特開 2024-70700 督促手数料徴収判定装置、督促手数料徴収判定方法、及び督促手数料徴収判定プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024070700

(43)【公開日】2024-05-23

(54)【発明の名称】督促手数料徴収判定装置、督促手数料徴収判定方法、及び督促手数料徴収判定プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 50/163 20240101AFI20240516BHJP

【ＦＩ】

G06Q50/16 300

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022181353

(22)【出願日】2022-11-11

(71)【出願人】

【識別番号】398040527

【氏名又は名称】株式会社オービック

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】仲屋 幸一郎

(72)【発明者】

【氏名】仁科 里志

(72)【発明者】

【氏名】上野 剛光

【テーマコード（参考）】

5L049

5L050

【Ｆターム（参考）】

5L049CC28

5L050CC28

(57)【要約】

【課題】口座振替の不能理由に応じて督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し、督促手数料の回収予定データの作成を制御することができる督促手数料徴収判定装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、１）請求管理マスタの請求フラグの設定に基づいて、引落依頼明細データの振替結果コードについて督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し、２）督促手数料の徴収対象と判定された場合に、商品マスタから督促手数料金額を取得し、３）引落依頼明細データにおける督促手数料の徴収対象と判定された保証番号と、当該取得した督促手数料金額を、回収予定データに格納する。
【選択図】図６

【特許請求の範囲】

【請求項1】

口座振替が振替不能になった場合に発生する督促手数料の徴収について判定する、制御部を備えた督促手数料徴収判定装置であって、
料金の支払いに口座振替を利用する商品に割り当てられた商品識別情報、前記督促手数料の督促手数料金額を含む第一データと、
口座振替の結果の種別を識別するための口座振替結果識別情報、前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を設定するための督促手数料徴収対象区分を含む第二データと、
前記商品の契約識別情報、金融機関へ口座引落を依頼する金額である引落依頼金額、口座振替の結果、当該結果の種別に対応する前記口座振替結果識別情報を含む第三データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の設定に基づいて前記第三データの前記口座振替結果識別情報について前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定する判定手段と、
前記判定手段で前記督促手数料の徴収対象と判定された場合に前記第一データから前記督促手数料金額を取得する督促手数料金額取得手段と、
前記第三データにおいて前記判定手段で前記督促手数料の徴収対象と判定された前記契約識別情報と前記督促手数料金額取得手段が取得した前記督促手数料金額を回収予定データに格納する督促手数料データ生成手段と、
を備えたこと、
を特徴とする督促手数料徴収判定装置。

【請求項2】

前記制御部は、
前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を変更するマスタ更新手段
をさらに備えたこと、
を特徴とする請求項１に記載の督促手数料徴収判定装置。

【請求項3】

前記商品は、家賃債務保証における商品であり、
前記料金は、賃料であり、
前記督促手数料は、前記賃料の口座振替が不能な場合の延滞賃料と供に徴収する督促手数料であること、
を特徴とする請求項１または２に記載の督促手数料徴収判定装置。

【請求項4】

口座振替が振替不能になった場合に発生する督促手数料の徴収について判定する、制御部を備えた情報処理装置で実行される督促手数料徴収判定方法であって、
前記情報処理装置は、
料金の支払いに口座振替を利用する商品に割り当てられた商品識別情報、前記督促手数料の督促手数料金額を含む第一データと、
口座振替の結果の種別を識別するための口座振替結果識別情報、前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を設定するための督促手数料徴収対象区分を含む第二データと、
前記商品の契約識別情報、金融機関へ口座引落を依頼する金額である引落依頼金額、口座振替の結果、当該結果の種別に対応する前記口座振替結果識別情報を含む第三データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の設定に基づいて前記第三データの前記口座振替結果識別情報について前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された場合に前記第一データから前記督促手数料金額を取得する督促手数料金額取得ステップと、
前記第三データにおいて前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された前記契約識別情報と前記督促手数料金額取得ステップが取得した前記督促手数料金額を回収予定データに格納する督促手数料データ生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする督促手数料徴収判定方法。

