(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070662
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20240516BHJP
B62D 21/08 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B60K1/04 A ZHV
B62D21/08
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181288
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】別所 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】池本 祥太郎
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA31
3D203BA05
3D203DA53
3D203DB05
3D203DB07
3D235AA11
3D235BB17
3D235BB24
3D235CC12
3D235CC15
3D235DD13
3D235DD24
3D235DD37
3D235EE63
3D235FF02
3D235FF34
3D235FF37
3D235HH61
(57)【要約】
【課題】電動型式の作業車やハイブリッド型式の作業車において、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業が容易に行えるよう構成する。
【解決手段】座席6,7が設けられた搭乗部4と、バッテリ42が取り付け及び取り外し可能なバッテリ支持部32とが備えられる。バッテリ42は、バッテリ支持部32の右横外方又は左横外方から左右方向A1に沿って移動させることにより、バッテリ支持部32に取り付け可能であり、バッテリ支持部32から右横外方又は左横外方に向けて左右方向A1に沿って移動させることにより、バッテリ支持部32から取り外し可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、座席が設けられた搭乗部と、バッテリと、前記バッテリの電力により前記走行装置に動力を出力するモータと、前記バッテリが取り付け及び取り外し可能なバッテリ支持部とが備えられ、
前記バッテリは、前記バッテリ支持部の右横外方又は左横外方から左右方向に沿って移動させることにより、前記バッテリ支持部に取り付け可能であり、且つ、前記バッテリ支持部から右横外方又は左横外方に向けて左右方向に沿って移動させることにより、前記バッテリ支持部から取り外し可能である作業車。
【請求項2】
前記搭乗部が、側面視で、前の前記走行装置と後の前記走行装置との間に設けられ、
前記バッテリ支持部が、側面視で、前記搭乗部と後の前記走行装置との間に設けられている請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記モータが、側面視で、前記搭乗部と後の前記走行装置との間に設けられ、
前記バッテリ支持部が、側面視で、前記搭乗部と前記モータとの間に設けられている請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記バッテリ支持部が、前記座席よりも低い位置に設けられている請求項2又は3に記載の作業車。
【請求項5】
前記走行装置が設けられて、前記搭乗部を支持する機体フレームが備えられ、
前記機体フレームは、前記搭乗部の下方に位置する第1フレーム部分と、前記第1フレーム部分の後部から上方に向けて延出されて、前記搭乗部の後方に位置する第2フレーム部分と、前記第2フレーム部分の上部から後方に向けて延出された第3フレーム部分とを有し、
前記バッテリ支持部が、前記第2フレーム部分に対して後側で、且つ、前記第3フレーム部分に対して下側に設けられている請求項1に記載の作業車。
【請求項6】
前記バッテリ支持部は、前記第1フレーム部分の後部又は前記第2フレーム部分に連結され後方に向けて延出されて、前記バッテリが取り付けられる支持台と、前記第3フレーム部分と前記支持台とに亘って連結された支持フレームとを有している請求項5に記載の作業車。
【請求項7】
荷台が、前記第3フレーム部分に対して上側に設けられている請求項5に記載の作業車。
【請求項8】
側面視で、前記第1フレーム部分の後部又は前記第2フレーム部分の下部に上下揺動可能に支持され、前記バッテリ支持部に対して下側の位置を後方に向けて延出されたサスペンションリンクと、
前記バッテリ支持部に対して後側に配置されて、前記第3フレーム部分と前記サスペンションリンクとに亘って接続されたサスペンション機構とが備えられ、
後の前記走行装置が、前記サスペンションリンクの後部に支持されている請求項5~7のうちのいずれか一項に記載の作業車。
【請求項9】
前記バッテリは、平面視で、長辺部及び短辺部を有する長方形状に形成され、
前記バッテリは、前記長辺部が左右方向に沿う姿勢で、前記バッテリ支持部に取り付けられる請求項1に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータにより走行装置を駆動する電動型式の作業車や、エンジン及びモータにより走行装置を駆動するハイブリッド型式の作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動型式の作業車の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1では、走行用の変速装置を収容するミッションケースが、作業車の後部に設けられ、モータがミッションケースの前部に連結されている。バッテリが、作業車の前部において、前輪(走行装置に相当)よりも少し高い位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動型式の作業車やハイブリッド型式の作業車では、バッテリのメンテナンス作業を行う場合や、放電を終了したバッテリを充電済みのバッテリと交換する場合、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を行う必要がある。
