(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070713
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
A63F5/04 602A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181374
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 旭
(72)【発明者】
【氏名】沼尾 崇広
(72)【発明者】
【氏名】小林 大悟
(72)【発明者】
【氏名】大厨 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】木田 隼弘
(72)【発明者】
【氏名】黒田 芳史
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 杏里
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 秀馬
(72)【発明者】
【氏名】吉田 啓豊
(72)【発明者】
【氏名】川添 航平
(72)【発明者】
【氏名】金児 亮哉
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CB10
2C182DA02
(57)【要約】
【課題】新しい操作態様を有する遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機1は、遊技者のタッチ操作等を受け付ける主操作部20Mと、遊技機1の下部であって、主操作部20Mよりも下側Z1に設けられ遊技者が手を挿入可能な下空間部60と、遊技者の手が下空間部60に挿入される操作を受け付ける空間操作部と、備え、空間操作部は、下空間部60に挿入された手の左右方向Xの動き等を検出する手検出部81(81a~81c)を備える。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の操作を受け付ける操作部と、
前記操作部よりも下側に設けられ、遊技者が手を挿入可能な空間部と、
遊技者の手が前記空間部に挿入される操作を受け付ける空間操作部と、を備え、
前記空間操作部は、
前記空間部に挿入された手の動きを検出する手検出部を備える
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記空間部は、前側及び左右方向に開口しており、
前記手検出部は、
前記空間部に挿入された手の左右方向の動きを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記空間操作部は、
前記空間部に挿入された手に対して電気的に作用する電気作用部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場等に施設に配置される遊技機があった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態は、遊技者の操作を受け付ける操作部と、前記操作部よりも下側に設けられ、遊技者が手を挿入可能な空間部と、遊技者の手が前記空間部に挿入される操作を受け付ける空間操作部と、を備え、前記空間操作部は、前記空間部に挿入された手の動きを検出する手検出部を備えることを特徴とする遊技機である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の遊技機1の全体の構成を説明する図であり、正面図(前側Y1から見た図)、左側面図である。
【
図2】実施形態の遊技機1の全体を前側Y1の右上から見た斜視図、縦断面図である。
【
図3】実施形態の空中ディスプレイ5近傍を前側Y1から見た図、左右パネル10の縦断面図である。
【
図4】実施形態の遊技機1の縦断面の下部(
図2(B)の矢印4部)を拡大した図である。
【
図5】実施形態の主操作部20Mの主要部を上側Z2から見た図である。
【
図6】実施形態の遊技機1のシステム構成を説明するブロック図である。
【
図7】実施形態の主操作部20Mの分解斜視図である。
【
図8】実施形態の主操作部20M単体を上側Z2から見た図である。
【
図9】実施形態の主操作部20M単体を右側X2から見た図である。
【
図10】実施形態の主操作部20M単体の斜視図(前側Y1の右上から見た図)である。
【
図11】実施形態の主操作部20Mの縦断面図(
図8の11-11断面図)である。
【
図12】実施形態の大ボタンユニット40近傍を前側Y1の右上から見た斜視図(
図7(A)の矢印12部)である。
【
図13】実施形態の大ボタンユニット40近傍を説明する図である。