【請求項5】

口座振替が振替不能になった場合に発生する督促手数料の徴収について判定する、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための督促手数料徴収判定プログラムであって、
前記情報処理装置は、
料金の支払いに口座振替を利用する商品に割り当てられた商品識別情報、前記督促手数料の督促手数料金額を含む第一データと、
口座振替の結果の種別を識別するための口座振替結果識別情報、前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を設定するための督促手数料徴収対象区分を含む第二データと、
前記商品の契約識別情報、金融機関へ口座引落を依頼する金額である引落依頼金額、口座振替の結果、当該結果の種別に対応する前記口座振替結果識別情報を含む第三データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行させるための、
前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の設定に基づいて前記第三データの前記口座振替結果識別情報について前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された場合に前記第一データから前記督促手数料金額を取得する督促手数料金額取得ステップと、
前記第三データにおいて前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された前記契約識別情報と前記督促手数料金額取得ステップが取得した前記督促手数料金額を回収予定データに格納する督促手数料データ生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする督促手数料徴収判定プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、督促手数料徴収判定装置、督促手数料徴収判定方法、及び督促手数料徴収判定プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、適切に督促を行うことができ、保証契約に伴う処理を効率的に行うことができる保証契約管理装置が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１６－１７７５７４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ここで、これまでは、口座振替で振替不能となった全てのケースについて、督促手数料の請求データが作成されていた。そのため、契約者の瑕疵ではない、保証会社の都合等で口座振替不能となった場合まで、督促手数料の請求データが作成され、そのまま請求されてしまうと、クレーム等の発生が懸念される。そのため、事務ベースで（事務担当者による手作業で）、督促手数料の請求データの口座振替不能事由を１件ずつ確認し、契約者の瑕疵によらない事由については、その都度、督促手数料の請求データを削除する対応をとっており、効率が悪く、煩雑であった。

【0005】

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、口座振替の不能理由に応じて督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し、督促手数料の回収予定データの作成を制御することができる督促手数料徴収判定装置、督促手数料徴収判定方法、および、督促手数料徴収判定プログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上述した課題を解決し、目的を達成するために、口座振替が振替不能になった場合に発生する督促手数料の徴収について判定する、制御部を備えた督促手数料徴収判定装置であって、料金の支払いに口座振替を利用する商品に割り当てられた商品識別情報、前記督促手数料の督促手数料金額を含む第一データと、口座振替の結果の種別を識別するための口座振替結果識別情報、前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を設定するための督促手数料徴収対象区分を含む第二データと、前記商品の契約識別情報、金融機関へ口座引落を依頼する金額である引落依頼金額、口座振替の結果、当該結果の種別に対応する前記口座振替結果識別情報を含む第三データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の設定に基づいて前記第三データの前記口座振替結果識別情報について前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定する判定手段と、前記判定手段で前記督促手数料の徴収対象と判定された場合に前記第一データから前記督促手数料金額を取得する督促手数料金額取得手段と、前記第三データにおいて前記判定手段で前記督促手数料の徴収対象と判定された前記契約識別情報と前記督促手数料金額取得手段が取得した前記督促手数料金額を回収予定データに格納する督促手数料データ生成手段と、を備えたこと、を特徴とする。

【0007】

また、本発明にかかる督促手数料徴収判定装置において、前記制御部は、前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を変更するマスタ更新手段をさらに備えたこと、を特徴とする。

【0008】

なお、発明にかかる督促手数料徴収判定装置において、前記商品は、家賃債務保証における商品であり、前記料金は、賃料であり、前記督促手数料は、前記賃料の口座振替が不能な場合の延滞賃料と供に徴収する督促手数料であること、を特徴とする。

