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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070652
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240516BHJP
【ＦＩ】
B65G1/04 555
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022181276
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人Ｒ＆Ｃ
(72)【発明者】
【氏名】堀江 智史
(72)【発明者】
【氏名】木村 和誠
【テーマコード（参考）】
3F022
【Ｆターム（参考）】
3F022AA02
3F022AA05
3F022BB01
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ11
3F022KK02
3F022KK07
3F022MM03
3F022MM66
3F022MM67
3F022PP06
3F022QQ11
(57)【要約】
【課題】物品の移載動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い搬送装置を実現する。
【解決手段】移載装置は、卸し動作において容器を押圧する押圧部Ｂａと、掬い動作において容器に係止される係止部Ｂｂと、押圧部Ｂａ及び係止部Ｂｂに対して幅方向の少なくとも一方側に配置されて卸し動作及び掬い動作における容器の上下動を規制する規制部Ｂｃとを備える。規制部Ｂｃは、卸し動作中及び掬い動作中にリブ部７４に対して上側であって上下方向視でリブ部７４と重複する位置に配置される上側押さえ部Ｂｃｂを備える
【選択図】図９
【解決手段】移載装置は、卸し動作において容器を押圧する押圧部Ｂａと、掬い動作において容器に係止される係止部Ｂｂと、押圧部Ｂａ及び係止部Ｂｂに対して幅方向の少なくとも一方側に配置されて卸し動作及び掬い動作における容器の上下動を規制する規制部Ｂｃとを備える。規制部Ｂｃは、卸し動作中及び掬い動作中にリブ部７４に対して上側であって上下方向視でリブ部７４と重複する位置に配置される上側押さえ部Ｂｃｂを備える
【選択図】図９
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送する搬送装置であって、
前記容器を保持する保持部を有する移載装置を備え、
前記移載装置は、水平方向に沿う移載方向に沿って前記容器を移動させて、前記保持部から移載対象箇所へ前記容器を移載する卸し動作、及び前記移載対象箇所から前記保持部へ前記容器を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成され、
前記移載方向における前記保持部から前記移載対象箇所へ向かう側を移載方向卸し側、前記移載方向における前記移載対象箇所から前記保持部へ向かう側を移載方向掬い側とし、上下方向視で前記移載方向に直交する方向を幅方向とし、前記容器における前記移載方向卸し側を向く部分を容器前面部、前記容器における前記移載方向掬い側を向く部分を容器後面部として、
前記移載装置は、前記卸し動作において前記容器を押圧する押圧部と、前記掬い動作において前記容器に係止される係止部と、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の少なくとも一方側に配置されて前記卸し動作及び前記掬い動作における前記容器の上下動を規制する規制部と、前記押圧部、前記係止部、及び前記規制部を前記移載方向に沿って往復移動させる移載駆動部と、を備え、
前記容器後面部に、下側に向かって開口する凹部と、前記移載方向掬い側に突出すると共に前記容器後面部に沿って水平方向に延在するように形成されたリブ部と、が設けられ、
前記移載装置は、前記押圧部を、前記容器後面部に当接させた状態で前記移載駆動部により前記移載方向卸し側へ移動させることで、前記卸し動作を行い、前記係止部を、前記凹部に対して下側から挿入した状態で前記移載駆動部により前記移載方向掬い側へ移動させることで、前記掬い動作を行い、
前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して上側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される上側押さえ部を備える、搬送装置。
前記容器を保持する保持部を有する移載装置を備え、
前記移載装置は、水平方向に沿う移載方向に沿って前記容器を移動させて、前記保持部から移載対象箇所へ前記容器を移載する卸し動作、及び前記移載対象箇所から前記保持部へ前記容器を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成され、
前記移載方向における前記保持部から前記移載対象箇所へ向かう側を移載方向卸し側、前記移載方向における前記移載対象箇所から前記保持部へ向かう側を移載方向掬い側とし、上下方向視で前記移載方向に直交する方向を幅方向とし、前記容器における前記移載方向卸し側を向く部分を容器前面部、前記容器における前記移載方向掬い側を向く部分を容器後面部として、
前記移載装置は、前記卸し動作において前記容器を押圧する押圧部と、前記掬い動作において前記容器に係止される係止部と、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の少なくとも一方側に配置されて前記卸し動作及び前記掬い動作における前記容器の上下動を規制する規制部と、前記押圧部、前記係止部、及び前記規制部を前記移載方向に沿って往復移動させる移載駆動部と、を備え、
前記容器後面部に、下側に向かって開口する凹部と、前記移載方向掬い側に突出すると共に前記容器後面部に沿って水平方向に延在するように形成されたリブ部と、が設けられ、
前記移載装置は、前記押圧部を、前記容器後面部に当接させた状態で前記移載駆動部により前記移載方向卸し側へ移動させることで、前記卸し動作を行い、前記係止部を、前記凹部に対して下側から挿入した状態で前記移載駆動部により前記移載方向掬い側へ移動させることで、前記掬い動作を行い、
前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して上側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される上側押さえ部を備える、搬送装置。
【請求項2】
一対の前記規制部が、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の両側に分かれて配置されている、請求項１に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記卸し動作中及び前記掬い動作中における前記リブ部と前記上側押さえ部との上下方向の距離は、上下方向視での前記リブ部と前記上側押さえ部との前記移載方向の重複長さよりも小さい、請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記卸し動作中及び前記掬い動作中における前記リブ部と前記上側押さえ部との上下方向の距離は、前記係止部と前記凹部との上下方向の重複長さよりも小さい、請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記移載装置は、前記押圧部とは別に前記係止部を駆動して当該係止部に姿勢変更を行わせる係止駆動部を更に備え、
前記係止部は、前記容器に対する相対位置が規定の係止可能範囲にある状態で前記係止駆動部により駆動されることで、前記凹部に挿入される係止姿勢と、前記凹部から出る非係止姿勢と、に姿勢変更可能であり、
前記掬い動作中は、前記係止部を前記係止姿勢とする、請求項１又は２に記載の搬送装置。
前記係止部は、前記容器に対する相対位置が規定の係止可能範囲にある状態で前記係止駆動部により駆動されることで、前記凹部に挿入される係止姿勢と、前記凹部から出る非係止姿勢と、に姿勢変更可能であり、
前記掬い動作中は、前記係止部を前記係止姿勢とする、請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して下側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される下側押さえ部をさらに備える、請求項１又は２に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送装置として、例えば、特許第６３３７７０６号公報（特許文献１）には、荷物の移載を行う移載装置が開示されている。
【0003】
特許文献１に開示された移載装置（２）は、荷物（１０）を載置する荷載置部（２６）と、荷物（１０）の移載方向に往復移動するトップ部（４２）を有したスライドアーム（２８）と、を備えている。移載装置（２）は、スライドアーム（２８）におけるトップ部（４２）の往復移動を利用して、荷載置部（２６）からラック（１２ａ，１２ｂ）へ荷物（１０）を移載する卸し動作と、ラック（１２ａ，１２ｂ）から荷載置部（２６）へ荷物（１０）を移載する掬い動作と、を行うように構成されている。また、当該移載装置（２）においては、荷物（１０）の取っ手（１４ａ，１４ｂ）にフック（３０，３２，３４，３６）を係合させた状態で、卸し動作及び掬い動作を行う。なお、上記において括弧内に示された符号は、特許文献１のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第６３３７７０６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、移載対象が容器などである場合、例えば、物品が容器内に偏って配置されることで、当該容器に収容された物品の重心位置に移載方向の偏りが生じる場合がある。このような場合、卸し動作中及び掬い動作中に容器に移載方向の傾きが生じる可能性がある。そして、容器に移載方向の傾きが生じると、移載動作中にフックなどの係止具が容器から脱離するなどの事態が発生し、移載動作に支障を来す可能性がある。