【
図14】実施形態の大ボタンユニット40のリンク機構45dを説明する図である。
【
図15】実施形態の遊技機1の下部構成(筐体2、リール11、主操作部20M、下操作部20D、下空間部60近傍等)の位置関係を説明する図である。
【
図16】実施形態の遊技機1の下部構成(筐体2、リール11、主操作部20M、下操作部20D、下空間部60近傍等)の位置関係を説明する図である。
【
図17】実施形態の主操作部20M、及びその支持構造を、前側Y1の右下から見た斜視図である。
【
図18】実施形態の下空間部60近傍を拡大した斜視図(前側Y1の右上から見た図)である。
【
図19】実施形態の下パネル部70を説明する図である。
【
図20】実施形態の下空間部60近傍を右側X2から見た図であり、主操作部20M、下空間部60、下パネル部70等の配置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施形態)
図1は、実施形態の遊技機1の全体の構成を説明する図であり、正面図(前側Y1から見た図)、左側面図である。
図2は、実施形態の遊技機1の全体を前側Y1の右上から見た斜視図、縦断面図である。
図3は、実施形態の空中ディスプレイ5近傍を前側Y1から見た図、左右パネル10の縦断面図である。
図4は、実施形態の遊技機1の縦断面の下部(
図2(B)の矢印4部)を拡大した図である。
図5は、実施形態の主操作部20Mの主要部を上側Z2から見た図である。
図6は、実施形態の遊技機1のシステム構成を説明するブロック図である。
【0008】
実施形態、図面では、適宜、XYZ直交座標系を用いて説明する。この座標系は、
図1等に示すように、遊技機1の左右方向X(左側X1、右側X2)、前後方向Y(前側Y1、後側Y2)、鉛直方向Z(下側Z1、上側Z2)を表す。
[遊技機1の概要]
遊技機1の概要を説明する。
実施形態の遊技機1は、スロットマシンである。遊技機1は、実物のメダル等の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な装置である。つまり、遊技機1は、メダルとして記憶部に記憶した疑似メダル(いわゆるクレジットメダル)を利用した遊技を実行する。実施形態では、このような疑似メダルを、単にメダルともいう。
遊技機1は、従来の遊技機と同様に遊技場に単独又は2台以上を配置してもよく、また、遊技施設、各種商業施設、各種観光施設、娯楽施設等に単独又は2台以上を設置してもよい。
【0009】
遊技機1は、筐体2、前扉3、主表示部4、空中ディスプレイ5、スピーカ6,7、左右パネル10、リール11(11L,11C,11R)、ドラムユニット12、操作ユニット20、制御ユニット27を備える。
なお、遊技機1は、制御ユニット27の主制御基板28、副制御基板29(
図6参照)に設けられた記憶部、制御部を備え、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、遊技機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。また、遊技機1は、複数のコンピュータから構成されていてもよい。さらに、主制御基板28、副制御基板29も、それぞれ記憶部、制御部を備えており、コンピュータの概念に含まれる。
【0010】
筐体2は、遊技機1の外枠を形成する箱体である。
前扉3は、遊技機1の前部分を構成する部材である。前扉3は、筐体2に対して、ヒンジ等(図示せず)によって開閉可能に設けられている。主表示部4、スピーカ6等は、前扉3に取り付けられている。
前扉3の下部には、引き出し可能なトレイ3aが設けられている(
図4参照)。遊技中に遊技者は、携帯電話機等の携行品を、トレイ3aに収容できる。
【0011】
主表示部4、空中ディスプレイ5、スピーカ6,7等は、各種映像情報、音情報を出力することにより、報知手段、演出手段等として利用できる。
主表示部4は、液晶表示装置、有機ELディスプレイ等の表示装置である。主表示部4は、例えば4K等の高解像度の表示装置でもよい。主表示部4は、例えば対角線が24インチ程度の大型の表示装置であり、縦長に配置される。このため、主表示部4の鉛直方向Zの長さは、例えば580mm程度であり、従来の遊技機の表示装置よりも大きい。
【0012】
図1に示すように、空中ディスプレイ5は、遊技機1の上側Z2に配置されている。
空中ディスプレイ5は、液晶表示装置5d等の表示画面を、空中に表示する表示装置である。鉛直方向Zにおいて、空中ディスプレイ5は、主表示部4の直上に配置されている。
空中ディスプレイ5の形態は、限定されないが、例えば特開2017-107218号公報に記載の装置等を用いることができる。
空中ディスプレイ5が生成する観察画像5aは、液晶表示装置等の表示画面の像であるので、フラットに観察される(
