は複数の第1バイアホール電極(図示なし)を介して互いに電気的に接続されている。第1TX電極300aと第3TX電極300cとは、一又は複数の第2スルーホール電極300e又は一又は複数の第2バイアホール電極を介して互いに電気的に接続されている。第2TX電極300b及び第3TX電極300cは、第1TX電極300aを介して互いに電気的に接続されている。
【0071】
タッチセンサSは、指やタッチペン等の検出対象が接近する図示しない検出パネルを更に備えていてもよい。検出パネルは、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してZ方向側に配置される平板状であってもよいし、Y-Y’方向及びZ-Z’方向の断面視において略O字状(例えば、タッチセンサSの筐体等)であって、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してZ方向側に配置される第1部と、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してY方向側に配置される第2部と、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してY’方向側に配置される第3部と、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してZ’方向側に配置される第4部とを有する構成としてもよい。タッチセンサSは、一又は複数の介在部材を更に備えていてもよい。一の介在部材が設けられている場合、一の介在部材が基体100と検出パネルとの間に介在していている(挟まれていている)。複数の介在部材が設けられている場合、複数の介在部材が基体100と検出パネルとの間に複数の介在部材が介在しており(挟まれており)且つ基体100と検出パネルとの間で積層されている。一又は複数の介在部材は、誘電体で構成されていればよく、例えば、樹脂、ゴム、スポンジ又はクッション等で構成することが可能である。少なくとも一つの中間部材は、比誘電率が2以上であるとよいが、これに限定されるものではない。
【0072】
又は、タッチセンサSではなく、タッチセンサSが搭載される電子機器が検出パネルを備えていてもよい。検出パネルが平板状である場合、タッチセンサSが電子機器に搭載された状態で、タッチセンサSが、検出パネルに対してZ’方向側に配置される。検出パネルがタッチセンサSが搭載される電子機器の略O字状の筐体(例えば、自動車のドアハンドルの筐体等)である場合、タッチセンサSが電子機器に搭載された状態で、タッチセンサSが検出パネルの第1部に対してZ’方向側に、検出パネルの第2部に対してY方向側に、検出パネルの第3部に対してY’方向側、検出パネルの第4部に対してZ’方向側に配置される。なお、電子機器が、一又は複数の介在部材を更に備えていてもよい。タッチセンサSが搭載された状態で、一又は複数の介在部材が、前段落と同様に、タッチセンサSの基体100と電子機器の検出パネルとの間に介在する。
【0073】
なお、一又は複数の介在部材は省略可能である。
【0074】
タッチセンサSは、第1配線400と、図示しない第2配線と、制御部600とを更に備えていてもよい。第1配線400は、基体100の少なくとも一つの誘電体に設けられており且つRX電極200の接続部と制御部600との間を接続している。なお、制御部600は、図2Aにのみ図示しており、図1A図1Cでは、図示省略されている。
【0075】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており、第1TX電極300aが第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つRX電極200の接続部が第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極である場合(図示なし)、第1配線400及び制御部600は以下の(ア)又は(イ)の構成を有することが可能である。(ア)第1配線400は、第1部410と、第2部420と、第3部430と、第4部440とを有する。第1配線400の第1部410は、第1誘電体110の第2面112上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の接続部に接続されている。第1配線400の第3部430は、第1誘電体110の第1面111に設けられた導電ラインであって、第1TX電極300aの外側(周り)に配置されている。第1配線400の第2部420は、第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極であって、第1配線400の第1部410と第1配線400の第3部430とを接続している。第1配線400の第4部440は、第1誘電体110の第1面111に設けられた電極である。制御部600が第1誘電体110の第1面111上に実装されており且つ第1配線400の第4部440に接続されている。(イ)第1配線400の上記した第1部410が設けられている一方で、第1配線400の第2部420、第3部430及び第4部440は省略されている。制御部600が第1誘電体110の第2面112上に実装されており且つ第1配線400の第1部410に接続されている。
【0076】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており、RX電極200の接続部が第1誘電体110の第1面111上の電極であり且つ第1TX電極300aが第1誘電体110の第2面112上に設けられている場合(図示なし)、又は、基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており、RX電極200の接続部が第1誘電体110の第1面111上の電極であり且つ第1TX電極300aが設けられていない場合(図示なし)、第1配線400及び制御部600は以下の(ウ)の構成を有していてもよいし、上記(ア)又は(イ)の構成を有していてもよい。(ウ)第1配線400の第1部410は、第1誘電体110の第1面111上に設けており且つRX電極200の接続部に接続されている。第1配線400の第2部420、第3部430及び第4部440は省略されている。制御部600が第1誘電体110の第1面111上に実装されており且つ第1配線400の第1部410に接続されている。
【0077】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており、且つ第1TX電極300aが第1誘電体110の第1面111上に設けられている場合(図示なし)、RX電極200の接続部、第1配線400及び制御部600は以下の(エ)又は(オ)の構成を有することが可能である。(エ)RX電極200の接続部は第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極又は第1誘電体110及び第2誘電体120をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極である。第1配線400の第1部410は、第1誘電体110の第2面112上、第2誘電体120の第1面121上又は第2誘電体120の第2面122上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の接続部に接続されている。第1配線400の第3部430は、第1誘電体110の第1面111に設けられた導電ラインであって、第1TX電極300aの外側(周り)に配置されている。第1配線400の第2部420は、第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極又は第1誘電体110及び第2誘電体120をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極であって、第1配線400の第1部410と第1配線400の第3部430とを接続している。第1配線400の第4部440は、第1誘電体110の第1面111に設けられた電極である。制御部600が第1誘電体110の第1面111上に実装されており且つ第1配線400の第4部440に接続されている。(オ)RX電極200の接続部220は上記したスルーホール電極である。第1配線400の第1部410が第2誘電体120の第2面122上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の接続部に接続されている一方で、第1配線400の第2部420、第3部430及び第4部440は省略されている。制御部600が第2誘電体120の第2面122上に実装されており且つ第1配線400の第1部410に接続されている。
【0078】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つ第1TX電極300aが第1誘電体110の第2面112上、第2誘電体120の第1面121上又は第2誘電体120の第2面122上設けられている場合(図示なし)、又は、基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つ第1TX電極300aが設けられていない場合(図示なし)、RX電極200の接続部、第1配線400及び制御部600は以下の(カ)の構成を有していてもよいし、上記(エ)又は(オ)の構成を有していてもよい。(カ)RX電極200の接続部は第1誘電体110の第1面111上の電極である。第1配線400の第1部410は、第1誘電体110の第1面111上に設けており且つRX電極200の接続部に接続されている一方で、第1配線400の第2部420、第3部430及び第4部440は省略されている。制御部600が第1誘電体110の第1面111上に実装されており且つ第1配線400の第1部410に接続されている。
【0079】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(3)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つ第1TX電極300aが第1誘電体110の第1面111上に設けられている場合、RX電極200の接続部、第1配線400及び制御部600は以下の(キ)又は(ク)の構成を有することが可能である。(キ)RX電極200の接続部は第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極(図示なし)、第1誘電体110と一又は複数の第3誘電体130のうちの少なくとも一つの第3誘電体130とをZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極(図示なし)又は第1誘電体110、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130(全ての誘電体)をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極(図1A図2D参照)である。第1配線400の第1部410は、第1誘電体110の第2面112上、又は、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一つの誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の接続部に接続されている。なお、図1A図2Dでは、第1配線400の第1部410は、第2誘電体120の第2面122上に設けられている。第1配線400の第3部430は、第1誘電体110の第1面111に設けられた導電ラインであって、第1TX電極300aの外側(周り)に配置されている。第1配線400の第2部420は、第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極(図示なし)、第1誘電体110と一又は複数の第3誘電体130のうちの少なくとも一つの第3誘電体130とをZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極(図示なし)又は第1誘電体110、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130(全ての誘電体)をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極(図1A図2D参照)であって、第1配線400の第1部410と第1配線400の第3部430とを接続している。第1配線400の第4部440は、第1誘電体110の第1面111に設けられた電極である。制御部600が第1誘電体110の第1面111上に実装されており且つ第1配線400の第4部440に接続されている。(ク)RX電極200の接続部は上記したスルーホール電極である。第1配線400の第1部410が第2誘電体120の第2面122上に設けられた導電ラインである一方で、第1配線400の第2部420、第3部430及び第4部440は省略されている。制御部600が第2誘電体120の第2面122上に実装されており且つ第1配線400の第1部410に接続されている。
【0080】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(3)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つ第1TX電極300aが第1誘電体110の第2面112上、又は、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一つの誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられている場合(図示なし)、又は、基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(3)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており且つ第1TX電極300aが設けられていない場合(図示なし)、RX電極200の接続部、第1配線400及び制御部600は以下の(ケ)の構成を有していてもよいし、上記(キ)又は(ク)の構成を有していてもよい。(ケ)RX電極200の接続部は第1誘電体110の第1面111上の電極である。第1配線400の第1部410は、第1誘電体110の第1面111上に設けており且つRX電極200の接続部に接続されている一方で、第1配線400の第2部420、第3部430及び第4部440は省略されている。制御部600が第1誘電体110の第1面111上に実装されており且つ第1配線400の第1部410に接続されている。
【0081】
第2配線は、基体100の少なくとも一つの誘電体に設けられており且つTX電極300と制御部600との間を接続している。第2配線は、TX電極300と制御部600との間を接続する以外、上記した何れかの第1配線400と同様の構成とすることが可能である。なお、第1配線400及び第2配線は省略可能である。
【0082】
制御部600は、IC等の論理回路であって、第1配線400を介してRX電極200に対して電荷の充放電を行う構成と、第2配線を介してTX電極300に対して駆動パルスを供給する構成とを有している(図示なし)。
【0083】
