(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070665
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】車両点検システム、車両点検方法、車両点検プログラムおよび点検支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240516BHJP
G06Q 30/0226 20230101ALI20240516BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0226
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181291
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】増田 哲也
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】共用車両の点検率を向上することができる車両点検システム等を提供する。
【解決手段】車両点検システム10は、取得部11と、抽出部12と、出力部13と、点検結果取得部14は、付与部15を備える。取得部11は、共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得する。抽出部12は、取得した車両の位置を基に、車両の点検を行う施設の候補の中から、車両の点検依頼を行う施設を抽出する。出力部13は、抽出した施設で用いられる端末装置に、両の点検依頼を出力する。点検結果取得部14は、施設に車両が滞在している間に行われる、車両の点検の結果を取得する。付与部15は、車両の点検の結果を基に、車両の利用者にインセンティブを付与する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得する取得手段と、
取得した前記車両の位置を基に、前記車両の点検を行う施設の候補の中から、前記車両の点検依頼を行う施設を抽出する抽出手段と、
抽出した前記施設で用いられる端末装置に、前記車両の点検依頼を出力する出力手段と、
前記施設に前記車両が滞在している間に行われる、前記車両の点検の結果を取得する点検結果取得手段と、
前記車両の点検の結果を基に、前記車両の利用者にインセンティブを付与する付与手段と
を備える車両点検システム。
【請求項2】
前記付与手段は、前記点検依頼の出力先の施設における前記車両への動力源の充填中に、前記車両の点検が終了しなかった場合に、割り増したインセンティブを付与する、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項3】
前記付与手段は、前記車両に対する追加の点検または追加の作業が生じた場合に、割り増したインセンティブを付与する、
請求項2に記載の車両点検システム。
【請求項4】
前記抽出手段は、取得した前記車両の位置を基に、前記車両との距離が基準を満たす前記施設を抽出する、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項5】
前記抽出手段は、抽出した施設に前記車両が立ち寄らなかった場合に、前記点検依頼を行う施設を再抽出する、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記車両の走行予定ルート上にある前記施設を抽出する、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項7】
前記出力手段は、地図上に、前記施設の位置を重畳して出力する、
請求項1に記載の車両点検システム。
【請求項8】
共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得し、
取得した前記車両の位置を基に、前記車両の点検を行う施設の候補の中から、前記車両の点検依頼を行う施設を抽出し、
抽出した前記施設で用いられる端末装置に、前記車両の点検の依頼を出力し、
前記施設に前記車両が滞在している間に行われる、前記車両の点検の結果を取得し、
前記車両の点検の結果を基に、前記車両の利用者にインセンティブを付与する、
車両点検方法。
【請求項9】
共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得する処理と、
取得した前記車両の位置を基に、前記車両の点検を行う施設の候補の中から、前記車両の点検依頼を行う施設を抽出する処理と、
抽出した前記施設で用いられる端末装置に、前記車両の点検依頼を出力する処理と、
前記施設に、前記車両が滞在している間に行われる、前記車両の点検の結果を取得する処理と、
前記車両の点検の結果を基に、前記車両の利用者にインセンティブを付与する処理と
をコンピュータに実行させる車両点検プログラム。
【請求項10】
共用車両の利用者が利用中の車両の点検依頼を取得する処理と、
前記点検依頼の対象の車両の位置を取得する処理と、
前記車両の位置が基準を満たした場合に、前記点検依頼に関する情報を出力する処理と、
前記点検依頼の内容に基づいて、前記車両が滞在している間に行われる、前記車両の点検結果を取得する処理と、
前記点検結果を出力する処理と
をコンピュータに実行させる点検支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両点検システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
共用の車両を各利用者が必要なときに利用するカーシェアリングサービスが広く行われている。カーシェアリングサービスでは、例えば、車両の管理者が利用される車両の清掃および点検を実施する。しかし、カーシェアリングサービスに用いる車両の駐車場所は、例えば、利用者の利便性を向上するために点在している。このため、利用者が点検事業者に車両を持ち込むことで、車両の点検が行われることがある。
【0003】
特許文献1の共用車管理システムは、利用者の操作によって入力される共用車の状態を車載装置から取得する。共用車管理システムは、取得した共用車の状態を基に、共用車のメンテナンスの要否を判定する。そして、共用車管理システムは、共用車のメンテナンスが必要と判定したときに、車載装置に、メンテナンス信号を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の共用車管理システムでは、車両の利用期間中において行われる車両の点検率の向上が難しい場合がある。
【0006】
