(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070660
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20240516BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B62D25/20 Z
G01S7/481 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181286
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】別所 弘樹
【テーマコード(参考)】
3D203
5J084
【Fターム(参考)】
3D203DB03
5J084AA01
5J084AC02
5J084DA04
(57)【要約】
【課題】作業車において、障害物センサーを機体フレームに取り付ける為の構造を簡素に得る。
【解決手段】走行装置1,2が設けられた機体フレームと、作業装置を取り付ける為のヒッチ又は牽引する為のヒッチを取り付け及び取り外し可能で、機体フレームの前部又は後部に設けられたヒッチ取付部46,47とが備えられる。障害物を検出する障害物センサー51,52を支持して、ヒッチ取付部46,47に取り付け及び取り外し可能なセンサー支持部48が備えられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置が設けられた機体フレームと、
作業装置を取り付ける為のヒッチ又は牽引する為のヒッチを取り付け及び取り外し可能で、前記機体フレームの前部又は後部に設けられたヒッチ取付部とが備えられ、
障害物を検出する障害物センサーを支持して、前記ヒッチ取付部に取り付け及び取り外し可能なセンサー支持部が備えられている作業車。
【請求項2】
前記センサー支持部は、前記障害物センサーを支持して左右方向に沿った第1部分と、前記第1部分に取り付けられ前後方向に沿った第2部分とを有し、
前記第2部分が前記ヒッチ取付部に挿入されることにより、前記センサー支持部が前記ヒッチ取付部に取り付けられる請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
赤外線又は超音波により障害物を検出する第1の前記障害物センサーが、前記第1部分に支持され、
障害物に接触することにより障害物を検出する第2の前記障害物センサーが、前記第1部分において、第1の前記障害物センサーに対して右側の部分及び左側の部分に支持されている請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記センサー支持部が前記ヒッチ取付部に取り付けられると、前記第1部分が、前の前記走行装置よりも前側又は後の前記走行装置よりも後側に位置する請求項2又は3に記載の作業車。
【請求項5】
前記第1部分が、右の前記走行装置と左の前記走行装置とに亘る長さを有している請求項4に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車において、機体フレームの前部又は後部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された作業車では、機体フレームの前部及び後部に、ヒッチ取付部が設けられている。
作業装置の取付用のヒッチを、前又は後のヒッチ取付部に取り付けることにより、作業装置を機体フレームに取り付けることができる。牽引用のヒッチを機体フレームの後のヒッチ取付部に取り付けることにより、作業車で台車を牽引することができる。作業車が軟弱地で走行不能になった場合、牽引用のヒッチを前又は後のヒッチ取付部に取り付けることにより、作業車を軟弱地から移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-13692号公報(
図1,4,5,6の10A,11Bを参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴルフカート等の作業車では、赤外線や超音波を利用して障害物を検出する障害物センサーや、障害物に接触することにより障害物を検出する障害物センサーが、作業車の前部(後部)に設けられることがある。
【0005】