制御部600からRX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われたときに、検出対象がZ方向側から検出パネル(すなわち、RX電極200の電極本体210)に接近することによって、検出対象とRX電極200の電極本体210との間の静電容量(自己容量)が変化する。制御部600から駆動パルスがTX電極300に対して供給されるときに、RX電極200とTX電極300とが静電結合する。このとき、検出対象がZ方向側から検出パネル(すなわち、RX電極200及びTX電極300)に接近することによって、RX電極200とTX電極300との間の静電容量(相互容量)が変化する。自己容量及び相互容量の変化に応じて、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が変化する。
【0084】
制御部600は、RX電極200の信号(電圧又は電流等)をモニタリングしつつ、RX電極200の信号と制御部600の内部メモリ又は外部メモリ上の閾値とを比較し、且つ当該比較によりRX電極200の信号が閾値を超えたときに、RX電極200に対するZ方向側の部分に検出対象の接近(検出対象のタッチ等)を検出する構成を更に有している。
【0085】
なお、制御部600は、省略可能である。制御部600が省略される場合、RX電極200及びTX電極300は、タッチセンサSの外部の制御部(例えば、タッチセンサSが搭載される電子機器の制御部等(IC等の論理回路等、又は論理回路等によって処理されるソフトウエア))に電気的に接続可能となっており、外部の制御部が、制御部600の代わりに、上記何れかのとおりに、タッチセンサSを制御する構成となっていてもよい。
【0086】
タッチセンサSは、少なくとも一つのグランド導体を更に備えていてもよい。少なくとも一つのグランド導体は、第1グランド導体500a及び第2グランド導体500bの少なくとも一つを有する構成とすることが可能である。
【0087】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)の構成を有しており且つ第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが上記(a)の構成を有する場合、(a1)第1グランド導体500aは、第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つ第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて配置されている(図示なし)。第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法は、第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間のY-Y’方向の間隔よりも小さく且つRX電極200の電極本体210のY-Y’方向の寸法と略同じ又はそれを超える寸法とすることが可能である。第1グランド導体500aのX-X’方向の寸法は、RX電極200の電極本体210のX-X’方向の寸法よりも大きく且つ第2TX電極300bと第3TX電極300cのそれぞれのX-X’方向の寸法と同じ又は小さくすることが可能である。第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210に重なるように配置されている。この場合、第2グランド導体500bは省略されている。
【0088】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)の構成を有しており且つ第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが上記(b)の構成を有する場合、(b1)第1グランド導体500aは第1誘電体110の第2面112上に設けられており且つ第1TX電極300aの第1開口301a内に当該第1開口301aの周縁と間隔をあけて配置されている。第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法は、第1TX電極300aの第1開口301aのY-Y’方向の寸法よりも小さく且つRX電極200の電極本体210のY-Y’方向の寸法と略同じ又は大きくとすることが可能である。第1グランド導体500aのX-X’方向の寸法は、第1TX電極300aの第1開口301aのX-X’方向の寸法よりも小さく且つRX電極200の電極本体210のX-X’方向の寸法と略同じ又は大きくとすることが可能である。第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210に重なるように配置されている。この場合、第2グランド導体500bは省略されている(図示なし)。
【0089】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)の構成を有しており且つ第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが上記(c)~(h)の何れかの構成を有する場合、第1グランド導体500a及び第2グランド導体500bは以下の構成とすることが可能である。第1グランド導体500aは、第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121及び第2誘電体120の第2面122のうちの第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面上に設けられており且つ第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて配置されている、又は、第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121、第2誘電体120の第2面122、一又は複数の第3誘電体130の第1面131及び一又は複数の第3誘電体130の第2面132のうちの第1TX電極300aが設けられた面上に設けられており且つ第1TX電極300aの第1開口301a内に当該第1開口301aの周縁と間隔をあけて配置されている。第1グランド導体500aが第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて配置されている場合、第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法、X-X’方向の寸法は、上記(a1)のとおりであり、第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210に重なるように配置されている。第1グランド導体500aが第1TX電極300aの第1開口301a内に当該第1開口301aの周縁と間隔をあけて配置されている場合、第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法、X-X’方向の寸法は、上記(b1)のとおりであり、第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側に配置されている。第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121及び第2誘電体120の第2面122のうちの第1TX電極300aが設けられた面及び第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面以外の面がある場合、第2グランド導体500bは、当該面の何れか一つの面上に設けられている。第2グランド導体500bのY-Y’方向の寸法は、第1TX電極300aのY-Y’方向の寸法と同じ若しくはそれを超える寸法、及び/又は、第2TX電極300bのY方向の端から第3TX電極300cのY’方向の端までのY-Y’方向の距離と略同じ若しくはそれを超える寸法とすることが可能である。第2グランド導体500bのX-X’方向の寸法は、第1TX電極300aのX-X’方向の寸法と同じ若しくはそれを超える寸法、及び/又は、第2TX電極300bのX方向の端から第2TX電極300bのX’方向の端までのX-X’方向の距離と略同じ若しくはそれを超える寸法とすることが可能である。第2グランド導体500bは、Z-Z’方向において、RX電極200の電極本体210、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cに重なるように配置されている。第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121及び第2誘電体120の第2面122のうちの第1TX電極300aが設けられた面及び第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面以外の面がない場合、第2グランド導体500bは、省略される。
【0090】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(3)の構成を有しており且つ第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが上記(i)~(l)の何れかの構成を有する場合、第1グランド導体500a及び第2グランド導体500bは以下の構成とすることが可能である。第1グランド導体500aは、第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121、第2誘電体120の第2面122、一又は複数の第3誘電体130の第1面131及び一又は複数の第3誘電体130の第2面132のうちの第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面上に設けられており且つ第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて配置されている、又は、第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121、第2誘電体120の第2面122、一又は複数の第3誘電体130の第1面131及び一又は複数の第3誘電体130の第2面132のうちの第1TX電極300aが設けられた面上に設けられており且つ第1TX電極300aの第1開口301a内に当該第1開口301aの周縁と間隔をあけて配置されている。第1グランド導体500aが第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて配置されている場合、第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法、X-X’方向の寸法は、上記(a1)のとおりであり、第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210に重なるように配置されている。第1グランド導体500aが第1TX電極300aの第1開口301a内に当該第1開口301aの周縁と間隔をあけて配置されている場合、第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法、X-X’方向の寸法は、上記(b1)のとおりであり、第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210に重なるように配置されている。第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121、第2誘電体120の第2面122、一又は複数の第3誘電体130の第1面131及び一又は複数の第3誘電体130の第2面132のうちのの第1TX電極300aが設けられた面及び第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面以外の面がある場合、第2グランド導体500bは、当該面の何れか一つの面上に設けられている。第2グランド導体500bのY-Y’方向の寸法、第2グランド導体500bのX-X’方向の寸法は、前段落のとおりである。第2グランド導体500bは、Z-Z’方向において、RX電極200の電極本体210、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cに重なるように配置されている。第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121、第2誘電体120の第2面122、一又は複数の第3誘電体130の第1面131及び一又は複数の第3誘電体130の第2面132のうちのの第1TX電極300aが設けられた面及び第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面以外の面がない場合、第2グランド導体500bは、省略される。
【0091】
第2グランド導体500bがZ-Z’方向において第1TX電極300aと、第2TX電極300b及び第3TX電極300cとの間に配置されている場合、第2グランド導体500bには、一又は複数の第1スルーホール電極300d又は一又は複数の第1バイアホール電極との干渉を避けるための一又は複数の第1開口501bと、一又は複数の第2スルーホール電極300e又は一又は複数の第2バイアホール電極との干渉を避けるための一又は複数の第2開口502bとが設けられている。RX電極200の接続部がスルーホール電極又はバイアホール電極である場合、第1グランド導体500a、第2グランド導体500bには、接続部との干渉を避けるための第3開口501a、503bが設けられている。
【0092】
第1グランド導体500a及び第2グランド導体500bの双方が設けられている場合、少なくとも一つのグランド導体は、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)をZ-Z’方向に貫通した一又は複数の第3スルーホール電極500c又は基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの一部の誘電体をZ-Z’方向に貫通した一又は複数の第3バイアホール電極(図示なし)を更に有している。第1グランド導体500a及び第2グランド導体500bは、一又は複数の第3スルーホール電極500c、又は、一又は複数の第3バイアホール電極を介して互いに電気的に接続されている。第1TX電極300aには、一又は複数の第3スルーホール電極500c、又は、一又は複数の第3バイアホール電極との干渉を避けるための一又は複数の第2開口302aが設けられている。
【0093】
なお、少なくとも一つのグランド導体は省略可能である。
【0094】
以下、本発明の実施例に係るノイズ低減方法について詳しく説明する。この方法は、上記した何れかの態様のRX電極200に印加される外来ノイズ(イミュニティノイズ)を抑制する方法である。上記したとおり、RX電極200はループアンテナ形状をなしており且つ第1導体部211及び第2導体部212がX-X’方向に延びており且つ間隙Gをあけて近接配置されているので、第1導体部211と第2導体部212との間に生じるクーロン力が強くなっている。そのため、外来ノイズがRX電極200の電極本体210に印加されることによって、第1導体部211と第2導体部212に逆向きの電流が流れて第1導体部211に発生する電界と第2導体部212に発生する電界とが相殺される。これにより、RX電極200がループアンテナとしての放射効率が悪化する。このように放射効率が悪化することは、受信効率が悪化することも意味するので、RX電極200がループアンテナとしての受信効率を悪化させる形状とすることによって、RX電極200は外来ノイズの影響を受け難くなっている。但し、RX電極200のアンテナとしての受信効率が低下しても、RX電極200はアンテナとして使用するわけではなく、制御部600又は外部の制御部は、上記したとおりにRX電極200の信号(電圧又は電流等)をモニタリングしつつ、閾値と比較し、検出対象の接近(検出対象のタッチ等)を検出することができる。
【0095】
タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが、少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されている場合、第1TX電極300aが、RX電極200の電極本体210に対してガードリングとして機能する。このため、RX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)が向上する。又は、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の両側に配置されている場合、RX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)が向上する。
【0096】
TX電極300が設けられておらず、第2グランド導体500bがRX電極200の電極本体210に対してZ’方向側に配置されている比較例のタッチセンサの場合、RX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)を向上させるために、第2グランド導体500bをRX電極200の電極本体210の近くに配置することになる。RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電がなされているときに、水等の導体付着物がRX電極200の電極本体210と第2グランド導体500bとに跨がるように、上記略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が、導体付着物の付着による変位量△C1分増加する。
【0097】
一方、タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが、少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されており、且つ、第2グランド導体500bがRX電極200の電極本体210に対してZ’方向側に配置されている場合、上記したとおり、第1TX電極300aによってRX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)が向上するので、第2グランド導体500bをRX電極200の電極本体210から遠く配置することができる。RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電がなされていると共に、第1TX電極300aに駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、第1TX電極300a及び第2グランド導体500bに跨がるように、略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が、導体付着物の付着による変位量△C2分増加する。しかし、変位量△C2は、変位量△C1よりも小さくなるため、タッチセンサSは、比較例のタッチセンサよりも、導体付着物の付着によるRX電極200の電極本体210の自己容量の増加が抑制される。すなわち、タッチセンサSは、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制されるので、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。
【0098】
また、タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが、少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されており、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが少なくとも一つの誘電体のRX電極200の電極本体210及び第1TX電極300aが設けられた面よりもZ’方向側の面に設けられており、且つ、第1グランド導体500aが当該Z’方向側の面の第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に設けられている場合(但し、第2グランド導体500bが設けられているか否かは問わない。)、上記したとおり、第1TX電極300aによってRX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)が向上するので、第1グランド導体500aをRX電極200の電極本体210から遠く配置することができる。RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、TX電極300に駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、TX電極300及び第1グランド導体500aに跨がるように、検出パネルの第1部、第2部及び第4部に、又は、検出パネルの第1部、第3部及び第4部に導体付着物が付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が、導体付着物の付着による変位量△C3分増加する。しかし、変位量△C3は、変位量△C1よりも小さくなるため、タッチセンサSは、比較例のタッチセンサよりも、導体付着物の付着によるRX電極200の電極本体210の自己容量の増加が抑制される。すなわち、タッチセンサSは、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制されるので、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。
【0099】
タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが、少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されており、第2グランド導体500bがRX電極200の電極本体210に対してZ’方向側に配置されており、RX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dから第2グランド導体500bのY方向側の端までの第1距離が等距離であり、且つ、RX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dから第2グランド導体500bのY’方向側の端までの第2距離が等距離である場合、第1距離の行程におけるRX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dと第2グランド導体500bのY方向側の端との間に第1TX電極300aの第1導体部310aが位置し、且つ、第2距離の行程におけるRX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dと第2グランド導体500bのY’方向側の端との間に第1TX電極300aの第2導体部320aが位置する。
【0100】
なお、第1距離は、RX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端から少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY方向側の端から第2グランド導体500bのY方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。第2距離は、RX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端から少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY’方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY’方向側の端から第2グランド導体500bのY’方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。
【0101】
このような構成のタッチセンサSにおいて、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、第1TX電極300aに駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、第1TX電極300a及び第2グランド導体500bに跨がるように、略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が導体付着物の付着による変位量△C2分増加する一方で、導体付着物は電気的にアースから浮遊しているので、第1TX電極300aとRX電極200の電極本体210との間の相互容量が導体付着物の静電容量分増加する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とが少なくとも部分的に相殺し合うので、導体付着物が付着しても、自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制される。よって、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。これに対し、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、第1TX電極300aに駆動パルスが供給されているときに、検出対象がRX電極200の電極本体210、第1TX電極300a及び第2グランド導体500bに跨がるように、略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に接近すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が検出対象の接近による変位量△C4分増加する一方で、第1TX電極300aとRX電極200の電極本体210との間の相互容量から電荷が検出対象を経てアースに逃げるため、相互容量は減少する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とは部分的に相殺し合うものの、検出対象の接近時の相殺効果が導体付着物付着時の相殺効果よりも低下する。すなわち、検出対象の接近による自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化は、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化よりも大きくなるので、制御部600又は外部の制御部が、検出対象の接近を、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして検出することができる。
【0102】
また、タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが、少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されており、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが少なくとも一つの誘電体のRX電極200の電極本体210及び第1TX電極300aが設けられた面よりもZ’方向側の面に設けられており、第1グランド導体500aが当該Z’方向側の面の第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に設けられており、RX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dから第1グランド導体500aのY方向側の端までの第3距離が等距離であり、且つ、RX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dから第1グランド導体500aのY’方向側の端までの第4距離が等距離である場合、第3距離の行程におけるRX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dと第1グランド導体500aのY方向側の端との間に第1TX電極300aの第1導体部310a及び第2TX電極300bが位置し、且つ、第4距離の行程におけるRX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dと第1グランド導体500aのY’方向側の端との間に第1TX電極300aの第2導体部320a及び第3TX電極300cが位置する。
【0103】
なお、第3距離は、RX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端から少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY方向側の端から第1グランド導体500aのY方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。第4距離は、RX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端から少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY’方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY’方向側の端から第1グランド導体500aのY’方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。
【0104】
このような構成のタッチセンサSにおいて、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、TX電極300に駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、TX電極300及び第1グランド導体500aに跨がるように、検出パネルの第1部、第2部及び第4部に、又は、検出パネルの第1部、第3部及び第4部に導体付着物が付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が導体付着物の付着による変位量△C3分増加する一方で、導体付着物は電気的にアースから浮遊しているので、TX電極300とRX電極200の電極本体210との間の相互容量が導体付着物の静電容量分増加する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とが少なくとも部分的に相殺し合うので、導体付着物が付着しても、自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制される。よって、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。これに対し、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、TX電極300に駆動パルスが供給されているときに、検出対象がRX電極200の電極本体210、TX電極300及び第1グランド導体500aに跨がるように、検出パネルの第1部、第2部及び第4部に、又は、検出パネルの第1部、第3部及び第4部に接近すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が検出対象の接近による変位量△C5分増加する一方で、TX電極300とRX電極200の電極本体210との間の相互容量から電荷が検出対象を経てアースに逃げるため、相互容量は減少する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とは部分的に相殺し合うものの、検出対象の接近時の相殺効果が導体付着物付着時の相殺効果よりも低下する。すなわち、検出対象の接近による自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化は、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化よりも大きくなるので、制御部600又は外部の制御部が、検出対象の接近を、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして検出することができる。