この場合、電動型式の作業車やハイブリッド型式の作業車では、バッテリが大きなものになり重量物になるので、作業者の負担を軽減する為に、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を容易に行えるようにする必要がある。
【0005】
本発明は、電動型式の作業車やハイブリッド型式の作業車において、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業が容易に行えるよう構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車は、走行装置と、座席が設けられた搭乗部と、バッテリと、前記バッテリの電力により前記走行装置に動力を出力するモータと、前記バッテリが取り付け及び取り外し可能なバッテリ支持部とが備えられ、前記バッテリは、前記バッテリ支持部の右横外方又は左横外方から左右方向に沿って移動させることにより、前記バッテリ支持部に取り付け可能であり、且つ、前記バッテリ支持部から右横外方又は左横外方に向けて左右方向に沿って移動させることにより、前記バッテリ支持部から取り外し可能である。
【0007】
本発明によると、作業者は、バッテリをバッテリ支持部に取り付ける場合に、バッテリを、バッテリ支持部の右横外方(左横外方)から、左方(右方)に左右方向に沿って移動させて、バッテリ支持部の位置に移動させることにより、バッテリをバッテリ支持部に取り付けることができる。
作業者は、バッテリをバッテリ支持部から取り外す場合、バッテリを、バッテリ支持部から右方(左方)に左右方向に沿って移動させて、バッテリ支持部の右横外方(左横外方)に移動させることにより、バッテリをバッテリ支持部から取り外すことができる。
【0008】
これに対して、バッテリ支持部の上方からバッテリの取り付け作業及び取り外し作業を行う場合、バッテリを吊り上げるクレーンが必要になる。バッテリ支持部の下方からバッテリの取り付け作業及び取り外し作業を行う場合、作業車を持ち合上げるジャッキが必要になる。
【0009】
本発明によると、作業者はバッテリを作業車に対して左右方向に沿って移動させることにより、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を容易に行うことができる。
この場合、バッテリ支持部と略同じ高さの台車等が在れば、バッテリが台車に載せられることによりバッテリの移動が容易に行われるのであり、バッテリを吊り上げるクレーンや作業車を持ち合上げるジャッキは不要である。
【0010】
作業者がバッテリを作業車に対して前後方向に沿って移動させることにより、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を行う場合、作業車は一般に前後長が左右幅よりも大きいので、バッテリの前後方向に沿った移動長さは長いものになる。
【0011】
本発明によると、作業者はバッテリを作業車に対して左右方向に沿って移動させることにより、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を行うことができるので、作業車は一般に左右幅が前後長よりも小さいことにより、バッテリの左右方向に沿った移動長さは短いものになる。
【0012】
以上のように、本発明によると、バッテリを吊り上げるクレーンや作業車を持ち合上げるジャッキが不要である点、及び、バッテリの左右方向に沿った移動長さが短いものになる点により、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を容易に行うことができるようになって、作業車のメンテナンス性を向上させることができる。
【0013】
本発明において、前記搭乗部が、側面視で、前の前記走行装置と後の前記走行装置との間に設けられ、前記バッテリ支持部が、側面視で、前記搭乗部と後の前記走行装置との間に設けられていると好適である。
【0014】
本発明によると、重量物であるバッテリが、前及び後の走行装置の間に設けられ、作業車の前後中央に近い位置に設けられるので、作業車の走行安定性及び操縦性を向上させることができる。バッテリが搭乗部に対して後側に設けられるので、バッテリが搭乗部からの前方視界の妨げになることはない。
【0015】
本発明において、前記モータが、側面視で、前記搭乗部と後の前記走行装置との間に設けられ、前記バッテリ支持部が、側面視で、前記搭乗部と前記モータとの間に設けられていると好適である。
【0016】
本発明によると、重量物であるバッテリ及びモータが、前及び後の走行装置の間に設けられ、作業車の前後中央に近い位置に設けられるので、作業車の走行安定性及び操縦性の向上の面で有利である。
本発明によると、モータが、バッテリに対して後側に設けられ、後の走行装置に近い位置に設けられるので、モータから後の走行装置への伝動系のコンパクト化の面で有利である。
【0017】
本発明において、前記バッテリ支持部が、前記座席よりも低い位置に設けられていると好適である。
【0018】
本発明によると、重量物であるバッテリが作業車の低い位置に設けられるので、作業車の走行安定性及び操縦性の向上の面で有利である。
【0019】
