(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070664
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】車両点検システム、車両管理システム、車両点検方法および車両点検プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240516BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20240516BHJP
【FI】
G06Q30/0207 328
G06Q30/0645
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181290
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】増田 哲也
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L030BB72
5L049BB07
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】共用車両の点検を効率的に行うことができる車両点検システム等を提供する。
【解決手段】車両点検システム10は、取得部11と、抽出部12と、算出部13と、出力部14を備える。取得部11は、共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する。抽出部12は、利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出する。算出部13は、抽出した変更候補車両が利用者によって車両の点検場所に運行され、変更候補車両の点検が実施された場合における、利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出する。出力部14は、変更候補車両に関する情報と、インセンティブとを出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する取得手段と、
前記利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出する抽出手段と、
抽出した前記変更候補車両が前記利用者によって車両の点検場所に運行され、前記変更候補車両の点検が実施された場合における、前記利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出する算出手段と、
前記変更候補車両に関する情報と、前記インセンティブとを出力する出力手段と
を備える車両点検システム。
【請求項2】
前記利用者に対するインセンティブを算出する基準は、前記変更候補車両の点検の優先度が高いほど、インセンティブが高くなるように設定されている、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項3】
前記利用者に対するインセンティブを算出する基準は、点検に要する時間が長いほど、インセンティブが高くなるように設定されている、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項4】
前記利用者に対するインセンティブを算出する基準は、前記利用者が利用を希望する車両の駐車場所と、前記変更候補車両の駐車場所と間の距離が長いほど、インセンティブが高くなるように設定されている、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項5】
前記利用者に対するインセンティブを算出する基準は、前記変更候補車両の駐車場所と、前記点検場所との間の距離が長いほど、インセンティブが高くなるように設定されている、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項6】
前記出力手段は、前記利用者が利用を希望する車両の予約の完了後、または、前記利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得した際に、前記変更候補車両が抽出された場合に、予約の変更先の候補として、抽出した前記変更候補車両に関する情報と、前記インセンティブとを出力する、
請求項1から5いずれかに記載の車両点検システム。
【請求項7】
前記変更候補車両の点検が行われたときに、前記変更候補車両を点検場所に運行した利用者に、前記インセンティブを付与する付与手段をさらに備え、
前記付与手段は、点検結果に基づいて、前記算出手段が算出した前記インセンティブを修正して付与する、
請求項1から5いずれかに記載の車両点検システム。
【請求項8】
請求項1から5いずれかに記載の車両点検システムと、
前記車両点検システムに前記利用者が利用を希望する車両に関する情報を出力する手段と、前記車両点検システムから前記インセンティブを取得する手段とを有する利用者端末装置と、
前記変更候補車両の点検が実施された場合に、前記車両点検システムに、点検が実施されたことを示す情報を出力する手段を有する点検者端末装置と、
前記車両点検システムに車両の位置を示す情報を出力する手段を有する車載装置と
を備え、
前記車両点検システムは、前記利用者端末装置に、前記インセンティブを出力する、
車両管理システム。
【請求項9】
共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得し、
前記利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出し、
抽出した前記変更候補車両が前記利用者によって車両の点検場所に運行され、前記変更候補車両の点検が実施された場合における、前記利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出し、
前記変更候補車両に関する情報と、前記インセンティブとを出力する、
車両点検方法。
【請求項10】
共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する処理と、
前記利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出する処理と、
抽出した前記変更候補車両が前記利用者によって車両の点検場所に運行され、前記変更候補車両の点検が実施された場合における、前記利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出する処理と、
前記変更候補車両に関する情報と、前記インセンティブとを出力する処理と
をコンピュータに実行させる車両点検プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両点検システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