【0006】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであり、物品の移載動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い搬送装置の実現を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
容器を搬送する搬送装置であって、
前記容器を保持する保持部を有する移載装置を備え、
前記移載装置は、水平方向に沿う移載方向に沿って前記容器を移動させて、前記保持部から移載対象箇所へ前記容器を移載する卸し動作、及び前記移載対象箇所から前記保持部へ前記容器を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成され、
前記移載方向における前記保持部から前記移載対象箇所へ向かう側を移載方向卸し側、前記移載方向における前記移載対象箇所から前記保持部へ向かう側を移載方向掬い側とし、上下方向視で前記移載方向に直交する方向を幅方向とし、前記容器における前記移載方向卸し側を向く部分を容器前面部、前記容器における前記移載方向掬い側を向く部分を容器後面部として、
前記移載装置は、前記卸し動作において前記容器を押圧する押圧部と、前記掬い動作において前記容器に係止される係止部と、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の少なくとも一方側に配置されて前記卸し動作及び前記掬い動作における前記容器の上下動を規制する規制部と、前記押圧部、前記係止部、及び前記規制部を前記移載方向に沿って往復移動させる移載駆動部と、を備え、
前記容器後面部に、下側に向かって開口する凹部と、前記移載方向掬い側に突出すると共に前記容器後面部に沿って水平方向に延在するように形成されたリブ部と、が設けられ、
前記移載装置は、前記押圧部を、前記容器後面部に当接させた状態で前記移載駆動部により前記移載方向卸し側へ移動させることで、前記卸し動作を行い、前記係止部を、前記凹部に対して下側から挿入した状態で前記移載駆動部により前記移載方向掬い側へ移動させることで、前記掬い動作を行い、
前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して上側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される上側押さえ部を備える。
前記容器を保持する保持部を有する移載装置を備え、
前記移載装置は、水平方向に沿う移載方向に沿って前記容器を移動させて、前記保持部から移載対象箇所へ前記容器を移載する卸し動作、及び前記移載対象箇所から前記保持部へ前記容器を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成され、
前記移載方向における前記保持部から前記移載対象箇所へ向かう側を移載方向卸し側、前記移載方向における前記移載対象箇所から前記保持部へ向かう側を移載方向掬い側とし、上下方向視で前記移載方向に直交する方向を幅方向とし、前記容器における前記移載方向卸し側を向く部分を容器前面部、前記容器における前記移載方向掬い側を向く部分を容器後面部として、
前記移載装置は、前記卸し動作において前記容器を押圧する押圧部と、前記掬い動作において前記容器に係止される係止部と、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の少なくとも一方側に配置されて前記卸し動作及び前記掬い動作における前記容器の上下動を規制する規制部と、前記押圧部、前記係止部、及び前記規制部を前記移載方向に沿って往復移動させる移載駆動部と、を備え、
前記容器後面部に、下側に向かって開口する凹部と、前記移載方向掬い側に突出すると共に前記容器後面部に沿って水平方向に延在するように形成されたリブ部と、が設けられ、
前記移載装置は、前記押圧部を、前記容器後面部に当接させた状態で前記移載駆動部により前記移載方向卸し側へ移動させることで、前記卸し動作を行い、前記係止部を、前記凹部に対して下側から挿入した状態で前記移載駆動部により前記移載方向掬い側へ移動させることで、前記掬い動作を行い、
前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して上側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される上側押さえ部を備える。
【0008】
本構成によれば、卸し動作中及び掬い動作中に容器後面部の側が容器前面部の側よりも上側に持ち上がりそうになった場合には、上昇しようとするリブ部の移動が上側押さえ部により規制される。従って、卸し動作中及び掬い動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い。そのため、例えば容器に収容された物品の重心位置に移載方向の偏りがある場合でも、容器後面部が持ち上がった状態になり難くすることができる。
つまり、本構成によれば、物品の移載動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い搬送装置を実現できる。
つまり、本構成によれば、物品の移載動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い搬送装置を実現できる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】搬送装置を備えた搬送設備の平面図
【図2】容器棚の正面図
【図3】容器の正面図
【図4】容器の側面図
【図5】搬送装置の車体幅方向視図
【図6】移載装置の第１姿勢と第２姿勢とを示す平面図
【図7】移載方向に対して直交する幅方向から見た移載装置を示す図
【図8】移載機の要部を示す斜視図
【図9】移載方向に対して直交する幅方向から見た移載機及び容器後面部を示す図
【図10】移載装置による掬い動作を示す説明図
【図11】移載装置による掬い動作を示す説明図
【図12】移載装置による棚部に対する容器の掬い動作を示す説明図
【図13】移載装置による段積み領域に対する容器の掬い動作を示す説明図
【図14】移載装置による卸し動作を示す説明図
【図15】移載装置による棚部に対する容器の卸し動作を示す説明図
【図16】移載装置による段積み領域に対する容器の卸し動作を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
搬送装置は、容器を搬送する装置である。以下、搬送装置が、容器を搬送する搬送設備に備えられている場合を例示して、当該搬送装置の実施形態について説明する。
【0012】
図１に示すように、搬送設備Ｆは、容器７０（図３及び図４参照）を収納する容器棚８と、容器７０の搬出及び搬入を行う搬出入部９と、を備えている。搬送装置１００は、搬出入部９によって搬入された容器７０を容器棚８へ搬送し、又は、容器棚８に収納された容器７０を搬出のために搬出入部９へ搬送する。
【0013】
本実施形態では、複数の容器棚８が、規定の間隔を空けつつ互いに平行に配置されている。複数の容器棚８のそれぞれは少なくとも正面が開口しており、当該正面において容器７０の出し入れが行われる。そして、正面が向かい合って隣り合う一対の容器棚８の間に、搬送装置１００の走行経路Ｒの一部が設定されている。また、搬送設備Ｆに備えられた複数の容器棚８のうち最も端に配置された容器棚８は、正面を外側に向けて配置されており、当該端の容器棚８の正面に沿った領域にも走行経路Ｒの一部が設定されている。また、搬送設備Ｆには、複数の搬出入部９が設けられており、複数の搬出入部９のそれぞれを通る領域にも、走行経路Ｒの一部が設定されている。
【0014】
走行経路Ｒは、容器棚８の正面に沿って当該容器棚８の延在方向に延びる棚内経路Ｒａと、容器棚８の配置領域の外部において棚内経路Ｒａに交差する棚外経路Ｒｂと、を含んでいる。棚内経路Ｒａは、複数の容器棚８のそれぞれに対応して設定されている。本実施形態では、正面が向かい合って隣り合う一対の容器棚８の間の領域に設定された走行経路Ｒの一部、及び、正面を外側に向けて配置された容器棚８の当該正面に沿った領域に設定された走行経路Ｒの一部が、棚内経路Ｒａに相当する。また、棚外経路Ｒｂは、複数の棚内経路Ｒａを繋ぐように設定されている。また、棚外経路Ｒｂは、複数の搬出入部９のそれぞれを通るようにも設定されている。本実施形態では、走行経路Ｒにおける棚内経路Ｒａ以外の部分が、棚外経路Ｒｂに相当する。
【0015】
〔容器棚〕