【0105】
タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されており且つ検出パネルが自動車のドアハンドルの筐体である場合、自動車のドア自体がグランドと同電位となっており、RX電極200の電極本体210の第1導体部211からドアまでの間に第1TX電極300aの第1導体部310aが位置し、且つ、RX電極200の電極本体210の第2導体部212からドアまでの間に第1TX電極300aの第2導体部320aが位置する。この場合、導体付着物がRX電極200の電極本体210、第1TX電極300a及びドアに跨がるように、ドアハンドル及びドアに付着したとしても、上記したように、導体付着物の付着によりRX電極200の電極本体210の自己容量及び第1TX電極300aとRX電極200の電極本体210との間の相互容量が増加し、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とが少なくとも部分的に相殺し合う。そのため、導体付着物が付着しても、自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制されるので、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。
【0106】
ここで、以下のとおり、第1シミュレーション~第4シミュレーションを行った。第1シミュレーション~第4シミュレーションは、以下の条件でEMシミュレーター(ANSYS社製ANSYS HFSS)を用いてSパラメータ(S11)の解析を行った。
【0107】
〔第1シミュレーションの条件〕
EMシミュレーターに、図1A図2Dに示す実施例1のタッチセンサSのCADデータを入力し、EMシミュレーターによって、当該CADデータに基づいて第1モデルを作成した。
【0108】
第1モデルにおけるタッチセンサSは、図1A図2Dに示すとおりであって、基体100と、RX電極200と、TX電極300と、第1配線400と、第1グランド導体500aと、第2グランド導体500bとを備えている。なお、第1モデルには、第2配線及び制御部600は設けられていない。
【0109】
基体100は、Z-Z’方向に積層された第1誘電体110、第2誘電体120及び一の第3誘電体130を有する。一の第3誘電体130は、第1誘電体110と第2誘電体120との間に位置している。第1誘電体110のZ-Z’方向の寸法は、0.1mmであり、第2誘電体120のZ-Z’方向の寸法は、0.1mmであり、一の第3誘電体130のZ-Z’方向の寸法は、0.6mmである。
【0110】
RX電極200の電極本体210及びTX電極300の第1TX電極300aが、図1A及び図2Aに示されるように、第1誘電体110の第1面111上に設けられている。RX電極200の電極本体210のY-Y’方向の寸法は、6.5mmであり、RX電極200の電極本体210のX-X’方向の寸法は、41.15mmである。RX電極200の電極本体210のZ-Z’方向の寸法は、0.051mmである。
【0111】
RX電極200の電極本体210は、略矩形状の第1導体部211と、略矩形状の第2導体部212と、第3導体部213と、第4導体部214とを有している。第1導体部211と第2導体部212とは、X-X’方向に延びた矩形状の導体であって、間隙Gを有してY-Y’方向に近接配置されている。第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとの間のY-Y’方向の間隔の寸法(間隙Gの寸法)は、一定であって、0.2mmとなっている。第1導体部211及び第2導体部212のそれぞれのY-Y’方向の寸法は、3.15mmであり、第1導体部211及び第2導体部212のそれぞれのX-X’方向の寸法は、41.15mmである。第3導体部213は、第1導体部211の第1端部211aから第2導体部212の第1端部212aへY-Y’方向に直線状に延びており且つ第1導体部211と第2導体部212と間の間隙Gに対してX方向側に位置している。第3導体部213のY-Y’方向の寸法は、0.2mmであり、第3導体部213のX-X’方向の寸法は、0.25mmである。RX電極200の第4導体部214は、第1誘電体110、第2誘電体120及び一の第3誘電体130をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極であって、接続部を兼ねた構成となっている。RX電極200の第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bのY’方向側の角部と第2導体部212の第2端部212bのY方向側の角部に接続されており且つ第1導体部211と第2導体部212と間の間隙Gに対してX’方向側に位置している。第4導体部214は、第1導体部211の第2端部211bのX’方向側の端及び第2導体部212の第2端部212bのX’方向側の端よりも部分的に凸となるように配置されている。
【0112】
第1TX電極300aは、RX電極200の電極本体210の周りに配置された略角環状である。第1TX電極300aの第1導体部310aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の第1導体部211に対してY方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第2導体部320aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第3導体部330aは、第1TX電極300aの第1導体部310aの第1端部から第1TX電極300aの第2導体部320aの第1端部へY-Y’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の電極本体210に対してX方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、第1TX電極300aの第1導体部310aの第2端部から第1TX電極300aの第2導体部320aの第2端部へY-Y’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の電極本体210に対してX’方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、第1TX電極300aの第4導体部340aは、X’方向側に凹の凹部341aが設けられている。
【0113】
第1TX電極300aのY-Y’方向の寸法は、11mmであり、第1TX電極300aのX-X’方向の寸法は、62.527mmである。TX電極300の第1TX電極300aのZ-Z’方向の寸法は、0.051mmである。RX電極200の電極本体210の第1導体部211と第1TX電極300aの第1導体部310aとの間のY-Y’方向の間隔、及び、RX電極200の電極本体210の第2導体部212と第1TX電極300aの第2導体部320aとの間のY-Y’方向の間隔は、それぞれ、1mmである。RX電極200の電極本体210と第1TX電極300aの第3導体部330aとの間のX-X’方向の間隔、及び、RX電極200の電極本体210と第1TX電極300aの第4導体部340aとの間のX-X’方向の間隔も、それぞれ、1mmである。
【0114】
TX電極300の第2TX電極300bは、図2Dに示すように、略矩形状であって、第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に間隔をあけて配置されている。TX電極300の第3TX電極300cは、図2Dに示すように、略矩形状であって、第2誘電体120の第2面122上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に間隔をあけて配置されている。第2TX電極300b及び第3TX電極300cのそれぞれのY-Y’方向の寸法は、2.05mmであり、第2TX電極300b及び第3TX電極300cのそれぞれのX-X’方向の寸法は、第1TX電極300aのX-X’方向の寸法と同じである。
【0115】
第1TX電極300aと第2TX電極300bとが、十二の第1スルーホール電極300dによって接続されており、第1TX電極300aと第3TX電極300cとが、十二の第2スルーホール電極300eによって接続されている。十二の第1スルーホール電極300d及び十二の第2スルーホール電極300eは、同間隔で、X-X’方向に間隔をあけて配置されている。
【0116】
第1グランド導体500aは、略矩形状であって、第2誘電体120の第2面122上の第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて設けられている。第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210に重なるように配置されている。第1グランド導体500aには、RX電極200の第4導体部214との干渉を避けるための第3開口501aが設けられている。
【0117】
第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法は、6.5mmであり、第1グランド導体500aのX-X’方向の寸法は、第2TX電極300b及び第3TX電極300cのそれぞれのX-X’方向の寸法と同じである。第1グランド導体500aのZ-Z’方向の寸法は、0.051mmである。第1グランド導体500aと第2TX電極300bとの間のY-Y’方向の間隔、及び、第1グランド導体500aと第3TX電極300cとの間のY-Y’方向の間隔は、それぞれ、0.2mmである。
【0118】
第2グランド導体500bは、図2Cに示すように、四つ角部が欠けた略矩形状であって、第2誘電体120の第1面121上に設けられている。第2グランド導体500bは、RX電極200の電極本体210及び第1TX電極300aに対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210及び第1TX電極300aに重なるように配置されている。第2グランド導体500bは、第2TX電極300b、第3TX電極300c及び第1グランド導体500aに対してZ方向側で第2TX電極300b、第3TX電極300c及び第1グランド導体500aに重なるように配置されている。第2グランド導体500bには、十二の第1スルーホール電極300dとの干渉を避けるための十二の第1開口501bと、十二の第2スルーホール電極300eとの干渉を避けるための十二の第2開口502bと、RX電極200の第4導体部214との干渉を避けるための第3開口503bとが設けられている。
【0119】
第2グランド導体500bのY-Y’方向の寸法は、第1TX電極300aのY-Y’方向の寸法と同じであり、第2グランド導体500bのX-X’方向の寸法は、62.5mmである。第2グランド導体500bのZ-Z’方向の寸法は、0.041mmである。
【0120】
第1グランド導体500aのX方向側の端部と第2グランド導体500bのX方向側の端部とが、X方向側の四つの第3スルーホール電極500cによって接続されており、且つ、第1グランド導体500aのX’方向側の端部と第2グランド導体500bのX’方向側の端部とが、X’方向側の四つの第3スルーホール電極500cによって接続されている。第1TX電極300aの第1導体部310aには、X方向側の四つの第3スルーホール電極500cとの干渉を避けるための四つの第2開口302aが設けられており、第1TX電極300aの第3導体部330aには、X’方向側の四つの第3スルーホール電極500cとの干渉を避けるための四つの第2開口302aが設けられている。
【0121】
第1配線400は、第1部410と、第2部420と、第3部430と、第4部440とを有している。第2部420は、図1A及び図2A図2Dに示すように、スルーホール電極であって、第1TX電極300aのX’方向側(外側)に配置されている。第1部410は、図2Bに示すように、第1誘電体110の第2面112上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の第4導体部214から第2部420まで延びている。第2部420は、図1A及び図2Aに示すように、第1誘電体110の第1面111上に設けられた導電ラインであって、二回折り曲げられて第2部420から第4部440まで延びている。なお、第1配線400のZ-Z’方向の寸法は、0.041mmである。
【0122】
第1シミュレーションでは、EMシミュレーターにおいて、第1配線400の第4部440をPort1として設定し且つ解析信号の周波数帯を0~3GHzに設定して、上記した第1モデルのRX電極200のSパラメータ(S11)の解析を行った。その結果、図5A図5Cに示される第1シミュレーションの結果を得た。
【0123】
〔第2シミュレーションの条件〕
EMシミュレーターに、図1A図2Dに示す実施例1のタッチセンサSのCADデータを入力し、EMシミュレーターによって、当該CADデータに基づいて第2モデルを作成した。第2モデルは、間隙Gの寸法が1.0mmである以外、第1モデルと同じ構成である。
【0124】
第2シミュレーションでは、EMシミュレーターにおいて、第1配線400の第4部440をPort1として設定し且つ解析信号の周波数帯を0~3GHzに設定して、上記した第2モデルのRX電極200のSパラメータ(S11)の解析を行った。その結果、図6A図6Cに示される第2シミュレーションの結果を得た。
【0125】
〔第3シミュレーションの条件〕
EMシミュレーターに、図1A図2Dに示す実施例1のタッチセンサSのCADデータを入力し、EMシミュレーターによって、当該CADデータに基づいて第2モデルを作成した。第2モデルは、間隙Gの寸法が2.0mmである以外、第1モデルと同じ構成である。
【0126】
第3シミュレーションでは、EMシミュレーターにおいて、第1配線400の第4部440をPort1として設定し且つ解析信号の周波数帯を0~3GHzに設定して、上記した第3モデルのRX電極200のSパラメータ(S11)の解析を行った。その結果、図7A図7Cに示される第3シミュレーションの結果を得た。
【0127】
〔第4シミュレーションの条件〕
EMシミュレーターに、図3図4Bに示す比較例のタッチセンサSCのCADデータを入力し、EMシミュレーターによって、当該CADデータに基づいて第4モデルを作成した。
【0128】
第4モデルは、RX電極200の代わりに、RX電極200’が設けられている点及び第1配線400の代わりに、第1配線400’が設けられている点以外、第1モデルと同じ構成である。したがって、その相違点についてのみ説明し、第4モデルの構成のうち、第1モデルの構成と同一であるものについては、その説明を省略する。
【0129】