共用の車両を各利用者が必要なときに利用するカーシェアリングサービスが行われている。カーシェアリングサービスでは、例えば、車両の管理者が車両の清掃および点検を実施する。しかし、カーシェアリングサービスに用いる車両の駐車場所は、例えば、利用者の利便性を向上するために点在している。管理対象の車両の駐車場所が点在していると、車両の管理者は、互いに離れている駐車場所を巡回して、車両の清掃および点検を行う必要がある。このため、車両の管理者にとっては、共用の車両の点検を効率的に行えることが望ましい。共用の車両の点検を効率化するために、例えば、車両の利用期間中に、利用者によって点検が行われることがある。
【0003】
特許文献1の共用車管理システムは、車載装置から取得する共用車の状態を基に、共用車のメンテナンスの要否を判定する。そして、共用車管理システムは、共用車のメンテナンスが必要と判定したときに、車載装置に、利用者に対してメンテナンスの実施を促すメンテナンス信号を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の共用車管理システムでは、利用率が低い車両の点検が実施されず、点検の効率化が難しい場合がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、共用車両の点検を効率的に行うことができる車両点検システム等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本開示の車両点検システムは、共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する取得手段と、利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出する抽出手段と、抽出した変更候補車両が利用者によって車両の点検場所に運行され、変更候補車両の点検が実施された場合における、利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出する算出手段と、変更候補車両に関する情報と、インセンティブとを出力する出力手段とを備える。
【0008】
本開示の車両点検方法は、共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得し、利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出し、抽出した変更候補車両が利用者によって車両の点検場所に運行され、変更候補車両の点検が実施された場合における、利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出し、変更候補車両に関する情報と、インセンティブとを出力する。
【0009】
本開示の車両点検プログラムは、共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する処理と、利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出する処理と、抽出した変更候補車両が利用者によって車両の点検場所に運行され、変更候補車両の点検が実施された場合における、利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出する処理と、変更候補車両に関する情報と、インセンティブとを出力する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、共用車両の点検を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態の構成の概要を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態における点検のフローを模式的に示す図である。
【
図3】本発明の実施形態の車両点検システムの構成の例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の車両点検システムの動作フローの例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の車両点検システムの動作フローの例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の車両点検システムの動作フローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図を参照して詳細に説明する。
図1は、車両管理システムの構成の概要を示す図である。
【0013】
車両管理システムは、例えば、車両点検システム10と、利用者端末装置20と、点検者端末装置30と、車載装置40を備える。車両点検システム10は、ネットワークを介して、利用者端末装置20と接続する。車両点検システム10は、ネットワークを介して、点検者端末装置30と接続する。また、車両点検システム10は、ネットワークを介して、車載装置40と接続する。利用者端末装置20と、点検者端末装置30と、車載装置40は、それぞれ複数であってもよい。
【0014】
車両点検システム10は、例えば、カーシェアリングサービスにおける車両の点検を管理するシステムである。カーシェアリングサービスに用いられる車両は、例えば、定められた期間ごとに点検が行われる。しかし、カーシェアリングサービスの車両の管理者が、各車両の駐車場所を巡回して点検を行うと、時間と作業量が膨大となり得る。このため、本実施形態において、車両の点検は、例えば、車両の利用期間中、利用者が車両の点検場所に車両を運行することによって行われる。車両の点検場所は、例えば、カーシェアリングサービスと提携している事業者が車両の点検を実施する場所である。車両の点検は、例えば、カーシェアリングサービスと提携している事業者の作業者によって行われる。車両を点検する事業者は、例えば、ガソリンスタンド、自動車整備工場、および自動車用品店である。車両を点検する事業者は、上記に限られない。また、利用者は、例えば、カーシェアリングサービスを利用する人物である。利用者は、例えば、カーシェアリングサービスにおいて提供されている共用の車両から希望する車両を予約する。そして、利用者は、予約した期間に、予約した車両を利用する。
【0015】
車両点検システム10は、例えば、利用者端末装置20から、カーシェアリングサービスの利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する。車両点検システム10は、カーシェアリングサービスの車両の予約システムから車両の予約に関する情報を取得してもよい。そして、車両点検システム10は、点検の優先度が基準を満たす車両がある場合に、利用者に、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として提示する。また、車両点検システム10は、車両の利用予約を管理する機能を備えていてもよい。
【0016】