本開示は、上記の課題を解決するため、共用車両の点検率を向上することができる車両点検システム等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本開示の車両点検システムは、共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得する位置取得手段と、取得した車両の位置を基に、車両の点検を行う施設の候補の中から、車両の点検依頼を行う施設を抽出する抽出手段と、抽出した施設で用いられる端末装置に、車両の点検依頼を出力する出力手段と、施設に車両が滞在している間に行われる、車両の点検の結果を取得する点検結果取得手段と、車両の点検の結果を基に、車両の利用者にインセンティブを付与する付与手段とを備える。
【0008】
本開示の車両点検方法は、共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得し、取得した車両の位置を基に、車両の点検を行う施設の候補の中から、車両の点検依頼を行う施設を抽出し、抽出した施設で用いられる端末装置に、車両の点検依頼を出力し、施設に車両が滞在している間に行われる、車両の点検の結果を取得し、車両の点検の結果を基に、車両の利用者にインセンティブを付与する。
【0009】
本開示の車両点検プログラムは、共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得する処理と、取得した車両の位置を基に、車両の点検を行う施設の候補の中から、車両の点検依頼を行う施設を抽出する処理と、抽出した施設で用いられる端末装置に、車両の点検依頼を出力する処理と、施設に車両が滞在している間に行われる、車両の点検の結果を取得する処理手段と、車両の点検の結果を基に、車両の利用者にインセンティブを付与する処理とをコンピュータに実行させる。
【0010】
本開示の点検支援プログラムは、共用車両の利用者が利用中の車両の点検依頼を取得する処理と、点検依頼の対象の車両の位置を取得する処理と、車両の位置が基準を満たした場合に、点検依頼に関する情報を出力する処理と、点検依頼の内容に基づいて、車両が滞在している間に行われる、車両の点検結果を取得する処理と、点検結果を出力する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によると、共用車両の点検率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態の構成の概要を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態における点検の実施フローを模式的に示す図である。
【
図3】本発明の実施形態の車両点検システムの構成の例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態の点検者端末装置の構成の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態における表示画面の例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の車両点検システムの動作フローの例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の車両点検システムの動作フローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について図を参照して詳細に説明する。
図1は、車両管理システムの構成の概要を示す図である。
【0014】
車両管理システムは、例えば、車両点検システム10と、利用者端末装置20と、点検者端末装置30と、車載装置40を備える。車両点検システム10は、ネットワークを介して、利用者端末装置20と接続する。車両点検システム10は、ネットワークを介して、点検者端末装置30と接続する。また、車両点検システム10は、ネットワークを介して、車載装置40と接続する。利用者端末装置20と、点検者端末装置30と、車載装置40は、それぞれ複数であってもよい。
【0015】
車両点検システム10は、共用車両の点検を支援するシステムである。共用車両は、例えば、カーシェアリングサービスにおいて、利用者が共用で利用する車両である。カーシェアリングサービスに用いられる車両は、例えば、定められた期間ごとに点検が行われる。しかし、カーシェアリングサービスの車両の管理者が、各車両の駐車場所を巡回して点検を行うと、時間と作業量が膨大となり得る。このため、本実施形態において、車両の点検は、例えば、利用者が車両を運転して立ち寄る施設に対して、施設の滞在中に、車両の点検が行われるように点検依頼をすることで行われる。点検の依頼先の施設は、例えば、車両の点検設備と、点検の作業者を有する施設である。車両の点検は、例えば、ガソリンスタンドに対して、車両へ給油中に、車両の点検が行われるように点検依頼をすることで行われる。給油は、例えば、利用者による車両の利用中に、利用者が車両を運転してガソリンスタンドに行くことによって行われる、すなわち、車両の点検は、例えば、利用者による車両の利用中に、ガソリンスタンドにおいて車両への給油が行われている間に行われる。車両の点検は、例えば、カーシェアリングサービスと提携しているガソリンスタンドの作業者によって行われる。
【0016】
点検の依頼先の施設は、ガソリンスタンドに限られない。点検の依頼先の施設は、例えば、車両への動力源の充填中に、車両を点検することが可能な施設である。車両に充填される動力源は、例えば、軽油、天然ガス、または水素である。車両の動力源は、上記に限られない。また、点検の依頼先の施設は、車両の蓄電池の充電を行う施設であってもよい。点検の依頼先の施設は、点検設備を有する小売店であってもよい。点検設備を有する小売店は、例えば、自動車用品店である。点検の依頼先の施設が小売店の場合に、点検は、例えば、利用者が小売店で買い物をしている間に行われる。
【0017】
以下の説明は、カーシェアリングサービスおいて、利用者が利用している車両への給油中に車両の点検が行われるように、ガソリンスタンドに対して点検依頼をする場合を例に行う。車両点検システム10は、車両の利用中に、車両の位置を検出する。そして、車両点検システム10は、車両の位置との距離が基準を満たすガソリンスタンドを点検の依頼先として抽出する。車両点検システム10は、例えば、車両の位置に最も近いガソリンスタンドを点検の依頼先として抽出する。車両点検システム10は、例えば、カーシェアリングサービスの提供者と、提携しているガソリンスタンドの中から点検の依頼先のガソリンスタンドを抽出する。提携しているガソリンスタンドは、例えば、カーシェアリングサービスの車両の給油時に、点検を実施する契約をカーシェアリングサービスの提供者と締結しているガソリンスタンドである。カーシェアリングサービスと提携しているガソリンスタンドの情報は、例えば、利用者に、カーシェアリングサービスの契約時に通知される。カーシェアリングサービスと提携しているガソリンスタンドの情報は、車両点検システム10から利用者端末装置20に出力することで利用者に通知されてもよい。