RX電極200’の電極本体210’及びTX電極300の第1TX電極300aが、図3及び図4Aに示されるように、第1誘電体110の第1面111上に設けられている。RX電極200’の電極本体210’は、矩形状の第1導体部211’と、矩形状の第2導体部212’と、接続ライン213’とを有している。第1導体部211’と第2導体部212’とは、X-X’方向に延びた矩形状の導体であって、X-X’方向に間隙G1’をあけて近接配置されている。接続ライン213’は、略L字状であって、第1ラインと、第2ラインとを有している。第1ラインは、第1導体部211’からX’方向に延びており且つ第2導体部212’に対してY-Y’方向に間隙G2’をあけて近接配置されている。第2ラインは、第1ラインのX方向側の端部から第2導体部212’へY方向に延びている。第2導体部212’は、上記矩形状の導体に加えて、接続部212a’を有している。接続部212a’は、第1誘電体110、第2誘電体120及び一の第3誘電体130をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極であって、第2導体部212’の導体のY方向及びX’方向側の角部に接続されている。接続部212a’は、第2導体部212’のY方向の端よりも部分的に凸となるように配置されている。
【0130】
RX電極200’のY-Y’方向の寸法は、6.5mmであり、RX電極200’のX-X’方向の寸法は、41.15mmである。RX電極200’のZ-Z’方向の寸法は、0.051mmである。第1導体部211’のY-Y’方向の寸法は、6.5mmであり、第1導体部211’のX-X’方向の寸法は、21.25mmである。第2導体部212’の導体のY-Y’方向の寸法は、5.95mmであり、第2導体部212’の導体のX-X’方向の寸法は、19.65mmである。接続ライン213’の第1ラインのY-Y’方向の寸法は、0.25mmであり、接続ライン213’の第2ラインのY-Y’方向の寸法は、0.3mmである。第1導体部211’と第2導体部212’との間のX-X’方向の間隔は、一定であって、0.25mmとなっている。第2導体部212’と接続ライン213’の第1ラインとの間のY-Y’方向の間隔は、一定であって、0.3mmとなっている。
【0131】
第1TX電極300aは、RX電極200’の電極本体210’の周りに配置された略角環状である。第1TX電極300aの第1導体部310aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200’の電極本体210’に対してY方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、第1TX電極300aの第1導体部310aは、Y方向側に凹の凹部311aが設けられている。第1TX電極300aの第2導体部320aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200’の電極本体210’に対してY’方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第3導体部330aは、RX電極200’の電極本体210’に対してX方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、RX電極200’の電極本体210’に対してX’方向側に間隔をあけて配置されている。
【0132】
RX電極200’の電極本体210’と第1TX電極300aの第1導体部310aとの間のY-Y’方向の間隔、及び、RX電極200’の電極本体210’と第1TX電極300aの第2導体部320aとの間のY-Y’方向の間隔は、それぞれ、1mmである。RX電極200’の電極本体210’と第1TX電極300aの第3導体部330aとの間のX-X’方向の間隔、及び、RX電極200’の電極本体210’と第1TX電極300aの第4導体部340aとの間のX-X’方向の間隔も、それぞれ、1mmである。
【0133】
第1配線400’は、第1部410’と、第2部420’と、第3部430’と、第4部440’とを有している。第2部420’は、図3及び図4A図4Bに示すように、スルーホール電極であって、第1TX電極300aのX’方向側(外側)に配置されている。第1部410’は、図4Bに示すように、第1誘電体110の第2面112上に設けられた直線状の導電ラインであって、RX電極200’の接続部212a’から第2部420’まで延びている。第3部430’は、図3及び図4Aに示すように、第1誘電体110の第1面111上に設けられた導電ラインであって、第2部420’から第4部440’まで延びている。なお、第1配線400’のZ-Z’方向の寸法は、0.041mmである。
【0134】
第4シミュレーションでは、EMシミュレーターにおいて、第1配線400’の第4部440’をPort1に設定し且つ解析信号の周波数帯を0~3GHzに設定して、上記した第4モデルのRX電極200’のSパラメータ(S11)の解析を行った。その結果、図8A図8Cに示される第4シミュレーションの結果を得た。
【0135】
第1~第4シミュレーションの結果を以下のとおり対比する。なお、図5A図6A及び図7Aは、横軸を解析信号の周波数、縦軸を第1モデルのRX電極200のSパラメータ(S11)としたグラフであり、図8Aは、横軸を解析信号の周波数、縦軸を第4モデルのRX電極200’のSパラメータ(S11)としたグラフである。
【0136】
第4モデルのRX電極200’は、図8Aに示されるように、ピークの周波数(2.75GHz)付近において、そのSパラメータ(S11)の値が-7.00dBとなっており、RX電極200’のリターンロス(反射損失)が低いことが看取される。このように第4モデルのRX電極200’のリターンロス(反射損失)が低いことから、RX電極200’の接続部からみて、RX電極200’のインピーダンスと、第1配線400のインピーダンスとのマッチングが良好であり、その結果としてRX電極200’の放射効率が良好であることが分かる。具体的には、第4モデルのRX電極200’の放射効率は80%となっている。このように放射効率が高いことは、同周波数(2.75GHz)付近において第4モデルのRX電極200’の受信効率が高いことをも意味する。このため、第4モデルのRX電極200’は、同周波数(2.75GHz)付近の外来ノイズの影響を受けやすくなっていることが分かる。
【0137】
一方、第1モデルのRX電極200は、図5Aに示されるように、同周波数(2.75GHz)付近において、そのSパラメータ(S11)の値が-0.80dBとなっており、RX電極200’のリターンロスが第4モデルのRX電極200’のリターンロスよりも高いことが看取される。第2モデルのRX電極200も、図6Aに示されるように、同周波数(2.75GHz)付近において、そのSパラメータ(S11)の値が-0.80dBとなっており、RX電極200’の反射効率が第4モデルのRX電極200’のリターンロスよりも高いことが看取される。第3モデルのRX電極200も、図7Aに示されるように、同周波数(2.75GHz)付近において、そのSパラメータ(S11)の値が-0.80dBとなっており、RX電極200’のリターンロスが第4モデルのRX電極200’のリターンロスよりも高いことが看取される。このように第1~第3モデルのRX電極200のリターンロス(反射損失)が高いことから、RX電極200の接続部からみて、RX電極200のインピーダンスと、第1配線400のインピーダンスとのマッチングが不整合であり、その結果としてRX電極200の放射効率が悪いことが分かる。具体的には、第1~第3モデルのRX電極200の放射効率は17%となっているので、同周波数(2.75GHz)付近において第1~第3モデルのRX電極200の放射効率が第4モデルのRX電極200’の放射効率よりも約63%低下することが見込める。このように放射効率が低下することは、同周波数(2.75GHz)付近において第1~第3モデルのRX電極200の受信効率が第4モデルのRX電極200’の受信効率よりも低くなることも意味するため、第1~第3モデルのRX電極200は、同周波数(2.75GHz)付近の周波数の外来ノイズの影響を受け難くなっていることが分かった。
【0138】
他方で、第1、第2、第3モデルのRX電極200は、上記したとおり、間隙Gの寸法が0.2mm、1.0mm、2.0mmと相違する以外、同様の構成となっている。間隙Gの寸法が大きくなれば、外来ノイズがRX電極200の電極本体210に印加されることによって、第1導体部211と第2導体部212に逆向きの電流が流れて第1導体部211に発生する電界と第2導体部212に発生する電界とが相殺され難くなることが想定される。しかし、第1~第3シミュレーションの結果を対比すると、図5A図6A及び図7Aに示されるように、解析信号の周波数帯0~3GHzにおいて、第1~第3モデルのRX電極200のSパラメータ(S11)の波形に大きな変化はないことが看取される。すなわち、第1~第3モデルのRX電極200では、間隙Gの寸法を上記のとおり変化させても、その反射効率(すなわち、受信効率)に大きな変化は見られない。したがって、解析信号の周波数帯0~3GHzにおいて、第1~第3モデルのRX電極200は、略同等に外来ノイズの影響の受け難くなっていると言える。ただし、間隙Gの寸法が小さくなれば、RX電極200のZ方向側から見た外形を変えることなくRX電極200の面積が大きくなり、且つ外来ノイズ印加によって、第1導体部211と第2導体部212に逆向きの電流が流れて第1導体部211に発生する電界と第2導体部212に発生する電界とが相殺され易くなるので、間隙Gの寸法は小さいことが好ましい。
【0139】
以上のシミュレーションの対比の結果、第1~第3モデルのRX電極200は、第4モデルのRX電極200’よりも、特定の周波数の外来ノイズの影響を難くなっていると言える。なお、外来ノイズの特定の周波数は、上記した例(2.75GH)に限定されるものではなく、第1~第3モデルのRX電極200及び第4モデルのRX電極200’の形状、その周辺のTX電極300及びその他の導体の形状並びに配置、及び、制御部600の等の回路の形状並びに配置(但し、当該回路が設けられている場合に限る。)等によって、変化するものと推定される。
【0140】
なお、上記したタッチセンサのRX電極及びタッチセンサは、それぞれ、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0141】
上記した間隙Gの寸法は、2mm~0.05mm又は1mm~0.05mmに限定されるものではなく、外来ノイズがRX電極200の電極本体210に印加されることによって、第1導体部211と第2導体部212に逆向きの電流が流れて第1導体部211に発生する電界と第2導体部212に発生する電界とが相殺される間隔であればよい。
【0142】
上記した何れかの態様のTX電極300は、第1TX電極300aに加えて、又は、第1TX電極300aに代えて、図示しない第4TX電極を有していてもよい。基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)~(3)の何れかの構成を有している場合、第4TX電極は、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかの一の誘電体の第1面及び第2面のうちのRX電極200の電極本体210が設けられていない面上に設けられている。基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)又は(3)の構成を有している場合、TX電極300は、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかのRX電極200の電極本体210が設けられた一の誘電体以外の別の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられている。第4TX電極のY-Y’方向の寸法が、上記した何れかの態様のRX電極200のY-Y’方向の寸法よりも大きい。第4TX電極が第2TX電極300b及び第3TX電極300cを有している。すなわち、第4TX電極のY方向側の端部が第2TX電極300bであり、第4TX電極のY’方向側の端部が第3TX電極300cとなる。第4TX電極と第1TX電極300aとは、一の誘電体の同一面上に設けられていないことに留意されたい。なお、上記した何れかの態様のTX電極300は、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cの少なくとも一つを有していればよい。
【0143】
上記した何れかの態様のRX電極200及び上記した何れかの態様のTX電極300は、金属板等で構成されていてもよい。この場合、基体100は省略してもよいし、基体100がRX電極200及びTX電極300を保持していてもよい。
【0144】
上記した何れかの態様のタッチセンサSは自己容量型又は相互容量型とすることが可能である。タッチセンサSが自己容量型である場合、TX電極300は省略され、且つ、制御部600又は外部の制御部は、第1配線400を介してRX電極200に対して電荷の充放電を行う構成と、自己容量の変化に応じて変化するRX電極200の信号(電圧又は電流等)をモニタリングしつつ、RX電極200の信号と制御部600の内部メモリ又は外部メモリ上の閾値とを比較し、且つ当該比較によりRX電極200の信号が閾値を超えたときに、RX電極200に対するZ方向側の部分に検出対象の接近(検出対象のタッチ等)を検出する構成を有している。この場合、制御部600又は外部の制御部のTX電極300に対して駆動パルスを供給する構成は省略される。タッチセンサSが相互容量型である場合、制御部600又は外部の制御部は、TX電極300に対して駆動パルスを供給する構成と、相互容量の変化に応じて変化するRX電極200の信号(電圧又は電流等)をモニタリングしつつ、RX電極200の信号と制御部600の内部メモリ又は外部メモリ上の閾値とを比較し、且つ当該比較によりRX電極200の信号が閾値を超えたときに、RX電極200に対するZ方向側の部分に検出対象の接近(検出対象のタッチ等)を検出する構成を有している。この場合、制御部600又は外部の制御部の第1配線400を介してRX電極200に対して電荷の充放電を行う構成は省略される。
【0145】
上記した何れかの態様のタッチセンサSは、タッチ領域の座標位置を検出するタッチパネルとすることが可能である。タッチセンサSが、自己容量型及び相互容量型を兼ねた構成である場合、又は、相互容量型である場合、タッチセンサSは、上記した何れかの態様の複数のRX電極200と、上記した何れかの態様の複数のTX電極300とを備えているとよい。タッチセンサSが、自己容量型である場合、タッチセンサSは、上記した何れかの態様の複数のRX電極200を備えているとよい。何れの場合も、制御部600又は外部の制御部が、上記比較により閾値を超えたRX電極200の信号に基づいてタッチ領域の座標位置を検出する。
【符号の説明】
【0146】
S:タッチセンサ
100:基体 110:第1誘電体 111:第1誘電体の第1面 112:第1誘電体の第2面 120:第2誘電体 121:第2誘電体の第1面 122:第2誘電体の第2面 130:第3誘電体 131:第3誘電体の第1面 132:第3誘電体の第2面
200:RX電極 210:電極本体 211:第1導体部 212:第2導体部 213:第3導体部 214:第4導体部 G:間隙
300:TX電極 300a:第1TX電極 310a:第1TX電極の第1導体部 320a:第1TX電極の第2導体部 330a:第1TX電極の第3導体部 340a:第1TX電極の第4導体部 300b:第2TX電極 300c:第3TX電極 300d:第1スルーホール電極 300e:第2スルーホール電極
400:第1配線 410:第1配線の第1部 420:第1配線の第2部 430:第1配線の第3部 440:第1配線の第4部