変更候補車両は、例えば、利用者が変更候補車以外の車両の利用を希望している場合に、利用者に、点検の優先度が基準を満たす車両への変更を促すときに提示される。点検の優先度が基準を満たす車両は、例えば、点検の優先度が他の車両よりも高い車両である。すなわち、車両点検システム10は、点検の優先度が高い車両がある場合に、利用者に変更候補車両を提示する。また、車両点検システム10は、利用者に、利用する車両を変更候補車両に変更し、車両を利用期間中に点検場所に運行した場合におけるインセンティブを提示する。車両点検システム10は、利用者が利用を希望している車両が、点検の優先度が基準を満たす車両である場合に、利用を希望している車両の利用期間中に、車両を点検場所に運行した場合におけるインセンティブを提示してもよい。
【0017】
点検の優先度は、例えば、点検の優先順位を示す指標である。点検の優先度は、例えば、点検の期日までの日数が短いほど、高くなるように算出される。また、点検の優先度が基準を満たすとは、例えば、点検の優先度が基準以上であることをいう。車両点検システム10は、例えば、点検の期日までの日数が基準以下の車両を、変更車両候補として抽出する。
【0018】
利用者は、点検の優先度が基準を満たす車両に関する情報と、インセンティブを参照して、利用する車両の変更を行うかを選択する。点検の優先度が基準を満たす車両を選択した場合に、利用者は、車両の利用期間内に、車両を点検場所に運行することで、車両の点検を実施する。車両の点検が実施されると、利用者は、提示されていたインセンティブを得ることができる。このように、車両点検システム10によって、利用者に対して、点検の優先度が基準を満たす車両に関する情報をインセンティブとともに提示することで、点検の優先度が基準を満たす車両の利用および点検が促進され得る。
【0019】
インセンティブは、例えば、カーシェアリングサービスで利用できるポイントとして付与される。インセンティブとして付与されたポイントは、例えば、利用料金の割引に用いられる。インセンティブとして付与されたポイントは、景品との交換に用いられてもよい。インセンティブとして付与されたポイントは、予約を優先的に行うことができる権利として用いられてもよい。また、インセンティブとして付与されたポイントは、提携している事業者において、商品およびサービスの購入に充当できるものであってもよい。また、インセンティブは、カーシェアリングサービスの利用料金の割引額として付与されてもよい。また、インセンティブは、外部のポイントサービスのポイントとして付与されてもよい。
【0020】
図2は、車両の点検を実施するときのフローの例を模式的に示す図である。利用者は、例えば、利用者端末装置20を操作して、利用を希望する車両を選択する。利用者端末装置20は、例えば、利用者が所持するスマートフォンである。利用者端末装置20は、スマートフォンに限られない。
【0021】
利用を希望する車両は、例えば、利用を希望する日時に予約の空きがある車両から選択される。利用者端末装置20は、例えば、車両点検システム10に、利用を希望する車両に関する情報を出力する。そして、車両点検システム10は、変更候補車両が利用者によって点検場所に運行され、点検が実施された場合に利用者に付与するインセンティブを算出する。車両点検システム10は、例えば、利用者端末装置20に、変更候補車両に関する情報と、インセンティブを出力する。
【0022】
車両点検システム10は、例えば、点検記録を参照し、前回の点検からの経過日数が基準以上であり、かつ、点検の予定が無い車両を変更候補車両として抽出する。車両の点検記録は、例えば、車両の点検日時、および次回の点検予定の有無を含む。車両の点検記録は、点検を実施した事業者、点検の内容、点検結果、および点検場所に運行した利用者を含んでいてもよい。車両の点検記録に含まれる項目は、上記に限られない。
【0023】
利用者は、例えば、利用者端末装置20の表示画面を参照し、予約する車両を、変更候補車両に変更するかを選択する。利用者が予約する車両を選択すると、利用者端末装置20は、例えば、車両点検システム10に、予約する車両に関する利用者の選択を出力する。車両点検システム10は、予約する車両に関する利用者の選択を基に、車両の予約と点検予定を管理する。
【0024】
利用者は、車両の利用の予約期間に、予約した車両の駐車場所に行き、予約した車両を利用する。予約された車両の利用が開始されると、車載装置40は、例えば、車両点検システム10に、利用が開始されたことを示す通知を出力する。利用が開始されたことを示す通知を取得すると、車両点検システム10は、例えば、点検者端末装置30に、車両の点検依頼を出力する。車両の点検依頼の出力先の点検者端末装置30は、例えば、利用者が点検場所として選択した事業者が所有する端末装置である。
【0025】
車両の点検依頼には、例えば、車両の情報と、点検の内容が含まれる。点検を依頼する事業者は、例えば、車両の駐車場所の近傍の事業者から選択される。車両点検システム10は、車載装置40に、点検場所の情報を出力してもよい。また、車両点検システム10は、利用者端末装置20に、点検場所の情報を出力してもよい。車両点検システム10は、点検を依頼する事業者の候補を複数、抽出し、利用者の選択に基づいて、点検を依頼する事業者を決定してもよい。
【0026】
点検の対象の車両は、利用者によって運行され、点検場所に持ち込まれる。車両が持ち込まれると、点検を実施する作業者は、車両の点検を実施する。そして、作業者は、例えば、点検者端末装置30を操作して、点検の完了を示す情報を入力する。車両の点検を行うときの点検の内容には、例えば、車両の正常な運行のために定期的に点検が必要な項目が設定される。点検項目は、例えば、タイヤの空気圧、タイヤの溝の深さ、タイヤの摩耗状況、車内の清掃状況、ウォッシャー液の量、およびエンジンオイルの状態のうち、1つまたは複数の項目である。点検項目は、上記に限られない。また、点検の完了を示す情報には、点検日時、点検を実施した項目、および項目ごとの点検結果が含まれていてもよい。
【0027】
点検の完了を示す情報が入力されると、点検者端末装置30は、例えば、車両点検システム10に、点検の完了を示す情報を出力する。点検の完了を示す情報を取得すると、車両点検システム10は、利用者にインセンティブを付与する。また、車両点検システム10は、車両の点検記録を更新する。尚、上記の点検の対象となる共用車両は、カーシェアリングサービスにおける車両に限られない。例えば、共用車両は、企業、自治体または団体が管理し、各組織に所属する人物が共用で利用する車両であってもよい。共用車両の管理者および利用者は、上記に限られない。
【0028】
ここで、車両点検システム10の構成について説明する。
図3は、車両点検システム10の構成の例を示す図である。車両点検システム10は、基本構成として、取得部11と、抽出部12と、算出部13と、出力部14を備える。また、車両点検システム10は、例えば、管理部15と、付与部16と、記憶部17を備える。
【0029】