本発明において、前記走行装置が設けられて、前記搭乗部を支持する機体フレームが備えられ、前記機体フレームは、前記搭乗部の下方に位置する第1フレーム部分と、前記第1フレーム部分の後部から上方に向けて延出されて、前記搭乗部の後方に位置する第2フレーム部分と、前記第2フレーム部分の上部から後方に向けて延出された第3フレーム部分とを有し、前記バッテリ支持部が、前記第2フレーム部分に対して後側で、且つ、前記第3フレーム部分に対して下側に設けられていると好適である。
【0020】
本発明によると、作業車の機体フレームにおいて、走行装置が機体フレームに設けられて、搭乗部が機体フレームに支持されている。機体フレームは、第1フレーム部分と、第2フレーム部分と、第3フレーム部分とを有している。
【0021】
本発明によると、バッテリ支持部が、第2フレーム部分に対して後側に設けられ、第3フレーム部分に対して下側に設けられることにより、機体フレームの第2フレーム部分と第3フレーム部分との間の角部の空間を有効に利用して、バッテリ支持部を設けることができる。
【0022】
本発明において、前記バッテリ支持部は、前記第1フレーム部分の後部又は前記第2フレーム部分に連結され後方に向けて延出されて、前記バッテリが取り付けられる支持台と、前記第3フレーム部分と前記支持台とに亘って連結された支持フレームとを有していると好適である。
【0023】
本発明によると、側面視で、上下方向に沿った機体フレームの第2フレーム部分、水平方向に沿った機体フレームの第3フレーム部分、水平方向に沿ったバッテリ支持部の支持台、上下方向に沿ったバッテリ支持部の支持フレームにより、空間を得ることができる。これにより、バッテリを取り付け易いバッテリ支持部を得ることができる。
【0024】
本発明において、荷台が、前記第3フレーム部分に対して上側に設けられていると好適である。
【0025】
作業車では、荷台が機体フレームの後部に設けられることが多い。
本発明によると、機体フレームにおいて、荷台が第3フレーム部分に対して上側に設けられ、バッテリ支持部が第3フレーム部分に対して下側に設けられる。作業者はバッテリを作業車に対して左右方向に沿って移動させることにより、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を行うのであり、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業に対して、荷台が妨げになることはない。
【0026】
本発明において、側面視で、前記第1フレーム部分の後部又は前記第2フレーム部分の下部に上下揺動可能に支持され、前記バッテリ支持部に対して下側の位置を後方に向けて延出されたサスペンションリンクと、前記バッテリ支持部に対して後側に配置されて、前記第3フレーム部分と前記サスペンションリンクとに亘って接続されたサスペンション機構とが備えられ、後の前記走行装置が、前記サスペンションリンクの後部に支持されていると好適である。
【0027】
本発明によると、サスペンションリンク及びサスペンション機構により、後の走行装置が機体フレームに支持されるのであり、サスペンションリンクがバッテリ支持部に対して下側の位置を後方に向けて延出され、サスペンション機構がバッテリ支持部に対して後側に配置される。
【0028】
これにより、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を行う場合、バッテリの左右方向に沿った移動に対して、サスペンションリンク及びサスペンション機構が妨げになり難いので、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を容易に行うことができるようになって、作業車のメンテナンス性の向上の面で有利である。
【0029】
本発明において、前記バッテリは、平面視で、長辺部及び短辺部を有する長方形状に形成され、前記バッテリは、前記長辺部が左右方向に沿う姿勢で、前記バッテリ支持部に取り付けられると好適である。
【0030】
本発明によると、バッテリの長辺部が左右方向に沿う姿勢で、バッテリがバッテリ支持部に取り付けられる。
作業者がバッテリをバッテリ支持部に取り付ける場合、作業者は、バッテリの長辺部が左右方向に沿う姿勢で、バッテリを、バッテリ支持部の右横外方(左横外方)から、左方(右方)に左右方向に沿って移動させることにより、バッテリをバッテリ支持部の位置に無理なく移動させることができ、バッテリをバッテリ支持部に容易に取り付けることができる。
【0031】
作業者がバッテリをバッテリ支持部から取り外す場合、作業者は、バッテリの姿勢を、バッテリ支持部に取り付けられた姿勢(バッテリの長辺部が左右方向に沿う姿勢)に維持しながら、バッテリをバッテリ支持部の右横外方(左横外方)に移動させることにより、バッテリをバッテリ支持部から容易に取り外すことができる。
本発明によると、バッテリの取り付け作業及び取り外し作業を容易に行うことができるようになって、作業車のメンテナンス性の向上の面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図3】機体フレーム、ロプスフレーム、座席フレーム、第1バッテリ支持部及び第2バッテリ支持部等を示す左側面図である。
【
図4】機体フレーム、座席フレーム、第1バッテリ支持部及び第2バッテリ支持部等を示す平面図である。
【
図5】機体フレーム、ロプスフレーム、座席フレーム、第1バッテリ支持部及び第2バッテリ支持部等を示す分解左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1~
図5に、作業車の一例である電動型式の多目的の作業車が示されており、
図1~
図5において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0034】
(作業車の全体構成)
図1及び
図2に示すように、機体フレーム3が設けられ、機体フレーム3の前部に右及び左の走行用の前輪1(走行装置に相当)が支持され、機体フレーム3の後部に右及び左の走行用の後輪2(走行装置に相当)が支持されており、前輪1及び後輪2により機体フレーム3が支持されている。
