(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070681
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】情報処理サーバ、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240516BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181313
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】竹内 浩志
(72)【発明者】
【氏名】中山 知大
(72)【発明者】
【氏名】桑田 綾乃
(72)【発明者】
【氏名】植村 賢二朗
(72)【発明者】
【氏名】大塚 洋行
(72)【発明者】
【氏名】實方 圭太
(72)【発明者】
【氏名】石井 克幸
(72)【発明者】
【氏名】関場 基浩
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】 評価対象の家屋についての初回の評価に係る業務について支援する。
【解決手段】 家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するための情報処理サーバであって、評価項目ごとに、評価対象の家屋の画像を取得する取得手段と、評価対象の家屋について、評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、取得手段が取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する評価手段とを備える、情報処理サーバ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するための情報処理サーバであって、
評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得する取得手段と、
前記評価対象の家屋について、前記評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、前記取得手段が取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する評価手段と
を備える、情報処理サーバ。
【請求項2】
前記取得手段は、複数の種類の画像が記憶される記憶部から、前記評価項目に応じた種類の画像を取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理サーバ。
【請求項3】
前記評価項目ごとに決定された評価結果と、記憶部に保存された補正率とに基づいて、前記評価対象の家屋の評価額を算出する算出手段
をさらに備える、請求項2に記載の情報処理サーバ。
【請求項4】
前記記憶部に保存された、家屋の画像及び当該家屋の過去の評価結果を教師データとして用い、前記取得手段が取得した画像に基づいて前記評価対象の家屋の評価結果を決定する評価モデルを機械学習によって生成するモデル生成手段
をさらに備える、請求項3に記載の情報処理サーバ。
【請求項5】
所定の評価項目について、前記評価項目の仕様又は評価についてのユーザによる入力を受け付ける入力要求手段
をさらに備える、請求項4に記載の情報処理サーバ。
【請求項6】
前記モデル生成手段は、家屋の仕様を特定するための評価モデルを構築することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理サーバ。
【請求項7】
前記モデル生成手段は、前記評価項目の部材について損耗の程度又は施工の程度を特定するための評価モデルを構築することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理サーバ。
【請求項8】
請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の情報処理サーバと、
前記記憶部と、
前記情報処理サーバと通信可能に接続され、前記評価手段で決定された評価結果を受け付けるユーザ端末と
を備える、情報処理システム。
【請求項9】
家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するための情報処理方法であって、
評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得し、
前記評価対象の家屋について、前記評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、前記取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する
ことを特徴とする、情報処理方法。
【請求項10】
家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得する処理と、
前記評価対象の家屋について、前記評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、前記取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する処理と
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、家屋の固定資産税の評価を支援するための情報処理サーバ等に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、固定資産税の評価には一定の習熟が必要である。
【0003】