取得部11は、共用車両の利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する。共用車両は、例えば、カーシェアリングサービスにおいて、サービスの提供者が管理し、利用者が共用で利用する車両である。取得部11は、例えば、利用者端末装置20から、利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する。取得部11は、カーシェアリングサービスの車両の予約システムから、利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得してもよい。利用者が利用を希望する車両に関する情報は、例えば、利用者が利用を希望する車両と、利用を希望する日時を特定する情報である。利用者が利用を希望する車両に関する情報は、例えば、カーシェアリングの利用者が利用を希望する車両と、車両が駐車されている位置と、車両の利用を希望している日時である。車両の利用を希望している日時は、例えば、車両の駐車場所から運行を開始する日時と、駐車場所に戻って運行を終了する日時である。利用者が利用を希望する車両が駐車されている位置は、例えば、利用されていないときに車両が置かれている駐車場を示す情報である。利用されていないときに車両が置かれている駐車場は、ステーションともいう。利用者が利用を希望する車両に関する情報は、車両の車種、排気量、乗車定員、駆動方式のうち、1つの項目または複数の項目を含んでいてもよい。利用者が利用を希望する車両に関する情報は、上記に限られない。
【0030】
取得部11は、例えば、利用者が利用を希望する車両を変更候補車両に変更するかの選択を取得する。取得部11は、例えば、利用者端末装置20から、利用者が利用を希望する車両を変更候補車両に変更するかの選択を取得する。取得部11は、カーシェアリングサービスの車両の予約システムから、利用者が利用を希望する車両を変更候補車両に変更するかの選択を取得してもよい。
【0031】
取得部11は、例えば、車両の利用が開始されたときに、車載装置40から、車両の利用が開始されたことを示す情報を取得する。また、車両の利用開始時に、利用者に対して点検を行うかを確認する場合に、取得部11は、例えば、車載装置40から、車両の点検を行うかの選択を取得してもよい。車両の利用開始時に、利用者に対して点検を行うかを確認する場合に、取得部11は、利用者端末装置20から、車両の点検を行うかの選択を取得してもよい。また、取得部11は、車載装置40から車両の現在位置の情報を取得してもよい。
【0032】
取得部11は、例えば、車両の点検が完了しときに、車両の点検の完了を示す情報を取得する。取得部11は、例えば、車両の点検が完了しときに、点検者端末装置30から、車両の点検の完了を示す情報を取得する。取得部11は車両の点検の完了を示す情報と、車両の点検結果を取得してもよい。車両の点検結果は、例えば、車両の点検において、実施した項目、項目ごとの点検結果、点検を行った作業者を含む。車両の点検結果には、予定の点検項目から変更した項目が含まれていてもよい。また、車両の点検結果には、車両の点検に要した時間が含まれていてもよい。また、取得部11は、車両の点検が行われなかったときに、車両の点検が行われなかったことを示す情報を取得してもよい。
【0033】
抽出部12は、利用者が利用を希望する車両に関する情報と、車両それぞれの点検記録に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出する。点検の優先度が基準を満たす車両は、例えば、点検の優先度が基準以上の車両である。車両の点検記録は、例えば、車両に関する情報と、これまでに行われた点検における点検日および点検結果と、点検予定の有無を含む。車両の点検記録に含まれる項目は、上記に限られない。抽出部12は、点検の優先度が基準を満たし、かつ、点検の予定が無い車両を変更候補車両として抽出してもよい。抽出部12は、変更候補車両を抽出するときに、例えば、利用者が利用を希望する車両が駐車されている駐車場の近傍に駐車されている車両から変更候補車両を抽出する。抽出部12は、利用者が利用を希望する車両が駐車されている駐車場と同一の駐車場に駐車されている車両から、変更候補車両を抽出してもよい。車両の駐車場所の情報は、例えば、利用者が利用を希望する車両に関する情報に含まれている。また、近傍の範囲は、例えば、カーシェアリングのサービスの提供者によって設定される。近傍の範囲は、例えば、利用者が徒歩で移動可能な範囲として設定される。また、抽出部12は、点検の優先度が、利用者が利用を希望している車両の優先度よりも高い車両を変更候補車両として抽出してもよい。抽出部12は、点検の優先度が基準を満たす車両が無い場合に、変更候補車両を抽出しなくてもよい。抽出部12は、点検の優先度が基準を満たす車両が無い場合に、点検の優先度が高い順に、設定された数の車両を変更候補車両として抽出してもよい。抽出部12は、点検の優先度が、利用者が利用を希望している車両の優先度よりも高い車両が無い場合には、変更候補車両を抽出しなくてもよい。抽出部12は、利用者が希望する車両の点検の優先度が基準を満たすことで点検対象となっている場合に、変更候補車両を抽出しなくてもよい。
【0034】
点検の優先度は、例えば、点検の期日までの残り日数を基に算出される。点検の期日までの残り日数を基に優先度が算出される場合に、点検の優先度が基準を満たす車両は、点検の期日までの残り日数が基準未満の車両である。点検の優先度が基準を満たす車両は、利用者が車両の利用を希望している日時において、前回の点検からの経過日数が基準を超えている車両であってもよい。点検の優先度が基準を満たすは、利用者が車両の利用を予約する日時において、前回の点検からの経過日数が基準を超えている車両であってもよい。
【0035】
点検の優先度は、重要性の高い点検の期日までの日数が少ないほど、高くなるように設定されてもよい。点検の優先度は、過去の点検時に異常が検出された車両の優先度が高くなるように設定されてもよい。点検の優先度は、修理履歴がある車両の優先度が高くなるように設定されてもよい。点検の優先度は、利用者から不具合の報告があった車両の優先度が高くなるように設定されてもよい。また、点検の優先度は、運行時に不具合が検出された履歴がある車両の優先度が高くなるように設定されてもよい。運行時の不具合の検出は、例えば、車載装置40によって行われる。また、点検の優先度は、車両の利用時間、走行距離、部品の交換履歴、事故歴の有無、車両の利用者の履歴を基に算出されてもよい。車両の点検の優先度は、例えば、前回の点検からの車両の利用時間が長い場合ほど、高くなるように算出される。点検の優先度を算出する際に用いるデータの項目は、上記に限られない。
【0036】
算出部13は、変更候補車両が利用者によって車両の点検場所に運行され、変更候補車両の点検が実施された場合における、利用者に対するインセンティブを基準に基づいて算出する。
【0037】