【0018】
車両の運行が開始されると、車両点検システム10は、例えば、抽出したガソリンスタンドの点検者端末装置30に、車両の点検依頼の情報を出力する。
【0019】
車両の点検は、点検依頼を受けたガソリンスタンドに、点検依頼の対象の車両が給油のために立ち寄ったときに実施される。車両の点検が終わると、点検を行った作業者は、例えば、点検者端末装置30に、点検結果を入力する。点検者端末装置30は、車両点検システム10に、点検結果を出力する。
【0020】
車両点検システム10は、点検結果を基に、車両の利用者にインセンティブを付与する。車両点検システム10は、例えば、給油中に点検が終わった場合に、利用者に、設定された値のインセンティブを付与する。また、車両点検システム10は、例えば、給油している時間よりも点検に要する時間が長かった場合に、利用者に、設定された値から割り増したインセンティブを付与する。利用者に付与するインセンティブの基準は、例えば、点検に要する時間が長いほど、インセンティブが大きくなるように設定される。利用者にインセンティブを付与することで、利用者のガソリンスタンドへの立ち寄りが促進され得る。利用者のガソリンスタンドへの立ち寄りが促進されることで、給油中に車両の点検を行うことができるため、カーシェアリングサービスの車両の点検率が向上し得る。
【0021】
インセンティブは、例えば、カーシェアリングサービスで利用できるポイントとして付与される。インセンティブとして付与されたポイントは、例えば、利用料金の割引に用いられる。インセンティブとして付与されたポイントは、景品との交換に用いられてもよい。インセンティブとして付与されたポイントは、予約を優先的に行うことができる権利として用いられてもよい。また、インセンティブとして付与されたポイントは、提携している事業者において、商品およびサービスの購入に充当できるものであってもよい。インセンティブは、利用者に対してのキャッシュバックとして付与されてもよい。また、インセンティブは、カーシェアリングサービスの利用料金の割引額として付与されてもよい。また、インセンティブは、外部のポイントサービスのポイントとして付与されてもよい。インセンティブは、上記に限られない。
【0022】
図2は、車両の点検を実施するときのフローの例を模式的に示す図である。カーシェアリングサービスの利用者は、例えば、利用者端末装置20を操作して、利用を希望する車両を予約する。利用者端末装置20は、例えば、利用者が所持するスマートフォンである。利用者端末装置20は、スマートフォンに限られない。
【0023】
車両点検システム10は、利用者が希望した車両の予約を受け付けると、予約に関する情報を予約情報として管理する。予約情報は、例えば、カーシェアリングサービスの車両の予約システムによって管理されてもよい。予約情報は、例えば、予約された車両に関する情報と、車両の利用日時と、利用者に関する情報を関連付けた情報である。車両に関する情報は、例えば、車両の識別番号である。車両の識別番号は、車両のナンバープレートの番号であってもよい。また、利用者に関する情報は、例えば、利用者の氏名である。利用者に関する情報は、利用者の会員番号であってもよい。車両に関する情報および利用者に関する情報は、上記に限られない。
【0024】
利用者は、車両の利用の予約期間に、予約した車両の駐車場所に行き、予約した車両を利用する。予約された車両の利用が開始されると、車載装置40は、例えば、車両点検システム10に、利用が開始されたことを示す情報を出力する。利用が開始されたことを示す情報には、例えば、車両の位置が含まれる。
【0025】
予約情報に含まれる車両についての利用が開始されたことを示す情報を取得すると、車両点検システム10は、例えば、点検を依頼するガソリンスタンドを抽出する。車両点検システム10は、例えば、点検依頼の対象となる車両の位置を基に、点検を依頼するガソリンスタンドを抽出する。点検を依頼するガソリンスタンドを抽出すると、車両点検システム10は、例えば、点検を依頼する対象のガソリンスタンドに備えられる点検者端末装置30に、車両の点検依頼を出力する。車両の点検依頼には、例えば、車両に関する情報と、点検の内容が含まれる。点検を依頼する対象のガソリンスタンドに備えられる点検者端末装置30は、例えば、点検を実施する作業者が閲覧可能な端末装置である。
【0026】
車両の利用が開始されると、車載装置40は、車両の位置を出力する。車両の位置は、例えば、ネットワークを介して、点検の依頼先のガソリンスタンドの点検者端末装置30に出力される。車載装置40は、例えば、点検の依頼のガソリンスタンドの情報を車両点検システム10から取得する。車載装置40は、車両点検システム10を介して、点検者端末装置30に、車両の位置を出力してもよい。
【0027】
点検依頼を取得すると、点検者端末装置30は、例えば、点検依頼の対象の車両と、点検者端末装置30を所有しているガソリンスタンドとの距離を確認する。距離が基準以内の場合に、点検者端末装置30は、例えば、表示装置に点検依頼を出力する。点検者端末装置30は、ガソリンスタンドの敷地に点検依頼の車両が入ってきた場合に、点検依頼を出力してもよい。また、点検者端末装置30は、印刷装置に、点検依頼を出力してもよい。
【0028】
ガソリンスタンドの作業者は、例えば、点検依頼の対象車両が給油のためにガソリンスタンドに来た場合に、車両への給油中に、点検を実施する。点検の項目は、例えば、点検依頼に含まれている。追加の点検項目または補修の作業が生じて給油中に点検が終わらない場合に、作業者は、例えば、利用者の了解をとって、追加の点検項目に関する点検または補修の作業を実施する。
【0029】
車両の点検を実施すると、点検を実施した作業者は、例えば、点検者端末装置30に、車両の点検結果を入力する。点検が給油中に終わらなかった場合に、点検結果には、例えば、給油を終えてから、点検の作業が完了するまでの時間が含まれる。点検項目には、追加の点検項目または車両の補修の内容が含まれていてもよい。点検結果が入力されると、点検者端末装置30は、例えば、車両点検システム10に、点検結果を出力する。
【0030】
点検結果を取得すると、車両点検システム10は、点検結果を基に、利用者にインセンティブを付与する。車両点検システム10は、例えば、点検が給油中に完了している場合に、標準の値として設定されているインセンティブを付与する。また、車両点検システム10は、例えば、点検内容が変更され、給油中に点検が完了していない場合に、設定されているインセンティブから増額したインセンティブを付与する。車両点検システム10は、利用者端末装置20に、利用者に付与したインセンティブに関する情報を出力してもよい。また、車両管理システムは、利用者端末装置20と、車載装置40は、いずれか一方のみを備えてもよい。例えば、車両管理システムが利用者端末装置20のみを備える場合に、利用者端末装置20は、車載装置40が行う処理を実行する。