本発明は、作業車において、障害物センサーを機体フレームに取り付ける為の構造を簡素に得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車は、走行装置が設けられた機体フレームと、作業装置を取り付ける為のヒッチ又は牽引する為のヒッチを取り付け及び取り外し可能で、前記機体フレームの前部又は後部に設けられたヒッチ取付部とが備えられ、障害物を検出する障害物センサーを支持して、前記ヒッチ取付部に取り付け及び取り外し可能なセンサー支持部が備えられている。
【0007】
本発明によると、ヒッチ取付部が機体フレームの前部又は後部に設けられており、作業装置の取付用のヒッチや牽引用のヒッチをヒッチ取付部に取り付けることができる。
本発明によると、障害物センサーがセンサー支持部に支持されており、センサー支持部を機体フレームに取り付ける場合、ヒッチをヒッチ取付部から取り外し、センサー支持部をヒッチ取付部に取り付ければよい。これにより、障害物センサーを機体フレームの前部又は後部に取り付けることができる。
ヒッチをヒッチ取付部に取り付ける必要がある場合、センサー支持部をヒッチ取付部から取り外して、ヒッチをヒッチ取付部に取り付ければよい。
【0008】
本発明によると、ヒッチ取付部を有効に利用して、障害物センサー(センサー支持部)を機体フレームに取り付けることができるように構成することにより、ヒッチ取付部をヒッチの取付用と障害物センサーの取付用に兼用することができて、障害物センサーを機体フレームに取り付ける為の構造の簡素化を図ることができる。
【0009】
本発明において、前記センサー支持部は、前記障害物センサーを支持して左右方向に沿った第1部分と、前記第1部分に取り付けられ前後方向に沿った第2部分とを有し、前記第2部分が前記ヒッチ取付部に挿入されることにより、前記センサー支持部が前記ヒッチ取付部に取り付けられると好適である。
【0010】
本発明によると、複数の障害物センサーを設ける場合、センサー支持部の第1部分が左右方向に沿ったものであるので、複数の障害物センサーをセンサー支持部の第1部分に容易に支持させることができる。
センサー支持部の第2部分をヒッチ取付部に挿入することにより、センサー支持部をヒッチ取付部に取り付けることができるので、センサー支持部の取付操作が容易なものとなる。
【0011】
本発明において、赤外線又は超音波により障害物を検出する第1の前記障害物センサーが、前記第1部分に支持され、障害物に接触することにより障害物を検出する第2の前記障害物センサーが、前記第1部分において、第1の前記障害物センサーに対して右側の部分及び左側の部分に支持されていると好適である。
【0012】
本発明によると、複数の障害物センサーを設ける場合、第1の障害物センサーが、センサー支持部の第1部分の左右中央側の部分に支持され、第2障害物センサーが、センサー支持部の第1部分の右部及び左部に設けられる。
これにより、障害物が比較的少ない広い作業地を作業車が走行する場合、作業車から比較的遠い障害物を、第1の障害物センサーにより適切に検出することができる。果樹園や森林等のように、多数の障害物が存在する作業地を作業車が走行する場合、作業車に近い障害物を、第2の障害物センサーにより適切に検出することができる。
【0013】
本発明において、前記センサー支持部が前記ヒッチ取付部に取り付けられると、前記第1部分が、前の前記走行装置よりも前側又は後の前記走行装置よりも後側に位置すると好適である。
【0014】
本発明によると、センサー支持部がヒッチ取付部に取り付けられた場合、センサー支持部の第1部分が、前の走行装置よりも前側に位置する(後の走行装置よりも後側に位置する)。これにより、センサー支持部を十分な強度を有するものに構成すれば、センサー支持部の第1部分をバンパーとして機能させることができる。
【0015】
本発明において、前記第1部分が、右の前記走行装置と左の前記走行装置とに亘る長さを有していると好適である。
【0016】
本発明によると、センサー支持部がヒッチ取付部に取り付けられた場合、センサー支持部の第1部分が、右の走行装置と左の走行装置とに亘るので、センサー支持部の第1部分をバンパーとして機能させる際、バンパーの機能をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】機体フレーム、ロプスフレーム、座席フレーム及びバッテリ等を示す左側面図である。
【