算出部13は、例えば、利用者が利用を希望する車両に関する情報と、点検の優先度を用いて、設定されている基準を基に、利用者に対するインセンティブを算出する。インセンティブを算出する基準は、例えば、点検の優先度が高いほど、インセンティブが高くなるように設定される。
【0038】
インセンティブを算出する基準は、利用者が利用を希望する車両と、変更候補車両の差が大きいほど、インセンティブが高くなるように設定されてもよい。インセンティブを算出する基準は、利用者が利用を希望する車両の駐車場所と、変更候補車両の駐車場所の間の距離が大きいほど、インセンティブが高くなるように設定されてもよい。インセンティブを算出する基準は、変更候補車両の駐車場所と、点検場所との間の距離が長いほど、インセンティブが高くなるように設定されていてもよい。距離には、車両が走行する道路に沿った距離が含まれる。また、インセンティブを算出する基準は、変更候補車両の利用頻度が低いほど、インセンティブが高くなるように設定されてもよい。例えば、インセンティブを算出する基準は、点検の期日までに車両の利用が見込まれない場合に、インセンティブが高くなるように設定される。また、インセンティブを算出する基準は、利用者が利用を希望する車両と、変更候補車両の差が大きいほど、インセンティブが高くなるように設定されてもよい。例えば、インセンティブを算出する基準は、利用者が利用を希望する車種に比べて、変更候補車両の車種のグレードが下がるほど、インセンティブが高くなるように設定される。インセンティブを算出する基準は、例えば、利用期間の変更を伴う場合に、変更内容が大きくなるほど、インセンティブが高くなるように設定されてもよい。
【0039】
インセンティブを算出する基準は、点検項目が多くなるほど、インセンティブが高くなるように設定されてもよい。また、インセンティブを算出する基準は、点検に要する時間が長くなるほど、インセンティブが高くなるように設定されてもよい。また、インセンティブを算出する基準は、例えば、車両の駐車位置から点検場所までの距離が長くなるほど、インセンティブが高くなるように設定されていてもよい。インセンティブを算出する基準の設定は、上記に限られない。
【0040】
出力部14は、変更候補車両に関する情報と、インセンティブを出力する。出力部14は、例えば、利用者端末装置20に、変更候補車両に関する情報と、インセンティブを出力する。出力部14は、例えば、利用者が利用を希望する車両が点検の優先度の基準を満たす場合に、利用を希望する車両に関する情報と、インセンティブを出力してもよい。
【0041】
出力部14は、例えば、点検者端末装置30に、車両の点検依頼を出力する。車両の点検依頼は、例えば、点検の予定日時、点検対象の車両の車種、点検内容および利用者の氏名である。点検内容は、例えば、点検の項目と、項目ごとの点検基準である。点検内容は、点検の項目を定めたコースの名称であってもよい。車両の点検依頼には、過去の点検における点検結果が含まれていてもよい。車両の点検依頼に含まれる情報は、上記に限られない。また、出力部14は、点検者端末装置30に、点検を実施した場合に利用者に付与されるインセンティブを出力してもよい。
【0042】
出力部14は、車両の利用が開始されたときに、利用者に対する車両の点検の実施可否を確認する情報を出力してもよい。出力部14は、例えば、車載装置40に、車両の点検の実施可否を確認する情報を出力する。出力部14は、利用者端末装置20に、車両の点検の実施可否を確認する情報を出力してもよい。また、車両の点検の実施可否を確認する情報は、点検場所、および点検時間の少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0043】
出力部14は、利用者が利用を希望する車両の予約の完了後に、予約の変更先の候補として、変更候補車両に関する情報と、インセンティブを出力してもよい。例えば、抽出部12によって利用者が予約している車両よりも点検の優先度が高い変更候補車両が抽出された場合に、出力部14は、例えば、利用者端末装置20に、予約の変更先の候補として、変更候補車両に関する情報と、インセンティブを出力する。利用者が利用を希望する車両の予約の完了後に変更候補車両を出力する場合に、抽出部12は、例えば、設定された期間ごとに、変更候補車両を抽出する。そして、算出部13は、変更候補車両が利用者によって車両の点検場所に運行され、変更候補車両の点検が実施された場合における、利用者に対するインセンティブを算出する。
【0044】
インセンティブが外部のポイントサービスのポイントとして付与され場合に、出力部14は、例えば、ポイントを管理するサーバに、利用者に付与したポイントに関する情報を出力する。ポイントに関する情報は、例えば、利用者が外部のポイントサービスにおいて取得している会員番号および付与したポイントの値である。
【0045】
管理部15は、利用者の選択に基づいて、利用者が利用する車両の予約を予約情報として管理する。予約情報は、例えば、利用の予約が行われた車両に関する情報と、利用日時と、利用時における点検の有無と、利用者の氏名、利用者の識別番号を関連付けた情報である。予約情報の項目は上記に限られない。管理部15は、例えば、利用者が、予約する車両として変更候補車両を選択しなかった場合に、利用者が利用を希望する車両に関する情報を基に、予約情報を更新する。また、管理部15は、例えば、利用者が、予約する車両として変更候補車両を選択した場合に、選択された変更候補車両に関する情報を基に、予約情報を更新する。管理部15は、例えば、記憶部17に、予約情報を保存する。
【0046】
管理部15は、車両の点検に関する情報を点検記録として管理する。管理部15は、例えば、記憶部17に、車両に関する情報と、これまでに行われた点検における点検日および点検結果と、点検予定の有無を関連づけて点検記録として保存する。また、管理部15は、例えば、車両の点検が行われたときに、点検記録を更新する。管理部15は、点検記録を更新するときに、点検記録に点検結果を付加してもよい。点検結果は、点検項目と、点検項目ごとの異常の有無または計測結果とを含む。点検記録には、過去の点検における点検結果が含まれていてもよい。また、車両に関する情報には、走行履歴、利用履歴、車両の事故および修理の履歴が含まれていてもよい。車両に関する情報は、上記に限られない。管理部15は、例えば、利用の予約が行われている車両が変更候補車両に変更されたときに、点検予定の有無の情報を更新する。管理部15は、例えば、利用の予約が行われている車両が変更候補車両に変更されたときに、変更後の車両の点検予定の有無の情報を点検予定有りに更新する。また、管理部15は、例えば、利用の予約が行われている車両が点検の対象の車両であり、かつ、利用する車両が変更候補車両に変更されたときに、変更前の車両の点検予定の有無の情報を点検予定無しに更新する。また、管理部15は、例えば、点検が完了したときに、点検予定の有無の情報を点検予定無しに更新する。また、管理部15は、点検が行われなかったときに、点検予定の有無の情報を点検予定無しに更新してもよい。
【0047】