500a:第1グランド導体 500b:第2グランド導体
600:制御部
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極本体を備えており、
前記電極本体は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有しており、
前記第1導体部及び前記第2導体部は、第1方向に間隙を有して近接配置されており、前記第1方向に略直交する第2方向に延びており且つ前記電極本体に外来ノイズが印加されることによって前記第1導体部及び前記第2導体部に逆向きの電流が流れて前記第1導体部に発生する電界と前記第2導体部に発生する電界とが相殺されるようになっており、
前記第1方向は、前記第1導体部及び前記第2導体部の並び方向であり、前記第1導体部及び前記第2導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第3導体部は、前記第1導体部の前記第1端部と前記第2導体部の前記第1端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の一方側に位置しており、
前記第4導体部は、前記第1導体部の前記第2端部と前記第2導体部の前記第2端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の他方側に位置しており、
前記第1導体部、前記第2導体部、前記第3導体部及び前記第4導体部のうちの何れかが、接続部を有している静電容量式のタッチセンサ用のRX電極。
【請求項2】
請求項1記載の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極において、
前記第1導体部と前記第2導体部との間の前記第1方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法が、0.05mm以上である静電容量式のタッチセンサ用のRX電極。
【請求項3】
請求項2記載の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極において、
前記第1導体部と前記第2導体部との間の前記第1方向の間隔のうち最も大きい間隔の寸法が、2mm~0.05mmである静電容量式のタッチセンサ用のRX電極。
【請求項4】
絶縁性を有する基体と、
前記基体に設けられた請求項1、2又は3記載の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極と、
前記基体に設けられており且つ前記RX電極の近傍に配置されたTX電極とを備えており、
検出対象が前記RX電極に接近することによる検出対象と前記RX電極との間の静電容量の変化と検出対象が前記TX電極と前記RX電極とに接近することによる前記TX電極と前記RX電極との静電容量の変化とに応じて前記RX電極の信号が変化する静電容量式のタッチセンサ。
【請求項5】
請求項4に記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記基体は、絶縁性を有する少なくとも一つの誘電体を有しており、
前記TX電極と前記RX電極の前記電極本体とが、前記少なくとも一つの誘電体のうちの一の誘電体の同一面上に設けられている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項6】
請求項4に記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記基体は、積層された絶縁性を有する複数の誘電体を有しており、
前記TX電極と前記RX電極の前記電極本体とが、前記複数の誘電体のうちの一の誘電体の異なる面上に設けられている、又は、前記TX電極が前記複数の誘電体のうちの一の誘電体の面上に設けられており且つ前記RX電極の前記電極本体が前記複数の誘電体のうちの一の誘電体以外の別の誘電体の面上に設けられている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項7】
請求項4記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記TX電極は、前記RX電極の周りに配置された略環状の第1TX電極を有しており、
前記第1TX電極は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有しており、
前記第1TX電極の前記第1導体部は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第1導体部に対して前記第1方向の一方側に配置されており、前記第1TX電極の前記第1導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第1TX電極の前記第2導体部は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第2導体部に対して前記第1方向の他方側に配置されており、前記第1TX電極の前記第2導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第1TX電極の前記第3導体部は、前記第1TX電極の前記第1導体部の前記第1端部から前記第1TX電極の前記第2導体部の前記第1端部へ延びており且つ前記RX電極に対して前記第2方向の一方側に配置されており、
前記第1TX電極の前記第4導体部は、前記第1TX電極の前記第1導体部の前記第2端部から前記第1TX電極の前記第2導体部の前記第2端部へ延びており且つ前記RX電極に対して前記第2方向の他方側に配置されている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項8】
請求項4記載の静電容量式のタッチセンサにおいて、
前記TX電極は、第2TX電極及び第3TX電極のうちの少なくとも一方を有しており、
前記第2TX電極は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第1導体部に対して前記第1方向の一方側に配置されており、
前記第3TX電極は、前記第2方向に延びており且つ前記RX電極の前記第2導体部に対して前記第1方向の他方側に配置されている静電容量式のタッチセンサ。
【請求項9】
静電容量式のタッチセンサのRX電極に印加される外来ノイズのノイズ低減方法において、
前記RX電極が、電極本体を備えており、
前記電極本体は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有しており、
前記第1導体部及び前記第2導体部は、第1方向に間隙を有して近接配置されており且つ前記第1方向に略直交する第2方向に延びており、前記第1方向は、前記第1導体部及び前記第2導体部の並び方向であり、前記第1導体部及び前記第2導体部は、前記第2方向の一方側の第1端部と、前記第2方向の他方側の第2端部とを有しており、
前記第3導体部は、前記第1導体部の前記第1端部と前記第2導体部の前記第1端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の一方側に位置しており、
前記第4導体部は、前記第1導体部の前記第2端部と前記第2導体部の前記第2端部とを接続しており且つ前記第1導体部と前記第2導体部と間の前記間隙に対して前記第2方向の他方側に位置しており
前記第1導体部、前記第2導体部、前記第3導体部及び前記第4導体部のうちの何れかが、接続部を有しており、
前記ノイズ低減方法は、外来ノイズが前記電極本体に印加されることによって、前記第1導体部及び前記第2導体部に逆向きの電流が流れて前記第1導体部に発生する電界と前記第2導体部に発生する電界とが相殺されることを含むノイズ低減方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
【特許文献1】特開2020-126764号公報
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様の静電容量式のタッチセンサ用のRX電極は、電極本体を備えている。電極本体は、第1導体部と、第2導体部と、第3導体部と、第4導体部とを有している。第1導体部及び第2導体部は、第1方向に間隙を有して近接配置されており、第1方向に略直交する第2方向に延びており且つ電極本体に外来ノイズが印加されることによって第1導体部及び第2導体部に逆向きの電流が流れて第1導体部に発生する電界と第2導体部に発生する電界とが相殺されるようになっている。第1方向は、第1導体部及び第2導体部の並び方向である。第1導体部及び第2導体部は、第2方向の一方側の第1端部と、第2方向の他方側の第2端部とを有している。第3導体部は、第1導体部の第1端部と第2導体部の第1端部とを接続しており且つ第1導体部と第2導体部と間の間隙に対して第2方向の一方側に位置している。第4導体部は、第1導体部の第2端部と第2導体部の第2端部とを接続しており且つ第1導体部と第2導体部と間の間隙に対して第2方向の他方側に位置している。第1導体部、第2導体部、第3導体部及び第4導体部のうちの何れかが、接続部を有している
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
TX電極とRX電極の電極本体とが、少なくとも一つの誘電体のうちの一の誘電体の同一面上に設けられているとよい
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
(B)第1導体部211の内側端211cがY’方向側に凸となるように円弧状であり且つ第2導体部212の内側端212cがY方向側に凸となるように円弧状である(図示なし)。この場合、第1導体部211の内側端211cの頂部と第2導体部212の内側端212cの頂部との間のY-Y’方向の間隔が最も小さく、且つ、第1導体部211の内側端211cのX方向の端と第2導体部212の内側端212cのX方向の端との間のY-Y’方向の間隔及び/又は第1導体部211の内側端211cのX’方向の端と第2導体部212の内側端212cのX’方向の端との間のY-Y’方向の間隔が最も大きくなっている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
(C)第1導体部211の内側端211cがY方向側に凹となるように円弧状であり且つ第2導体部212の内側端212cがY’方向側に凹となるように円弧状である(図示なし)。この場合、第1導体部211の内側端211cの頂部と第2導体部212の内側端212cの頂部との間のY-Y’方向の間隔が最も大きく、且つ、第1導体部211の内側端211cのX方向の端と第2導体部212の内側端212cのX方向の端との間のY-Y’方向の間隔及び/又は第1導体部211の内側端211cのX’方向の端と第2導体部212の内側端212cのX’方向の端との間のY-Y’方向の間隔が最も小さくなっている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
(E)第1導体部211の内側端211cと第2導体部212の内側端212cとの間隔が、内側端211c及び内側端212cのX方向側の端から内側端211c及び内側端212cのX’方向側の端にかけて漸次拡大又は縮小する(図示なし)。前者の場合(拡大する場合)、内側端211cのX’方向側の端と内側端212cのX’方向側の端との間のY-Y’方向の間隔が最も大きく、内側端211cのX方向側の端と内側端212cのX方向側の端との間のY-Y’方向の間隔が最も小さい。後者の場合(縮小する場合)、その逆である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
第2導体部212の外側端212dの形状は任意である。例えば、第2導体部212の外側端212dは、X-X’方向に直線状に延びていてもよいし(図1A及び図2A参照)、Y’方向側に凸となるように円弧状としてもよいし(図示なし)、Y方向側に凹となるように円弧状としてもよいし(図示なし)、Y’方向及びX方向に傾斜していてもよいし、Y方向及びX方向に傾斜していてもよい(図示なし)。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
(k)第1TX電極300aは、第1誘電体110の第2面112に設けられており且つRX電極200の周りに配置されている(図示なし)。第2TX電極300bは、第2誘電体120及び一又は複数の第3誘電体130のうちの何れかの一の誘電体の第1面上(但し、一の誘電体が一の第3誘電体130である場合の一の第3誘電体130の第1面131上及び複数の第3誘電体130のうちの最もZ方向側の第3誘電体130である場合の最もZ方向側の第3誘電体130の第1面131上を除く。)若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の第1導体部211に対してY方向側に配置されている(図示なし)。第3TX電極300cが当該一の誘電体の第1面上(但し、一の誘電体が一の第3誘電体130である場合の一の第3誘電体130の第1面131上及び複数の第3誘電体130のうちの最もZ方向側の第3誘電体130である場合の最もZ方向側の第3誘電体130の第1面131上を除く。)若しくは第2面上に設けられており且つRX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に配置されている(図示なし)。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