図4】機体フレーム、座席フレーム及びバッテリ等を示す平面図である。
【
図5】機体フレーム、ロプスフレーム、座席フレーム及びバッテリ等を示す分解左側面図である。
【
図6】センサー支持部及びヒッチ取付部の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~
図6に、作業車の一例である電動型式の多目的の作業車が示されており、
図1~
図6において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0019】
(作業車の全体構成)
図1及び
図2に示すように、機体フレーム3が設けられ、機体フレーム3の前部に右及び左の走行用の前輪1(走行装置に相当)が支持され、機体フレーム3の後部に右及び左の走行用の後輪2(走行装置に相当)が支持されており、前輪1及び後輪2により機体フレーム3が支持されている。
【0020】
運転者及び作業者が搭乗する搭乗部4が、機体フレーム3における前輪1と後輪2との間の部分に支持されており、ロプスフレーム5により搭乗部4が囲まれている。搭乗部4に、運転席6(座席に相当)及び助手席7(座席に相当)、フロア8、前輪1を操向操作する操縦ハンドル9等が設けられている。
【0021】
ボンネット10が搭乗部4に対して前側に設けられており、荷台11が搭乗部4に対して後側に設けられている。荷台11は、
図1の実線で示す使用姿勢と、荷台11の後部下部を支点として荷台11の前部が持ち上げられたダンプ姿勢(
図1の二点鎖線を参照)とに、昇降操作可能である。
【0022】
(機体フレームの構成)
図1~
図4に示すように、機体フレーム3は、第1フレーム部分21、第2フレーム部分22、第3フレーム部分23、第4フレーム部分24、第5フレーム部分25、第6フレーム部分26、第7フレーム部分27等を有している。
【0023】
第1フレーム部分21は、搭乗部4(フロア8)の下方に位置しており、前後方向に沿って設けられている。第2フレーム部分22は、第1フレーム部分21の後部に連結されており、第1フレーム部分21の後部から上方に向けて延出されている。第3フレーム部分23は、第2フレーム部分22の上部に連結されており、第2フレーム部分22の上部から後方に向けて延出されている。
【0024】
第4フレーム部分24は、第1フレーム部分21の後部に連結されており、第1フレーム部分21の後部から後方に向けて延出されている。左右方向に沿ったフレーム28が、右及び左の第4フレーム部分24の後部に亘って連結されている。上下方向に沿ったフレーム29が、第3フレーム部分23の後部と第4フレーム部分24の後部とに亘って連結されている。
【0025】
第5フレーム部分25は、第1フレーム部分21の前部に連結されており、第1フレーム部分21の前部から前方に向けて延出されている。上下方向に沿ったフレーム30が、第1フレーム部分21の前部に連結されており、第1フレーム部分21の前部から上方に向けて延出されている。
【0026】
第6フレーム部分26は、フレーム30の上部に連結されており、フレーム30の上部から前方に向けて延出されている。フロントガード12が、第5フレーム部分25の前部と第6フレーム部分26の前部とに亘って連結されている。
【0027】
図3及び
図4に示すように、右及び左の前支持部15が、フレーム30の上部に連結されており、左右方向に沿ったフレーム13が、右及び左の前支持部15に亘って連結されている。左右方向に沿ったフレーム14が、右及び左の第3フレーム部分23の前部に亘って連結されており、右及び左の後支持部16が、フレーム14の右部及び左部に連結されている。
【0028】
第7フレーム部分27は、側面視でU字状(チャンネル状)に形成されており、第7フレーム部分27の前上部が前支持部15に連結され、第7フレーム部分27の後上部が後支持部16に連結されている。フロア8が、第1フレーム部分21の前部と、第7フレーム部分27の前下部とに亘って連結されている。右及び左のサイドガード40が、後支持部16と第7フレーム部分27の後下部とに亘って連結されている。
【0029】
(走行系の構成)
図1及び
図2に示すように、後輪2が、第3フレーム部分23の後部及び第4フレーム部分24の後部に、サスペンション機構(図示せず)により支持されている。ミッションケース17が、第4フレーム部分24に支持されており、モータ18がミッションケース17の前部に連結されている。