図2(B)参照)。観察画像5aは、遊技者が視認しやすいように、前側Y1に倒れるように傾斜している。
【0013】
図3(A)に示すように、観察画像5aの前側Y1には、遊技状態等に応じて開閉する開閉扉5bが設けられている。これにより、空中ディスプレイ5は、観察画像5aの観察範囲を、演出等に応じて制御できる。
遊技者から見ると、主表示部4の表示画面と、空中ディスプレイ5の観察画像5aの表示範囲とは、鉛直方向Zに連続している。
遊技機1は、一の画像を、主表示部4の表示画面と、空中ディスプレイ5の観察画像5aとを連続して表示することにより、演出効果を向上している。例えば、
図3(A)は、空中ディスプレイ5の観察画像5a及び主表示部4の画像4aが連続することにより、円形の画像を形成する。そして、この円形の画像が下側Z1に移動する。また、図示は省略するが、遊技機1は、主表示部4の表示画面と、空中ディスプレイ5の観察画像とを連動させることにより、演出効果を向上できる。
【0014】
スピーカ6は、遊技機1の左右に配置され、スピーカ7は、遊技機1の下部に配置されている(
図4等参照)。スピーカ7は、低音を出力可能なダイナミックスピーカである。
なお、遊技機1は、これらの以外のスピーカが、例えば、遊技機1の上部、下部のコーナ部近傍等に配置されていてもよい。
【0015】
左右パネル10は、遊技機1の左右にそれぞれ設けられている。左右パネル10は、ブラケット10g、ネジ10h等(
図1(B)参照)を用いて、筐体2に対して着脱可能に設けられている。左右パネル10は、電飾としての機能、遊技者が位置する空間をある程度仕切る間仕切りとして機能等を有する。
左右パネル10は、前側Y1に至るに従って、左右方向Xの外側に至るような板状である。
【0016】
図3(B)に示すように、左右パネル10は、透明板10a、LED10d、後パネル10eを備える。
透明板10aは、左右パネル10の本体である。透明板10aは、アクリル樹脂板材等の透明な板である。透明板10aは、鉛直方向Zに細長い。透明板10aは、前透明板10b、後透明板10cの2枚の透明な板が重ね合わされて構成されている。
LED10dは、透明板10aの内部に複数配列された光源である。LED10dは、複数のLED10dをテープ上に配置したいわゆるLEDテープライトを用いてもよい。
後パネル10eは、透明板10aの後側Y2に、透明板10aに重ねるように配置されている。実施形態では、後パネル10eは、「ABC」の文字10f(
図1(A)参照)が印刷されているが、例えば、遊技機1の役モノ、遊技に登場するキャラクタのイラスト、遊技機1の機種名等の印刷がされていてもよい。つまり、後パネル10eは、POP広告等としての機能を有する。
【0017】
図1に示すように、LED10dが非点灯の状態では、後パネル10eの文字10fは、透明板10aを通してよく視認できる。
図2(A)に示すように、一方、LED10dが点灯した状態では、後パネル10eの文字10fは、LED10dの光に邪魔をされて視認性が低下する。このように、左右パネル10は、POP広告と、電飾との2つの機能を有する。また、LED10dによる電飾は、遊技状態に対応して点灯したり、複数のLED10dの一部のみを点灯することにより映像、文字情報を表示できるようにしてもよい。
【0018】
なお、遊技機1は、左右パネル10を取り外した状態の方が、左右パネル10を取り付けた状態よりも、省スペースで設置できる。このため、遊技機1を遊技場に並べて設置する場合等には、左右パネル10は、遊技機1から取り外してもよい。
【0019】
図1等に示すように、リール11は、図柄(識別情報)を変動表示する変動表示部の一例である。3つのリール11L,11C,11Rが、左側X1から右側X2に向けてこの順番で配置されている(
図15参照)。
各リール11L,11C,11Rの周面には、複数(例えば20個)の図柄が表されている。図柄の種類は、例えば、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「RP」、「7」、「BAR」等である。
【0020】
図2(B)に示すように、ドラムユニット12は、リール11L,11C,11Rを回転駆動させる装置である。ドラムユニット12は、筐体2内部に設けられている。
上記形態により、回転駆動されるリール11L,11C,11Rの周面の一部の図柄が、前扉3の前面の窓部11a(表示窓)で視認されることにより、図柄が変動表示される。
なお、可変表示手段の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。また、可変表示手段の形態は、機械的なリールではなく、図柄を液晶表示装置等に表示する形態でもよい。