タッチセンサSは、指やタッチペン等の検出対象が接近する図示しない検出パネルを更に備えていてもよい。検出パネルは、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してZ方向側に配置される平板状であってもよいし、Y-Y’方向及びZ-Z’方向の断面視において略O字状(例えば、タッチセンサSの筐体等)であって、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してZ方向側に配置される第1部と、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してY方向側に配置される第2部と、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してY’方向側に配置される第3部と、RX電極200の電極本体210及びTX電極300に対してZ’方向側に配置される第4部とを有する構成としてもよい。タッチセンサSは、一又は複数の介在部材を更に備えていてもよい。一の介在部材が設けられている場合、一の介在部材が基体100と検出パネルとの間に介在していている(挟まれていている)。複数の介在部材が設けられている場合、複数の介在部材が基体100と検出パネルとの間に複数の介在部材が介在しており(挟まれており)且つ基体100と検出パネルとの間で積層されている。一又は複数の介在部材は、誘電体で構成されていればよく、例えば、樹脂、ゴム、スポンジ又はクッション等で構成することが可能である。一又は複数の介在部材は、比誘電率が2以上であるとよいが、これに限定されるものではない。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)の構成を有しており、RX電極200の電極本体210の少なくとも第1導体部211並びに第2導体部212が第1誘電体110の第1面111上に設けられており、且つ第1TX電極300aが第1誘電体110の第1面111上に設けられている場合(図示なし)、RX電極200の接続部、第1配線400及び制御部600は以下の(エ)又は(オ)の構成を有することが可能である。(エ)RX電極200の接続部は第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極又は第1誘電体110及び第2誘電体120をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極である。第1配線400の第1部410は、第1誘電体110の第2面112上、第2誘電体120の第1面121上又は第2誘電体120の第2面122上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の接続部に接続されている。第1配線400の第3部430は、第1誘電体110の第1面111に設けられた導電ラインであって、第1TX電極300aの外側(周り)に配置されている。第1配線400の第2部420は、第1誘電体110をZ-Z’方向に貫通したバイアホール電極又は第1誘電体110及び第2誘電体120をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極であって、第1配線400の第1部410と第1配線400の第3部430とを接続している。第1配線400の第4部440は、第1誘電体110の第1面111に設けられた電極である。制御部600が第1誘電体110の第1面111上に実装されており且つ第1配線400の第4部440に接続されている。(オ)RX電極200の接続部は上記したスルーホール電極である。第1配線400の第1部410が第2誘電体120の第2面122上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の接続部に接続されている一方で、第1配線400の第2部420、第3部430及び第4部440は省略されている。制御部600が第2誘電体120の第2面122上に実装されており且つ第1配線400の第1部410に接続されている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)の構成を有しており且つ第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが上記(c)~(h)の何れかの構成を有する場合、第1グランド導体500a及び第2グランド導体500bは以下の構成とすることが可能である。第1グランド導体500aは、第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121及び第2誘電体120の第2面122のうちの第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面上に設けられており且つ第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて配置されている、又は、第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121、第2誘電体120の第2面122、一又は複数の第3誘電体130の第1面131及び一又は複数の第3誘電体130の第2面132のうちの第1TX電極300aが設けられた面上に設けられており且つ第1TX電極300aの第1開口301a内に当該第1開口301aの周縁と間隔をあけて配置されている。第1グランド導体500aが第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に間隔をあけて配置されている場合、第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法、X-X’方向の寸法は、上記(a1)のとおりであり、第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側でRX電極200の電極本体210に重なるように配置されている。第1グランド導体500aが第1TX電極300aの第1開口301a内に当該第1開口301aの周縁と間隔をあけて配置されている場合、第1グランド導体500aのY-Y’方向の寸法、X-X’方向の寸法は、上記(b1)のとおりであり、第1グランド導体500aは、RX電極200の電極本体210に対してZ’方向側に配置されている。第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121及び第2誘電体120の第2面122のうちの第1TX電極300aが設けられた面及び第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面以外の面がある場合、第2グランド導体500bは、当該面の何れか一つの面上に設けられている。第2グランド導体500bのY-Y’方向の寸法は、第1TX電極300aのY-Y’方向の寸法と同じ若しくはそれを超える寸法、及び/又は、第2TX電極300bのY方向の端から第3TX電極300cのY’方向の端までのY-Y’方向の距離と略同じ若しくはそれを超える寸法とすることが可能である。第2グランド導体500bのX-X’方向の寸法は、第1TX電極300aのX-X’方向の寸法と同じ若しくはそれを超える寸法、及び/又は、第2TX電極300bのX方向の端から第2TX電極300bのX’方向の端までのX-X’方向の距離と略同じ若しくはそれを超える寸法とすることが可能である。第2グランド導体500bは、Z-Z’方向において、RX電極200の電極本体210、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cに重なるように配置されている。第1誘電体110の第2面112、第2誘電体120の第1面121及び第2誘電体120の第2面122のうちの第1TX電極300aが設けられた面及び第2TX電極300b及び第3TX電極300cが設けられた面以外の面がない場合、第2グランド導体500bは、省略される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
TX電極300が設けられておらず、第2グランド導体500bがRX電極200の電極本体210に対してZ’方向側に配置されている比較例のタッチセンサの場合、RX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)を向上させるために、第2グランド導体500bをRX電極200の電極本体210の近くに配置することになる。RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電がなされているときに、水等の導体付着物がRX電極200の電極本体210と第2グランド導体500bとに跨がるように、上記略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が、導体付着物の付着による変化量△C1分増加する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
一方、タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが、少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されており、且つ、第2グランド導体500bがRX電極200の電極本体210に対してZ’方向側に配置されている場合、上記したとおり、第1TX電極300aによってRX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)が向上するので、第2グランド導体500bをRX電極200の電極本体210から遠く配置することができる。RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電がなされていると共に、第1TX電極300aに駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、第1TX電極300a及び第2グランド導体500bに跨がるように、略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が、導体付着物の付着による変化量△C2分増加する。しかし、変化量△C2は、変化量△C1よりも小さくなるため、タッチセンサSは、比較例のタッチセンサよりも、導体付着物の付着によるRX電極200の電極本体210の自己容量の増加が抑制される。すなわち、タッチセンサSは、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制されるので、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
また、タッチセンサSにおいて、第1TX電極300aが、少なくとも一つの誘電体の同一面上でRX電極200の電極本体210の周りに間隔をあけて配置されており、第2TX電極300b及び第3TX電極300cが少なくとも一つの誘電体のRX電極200の電極本体210及び第1TX電極300aが設けられた面よりもZ’方向側の面に設けられており、且つ、第1グランド導体500aが当該Z’方向側の面の第2TX電極300bと第3TX電極300cとの間に設けられている場合(但し、第2グランド導体500bが設けられているか否かは問わない。)、上記したとおり、第1TX電極300aによってRX電極200の電極本体210の外来ノイズの耐性(EMC耐性)が向上するので、第1グランド導体500aをRX電極200の電極本体210から遠く配置することができる。RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、TX電極300に駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、TX電極300及び第1グランド導体500aに跨がるように、検出パネルの第1部、第2部及び第4部に、又は、検出パネルの第1部、第3部及び第4部に導体付着物が付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が、導体付着物の付着による変化量△C3分増加する。しかし、変化量△C3は、変化量△C1よりも小さくなるため、タッチセンサSは、比較例のタッチセンサよりも、導体付着物の付着によるRX電極200の電極本体210の自己容量の増加が抑制される。すなわち、タッチセンサSは、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制されるので、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
なお、第1距離は、RX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端から少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY方向側の端から第2グランド導体500bのY方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。第2距離は、RX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端から少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY’方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第2グランド導体500bが設けられた面のY’方向側の端から第2グランド導体500bのY’方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
このような構成のタッチセンサSにおいて、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、第1TX電極300aに駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、第1TX電極300a及び第2グランド導体500bに跨がるように、略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が導体付着物の付着による変化量△C2分増加する一方で、導体付着物は電気的にアースから浮遊しているので、第1TX電極300aとRX電極200の電極本体210との間の相互容量が導体付着物の静電容量分増加する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とが少なくとも部分的に相殺し合うので、導体付着物が付着しても、自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制される。よって、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。これに対し、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、第1TX電極300aに駆動パルスが供給されているときに、検出対象がRX電極200の電極本体210、第1TX電極300a及び第2グランド導体500bに跨がるように、略O字状の検出パネルの第1部及び第2部に、又は、検出パネルの第1部及び第3部に接近すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が検出対象の接近による変化量△C4分増加する一方で、第1TX電極300aとRX電極200の電極本体210との間の相互容量から電荷が検出対象を経てアースに逃げるため、相互容量は減少する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とは部分的に相殺し合うものの、検出対象の接近時の相殺効果が導体付着物付着時の相殺効果よりも低下する。すなわち、検出対象の接近による自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化は、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化よりも大きくなるので、制御部600又は外部の制御部が、検出対象の接近を、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして検出することができる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
なお、第3距離は、RX電極200の電極本体210の第1導体部211の外側端211dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY方向の端から少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY方向側の端から第1グランド導体500aのY方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。第4距離は、RX電極200の電極本体210の第2導体部212の外側端212dから少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端までのY-Y’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体のRX電極200が設けられた面のY’方向の端から少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY’方向側の端までのZ-Z’方向の直線距離と、少なくとも一つの誘電体の第1グランド導体500aが設けられた面のY’方向側の端から第1グランド導体500aのY’方向側の端までのY-Y’方向の直線距離との和である。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