付与部16は、変更候補車両の点検が行われたときに、変更候補車両を点検場所に運行した利用者に、インセンティブを付与する。付与部16は、例えば、取得部11が点検者端末装置30から取得する、点検の完了を示す通知を基に、変更候補車両を点検場所に運行した利用者に、算出部13が算出したインセンティブを付与する。付与部16は、例えば、利用者に付与したインセンティブを利用者情報として管理する。利用者情報は、例えば、利用者に関する情報と、利用者に付与したインセンティブを関連付けた情報である。利用者情報は、上記に限れない。また、利用者に関する情報は、例えば、利用者の氏名と、識別番号である。利用者に関する情報は、上記に限られない。付与部16は、例えば、記憶部17に、利用者情報を保存する。
【0048】
付与部16は、点検の実施時に点検内容が変更された場合に、算出部13が算出したインセンティブの値からインセンティブの値を修正してもよい。そして、付与部16は、車両を点検場所に運行した利用者に、修正した値のインセンティブを付与する。付与部16は、例えば、点検項目が増えた場合に、増えた点検項目に応じてインセンティブを加算する。付与部16は、点検に要した時間が基準よりも長かった場合に、点検に要した時間に応じてインセンティブを加算してもよい。また、付与部16は、点検の結果によって車両の使用に制限が生じた場合に、生じている制限の内容に応じたインセンティブを加算してもよい。付与部16は、例えば、点検の結果によって車両の空調機能に不具合が生じている場合に、生じている不具合に応じたインセンティブを加算する。
【0049】
記憶部17は、例えば、車両の予約に関する情報と、車両の点検の管理に関する情報を保存する。車両の点検の管理に関する情報は、例えば、点検記録として保存される。記憶部17は、例えば、カーシェアリングサービスに用いられている車両に関する情報と、利用者に関する情報を保存する。また、記憶部17は、例えば、車両の点検を実施する事業者に関する情報を保存する。
【0050】
記憶部17は、例えば、インセンティブの算出に関する情報を保存する。記憶部17は、例えば、インセンティブの算出基準を保存する。また、記憶部17は、例えば、利用者情報を保存する。
【0051】
利用者端末装置20は、例えば、図示しない表示装置に、車両の予約に関する情報を出力する。利用者端末装置20は、例えば、利用者が利用を希望している車両に関する情報と、変更候補車両の情報と、変更候補車両ごとのインセンティブを出力する。利用者端末装置20は、例えば、車両点検システム10から、表示装置に出力する各データを取得する。
【0052】
利用者端末装置20は、例えば、利用者の操作によって入力される、利用する車両の選択を受け付ける。利用者端末装置20は、例えば、利用者の操作によって入力される、利用を希望する車両の選択を受け付ける。また、利用者端末装置20は、例えば、利用者の操作によって入力される、利用する車両についての、変更候補車両への変更の選択を受け付ける。利用者端末装置20は、例えば、車両点検システム10に、利用者が利用する車両の選択を出力する。
【0053】
利用者端末装置20には、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、または、携帯電話を用いることができる。利用者端末装置20に用いる端末装置は、上記に限られない。
【0054】
点検者端末装置30は、例えば、車両点検システム10から、車両の点検依頼を取得する。そして、点検者端末装置30は、図示しない表示装置に、車両の点検依頼を出力する。車両の点検依頼には、例えば、点検の予定日時、点検対象の車両の車種、点検項目および利用者の氏名が含まれる。点検項目は、点検の項目を定めたコースの名称であってもよい。車両の点検依頼には、点検対象の車両の点検記録が含まれていてもよい。車両の点検依頼に含まれる情報は、上記に限られない。
【0055】
点検者端末装置30は、点検依頼の対象の車両に搭載されている車載装置40から車両の位置の情報を取得してもよい。点検依頼の対象の車両の位置の情報を取得した場合に、点検者端末装置30は、例えば、図示しない表示装置に、点検対象の車両の位置の情報を出力する。
【0056】
点検者端末装置30は、例えば、車両の点検が終了したときに点検を実施した作業者によって入力される、車両の点検結果を取得する。そして、点検者端末装置30は、車両点検システム10に、取得した車両の点検結果を出力する。
【0057】
点検者端末装置30には、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、または、携帯電話を用いることができる。点検者端末装置30に、用いる端末装置は、上記に限られない。
【0058】
車載装置40は、例えば、車両の利用状態を検知する。車載装置40は、例えば、車両の利用が開始されたときに、車両の利用の開始を検知する。車載装置40は、例えば、車両の利用が終了したときに、車両の利用の終了を検知してもよい。車載装置40は、例えば、車両点検システム10に、車両の利用状態の検知結果を出力する。また、車載装置40は、車両の走行状態の計測結果を取得してもよい。車載装置40は、例えば、車両に取り付けられたセンサから車両の走行状態の計測結果を取得する。車載装置40は、車両の制御システムから車両の走行状態の計測結果を取得してもよい。車載装置40は、例えば、車両点検システム10に、車両の走行状態の計測結果を出力する。車載装置40は、車両の走行状態に異常があったときに、車両点検システム10に、不具合を検知した情報を出力してもよい。
【0059】
車載装置40は、例えば、車両の利用が開始されたときに、車両点検システム10から、利用者に対する車両の点検の実施可否の確認する情報を取得する。車載装置40は、例えば、図示しない表示装置に、車両の点検の実施可否の確認する情報を出力する。車両の点検の実施可否の確認する情報には、車両の点検場所が含まれていてもよい。また、車両の点検の実施可否の確認する情報には、車両の点検に要する予定時間が含まれていてもよい。
【0060】
車両の点検の実施可否の確認する情報を出力した場合に、車載装置40は、例えば、利用者の操作によって入力される、車両の点検の実施可否の選択を取得する。そして、車載装置40は、車両点検システム10に、車両の点検の実施可否の選択を出力する。
【0061】
車載装置40は、車両点検システム10に、車両の位置の情報を出力してもよい。また、車載装置40は、点検者端末装置30に、車両の位置の情報を出力してもよい。車載装置40は、車両の位置を、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて取得する。
【0062】
車載装置40には、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、または、携帯電話を用いることができる。車載装置40は、カーナビゲーションシステムであってもよい。車載装置40は、車両の制御システムの一部であってもよい。車載装置40は、上記に限られない。
【0063】
図4は、利用者が希望している車両に関する情報と、変更候補車両に関する情報を表示する表示画面の例を示す図である。