【0021】
停止ボタン22L,22C,22R(
図5参照)は、これらのリール11L,11C,11Rの停止操作を行うための操作手段の一例である。停止ボタン22L,22C,22Rは、それぞれリール11L,11C,11Rに対応して設けられており、変動表示されている図柄を停止するための操作を受け付け可能である。停止ボタン22L,22C,22Rは、操作を受け付け可能な状態では、各ボタンに対応して設けられたLED等の発光手段が点灯する。
【0022】
なお、遊技機1は、停止ボタン22L,22C,22Rの押し順をともなう当選役に当選した場合に、停止ボタン22L,22C,22Rの操作順を、遊技者に対してナビゲート(報知)する押し順報知機能を有する。押し順報知機能は、ナビランプ(図示せず)を停止ボタン22L,22C,22Rの操作順に従って順に点灯するように制御したり、押し順に対応した停止ボタンを「左」、「中」、「右」等の音出力等によって報知するものである。
【0023】
(操作ユニット20)
操作ユニット20は、主に、遊技者から操作を受け付ける操作部材等を備えるユニットである。
操作ユニット20は、主操作部20M、下操作部20Dを備える。
実施形態では、遊技者から操作を受け付ける主操作部20M、下操作部20Dを総称し、操作ユニット20という。
図4、
図5等に示すように、主操作部20Mは、筐体2から前側Y1に突出するように設けられたケース部材、各種操作部材等がアッセンブリされている。
主操作部20Mは、所持メダル数表示部20a、ベットボタン21a、モード切替ボタン21b、環境設定ボタン21c、停止ボタン22L,22C,22R、大ボタン23、スタートレバー24、全体押下操作部25(
図16等参照)(ケース移動操作部)を備える。
下操作部20Dは、スラッシュ操作部26a(
図17等参照)、下パネルレバー26c(
図16等参照)、電気作用部82(
図20(B)等参照)を備える。
【0024】
なお、説明は省略するが、遊技機1は、これらの操作部材等の他に、所有するメダルを計数したり、ICカードに記憶して出力するための各種ボタンを備える。
また、ベットボタン21a、停止ボタン22、モード切替ボタン21b、環境設定ボタン21c、大ボタン23等は、タッチ入力式の操作部であるため、遊技者の手が操作面に触れることにより操作を受け付けるインターフェースである。実施形態では、これらの操作部を、ボタンともいい、また、これらのボタンにタッチ入力する動作を、タッチ操作、押圧操作、単に押圧等ともいう。
【0025】
所持メダル数表示部20aは、遊技者が所持するクレジットメダルを表示する表示装置である。所持メダル数表示部20aは、LED、液晶表示装置等を用いた7セグメントディスプレイ(単に7セグともいう)である。所持メダル数表示部20aは、主操作部20Mの上面(上操作面20U)に設けられている。
操作ユニット20及びこれらボタンの構成等の詳細は、後述する。
【0026】
(制御ユニット27)
図6に示すように、制御ユニット27は、主制御基板28、副制御基板29を備える。図示を省略するが、主制御基板28、副制御基板29は、遊技機1の内部に収容されている。
主制御基板28は、主に、メダルの計数に関する処理、各種抽選処理、遊技状態に関する処理等を行う。副制御基板29は、主に演出に関する制御等を行う。
なお、実施形態では、遊技機1は、従来の遊技機と同様に、主制御基板28、副制御基板29を備える例を示すが、これに限定されない。主制御基板28、副制御基板29の機能を一体にした制御基板を備えていてもよい。また、この場合には、制御基板を収容するコンピュータを、遊技機1の外部(遊技島の内部等)に配置してもよい。
さらに、主制御基板28は、主にメダルの計数に関する制御を行うユニットと、主に遊技状態の制御を行うユニットとに分離したうえで、両ユニットを電気ケーブル等で通信可能に接続してもよい。
【0027】
主制御基板28と、ドラムユニット12、ベットボタン21a、停止ボタン22等とは、通信ケーブルで接続されており通信可能である。
主制御基板28は、主記憶部28a(記憶手段)、主制御部28bを備える。
主記憶部28aは、遊技に関する遊技プログラム、内部抽選を行うための各テーブル等の各種情報等を記憶する。
詳細な説明は省略するが、主記憶部28aは、例えば、遊技機1の種別(ATタイプ、ARTタイプ等)に対応した内部抽選テーブル、配当テーブル等を記憶する。
【0028】
主制御部28bは、主記憶部28aのプログラムによって動作する。これにより、主制御部28bは、遊技機1の遊技の進行に関する処理等を行う。
また、主制御部28bは、スタートレバー24等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、主記憶部28aに記憶した各種情報の管理、また、遊技者へのメダル付与の処理等をすることにより、遊技機1の遊技を実現する。
