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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070668
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】杖
(51)【国際特許分類】
   A45B 9/00 20060101AFI20240516BHJP
   A45B 9/04 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
A45B9/00 B
A45B9/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181294
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000101961
【氏名又は名称】イズミ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野津 敬
(72)【発明者】
【氏名】村田和也
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104AA02
3B104DA02
(57)【要約】
【課題】1)市販の木製あるいはアルミ製などの伸縮式の杖と同形状であり、おしゃれな外観を大きく損ねないこと。
2)カウンターテーブルの天面位置が杖の長さより低く、テーブル天板の端部に杖のシャフトの上部を接触させて立てかける場合に、杖が滑って転倒したり、回転して転倒することを抑制できること。
【解決手段】杖のシャフトの上部外周面に、長手方向に伸びる柱状のすべり止め材を、シャフトの周方向に間隔を空けて配置する。さらに、石突き部の底部の形状を、前記の柱状のすべり止め材の形状に対応した多角形とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、前記シャフトの上部に設けられたグリップとを備え、
前記シャフトは、上部外周面に、長手方向に沿って延びる、柱状のすべり止め材を備え、
前記すべり止め材は、シャフトの周方向に間隔を空けて、複数配置された杖。
【請求項2】
前記すべり止め材の横断面の形状が正方形、長方形、台形、一部が欠けた円形である請求項1の杖。
【請求項3】
前記すべり止め材の横断面の形状が長手方向で周期的に変化する請求項1の杖。
【請求項4】
前記シャフトの下部に石突をさらに備え、
前記石突の下部は、底面の形状が多角形状とし、
前記シャフトを長手方向から見たとき、隣接する前記すべり止め材の接線が、前記石突の底面の多角形状のいずれかの辺と平行になる請求項1の杖。
【請求項5】
前記すべり止め材は帯状部材に間隔を空けて複数設けられ、前記帯状部材が、前記シャフトの表面に巻き付けられている請求項1の杖。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトの上端から中段の位置に、柱状のすべり止め材をシャフトの長手方向に、筋状に全周にわたって配置した杖・ステッキに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者や下肢を負傷した人などの歩行の助けや転倒防止、あるいはリハビリのため、一本杖・ステッキが広く用いられている。
特に近年は、軽量で、伸縮や折りたたみが可能な杖が安価で販売されており、任意の長さに調節できるばかりか、シャフトの表面に美しい木目調や花柄などがプリントされ、使用者、特に高齢者などにとっては、歩行の補助器具としてばかりでなく、おしゃれアイテムのひとつとなっている。
【0003】
一本杖の使用者は、銀行や役所などを訪れるとき、片手で杖を握り、杖に頼りながら歩行し、目的地に到着して用事をするときには、手を空けるため、杖を立てかけるなどして、杖から手を離す。
この際、立位で使用されるカウンターでは、カウンターの天板位置が杖の長さよりも高いことが多いため、グリップの先端などを天板端部に引掛けて杖を吊り下げることができるが、椅子に座って対面するような応接式のカウンターや、応接テーブルなどではテーブル天面が杖の長さより低く、杖を吊り下げることができないため、カウンターテーブルの天板端部に杖のシャフト部分を接触させるようにして立てかけざるを得ない。
【0004】
ところが、立てかけた杖が滑り落ちたり、シャフトを軸に回転して倒れたりすることがあると、高齢者や身体障害者にとっては倒れた杖を拾い上げることが身体的に困難だったり、膝や腰などに痛みを伴ったりと、苦痛や苦労を強いられることが多い。
【0005】
これに対し、特許文献1ではシャフトの横断面形状を四角形あるいはグリップの長い方の下面を平面状にし、その平面上に滑りづらい素材を装着することで立てかけた杖が滑って転倒したり、回転して転倒したりすることを減少させる提案がなされている。さらに石突きの底部を四角形状として回転して転倒しづらくすることが併せて提案されている。
【0006】