【0035】
運転者及び作業者が搭乗する搭乗部4が、機体フレーム3における前輪1と後輪2との間の部分に支持されており、ロプスフレーム5により搭乗部4が囲まれている。搭乗部4に、運転席6(座席に相当)及び助手席7(座席に相当)、フロア8、前輪1を操向操作する操縦ハンドル9等が設けられている。
【0036】
ボンネット10が搭乗部4に対して前側に設けられており、荷台11が搭乗部4に対して後側に設けられている。荷台11は、
図1の実線で示す使用姿勢と、荷台11の後部下部を支点として荷台11の前部が持ち上げられたダンプ姿勢(
図1の二点鎖線を参照)とに、昇降操作可能である。
【0037】
(機体フレームの構成)
図1~
図4に示すように、機体フレーム3は、第1フレーム部分21、第2フレーム部分22、第3フレーム部分23、第4フレーム部分24、第5フレーム部分25、第6フレーム部分26等を有している。
【0038】
第1フレーム部分21は、搭乗部4(フロア8)の下方に位置しており、前後方向に沿って設けられている。第2フレーム部分22は、第1フレーム部分21の後部に連結されて、第1フレーム部分21の後部から上方に向けて延出されており、搭乗部4の後方に位置している。
【0039】
第3フレーム部分23は、第2フレーム部分22の上部に連結されており、第2フレーム部分22の上部から後方に向けて延出されている。荷台11が、使用姿勢及びダンプ姿勢に昇降操作可能に、第3フレーム部分23の上部に設けられている。
【0040】
第4フレーム部分24は、第1フレーム部分21の前部に連結されており、第1フレーム部分21の前部から前方に向けて延出されている。上下方向に沿ったフレーム30が、第1フレーム部分21の前部に連結されており、第1フレーム部分21の前部から上方に向けて延出されている。
【0041】
第5フレーム部分25は、フレーム30の上部に連結されており、フレーム30の上部から前方に向けて延出されている。フロントガード12が、第4フレーム部分24の前部と第5フレーム部分25の前部とに亘って連結されている。
【0042】
図3及び
図4に示すように、右及び左の前支持部15が、フレーム30の上部に連結されており、フレーム13が右及び左の前支持部15に亘って連結されている。フレーム14が右及び左の第3フレーム部分23の前部に亘って連結されており、右及び左の後支持部16が、フレーム14の右部及び左部に連結されている。
【0043】
第6フレーム部分26は、側面視でU字状(チャンネル状)に形成されており、第6フレーム部分26の前上部が前支持部15に連結され、第6フレーム部分26の後上部が後支持部16に連結されている。フロア8が、第1フレーム部分21の前部と、第6フレーム部分26の前下部とに亘って連結されている。右及び左のサイドガード40が、後支持部16と第6フレーム部分26の後下部とに亘って連結されている。
【0044】
以上の構成により、前輪1(走行装置、前の走行装置)及び後輪2(走行装置、後の走行装置)と、運転席6(座席)及び助手席7(座席)が設けられた搭乗部4とが備えられている。搭乗部4が、側面視で、前輪1(前の走行装置)と後輪2(後の走行装置)との間に設けられている。
【0045】
前輪1(走行装置)及び後輪2(走行装置)が設けられて、搭乗部4を支持する機体フレーム3が備えられている。機体フレーム3は、搭乗部4の下方に位置する第1フレーム部分21と、第1フレーム部分21の後部から上方に向けて延出されて、搭乗部4の後方に位置する第2フレーム部分22と、第2フレーム部分22の上部から後方に向けて延出された第3フレーム部分23とを有している。荷台11が、第3フレーム部分23に対して上側に設けられている。
【0046】
(後輪の支持構造)
図1,2,3に示すように、機体フレーム3において、第1フレーム部分21の後部と第2フレーム部分22の下部との連結部分に、右及び左の取付部19が連結されている。右及び左のサスペンションリンク27と右及び左のサスペンションリンク28とが、上下揺動可能に取付部19に取り付けられて、取付部19から後方に向けて延出されている。
【0047】
アクスルフレーム50が設けられ、後車軸ケース17がアクスルフレーム50に連結されており、後輪2が後車軸ケース17の右部及び左部に支持されている。アクスルフレーム50の右部及び左部に取付部20が連結されており、サスペンションリンク27,28の後部が、上下揺動可能に取付部20に取り付けられている。
【0048】
右の第3フレーム部分23の後部とアクスルフレーム50とに亘って、ラテラルロッド51が接続されている。ラテラルロッド51により、アクスルフレーム50(後車軸ケース17)の上下動が許容されならら、アクスルフレーム50(後車軸ケース17)の左右動が規制される。
【0049】
これにより、右及び左のサスペンションリンク27,28とラテラルロッド51とによって構成された5リンク機構により、アクスルフレーム50(後車軸ケース17)が機体フレーム3に上下動可能に支持されている。
【0050】
右及び左のサスペンション機構29が設けられており、サスペンション機構29は、サスペンションンバネ及びダンパーを有している。右のサスペンション機構29が、右の第3フレーム部分23と後車軸ケース17の右部とに亘って接続され、左のサスペンション機構29が、左の第3フレーム部分23と後車軸ケース17の左部とに亘って接続されている。これにより、サスペンション機構29が、アクスルフレーム50及び後車軸ケース17を介して、サスペンションリンク27,28に接続されている。
【0051】
(後輪の駆動構造)