【0009】

また、本発明にかかる督促手数料徴収判定方法は、口座振替が振替不能になった場合に発生する督促手数料の徴収について判定する、制御部を備えた情報処理装置で実行される督促手数料徴収判定方法あって、前記情報処理装置は、料金の支払いに口座振替を利用する商品に割り当てられた商品識別情報、前記督促手数料の督促手数料金額を含む第一データと、口座振替の結果の種別を識別するための口座振替結果識別情報、前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を設定するための督促手数料徴収対象区分を含む第二データと、前記商品の契約識別情報、金融機関へ口座引落を依頼する金額である引落依頼金額、口座振替の結果、当該結果の種別に対応する前記口座振替結果識別情報を含む第三データと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の設定に基づいて前記第三データの前記口座振替結果識別情報について前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された場合に前記第一データから前記督促手数料金額を取得する督促手数料金額取得ステップと、前記第三データにおいて前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された前記契約識別情報と前記督促手数料金額取得ステップが取得した前記督促手数料金額を回収予定データに格納する督促手数料データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。

【0010】

また、本発明にかかる督促手数料徴収判定プログラムは、口座振替が振替不能になった場合に発生する督促手数料の徴収について判定する、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための督促手数料徴収判定プログラムであって、前記情報処理装置は、料金の支払いに口座振替を利用する商品に割り当てられた商品識別情報、前記督促手数料の督促手数料金額を含む第一データと、口座振替の結果の種別を識別するための口座振替結果識別情報、前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を設定するための督促手数料徴収対象区分を含む第二データと、前記商品の契約識別情報、金融機関へ口座引落を依頼する金額である引落依頼金額、口座振替の結果、当該結果の種別に対応する前記口座振替結果識別情報を含む第三データと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行させるための、前記第二データの前記督促手数料徴収対象区分の設定に基づいて前記第三データの前記口座振替結果識別情報について前記督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された場合に前記第一データから前記督促手数料金額を取得する督促手数料金額取得ステップと、前記第三データにおいて前記判定ステップで前記督促手数料の徴収対象と判定された前記契約識別情報と前記督促手数料金額取得ステップが取得した前記督促手数料金額を回収予定データに格納する督促手数料データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。

【発明の効果】

【0011】

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、口座振替の不能理由に応じて督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し、督促手数料の回収予定データ作成を制御することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】図１は、本実施形態に係る関係の一例を示す図である。

【図2】図２は、本実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。

【図3】図３は、本実施形態における督促手数料データ作成処理の構成の一例を示す図である。

【図4】図４は、本実施形態に係る業務支援装置が行う処理の概要を示す図である。

【図5】図５は、本実施形態に係る業務支援装置が行う処理の具体例を示す図である。

【図6】図６は、本実施形態に係る業務支援装置が行う処理の具体例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

［１．概要］
まず、図１を参照して、本実施形態の概要を説明する。図１は、本実施形態に係る関係の一例を示す図である。

【0014】

現在、賃貸人であるオーナー、不動産会社や管理会社等と賃借人が賃貸借契約を結ぶ際に、保証会社を利用するケースが増えている。
保証会社の家賃債務保証商品としては、主として、保証会社が賃貸人であるオーナー、不動産会社や管理会社等に賃料を立替送金する集金代行型や賃貸人であるオーナーや不動産会社、管理会社等からの滞納報告をもって弁済を行う事故報告型の商品がある。いずれの商品の場合も、保証会社の契約者である賃借人が賃料を滞納した場合、保証会社は保証を履行し、契約者である賃借人に延滞賃料、督促手数料等の請求を行う。

【0015】

保証会社の家賃債務保証業務における集金代行型商品において、契約者である賃借人への賃料請求を口座振替で行っている。口座振替で振替不能となった場合、保証会社は保証を履行し、契約者である賃借人へ滞納賃料の請求を行うが、口座振替が不能となった事由によっては、滞納賃料とともに徴収する督促手数料を免除するケースがある。本実施形態は、口座振替の不能理由に応じて督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し、保証会社毎の戦略に応じて、督促手数料の請求データの作成有無を制御する機能に関するものである。