ある程度の幅をもった面を接触させて立てかけることで回転の抑止効 果が高まり、さらにグリップの長い側に平面部を設けることで、重心が下がって回転抑止の効果が高まることが期待されるものの、杖の使用者は通常グリップの長い方を後ろに向けて歩行するので、立てかける際は、杖を握り直して向きを変えた上で立てかける必要があるため、面倒であり、片手が塞がっている際は、杖の向きを変えるときに杖を取り落としてしまうなど、本末転倒となる場合も考えられる。さらに、現在市販されている杖のシャフト部分はほとんどが円柱状であり、角柱状の杖は外観上奇異に映る。
【0007】
また、特許文献2では、端縁に立てかけた杖が滑り落ちないよう、杖のグリップ部およびシャフト部表面全体を樹脂や熱可塑性エラストマー材で被覆し、さらに杖がシャフトの軸を中心に回転して転がり落ちるのを防止するためシャフトの断面形状を円形以外に三角~八角形状(すなわち円柱、三角柱、八角柱)などとすることが提案されている。
【0008】
該特許では、石突を除くグリップとシャフト部分全体にすべり止め素材が一体成形されており、どの部分がテーブル端縁と接触した場合でもすべりにくいものと思われるが、杖の長さより天板位置が低いカウンターテーブルの天板端縁に立てかける場合は、シャフトの内、グリップの直下からシャフト全長の半分より上の部分を接触させて立てかけることから、滑り止め素材がシャフト全体を覆っている必要はなく、また、滑り止め素材は硬度が低いほどすべり止め効果が高いと考えられるが、低硬度のゴム、エラストマーはタック性があるため、グリップ全体を被覆したときには、グリップを握る手の平にべたつきが感じられ、不快である。ゴム、エラストマーの硬度をべたつきが感じられないほど高く設定すると今度はすべり止め効果が低減し、当初の目的が達成できないなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002-306217号公報
【特許文献2】特開2006-280837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
1)市販の木製あるいはアルミ製などの、一本杖や伸縮式の杖と同形状であり、おしゃれな外観を大きく損ねないこと。
2)カウンターテーブルの天面位置が杖の長さより低く、テーブル天板の端部に杖のシャフトの上部を接触させて立てかける場合に、杖が滑って転倒したり、回転して転倒することを抑制できること。
【課題を解決するための手段】
【0011】
シャフトと、前記シャフトの上部に設けられたグリップとを備え、シャフトは、上部外周面に、長手方向に沿って延びる、柱状のすべり止め材を備え、すべり止め材は、シャフトの周方向に間隔を空けて、複数配置された杖。
【0012】
すべり止め材の横断面の形状が正方形、長方形、台形、一部が欠けた円形である杖。
【0013】
すべり止め材の横断面の形状が長手方向で周期的に変化する杖。
【0014】
シャフトの下部に石突をさらに備え、石突の下部は、底面の形状が多角形状とし、前記シャフトを長手方向から見たとき、隣接する前記すべり止め材の接線が、前記石突の底面の多角形状のいずれかの辺と平行になる杖。
【0015】
すべり止め材は帯状部材に間隔を空けて複数設けられ、帯状部材が、前記シャフトの表面に巻き付けられている杖。
【発明の効果】
【0016】
本発明を利用することで、一般に市販されている一本杖、伸縮杖などの軽量でおしゃれな外観形状を保ったまま、杖の長さより低いカウンターテーブルの天板端縁に立てかけた際、すべって転倒したり、回転して転倒することを抑止することができるため、市販の杖と同様のおしゃれな外観の杖でありながら、足腰の弱った高齢者や障害者が、転倒した杖を拾い上げる苦労を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一般的な市販ステッキの正面図である。
図2】杖のグリップを右手で握った様子を示す図である。
図3】一般的な杖に本発明の柱状のすべり止め材を筋状に配置した図であり、A-A’は横断面の切断線を示す。
図4】A-A’切断線の断面図である。
図5】本発明の別の態様を示す図である。
図6】本発明の別の態様を示す図である。
図7】本発明の別の態様を示す図である。
図8】本発明の別の態様を示す図である。
図9】石突部のゴムキャップについての実施例を示す図である。
図10】石突部のゴムキャップ底面についての実施例を示す図である。
図11】石突部のゴムキャップ底面についての実施例を示す図である。
図12】柱状のすべり止め材と石突部底部の多角形との配置関係についての説明図である。
図13】柱状のすべり止め材と石突部底部の多角形との配置関係についての説明図である。
図14】カウンターテーブルに杖を立てかけた様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1の(a)に一般的な杖の正面像を示している。図2に拡大図と各部の名称を示す。グリップ2は所謂「撞木」の形状通りT字型をしているが、T字の縦棒(すなわちシャフト3)は横棒の中心ではなく、片側にオフセットされている。図1(b)の例ではシャフト3が左側にオフセットされている。
【0019】