家屋の固定資産税の評価に係る業務の一部を支援するための技術の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の家屋外観調査支援システムは、評価対象の家屋の評価が過去に行われていた場合に、直前の評価内容を引き継いだ評価シートを作成することによって、業務の支援を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された技術では、評価対象の家屋について過去に評価が行われていた場合には業務の支援を行うことができるが、評価が行われていない家屋については支援を行うことができない。すなわち、特許文献1に記載された技術では、評価対象の家屋についての初回の評価に係る業務ついては支援を行うことができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、評価対象の家屋についての初回の評価に係る業務について支援するための情報処理サーバ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理サーバは、家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するための情報処理サーバであって、評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得する取得手段と、評価対象の家屋について、評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、取得手段が取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する評価手段とを備える。
【0008】
本発明の情報処理方法は、家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するための情報処理方法であって、評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得し、評価対象の家屋について、評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定することを特徴とする。
【0009】
本発明のコンピュータプログラムは、家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得する処理と、評価対象の家屋について、評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、評価対象の家屋についての初回の評価に係る業務について支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態における情報処理サーバ100の構成を示すブロック図である。
【
図2】木造家屋における評価項目の一例を示す図である。
【
図3】評価部102による評価結果の情報の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態における情報処理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態における情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態における情報処理サーバ100の構成を示すブロック図である。
【
図7】評価対象の家屋が正しく特定できたか否かをユーザに確認するための表示例を示す図である。
【
図8】第2実施形態における情報処理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態における、ステップS201の処理の詳細な動作例を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態における情報処理システム1の変形例を示す図である。
【
図11】本開示における情報処理サーバ100を、プロセッサを含むコンピュータ装置10で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における情報処理サーバ100の構成例を示す図である。情報処理サーバ100は、家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するためのサーバである。情報処理サーバ100は、取得部101と、評価部102とから構成される。
【0014】
取得部101は、評価項目ごとに、評価対象の家屋の画像を取得する取得手段の一例である。本実施形態において、評価対象の家屋とは、固定資産税の評価対象の家屋を指す。
【0015】
また、本実施形態において、評価項目とは、木造家屋と非木造家屋の区分に応じて定められた、固定資産税の評価に必要とされる項目を指す。
図2は、木造家屋における評価項目データの一例を示す図である。
図2に示すように、評価項目データは、各評価項目にシーケンス番号と区分とが関連付けられて、情報処理サーバに接続される記憶部(図示せず)に記憶されてもよい。記憶部は、情報処理サーバ100にネットワークを介して接続される外部装置の記憶媒体、又は情報処理サーバ100の内部インタフェースに接続される記憶媒体である。評価項目データに含まれる評価項目とは、例えば木造家屋における屋根、基礎、外壁、柱・壁体、内壁、天井、床、建具、建築設備、仮設工事又はその他工事を指す。あるいは、評価項目データに含まれる評価項目とは、非木造家屋における主体構造部、基礎工事、外周壁骨部、間仕切骨組、外部仕上、内部仕上、天井仕上、屋根仕上、建具、特殊設備、建築設備、仮設工事又はその他工事を指す。評価項目は、上記の区分からさらに細分化され、仕様、形状、施工の程度等の小項目を含んでもよい。評価項目データの内容は、予めユーザにより指定されているものとする。
図2に示す評価項目データを用いて、情報処理サーバ100が備える指定部(図示せず)が、木造家屋と非木造家屋の区分に応じて評価項目を指定してもよい。
【0016】
取得部101は、評価対象の家屋の評価項目ごとに予め決められた構図で撮影された画像を取得する。予め決められた構図で撮影された画像は、ユーザによって現在あるいは過去に撮影された画像の他に、衛星画像を含んでも良い。評価項目ごとに予め決められた構図で撮影された画像の一例について、以下で説明する。例えば、評価項目が「外壁」の場合には、取得部101は、「家屋の外観を正面から撮影した画像」及び「外壁の材質が分かる距離で、家屋の外観のうち外壁のみを撮影した画像」を取得する。取得部101は、上記の画像を、情報処理サーバ100に接続された記憶部(図示せず)から取得する。