【0016】

ここで、督促手数料とは、保証会社が賃借人である契約者へ滞納賃料を請求する際に、追加で徴収する督促事務手数料のことである。保証業界では当該手数料を再請求事務手数料、代位弁済事務手数料など様々な名称で使用している。

【0017】

例えば、図１は集金代行型商品の場合の関係を示したものである。点線が契約関係を示し、実線がお金の流れを示す。

【0018】

契約関係について説明する。まず、図１で示されているように賃貸人である管理会社と賃借人が賃貸借契約を締結する。その際に賃借人は、連帯保証人を立てず、保証会社に賃料に関する保証を依頼し、賃料に関する保証委託契約を締結する。そして、賃貸人である管理会社は、保証会社と当該賃借人の賃料に関する保証契約を締結する。図１で示す集金代行型の場合は、その際に、管理会社と保証会社は、賃料の集金に係る業務の業務委託契約を締結する。

【0019】

次にお金の流れについて説明する。賃借人（契約者）と保証会社で口座振替によって賃料を支払う旨を定めた場合、保証会社（委託者）は、口座振替の手続きや口座振替にかかる集金等を代行する集金代行会社（委託先）に当該賃借人の賃料の収納を依頼する（（１）収納依頼）。すると、集金代行会社（委託先）は、当該賃借人の口座に賃料の請求を行い（（２）賃料請求（口座振替））、当該賃借人の口座から賃料が引き落とされる（（３）支払（口座振替））。そして、集金代行会社（委託先）は、賃借人から支払いを受けた賃料を保証会社（委託者）に送金する（（５）収納賃料送金）。一方、保証会社は、管理会社との業務委託契約に基づいて定めた日に賃料を管理会社に立替納付する（（４）賃料送金（立替））。

【0020】

［２．構成］
本実施形態に係る業務支援装置１００（本発明の督促手数料徴収判定装置を含む。）の構成の一例について、図２等を参照して説明する。図２は、業務支援装置１００の構成の一例を示すブロック図である。

【0021】

業務支援装置１００は、具体的には、口座振替の不能理由に応じて督促手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し、督促手数料の回収予定データ作成を制御すること、等ができる。業務支援装置１００は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置１００は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型業務支援装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型業務支援装置を基に構築したものであってもよい。

【0022】

業務支援装置１００は、制御部１０２と通信インターフェース部１０４と記憶部１０６と入出力インターフェース部１０８と、を備えている。業務支援装置１００が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。

【0023】

通信インターフェース部１０４は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置１００をネットワーク３００に通信可能に接続する。通信インターフェース部１０４は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク３００は、業務支援装置１００とサーバ２００とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等である。なお、記憶部１０６に格納されるデータは、例えばサーバ２００に格納されてもよい。

【0024】

入出力インターフェース部１０８には、入力装置１１２および出力装置１１４が接続されている。出力装置１１４には、モニタ（家庭用テレビを含む）の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置１１２には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置１１４をモニタ１１４とし、入力装置１１２をキーボード１１２またはマウス１１２として記載する場合がある。

【0025】

記憶部１０６には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部１０６には、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部１０６として、例えば、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）・ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。

【0026】

記憶部１０６は、商品マスタ１０６ａ（本発明に係る第一データに相当する。）、口座振替結果マスタ１０６ｂ、請求管理マスタ１０６ｃ（本発明に係る第二データに相当する。）、契約データ１０６ｄ、引落依頼明細データ１０６ｅ（本発明に係る第三データに相当する。）、代位弁済データ１０６ｆ、支払依頼データ１０６ｇ、および回収予定データ１０６ｈ等を格納する。