【0031】
ここで、車両点検システム10の構成について説明する。
図3は、車両点検システム10の構成の例を示す図である。車両点検システム10は、基本構成として、取得部11と、抽出部12と、出力部13と、点検結果取得部14と、付与部15を備える。また、車両点検システム10は、例えば、管理部16と、記憶部17を備える。
【0032】
取得部11は、共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得する。取得部11は、例えば、カーシェアリングサービスの車両の位置を取得する。取得部11は、例えば、車載装置40から、車載装置40が搭載されている車両の位置を取得する。車載装置40は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて、搭載されている車両の位置を特定する。取得部11は、車両の利用が開始されたときに、車両の位置を取得する。取得部11は、車両の利用が開始されてから、車両の利用が終了するまで間、設定された時間ごとに車両の位置を取得してもよい。取得部11は、例えば、設定された走行距離ごとに車両の位置を取得してもよい。
【0033】
取得部11は、例えば、車載装置40から、車両の利用が開始されたことを示す情報を取得する。また、取得部11は、車載装置40から、車両の利用が終了したことを示す情報を取得する。車両の位置は、車両の利用が開始されたことを示す情報に含まれていてもよい。取得部11は、車両の利用者が所持する利用者端末装置20から、車両の利用の開始を示す情報を取得してもよい。取得部11は、利用者端末装置20から、車両の位置の情報を取得してもよい。また、取得部11は、車両の利用者が所持する利用者端末装置20から、車両の利用を終了したことを示す情報を取得してもよい。
【0034】
車両の予約が車両点検システム10において行われる場合に、取得部11は、例えば、利用者端末装置20から、車両の予約に関する情報を取得する。車両の予約が共用車両の予約システムにおいて行われる場合に、取得部11は、例えば、予約システムから、車両の予約に関する情報を取得する。
【0035】
取得部11は、車載装置40から、車両の走行予定ルートを取得してもよい。走行予定ルートは、例えば、車両に搭載されているナビゲーションシステムが利用者に対して提示している目的地までの走行ルートである。
【0036】
取得部11は、車両の利用者が所持する利用者端末装置20から、車両の利用の開始を示す情報を取得してもよい。取得部11は、車両の利用者が所持する利用者端末装置20から、利用者端末装置20の位置を取得してもよい。車両を利用中の利用者が所持する利用者端末装置20の位置は、例えば、車両の位置とみなすことができる。
【0037】
抽出部12は、取得した車両の位置を基に、車両の点検を行う施設の候補の中から、車両の点検依頼を行う施設を抽出する。抽出部12は、例えば、取得した車両の位置を基に、カーシェアリングサービスと提携しているガソリンスタンドの中から、車両への給油と、車両の点検を行うガソリンスタンドを抽出する。抽出部12は、例えば、車両の位置との距離が基準を満たすガソリンスタンドを抽出する。抽出部12は、例えば、取得した車両の位置から最も近いガソリンスタンドを抽出する。最も近いガソリンスタンドは、カーシェアリングサービスと提携しているガソリンスタンドのうち、車両の現在の地点から最も近い位置にあるガソリンスタンドである。
【0038】
抽出部12は、車両の位置を基に、車両への給油と、車両の点検依頼先の施設を、複数、抽出してもよい。抽出部12は、例えば、取得した車両の位置から近い順に、設定された数の施設を抽出する。また、抽出部12は、取得した車両の位置から、設定された距離内の施設を抽出してもよい。
【0039】
車両の走行予定ルートが取得される場合に、抽出部12は、走行予定ルート上において、車両の現在地点から最も近い位置にある施設を抽出してもよい。抽出部12は、例えば、走行予定ルート上において、車両の現在地点から最も近い位置にあるガソリンスタンドを抽出する。抽出部12は、走行予定ルート上において、取得した車両の位置から近い順に、設定された数の施設を抽出してもよい。車両の走行予定ルートが取得される場合に、抽出部12は、走行予定ルート上において、車両の現在地点から設定された距離内の施設を抽出してもよい。
【0040】
抽出部12は、施設の営業時間と、点検作業者の滞在時間と、作業の空き状況のうち少なくとも1つをさらに用いて、車両の点検を行施設を抽出してもよい。抽出部12は、例えば、ガソリンスタンドの営業時間と、点検作業者の滞在時間と、作業の空き状況のうち少なくとも1つをさらに用いて、車両の点検を行うガソリンスタンドを抽出する。抽出部12は、例えば、車両の点検内容を基に、対応する点検作業者が滞在している施設から車両の点検を行う施設を抽出してもよい。施設の営業時間、点検作業者の滞在時間、または、作業の空き状況は、例えば、取得部11が点検者端末装置30から取得する。
【0041】
抽出部12は、抽出した施設に車両が立ち寄らなかった場合に、点検依頼先の施設を再抽出してもよい。抽出部12は、例えば、抽出したガソリンスタンドに車両が立ち寄らなかった場合に、車両への給油と、車両の点検とを行うガソリンスタンドを再抽出する。抽出部12は、抽出した施設に車両が接近した後に、施設の敷地に入らずに遠ざかった場合に、車両が施設に立ち寄らなかったと判定する。そして、抽出部12は、例えば、既に抽出した施設を対象から除外して、車両の位置との距離が基準を満たす施設を再抽出する。抽出部12は、点検者端末装置30から取得される、抽出した施設に車両が立ち寄らなかったことを示す情報と基に、点検依頼先の施設を再抽出してもよい。
【0042】
出力部13は、抽出した施設で用いられる端末装置に、車両の点検依頼を出力する。出力部13は、例えば、抽出したガソリンスタンドの点検者端末装置30に、点検依頼を出力する。車両の点検依頼は、例えば、点検の対象の車種、車両の番号、および点検内容を含む。車両の番号は、例えば、車両のナンバープレートの番号である。また、点検内容は、例えば、点検の実施項目である。点検内容は、点検の実施項目を定めたコースの名称であってもよい。また、点検依頼には、点検の予定時刻が含まれていてもよい。車両の点検依頼に含まれる項目は、上記に限られない。出力部13は、点検依頼の対象の車両の位置と、点検依頼先の施設の位置との距離が、基準未満になった場合に、点検依頼先の施設が備える点検者端末装置30に、点検依頼を出力してもよい。
【0043】