【0030】
副変速装置(図示せず)及び後輪デフ装置(図示せず)が、ミッションケース17の内部に設けられており、モータ18の動力が、副変速装置に伝達され変速されて、後輪デフ装置から駆動軸19を介して後輪2に伝達される。
【0031】
前輪1が、第5フレーム部分25及び第6フレーム部分26に、サスペンション機構(図示せず)により支持されており、前輪デフ装置20が第5フレーム部分25に支持されている。ミッションケース17において副変速装置と後輪デフ装置との間から分岐した動力が、伝動軸31により前輪デフ装置20に伝達され、前輪デフ装置20から駆動軸32を介して前輪1に伝達される。
【0032】
(ロプスフレームの構成)
図2,3,4に示すように、ロプスフレーム5は、右及び左の第1部分5a、第2部分5b及び第3部分5c等を有している。
【0033】
ロプスフレーム5の第1部分5aは、側面視で逆U字状(逆チャンネル状)に形成されている。ロプスフレーム5の第2部分5bは、左右方向に沿って設けられており、ロプスフレーム5の右及び左の第1部分5aの前部に亘って連結されている。ロプスフレーム5の第3部分5cは、左右方向に沿って設けられており、ロプスフレーム5の右及び左の第1部分5aの後部に亘って連結されている。
【0034】
ロプスフレーム5の第1部分5aの前下部が、前支持部15にボルト(図示せず)により連結され、ロプスフレーム5の第1部分5aの後下部が、後支持部16にボルト(図示せず)により連結されている。この構成により、ロプスフレーム5が機体フレーム3に取り付けられる。
【0035】
ロプスフレーム5の第1部分5aの前下部を前支持部15から取り外し、ロプスフレーム5の第1部分5aの後下部を後支持部16から取り外すことにより、ロプスフレーム5を機体フレーム3から取り外すことができる。
【0036】
(運転席及び助手席を支持する座席フレームの構成)
図3,4,5に示すように、右及び左の座席フレーム33が設けられている。座席フレーム33は、角パイプがL字状(アングル状)に折り曲げられて形成されており、上下方向に沿った上下部分33a、及び上下部分33aの上部から後方に向けて延出された前後部分33bを有している。
【0037】
座席フレーム33において、支持部33cが、座席フレーム33の上下部分33aの上部(前後部分33bの前部)に連結されている。支持部33dが、座席フレーム33の前後部分33bの後部に連結されている。
【0038】
機体フレーム3において、第1フレーム部分21の後部に取付部21aが設けられ、第2フレーム部分22の上部に取付部22aが設けられている。
座席フレーム33において、座席フレーム33の上下部分33aの下部が、第1フレーム部分21の取付部21aに、ボルト34により取り付け及び取り外し可能であり、座席フレーム33の前後部分33bの後部が、第2フレーム部分22の取付部22aに、ボルト34により取り付け及び取り外し可能である。
【0039】
(運転席及び助手席の取付状態)
図3,4,5に示すように、角パイプ状の支持フレーム35が設けられており、複数の支点部35aが支持フレーム35に設けられている。支持フレーム35は、座席フレーム33の支持部33cに、ボルト36により取り付け及び取り外し可能である。
【0040】
図1及び
図2に示すように、運転席6は座部6a及び背もたれ部6bが分離して設けられ、助手席7は座部7a及び背もたれ部7bが分離して設けられている。
図3及び
図5に示すように、平板状の支持部材37が設けられており、脚部37aが支持部材37の前部の下部に設けられ、運転席6及び助手席7の座部6a,7aが支持部材37に取り付けられている。支持部材37の脚部37aが、支持フレーム35の支点部35aに、左右方向に沿った軸芯周りに揺動可能に取り付けられている。
【0041】
平板状の支持部材38が設けられており、運転席6及び助手席7の背もたれ部6b,7bが支持部材38に取り付けられている。支持部材38は、ロプスフレーム5の右及び左の第1部分5aに、ボルト39により取り付け及び取り外し可能である。
【0042】
以上の構成により、通常の使用状態において、支持部材37の前部が支持フレーム35を介して座席フレーム33に支持され、支持部材37の後部が座席フレーム33の支持部3dに支持される。
【0043】