このような構成のタッチセンサSにおいて、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、TX電極300に駆動パルスが供給されているときに、導体付着物がRX電極200の電極本体210、TX電極300及び第1グランド導体500aに跨がるように、検出パネルの第1部、第2部及び第4部に、又は、検出パネルの第1部、第3部及び第4部に導体付着物が付着すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が導体付着物の付着による変化量△C3分増加する一方で、導体付着物は電気的にアースから浮遊しているので、TX電極300とRX電極200の電極本体210との間の相互容量が導体付着物の静電容量分増加する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とが少なくとも部分的に相殺し合うので、導体付着物が付着しても、自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化が抑制される。よって、制御部600又は外部の制御部が、導体付着物の付着により、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして誤検出する可能性が低減される。これに対し、RX電極200の電極本体210に対して電荷の充放電が行われていると共に、TX電極300に駆動パルスが供給されているときに、検出対象がRX電極200の電極本体210、TX電極300及び第1グランド導体500aに跨がるように、検出パネルの第1部、第2部及び第4部に、又は、検出パネルの第1部、第3部及び第4部に接近すると、RX電極200の電極本体210の自己容量が検出対象の接近による変化量△C5分増加する一方で、TX電極300とRX電極200の電極本体210との間の相互容量から電荷が検出対象を経てアースに逃げるため、相互容量は減少する。このとき、自己容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化と、相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化とは部分的に相殺し合うものの、検出対象の接近時の相殺効果が導体付着物付着時の相殺効果よりも低下する。すなわち、検出対象の接近による自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化は、導体付着物付着時の自己容量及び相互容量の変化に応じたRX電極200の信号(電圧又は電流等)の変化よりも大きくなるので、制御部600又は外部の制御部が、検出対象の接近を、RX電極200の信号(電圧又は電流等)が閾値を超えたとして検出することができる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
第1TX電極300aは、RX電極200の電極本体210の周りに配置された略角環状である。第1TX電極300aの第1導体部310aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の第1導体部211に対してY方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第2導体部320aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の第2導体部212に対してY’方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第3導体部330aは、第1TX電極300aの第1導体部310aの第1端部から第1TX電極300aの第2導体部320aの第1端部へY-Y’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の電極本体210に対してX方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、第1TX電極300aの第1導体部310aの第2端部から第1TX電極300aの第2導体部320aの第2端部へY-Y’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200の電極本体210に対してX’方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、X’方向側に凹の凹部341aが設けられている。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
第1グランド導体500aのX方向側の端部と第2グランド導体500bのX方向側の端部とが、X方向側の四つの第3スルーホール電極500cによって接続されており、且つ、第1グランド導体500aのX’方向側の端部と第2グランド導体500bのX’方向側の端部とが、X’方向側の四つの第3スルーホール電極500cによって接続されている。第1TX電極300aの第3導体部330aには、X方向側の四つの第3スルーホール電極500cとの干渉を避けるための四つの第2開口302aが設けられており、第1TX電極300aの第4導体部340aには、X’方向側の四つの第3スルーホール電極500cとの干渉を避けるための四つの第2開口302aが設けられている。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
第1配線400は、第1部410と、第2部420と、第3部430と、第4部440とを有している。第2部420は、図1A及び図2A図2Dに示すように、スルーホール電極であって、第1TX電極300aのX’方向側(外側)に配置されている。第1部410は、図2Bに示すように、第1誘電体110の第2面112上に設けられた導電ラインであって、RX電極200の第4導体部214から第2部420まで二回折り曲げられて延びている。第3部430は、図1A及び図2Aに示すように、第1誘電体110の第1面111上に設けられた導電ラインであって第2部420から第4部440まで延びている。なお、第1配線400のZ-Z’方向の寸法は、0.041mmである。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
〔第3シミュレーションの条件〕
EMシミュレーターに、図1A図2Dに示す実施例1のタッチセンサSのCADデータを入力し、EMシミュレーターによって、当該CADデータに基づいて第3モデルを作成した。第3モデルは、間隙Gの寸法が2.0mmである以外、第1モデルと同じ構成で
ある。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0129】
RX電極200’の電極本体210’及びTX電極300の第1TX電極300aが、図3及び図4Aに示されるように、第1誘電体110の第1面111上に設けられている。RX電極200’の電極本体210’は、矩形状の第1導体部211’と、矩形状の第2導体部212’と、接続ライン213’とを有している。第1導体部211’と第2導体部212’とは、X-X’方向に延びた矩形状の導体であって、X-X’方向に間隙G1’をあけて近接配置されている。接続ライン213’は、略L字状であって、第1ラインと、第2ラインとを有している。第1ラインは、第1導体部211’からX’方向に延びており且つ第2導体部212’に対してY-Y’方向に間隙G2’をあけて近接配置されている。第2ラインは、第1ラインのX方向側の端部から第2導体部212’へY方向に延びている。第2導体部212’は、上記矩形状の導体に加えて、接続部212a’を有している。接続部212a’は、第1誘電体110、第2誘電体120及び一の第3誘電体130をZ-Z’方向に貫通したスルーホール電極であって、第2導体部212’の導体のY方向及びX’方向側の角部に接続されている。接続部212a’は、第2導体部212’のY方向の端よりも部分的に凸となるように配置されている。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
第1TX電極300aは、RX電極200’の電極本体210’の周りに配置された略角環状である。第1TX電極300aの第1導体部310aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200’の電極本体210’に対してY方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第1導体部310aは、Y方向側に凹の凹部311aが設けられている。第1TX電極300aの第2導体部320aは、X-X’方向に延びた略矩形状であって、RX電極200’の電極本体210’に対してY’方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第3導体部330aは、RX電極200’の電極本体210’に対してX方向側に間隔をあけて配置されている。第1TX電極300aの第4導体部340aは、RX電極200’の電極本体210’に対してX’方向側に間隔をあけて配置されている。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
第1~第4シミュレーションの結果を以下のとおり対比する。なお、図5A図6A図7Aは、横軸を解析信号の周波数、縦軸を第1、第2、第3モデルのRX電極200のSパラメータ(S11)としたグラフであり、図8Aは、横軸を解析信号の周波数、縦軸を第4モデルのRX電極200’のSパラメータ(S11)としたグラフである。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0137】
一方、第1モデルのRX電極200は、図5Aに示されるように、同周波数(2.75GHz)付近において、そのSパラメータ(S11)の値が-0.80dBとなっており、RX電極200’のリターンロスが第4モデルのRX電極200’のリターンロスよりも高いことが看取される。第2モデルのRX電極200も、図6Aに示されるように、同周波数(2.75GHz)付近において、そのSパラメータ(S11)の値が-0.80dBとなっており、RX電極200’のリターンロスが第4モデルのRX電極200’のリターンロスよりも高いことが看取される。第3モデルのRX電極200も、図7Aに示されるように、同周波数(2.75GHz)付近において、そのSパラメータ(S11)の値が-0.80dBとなっており、RX電極200’のリターンロスが第4モデルのRX電極200’のリターンロスよりも高いことが看取される。このように第1~第3モデルのRX電極200のリターンロス(反射損失)が高いことから、RX電極200の接続部からみて、RX電極200のインピーダンスと、第1配線400のインピーダンスとのマッチングが不整合であり、その結果としてRX電極200の放射効率が悪いことが分かる。具体的には、第1~第3モデルのRX電極200の放射効率は17%となっているので、同周波数(2.75GHz)付近において第1~第3モデルのRX電極200の放射効率が第4モデルのRX電極200’の放射効率よりも約63%低下することが見込める。このように放射効率が低下することは、同周波数(2.75GHz)付近において第1~第3モデルのRX電極200の受信効率が第4モデルのRX電極200’の受信効率よりも低くなることも意味するため、第1~第3モデルのRX電極200は、同周波数(2.75GHz)付近の周波数の外来ノイズの影響を受け難くなっていることが分かった。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
以上のシミュレーションの対比の結果、第1~第3モデルのRX電極200は、第4モデルのRX電極200’よりも、特定の周波数の外来ノイズの影響を受け難くなっていると言える。なお、外来ノイズの特定の周波数は、上記した例(2.75GH)に限定されるものではなく、第1~第3モデルのRX電極200及び第4モデルのRX電極200’の形状、その周辺のTX電極300及びその他の導体の形状並びに配置、及び、制御部600の等の回路の形状並びに配置(但し、当該回路が設けられている場合に限る。)等によって、変化するものと推定される。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0142】
上記した何れかの態様のTX電極300は、第1TX電極300aに加えて、又は、第1TX電極300aに代えて、図示しない第4TX電極を有していてもよい。基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(1)~(3)の何れかの構成を有している場合、第4TX電極は、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかの一の誘電体の第1面及び第2面のうちのRX電極200の電極本体210が設けられていない面上に設けられている。基体100の少なくとも一つの誘電体が上記(2)又は(3)の構成を有している場合、第4TX電極は、基体100の全ての誘電体(少なくとも一つの誘電体)のうちの何れかのRX電極200の電極本体210が設けられた一の誘電体以外の別の誘電体の第1面上若しくは第2面上に設けられている。第4TX電極のY-Y’方向の寸法が、上記した何れかの態様のRX電極200のY-Y’方向の寸法よりも大きい。第4TX電極が第2TX電極300b及び第3TX電極300cを有している。すなわち、第4TX電極のY方向側の端部が第2TX電極300bであり、第4TX電極のY’方向側の端部が第3TX電極300cとなる。第4TX電極と第1TX電極300aとは、一の誘電体の同一面上に設けられていないことに留意されたい。なお、上記した何れかの態様のTX電極300は、第1TX電極300a、第2TX電極300b及び第3TX電極300cの少なくとも一つを有していればよい。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
上記した何れかの態様のタッチセンサSは自己容量型又は相互容量型とすることが可能である。タッチセンサSが自己容量型である場合、TX電極300は省略され、且つ、制御部600又は外部の制御部は、第1配線400を介してRX電極200に対して電荷の充放電を行う構成と、自己容量の変化に応じて変化するRX電極200の信号(電圧又は電流等)をモニタリングしつつ、RX電極200の信号と制御部の内部メモリ又は外部メモリ上の閾値とを比較し、且つ当該比較によりRX電極200の信号が閾値を超えたときに、RX電極200に対するZ方向側の部分に検出対象の接近(検出対象のタッチ等)を検出する構成を有している。この場合、制御部600又は外部の制御部のTX電極300に対して駆動パルスを供給する構成は省略される。タッチセンサSが相互容量型である場合、制御部600又は外部の制御部は、TX電極300に対して駆動パルスを供給する構成と、相互容量の変化に応じて変化するRX電極200の信号(電圧又は電流等)をモニタリングしつつ、RX電極200の信号と制御部の内部メモリ又は外部メモリ上の閾値とを比較し、且つ当該比較によりRX電極200の信号が閾値を超えたときに、RX電極200に対するZ方向側の部分に検出対象の接近(検出対象のタッチ等)を検出する構成を有している。この場合、制御部600又は外部の制御部の第1配線400を介してRX電極200に対して電荷の充放電を行う構成は省略される。