【0027】

図３、図６には、商品マスタ１０６ａに格納される情報の一例が示されている。商品マスタ１０６ａは、図３と図６で示すように、家賃債務保証のプランに割り当てられた商品コード（本発明に係る商品識別情報に相当する。）、家賃債務保証のプラン名（商品名）、口座からの引落結果が不能である請求に関するデータの自動作成対象または自動作成対象外を設定するための自動滞納登録区分、代位弁済事務手数料の金額（本発明に係る督促手数料金額に相当する。）等を含む情報を格納する。

【0028】

図３には、口座振替結果マスタ１０６ｂに格納される情報の一例が示されている。口座振替結果マスタ１０６ｂは、図３で示すように口座振替の結果の種別を識別するための振替結果コード等を含む情報を格納する。

【0029】

図３、図６には、請求管理マスタ１０６ｃに格納される情報の一例が示されている。請求管理マスタ１０６ｃは、図３と図６で示すように、口座振替の結果の種別を識別するための振替結果コード（本発明に係る口座振替結果識別情報に相当する。）、口座振替結果コードに対応する督促手数料の徴収対象または徴収対象外を設定された請求フラグ（本発明に係る督促手数料徴収対象区分に相当する。）等を含む情報を格納する。請求管理マスタ１０６ｃの請求フラグは、保証会社等の業務支援装置１００の利用者の戦略によって、督促手数料の徴収対象または徴収対象外の設定や変更が可能である（本発明にかかるマスタ更新手段で実行される処理に相当する。）。

【0030】

図３には、契約データ１０６ｄに格納される情報の一例が示されている。契約データ１０６ｄは、図３で示すように、保証会社が賃借人である契約者に採番する保証番号、商品コード、賃料、賃貸人である管理会社名等を含む情報を格納する。

【0031】

図３、図５、図６には、引落依頼明細データ１０６ｅに格納される情報の一例が示されている。引落依頼明細データ１０６ｅは、図３、図５、図６で示すように、保証会社が賃借人である契約者に採番する保証番号（本発明に係る契約識別情報に相当する。）、金融機関へ口座引落を依頼する金額である引落依頼金額、口座引落の結果（本発明に係る口座振替の結果に相当する。）、当該引落結果に対応する振替結果コード（本発明に係る口座振替結果識別情報に相当する。）等を含む情報を格納する。なお、図５の引落依頼明細データ１０６ｅ１は、委託先に送信するための引落依頼明細データ１０６ｅを示したもので、引落結果や引落結果に対応する振替結果コードは空欄になっている。また、引落依頼明細データ１０６ｅ２は、委託先から受信した委託先作成の引落依頼明細データＡを取込み作成されたものを示したものである。

【0032】

図３、図５には、代位弁済データ１０６ｆに格納される情報の一例が示されている。代位弁済データ１０６ｆは、図３と図５で示すように、報告日、保証番号、管理会社名、代位弁済金額等を含む情報を格納する。

【0033】

図５には、支払依頼データ１０６ｇに格納される情報の一例が示されている。支払依頼データ１０６ｇは、図５で示すように、支払日、支払先、保証番号、支払金額等を含む情報を格納する。

【0034】

図３、図５、図６には、回収予定データ１０６ｈに格納される情報の一例が示されている。回収予定データ１０６ｈは、図３、図５、図６で示すように、請求年月、請求先、保証番号（本発明に係る契約識別情報に相当する。）、請求費目、請求金額（本発明に係る督促手数料金額に相当する金額を含む。）等を含む情報を格納する。

【0035】

図２に戻り、制御部１０２は、業務支援装置１００を統括的に制御するＣＰＵ等である。制御部１０２は、ＯＳ等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の業務支援を実行する。

【0036】

制御部１０２は、機能概念的に、引落依頼データ作成部１０２ａ、引落結果取込処理部１０２ｂなどを備える。

【0037】

引落依頼データ作成部１０２ａは、該当する月における集金代行会社（委託先）に送信するための引落依頼明細データ１０６ｅの作成処理を行い、引落結果、振替結果コード等が空欄の引落依頼明細データ１０６ｅを作成し、作成した引落依頼明細データ１０６ｅ１を集金代行会社（委託先）に送信する。