図２に示すように、容器棚８は、容器７０を収納する棚部８０を上下方向に複数段備えている。棚部８０は、後述する移載装置４によって容器７０を移載する場合の移載対象箇所Ｔとされる。本実施形態では、容器棚８は、複数の支柱部材８１と複数の梁部材８２とを組み合わせて構成されている。複数の梁部材８２が、上下方向に間隔を空けて配置されている。そして、複数の梁部材８２のそれぞれに、容器７０を載置するための載置部材８３が連結されている。本例では、容器７０は、一対の載置部材８３に載置されることにより、棚部８０に収納される。また、棚部８０には、一対の載置部材８３の組が複数組配置されており、１つの棚部８０において複数の容器７０を収納可能となっている。なお、本例では、図２に示す正面視で左右方向に隣接する一対の支柱部材８１の間であって、上下方向に隣接する一対の梁部材８２の間の領域が、容器棚８の開口に相当する。
図２に示すように、容器棚８は、容器７０を収納する棚部８０を上下方向に複数段備えている。棚部８０は、後述する移載装置４によって容器７０を移載する場合の移載対象箇所Ｔとされる。本実施形態では、容器棚８は、複数の支柱部材８１と複数の梁部材８２とを組み合わせて構成されている。複数の梁部材８２が、上下方向に間隔を空けて配置されている。そして、複数の梁部材８２のそれぞれに、容器７０を載置するための載置部材８３が連結されている。本例では、容器７０は、一対の載置部材８３に載置されることにより、棚部８０に収納される。また、棚部８０には、一対の載置部材８３の組が複数組配置されており、１つの棚部８０において複数の容器７０を収納可能となっている。なお、本例では、図２に示す正面視で左右方向に隣接する一対の支柱部材８１の間であって、上下方向に隣接する一対の梁部材８２の間の領域が、容器棚８の開口に相当する。
【0016】
本実施形態では、棚部８０における容器７０を収納するための基準位置８０Ｐに、当該基準位置８０Ｐにおいて容器７０を収納するための目標となる目標部８２Ｔが設けられている。本例では、目標部８２Ｔは、梁部材８２に設けられている。目標部８２Ｔは、一対の載置部材８３の組につき１つ設けられている。図示の例では、目標部８２Ｔは、梁部材８２に形成された孔によって構成されている。
【0017】
〔容器〕
図３に示すように、容器７０は、上方に開口する開口部７１と、容器７０の内部空間を囲む周壁部７２と、を備えた箱状に形成されている。本例では、上下方向視における容器７０の外形は、矩形状を成している。周壁部７２によって囲まれた内部空間、すなわち容器７０の内部には、物品が収容可能となっている。物品には、例えば、食料品や生活用品などの各種商品、又は、工場の生産ライン等において用いられる部品や仕掛品などが含まれる。
図３に示すように、容器７０は、上方に開口する開口部７１と、容器７０の内部空間を囲む周壁部７２と、を備えた箱状に形成されている。本例では、上下方向視における容器７０の外形は、矩形状を成している。周壁部７２によって囲まれた内部空間、すなわち容器７０の内部には、物品が収容可能となっている。物品には、例えば、食料品や生活用品などの各種商品、又は、工場の生産ライン等において用いられる部品や仕掛品などが含まれる。
【0018】
本実施形態では、容器７０は、その内部に物品を収容した状態で、別の容器７０と積み重ねることが可能に構成されている。すなわち、容器７０は、上下方向に段積み可能に構成されている（図５も参照）。本例では、容器７０は、その底部から下方に突出する嵌合部７７を備えている。容器７０の嵌合部７７が、別の容器７０の開口部７１に対して上方から嵌合することにより、２つの容器７０が上下方向に段積みされる。
【0019】
容器７０は、後述する移載装置４によって、特定の方向に沿って移載されるように構成されている。移載装置４によって容器７０を移載する方向を移載方向Ｘとすると（図４参照）、容器７０は、移載装置４によって移載方向Ｘに沿って移動される。より詳細には、移載装置４が、移載対象箇所Ｔに対して容器７０を卸す場合には、容器７０は、移載方向Ｘにおける一方側（以下、「移載方向卸し側Ｘ１」と称する。）に向かって移動する。移載装置４が、移載対象箇所Ｔに対して容器７０を掬う場合には、容器７０は、移載方向Ｘにおける他方側（以下、「移載方向掬い側Ｘ２」と称する。）に向かって移動する。
【0020】
容器７０における移載方向卸し側Ｘ１を向く部分を容器前面部７０Ｆ、容器７０における移載方向掬い側Ｘ２を向く部分を容器後面部７０Ｒとする（図４参照）。図２に示すように、容器７０は、容器後面部７０Ｒを容器棚８の正面側に向けた状態で、棚部８０に収納される。
【0021】
図３及び図４に示すように、本実施形態では、容器７０は、周壁部７２から外側に突出する複数のリブ部を備えている。複数のリブ部のうち一部は、後述する持ち上げ装置３によって持ち上げられる持ち上げ用リブ部７３である。本例では、持ち上げ用リブ部７３は、周壁部７２の上部に形成されている。また、持ち上げ用リブ部７３は、周壁部７２における開口部７１を囲む部分の全周に亘って形成されている。複数のリブ部のうち一部は、後述する移載装置４による移載動作の際に持ち上げられる移載用リブ部７４である。本例では、移載用リブ部７４は、持ち上げ用リブ部７３よりも下方に形成されている。移載用リブ部７４は、容器後面部７０Ｒに設けられている。本例では、移載用リブ部７４は、容器後面部７０Ｒ及び容器前面部７０Ｆの双方に設けられている。なお、本実施形態では、容器後面部７０Ｒと容器前面部７０Ｆとは同じ構成となっている。すなわち、移載用リブ部７４は、移載方向掬い側に突出すると共に容器後面部に沿って水平方向に延在するように形成されている。本実施形態では、移載用リブ部７４が「リブ部」に相当する。
【0022】
容器後面部７０Ｒには、下側に向かって開口する凹部７５が設けられている。本実施形態では、凹部７５は、鉛直下方に開口している。凹部７５は、容器７０における移載用リブ部７４が設けられた面（本例では、容器後面部７０Ｒ及び容器前面部７０Ｆ）に形成されている。本例では、容器７０は、持ち上げ用リブ部７３と移載用リブ部７４との上下方向の間に、周壁部７２から外側に突出すると共に下方に延在する係止用壁部７６を備えており、この係止用壁部７６と周壁部７２との間に凹部７５が形成されている。係止用壁部７６は、後述するように、移載装置４による移載動作の際に、係止部Ｂｂ（図９参照）が係止される部分である。
【0023】
上下方向に沿う上下方向視で移載方向Ｘに直交する方向を幅方向Ｙとすると、本実施形態では、凹部７５は、容器後面部７０Ｒ及び容器前面部７０Ｆのそれぞれにおける幅方向Ｙの中央部に設けられている。そして、本例では、凹部７５は、幅方向Ｙ及び上下方向に沿って延びるように形成されている。
【0024】
〔搬送装置〕
図５に示すように、搬送装置１００は、走行する走行体１と、複数の容器７０を段積み状態の容器群７として規定の段積み領域２Ａ内に支持する容器群支持部２と、容器群支持部２に支持された容器群７の容器７０を持ち上げる持ち上げ装置３と、容器７０の移載を行う移載装置４と、を備えている。容器群支持部２、持ち上げ装置３、及び移載装置４は、走行体１に搭載されている。走行体１における走行方向に沿う方向を「車体前後方向Ｌ」とすると、容器群支持部２と移載装置４とは、走行体１上において車体前後方向Ｌに並んで配置されている。なお、以下では、上下方向視で車体前後方向Ｌに直交する方向を「車体幅方向Ｗ」とする。ここでは、車体前後方向Ｌ及び車体幅方向Ｗは、互いに直交する水平方向である。
図５に示すように、搬送装置１００は、走行する走行体１と、複数の容器７０を段積み状態の容器群７として規定の段積み領域２Ａ内に支持する容器群支持部２と、容器群支持部２に支持された容器群７の容器７０を持ち上げる持ち上げ装置３と、容器７０の移載を行う移載装置４と、を備えている。容器群支持部２、持ち上げ装置３、及び移載装置４は、走行体１に搭載されている。走行体１における走行方向に沿う方向を「車体前後方向Ｌ」とすると、容器群支持部２と移載装置４とは、走行体１上において車体前後方向Ｌに並んで配置されている。なお、以下では、上下方向視で車体前後方向Ｌに直交する方向を「車体幅方向Ｗ」とする。ここでは、車体前後方向Ｌ及び車体幅方向Ｗは、互いに直交する水平方向である。
【0025】
本実施形態では、搬送装置１００は、制御装置Ｃを備えている。制御装置Ｃは、搬送装置１００の各機能部を制御する。本例では、制御装置Ｃは、走行体１、容器群支持部２、持ち上げ装置３、移載装置４、及び、後述する旋回装置５を制御する。容器７０を搬送及び移載するための動作は、制御装置Ｃによる各機能部の制御によって実現される。制御装置Ｃは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0026】
〔走行体〕
走行体１は、規定の走行経路Ｒ（図１参照）を走行するように構成されている。本実施形態では、走行体１は、棚内経路Ｒａと棚外経路Ｒｂとを走行するように構成されている。走行体１は、棚内経路Ｒａを走行する場合に、容器棚８に沿って走行するように構成され、より詳細には、容器棚８の正面に沿って走行するように構成されている。本実施形態では、走行体１は、床面を走行するように構成されている。
走行体１は、規定の走行経路Ｒ（図１参照）を走行するように構成されている。本実施形態では、走行体１は、棚内経路Ｒａと棚外経路Ｒｂとを走行するように構成されている。走行体１は、棚内経路Ｒａを走行する場合に、容器棚８に沿って走行するように構成され、より詳細には、容器棚８の正面に沿って走行するように構成されている。本実施形態では、走行体１は、床面を走行するように構成されている。
【0027】
走行体１は、複数の走行車輪１０と、複数の走行車輪１０のうち少なくとも１つを駆動する走行駆動部１０Ｍと、を備えている。走行駆動部１０Ｍは、不図示のモータを含んで構成されている。走行駆動部１０Ｍが走行車輪１０を駆動することにより、走行体１に走行方向の推進力が付与される。