【0017】
例えば記憶部(図示せず)には、評価項目ごとに、以下に記す3種類の画像のうち少なくともいずれか一つが記憶されている。尚、衛星画像については別の記憶部から取得されてもよい。取得部101は、複数の種類の画像が記憶される記憶部から、評価項目に応じた種類の画像を取得する。記憶部が記憶する評価対象の家屋の画像の種類は以下の3つに限定されない。例えば、記憶部には、撮影年別の画像が含まれてもよい。この場合、取得部101は、ユーザによる年数の指定に応じて、記憶部から画像を取得してもよい。
・固定資産税の調査員が現地で撮影した評価対象の家屋の画像
・評価対象の家屋の建築時に撮影された画像
・評価対象の家屋の衛星画像
【0018】
取得部101が評価項目に応じた種類の画像を取得する場合の処理の具体例について説明する。例えば、現地での家屋の調査において、取得部101は、記憶部に記憶された画像のうち、「調査員が現地で撮影した評価対象の家屋の画像」を優先して取得する。取得部101は、「調査員が現地で撮影した評価対象の家屋の画像」が記憶部に記憶されていない評価項目については、「家屋の建築時に撮影された画像」を取得する。例えば、固定資産税の調査員は、一般的に、建築が完了した家屋に家主が入居した後には、評価対象の家屋の内部を現地で調査することはできない。そのため入居後の評価対象の家屋の内部の画像は、記憶部に記憶されていない。この場合、取得部101は、内装に関わる評価項目については「家屋の建築時に撮影された画像」を取得する。また、取得部101は、予め決められた評価項目については衛星画像を取得する。例えば、評価項目「屋根」については衛星画像を取得するように予め決められている。評価項目の決定はユーザによって行われる。あるいは、取得部101は、「調査員が現地で撮影した評価対象の家屋の画像」及び「評価対象の家屋の建築時に撮影された画像」だけでは評価できないような場合には、「評価対象の家屋の衛星画像」を取得する。取得部101は、例えば以下のような場合に衛星画像を取得する。評価対象の家屋の評価項目「屋根」について、建築時から変更があったことが予め判明しているが、記憶部に調査員が現地で撮影した画像が記憶されていない場合、取得部101は評価対象の家屋の衛星画像を取得する。
【0019】
このように、取得部101は、複数の種類の画像が記憶される記憶部から、評価項目に応じた種類の画像を選択する。この構成により、固定資産税の調査員が現地で撮影した評価対象の家屋の画像が記憶部に記憶されていない場合にも対応することが可能になる。取得部101が取得した画像は、評価部102の処理で利用される。
【0020】
評価部102は、評価対象の家屋について、評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、取得部101が取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する評価手段の一例である。評価モデルは、家屋の任意の評価項目についての評価結果を決定するために構築された学習済みモデルである。学習済みモデルは、予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像と、評価項目についての評価結果との相関関係を求める機械学習の実行によって構築されたモデルである。学習済みモデルである評価モデルは、評価項目ごとに構築されている。例えば、評価部102は、取得部101が取得した画像を評価モデルに入力することにより、当該評価項目についての評価結果を決定する。評価結果は、固定資産税の評価額の算出に必要となる評価項目についての識別結果と、当該評価結果に対応する補正係数とを含む。
図3は、評価部102による評価結果の情報の一例を示す図である。各項目について特定した結果とは、例えば、
図3に示す「評価結果には、評価項目と、評価結果に対応する補正係数とが関連付けられている。情報処理サーバ100に接続された記憶部(図示せず)には、評価結果と補正係数が関連付けて記憶されており、当該情報に基づいて補正係数が決定される。
【0021】
次に、第1実施形態における情報処理サーバ100の動作の一例について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0022】
情報処理サーバ100は、一例として、情報処理サーバ100に接続されたユーザ端末(図示せず)から評価対象の家屋についての評価要求を受信することにより、
図4に示す処理を開始する。評価要求は、当該家屋を特定するための情報を含む。家屋を特定するための情報とは、例えば、評価対象の家屋の住所、家屋の所有者の氏名等の情報である。家屋を特定するための情報によって、当該評価対象の家屋が木造家屋であるか非木造家屋であるかの区分が特定される。
【0023】
具体的に、情報処理サーバ100は、区分に基づいて、評価対象の家屋について評価する評価項目を指定する(ステップS101)。例えば、前述した指定部(図示せず)は、情報処理サーバ100に接続された記憶部(図示せず)に記憶された情報に基づき、評価項目を指定してもよい。記憶部には、
図3に示すように、木造家屋又は非木造家屋の区分に応じて、必要となる評価項目がシーケンス番号を付されて記憶されている。情報処理サーバ100は、カウンタを用意し、シーケンス番号の最大値をカウンタの初期値として設定する。そして、指定部は、カウンタの値と等しいシーケンス番号に対応する評価項目を、評価する評価項目として指定する。指定部は、あるいは、評価項目を、ユーザ端末(図示せず)から入力を受け付けることにより指定してもよい。
【0024】
次に、取得部101は、ステップS101で指定された評価項目の評価に必要となる、評価対象の家屋の画像を取得する(ステップS102)。
【0025】
次に、評価部102は、ステップS101で指定された評価項目の評価モデルと、ステップS102で取得した画像とに基づいて、当該評価項目の評価結果を決定する(ステップS103)。