図4の表示画面の例は、例えば、利用者端末装置20の表示装置に表示される。
図4の表示画面の例では、表示画面の左側の「予約車両」の欄に、利用者が利用を希望している車両の情報が表示されている。
図4の表示画面の例では、利用者が利用を希望している車両も点検対象になっている。
図4の表示画面の例では、利用者が利用を希望している車両Aについて、「ステーション」、「点検時間」および「インセンティブ」の情報が表示されている。「ステーション」は、例えば、車両が駐車されている駐車場の名称である。「点検時間」は、例えば、点検の開始から終了までの予定時間である。「インセンティブ」は、利用者が車両を点検場所に運行して、車両の点検が実施された場合に、利用者に付与されるインセンティブの値である。また、
図4の表示画面の例では、利用者が希望している車両の利用日時が、「予約日時」として表示されている。利用者が利用を希望している車両が点検対象でない場合には、「点検時間」は、表示されない。また、利用者が利用を希望している車両が点検対象でない場合には、「インセンティブ」の情報は、表示されなくてもよい。
【0064】
図4の表示画面の例では、「変更候補車両」の欄に、点検の優先度が基準を満たす車両の情報が表示されている。
図4の表示画面の例では、「変更候補車両」の欄に、車両B、車両Cおよび車両Dの3台の車両に関する情報が表示されている。また、
図4の表示画面の例では、「変更候補車両」の欄の車両それぞれについて、ステーション」、「点検時間」および「インセンティブ」の情報が表示されている。また、変更候補車両の数は、3台に限られない。
【0065】
図4の表示画面の例において、例えば、利用者が車両のアイコンを選択することで利用する車両の選択が行われる。
図4の表示画面の例において、例えば、変更候補車両のアイコンが選択されると、利用者が利用を希望していた車両から、選択された車両に予約が行われる車両が変更される。また、利用者が希望している車両に関する情報と、変更候補車両に関する情報を表示する表示画面の例は、
図5の表示画面の例に限られない。
【0066】
図5は、点検対象の車両の利用開始時に点検を実施するかを確認する表示画面の例である。
図5の表示画面の例は、例えば、車載装置40の表示装置に表示される。
図5の表示画面の例は、利用者端末装置20の表示装置に表示されてもよい。
図5の表示画面の例では、「点検依頼」として、「点検場所」と、「予定点検時間」が表示されている。「点検場所」は、例えば、点検を実施する事業者名、または、点検を実施する場所の名称である。「予定点検時間」は、例えば、点検の開始から終了までの予測時間である。
図5の表示画面の例では、「点検可」と、「点検不可」のボタンが表示されている。「点検可」は、点検を受けることが可能な場合に選択される。「点検不可」は、例えば、利用者の予定が変わり点検が出来ない場合に選択される。また、点検対象の車両の利用開始時に点検を実施するかを確認する表示画面の例は、
図5の表示画面の例に限られない。
【0067】
図6は、点検を実施する事業者に点検を依頼する表示画面の例である。
図6の表示画面の例は、例えば、点検者端末装置30の表示装置に表示される。
図6の表示画面の例では、「車両点検依頼」として、「予定日時」と、「対象車種」と、「車両番号」と、「点検項目」と、「利用者名」が表示されている。「予定日時」は、例えば、利用者が点検のために車両を持ち込むことが見込まれる日時である。「予定日時」は、例えば、予約日時から推定される。「対象車種」は、例えば、点検を依頼する車両の車種である。「車両番号」は、例えば、車両のナンバープレートの番号である。「点検項目」は、例えば、点検の項目に関する情報である。
図6の表示画面の例では、「点検項目」は、点検の項目を定めたコースの名称を用いて表示されている。「利用者名」は、例えば、検査対象の車両を運転して持ち込む、カーシェアリングサービスの利用者の氏名である。
図6の表示画面の例では、「点検完了」と、「点検未了」のボタンが表示されている。「点検完了」は、予定されている点検を完了した場合に選択される。「点検未了」は、例えば、予定していた点検を実施できなかった場合に選択される。また、点検を実施する事業者に点検を依頼する表示画面の例は、
図6の表示画面の例に限られない。
【0068】
車両点検システム10において、変更候補車両に関する情報と、インセンティブを出力する動作について説明する。
図7は、車両点検システム10において、変更候補車両に関する情報と、インセンティブを出力する動作における動作フローの例を示す図である。
【0069】
取得部11は、例えば、利用者端末装置20から、カーシェアリングの利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得する(ステップS11)。
【0070】
利用者が利用を希望する車両に関する情報が取得されると、抽出部12は、利用者が利用を希望する車両に関する情報に基づき、点検の優先度が基準を満たす車両を変更候補車両として抽出する(ステップS12)。
【0071】
変更候補車両が抽出された場合に(ステップS13でYes)、算出部13は、抽出した変更候補車両が利用者によって点検場所に運行され、点検が実施された場合における、利用者に対するインセンティブを算出する(ステップS14)。
【0072】
インセンティブが算出されると、出力部14は、抽出した変更候補車両に関する情報と、インセンティブとを出力する(ステップS15)。出力部14は、例えば、利用者端末装置20に、抽出した変更候補車両に関する情報と、インセンティブとを出力する。
【0073】
ステップS13において、点検の優先度が高い車両が抽出されなかった場合に(ステップS13でNo)、管理部15は、利用者が利用を希望している車両に関する情報を基に、利用者が利用を希望する車両の予約を確定する(ステップS16)。
【0074】
次に、車両点検システム10において、利用者が利用する車両の選択が行われるときの動作について説明する。
図8は、車両点検システム10において、利用者が利用する車両の選択が行われるときの動作フローの例を示す図である。
【0075】
利用者が利用する車両を選択すると、取得部11は、例えば、利用者端末装置20から、利用者が選択した車両に関する情報を取得する(ステップS21)。
【0076】
選択された車両が利用を希望していた車両から変更候補車両に変更されている場合に(ステップS22でYes)、管理部15は、選択された変更候補車両に関する情報を基に、予約情報を更新する(ステップS23)。
【0077】
予約情報の更新後、車両の利用が開始された場合に(ステップS24でYes)、出力部14は、例えば、点検者端末装置30に、点検依頼を出力する(ステップS25)。出力部14は、例えば、利用者が点検場所として選択した事業者が所有する点検者端末装置30に、点検依頼を出力する。車両の利用が開始されていない場合には(ステップS24でNo)、車両点検システム10は、例えば、当該車両の処理に関して、利用者が当該車両の利用を開始するまで保留する。