図1,2,3に示すように、副変速装置46が後車軸ケース17の左右中央部の上部に連結され、モータ18が副変速装置46の前部に連結されている。モータ18は、側面視で、後車軸ケース17(後輪2)に対して前側に位置し、後車軸ケース17(後輪2)に対して上側に位置している。
【0052】
これにより、右及び左の後輪2、モータ18及び副変速装置46が、アクスルフレーム50及び後車軸ケース17を介して、サスペンションリンク27,28の後部に支持されている。
【0053】
モータ18の動力が、副変速装置46に伝達され変速されて、後車軸ケース17の内部に設けられた後輪デフ装置(図示せず)及び駆動軸(図示せず)を介して、後輪2に伝達される。
【0054】
(ロプスフレームの構成)
図2及び
図3に示すように、ロプスフレーム5は、右及び左の第1部分5a、第2部分5b及び第3部分5c等を有している。
【0055】
ロプスフレーム5の第1部分5aは、側面視で逆U字状(逆チャンネル状)に形成されている。ロプスフレーム5の第2部分5bは、ロプスフレーム5の右及び左の第1部分5aの前部に亘って連結されている。ロプスフレーム5の第3部分5cは、ロプスフレーム5の右及び左の第1部分5aの後部に亘って連結されている。
【0056】
ロプスフレーム5の第1部分5aの前下部が、前支持部15にボルト(図示せず)により連結され、ロプスフレーム5の第1部分5aの後下部が、後支持部16にボルト(図示せず)により連結されている。この構成により、ロプスフレーム5が機体フレーム3に取り付けられる。
【0057】
ロプスフレーム5の第1部分5aの前下部を前支持部15から取り外し、ロプスフレーム5の第1部分5aの後下部を後支持部16から取り外すことにより、ロプスフレーム5を機体フレーム3から取り外すことができる。
【0058】
(運転席及び助手席を支持する座席フレームの構成)
図3,4,5に示すように、右及び左の座席フレーム33が設けられている。座席フレーム33は、角パイプがL字状(アングル状)に折り曲げられて形成されており、上下方向に沿った上下部分33a、及び上下部分33aの上部から後方に向けて延出された前後部分33bを有している。
【0059】
座席フレーム33において、支持部33cが、座席フレーム33の上下部分33aの上部(前後部分33bの前部)に連結されている。支持部33dが、座席フレーム33の前後部分33bの後部に連結されている。
【0060】
機体フレーム3において、第1フレーム部分21の後部に取付部21aが設けられ、第2フレーム部分22の上部に取付部22aが設けられている。
座席フレーム33において、座席フレーム33の上下部分33aの下部が、第1フレーム部分21の取付部21aに、ボルト34により取り付け及び取り外し可能である。座席フレーム33の前後部分33bの後部が、第2フレーム部分22の取付部22aに、ボルト34により取り付け及び取り外し可能である。
【0061】
(運転席及び助手席の取付状態)
図3,4,5に示すように、角パイプ状の支持フレーム35が設けられており、複数の支点部35aが支持フレーム35に設けられている。支持フレーム35は、座席フレーム33の支持部33cに、ボルト36により取り付け及び取り外し可能である。
【0062】
図1及び
図2に示すように、運転席6は座部6a及び背もたれ部6bが分離して設けられ、助手席7は座部7a及び背もたれ部7bが分離して設けられている。
図3及び
図5に示すように、平板状の支持部材37が設けられており、脚部37aが支持部材37の前部の下部に設けられ、運転席6及び助手席7の座部6a,7aが支持部材37に取り付けられている。支持部材37の脚部37aが、支持フレーム35の支点部35aに、左右方向A1に沿った軸芯周りに揺動可能に取り付けられている。
【0063】
平板状の支持部材38が設けられており、運転席6及び助手席7の背もたれ部6b,7bが支持部材38に取り付けられている。支持部材38は、ロプスフレーム5の右及び左の第1部分5aに、ボルト39により取り付け及び取り外し可能である。
【0064】
通常の使用状態において、支持部材37の前部が支持フレーム35を介して座席フレーム33に支持され、支持部材37の後部が座席フレーム33の支持部3dに支持される。
運転席6の座部6a及び助手席7の座部7aが、座席フレーム33に支持されるのであり、座席フレーム33を介して機体フレーム3に支持される。運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bが、ロプスフレーム5に支持されるのであり、ロプスフレーム5を介して機体フレーム3に支持される。
【0065】
支持フレーム35の支点部35aを支点として、支持部材37の後部を上方に持ち上げ操作することにより、座席フレーム33の上方の領域を開放することができる。ボルト36を取り外して、支持フレーム35を座席フレーム33から取り外すことにより、運転席6の座部6a及び助手席7の座部7aを、座席フレーム33から取り外すことができる。
【0066】
ボルト39を取り外して、支持部材38をロプスフレーム5から取り外すことにより、運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bを、ロプスフレーム5(機体フレーム3)から取り外すことができる。
【0067】
(第1バッテリ支持部の構成)
図3,4,5に示すように、機体フレーム3において、平板状の支持部材47が、第1フレーム部分21の後部に連結されている。
【0068】
機体フレーム3において、側面視で、上下方向に沿った座席フレーム33の上下部分33a、水平方向に沿った座席フレーム33の前後部分33b(運転席6の座部6a及び助手席7の座部7a)、水平方向に沿った第1フレーム部分21(支持部材47)、上下方向に沿った第2フレーム部分22により、側面視で四角形状の空間を得ることができる。この空間が、第1バッテリ支持部31となる。