図2は、使用者が杖1を握った様子を示した図である。使用者は、図2のように、グリップの左側(短い方)に人差し指をかけ、右側(長い方に)中指、薬指、小指の3本をかけて握り、杖の正面を自身の体側に向けて、グリップの左側(図1(b)の5)を進行方向に向けて歩行するのが一般的である。
【0020】
本発明の実施例を図3に示す。図3の杖7には、シャフト3の上部外周面に、長手方向に沿って延びる、柱状のすべり止め材8が、シャフトの周方向に間隔を空けて、複数配置されている。図中、A-A’の横断面の形状の例を図4に示す。この例では柱状のすべり止め材の断面はほぼ正方形をなし、歯車のような形状となっているのがわかる。
【0021】
四角柱形のすべり止め材8がシャフトの周方向全体に間隔を空けてに配列されているため、杖をどの方向に向けて立てかけても、いずれかの四角柱がテーブル天面の端縁に接触し、杖が斜めに立てかけられることによる荷重で、ゴム材質の四角柱の角が弾性変形して端縁との接触面積を増すことですべりを防止するとともに、2つの隣接した四角柱が同時に端縁に接触することで、シャフトが軸方向に回転することが抑制されるのである。
【0022】
前記すべり止め材が配置された杖の製造方法としては、成形後の柱状のすべり止め材をシャフトの表面に貼り付けて設置することも可能であり、シャフト上に取り付けた型材に流動性のエラストマーを注入して型中で硬化させたのち離型することで形成させることもできる。もちろん架橋剤、重合開始剤などを添加して硬化途上の粘土状のすべり止め材をシャフト表面に接着・形成後、硬化させても構わない。
【0023】
四角柱状のすべり止め材の寸法は、1辺の長さが2mm~10mmで、より望ましくは3mm~8mmであって、形状は正方形でも長方形でもよい。この理由として、柱状すべり止め材の断面の四角形がシャフトの径に対して余り大きいと見栄えが悪くなり、あまり小さいと目立たず見栄えはよいが、シャフトを軸とした回転を防止する効果が低くなるためである。また、柱型のすべり止め材の長さは70mm~300mmとするのが好適である。柱状のすべり止め材の長さが短いとテーブルの天板端部に立てかけるときに、天板端部とすべり止め材の位置がずれて、すべり止め材が天板端面に接触しない恐れがあり、あまり長いと材料費がかさみ、さらに見栄えが悪くなるためである。
【0024】
図4の例は柱状のすべり止め材8がそれぞれ独立してシャフト上に形成されていたが、図5には柱状のすべり止め材8との間に帯状の薄い基材9が存在し、基材9を介して柱状すべり止め材8が配置された実施例が示されている。ここでは各柱状すべり止め材が帯状の基材で互いに繋がれた状態となる。この場合、帯状体とともに柱状体を一体に成形してもいいし、別に形成した帯状体の表面に柱状のすべり止め材を後から形成してもいい。
【0025】
これらは杖の製造工程でシャフト部品の表面に形成することもできるし、別工程で製造され完成した杖に、筒状に成形した帯状体を後からシャフトに通して取り付けることもできる。帯状体を柱状すべり止め材と同じくゴムや熱可塑性エラストマーで作製すれば伸縮性があり、筒の内径を杖のシャフトの外径よりやや小さめに調整することにより、ズレ落ちたりする心配がない。また、帯状体を筒状ではなく、平面状に形成し後からシャフトに巻き付けファスナーなどで締め付けて取り付けることも可能である。
【0026】
ここで、柱状すべり止め材の材料としてはシリコンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴムなどの熱硬化性エラストマーがすべり止め効果および弾力性の点で望ましい。また、熱可塑性エラストマーとして、スチレンブタジエン、ポリウレタン、エステル系、アミド系、ポリオレフィン系(EPDM)なども使用できる。その他、発泡ゴムなども軽量性、弾力性の点で使用可能である。
【0027】
色調としてはアイボリーやオフホワイトなどのナチュラル色の他、各種の着色剤を配合することで、白、グレー、半透明、飴色、黒色などの他、茶色、ベージュ、ピンクなど、木目、花柄などシャフトの加飾と調和した色を選定でき、杖本来のおしゃれな外観を損なうことなく、さらに引き立たせる効果を持たせることができる。
【0028】
柱状すべり止め材の硬度は5度から40度が望ましい。硬度が低いほど滑りにくく、変形しやすいため、すべったり、回転したりするのを防ぐ効果が高いが、べたつき感や耐久性が低い、汚れやすいなどのデメリットもあり、その辺りのバランスを考えて選定するべきである。
図5に示す薄い帯状の基材9は柱状のすべり止め材と同じ材料を用いてもいいし、異なる材料としてもよい。上で例示した熱硬化性または熱可塑性エラストマーでもいいし、その他のプラスチック類、あるいは織り目のある布や不織布などの繊維類でも、アルミやステンレス板などの金属類でも適用可能である。
【0029】
また、図4および図5に示した実施例では、前記すべり止め材の横断面の形状が四角形であったが、これを図6の半円形状10のようにし、A-A’断面からは半円柱が集まって花びらように見える形状としてもよい。
さらに、図7には、図6のバリエーションを示している。すなわち、柱状すべり止め材の横断面の形状を四角形、半円形とするほか、図7に示す、三角形、3/4円形、台形、三角形の稜線を削り取ったような尖った形状としても同様な効果が得られる。