【0026】
次に、情報処理サーバ100は、所定の終了条件を満たすかを確認する(ステップS104)。所定の終了条件とは、例えば、カウンタの値が記憶部に保存されたシーケンス番号の最小値と等しいことである。情報処理サーバ100は、所定の終了条件を満たさない場合には、カウンタの値を1減じて、ステップS101~ステップS103の処理を繰り返す。情報処理サーバ100は、所定の終了条件を満たすと(ステップS104 YES)、上述した一連の処理を終了する。
【0027】
第1実施形態における情報処理サーバ100は上記のように構成されている。次に、第1実施形態における効果を説明する。
【0028】
上述したように、情報処理サーバ100は、評価項目ごとに、評価対象の家屋の画像を取得し、取得した画像と評価項目ごとに評価対象の評価結果を決定する評価モデルとに基づいて、評価項目についての評価結果を決定する。換言すれば、第1実施形態における情報処理サーバ100は、評価対象の家屋についての初回の評価に係る業務について支援することができる。
【0029】
第1実施形態における情報処理サーバ100は、以下のように変形してもよい。
【0030】
本実施形態では、情報処理サーバの外部に記憶部があるとしたが、情報処理サーバ100が記憶部を備える構成としてもよい。
【0031】
情報処理サーバ100は、評価部102が決定した評価結果を情報処理サーバ100に接続されたユーザ端末(図示せず)に出力するための出力結果作成手段及び出力手段を備えても良い。出力結果作成手段は、例えば
図3に示すように、各評価項目についての評価結果を表形式で纏めてもよい。あるいは、出力結果作成手段は、市町村又は指定市ごとに定められたフォーマットに従い、評価結果の一覧を作成してもよい。この構成により、情報処理サーバ100は、評価対象の家屋についての評価に係る業務について、さらに支援することができる。
【0032】
[第2実施形態]
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。尚、この第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一名称部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0033】
図5は、第2実施形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図5に示すように、情報処理システム1は、情報処理サーバ100と、記憶部200と、撮影装置300と、ユーザ端末400とから構成される。情報処理サーバ100は、記憶部200、撮影装置300及びユーザ端末400のそれぞれと情報通信網を介して接続されているものとする。情報通信網は、例えば、インターネット回線網、専用回線、又は移動体通信網である。情報通信網は、前述した通信網うちのいずれかの組合せであっても良い。
【0034】
情報処理サーバ100は、家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するためのサーバである。第2実施形態における情報処理サーバ100は、取得部101と、評価部102とに加え、算出部103とモデル生成部104と、入力要求部105と、特定部106とを備える。情報処理サーバ100のそれぞれの構成の詳細については後述する。
【0035】
記憶部200は、情報処理サーバ100の処理に必要となる情報を記憶するための構成である。第2実施形態において、記憶部200は情報処理サーバ100とは別の構成として説明するが、情報処理サーバ100が記憶部200を備える構成としてもよい。記憶部200は、例えば以下に記すような情報を記憶する。
・区分(木造家屋又は非木造家屋)ごとの評価項目とシーケンス番号
・評価項目ごとに用意された評価モデル
・市町村又は指定市ごとに定められた補正率
・評価項目ごとに定められた、評価結果と対応する補正係数
・家屋の固定資産税の評価額の算出式
・家屋の画像及び当該家屋の評価結果
・評価項目ごとの、家屋を撮影する際の構図の規定
・撮影装置300によって撮影された評価対象の家屋の画像及び当該画像の評価項目
【0036】
区分(木造家屋又は非木造家屋)ごとの評価項目とシーケンス番号とは、例えば、
図2に示すような情報を指す。
図2に示すような情報の詳細については第1実施形態で説明したため、ここでは説明を省略する。
【0037】
評価項目ごとに用意された評価モデルは、評価部102が評価結果を決定するために用いられる。評価項目ごとの評価モデルは、モデル生成部104によって生成され、モデル生成部104によって記憶部200に記憶される。
【0038】
市町村又は指定市ごとに定められた補正率、評価項目ごとに定められた、評価結果と対応する補正係数、及び家屋の固定資産税の評価額の算出式は、家屋の固定資産税の評価額を算出する際に必要になる。具体的に、家屋の固定資産税の最終的な評価額は、評価結果に市町村又は指定市ごとに定められた補正率を乗じて算出する。記憶部200は、項目ごとの補正率を、市町村又は指定市ごとに記憶する。
【0039】
家屋の画像及び当該家屋の評価結果は、評価項目ごとに記憶される。家屋の画像及び当該家屋の評価結果は、情報処理サーバ100のモデル生成部104が評価モデルを構築するための教師データとして使用される。そのため、記憶部200には、家屋の画像及び当該家屋の過去の評価結果からなる教師データが複数記憶されている。
【0040】
家屋を撮影する際の構図の規定は、撮影装置300が家屋の画像を撮影する際に使用する。記憶部200は、家屋を撮影する際の構図の規定を、評価項目ごとに記憶する。また、記憶部200は、撮影装置300によって撮影された評価対象の家屋の画像を、評価項目と関連付けて記憶する。
【0041】