【0029】
副制御基板29と、主表示部4、スピーカ6,7、大ボタン23、全体押下操作部25、下操作部20D等との間は、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御基板29は、主制御基板28からの指示に応じて、これらの装置を制御する。
【0030】
副制御基板29は、副記憶部29a、副制御部29bを備える。
副記憶部29aは、遊技に関する遊技プログラム等の各種情報等を記憶する。
副制御部29bは、主制御基板28の主制御部28bからのコマンド(指示)に応じて、遊技機1の遊技に同期した報知、演出等の処理、制御を行う。副制御部29bは、主表示部4、スピーカ6,7等を制御することにより、映像出力、ファンファーレ音出力等による演出を行う。これらの出力、演出は、例えば、遊技状態の移行を報知するもの、各遊技状態に対応したもの等である。
【0031】
(遊技機1の基本動作)
主制御基板28の主制御部28b、副制御基板29の副制御部29bは、以下のように、ゲームの基本動作を行う。
各ゲーム(当該ゲーム、今回ゲーム等ともいう)の開始時には、ベットボタン21aの押下操作に応じて、メダル数が減算され、減算された分が上記掛け数として設定される。
ベットボタン21aは、操作に応じて掛け数を1つずつ増やすボタン、最大掛け数3に応じたボタン(いわゆるMAXベットボタン)、1~3のそれぞれの掛け数に対応した各ボタンを備えたものの何れであってもよい。
【0032】
上記ゲーム開始可能な状態では、スタートレバー24の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー24が傾動操作されると、ゲームが開始される。実施形態では、スタートレバー24の操作が有効な状態でこれが操作されることを「ゲーム開始操作」ともいう。ゲーム開始操作受付に応じて、リール11L,11C,11Rが変動を開始するとともに、RP(リプレイ)役、小役等の複数の当選役(ハズレ役を含む)のなかから今回ゲームの抽選結果をリール11L,11C,11Rの停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。これにより、主制御部28bは、遊技媒体を付与するか否かに関して、内部抽選による判定を行う。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選率に基づいて抽選により決定する。
なお、本実施形態では、内部抽選処理は、リール11L,11C,11Rが定常回転に達する前に完了するものとするが、リール11L,11C,11Rが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
【0033】
各リール11L,11C,11Rは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。このような定常回転に達すると、各リール11L,11C,11Rに対応して設けられた停止ボタン22L,22C,22Rが押下操作可能な状態(停止ボタン操作の有効化)となる。
このような状態において各停止ボタン22が押下操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組み合わせで停止するように、各リール11L,11C,11Rが停止制御される。
【0034】
そして、第3リール停止操作後に、入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせを判定した結果、所定の図柄の組み合わせであるときに入賞と判定され、図柄の組み合わせに応じた遊技価値が付与される。
なお、第3リールとは、3つのリール11L,11C,11Rの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3回目に停止操作をされたリールをいう。また、第3リール停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン22から指等を離した時点後のことをいう。
【0035】
遊技価値の一例として、小役に対応する図柄の組み合わせの停止により、小役入賞が判定され、所定数のメダルが遊技者に付与される。
停止状態では、リール11L,11C,11Rのそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が機外から視認可能に停止(「停止表示」ともいう)する。これにより、主制御部28bは、上記内部抽選による判定結果に基づく態様で、変動表示している図柄を停止表示可能に制御する。