【0028】
〔容器群支持部〕
容器群支持部２は、走行体１に搭載されている。容器群支持部２は、複数の容器７０を段積み状態の容器群７として支持可能に構成されている。容器群支持部２の上方には、容器群７が配置される段積み領域２Ａが規定されている。段積み領域２Ａは、容器群支持部２から上方に延在する立体的な仮想領域である。本例では、容器群支持部２は、容器群７を載置した状態で当該容器群７を移動させることが可能なコンベヤとして構成されている。本例では、容器群支持部２は、容器群７を車体幅方向Ｗに沿って移動させることが可能となっている。容器群支持部２を構成するコンベヤとしては、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、ベルトコンベヤなどの周知のコンベヤ等であって良い。
容器群支持部２は、走行体１に搭載されている。容器群支持部２は、複数の容器７０を段積み状態の容器群７として支持可能に構成されている。容器群支持部２の上方には、容器群７が配置される段積み領域２Ａが規定されている。段積み領域２Ａは、容器群支持部２から上方に延在する立体的な仮想領域である。本例では、容器群支持部２は、容器群７を載置した状態で当該容器群７を移動させることが可能なコンベヤとして構成されている。本例では、容器群支持部２は、容器群７を車体幅方向Ｗに沿って移動させることが可能となっている。容器群支持部２を構成するコンベヤとしては、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、ベルトコンベヤなどの周知のコンベヤ等であって良い。
【0029】
搬出入部９（図１参照）には、複数の容器７０が段積みされた状態の容器群７が搬入される。走行体１が搬出入部９に隣接した状態で、容器群支持部２は、搬出入部９から容器群７を受け取り、または、搬出入部９へ容器群７を引き渡す。すなわち、容器群支持部２は、搬出入部９との間で容器群７の受け渡しを行うように構成されている。詳細な図示は省略するが、本例では、搬出入部９は、容器７０から物品を取り出す作業が行われるピッキングエリアに隣接している。容器群支持部２から搬出入部９へ容器群７が引き渡されると、搬出入部９に隣接するピッキングエリアにおいて容器７０から物品が取り出される。容器７０に収容された物品の一部又は全部が取り出された後は、当該容器７０は、搬出入部９から容器群支持部２（搬送装置１００）に引き渡されて、再び容器棚８へ搬送される。但し、搬出入部９は、ピッキングエリアに隣接していなくても良く、他の設備や作業エリアに隣接していても良い。また、例えば、搬出入部９は、容器群支持部２から引き渡された容器群７を搬送設備Ｆの外部へ搬送するように構成されていても良い。
【0030】
〔持ち上げ装置〕
持ち上げ装置３は、走行体１に搭載されている。持ち上げ装置３は、容器群支持部２に支持された容器群７の容器７０、換言すれば、段積み領域２Ａに配置された容器群７の容器７０を持ち上げるように構成されている。
持ち上げ装置３は、走行体１に搭載されている。持ち上げ装置３は、容器群支持部２に支持された容器群７の容器７０、換言すれば、段積み領域２Ａに配置された容器群７の容器７０を持ち上げるように構成されている。
【0031】
持ち上げ装置３は、走行体１から上方に立設された持ち上げ用マスト３０と、持ち上げ用マスト３０に連結された持ち上げ用昇降体３０Ｂと、持ち上げ用昇降体３０Ｂを持ち上げ用マスト３０に沿って昇降させる持ち上げ用昇降体駆動部３０Ｍと、を備えている。詳細な図示は省略するが、持ち上げ用昇降体駆動部３０Ｍは、例えば、持ち上げ用昇降体３０Ｂに連結されたベルト等の無端体と、当該無端体が巻回された回転体と、当該回転体を回転駆動するモータと、を備えている。
【0032】
持ち上げ装置３は、段積み領域２Ａに段積みされた容器群７の内の任意の高さの容器７０を、当該容器７０の持ち上げ用リブ部７３を下方から保持した状態で、当該容器７０の下に隣接する容器７０に対して持ち上げる第１持ち上げ機構３１と、第１持ち上げ機構３１により持ち上げられた容器７０よりも下方の容器７０を、当該容器７０の持ち上げ用リブ部７３を下方から保持した状態で、当該容器７０の下に隣接する容器７０に対して持ち上げる第２持ち上げ機構３２と、を備えている。また、本実施形態では、第１持ち上げ機構３１と第２持ち上げ機構３２とが、上下方向に離間して配置されている。これにより、図示については省略するが、第１持ち上げ機構３１によって持ち上げられた容器７０と、第２持ち上げ機構３２によって持ち上げられた容器７０との、上下方向の間にスペースを形成することが可能になっている。また、第２持ち上げ機構３２によって持ち上げられた容器７０の下方にも、上下方向のスペースを形成することが可能となっている。
【0033】
また、詳細については省略するが、本実施形態において、第１持ち上げ機構３１によって持ち上げられた容器７０と第２持ち上げ機構３２によって持ち上げられた容器７０との上下方向の間にスペースを形成した場合には、当該スペースに、他の容器７０を卸すことが可能となっている。また、第２持ち上げ機構３２によって持ち上げられた容器７０の下方に上下方向のスペースを形成した場合には、当該スペースを利用して、第２持ち上げ機構３２によって持ち上げられた容器７０の下方に配置された容器７０を掬うことが可能となっている。
【0034】
〔移載装置〕
図５に示すように、移載装置４は、走行体１に搭載されている。移載装置４は、容器７０を保持する保持部Ａを有しており、水平方向に沿う移載方向Ｘに沿って容器７０を移動させて、保持部Ａから移載対象箇所Ｔへ容器７０を移載する卸し動作、及び移載対象箇所Ｔから保持部Ａへ容器７０を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成されている。なお、本明細書では、移載対象箇所Ｔから移載装置４へ容器７０を移載することを「掬い」と称しており、「掬い」は、特定の移載動作に限定されるものではない。本実施形態では、移載装置４は、移載機Ｂを備えており、この移載機Ｂによって移載対象箇所Ｔに対する容器７０の卸し動作及び掬い動作を行う。移載対象箇所Ｔには、段積み領域２Ａと容器棚８の棚部８０とが含まれる。
図５に示すように、移載装置４は、走行体１に搭載されている。移載装置４は、容器７０を保持する保持部Ａを有しており、水平方向に沿う移載方向Ｘに沿って容器７０を移動させて、保持部Ａから移載対象箇所Ｔへ容器７０を移載する卸し動作、及び移載対象箇所Ｔから保持部Ａへ容器７０を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成されている。なお、本明細書では、移載対象箇所Ｔから移載装置４へ容器７０を移載することを「掬い」と称しており、「掬い」は、特定の移載動作に限定されるものではない。本実施形態では、移載装置４は、移載機Ｂを備えており、この移載機Ｂによって移載対象箇所Ｔに対する容器７０の卸し動作及び掬い動作を行う。移載対象箇所Ｔには、段積み領域２Ａと容器棚８の棚部８０とが含まれる。
【0035】
上述のように、ここでは、移載装置４により移載される容器７０の移動方向を移載方向Ｘとする。また、移載方向Ｘにおける保持部Ａから移載対象箇所Ｔへ向かう側を移載方向卸し側Ｘ１、移載方向Ｘにおける移載対象箇所Ｔから保持部Ａへ向かう側を移載方向掬い側Ｘ２とする。移載方向Ｘは、水平方向に沿う方向である。移載方向卸し側Ｘ１は、容器７０を卸す場合に、移載方向Ｘに沿って容器７０が移動する側である。移載方向掬い側Ｘ２は、容器７０を掬う場合に、移載方向Ｘに沿って容器７０が移動する側である。
【0036】
本実施形態では、搬送装置１００は、移載装置４を上下方向に沿う軸心まわりに旋回させる旋回装置５を備えている。図６に示すように、旋回装置５は、移載装置４を上下方向に沿う軸心回りに旋回させて、移載方向Ｘを段積み領域２Ａに向けた第１姿勢Ｐ１と、移載方向Ｘを容器棚８に向けた第２姿勢Ｐ２とに、移載装置４の向きを変更するように構成されている。このように本実施形態では、移載方向Ｘは、旋回装置５によって水平面内において変更され得る。
【0037】
本実施形態では、移載装置４は、移載対象箇所Ｔの位置に応じて姿勢を変更する。具体的には、移載装置４は、移載対象箇所Ｔが段積み領域２Ａである場合に第１姿勢Ｐ１となり、移載対象箇所Ｔが棚部８０（容器棚８）である場合に第２姿勢Ｐ２となる。図７に示すように、本例では、旋回装置５は、移載装置４を支持する旋回台５０と、後述する移載用昇降体４０Ｂに対して旋回台５０を旋回自在に支持する旋回軸５１と、旋回軸５１を駆動する旋回駆動部５Ｍと、を備えている。なお、図７は、移載装置４が第２姿勢Ｐ２である場合を示している。
【0038】
図５に示すように、移載装置４は、走行体１から上方に立設された移載用マスト４０と、移載用マスト４０に連結された移載用昇降体４０Ｂと、移載用昇降体４０Ｂを移載用マスト４０に沿って昇降させる移載用昇降体駆動部４０Ｍと、を備えている。詳細な図示は省略するが、移載用昇降体駆動部４０Ｍは、例えば、移載用昇降体４０Ｂに連結されたベルト等の無端体と、当該無端体が巻回された回転体と、当該回転体を回転駆動するモータと、を備えている。
【0039】