撮影装置300は、評価対象の家屋の画像を撮影するため構成である。撮影装置300は、記憶部200に記憶された構図の規定に基づいて、撮影を行う。撮影装置300によって撮影された画像は、当該家屋を特定するための情報及び評価項目と関連付けて、記憶部200に記憶される。家屋を特定するための情報とは、例えば、評価対象の家屋の住所、家屋の所有者の氏名等の情報である。家屋を特定するための情報は、GPS(Global Positioning System)、Galileo、BeiDou等の衛星測位システムにより計測された、撮影場所の位置情報を含んでも良い。
【0042】
ユーザ端末400は、前記情報処理サーバと通信可能に接続され、評価部102で決定された評価結果を受け付ける。ユーザ端末400は、入力手段及び出力手段を備える。ユーザ端末400は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、移動体通信端末である。ユーザ端末400の入力手段は、例えば、マウス、キーボード等により実現される。ユーザ端末400の入力手段からは、例えば、評価処理の開始要求、評価対象の家屋の市町村又は指定市の情報、建築書類から把握される評価対象の家屋についての情報、評価部102が算出した評価結果の修正情報、及び算出部103が評価額を算出するにあたり不足している情報が入力される。一般的なユーザ端末400の出力手段は、例えば、ディスプレイ等によって実現される。第2実施形態において、撮影装置300及びユーザ端末400はそれぞれ別の構成としたが、ユーザ端末400が撮影装置300を備える構成としても良い。
【0043】
次に、第2実施形態における情報処理サーバ100の構成について詳細に説明する。
図6は、第1実施形態における情報処理サーバ100の構成を示すブロック図である。前述したとおり、情報処理サーバ100は、取得部101と、評価部102と、算出部103とモデル生成部104と、入力要求部105と、特定部106とを備える。
【0044】
取得部101は、評価項目ごとに、評価対象の家屋の画像を取得する取得手段の一例である。取得部101は、記憶部200から画像を取得する。取得部101の詳細については第1実施形態で説明したため、ここでは説明を省略する。
【0045】
評価部102は、評価対象の家屋について、評価項目ごとに評価結果を決定するための評価モデルと、取得部101が取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する評価手段の一例である。評価部102が決定した評価結果は、ユーザ端末400が備える出力手段に出力される。評価部102の詳細については第1実施形態で説明したため、ここでは説明を省略する。
【0046】
算出部103は、評価項目ごとに決定された評価結果と、記憶部200に保存された補正率とに基づいて、評価対象の家屋の評価額を算出する算出手段の一例である。算出部103は、ユーザ端末400の入力手段によって入力された評価対象の家屋の市町村又は指定市の情報と、記憶部200に保存された家屋の固定資産税の評価額の算出式と、市町村若しくは指定市ごとに定められた補正率とに基づいて、評価対象の家屋の評価額を算出する。算出部103は、評価額を算出するにあたり不足している情報があれば、入力要求部105を介してユーザからの入力を要求する。
【0047】
モデル生成部104は、記憶部200に保存された、家屋の画像及び当該家屋の過去の評価結果を教師データとして用い、取得部101が取得した画像に基づいて評価対象の家屋の評価結果を決定する評価モデルを機械学習によって生成するモデル生成手段の一例である。モデル生成部104は、評価項目ごとに、評価モデルを生成する。モデル生成部104は、生成した評価モデルを評価項目と関連付けて記憶部200に記憶させる。
【0048】
例えば、モデル生成部104は、家屋の仕様を特定するための評価モデルを構築する。家屋の仕様は、各評価項目に使用される資材の種類、品等又は施工の態様によって定められる。例えば、評価項目「屋根」であれば、家屋の仕様は、「瓦」「化粧スレートボード」「金属板」「合成樹脂波板」「建材型ソーラーパネル」等の資材の情報及び「固定式天窓」「回転式天窓」等の施工の態様の情報を含む。家屋の仕様を特定するための評価モデルは、複数の家屋の仕様の中から、当該評価対象の家屋の仕様を評価結果として特定するための学習済みモデルである。モデル生成部104は、評価項目ごとに、資材の種類、品等又は施工の態様が分かるような画像と、当該画像の過去の評価結果を教師データとし、機械学習によって、家屋の仕様を特定するための評価モデルを構築する。家屋の仕様は種類が多く、特定するには一定の習熟が必要である。モデル生成部104が家屋の仕様を特定するための評価モデルを構築し、評価部102が当該評価モデルに基づいて評価結果を決定することにより、習熟していない調査員による業務の支援を可能にする。
【0049】
あるいは、モデル生成部104は、例えば評価項目の部材の形状又は大きさを特定するための評価モデルを構築する。評価項目の部材の形状とは、例えば評価項目「屋根」であれば、「腰折れ屋根」「切妻屋根」「片流れ屋根」等の部材の形状に関する情報を指す。評価項目の部材の大きさとは、例えば評価項目「屋根」であれば、「勾配の大きさ」「軒出の大きさ」等の部材の大きさに関する情報を指す。評価項目の部材の形状又は大きさを特定するための評価モデルは、複数の形状又は大きさの中から、当該評価対象の部材の形状又は大きさを評価結果として特定するための学習済みモデルである。モデル生成部104は、評価項目ごとに、資材の形状又は大きさが分かるような画像と、当該画像の過去の評価結果を教師データとし、機械学習によって、家屋の仕様を特定するための評価モデルを構築する。家屋の仕様と同様に、部材の形状も種類が多く、特定するには一定の習熟が必要である。そのため、モデル生成部104が部材の形状又は大きさを特定するための評価モデルを構築し、評価部102が当該評価モデルに基づいて評価結果を決定することにより、習熟していない調査員による業務の支援を可能にする。
【0050】