【0030】
特に金型等型材を使って柱状のすべり止め材を形成する場合には底面や側面が完全な正方形あるいは長方形であるよりも、台形や半円形の方が離型しやすい。これらの形状はそれぞれ取り混ぜても構わない。例えば、四角柱の隣を三角柱として交互に繰り返してもいいし、四角柱、三角柱、半円柱をランダムに配列することも可能であるが、隣接する柱形が同じ形である方が、シャフトを軸とした回転の抑止効果が高いものと思われる。
【0031】
次に、四角柱、半円柱、三角柱などの柱形のすべり止め材の横断面の形状は長手方向で同じでもいいし、周期的に変化してもいい。また同じ形状で、寸法が周期的に変化してもよい。図8には、柱状のすべり止め材12の横断面の四角形の高さが周期的に変化し、長手方向で山谷ができる構造の杖を一例として示した。特に隣接する柱状体の谷部分が長手方向に対して同じ高さにあると、テーブル天板の端部に谷部分が引っかかり、より滑り落ちにくくすることができる。
【0032】
最後に、石突部分には円錐台形のゴムキャップが用いられるのが通常
であるが、該ゴムキャップの底面が円形だと、杖を斜めに立てかけた際に、床への接地面積が小さくなるためすべりやすく、さらに、シャフトを軸にして回転しやすいという問題があった。
特許文献1では前述の通り、石突の底面形状を四角形として、杖を斜めに立てかけた際の接地面積を大きくして摩擦力を上げ、すべりにくくするとともに、杖が回転して転倒しづらくすることが提案されているが、円柱形のシャフトに四角形の石突を取付けようとすると石突が大きくなり、見栄えが悪くなるとともに、四角の一片特に杖のT字グリップの長い方を立てかける側に向けるため、杖を持ち変える必要があり、煩わしい。
【0033】
これに対し、本発明では、市販の杖・ステッキで使用される円錐台形の石突部の底面を多角形とした。底面を多角形にすることで、杖を斜めに立てかけたとき、多角形の一辺が接地するため接地面積が増加し、より滑りにくく、またシャフトを軸にして回転しにくい構造になる。
【0034】
構造の例を図9から図11に示す。図9(a)は石突4の平面図で、グリップ側からシャフト3の長手方向に見下ろしたところ、図9(b)は石突4の側面図である。図中、石突の底部14の底面は、本発明で提案する多角形状となっている。図10は石突4を底部から見上げた図であるが、底面が十二角形であり、石突ゴムキャップ4の外径13に内接する大きさとなっている。図11は、底面を八角形としたもので、同じく石突ゴムキャップの外径13に内接する大きさである。
【0035】
ここで、石突部4の寸法であるが、市販の杖の石突ゴムキャップの最太部13は直径30mm~50mm程度が一般的である。本発明で提案する石突底部の多角形はこのゴムキャップの外径13に内接する大きさであるので、図10の十二角形15の場合は一辺の長さが約15mm~26mmとなり、図11の八角形16の場合は一辺が約23mm~38mmとなる。なお、石突4の底部14の厚みは3mm~10mmとするのが望ましい。これはあまり薄いと杖を立てかけたときに回転を抑止する効果が低く、あまり厚いと杖に荷重がかかった時に該すべり止め材が弾性変形して不安定になるためである。
【0036】
次に、これら多角形の配置であるが、図12に示すように、多角形の各辺を、シャフト上部の柱状すべり止め材の横断面の接線に対し平行にすることで、シャフトの軸を中心とした回転運動をより効果的に抑止することが可能となる。ここで、図12(a)、図13(a)は、それぞれ四角柱体、半円柱体の前記A-A’の横断面形状の例で、隣接する四角形または半円形に対する接線17と19が示されている。一方、図12(b)、図13(b)はそれぞれの石突の底部の形状を示しており、四角柱体では十二角形、半円柱体では八角形を例として、接線17、19に対してそれぞれの多角形の一辺18と20が、平行になるよう角度調整されていることを表している。
【符号の説明】
【0037】
1・・杖・ステッキ、2・・T字型グリップ、3・・シャフト、4・・石突、5・・グリップ前側、6・・グリップ後側、7・・柱状のすべり止め材を配置した杖、8・・柱状のすべり止め材、9・・帯状体、10・・半円形の柱状のすべり止め材、11・・長手方向に対して高さが周期的に変化する四角形の横断面を有する柱状のすべり止め材を配置した杖、12・・長手方向に対して高さが周期的に変化する四角形の横断面を有する柱状のすべり止め材、13・・石突ゴムキャップの外径、14・・石突底部、15・・十二角形状の石突底部、16・・八角形状の石突底部、17・・柱状のすべり止め材の断面の隣接する四角形に対する接線、18・・十二角形15の、接線17に平行な辺、19・・柱状のすべり止め材の断面の隣接する半円形に対する接線、20・・八角形16の、接線19に平行な辺、21・・ステッキの長さより低いカウンターテーブル




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図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図11
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