車両の予約が車両点検システム10において行われる場合に、出力部13は、例えば、車両の予約に関する情報を出力する。出力部13は、例えば、利用者端末装置20に、車両の予約に関する情報を出力する。車両の予約に関する情報は、例えば、車種、車両の予約の空き状況、および駐車位置である。車両の予約に関する情報は、上記に限られない。
【0044】
出力部13は、例えば、利用者端末装置20に、施設への滞在中に行われる点検に対して利用者に付与されたインセンティブに関する情報を出力する。また、出力部13は、点検を実施する施設に関する情報を出力してもよい。出力部13は、例えば、利用者端末装置20に、点検を実施する施設に関する情報を出力する。出力部13は、例えば、利用者端末装置20に、点検依頼を行った施設の位置の情報を出力する。出力部13は、例えば、利用者端末装置20に、施設への滞在中に、点検が行われた場合に付与される予定のインセンティブを出力してもよい。また、出力部13は、車載装置40に、点検を実施する施設に関する情報を出力してもよい。
【0045】
出力部13は、前回の点検からの経過日数が基準を超えている車両がある場合に、当該車両を利用する利用者が所持する利用者端末装置20に、点検を依頼する情報を出力してもよい。点検を依頼する情報を出力するときに、出力部13は、利用者端末装置20に、依頼に応じて点検が実施された場合におけるインセンティブを出力してもよい。
【0046】
点検結果取得部14は、施設に車両が滞在している間に行われる、車両の点検結果を取得する。点検結果取得部14は、例えば、車両が施設に滞在している間に行われる、車両の点検結果を取得する。点検結果は、例えば、点検日時、点検を行った作業者、点検内容および項目ごとの点検結果である。点検結果には、点検が給油中に終わったかを示す情報が含まれていてもよい。給油中に点検が行わる場合における点検結果には、給油が終わってから、点検の終了までの時間に関する情報が含まれていてもよい。また、点検結果には、追加で行われた点検の項目および追加で行われた項目の点検結果が含まれていてもよい。点検結果には、追加で実施した車両の補修内容に関する情報が含まれていてもよい。また、点検依頼の出力先の施設に車両が立ち寄らなかった場合に、点検結果取得部14は、点検者端末装置30から、施設に車両が立ち寄らなかったことを示す情報を取得してもよい。
【0047】
付与部15は、車両の点検の結果を基に、車両の利用者にインセンティブを付与する。付与部15は、例えば、車両への動力源の充填中に点検が終わっている場合に、利用者に、定められた値のインセンティブを付与する。付与部15は、例えば、充填中に点検が終わっている場合に、利用者に、定められた値のインセンティブを付与する。定められた値のインセンティブは、例えば、充填中に点検を行った場合に、利用者に付与されるインセンティブの標準値である。付与部15は、利用者に、点検内容に応じたインセンティブを付与してもよい。
【0048】
付与部15は、車両への動力源の充填中に点検が終わらなかった場合に、利用者に、充填を終えてから、点検の作業が完了するまでの時間を基に、インセンティブを付与してもよい。付与部15は、例えば、充填中に点検が終わらなかった場合に、利用者に、充填を終えてから、点検の作業が完了するまでの時間を基に、インセンティブを付与してもよい。付与部15は、車両への充填中に、車両の点検が終了しなかった場合に、インセンティブを増加させる。付与部15は、例えば、充填中に点検が終わらなかった場合に、利用者に、標準のインセンティブの値から割り増したインセンティブを付与する。付与部15は、例えば、充填を終えてから、点検の作業が完了するまでの時間が長くなるほど、インセンティブの値が大きくなるようにインセンティブを付与する。
【0049】
付与部15は、車両に対する追加の点検または追加の作業が生じた場合に、インセンティブを増加させてもよい。付与部15は、例えば、追加の点検が行われた場合に、利用者に、追加の点検内容を基に、標準の値から割り増したインセンティブを付与する。また、付与部15は、補修の作業が行われた場合に、利用者に、補修の内容を基に、標準の値から割り増したインセンティブを付与してもよい。また、付与部15は、動力源の充填場所が車両の走行予定ルートから離れている場合に、インセンティブを増加させてもよい。また、付与部15は、点検を行った回数が多い利用者に対してのインセンティブを増加させてもよい。また、付与部15は、前回の点検からの経過日数が基準を超えている車両に対して、点検が行われた場合にインセンティブを増加させてもよい。
【0050】
付与部15は、例えば、記憶部17に保存されている利用者に関する情報のインセンティブの値に付与したインセンティブを加算することで、利用者にインセンティブを付与する。
【0051】
管理部16は、例えば、車両の点検記録を管理する。点検記録は、例えば、前回の点検日時と、点検を行った施設名と、点検内容と、点検内容の項目ごとの結果を含む。点検記録に含まれる項目は、上記に限られない。管理部16は、車両の点検結果を取得すると、取得した点検結果を点検記録のデータに加えることで点検記録を更新する。管理部16は、例えば、記憶部17に、予約状況、利用状況および点検記録のデータを保存する。
【0052】
車両の利用予約の管理が車両点検システム10において行われる場合に、管理部16は、例えば、車両の予約状況を管理する。車両の予約状況は、車両番号と、駐車位置と、利用開始日時と、利用期間と、利用者名を含む。利用状況に含まれる項目は、上記に限られない。管理部16は、利用者が利用を希望する車両に関する情報を取得すると、取得した情報を利用予約のデータに記録する。また、管理部16は、車両の利用状況を管理する。車両の利用状況は、例えば、車両の番号と、駐車位置と、利用開始日時と、利用終了日時と、利用者とを含む。駐車位置は、例えば、車両が利用されていないときに駐車されている場所を示す情報である。車両の利用状況には、車両の現在位置の情報が含まれいてもよい。管理部16は。車両の利用が開始されると、利用開始日時を利用状況のデータに記録する。また、管理部16は、車両の利用が終了すると、利用終了日時を利用状況のデータに記録する。
【0053】
記憶部17は、例えば、共用車両として提供される車両の車種、車両番号および駐車位置を保存する。また、記憶部17は、例えば、共用車両の利用者に関する情報を保存する。共用車両がカーシェアリングサービスに用いられる場合に、共用車両の利用者に関する情報は、例えば、カーシェアリングサービスの利用者の氏名、会員番号、連絡先、利用者端末装置20の識別番号、利用履歴、および付与されているインセンティブである。カーシェアリングサービスの利用者に関する情報は、上記に限られない。記憶部17は、例えば、車両の予約状況、車両の利用状況、および車両の点検記録を保存する。記憶部17は、インセンティブの付与の基準を保存してもよい。また、記憶部17は、点検を実施する施設に関する情報を保存してもよい。点検を実施する施設に関する情報は、例えば、施設の名称と、所在地である。点検を実施する施設に関する情報は、上記に限られない。