これにより、運転席6の座部6a(座席)及び助手席7の座部7a(座席)が、座席フレーム33に支持されるのであり、座席フレーム33を介して機体フレーム3に支持される。運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bが、ロプスフレーム5に支持されるのであり、ロプスフレーム5を介して機体フレーム3に支持される。
【0044】
支持フレーム35の支点部35aを支点として、支持部材37の後部を上方に持ち上げ操作することにより、座席フレーム33の上方の領域を開放することができる。ボルト36を取り外して、支持フレーム35を座席フレーム33から取り外すことにより、運転席6の座部6a(座席)及び助手席7の座部7a(座席)を、座席フレーム33から取り外すことができる。
【0045】
ボルト39を取り外して、支持部材38をロプスフレーム5から取り外すことにより、運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bを、機体フレーム3から取り外すことができる。
【0046】
(バッテリ及びインバータに関する構成)
図3,4,5に示すように、機体フレーム3において、平板状の支持部材41が、第1フレーム部分21の後部に左右方向に沿って連結されている。バッテリ42が、支持部材41にボルト(図示せず)により取り付け及び取り外し可能に設けられている。
【0047】
バッテリ42が支持部材41に取り付けられた状態において、バッテリ42は、側面視で、座席フレーム33の上下部分33aと第2フレーム部分22との間に設けられ、座席フレーム33の前後部分33bと第1フレーム部分21との間に設けられる。
【0048】
バッテリ42の右端部42aが、平面視で、右の座席フレーム33よりも右の横外側に位置し、右の第7フレーム部分27及び右のサイドガード40よりも、機体フレーム3の左右中央側に位置している。バッテリ42の右端部42aは、側面視で、右の第7フレーム部分27及び右のサイドガード40と重複している。
【0049】
バッテリ42の左端部42bが、平面視で、左の座席フレーム33よりも左の横外側に位置し、左の第7フレーム部分27及び左のサイドガード40よりも、機体フレーム3の左右中央側に位置している。バッテリ42の左端部42bは、側面視で、左の第7フレーム部分27及び左のサイドガード40と重複している。
【0050】
平板状の支持部材43が、右及び左の座席フレーム33の前後部分33bに、ボルト(図示せず)により取り付け及び取り外し可能に設けられている。インバータ44及び制御装置45が支持部材41に取り付けられており、インバータ44及び制御装置45が、側面視で、運転席6及び助手席7の座部6a,7a(支持部材37)と、バッテリ42(座席フレーム33の前後部分33b)との間に設けられている。
【0051】
運転席6に着座する運転者が変速ペダル(図示せず)を操作すると、変速ペダルの操作位置が制御装置45により入力されて、変速ペダルの操作位置に基づいて制御装置45によりインバータ44が操作される。インバータ44において、バッテリ42の直流電力が交流電力に変換されてモータ18に供給され、モータ18が作動して走行用の動力を出力し、モータ18の走行用の動力が前述のように前輪1及び後輪2に供給される。
【0052】
(バッテリ及びインバータのメンテナンス)
図3,4,5に示すように、支持フレーム35の支点部35aを支点として、支持部材37の後部を上方に持ち上げ操作することにより、前述のように、座席フレーム33の上方の領域が開放される。
【0053】
支持部材37を持ち上げ操作することにより、インバータ44及び制御装置45のメンテナンス作業を行うことができる。支持部材43を座席フレーム33から取り外すことにより、インバータ44及び制御装置45を取り外すことができる。支持部材37を持ち上げ操作し、インバータ44及び制御装置45を取り外すことにより、バッテリ42のメンテナンス作業を行うことができる。
【0054】
前述のように、支持フレーム35を座席フレーム33から取り外して、運転席6の座部6a(座席)及び助手席7の座部7a(座席)を座席フレーム33から取り外すことにより、ボルト34を取り外して、座席フレーム33を機体フレーム3(第1フレーム部分21及び第2フレーム部分22)から取り外すことができる。
【0055】