あるいは、モデル生成部104は、例えば評価項目の部材について損耗の程度又は施工の程度を特定するための評価モデルを構築する。部材の損耗の程度とは、天災、火災、その他の事由により通常以上の損耗が生じている場合に生じる評価項目である。損耗の程度によって補正率が変動する。施工の程度とは、施工の良し悪しによって補正率が変動する評価項目である。評価項目の部材について損耗の程度又は施工の程度を特定するための評価モデルは、程度の大きさを特定するための学習済みモデルである。モデル生成部104は、評価項目ごとに、評価項目の部材について損耗の程度又は施工の程度と、当該画像の過去の評価結果を教師データとし、機械学習によって、家屋の仕様を特定するための評価モデルを構築する。部材の損耗の程度又は施工の程度は定性的な評価項目である。そのため、部材の損耗の程度又は施工の程度を特定するには一定の習熟が必要である。さらに、習熟した調査員であっても、人によって結果にばらつきが生じる可能性がある。そのため、モデル生成部104が部材の形状又は大きさを特定するための評価モデルを構築し、評価部102が当該評価モデルに基づいて評価結果を決定することにより、習熟していない調査員による業務の支援を可能にし、調査員によって結果にばらつきが生じることを防止することができる。
【0051】
入力要求部105は、所定の各評価項目について、評価項目の仕様又は評価についてユーザによる入力を受け付ける入力要求手段の一例である。入力要求部105は、以下に記す3種類の情報についてのユーザによる入力を受け付ける。
・評価対象の家屋を特定するための情報
・建築書類から把握される情報
・評価部102が算出した評価結果の修正情報
・算出部103が評価額を算出するにあたり不足している情報
【0052】
入力要求部105は、評価対象の家屋を特定するための情報についてのユーザによる入力を受け付ける。評価対象の家屋を特定するための情報とは、例えば、評価対象の家屋の住所、家屋の所有者の氏名等の情報である。入力要求部105によって受け付けた家屋を特定するための情報は、特定部106によって評価対象の家屋を特定するために用いられる。
【0053】
また、入力要求部105は、建築書類から把握される情報についてのユーザによる入力を受け付ける。固定資産税の評価額は、主に現地調査によって決定されるが、現地調査で把握できない部分については建築書類から把握される。入力要求部105は、取得部101が取得した画像からは把握できない評価項目の仕様又は評価に関する情報の入力を受け付ける。取得部101が取得した画像とは、現地で撮影した評価対象の家屋の画像、建築時に撮影された画像及び衛星画像を指す。建築時に撮影された画像からは把握できない評価項目は記憶部200に記憶され、記憶部200に記憶された評価項目について、入力要求部105が入力を受け付ける構成としてもよい。あるいは、建築時に撮影された画像からは把握できない評価項目はユーザにより指定され入力される構成としてもよい。
【0054】
また、入力要求部105は、評価部102が算出した評価結果の修正情報についてのユーザによる入力を受け付ける。前述したとおり、評価部102は、決定した評価結果をユーザ端末400の備える出力手段に出力する。その際に、入力要求部105は、評価結果の修正情報についての入力をユーザから受け付ける。ユーザは、評価結果について修正すべき箇所があれば、ユーザ端末400の入力手段を介して、修正情報を入力する。
【0055】
さらに、入力要求部105は、算出部103が評価額を算出するにあたり不足している情報についてのユーザによる入力を受け付ける。
【0056】
特定部106は、入力要求部105によって入力を受け付けた家屋を特定するための情報に基づいて、評価対象の家屋を特定する特定手段の一例である。特定部106は、特定した評価対象の家屋に関する情報をユーザ端末400へ出力する。さらに、特定部106は、特定した評価対象の家屋の情報が正しいか否かの情報をユーザから受け付ける。
図7は、評価対象の家屋が正しく特定できたか否かをユーザに確認するための表示例を示す図である。例えば特定部106は、ユーザ端末400の出力画面に、
図7に示すようなウィンドウを表示しても良い。特定部106は、
図7に示すようなウィンドウを介して、評価対象の家屋の画像と、当該家屋に関する基礎情報とをユーザに提示する。家屋に関する基礎情報とは、所有者の氏名、住所等の家屋を特定するための情報を指す。さらに特定部106は、
図7に示すようなウィンドウを介して、特定した家屋の情報が正しいか否かの入力をユーザに要求する。この構成によって、評価対象の家屋を間違えて処理を行うことを防止することができる。
【0057】
次に、第2実施形態における情報処理サーバ100の動作の一例について、
図8のフローチャートを参照して説明する。
図8は、第2実施形態における情報処理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。
【0058】
情報処理サーバ100は、一例として、ユーザ端末400の入力手段から評価対象の家屋についての評価要求を受信することにより、処理を開始する。
【0059】
入力要求部105は、ユーザ端末400からの入力を受け付ける。そして、当該受け付けた情報に基づいて、評価対象の家屋を特定する(ステップS201)。
【0060】
ステップS201の処理について、
図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図9は、第2実施形態における、ステップS201の処理の詳細な動作例を示すフローチャートである。まず、入力要求部105は、評価対象の家屋を特定するための情報の入力を受け付ける(ステップS2011)。入力要求部105は、評価対象の家屋の情報の他に、当該家屋の当該評価対象の家屋が木造家屋であるか非木造家屋であるかの情報、及び建築書類から把握される情報について、ユーザからの入力を受け付けてもよい。次に、特定部106は、入力要求部105が受け付けた情報に基づいて、評価対象の家屋を特定する(ステップS2012)。次に、特定部106は、特定した家屋についての情報をユーザ端末400に出力する(ステップS2013)。さらに、特定部106は、特定した家屋の情報が正しいか否かについて、ユーザ端末400からの入力を受け付ける(ステップS2014)。ユーザ端末400から、情報が誤っているとの入力を受け付けた場合(ステップS2014 NO)、情報処理サーバ100はステップS2011の処理へと戻り、再度、ユーザ端末400から家屋を特定するための情報の入力を受け付ける。あるいは、情報処理サーバ100は、情報が誤っているとの入力を受け付けた場合(ステップS2014 NO)、評価に係る処理を終了する構成としても良い。一方で、ユーザ端末から、情報が正しいとの入力を受け付けた場合(ステップS2014 YES)には、ステップS201の処理を終了し、