そして、主制御部28bは、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無を判定する。
主制御部28bは、中段(上下方向に連続する3つの図柄のうち中央)の入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせに基づいて、入賞の判定を行う。なお、入賞ラインは、これに限定されず、例えば、上段、中段、下段3つのラインと斜め2つのラインの計5ラインにしてもよく、また、これら5ラインのうち1以上の任意のラインにしてもよい。
【0036】
(当選役)
当選役は、例えば、「小役」、「押し順RP役1,2」、「SB(シングルボーナス)役」等を有する。
「小役」に対応する図柄の組み合わせは、例えば、ベル役、レア役、チャンス目役、ハズレ役等である。
「ベル役」に対応する図柄の組み合わせは、入賞ライン上の「リール11L(左)・リール11C(中)・リール11R(右)」の順に、「ベル・ベル・ベル」である。
さらに、「ベル役」は、「共通ベル役」、「押し順ベル役」を有する。
「共通ベル役」に当選時には、押し順に関係なく図柄の組み合わせが揃う。
「押し順ベル役」に当選時には、押し順に対応した停止操作をすることにより図柄の組み合わせが揃う。
【0037】
レア役は、チェリー役、スイカ役を有する。チェリー役の図柄の組み合わせは、「チェリー・ANY・ANY」(ただしANYは任意の図柄)であり、スイカ役の図柄の組み合わせは、「スイカ・スイカ・スイカ」である。
副制御部29bは、レア役に当選した遊技では、これらに対応する図柄の画像、又はその図柄を示唆する画像を、主表示部4に表示する。遊技者は、この表示に従って目押しをともなう操作、つまり、主表示部4等に表示された図柄と同じ図柄が入賞ライン上に停止するタイミングで各リール11L,11C,11Rの停止操作をすればよい。主制御部28bは、この停止操作に応じて、当選役に対応する図柄の組み合わせを停止表示する。
チャンス目役の組み合わせは、「ベル・スイカ・RP1」等である。
【0038】
「押し順RP役1,2」に対応する図柄の組み合わせの停止により、リプレイ入賞が判定され、次回ゲームにおいてメダルを掛けることなく、すなわち、メダルを費やすことなく遊技可能な状態となる。
「押し順RP役1,2」に対応する図柄の組み合わせは、それぞれ「RP1・RP1・RP1」、「RP2・RP2・RP2」である。
「SB役」に対応する図柄の組み合わせは、「BAR・SB・SB」等である。「SB役」は、0枚役である。このため、「SB役」に対応する図柄の組み合わせに対応した図柄が停止表示されても、メダルは、付与されない。
【0039】
(押し順)
押し順とは、停止ボタン22L,22C,22Rに対する操作順序である。
本実施形態では、押し順をともなう当選役として、押し順ベル役、押し順RP役1,2を有する。
押し順ベル役は、さらに停止ボタン22L,22C,22Rの操作順が異なる押し順ベル役1~6を有する。以下のように、主制御部28bは、内部抽選による判定結果が押し順ベル役(特定判定結果)であり、且つ、停止ボタン22L,22C,22Rへの操作態様が押し順に従ったもの(特定操作態様)である場合に、ベル役に対応した図柄の組み合わせである「ベル・ベル・ベル」(特定態様)で、図柄を停止表示させる制御を実行する。
実施形態では、押し順ベル役等の押し順をともなう当選役に当選した状態で、これに対応した押し順で操作されることを、押し順ベル正解、押し順正解、正解等ともいい、一方、これに対応した押し順で操作されないことを、押し順ベル不正解、押し順不正解、不正解等ともいう。
【0040】
押し順の報知例として、例えば、「押し順ベル役1~6」のうち「押し順ベル役1」に当選した場合には、3つのナビランプ(図示せず)は、左から右に向けて順次点灯し、スピーカ6,7は、「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声を出力する。
このように、ナビランプ、スピーカ6,7は、停止ボタン22L,22C,22Rの操作順に関する情報を出力する。
なお、ナビランプ、スピーカ6,7に加えて、又はこれらに代えて、主表示部4が、停止ボタン22L,22C,22Rの操作順に関する情報を出力してもよい。
実施形態では、このように押し順をともなう当選役が当選した場合に、その押し順をナビゲート(報知)することを、押し順ナビともいう。
【0041】
遊技者は、「押し順ベル役1~6」のいずれかに当選したゲームにおいて、押し順ナビに従って停止ボタン22を操作した場合には、押し順を正解できる。これに応じて、「押し順ベル役」に対応する図柄の組み合わせが停止表示され、遊技者に遊技価値(規定枚数のメダル付与、遊技状態の移行等)が付与される。