【0054】
利用者端末装置20は、例えば、共用車両の利用者が車両の利用を予約するときに用いられる。利用者端末装置20は、例えば、車両点検システム10から車両の予約状況を取得する。そして、利用者端末装置20は、図示しない表示装置に、車両の予約状況を出力する。利用者は、車両の予約状況を参照し、利用者端末装置20を操作して、利用を希望する車両と、利用日時を選択する。利用者端末装置20は、例えば、車両点検システム10に、利用者が選択した車両と、利用日時を取得する。
【0055】
利用者端末装置20は、例えば、表示装置に、利用者に付与されたインセンティブを出力する。利用者端末装置20は、例えば、利用者に付与されたインセンティブを車両点検システム10から取得する。また、利用者端末装置20は、表示装置に、点検依頼先の施設に関する情報を出力してもよい。また、利用中の車両に対する点検の依頼を車両点検システム10から取得した場合に、利用者端末装置20は、表示装置に、点検の依頼を出力してもよい。
【0056】
また、車載装置40における処理は、車両に乗車している利用者が所持する利用者端末装置20において行われてもよい。利用者端末装置20は、所持している利用者が車両の利用を開始したときに、車両点検システム10に、車両の利用が開始されたことを示す情報を出力する。また、利用者端末装置20は、所持している利用者が車両の利用を終了したときに、車両点検システム10に、車両の利用が終了したことを示す情報を出力する。利用者端末装置20は、所持している利用者が車両に乗車しているときに、車両点検システム10に、位置に関する情報を出力してもよい。利用者端末装置20は、所持している利用者が車両に乗車しているときに、点検者端末装置30に、位置に関する情報を出力してもよい。利用者端末装置20は、例えば、GNSSを用いて、利用者端末装置20の位置を特定する。
【0057】
利用者端末装置20には、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、または、携帯電話を用いることができる。利用者端末装置20に用いる端末装置は、上記に限られない。
【0058】
点検者端末装置30の構成について説明する。
図4は、点検者端末装置30の構成の例を示す図である。点検者端末装置30は、例えば、点検依頼取得部31と、車両情報取得部32と、点検管理部33と、点検依頼出力部34と、点検結果取得部35と、点検結果出力部36と、点検者端末記憶部37を備える。
【0059】
点検依頼取得部31は、車両点検システム10から、点検依頼を取得する。点検依頼は、例えば、点検の対象の車種、車両の番号、および点検内容を含む。点検依頼には、点検の予定時刻が含まれていてもよい。点検依頼に含まれる項目は、上記に限れない。
【0060】
車両情報取得部32は、点検依頼の対象車両の位置を取得する。車両情報取得部32は、例えば、車載装置40から、点検依頼の対象車両の位置を取得する。車両情報取得部32は、車両に乗車している利用者が所持する利用者端末装置20から、点検依頼の対象車両の位置を取得してもよい。車両情報取得部32は、車両点検システム10から、点検依頼の対象車両の位置を取得してもよい。
【0061】
点検管理部33は、例えば、点検者端末記憶部37に、点検依頼を受け取った車両に関する情報を保存する。点検依頼を受け取った車両に関する情報には、車両の位置の情報が含まれる。点検管理部33は、例えば、設定された距離内にいるかを判定する。また、点検管理部33は、点検依頼を受けている車両が設定された距離内に近づいた後に、施設の敷地に入らずに遠ざかった場合に、点検対象の車両が立ち寄らなかったと判定してもよい。点検管理部33は、点検対象の車両が立ち寄らなかったと判定した場合に、点検者端末記憶部37に保存している点検依頼を受けている車両に関する情報のうち、立ち寄らなかった車両に関する情報を削除してもよい。また、点検依頼先の施設に車両が立ち寄ったかの判定は、車両点検システム10において行われてもよい。
【0062】
点検依頼出力部34は、例えば、図示しない表示装置に、点検依頼を取得した車両に関する情報と、点検内容を出力する。点検依頼出力部34は、例えば、点検管理部33が、点検依頼を受けている車両が設定された距離内にいると判定したときに、点検依頼を取得した車両に関する情報と、点検内容を出力する。点検依頼出力部34は、図示しない印刷装置に、点検依頼を取得した車両に関する情報と、点検内容を出力してもよい。また、点検依頼出力部34は、作業者が保持する端末装置に、点検依頼を取得した車両に関する情報と、点検内容を出力してもよい。
【0063】
点検依頼出力部34は、点検依頼を受けている車両に関する情報に加え、点検中の車両に関する情報を出力してもよい。点検依頼出力部34は、車両の位置を基に、点検依頼を取得している車両に関する情報を地図上に重畳して出力してもよい。点検依頼出力部34は、立ち寄らなかった車両についての情報を消去したデータを出力してもよい。
【0064】
点検結果取得部35は、例えば、作業者の操作によって入力される、車両の点検結果を取得する。点検結果取得部35は、例えば、点検依頼で示された点検内容から変更された場合に、変更された項目の情報を含む車両の点検結果を取得する。
【0065】
点検結果出力部36は、例えば、車両点検システム10に、車両の点検結果を出力する。点検結果出力部36は、点検依頼を受けている車両が立ち寄らなかったと判定した場合に、車両点検システム10に、点検依頼を受けた車両が立ち寄らなかったことを示す情報を出力してもよい。
【0066】
点検者端末記憶部37は、例えば、車両の点検に関するデータを保存する。点検者端末記憶部37は、例えば、点検依頼の情報を保存する。また、点検者端末記憶部37は、点検依頼を受け取った車両に関する情報を保存する。点検依頼を受け取った車両に関する情報には、車両の位置の情報が含まれる。
【0067】
点検者端末装置30には、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、または、携帯電話を用いることができる。点検者端末装置30に、用いる端末装置は、上記に限られない。
【0068】
車載装置40は、搭載されている車両の現在の位置を特定する。車載装置40は、例えば、GNSSと、車載センサの計測データとを用いて車両の現在位置を特定する。車載装置40は、受信するビーコンを基に、車両の現在位置を特定してもよい。車両の現在位置の特定方法は、上記に限られない。
【0069】
車載装置40は、例えば、車両の利用が開始されたときに、車両点検システム10に、車両の利用が開始されたことを示す情報を出力する。車両の利用が開始されたことを示す情報は、例えば、車両の位置を含む。車載装置40は、例えば、車両の利用が終了したときに、車両点検システム10に、車両の利用が終了したことを示す情報を出力する。