図８に示すように、移載装置４は、卸し動作において容器７０を押圧する押圧部Ｂａと、掬い動作において容器７０に係止される係止部Ｂｂと、押圧部Ｂａ及び係止部Ｂｂに対して幅方向Ｙの少なくとも一方側に配置されて卸し動作及び掬い動作における容器７０の上下動を規制する規制部Ｂｃと、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ及び規制部Ｂｃを移載方向Ｘに沿って往復移動させる移載駆動部Ｍｓと、を備えている。なお、本明細書において「上下動を規制する」とは、上下方向の少なくとも一方側への移動を規制することを意味する。ここでは、規制部Ｂｃは、容器７０の上側への移動を規制し、本実施形態では更に、容器７０の下側への移動も規制する。本実施形態では、規制部Ｂｃが押圧部Ｂａ及び係止部Ｂｂに対して幅方向Ｙの両側に配置されている。また、本実施形態では、移載装置４は、押圧部Ｂａと係止部Ｂｂと規制部Ｂｃとを支持する支持部材Ｂｓを備えている。そして、移載駆動部Ｍｓは、支持部材Ｂｓを移載方向Ｘに沿って往復移動させるように構成されている。本例では、支持部材Ｂｓは、保持部Ａに保持されており、移載駆動部Ｍｓは、支持部材Ｂｓを保持部Ａに対して移載方向Ｘに沿って相対移動させる。支持部材Ｂｓが、移載駆動部Ｍｓに駆動されて保持部Ａに対して移載方向Ｘに沿って相対移動することで、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ及び規制部Ｂｃも、保持部Ａに対して移載方向Ｘに沿って相対移動する。本例では、移載機Ｂに、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ、規制部Ｂｃ及び支持部材Ｂｓが設けられている。
【0040】
本実施形態では、移載装置４は、容器７０を保持する第１保持部４１Ａと、第１保持部４１Ａよりも下方に配置されて容器７０を保持する第２保持部４２Ａと、第１保持部４１Ａと移載対象箇所Ｔとの間での容器７０の移載を行う第１移載機４１Ｂと、第２保持部４２Ａと移載対象箇所Ｔとの間での容器７０の移載を行う第２移載機４２Ｂと、を備えている。すなわち、保持部Ａは、第１保持部４１Ａと第２保持部４２Ａとを含む。また、移載機Ｂは、第１移載機４１Ｂと第２移載機４２Ｂとを含む。以下、第１保持部４１Ａと第２保持部４２Ａとを、「保持部Ａ」と総称する場合がある。また、第１移載機４１Ｂと第２移載機４２Ｂとを、「移載機Ｂ」と総称する場合がある。
【0041】
上述のように、移載対象箇所Ｔには、段積み領域２Ａと容器棚８の棚部８０とが含まれる。すなわち、第１移載機４１Ｂ及び第２移載機４２Ｂは、棚部８０及び段積み領域２Ａのそれぞれに対して容器７０を移載可能に構成されている。段積み領域２Ａが移載対象箇所Ｔとされる場合、各移載機４１Ｂ，４２Ｂは、第１姿勢Ｐ１において各保持部４１Ａ，４２Ａと段積み領域２Ａとの間で容器７０を移動させて、段積み領域２Ａに対して容器７０を移載する（図６の上図参照）。また、棚部８０が移載対象箇所Ｔとされる場合、各移載機４１Ｂ，４２Ｂは、第２姿勢Ｐ２において各保持部４１Ａ，４２Ａと棚部８０との間で容器７０を移動させて、棚部８０に対して容器７０を移載する（図６の下図参照）。
【0042】
図７に示すように、本実施形態では、移載装置４は、第１保持部４１Ａと第２保持部４２Ａとを上下方向に連結する保持連結部４３を備えている。保持連結部４３は、第１保持部４１Ａと第２保持部４２Ａとの上下方向の間隔が一定となるように、両者を連結している。
【0043】
移載装置４は、保持部Ａを移載方向Ｘに沿って移動させる保持駆動部ＭＡを備えている。本実施形態では、保持駆動部ＭＡは、第１保持部４１Ａを移載方向Ｘに沿って移動させる第１保持駆動部４１ＭＡと、第２保持部４２Ａを移載方向Ｘに沿って移動させる第２保持駆動部４２ＭＡと、を含む。第１保持駆動部４１ＭＡは、第１保持部４１Ａを、移載用昇降体４０Ｂに対して移載方向Ｘに沿って相対移動させるように構成されている。第２保持駆動部４２ＭＡは、第２保持部４２Ａを、移載用昇降体４０Ｂに対して移載方向Ｘに沿って相対移動させるように構成されている。上述のように、本実施形態では、第１保持部４１Ａと第２保持部４２Ａとは、保持連結部４３によって連結されている。そのため、第１保持部４１Ａと第２保持部４２Ａとは、移載方向Ｘに沿って一体的に移動する。本例では、第１保持部４１Ａを駆動する第１保持駆動部４１ＭＡと、第２保持部４２Ａを駆動する第２保持駆動部４２ＭＡとが、共通の駆動源により駆動されるように構成されている。以下、第１保持駆動部４１ＭＡと第２保持駆動部４２ＭＡとを、「保持駆動部ＭＡ」と総称する場合がある。
【0044】
本実施形態では、押圧部Ｂａは、第１押圧部４１Ｂａと第２押圧部４２Ｂａとを含む。また、係止部Ｂｂは、第１係止部４１Ｂｂと第２係止部４２Ｂｂとを含む。更に、規制部Ｂｃは、第１規制部４１Ｂｃと第２規制部４２Ｂｃとを含む。本例では、第１移載機４１Ｂが、容器７０の卸し動作を行う場合に容器７０を移載方向卸し側Ｘ１に向けて押圧する第１押圧部４１Ｂａと、容器７０の掬い動作を行う場合に容器７０に係止される第１係止部４１Ｂｂと、卸し動作及び掬い動作を行う際に容器７０の上下動を規制する第１規制部４１Ｂｃとを備えている。第１押圧部４１Ｂａ、第１係止部４１Ｂｂ及び第１規制部４１Ｂｃのそれぞれは、第１保持部４１Ａに対して移載方向Ｘに沿って相対移動可能に構成されている。また本例では、第２移載機４２Ｂが、容器７０の卸し動作を行う場合に容器７０を移載方向卸し側Ｘ１に向けて押圧する第２押圧部４２Ｂａと、容器７０の掬い動作を行う場合に容器７０に係止される第２係止部４２Ｂｂと、卸し動作及び掬い動作を行う際に容器７０の上下動を規制する第２規制部４２Ｂｃとを備えている。第２押圧部４２Ｂａ、第２係止部４２Ｂｂ及び第２規制部４２Ｂｃのそれぞれは、第２保持部４２Ａに対して移載方向Ｘに沿って相対移動可能に構成されている。以下、第１押圧部４１Ｂａと第２押圧部４２Ｂａとを、「押圧部Ｂａ」と総称する場合がある。また、第１係止部４１Ｂｂと第２係止部４２Ｂｂとを、「係止部Ｂｂ」と総称する場合がある。また、第１規制部４１Ｂｃと第２規制部４２Ｂｃとを、「規制部Ｂｃ」と総称する場合がある。
【0045】
本実施形態では、支持部材Ｂｓは、第１支持部材４１Ｂｓと第２支持部材４２Ｂｓとを含む。また、移載駆動部Ｍｓは、第１移載駆動部４１Ｍｓと第２移載駆動部４２Ｍｓとを含む。本例では、第１支持部材４１Ｂｓは、第１保持部４１Ａに支持されていると共に第１押圧部４１Ｂａと第１係止部４１Ｂｂと第１規制部４１Ｂｃとを支持するように構成されている。第１支持部材４１Ｂｓが第１移載駆動部４１Ｍｓによって駆動されることにより、第１押圧部４１Ｂａ、第１係止部４１Ｂｂ及び第１規制部４１Ｂｃが、第１保持部４１Ａに対して移載方向Ｘに沿って相対移動する。また本例では、第２支持部材４２Ｂｓは、第２保持部４２Ａに支持されていると共に第２押圧部４２Ｂａと第２係止部４２Ｂｂと第２規制部４２Ｂｃとを支持するように構成されている。第２支持部材４２Ｂｓが第２移載駆動部４２Ｍｓによって駆動されることにより、第２押圧部４２Ｂａ、第２係止部４２Ｂｂ及び第２規制部４２Ｂｃが、第２保持部４２Ａに対して移載方向Ｘに沿って相対移動する。以下、第１支持部材４１Ｂｓと第２支持部材４２Ｂｓとを、「支持部材Ｂｓ」と総称する場合がある。また、第１移載駆動部４１Ｍｓと第２移載駆動部４２Ｍｓとを、「移載駆動部Ｍｓ」と総称する場合がある。
【0046】
本実施形態において、移載装置４は、押圧部Ｂａとは別に係止部Ｂｂを駆動して当該係止部Ｂｂに姿勢変更を行わせる係止駆動部Ｍｂを備えている。本実施形態では、係止駆動部Ｍｂは、係止部Ｂｂを移載方向Ｘに沿う回転軸心Ｂｘａ（図８参照）まわりに回転させるように構成されている。本実施形態では、係止駆動部Ｍｂは、第１係止駆動部４１Ｍｂと第２係止駆動部４２Ｍｂとを含む。本例では、第１移載機４１Ｂが、第１係止駆動部４１Ｍｂを備えている。第１係止駆動部４１Ｍｂは、第１係止部４１Ｂｂを駆動するように構成されている。詳細には、第１係止駆動部４１Ｍｂは、第１係止部４１Ｂｂを、移載方向Ｘに沿う回転軸心Ｂｘａまわりに回転駆動する。また本例では、第２移載機４２Ｂが、第２係止駆動部４２Ｍｂを備えている。第２係止駆動部４２Ｍｂは、第２係止部４２Ｂｂを駆動するように構成されている。詳細には、第２係止駆動部４２Ｍｂは、第２係止部４２Ｂｂを、移載方向Ｘに沿う回転軸心Ｂｘａまわりに回転駆動する。以下、第１係止駆動部４１Ｍｂと第２係止駆動部４２Ｍｂとを、「係止駆動部Ｍｂ」と総称する場合がある。
【0047】
図７に示すように、本実施形態では、移載装置４は、棚部８０における容器７０を収納するための基準位置８０Ｐを示す目標部８２Ｔ（図２参照）を検出する基準位置検出センサＳｅ１と、棚部８０に収納された容器７０を検出する収納容器検出センサＳｅ２と、を備えている。本実施形態において、基準位置検出センサＳｅ１は、第１保持部４１Ａに設けられている。また、収納容器検出センサＳｅ２は、第２保持部４２Ａに設けられている。
【0048】
【0049】
図８は、移載機Ｂの要部を示す斜視図であり、当該要部の構造は、第１移載機４１Ｂと第２移載機４２Ｂとで共通である。同図に示すように、本実施形態では、押圧部Ｂａと係止部Ｂｂと規制部Ｂｃとが支持部材Ｂｓによって支持されている。本例では、支持部材Ｂｓは板状の部材であり、水平面に沿う本体部Ｂｓｐを備えている。押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ及び規制部Ｂｃは、支持部材Ｂｓにおける本体部Ｂｓｐの上面に支持されている。
【0050】