以上の構成により、バッテリ41(第1のバッテリ)が取り付けられる第1バッテリ支持部31が、運転席6(座席)及び助手席7(座席)の下方に設けられている。
【0069】
(第1のバッテリの構成)
図3,4,5に示すように、バッテリ41(第1のバッテリに相当)が、支持部材47にボルト(図示せず)により取り付け及び取り外し可能に設けられており、バッテリ41が第1バッテリ支持部31に取り付けられている。
【0070】
バッテリ41は、平面視で、長辺部41a及び短辺部41bを有する長方形状に形成されており、バッテリ41の長辺部41aが左右方向A1に沿う姿勢で、バッテリ41が第1バッテリ支持部31に取り付けられている。
【0071】
バッテリ41が第1バッテリ支持部31に取り付けられた状態において、バッテリ41は、側面視で、座席フレーム33の上下部分33aと第2フレーム部分22との間に設けられ、座席フレーム33の前後部分33bと第1フレーム部分21との間に設けられる。
【0072】
バッテリ41の右の短辺部41bが、平面視で、右の座席フレーム33よりも右の横外側に位置し、右の第6フレーム部分26及び右のサイドガード40よりも、機体フレーム3の左右中央側に位置している。バッテリ41の右の短辺部41bは、側面視で、右の第6フレーム部分26及び右のサイドガード40と重複している。
【0073】
バッテリ41の左の短辺部41bが、平面視で、左の座席フレーム33よりも左の横外側に位置し、左の第6フレーム部分26及び左のサイドガード40よりも、機体フレーム3の左右中央側に位置している。バッテリ41の左の短辺部41bは、側面視で、左の第6フレーム部分26及び左のサイドガード40と重複している。
【0074】
(インバータ及び制御装置の構成)
図3,4,5に示すように、平板状の支持部材43が、右及び左の座席フレーム33の前後部分33bに、ボルト(図示せず)により取り付け及び取り外し可能に設けられている。インバータ44及び制御装置45が支持部材43に取り付けられており、インバータ44及び制御装置45が、側面視で、運転席6及び助手席7の座部6a,7a(支持部材37)と、第1バッテリ支持部31(座席フレーム33の前後部分33b)との間に設けられている。
【0075】
運転席6に着座する運転者が変速ペダル(図示せず)を操作すると、変速ペダルの操作位置が制御装置45により入力されて、変速ペダルの操作位置に基づいて制御装置45によりインバータ44が操作される。
【0076】
インバータ44において、バッテリ41及び後述のバッテリ42の直流電力が交流電力に変換されてモータ18に供給され、モータ18が作動して走行用の動力を出力し、モータ18の走行用の動力が前述のように後輪2に供給される。
以上の構成により、バッテリ41,42と、バッテリ41,42の電力により後輪2(走行装置)に動力を出力するモータ18とが備えられている。
【0077】
(第1のバッテリ及びインバータのメンテナンス)
図3,4,5に示すように、支持フレーム35の支点部35aを支点として、支持部材37の後部を上方に持ち上げ操作することにより、前述のように、座席フレーム33の上方の領域が開放される。
【0078】
支持部材37を持ち上げ操作することにより、インバータ44及び制御装置45のメンテナンス作業を行うことができる。支持部材43を座席フレーム33から取り外すことにより、インバータ44及び制御装置45を取り外すことができる。支持部材37を持ち上げ操作し、インバータ44及び制御装置45を取り外すことにより、バッテリ41のメンテナンス作業を行うことができる。
【0079】
前述のように、支持フレーム35を座席フレーム33から取り外して、運転席6の座部6a及び助手席7の座部7aを座席フレーム33から取り外すことにより、ボルト34を取り外して、座席フレーム33を機体フレーム3(第1フレーム部分21及び第2フレーム部分22)から取り外すことができる。
【0080】
座席フレーム33を機体フレーム3(第1フレーム部分21及び第2フレーム部分22)から取り外すことにより、バッテリ41を第1バッテリ支持部31から取り外すことができるのであり、バッテリ41を第1バッテリ支持部31に取り付けることができる。
【0081】
この場合、前述のようにボルト39を取り外して、支持部材38をロプスフレーム5から取り外し、運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bをロプスフレーム5(機体フレーム3)から取り外すことにより、バッテリ41の取り付け作業及び取り外し作業がさらに行い易くなる。
【0082】
運転席6の背もたれ部6b及び助手席7の背もたれ部7bをロプスフレーム5(機体フレーム3)から取り外すことに加えて、前述のように、ロプスフレーム5の第1部分5aの前下部を前支持部15から取り外し、ロプスフレーム5の第1部分5aの後下部を後支持部16から取り外して、ロプスフレーム5を機体フレーム3から取り外すことにより、バッテリ41の取り付け作業及び取り外し作業がさらに行い易くなる。
【0083】
(第2バッテリ支持部の構成)
図3,4,5に示すように、機体フレーム3において、平板状の支持台48が、右及び左の第2フレーム部分22の下部(取付部19の付近)に連結され、第2フレーム部分22から後方に向けて延出されている。
【0084】
右の支持フレーム49が、右の第3フレーム部分23と支持台48の後部の右部とに亘って連結され、左の支持フレーム49が、左の第3フレーム部分23と支持台48の後部の左部とに亘って連結されている。
【0085】
機体フレーム3において、側面視で、上下方向に沿った第2フレーム部分22、水平方向に沿った第3フレーム部分23、水平方向に沿った支持台48、上下方向に沿った支持フレーム49により、側面視で四角形状の空間を得ることができる。この空間が、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部に相当)となる。