図8に示すステップS202の処理へと進む。
【0061】
次に、情報処理サーバ100は、評価対象の家屋について評価する評価項目を指定する(ステップS202)。情報処理サーバ100の指定部(図示せず)は、記憶部200に記憶された情報に基づき、評価項目のシーケンス番号を指定する。ステップS202の処理は、第1実施形態におけるステップS101の処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0062】
次に、取得部101は、ステップS202で指定された評価項目の評価に必要となる、評価対象の家屋の画像を取得する(ステップS203)。具体的には、取得部101は、ステップS202で指定された評価項目をキーとして記憶部200を検索する。そして、取得部101は、ステップS202で指定された評価項目に対応する評価対象の家屋の画像を、記憶部200から取得する。
【0063】
次に、評価部102は、ステップS202で指定された評価項目の評価モデルと、ステップS203で取得した画像とに基づいて、当該評価項目の評価結果を決定する(ステップS204)。評価部102は、決定した評価結果をユーザ端末400に出力する。
【0064】
次に、入力要求部105は、ユーザ端末400から修正情報の入力を受け付ける(ステップS206)。具体的には、入力要求部105は、評価部102によって出力された評価結果が正しいか否かの入力を受け付ける。この構成により、例えば、家屋の評価項目の評価に詳しい専門家がユーザに同行していた場合に、専門家に評価結果が正しいか否かの判断を仰ぐことが可能となる。また、この構成により、評価結果が明らかに間違えている場合に修正することが可能となる。
【0065】
入力要求部105は、ユーザ端末400から修正情報の入力を受け付けなかった場合には(ステップS206 NO)、ステップS208の処理へ進む。一方で、ユーザ端末400から修正情報の入力を受け付けた場合には(ステップS206 YES)、入力要求部105は、評価部102に修正情報を通知する。そして、評価部102は、ユーザ端末400から入力された修正情報に従い、評価結果を修正する(ステップS207)。
【0066】
次に、算出部103は、評価項目ごとに決定された評価結果と、記憶部200に保存された補正率とに基づいて、評価対象の家屋の評価額を算出する(ステップS208)。
【0067】
算出部103は、評価額を算出するにあたり不足している情報があれば(ステップS209 YES)、入力要求部105を介して、ユーザ端末400からの入力を受け付ける。そして、算出部103は、ユーザ端末400からの入力に基づいて、評価額を再計算する(ステップS210)。算出部103は、評価額を算出するにあたり不足している情報が無ければ(ステップS209 NO)、ステップS211の処理へと進む。算出部103は、算出された評価結果をユーザ端末400に出力する。
【0068】
次に、情報処理サーバ100は、所定の終了条件を満たすかを確認する(ステップS211)。所定の終了条件の詳細は第1実施形態のステップS104で説明したため、ここでの説明は省略する。情報処理サーバ100は、所定の終了条件を満たさない場合には(ステップS211 NO)、カウンタの値を1減じて、ステップS201~ステップS210の処理を繰り返す。情報処理サーバ100は、所定の終了条件を満たすと(ステップS211 YES)、上述した一連の処理を終了する。
【0069】
第2実施形態における情報処理サーバ100は上記のように構成されている。第2実施形態における情報処理サーバ100は、第1実施形態で説明した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
【0070】
上述した情報処理サーバは、評価項目ごとに決定された前記評価結果と、記憶部に保存された補正率とに基づいて、評価対象の家屋の評価額を算出する構成を備える。この構成により、自動で評価対象の家屋の固定資産税の評価額を算出することが可能になる。これにより、評価対象の家屋についての評価に係る業務について支援することが可能になる。
【0071】
第2実施形態における情報処理システム1は、以下のように変形しても良い。
【0072】
第2実施形態では、情報処理サーバ100は1つであるものとして説明したが、複数あるものとしてもよい。さらに、それぞれの情報処理サーバは、それぞれ情報通信網を介して接続され、相互に連携する構成としてもよい。例えば、情報処理サーバ100は、市町村あるいは指定市ごとに設けられ、それぞれが相互に連携する構成としてもよい。
【0073】
第2実施形態では、モデル生成部104は情報処理サーバ100の内部にある構成として説明したが、モデル生成部104は外部の装置にあっても良い。例えば、
図10に示すように、情報処理システム1は、情報処理サーバ100、記憶部200、撮影装置300、ユーザ端末400、及びモデル生成装置500から構成されるとしても良い。この場合、モデル生成装置500は、情報処理サーバ100と情報通信網を介して接続されているものとする。
【0074】
[コンピュータによるハードウェア構成]
以上説明した本開示の各実施形態における各構成要素は、その機能をハードウェア的に実現することは勿論、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアによって実現することができる。
【0075】
図11は、本開示における情報処理サーバ100を、プロセッサを含むコンピュータ装置10で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。各実施形態の情報処理サーバ100は、コンピュータ装置10によって実現される。コンピュータ装置10は、