押圧部Ｂａは、卸し動作において、容器７０を移載方向卸し側Ｘ１に向けて押圧する。押圧部Ｂａは、支持部材Ｂｓにおける幅方向Ｙの中央部に配置されている。本実施形態において、押圧部Ｂａは、支持部材Ｂｓの上面から上方に立ち上がるように形成された押圧連結部Ｂａｃに連結されることで、支持部材Ｂｓに支持されている。押圧部Ｂａは、押圧連結部Ｂａｃに対して移載方向卸し側Ｘ１に配置されている。本実施形態において、押圧部Ｂａは、卸し動作において容器後面部７０Ｒに当接する当接面Ｂａｆを備えている。当接面Ｂａｆは、卸し動作において容器７０の係止用壁部７６に対して移載方向掬い側Ｘ２から当接するように構成されている（図１４参照）。
【0051】
係止部Ｂｂは、掬い動作において、容器７０に係止され、当該容器７０を移載方向掬い側Ｘ２に向けて引き込む。係止部Ｂｂは、係止駆動部Ｍｂにより回転駆動されることで、容器７０の凹部７５に挿入される係止姿勢（図１１参照）と、凹部７５から出る非係止姿勢（図１０参照）と、に姿勢変更可能に構成されている。
【0052】
本実施形態では、係止部Ｂｂは、支持部材Ｂｓにおける本体部Ｂｓｐに対して下方に配置された回転軸Ｂｘに連結されている。回転軸Ｂｘは、移載方向Ｘに沿って配置されており、係止駆動部Ｍｂによって移載方向Ｘに沿う軸心まわりに回転駆動される。係止駆動部Ｍｂは、支持部材Ｂｓにおける本体部Ｂｓｐに対して下方に配置されていると共に、支持部材Ｂｓに対して固定されている。このように、係止部Ｂｂは、回転軸Ｂｘ及び係止駆動部Ｍｂを介して支持部材Ｂｓに支持されている。そして、係止部Ｂｂは、回転軸Ｂｘの回転に伴って移載方向Ｘに沿う軸心まわりに回転する。従って、回転軸Ｂｘの軸心が係止部Ｂｂの回転軸心Ｂｘａに相当する。
【0053】
本実施形態では、係止部Ｂｂは、回転軸心Ｂｘａまわりに回転することで、上述の係止姿勢と非係止姿勢とに姿勢変更する。係止部Ｂｂは、係止姿勢において、その一部が支持部材Ｂｓの本体部Ｂｓｐよりも上方に突出し（図１１参照）、非係止姿勢において、その全部が支持部材Ｂｓの本体部Ｂｓｐよりも下方に配置される（図１０参照）。
【0054】
本実施形態では、係止部Ｂｂは、押圧部Ｂａよりも移載方向卸し側Ｘ１に配置される。また、係止部Ｂｂと押圧部Ｂａとの移載方向Ｘの位置関係が固定されている。
【0055】
本実施形態では、係止部Ｂｂは、回転軸心Ｂｘａに直交する方向に沿って延在する棒状又は帯板状に形成されている。図示の例では、係止部Ｂｂは棒状に形成されている。本例では、係止部Ｂｂは、係止姿勢において容器後面部７０Ｒにおける幅方向Ｙの中央部に位置するように配置されている。これにより、容器後面部７０Ｒにおける幅方向Ｙの中央部に配置された凹部７５に対して、適切な位置に係止部Ｂｂを配置することが可能となっている。
【0056】
本実施形態では、支持部材Ｂｓに、容器７０に対する係止部Ｂｂの相対位置を検出する検出器Ｓｅが設けられている。検出器Ｓｅは、容器７０に対する係止部Ｂｂの相対位置が係止可能範囲ＬＲにあることを検出する。係止可能範囲ＬＲは、係止部Ｂｂが係止姿勢となった場合に容器７０の係止用壁部７６に対して移載方向卸し側Ｘ１に形成された凹部７５に位置するような、容器７０に対する係止部Ｂｂの相対位置の範囲である。本例では、係止可能範囲ＬＲは、容器７０における周壁部７２と係止用壁部７６との移載方向Ｘの離間距離に相当する範囲に設定されている。
【0057】
本実施形態において、係止部Ｂｂは、容器７０に対する相対位置が規定の係止可能範囲ＬＲにある状態、すなわち、係止部Ｂｂが係止可能範囲ＬＲにあることが検出器Ｓｅによって検出された場合に、係止駆動部Ｍｂにより回転駆動されることで、容器７０の凹部７５に挿入される係止姿勢と、当該凹部７５から出る非係止姿勢と、に姿勢変更可能に構成されている。
【0058】
規制部Ｂｃは、卸し動作及び掬い動作において、容器７０の上下方向への移動を規制するように構成されている。本実施形態では、規制部Ｂｃは、押圧部Ｂａに対して幅方向Ｙの両側に１つずつ配置されている。
【0059】
図９に示すように、規制部Ｂｃは、卸し動作中（換言すれば、押圧部Ｂａが容器後面部７０Ｒに当接した状態）及び掬い動作中（換言すれば、係止部Ｂｂが凹部７５に挿入された状態）において移載用リブ部７４に対して上側であって上下方向視で移載用リブ部７４と重複する位置に配置される上側押さえ部Ｂｃｂを備えている。また、本実施形態において、規制部Ｂｃは、卸し動作中及び掬い動作中に移載用リブ部７４に対して下側であって上下方向視で移載用リブ部７４と重複する位置に配置される下側押さえ部Ｂｃｃを更に備えている。
【0060】
本実施形態において、上側押さえ部Ｂｃｂは、支持部材Ｂｓの本体部Ｂｓｐの上面から上方に立ち上がるように形成された基部Ｂｃａの上端側から移載方向卸し側Ｘ１に向けて延設されている。
【0061】
図９に示すように、本実施形態では、移載用リブ部７４の上面と上側押さえ部Ｂｃｂの下面との設計上の距離を距離Ｄ１とし、移載用リブ部７４の移載方向Ｘにおける端面（移載方向掬い側Ｘ２の端面）と上側押さえ部Ｂｃｂの移載方向Ｘにおける端面（移載方向卸し側Ｘ１の端面）との上下方向視での設計上の距離を距離Ｄ２とした場合に、距離Ｄ１が距離Ｄ２よりも小さい。なお、本実施形態では、距離Ｄ１が「リブ部と上側押さえ部との上下方向の距離」に相当し、距離Ｄ２が「上下方向視でのリブ部と上側押さえ部との移載方向の重複長さ」に相当する。また、以下において、「設計上の距離」とは、理想どおりの卸し動作及び掬い動作が行われている状態での距離をいうものとする。
【0062】
また、図１１に示すように、本実施形態では、係止部Ｂｂが係止姿勢である場合における当該係止部Ｂｂの上端面と凹部７５の係止用壁部７６の下端面との移載方向Ｘ視での設計上の距離を距離Ｄ３とした場合に、距離Ｄ１が距離Ｄ３よりも小さい。なお、本実施形態では、距離Ｄ３が「係止部と凹部との上下方向の重複長さ」に相当する。
【0063】
ここで、卸し動作時や掬い動作時に振動が生じた場合や容器７０に仕切りがあるような場合、容器７０内の物品が移載方向Ｘの一方側に偏って偏荷重が生じることがある。この場合、卸し動作中や掬い動作中に容器後面部７０Ｒの側が容器前面部７０Ｆの側よりも上側に持ち上がるように容器７０が傾き、例えば、掬い動作中に係止部Ｂｂが凹部７５から抜けて掬い動作を正常に行えないという問題が生じ得る。また、容器７０内の物品が幅方向Ｙの一方側に偏っているような場合には、卸し動作中や掬い動作中に容器７０が移載方向Ｘと平行な軸に回りに回転して容器７０が傾き、同様の問題が生じ得る。このように、容器７０に意図しない傾きが生じると、卸し動作や掬い動作に支障を来す虞がある。
【0064】
本実施形態の搬送装置１００では、卸し動作中及び掬い動作中に容器後面部７０Ｒの側が容器前面部７０Ｆの側よりも上側に持ち上がるように容器７０が傾きそうになったとしても、規制部Ｂｃにおける上側押さえ部Ｂｃｂの下面が移載用リブ部７４の上面に当接することで、容器７０の移動が上側押さえ部Ｂｃｂにより規制される。従って、卸し動作中及び掬い動作中における容器７０の姿勢を正しく維持できる。
【0065】
本実施形態において、下側押さえ部Ｂｃｃは、基部Ｂｃａの下端側から移載方向卸し側Ｘ１に向けて延設されている。下側押さえ部Ｂｃｃの上面は、掬い動作において容器７０の移載用リブ部７４の下面に当接して容器７０を下方から支持することができる。また、下側押さえ部Ｂｃｃの上面は、卸し動作中及び掬い動作中に容器７０が傾いた際に、移載用リブ部７４の下面に当接する。
【0066】
図９に示すように、本実施形態において、移載用リブ部７４と下側押さえ部Ｂｃｃとの距離、具体的には移載用リブ部７４の下面と下側押さえ部Ｂｃｃの上面との設計上の距離を距離Ｄ４とする。また、移載用リブ部７４の移載方向Ｘにおける端面（移載方向掬い側Ｘ２の端面）と下側押さえ部Ｂｃｃの移載方向Ｘにおける端面（移載方向卸し側Ｘ１の端面）との上下方向視での設計上の距離（換言すれば、上下方向視での移載用リブ部７４と下側押さえ部Ｂｃｃとの移載方向の重複長さ）を距離Ｄ５とする。本実施形態では、距離Ｄ４が距離Ｄ５よりも小さい。
【0067】
上記のように、偏荷重が生じると、卸し動作中や掬い動作中に容器前面部７０Ｆの側が容器後面部７０Ｒの側よりも上側に持ち上がるように容器７０が傾き、例えば、卸し動作中に容器７０が載置部材８３に乗り上げ、卸し動作が正常に行えないという問題が生じ得る。
【0068】
本実施形態の搬送装置１００では、卸し動作中及び掬い動作中に容器前面部７０Ｆの側が容器後面部７０Ｒの側よりも上側に持ち上がるように容器７０が傾きそうになったとしても、規制部Ｂｃにおける下側押さえ部Ｂｃｃの上面が移載用リブ部７４の下面に当接することで、容器７０の移動が下側押さえ部Ｂｃｃにより規制される。従って、卸し動作中及び掬い動作中における容器７０の姿勢を正しく維持できる。
【0069】
〔掬い動作〕
次に、図１０～図１３を参照して、移載装置４による容器７０の掬い動作について説明する。なお、図１０及び図１１は、掬い動作を行う際の移載装置４及び容器７０の要部を示す図である。図１２は、棚部８０に対する容器７０の掬い動作を示し、図１３は、段積み領域２Ａに対する容器７０の掬い動作を示している。
次に、図１０～図１３を参照して、移載装置４による容器７０の掬い動作について説明する。なお、図１０及び図１１は、掬い動作を行う際の移載装置４及び容器７０の要部を示す図である。図１２は、棚部８０に対する容器７０の掬い動作を示し、図１３は、段積み領域２Ａに対する容器７０の掬い動作を示している。
【0070】