【0086】
上のサスペンションリンク27が、側面視で下向きに湾曲するように形成されており、支持台48及び支持フレーム49が、サスペンションリンク27に対して上側に設けられている。支持台48及び支持フレーム49が、平面視で右及び左のサスペンションリンク27,28の間に設けられている。
【0087】
支持台48及び支持フレーム49が、側面視でモータ18、副変速装置46、後車軸ケース17及びサスペンション機構29に対して前側に設けられている。後述のように、バッテリ42(第2のバッテリに相当)が支持台48に取り付け及び取り外し可能である。
【0088】
以上の構成により、バッテリ42(第2のバッテリ)が取り付け及び取り外し可能な第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)が備えられている。
搭乗部4が、側面視で、前輪1(前の走行装置)と後輪2(後の走行装置)との間に設けられ、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)が、側面視で、搭乗部4と後輪2(後の走行装置)との間に設けられている。
モータ18が、側面視で、搭乗部4と後輪2(後の走行装置)との間に設けられ、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)が、側面視で、搭乗部4とモータ18との間に設けられている。
第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)が、運転席6及び助手席7の座部6a,7a(座席)よりも低い位置に設けられている。
【0089】
第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)が、機体フレーム3の第2フレーム部分22に対して後側で、且つ、機体フレーム3の第3フレーム部分23に対して下側に設けられている。
【0090】
第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)は、機体フレーム3の第1フレーム部分21の後部又は第2フレーム部分22に連結され後方に向けて延出されて、バッテリ42(第2のバッテリ)が取り付けられる支持台48と、機体フレーム3の第3フレーム部分23と支持台48とに亘って連結された支持フレーム49とを有している。
【0091】
側面視で、第1フレーム部分21の後部又は第2フレーム部分22の下部に上下揺動可能に支持され、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)に対して下側の位置を後方に向けて延出されたサスペンションリンク27,28が備えられている。
第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)に対して後側に配置されて、第3フレーム部分23とサスペンションリンク27,28とに亘って接続されたサスペンション機構29が備えられている。後輪2(後の走行装置)が、サスペンションリンク27,28の後部に支持されている。
【0092】
(第2のバッテリの構成)
図3,4,5に示すように、バッテリ42(第2のバッテリに相当)が、支持台48にボルト(図示せず)により取り付け及び取り外し可能に設けられており、バッテリ42が第2バッテリ支持部32に取り付けられている。
【0093】
バッテリ42は、平面視で、長辺部42a及び短辺部42bを有する長方形状に形成されており、バッテリ42の長辺部42aが左右方向A1に沿う姿勢で、バッテリ42が第2バッテリ支持部32に取り付けられている。
バッテリ41とバッテリ42とは、同じものであり、同じ長さの長辺部41a,42aを有し、同じ長さの短辺部42b,42bを有している。
【0094】
バッテリ42が第2バッテリ支持部32に取り付けられた状態において、バッテリ42は、側面視で、機体フレーム3の第3フレーム部分23と支持台48との間に設けられ、機体フレーム3の第2フレーム部分22と支持フレーム49との間に設けられる。
【0095】
バッテリ42の右の短辺部42bが、平面視で、支持台48の右部及び右の支持フレーム49よりも右の横外側に位置し、右の第6フレーム部分26及び右のサイドガード40よりも、機体フレーム3の左右中央側に位置している。
【0096】
バッテリ42の左の短辺部42bが、平面視で、支持台48の左部及び左の支持フレーム49よりも左の横外側に位置し、左の第6フレーム部分26及び左のサイドガード40よりも、機体フレーム3の左右中央側に位置している。
【0097】
(第2のバッテリの取り付け作業)
作業者がバッテリ42を第2バッテリ支持部32に取り付ける場合、
図2及び
図4に示すように、作業者は、第2バッテリ支持部32(支持台48)と略同じ高さの台車(図示せず)を事前に用意しておき、バッテリ42を台車に載せる。
【0098】
作業者は、台車(バッテリ42)を第2バッテリ支持部32の左横側方に位置させ、バッテリ42の長辺部42aが左右方向A1に沿うように、台車の向きを設定する。作業者は、台車(バッテリ42)を第2バッテリ支持部32に向けて、左右方向A1に沿って右方に移動させるのであり、台車が機体フレーム3等に当たって止まる位置まで、台車(バッテリ42)を移動させる。
【0099】
作業者は、停止した台車に対して、バッテリ42を左右方向A1に沿って右方に移動させ、バッテリ42の右の短辺部42bを第2バッテリ支持部32に入れるのであり、バッテリ42をさらに右方に移動させて、バッテリ42を台車から支持台48に載せ換える。作業者は、バッテリ42を支持台48にボルトにより取り付けることにより、バッテリ42を第2バッテリ支持部32に取り付けることができる。
【0100】