座席フレーム33を機体フレーム3(第1フレーム部分21及び第2フレーム部分22)から取り外すことにより、バッテリ42を機体フレーム3(支持部材41)から取り外すことができるのであり、バッテリ42を機体フレーム3(支持部材41)に取り付けることができる。
【0056】
この場合、前述のようにボルト39を取り外して、支持部材38をロプスフレーム5から取り外し、運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bを機体フレーム3から取り外すことにより、バッテリ42の取り付け及び取り外しがさらに行い易くなる。
【0057】
運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bを機体フレーム3から取り外すことに加えて、前述のように、ロプスフレーム5の第1部分5aの前下部を前支持部15から取り外し、ロプスフレーム5の第1部分5aの後下部を後支持部16から取り外して、ロプスフレーム5を機体フレーム3から取り外すことにより、バッテリ42の取り付け及び取り外しがさらに行い易くなる。
【0058】
(ヒッチ取付部の構成)
図1及び
図2に示すように、機体フレーム3において、角パイプ状のヒッチ取付部46が、第5フレーム部分25の前端部に設けられ、角パイプ状のヒッチ取付部47が、第4フレーム部分24の後端部(フレーム28)に設けられている。
【0059】
作業装置(図示せず)の取付用のヒッチ(図示せず)を、ヒッチ取付部46,47に取り付け、作業装置をヒッチに取り付けることにより、作業装置を機体フレーム3の前部又は後部(前部及び後部の両方)に取り付けることができる。ヒッチが不要の場合、ヒッチをヒッチ取付部46,47から取り外すことができる。
【0060】
牽引用のヒッチ(図示せず)を後のヒッチ取付部47に取り付けることにより、台車(図示せず)をヒッチに接続して、作業車で台車を牽引することができる。
作業車が軟弱地で走行不能になった場合、牽引用のヒッチをヒッチ取付部46,47に取り付ければよい。ワイヤ(図示せず)等をヒッチに取り付け、他の作業車(図示せず)によりワイヤ等を牽引することにより、作業車を軟弱地から移動させることができる。ヒッチが不要の場合、ヒッチをヒッチ取付部46,47から取り外すことができる。
【0061】
(センサー支持部の構成)
図1及び
図2に示すように、センサー支持部48が設けられている。センサー支持部48は、左右方向に沿った第1部分48aと、第1部分48aの左右中央部分に取り付けられ前後方向に沿った第2部分48bとを有しており、障害物センサー51,52が第1部分48aに支持されている。
【0062】
センサー支持部48の第2部分48bがヒッチ取付部46,47に挿入されることにより、センサー支持部48が、ヒッチ取付部46,47に取り付けられるのであり、機体フレーム3に取り付けられる。
【0063】
図6に示すように、固定部材49が設けられており、固定部材49は、本体部49a、持ち手部49b、受け部49c及び抜け止め部49d等を有している。
固定部材49において、本体部49aはピン状に形成されている。作業者が持つ持ち手部49bは、本体部49aの端部から本体部49aと交差するように延出されている。ワッシャー状の受け部49cが、本体部49aの中間部に固定されている。抜け止め部49dは、ベータピン状に形成されており、本体部49aの端部に取り付け及び取り外し可能である。
【0064】
センサー支持部48の第2部分48bをヒッチ取付部46,47に挿入した後、固定部材49の本体部49aをヒッチ取付部46,47の開口部、センサー支持部48の第2部分48bの開口部に挿入して、固定部材49の受け部49cをヒッチ取付部46,47に当て付け、固定部材49の抜け止め部49dを本体部49aの端部に取り付ける。これにより、センサー支持部48を、ヒッチ取付部46,47に取り付けて固定することができる。
【0065】
固定部材49の抜け止め部49dを本体部49aから取り外し、固定部材49をヒッチ取付部46,47から取り外すことにより、センサー支持部48の第2部分48bをヒッチ取付部46,47から引き出すことができるのであり、センサー支持部48をヒッチ取付部46,47から取り外すことができる。
【0066】
(障害物センサーの構成)
図1及び
図2に示すように、障害物センサー51(第1の障害物センサーに相当)が、センサー支持部48の第1部分48aの左右中央部分に支持されている。