図１０に示すように、移載装置４は、掬い動作を行う場合に、係止部Ｂｂを、非係止姿勢とした状態で係止可能範囲ＬＲに配置する。本実施形態では、移載装置４は、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ、及び規制部Ｂｃを移載方向卸し側Ｘ１へ一体的に移動させることで、係止部Ｂｂを係止可能範囲ＬＲに配置する。移載装置４は、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ、及び規制部Ｂｃの移載方向卸し側Ｘ１への移動を、移載駆動部Ｍｓによって支持部材Ｂｓを駆動することにより行う。係止部Ｂｂが係止可能範囲ＬＲに配置されたか否かは、検出器Ｓｅによる検出結果に基づいて判断される。なお、規制部Ｂｃは、係止部Ｂｂが係止可能範囲ＬＲにある状態で、下側押さえ部Ｂｃｃが移載用リブ部７４の下面に対して下方から対向する位置に配置される。
【0071】
図１１に示すように、移載装置４は、検出器Ｓｅによって係止部Ｂｂが係止可能範囲ＬＲに配置されたことが検出された場合に、係止部Ｂｂを非係止姿勢から係止姿勢に姿勢変更させる。移載装置４は、係止部Ｂｂの姿勢変更を、係止駆動部Ｍｂによって係止部Ｂｂを駆動することにより行う。図１１に示すように、係止部Ｂｂが係止姿勢になると、係止部Ｂｂと押圧部Ｂａとが、容器７０の係止用壁部７６を挟んで移載方向Ｘの両側に分かれて配置された状態となる。また、本実施形態では、係止部Ｂｂが係止姿勢になった際に、換言すれば、係止部Ｂｂが凹部７５に挿入された状態になった際に、距離Ｄ１が距離Ｄ２よりも小さく、且つ、距離Ｄ４が距離Ｄ５よりも小さくなるように、規制部Ｂｃの上側押さえ部Ｂｃｂと下側押さえ部Ｂｃｃとの間に移載用リブ部７４が位置した状態となる（図９も参照）。また、本実施形態では、係止部Ｂｂが係止姿勢になった際に、距離Ｄ１が距離Ｄ３よりも小さい状態となる。
【0072】
ついで、棚部８０に対する容器７０の掬い動作を行う場合、図１２に示すように、移載装置４は、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ、及び規制部Ｂｃを移載方向掬い側Ｘ２へ一体的に移動させることで、係止部Ｂｂを移載方向掬い側Ｘ２へ移動させ、容器７０を移載方向掬い側Ｘ２へ引き込む。すなわち、移載装置４は、係止姿勢の係止部Ｂｂを、移載駆動部Ｍｓにより移載方向掬い側Ｘ２へ移動させることで、容器７０の掬い動作を行う。
【0073】
一方、段積み領域２Ａに対する容器７０の掬い動作を行う場合には、移載装置４は、移載用リブ部７４の下面に対して下方から対向する位置に配置された規制部Ｂｃを上昇させて、当該規制部Ｂｃの下側押さえ部Ｂｃｃの上面を移載用リブ部７４の下面に当接させて、移載用リブ部７４を持ち上げる。これにより、図１３に示すように、容器後面部７０Ｒが持ち上げられ、掬い対象の容器７０の嵌合部７７における移載方向掬い側Ｘ２の端部が、その下の段に配置された容器７０の開口部７１から上方に離間する。その後、棚部８０に対する容器７０の掬い動作を行う場合と同様に、移載装置４は、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ、及び規制部Ｂｃを移載方向掬い側Ｘ２へ一体的に移動させることで、係止部Ｂｂを移載方向掬い側Ｘ２へ移動させ、容器７０を移載方向掬い側Ｘ２へ引き込む。
【0074】
以上のようにして、容器７０の掬い動作が行われる。当該掬い動作は、制御装置Ｃ（図５参照）が搬送装置１００の各機能部を制御することにより行われる。
【0075】
〔卸し動作〕
次に、図１４～図１６を参照して、移載装置４による容器７０の卸し動作について説明する。なお、図１４は、卸し動作を行う際の移載装置４及び容器７０の要部を示す図である。図１５は、棚部８０に対する容器７０の卸し動作を示し、図１６は、段積み領域２Ａに対する容器７０の卸し動作を示している。
次に、図１４～図１６を参照して、移載装置４による容器７０の卸し動作について説明する。なお、図１４は、卸し動作を行う際の移載装置４及び容器７０の要部を示す図である。図１５は、棚部８０に対する容器７０の卸し動作を示し、図１６は、段積み領域２Ａに対する容器７０の卸し動作を示している。
【0076】
図１４に示すように、移載装置４は、卸し動作を行う場合に、押圧部Ｂａを、容器後面部７０Ｒに当接させ、当該押圧部Ｂａにより容器７０を移載方向卸し側Ｘ１へ向けて押圧する。本例では、移載装置４は、押圧部Ｂａを、容器７０の係止用壁部７６に当接させて押圧する。なお、本実施形態では、押圧部Ｂａが係止用壁部７６に当接した状態になった際に、距離Ｄ１が距離Ｄ２よりも小さく、且つ、距離Ｄ４が距離Ｄ５よりも小さくなるように、規制部Ｂｃの上側押さえ部Ｂｃｂと下側押さえ部Ｂｃｃとの間に移載用リブ部７４が位置した状態となる。
【0077】
本実施形態では、棚部８０に対する容器７０の卸し動作を行う場合、図１５に示すように、移載装置４は、容器７０の係止用壁部７６に押圧部Ｂａを当接させた状態で、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ、及び規制部Ｂｃを移載方向卸し側Ｘ１へ一体的に移動させることで、押圧部Ｂａを移載方向卸し側Ｘ１へ移動させる。
【0078】
一方、段積み領域２Ａに対する容器７０の卸し動作を行う場合、図１６に示すように、移載装置４は、容器７０の係止用壁部７６に押圧部Ｂａを当接させた状態で、押圧部Ｂａ、係止部Ｂｂ、及び規制部Ｂｃを移載方向卸し側Ｘ１へ一体的に移動させることで、押圧部Ｂａを移載方向卸し側Ｘ１へ移動させる。本例では、移載装置４は、段積み領域２Ａにおける卸し先となる容器７０よりも上方の位置で、卸し対象の容器７０を移載方向卸し側Ｘ１へ向けて押圧する。そして、移載装置４は、卸し対象の容器７０が保持部Ａよりも移載方向卸し側Ｘ１へ突出することで保持部Ａによる支持を失って段積み領域２Ａにおいて下降すると、規制部Ｂｃの下側押さえ部Ｂｃｃによって移載用リブ部７４の下面を支持する状態となる。これにより、卸し対象の容器７０における容器後面部７０Ｒが規制部Ｂｃの下側押さえ部Ｂｃｃによって支持される。その後、規制部Ｂｃを下降させることで、卸し対象の容器７０が、卸し先となる容器７０に対して上方から嵌合する。これにより、卸し対象の容器７０が段積み領域２Ａに段積みされる。
【0079】
以上のようにして、容器７０の卸し動作が行われる。当該卸し動作は、制御装置Ｃ（図５参照）が搬送装置１００の各機能部を制御することにより行われる。
【0080】
〔その他の実施形態〕
次に、搬送車のその他の実施形態について説明する。
次に、搬送車のその他の実施形態について説明する。
【0081】
（１）上記の実施形態では、押圧部Ｂａと係止部Ｂｂとが別部材となっている態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。押圧部と係止部とが共通である態様であってもよい。この場合、例えば、上記実施形態における係止部Ｂｂの移載方向卸し側Ｘ１の面で容器７０を移載方向卸し側Ｘ１に向けて押圧する。
【0082】
（２）上記実施形態では、移載方向Ｘが水平方向に沿う方向である態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。移載方向Ｘは、水平に対して傾いていてもよい。
【0083】
（３）上記実施形態では、規制部Ｂｃが押圧部Ｂａ及び係止部Ｂｂに対して幅方向Ｙの両側に配置され、計２つの規制部Ｂｃが設けられている態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。押圧部Ｂａ及び係止部Ｂｂに対して幅方向Ｙの一方側にのみ一又は複数の規制部Ｂｃが配置されている態様であってもよいし、押圧部Ｂａ及び係止部Ｂｂに対して幅方向Ｙの両側のそれぞれに複数の規制部Ｂｃが配置されている態様であってもよい。
【0084】
（４）上記実施形態では、係止駆動部Ｍｂが設けられている態様について説明したが、この態様に限定されるものではなく、係止駆動部Ｍｂが設けられていない態様であってもよい。
【0085】
（５）上記実施形態では、卸し動作中に係止部Ｂｂを非係止姿勢とする態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。卸し動作中に係止部Ｂｂを係止姿勢とする態様であってもよい。なお、この態様においても、掬い動作を行う際に棚部８０や段積み領域２Ａの容器７０に係止部Ｂｂを接近させるための移動や、卸し動作を行う際に容器７０に押圧部Ｂａを当接させるために当該押圧部Ｂａと一体となった係止部Ｂｂの移動、すなわち、容器７０の移動を伴わない係止部Ｂｂの移動中は、非係止姿勢とする。
【0086】
（６）上記実施形態では、規制部Ｂｃが下側押さえ部Ｂｃｃを備える態様について説明したが、この態様に限定されるものではなく、規制部Ｂｃが下側押さえ部Ｂｃｃを備えていない態様であってもよい。
【0087】
（７）なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0088】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した搬送車について説明する。
以下、上記において説明した搬送車について説明する。
【0089】
容器を搬送する搬送装置であって、
前記容器を保持する保持部を有する移載装置を備え、
前記移載装置は、水平方向に沿う移載方向に沿って前記容器を移動させて、前記保持部から移載対象箇所へ前記容器を移載する卸し動作、及び前記移載対象箇所から前記保持部へ前記容器を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成され、