一方、遊技者は、「押し順ベル役1~6」のいずれかに当選したゲームにおいて、押し順ナビに従わずに停止ボタン22を操作した場合には、押し順が不正解となる。この場合には、「押し順ベル役」に対応する図柄の組み合わせが停止されない(いわゆるベルこぼし、ベル取りこぼし)。この場合には、所定の図柄の組み合わせが停止表示し、また、1枚のメダルが付与されるように制御してもよい。
【0042】
同様に、押し順RP役1,2についても、それぞれ、操作順が異なる6通りの当選役を有し、各当選役に当選したゲームにおいて押し順に対応した停止操作をすることにより、各当選役に対応した図柄の組み合わせが停止される。また、押し順ナビが実行される場合には、押し順ナビに従って停止操作をすることにより、各当選役に対応した図柄の組み合わせが停止される。また、押し順RP役1,2に当選時において、押し順不正解の場合は、押し順RP役1,2に対応した図柄以外の組み合わせが停止表示されるようにしてもよい。
【0043】
制御ユニット27は、上記各ゲームに関連した各種処理を実行する。すなわち、主制御部28bは、滞在中の遊技状態に対応した抽選処理等、遊技状態の遷移等の処理等を実行し、副制御部29bは、これらに対応した演出等の処理を実行する。これらの処理は、遊技機1の種別、機種等に応じて異なる。実施形態では、これらの処理の説明を省略する。
【0044】
[操作ユニット20近傍の構成]
操作ユニット20近傍の構成について、詳細に説明する。
図7は、実施形態の主操作部20Mの分解斜視図である。
図7(A)は、前側Y1の右上から見た図であり、
図7(B)は、後側Y2の右上から見た図である。
図8は、実施形態の主操作部20M単体を上側Z2から見た図である。
図9は、実施形態の主操作部20M単体を右側X2から見た図である。
図10は、実施形態の主操作部20M単体の斜視図(前側Y1の右上から見た図)である。
図10(A)は、大ボタン23のボタン本体部41がフラット状態の図であり、
図10(B)は、突出状態の図である。
図11は、実施形態の主操作部20Mの縦断面図(
図8の11-11断面図)である。
図12は、実施形態の大ボタンユニット40近傍を前側Y1の右上から見た斜視図(
図7(A)の矢印12部)である。
図13は、実施形態の大ボタンユニット40近傍を説明する図である。
図13(A)は、後側Y2の右上から見た斜視図(
図7(B)の矢印13A部)である。
図13(B)は、後側Y2から見た図である。なお、
図13(B)は、ギアユニットのカバーの図示を省略した。
図13(C)は、前側Y1から見た図である。
図14は、実施形態の大ボタンユニット40のリンク機構45dを説明する図である。
【0045】
[主操作部20M]
図7、
図11、
図12等に示すように、主操作部20Mは、シャーシ部31、下ケース部32、左ケース部33、右ケース部34、上ケース部35、前ケース部36、静電容量センサ37、大ボタンユニット40(第2操作部)、振動部50を備える。
シャーシ部31、下ケース部32、左ケース部33、右ケース部34、上ケース部35、前ケース部36は、主操作部20Mの筐体、ベース等を構成するケース部である。
シャーシ部31を上側Z2から見た形状は、U字状である。
下ケース部32、左ケース部33、右ケース部34、上ケース部35、前ケース部36は、それぞれ主操作部20Mの下側Z1、上側Z2、左側X1、右側X2、前側Y1のケース部である。これらのケース部は、それぞれ複数の部材から構成されていてもよい。これらのケース部は、シャーシ部31に対して、ネジ止め等によって、直接的又は間接的(つまり他の部材を介して)に固定されることにより、一体にされる。
【0046】
下ケース部32は、ほぼフラットな形状である。
左ケース部33、右ケース部34は、左右方向Xにおいて、ほぼ対称の形状である。
左ケース部33の前面には、前側Y1に突出するように、スタートレバー24が設けられている。
【0047】
(上ケース部35)
上ケース部35は、主に、遊技者から上側Z2からの操作を受け付けるための構成を備える。上ケース部35は、所持メダル数表示部20a、ベットボタン21a、モード切替ボタン21b、環境設定ボタン21c等の操作部に関する構成を備える。
図7、
図11に示すように、上ケース部35は、基部35a、電気基板35b、導光板35c、拡散シート35d、上カバー35gを備える。
基部35a、電気基板35b、導光板35c、拡散シート35d、上カバー35gは、下側Z1から上側Z2に向けて、この順番で配置される。これらの部材には、ボタン本体部41(
図11等参照)を挿通するために、鉛直方向Zに貫通する貫通穴が設けられている。