【0038】

引落結果取込処理部１０２ｂは、委託先作成の引落依頼明細データＡを取込み、取込結果を確認する。その後、引落結果取込処理部１０２ｂは、商品マスタ１０６ａ、請求管理マスタ１０６ｃ、契約データ１０６ｄに基づいて、委託先作成の引落依頼明細データＡから引落依頼明細データ１０６ｅ、代位弁済データ１０６ｆ、支払依頼データ１０６ｇ、回収予定データ１０６ｈを作成する。

【0039】

さらに、引落結果取込処理部１０２ｂは、請求管理マスタ１０６ｃに基づいて、作成した当該引落依頼明細データ１０６ｅの引落結果、振替結果コードから、代位弁済事務手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し（本発明に係る判定手段で実行される処理に相当する。）、当該代位弁済事務手数料の徴収対象とされた保証番号のプランの代位弁済事務手数料の金額を商品マスタ１０６ａから取得する（本発明に係る督促手数料金額取得手段で実行される処理に相当する。）。そして、引落結果取込処理部１０２ｂは、当該保証番号と当該代位弁済事務手数料の金額を回収予定データ１０６ｈに格納し代位弁済事務手数料データを作成する（本発明に係る督促手数料データ作成手段で実行される処理に相当する。）。

【0040】

図３は、本実施形態における督促手数料データ作成処理の概要の一例を示す図である。業務支援装置１００は、商品マスタ１０６ａ、口座振替結果マスタ１０６ｂ、請求管理マスタ１０６ｃ、契約データ１０６ｄ、および引落依頼明細データ１０６ｅから、代位弁済データ１０６ｆと、代位弁済事務手数料データを含む回収予定データ１０６ｈを、自動滞納登録（システム処理）する。

【0041】

［３．処理］
［３－１．処理の概要］
上述のように構成された業務支援装置１００が行う処理の概要について、図４を参照して説明する。図４は、本実施形態に係る業務支援装置１００が行う処理の概要を示す図である。なお、本説明では、引落依頼データ作成部１０２ａが、該当する月の引落依頼明細データ１０６ｅ１を作成し、委託先へ送信したことを前提とする。

【0042】

引落結果取込処理部１０２ｂは、委託先作成の引落依頼明細データＡを受信する。引落結果取込処理部１０２ｂは、委託先作成の引落依頼明細データＡを取込み、委託先作成の引落依頼明細データＡをもとに、代位弁済関連データ（引落依頼明細データ１０６ｅ、代位弁済データ１０６ｆ、支払依頼データ１０６ｇ、回収予定データ１０６ｈ）を作成する（ステップ１）。

【0043】

その後、引落結果取込処理部１０２ｂは、請求管理マスタ１０６ｃに基づいて、ステップ１で作成された引落依頼明細データ１０６ｅの引落結果、振替結果コードから代位弁済事務手数料の徴収対象または徴収対象外を判定し、代位弁済事務手数料の請求対象と判定された保証番号に紐づけされているプランの代位弁済事務手数料の金額を商品マスタ１０６ａから取得し、代位弁済事務手数料の請求対象と判定された保証番号、取得した代位弁済事務手数料の金額等を回収予定データ１０６ｈに格納し代位弁済事務手数料データを作成する（ステップ２）。

【0044】

［３－２．処理の具体例］
上述のように構成された業務支援装置１００が行う処理の具体例について、図５と図６を参照して詳細に説明する。図５と図６は、本実施形態に係る業務支援装置１００が行う処理の具体例を示す図である。

【0045】

［ステップ０：引落依頼データ作成］
図５を参照し、引落依頼データ作成について説明する。引落依頼データ作成部１０２ａは、商品マスタ１０６ａと契約データ１０６ｄから、４月の引落依頼データ作成処理を行い、引落結果と振替結果コードが空欄である引落依頼明細データ１０６ｅ１を作成し、作成した図５の引落依頼明細データ１０６ｅ１を委託先へ送信する。