作業者は、台車(バッテリ42)を第2バッテリ支持部32の右横側方に位置させた場合においても、前述と同様に、バッテリ42の長辺部42aが左右方向A1に沿うように台車の向きを設定し、台車(バッテリ42)を第2バッテリ支持部32に向けて、左右方向A1に沿って左方に移動させることにより、バッテリ42を第2バッテリ支持部32に取り付けることができる。
【0101】
(第2のバッテリの取り外し作業)
作業者がバッテリ42を第2バッテリ支持部32から取り外す場合、
図2及び
図4に示すように、作業者は、空の台車を第2バッテリ支持部32の左横側方に配置しておく。
【0102】
作業者は、バッテリ42を支持台48に取り付けているボルトを取り外した後、バッテリ42を左右方向A1に沿って左方に移動させて、バッテリ42の左の短辺部42bを台車に載せる。作業者は、バッテリ42をさらに左方に移動させて、バッテリ42を支持台48から台車に載せ換えることにより、バッテリ42を第2バッテリ支持部32から取り外すことができる。
【0103】
作業者は、空の台車を第2バッテリ支持部32の右横側方に配置した場合において、前述と同様に、バッテリ42を左右方向A1に沿って右方に移動させて、バッテリ42を支持台48から台車に載せ換えることにより、バッテリ42を第2バッテリ支持部32から取り外すことができる。
【0104】
以上の構成により、バッテリ42(第2のバッテリ)は、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)の右横外方又は左横外方から左右方向A1に沿って移動させることによって、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)に取り付け可能であり、且つ、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)から右横外方又は左横外方に向けて左右方向A1に沿って移動させることにより、第2バッテリ支持部32(バッテリ支持部)から取り外し可能である。
【0105】
(発明の実施の第1別形態)
バッテリ42を第2バッテリ支持部32に取り付けない作業車では、第2バッテリ支持部32を、工具や荷物の収容スペース等に利用することができる。
この場合、開閉式の扉を有する収容ボックス(図示せず)が、第2バッテリ支持部32に取り付けられてもよい。工具や荷物を収容ボックスに入れておくことによって、走行時の振動等により工具や荷物が地面に落ちることはなく、工具や荷物が地面の土や水から守られる。
【0106】
(発明の実施の第2別形態)
支持台48の右及び左部にアンダーカバー(図示せず)を連結して、第2バッテリ支持部32に取り付けられたバッテリ42が、アンダーカバーにより地面の土や水から守られるように構成してもよい。
【0107】
(発明の実施の第3別形態)
前述の(発明の実施の第2別形態)において、右のアンダーカバーの右部及び左のアンダーカバーの左部に、開閉操作可能な右及び左のサイドカバー(図示せず)が設けられてもよい。これにより、第2バッテリ支持部32に取り付けられたバッテリ42の右部及び左部が、サイドカバーにより守られる。
【0108】
(発明の実施の第4別形態)
取付部19が第1フレーム部分21の後部に連結されて、サスペンションリンク27,28が、第1フレーム部分21の後部に上下揺動可能に支持されてもよい。
取付部19が第2フレーム部分22の下部に連結されて、サスペンションリンク27,28が、第2フレーム部分22の下部に上下揺動可能に支持されてもよい。
【0109】
(発明の実施の第5別形態)
支持台48が、第1フレーム部分21の後部(取付部19の付近)に連結され、第1フレーム部分21から後方に向けて延出されてもよい。
【0110】
(発明の実施の第6別形態)
右及び左のサスペンションリンク27,28とラテラルロッド51が廃止され、ダブルウイッシュボーン型式のサスペンション(図示せず)により、後輪2が機体フレーム3の第3フレーム部分23に支持されてもよい。
この場合、モータ18の動力が、伝動軸(図示せず)及び前輪デフ装置(図示せず)を介して前輪1に伝達されるように構成して、四輪駆動型式の作業車としてもよい。
【0111】
(発明の実施の第7別形態)
前側の運転席6及び助手席7、後側の座席(図示せず)が搭乗部4に設けられて、2列座席型式の4人乗りの作業車としてもよい。
この構成において、後側の座席の下方にバッテリ41が設けられ、
図3,4,5に示す構成が後側の座席に対して採用されるとよい。バッテリ41,42だけでは、バッテリ41,42の容量が不足する場合、運転席6及び助手席7の下方にもバッテリが設けられるとよい。
【0112】
(発明の実施の第8別形態)
前輪1に代えて、クローラ型式の走行装置(図示せず)が、前の走行装置として設けられてもよい。後輪2に代えて、クローラ型式の走行装置(図示せず)が、後の走行装置として設けられてもよい。前輪1及び後輪2に代えて、一つのクローラ型式の走行装置(図示せず)が設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、モータにより走行装置を駆動する電動型式の作業車ばかりではなく、エンジン及びモータにより走行装置を駆動するハイブリッド型式の作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0114】
1 前輪(走行装置)
2 後輪(走行装置)
3 機体フレーム
4 搭乗部
6 運転席(座席)
7 助手席(座席)
11 荷台
18 モータ
21 第1フレーム部分
22 第2フレーム部分
23 第3フレーム部分
27 サスペンションリンク
28 サスペンションリンク
29 サスペンション機構
32 第2バッテリ支持部(バッテリ支持部)
42 バッテリ
42a 長辺部
42b 短辺部
48 支持台
49 支持フレーム
A1 左右方向