【0078】
ステップS22において、利用を希望していた車両から変更候補車両に変更されなかった場合に(ステップS22でNo)、管理部15は、利用者が利用を希望していた車両が点検対象かを確認する。利用者が利用を希望していた車両が点検対象の場合で(ステップS26でYes)、利用が開始された場合に(ステップS27でYes)、出力部14は、例えば、点検者端末装置30に、点検に関する情報を出力する(ステップS28)。
【0079】
利用者が利用を希望していた車両が点検対象の場合で(ステップS26でYes)、車両の利用が開始されていない場合には(ステップS27でNo)、車両点検システム10は、例えば、当該車両の処理に関して、利用者が当該車両の利用を開始するまで保留する。また、ステップS26において、利用者が利用を希望していた車両が点検対象の場合に(ステップS26でNo)、車両点検システム10は、当該車両の点検に関する処理を終了する。
【0080】
次に、車両点検システム10において、車両の点検が行われた場合に、利用者にインセンティブを付与するときの動作について説明する。
図9は、車両点検システム10において、車両の点検が行われた場合に、利用者にインセンティブを付与する動作の動作フローの例を示す図である。
【0081】
点検が実施されると、取得部11は、例えば、点検者端末装置30から、点検の完了を示す情報を取得する(ステップS31)。車両の点検が予定通りに完了している場合に(ステップS32でYes)、管理部15は、車両の点検記録を更新する(ステップS33)。車両の点検記録が更新されると、付与部16は、変更候補車両を点検場所に運行した利用者に、インセンティブを付与する(ステップS34)。付与部16は、例えば、利用者情報に記録されているインセンティブの値に、新たに付与されたインセンティブの値を加算して、利用者にインセンティブを付与する。インセンティブが付与された場合に、出力部14は、例えば、利用者端末装置20に、付与されたインセンティブに関する情報を出力してもよい。
【0082】
ステップS32において、車両の点検が予定通りに完了していない場合に(ステップS32でNo)、管理部15は、車両の点検内容を実際に実施された項目を基に変更して点検記録を更新する(ステップS35)。車両の点検記録が更新されると、付与部16は、点検の実施内容を基にインセンティブを修正し、修正したインセンティブを利用者に付与する(ステップS36)。
【0083】
車両点検システム10は、点検の優先度が基準を満たす車両がある場合に、点検の優先度が基準を満たす車両に関する情報と、共用車両の利用者が当該車両を点検場所に運行し、点検が実施されたときに付与するインセンティブを出力する。共用車両は、例えば、カーシェアリングサービスにおいて、サービスの提供者が管理し、利用者が共用で利用する車両である。利用者が車両を点検場所に運行し、点検が実施されたときに付与されるインセンティブを出力することで、車両点検システム10では、例えば、利用者に対して、利用を希望している車両から点検の優先度が基準を満たす車両への変更を促すことができる。利用者が利用する車両を点検の優先度が基準を満たす車両に変更することで、点検の優先度が基準を満たす車両の点検を促進することができる。このため、サービスの管理者が車両の点検を行わなくても、点検の優先度が基準を満たす車両の点検率が向上し得る。例えば、利用率が低い車両がある場合に、点検の優先度を高く設定し、インセンティブを提示することで、利用者が、利用率が低い車両を選択する可能性を高めることができる。利用者に選択される可能性を高めることで、利用率の低い車両においても、利用者が点検場所に運行することによる車両の点検が行われやすくなる。利用者が点検場所に運行することによる車両の点検が行われやすくなることで、例えば、車両の管理者が駐車場所を巡回して車両の点検を行う回数を抑制することができる。この結果、車両点検システム10を用いることで、共用車両の点検を効率的に行うことができる。
【0084】
車両点検システム10における各処理は、コンピュータプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。
図10は、車両点検システム10における各処理を行うコンピュータプログラムを実行するコンピュータ100の構成の例を示したものである。コンピュータ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103と、入出力I/F(Interface)104と、通信I/F105を備える。
【0085】
CPU101は、記憶装置103から各処理を行うコンピュータプログラムを読み出して実行する。CPU101は、複数のCPUの組み合わせによって構成されていてもよい。また、CPU101は、CPUと他の種類のプロセッサの組み合わせによって構成されていてもよい。例えば、CPU101は、CPUとGPU(Graphics Processing Unit)の組み合わせによって構成されていてもよい。メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等によって構成され、CPU101が実行するコンピュータプログラムや処理中のデータが一時記憶される。記憶装置103は、CPU101が実行するコンピュータプログラムを記憶している。記憶装置103は、例えば、不揮発性の半導体記憶装置によって構成されている。記憶装置103には、ハードディスクドライブ等の他の記憶装置が用いられてもよい。入出力I/F104は、作業者からの入力の受付および表示データ等の出力を行うインタフェースである。通信I/F105は、利用者端末装置20、点検者端末装置30、車載装置40および他の情報処理装置との間でデータの送受信を行うインタフェースである。また、利用者端末装置20、点検者端末装置30および車載装置40は、コンピュータ100と同様の構成であってもよい。
【0086】
各処理の実行に用いられるコンピュータプログラムは、データを非一時的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することもできる。記録媒体としては、例えば、データ記録用磁気テープや、ハードディスクなどの磁気ディスクを用いることができる。また、記録媒体としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の光ディスクを用いることもできる。不揮発性の半導体記憶装置を記録媒体として用いてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 車両点検システム
11 取得部
12 抽出部
13 算出部
14 出力部
15 管理部
16 付与部
17 記憶部
20 利用者端末装置
30 点検者端末装置
40 車載装置
100 コンピュータ
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 入出力I/F
105 通信I/F