前記移載方向における前記保持部から前記移載対象箇所へ向かう側を移載方向卸し側、前記移載方向における前記移載対象箇所から前記保持部へ向かう側を移載方向掬い側とし、上下方向視で前記移載方向に直交する方向を幅方向とし、前記容器における前記移載方向卸し側を向く部分を容器前面部、前記容器における前記移載方向掬い側を向く部分を容器後面部として、
前記移載装置は、前記卸し動作において前記容器を押圧する押圧部と、前記掬い動作において前記容器に係止される係止部と、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の少なくとも一方側に配置されて前記卸し動作及び前記掬い動作における前記容器の上下動を規制する規制部と、前記押圧部、前記係止部、及び前記規制部を前記移載方向に沿って往復移動させる移載駆動部と、を備え、
前記容器後面部に、下側に向かって開口する凹部と、前記移載方向掬い側に突出すると共に前記容器後面部に沿って水平方向に延在するように形成されたリブ部と、が設けられ、
前記移載装置は、前記押圧部を、前記容器後面部に当接させた状態で前記移載駆動部により前記移載方向卸し側へ移動させることで、前記卸し動作を行い、前記係止部を、前記凹部に対して下側から挿入した状態で前記移載駆動部により前記移載方向掬い側へ移動させることで、前記掬い動作を行い、
前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して上側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される上側押さえ部を備える。
前記容器を保持する保持部を有する移載装置を備え、
前記移載装置は、水平方向に沿う移載方向に沿って前記容器を移動させて、前記保持部から移載対象箇所へ前記容器を移載する卸し動作、及び前記移載対象箇所から前記保持部へ前記容器を移載する掬い動作を含む移載動作を行うように構成され、
前記移載方向における前記保持部から前記移載対象箇所へ向かう側を移載方向卸し側、前記移載方向における前記移載対象箇所から前記保持部へ向かう側を移載方向掬い側とし、上下方向視で前記移載方向に直交する方向を幅方向とし、前記容器における前記移載方向卸し側を向く部分を容器前面部、前記容器における前記移載方向掬い側を向く部分を容器後面部として、
前記移載装置は、前記卸し動作において前記容器を押圧する押圧部と、前記掬い動作において前記容器に係止される係止部と、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の少なくとも一方側に配置されて前記卸し動作及び前記掬い動作における前記容器の上下動を規制する規制部と、前記押圧部、前記係止部、及び前記規制部を前記移載方向に沿って往復移動させる移載駆動部と、を備え、
前記容器後面部に、下側に向かって開口する凹部と、前記移載方向掬い側に突出すると共に前記容器後面部に沿って水平方向に延在するように形成されたリブ部と、が設けられ、
前記移載装置は、前記押圧部を、前記容器後面部に当接させた状態で前記移載駆動部により前記移載方向卸し側へ移動させることで、前記卸し動作を行い、前記係止部を、前記凹部に対して下側から挿入した状態で前記移載駆動部により前記移載方向掬い側へ移動させることで、前記掬い動作を行い、
前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して上側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される上側押さえ部を備える。
【0090】
本構成によれば、卸し動作中及び掬い動作中に容器後面部の側が容器前面部の側よりも上側に持ち上がりそうになった場合には、上昇しようとするリブ部の移動が上側押さえ部により規制される。従って、卸し動作中及び掬い動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い。そのため、例えば容器に収容された物品の重心位置に移載方向の偏りがある場合でも、容器後面部が持ち上がった状態になり難くすることができる。
【0091】
ここで、一対の前記規制部が、前記押圧部及び前記係止部に対して前記幅方向の両側に分かれて配置されている、と好適である。
【0092】
本構成によれば、一対の規制部により、押圧部及び係止部に対して幅方向の両側でリブ部の上下動を規制することができる。従って、容器の幅方向の傾きも小さく抑え易い。
【0093】
また、前記卸し動作中及び前記掬い動作中における前記リブ部と前記上側押さえ部との上下方向の距離は、上下方向視での前記リブ部と前記上側押さえ部との前記移載方向の重複長さよりも小さい、と好適である。
【0094】
本構成によれば、卸し動作中及び掬い動作中に容器後面部の側が容器前面部の側よりも上側に持ち上がりそうになった場合にリブ部の移動を上側押さえ部により適切に規制できる。従って、卸し動作中及び掬い動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い。
【0095】
また、前記卸し動作中及び前記掬い動作中における前記リブ部と前記上側押さえ部との上下方向の距離は、前記係止部と前記凹部との上下方向の重複長さよりも小さい、と好適である。
【0096】
本構成によれば、卸し動作中及び掬い動作中に容器後面部の側が容器前面部の側よりも上側に持ち上がりそうになった場合にリブ部の移動を上側押さえ部により適切に規制できる。従って、卸し動作中及び掬い動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い。
【0097】
また、前記移載装置は、前記押圧部とは別に前記係止部を駆動して当該係止部に姿勢変更を行わせる係止駆動部を更に備え、
前記係止部は、前記容器に対する相対位置が規定の係止可能範囲にある状態で前記係止駆動部により駆動されることで、前記凹部に挿入される係止姿勢と、前記凹部から出る非係止姿勢と、に姿勢変更可能であり、
前記掬い動作中は、前記係止部を前記係止姿勢とする、と好適である。
前記係止部は、前記容器に対する相対位置が規定の係止可能範囲にある状態で前記係止駆動部により駆動されることで、前記凹部に挿入される係止姿勢と、前記凹部から出る非係止姿勢と、に姿勢変更可能であり、
前記掬い動作中は、前記係止部を前記係止姿勢とする、と好適である。
【0098】
本構成によれば、係止部が姿勢変更を行うことにより、係止部を凹部に挿入した状態と、係止部が凹部に挿入されていない状態との双方を容易に実現できる。従って、掬い動作のために係止部を移載方向卸し側に移動させ、係止部を凹部に挿入し、係止部を移載方向掬い側に移動させて掬い動作を行うという一連の動きを円滑に行うことができる。
【0099】
また、前記規制部は、前記卸し動作中及び前記掬い動作中に前記リブ部に対して下側であって上下方向視で前記リブ部と重複する位置に配置される下側押さえ部をさらに備える、と好適である。
【0100】
本構成によれば、卸し動作中及び掬い動作中に容器前面部の側が容器後面部の側よりも上側に持ち上がりそうになった場合には、反対に下降しようとするリブ部の移動が下側押さえ部により規制される。従って、卸し動作中及び掬い動作中における容器の姿勢を正しく維持し易い。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示に係る技術は、容器を搬送する搬送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
１００ ：搬送装置
４０ ：移載用マスト（マスト）
４０Ｂ ：移載用昇降体（昇降体）
４１Ａ ：第１保持部（保持部）
４１Ｂｂ ：第１係止部（係止部）
４１Ｂｃ ：第１規制部（規制部）
４１Ｍｂ ：第１係止駆動部（係止駆動部）
４１Ｍｓ ：第１移載駆動部（移載駆動部）
４２Ａ ：第２保持部（保持部）
４２Ｂｂ ：第２係止部（係止部）
４２Ｂｃ ：第２規制部（規制部）
４２Ｍｂ ：第２係止駆動部（係止駆動部）
４２Ｍｓ ：第２移載駆動部（移載駆動部）
７０ ：容器
７０Ｆ ：容器前面部
７０Ｒ ：容器後面部
７４ ：移載用リブ部（リブ部）
７５ ：凹部
８０ ：棚部
Ａ ：保持部
Ｂａ ：押圧部
Ｂｂ ：係止部
Ｂｃ ：規制部
Ｂｃｂ ：上側押さえ部
Ｂｃｃ ：下側押さえ部
Ｄ１ ：距離
Ｄ２ ：距離（重複長さ）
Ｄ３ ：距離（重複長さ）
ＬＲ ：係止可能範囲
Ｍｂ ：係止駆動部
Ｍｓ ：移載駆動部
Ｔ ：移載対象箇所
Ｘ ：移載方向
Ｘ１ ：移載方向卸し側
Ｘ２ ：移載方向掬い側
Ｙ ：幅方向
４０ ：移載用マスト（マスト）
４０Ｂ ：移載用昇降体（昇降体）
４１Ａ ：第１保持部（保持部）
４１Ｂｂ ：第１係止部（係止部）
４１Ｂｃ ：第１規制部（規制部）
４１Ｍｂ ：第１係止駆動部（係止駆動部）
４１Ｍｓ ：第１移載駆動部（移載駆動部）
４２Ａ ：第２保持部（保持部）
４２Ｂｂ ：第２係止部（係止部）
４２Ｂｃ ：第２規制部（規制部）
４２Ｍｂ ：第２係止駆動部（係止駆動部）
４２Ｍｓ ：第２移載駆動部（移載駆動部）
７０ ：容器
７０Ｆ ：容器前面部
７０Ｒ ：容器後面部
７４ ：移載用リブ部（リブ部）
７５ ：凹部
８０ ：棚部
Ａ ：保持部
Ｂａ ：押圧部
Ｂｂ ：係止部
Ｂｃ ：規制部
Ｂｃｂ ：上側押さえ部
Ｂｃｃ ：下側押さえ部
Ｄ１ ：距離
Ｄ２ ：距離（重複長さ）
Ｄ３ ：距離（重複長さ）
ＬＲ ：係止可能範囲
Ｍｂ ：係止駆動部
Ｍｓ ：移載駆動部
Ｔ ：移載対象箇所
Ｘ ：移載方向
Ｘ１ ：移載方向卸し側
Ｘ２ ：移載方向掬い側
Ｙ ：幅方向
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】