【0070】
車載装置40は、図示しない表示装置に、点検を実施する施設の位置を表示してもよい。車載装置40は、例えば、車両点検システム10から、点検を実施する施設の位置を取得する。
【0071】
車載装置40には、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、または、携帯電話を用いることができる。車載装置40は、カーナビゲーションシステムであってもよい。車載装置40は、車両の制御システムの一部であってもよい。車載装置40は、上記に限られない。
【0072】
図5は、点検依頼の対象車両を表示する表示画面の例を示す。
図5の表示画面の例は、例えば、点検者端末装置30の表示装置に表示される。
図5の表示画面の例では、点検依頼を受けた車両に関する情報が「点検依頼」の欄に表示されている。
図5の表示画面の例では、点検依頼を受けて、点検中の車両に関する情報が「点検中車両」の欄に表示されている。
【0073】
図5の表示画面の例では、各車両について、「車種」、「車両番号」、「利用者」および「点検コース」が表示されている。
図5の表示画面に例では、各車両について、車両の画像データが表示されている。「車種」は、例えば、車両の名称である。「車両番号」は、例えば、車両のナンバープレートの番号である。「利用者」は、例えば、車両を利用している利用者の名称である。「点検コース」は、例えば、点検の項目を定めたコースの名称である。また、
図5の表示画面に例では、「点検中車両」の欄の車両には、「点検結果」のボタンが表示されている。「点検結果」のボタンが押されると、点検者端末装置30は、例えば、表示装置に、点検結果の入力画面を出力する。
【0074】
図6は、点検依頼の対象車両を表示する表示画面の例を示す。
図6の表示画面の例は、例えば、点検者端末装置30の表示装置に表示される。
図6の表示画面の例では、点検依頼を取得した車両の位置の情報が地図上に重畳されて表示されている。
図6の表示画面の例では、給油と点検を実施するガソリンスタンドの位置が「G」として表示されている。すなわち、「G」の位置は、点検者端末装置30を所有しているガソリンスタンドの位置である。
図6の表示画面の例では、点検依頼の対象車両である「A」、「B」および「C」の位置が地図上に表示されている。
【0075】
図7は、給油と、点検を実施するガソリンスタンドの位置を表示する表示画面の例を示す。
図7の表示画面の例は、例えば、車載装置40の表示装置に表示される。
図7の表示画面の例は、例えば、利用者端末装置20の表示装置に表示されてもよい。
図7の表示画面の例では、給油と点検を実施するガソリンスタンドの位置の情報が地図上に重畳されて表示されている。
図7の表示画面の
図6の表示画面の例では、給油と点検を実施するガソリンスタンドの位置が「G」として表示されている。また、
図7の表示画面の例では、車両の現在位置が塗りつぶした三角の印で表示されている。車両の現在位置は、例えば、車載装置40の位置である。車両の現在位置は、例えば、車両を利用している利用者が所持している利用者端末装置20の位置であってもよい。
【0076】
車両点検システム10の動作について説明する。
図8は、カーシェアリングサービスで用いられる車両の点検が、ガソリンスタンドでの給油中に行われる場合における、車両点検システム10の動作フローの例を示す図である。
【0077】
車両点検システム10の取得部11は、例えば、車載装置40から、カーシェアリングサービスの車両の位置を取得する(ステップS11)。取得部11は、車両に乗車している利用者が所持する利用者端末装置20から、車両の現在位置を取得してもよい。
【0078】
車両の位置を取得すると、抽出部12は、取得した車両の位置を基に、カーシェアリングサービスと提携しているガソリンスタンドの中から、車両への給油と、車両の点検とを行うガソリンスタンドを抽出する(ステップS12)。
【0079】
ガソリンスタンドが抽出された場合に(ステップS13でYes)、出力部13は、例えば、抽出したガソリンスタンドの点検者端末装置30に、車両の点検依頼を出力する(ステップS14)。
【0080】
車両の利用者がガソリンスタンドで給油すると、車両へ給油中に点検が実施される。車両への給油と、点検が実施されると、例えば、点検者端末装置30に、作業者によって点検結果が入力される。点検結果が入力されると、点検者端末装置30は、車両点検システム10に、点検結果を出力する。
【0081】
車両点検システム10の点検結果取得部14は、ガソリンスタンドにおいて、車両の給油中に行われる、車両の点検の結果を取得する。点検結果において、給油中に点検が実施され(ステップS15でYes)、予定通りに点検が行われている場合に(ステップS16でYes)、付与部15は、車両の利用者にインセンティブを付与する。付与部15は、例えば、利用者に、点検内容に応じて設定されている車両の利用者にインセンティブを付与する(ステップS17)。
【0082】
点検結果において、点検が実施され(ステップS15でYes)、点検の内容が変更されている場合に(ステップS16でNo)、利用者に、付与部15は、点検の変更内容に応じて修正したインセンティブを付与する(ステップS18)。付与部15は、例えば、車両への給油中に、車両の点検が終了しなかった場合に、利用者に、インセンティブを増加させて付与する。
【0083】
ステップS13においてガソリンスタンドが抽出されず(ステップS13でNo)、車両の利用が継続されている場合に(ステップS19でYes)、ステップS11に戻り、取得部11による車両の位置の取得の動作が行われる。
【0084】
ステップS13においてガソリンスタンドが抽出されず(ステップS13でNo)、車両の利用が終了している場合に(ステップS19でNo)、車両点検システム10は、当該車両の点検に関する処理を終了する。点検依頼先のガソリンスタンドが抽出されずに、車両の利用が終了している場合には、車両の利用期間中における点検の実施が不可であるため、車両点検システム10は、例えば、新たに車両の利用が開始された場合に、車両の点検に関する処理を行う。
【0085】
また、ステップS15において、点検は実施されておらず(ステップS15でNo)、車両の利用が継続されている場合に(ステップS19でYes)、ステップS11に戻り、取得部11による車両の位置の取得の動作が行われる。
【0086】
また、ステップS15において、点検は実施されておらず(ステップS15でNo)、車両の利用が終了している場合に(ステップS19でNo)、車両点検システム10は、当該車両の点検に関する処理を終了する。
【0087】
次に、点検者端末装置30の動作について説明する。