図11に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置13、入力装置及び出力装置接続用の入出力インタフェース14、及びネットワーク接続用の通信インタフェース15を含む。
【0076】
CPU11は、オペレーティングシステムを動作させて、本発明の情報処理サーバ100全体を制御する。例えば、CPU11は、ドライブ装置等に装着された記憶媒体からメモリ12にプログラムやデータを読み出す。また、CPU11は、例えば第1実施形態における取得部101及び評価部102の一部として機能し、プログラムに基づいて処理又は命令を実行する。あるいは、CPU11は、第2実施形態における、取得部101、評価部102、算出部103、モデル生成部104、入力要求部105及びの一部として機能し、プログラムに基づいて処理又は命令を実行する。
【0077】
記憶装置13は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、又は半導体メモリ等である。記憶装置の一部の記憶媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている外部コンピュータ(図示せず)からダウンロードされてもよい。
【0078】
入出力インタフェース14に接続される入力装置は、例えばマウスやキーボード等により実現され、入力操作に用いられる。同様に、入出力インタフェース14に接続される出力装置は、例えばディスプレイ等によって実現され、出力結果の表示及び確認に用いられる。
【0079】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限定されない。
[付記1]
家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するための情報処理サーバであって、
評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得する取得手段と、
前記評価対象の家屋について、前記評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、前記取得手段が取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する評価手段と
を備える、情報処理サーバ。
[付記2]
前記取得手段は、複数の種類の画像が記憶される記憶部から、前記評価項目に応じた種類の画像を取得することを特徴とする、付記1に記載の情報処理サーバ。
[付記3]
前記評価項目ごとに決定された評価結果と、記憶部に保存された補正率とに基づいて、前記評価対象の家屋の評価額を算出する算出手段
をさらに備える、付記1又は付記2に記載の情報処理サーバ。
[付記4]
前記記憶部に保存された、家屋の画像及び当該家屋の過去の評価結果を教師データとして用い、前記取得手段が取得した画像に基づいて前記評価対象の家屋の評価結果を決定する評価モデルを機械学習によって生成するモデル生成手段
をさらに備える、付記2又は付記3に記載の情報処理サーバ。
[付記5]
所定の各評価項目について、前記評価項目の仕様又は評価についてユーザによる入力を受け付ける入力要求手段
をさらに備える、付記1乃至付記4に記載の情報処理サーバ。
[付記6]
前記モデル生成手段は、家屋の仕様を特定するための評価モデルを構築することを特徴とする、付記4に記載の情報処理サーバ。
[付記7]
前記モデル生成手段は、前記評価項目の部材の形状又は大きさを特定するための評価モデルを構築することを特徴とする、付記4又に記載の情報処理サーバ。
[付記8]
前記モデル生成手段は、前記評価項目の部材について損耗の程度又は施工の程度を特定するための評価モデルを構築することを特徴とする、付記4に記載の情報処理サーバ。
[付記9]
付記2乃至付記7のいずれか一項に記載の情報処理サーバと、
前記記憶部と、
前記情報処理サーバと通信可能に接続され、前記評価手段で決定された評価結果を受け付けるユーザ端末と
を備える、情報処理システム。
[付記10]
家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するための情報処理方法であって、
評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得し、
前記評価対象の家屋について、前記評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、前記取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する
ことを特徴とする、情報処理方法。
[付記11]
家屋の固定資産税の評価に係る業務を支援するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
評価項目ごとに予め決められた構図で撮影した評価対象の家屋の画像を取得する処理と、
前記評価対象の家屋について、前記評価項目ごとに評価結果を決定するための、過去の評価結果を教師データに用いて学習された評価モデルと、前記取得した画像とに基づいて、当該評価項目についての評価結果を決定する処理と
を実行させる、コンピュータプログラム。
【0080】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は、内容に支障がない範囲で変更することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 情報処理システム
10 コンピュータ装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 入出力インタフェース
15 通信インタフェース
100 情報処理サーバ
101 取得部
102 評価部
103 算出部
104 モデル生成部
105 入力要求部
106 特定部
200 記憶部
300 撮影装置
400 ユーザ端末
500 モデル生成装置