【0046】

［ステップ１：引落結果取込処理（代位弁済関連データ作成）］
図５を参照し、代位弁済関連データ作成について説明する。引落結果取込処理部１０２ｂは、委託先から委託先作成の引落依頼明細データＡを受信する。受信した委託先作成の引落依頼明細データＡを取込み、確認する。その後、引落結果取込処理部１０２ｂは、商品マスタ１０６ａ、口座振替結果マスタ１０６ｂ、契約データ１０６ｄおよび委託先作成の引落依頼明細データＡから、引落結果と振替結果コードにデータが格納された引落依頼明細データ１０６ｅ２を作成し、さらに、代位弁済データ１０６ｆ、支払依頼データ１０６ｇ、回収予定データ１０６ｈを作成する。

【0047】

代位弁済データ１０６ｆについて、引落結果取込処理部１０２ｂは、引落依頼明細データ１０６ｅ２の引落結果が「不能」であったデータの保証番号「０００００００００１」と保証番号「０００００００００３」、保証番号「０００００００００１」の引落依頼金額「￥１００，０００」、保証番号「０００００００００３」の引落依頼金額「￥１２０，０００」、および契約データ１０６ｄから、保証番号「０００００００００１」と保証番号「０００００００００３」の管理会社名である「Ａ代理店」、保証番号「０００００００００１」の顧客名である「タナカタロウ」と、保証番号「０００００００００３」の顧客名である「ヤマダジロウ」等の情報を格納し代位弁済を管理する代位弁済データ１０６ｆを作成する。

【0048】

支払依頼データ１０６ｇについて、引落結果取込処理部１０２ｂは、引落依頼明細データ１０６ｅ２の引落結果が「不能」であったデータの保証番号「０００００００００１」と保証番号「０００００００００３」、保証番号「０００００００００１」の引落依頼金額「￥１００，０００」、保証番号「０００００００００３」の引落依頼金額「￥１２０，０００」、および契約データ１０６ｄから、保証番号「０００００００００１」と保証番号「０００００００００３」の管理会社名である「Ａ代理店」等の情報を格納し支払を管理する支払依頼データ１０６ｇを作成する。

【0049】

回収予定データ１０６ｈについて、引落結果取込処理部１０２ｂは、引落依頼明細データ１０６ｅ２の引落結果が「不能」であったデータの保証番号「０００００００００１」と保証番号「０００００００００３」、保証番号「０００００００００１」の引落依頼金額「￥１００，０００」、保証番号「０００００００００３」の引落依頼金額「￥１２０，０００」、保証番号０００００００００１の顧客名「タナカタロウ」、保証番号「０００００００００３」の顧客名「ヤマダジロウ」、および契約データ１０６ｄから、保証番号「０００００００００１」と保証番号「０００００００００３」の請求項目である「家賃」等の情報を格納し回収予定を管理する回収予定データ１０６ｈを作成する。

【0050】

［ステップ２：引落結果取込処理（代位弁済事務手数料データの作成）］
図６を参照し、代位弁済事務手数料データの作成について説明する。引落結果取込処理部１０２ｂは、商品マスタ１０６ａ、請求管理マスタ１０６ｃ、引落依頼明細データ１０６ｅから、代位弁済事務手数料データを作成する。

【0051】

引落結果取込処理部１０２ｂは、１）引落依頼明細データ１０６ｅから、引落結果が不能となっており、かつ請求管理マスタ１０６ｃの請求フラグが徴収対象となっている振替結果コードを含むデータ（レコード）を、代位弁済事務手数料データの作成対象と判断し、２）保証番号で紐づけされる契約データ１０６ｄの商品コードから、商品マスタ１０６ａに設定された代位弁済事務手数料の金額を取得し、３）当該保証番号と当該代位弁済事務手数料の金額等の情報を回収予定データ１０６ｈに格納し代位弁済事務手数料データを作成する。