障害物センサー52(第2の障害物センサーに相当)が、センサー支持部48の第1部分48aにおいて、障害物センサー51に対して右側の部分及び左側の部分に支持されている。
【0067】
障害物センサー51は、赤外線又は超音波により障害物を検出するように構成されており、主に機体フレーム3から前方(後方)に離れた位置の障害物を検出する。
平板状の接触体50が障害物センサー52に設けられており、障害物センサー52は、接触体50が障害物に接触したことに基づいて障害物を検出する。障害物センサー52の接触体50は、平面視で、障害物センサー51よりも少し前側(後側)に出ている。
【0068】
センサー支持部48がヒッチ取付部46,47に取り付けられた状態において、センサー支持部48の第1部分48aは、右の前輪1と左の前輪1とに亘る長さを有しており、右の後輪2と左の後輪2とに亘る長さを有している。
【0069】
センサー支持部48がヒッチ取付部46,47に取り付けられると、前のセンサー支持部48の第1部分48aの右部及び左部が、右及び左の前輪1よりも前側に位置する。後のセンサー支持部48の第1部分48aの右部及び左部が、右及び左の後輪2よりも後側に位置する。
【0070】
前のセンサー支持部48がヒッチ取付部46に取り付けられた状態において、前のセンサー支持部48(障害物センサー52の接触体50)は、側面視で、フロントガード12の前端部よりも少し前側に位置している。
【0071】
後のセンサー支持部48がヒッチ取付部47に取り付けられた状態において、後のセンサー支持部48(障害物センサー52の接触体50)は、側面視で、使用状態(
図1の実線に示す状態)の荷台11の後端部に対して、少し前側又は略同じ位置に位置している。これにより、荷台11がダンプ姿勢に操作されて、荷台11の土が下方に放出されても、荷台11からの土が後のセンサー支持部48(障害物センサー61,52)に当たることは少ない。
【0072】
(発明の実施の第1別形態)
センサー支持部48(障害物センサー61,52)を、前のヒッチ取付部46に取り付け、後のヒッチ取付部47に取り付けないようにしてもよい。
センサー支持部48(障害物センサー61,52)を、後のヒッチ取付部47に取り付け、前のヒッチ取付部46に取り付けないようにしてもよい。
【0073】
(発明の実施の第2別形態)
機体フレーム3において、右及び左のヒッチ取付部46を、第5フレーム部分25の前端部に左右方向に沿って並ぶように設け、右及び左のヒッチ取付部47を、第4フレーム部分24の後端部(フレーム28)に左右方向に沿って並ぶように設けてもよい。
【0074】
前述の構成の場合、センサー支持部48において、2個の第2部分48bを第1部分48aに取り付ければよい。センサー支持部48の2個の第2部分48bを、右及び左のヒッチ取付部46(右及び左のヒッチ取付部47)に挿入することにより、センサー支持部48(第1部分48a)が機体フレーム3に強固に取り付けられる。
【0075】
(発明の実施の第3別形態)
赤外線又は超音波により障害物を検出する障害物センサー51を、センサー支持部48の第1部分48aに設け、接触型式の障害物センサー52を装備しない場合、センサー支持部48の第1部分48aの長さを、右及び左の前輪1(後輪2)に亘る横幅よりも狭いものに構成してもよい。
【0076】
(発明の実施の第4別形態)
前輪1に代えて、クローラ型式の走行装置(図示せず)を、前の走行装置として設けてもよい。後輪2に代えて、クローラ型式の走行装置(図示せず)を、後の走行装置として設けてもよい。前輪1及び後輪2を、一つのクローラ型式の走行装置(図示せず)によって構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、モータにより走行装置を駆動する電動型式の作業車ばかりではなく、エンジン及びモータにより走行装置を駆動するハイブリッド型式の作業車にも適用でき、電動型式の作業車及びハイブリッド型式の作業車ではなく、エンジンのみを装備した作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0078】
1 前輪(走行装置)
2 後輪(走行装置)
3 機体フレーム
46 ヒッチ取付部
47 ヒッチ取付部
48 センサー支持部
48a 第1部分
48b 第2部分
51 障害物センサー
52 障害物センサー