図9は、点検者端末装置30の動作フローの例を示す図である。
【0088】
点検者端末装置30の点検依頼取得部31は、例えば、車両点検システム10から、点検依頼を取得する(ステップS21)。
【0089】
点検依頼を取得すると、車両情報取得部32は、例えば、車載装置40から、点検依頼の対象車両の位置を取得する(ステップS22)。車両情報取得部32は、対象車両に乗車している利用者が所持する利用者端末装置20から、対象車両の位置を取得してもよい。また、車両情報取得部32は、車両点検システム10から、対象車両の位置を取得してもよい。
【0090】
ガソリンスタンドに対象車両が立ち寄った場合に(ステップS23でYes)、点検依頼出力部34は、点検依頼を出力する(ステップS24)。点検依頼出力部34は、例えば、図示しない表示装置に、点検依頼を出力する。
【0091】
点検依頼が出力されると、例えば、対象車両への給油中に、ガソリンスタンドの作業者によって点検が行われる。対象車両への給油と、点検が完了すると、点検結果取得部35は、例えば、作業者の操作によって入力される、点検結果を取得する(ステップS25)。
【0092】
点検結果を取得すると、点検結果出力部36は、車両点検システム10に、点検結果を出力する(ステップS26)。
【0093】
ステップS23において、ガソリンスタンドに対象車両が立ち寄っておらず(ステップS23でNo)、対象車両がガソリンスタンドに接近している場合に(ステップS27でYes)、ステップS22に戻り、車両情報取得部22による点検依頼の対象車両の位置の取得が行われる。
【0094】
ステップS23において、ガソリンスタンドに対象車両が立ち寄っておらず(ステップS23でNo)、敷地から遠ざかっている場合に(ステップS27でNo)、点検者端末装置30は、点検依頼の対象車両の点検に関する処理を終了する。点検者端末装置30は、点検依頼の対象車両の点検に関する処理を終了するときに、車両点検システム10に、点検依頼の対象車両が給油に来なかったことを示す情報を出力してもよい。また、点検依頼先のガソリンスタンドに車両が立ち寄ったかの判定は、車両点検システム10において行われてもよい。
【0095】
本実施形態の車両点検システム10は、例えば、共用車両の利用者が利用中の車両の位置を取得し、取得した車両の位置を基に、点検依頼先の施設を抽出する。そして、車両点検システム10は、例えば、抽出した施設の点検者端末装置30に、車両の点検依頼を出力する。このように、車両の位置を基に、点検依頼を行うことで、利用者が立ち寄る可能性がある施設に、点検依頼を出力することができる。また、車両点検システム10は、車両が点検依頼先の施設に滞在している間に行われる車両の点検結果を取得する。そして、車両点検システム10は、取得した結果を基に車両の利用者にインセンティブを付与する。このように、点検を行った車両の利用者に、インセンティブを付与することで、車両の利用中における点検を実施する施設への利用者の訪問を促すことができる。例えば、点検依頼先がガソリンスタンドである場合に、車両の利用中に利用者が給油することによって、給油中に点検が行われるため、共用車両の点検率を向上することができる。また、共用車両の点検率が向上することで、例えば、共用車両の管理者が点検を行わなければならない回数が抑制されるため、共用車両の点検を効率化することができる。
【0096】
点検内容の変更に応じてインセンティブを増加させる場合には、例えば、追加の点検または追加の作業によって利用者の滞在時間が長くなるときに、利用者に、追加の点検または追加の作業の実施が受け入れられやすくなる。このため、必要な点検または作業を容易に実施できるようになる。この結果、共用車両の状態をより良好に維持することができる。
【0097】
車両点検システム10における各処理は、コンピュータプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。
図10は、車両点検システム10における各処理を行うコンピュータプログラムを実行するコンピュータ100の構成の例を示したものである。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103と、入出力I/F(Interface)104と、通信I/F105を備える。
【0098】
CPU101は、記憶装置103から各処理を行うコンピュータプログラムを読み出して実行する。CPU101は、複数のCPUの組み合わせによって構成されていてもよい。また、CPU101は、CPUと他の種類のプロセッサの組み合わせによって構成されていてもよい。例えば、CPU101は、CPUとGPU(Graphics Processing Unit)の組み合わせによって構成されていてもよい。メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等によって構成され、CPU101が実行するコンピュータプログラムや処理中のデータが一時記憶される。記憶装置103は、CPU101が実行するコンピュータプログラムを記憶している。記憶装置103は、例えば、不揮発性の半導体記憶装置によって構成されている。記憶装置103には、ハードディスクドライブ等の他の記憶装置が用いられてもよい。入出力I/F104は、作業者からの入力の受付および表示データ等の出力を行うインタフェースである。通信I/F105は、利用者端末装置20、点検者端末装置30、車載装置40および他の情報処理装置との間でデータの送受信を行うインタフェースである。また、利用者端末装置20、点検者端末装置30、および車載装置40は、コンピュータ100と同様の構成であってもよい。
【0099】
各処理の実行に用いられるコンピュータプログラムは、データを非一時的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することもできる。記録媒体としては、例えば、データ記録用磁気テープや、ハードディスクなどの磁気ディスクを用いることができる。また、記録媒体としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の光ディスクを用いることもできる。不揮発性の半導体記憶装置を記録媒体として用いてもよい。
【符号の説明】
【0100】
10 車両点検システム
11 取得部
12 抽出部
13 出力部
14 点検結果取得部
15 付与部
16 管理部
17 記憶部
20 利用者端末装置
30 点検者端末装置
31 点検依頼取得部
32 車両情報取得部
33 点検管理部
34 点検依頼出力部
35 点検結果取得部
36 点検結果出力部
37 点検者端末記憶部
40 車載装置
100 コンピュータ
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 入出力I/F
105 通信I/F