【0052】

図６を参照し、具体的に説明する。図６の請求管理マスタ１０６ｃにおいて、「１ 資金不足」と「３ 預金者都合」という振替結果コードに対して、代位弁済事務手数料の徴収対象とする「１：対象」という請求フラグが設定されている。

【0053】

引落結果取込処理部１０２ｂは、１）ステップ１で作成した図６の引落依頼明細データ１０６ｅから、引落結果が「不能」で、かつ、振替結果コードが、請求管理マスタ１０６ｃにおいて請求フラグ「１：対象」（徴収対象であることを示すフラグ）に紐づく「１：資金不足」である保証番号「０００００００００１」のデータ（レコード）について、代位弁済事務手数料の徴収対象と判定し、２）保証番号「０００００００００１」で紐づけされている契約データ１０６ｄの商品コード「Ａ」を基に、商品マスタ１０６ａの代位弁済事務手数料の金額「８００」（※外税）を取得し、３）当該保証番号「０００００００００１」と、当該金額「８００」その他顧客名「タナカタロウ」、請求項目「代位弁済事務手数料」等の情報を回収予定データ１０６ｈに格納し、代位弁済事務手数料データを作成する。

【0054】

なお、引落結果取込処理部１０２ｂは、引落結果が不能となっているが、請求管理マスタ１０６ｃの請求フラグが徴収対象外である場合、代位弁済事務手数料データは作成しない。

【0055】

例えば、図６の引落依頼明細データ１０６ｅの保証番号「０００００００００３」は、引落結果は「不能」となっているが、振替結果コードが「８：委託者都合」となっており、委託者都合で請求を差し止めた場合のコードであり、請求管理マスタ１０６ｃの請求フラグで代位弁済事務手数料の徴収対象外と設定されている。そうすると、引落結果取込処理部１０２ｂは、代位弁済事務手数料データの作成対象外と判断し、代位弁済事務手数料のデータを作成しない。よって、図６の回収予定データ１０６ｈには、保証番号「０００００００００３」の代位弁済事務手数料のデータは作成されない。

【0056】

［４．国連が主導する持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）への貢献］
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、ＳＤＧｓの目標８および９に貢献することが可能となる。

【0057】

また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、ＳＤＧｓの目標１２、１３および１５に貢献することが可能となる。

【0058】

また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、ＳＤＧｓの目標１６に貢献することが可能となる。

【0059】

［５．他の実施形態］
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。

【0060】

例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。

【0061】

また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。

【0062】

また、業務支援装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。

【0063】

例えば、業務支援装置１００が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部などには、ＯＳと協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。

【0064】

また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置１００に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。

【0065】

また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ、ＳＤ（Ｓｅｃｕｒｅ Ｄｉｇｉｔａｌ）カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｏ－Ｏｐｔｉｃａｌ ｄｉｓｋ）、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）、および、Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。

【0066】

また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。

【0067】

記憶部に格納される各種のデータベース等は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。

【0068】

また、業務支援装置１００は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置１００は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア（プログラムまたはデータ等を含む）を実装することにより実現してもよい。

【0069】

更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。

【産業上の利用可能性】

【0070】

本発明は、小売業または卸売業など様々な業界において有用である。

【符号の説明】

【0071】

１００ 業務支援装置
１０２ 制御部
１０２ａ 引落依頼データ作成部
１０２ｂ 引落結果取込処理部
１０４ 通信インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 商品マスタ
１０６ｂ 口座振替結果マスタ
１０６ｃ 請求管理マスタ
１０６ｄ 契約データ
１０６ｅ 引落依頼明細データ
１０６ｆ 代位弁済データ
１０６ｇ 支払依頼データ
１０６ｈ 回収予定データ
１０８ 入出力インターフェース部
１１２ 入力装置
１１４ 出力装置
２００ サーバ
３００ ネットワーク

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】