基部35aは、上ケース部35のベースとなる部材である。基部35aは、例えば、樹脂の成型品等である。基部35aは、電気基板35bを載置、固定するために、上面がフラットに形成されている。
【0048】
電気基板35bは、基部35aの直上に配置される。電気基板35bは、LED、電極(図示を省略する)を備える。
LEDは、上操作面20Uを発光する光源である。
電極は、静電容量式でタッチ操作を受け付けるための部材である。電極は、タッチ操作をする範囲に対応して配置される。電極は、電気基板35bに実装されたものに限定されず、電気基板35bに重ねて配置されていてもよく、ケーブル等によって電気基板35bに対して電気的に接続されていてもよい。
【0049】
導光板35cは、LEDの光を、上操作面20Uの全体に導光する光学部材である。導光板35cは、例えば、透明樹脂の成形品等である。
拡散シート35dは、LEDの光を拡散するシート材である。拡散シート35dは、操作内容を説明する「BET」、「MODE」の文字、記号等(
図8参照)が印刷されている。
ここで、後述するように、上カバー35gは、スモーク材である。そして、各ボタンの操作を受け付けない状態では、LEDは、消灯制御されるので、拡散シート35dのこれらの印刷は、視認できない。一方で、操作受付状態では、LEDが点灯制御されるので、拡散シート35dの印刷は、視認できる。これにより、遊技者は、各ボタンが操作受付可能なタイミングであることを確認できる。
【0050】
上カバー35gは、上ケース部35の最外郭部に配置にされる。上カバー35gは、グレースモークのアクリル等の樹脂成形品等である。
図11に示すように、上カバー35gの縦断面形状は、板状の天部35u及び前部35fが連結したL字型である。天部35uは、主操作部20Mの上操作面20Uを形成し、前部35fは、主操作部20Mの前操作面20Fを形成する。
上操作面20U(上側操作面)、及び前操作面20F(前側操作面)は、遊技者の押圧操作を受け付ける操作面であり、フラットである。上操作面20Uの上面(表面)は、ほぼ上側Z2を向いており、また、前操作面20Fの前面(表面)は、ほぼ前側Y1を向いている。遊技者は、タッチ操作をする際は、これらのフラット面に対して、上側Z2から指でタッチすればよい。
【0051】
(前ケース部36)
前ケース部36は、主に、遊技者から前側Y1からの操作を受け付けるための構成を備える。
前ケース部36は、基部36a、電気基板36b、導光板36c、拡散シート36dを備え、これらの部材は、後側Y2から前側Y1に向けて、この順番で配置される。
基部36a、電気基板36b、導光板36c、拡散シート36dは、上ケース部35の基部35a、電気基板35b、導光板35c、拡散シート35dと同様な部材である。つまり、基部36aは、前ケース部36のベースとなる部材であり、電気基板36bは、LED、電極を備え、導光板36cは、LEDの光を前操作面20Fの全体に導光する。また、拡散シート36dは、操作を受け付ける位置を示すための楕円形の印刷等を備える。
前述したように、上ケース部35の上カバー35gは、拡散シート36dの前側Y1をカバーすることにより、主操作部20Mの前面を形成する。
【0052】
(静電容量センサ37a~37f)
図12に示すように、静電容量センサ37a~37fは、静電容量方式による操作を受け付けるための電気部品である。静電容量センサ37a~37fは、タッチ操作部に対応して6つが設けられている。すなわち、6つ静電容量センサ37a~37fは、主操作部20Mのベットボタン21a、モード切替ボタン21b、環境設定ボタン21c、停止ボタン22L,22C,22R、大ボタン23のそれぞれの操作領域(タッチ操作される領域)に対応している。
静電容量センサ37a~37fは、各ボタンに対応して設けられた電気基板(電気基板35b,36b,43b等)の電極に電気的に接続されている。これにより、静電容量センサ37a~37fは、遊技者による主操作部20Mの前操作面20F、上操作面20Uへのタッチ操作を検出できる。
これらのうち、静電容量センサ37fは、ボタンケース部42(
図12参照)内に収容されている。
【0053】
このように、遊技機1は、上操作面20U、前操作面20Fを設けることによりフラット面の面積を大きし、その上で、静電容量センサ37a~37eを設けているので、複数の操作部のタッチ操作を受け付けることができる。また、遊技機1は、停止ボタンに対応した操作を前操作面20Fで受け付けることにより、従来のスロットマシンの操作態様を踏襲できる。
さらに、遊技機1は、大ボタン23のタッチ操作を静電容量センサ37fで受け付けるので、大ボタン23の操作態様と、上操作面20U、前操作面20Fでの操作態様とを統一できる。
【0054】
なお、タッチ操作面は、完全なフラット面ではなくてもよく、例えば、
図11の前操作面20Fに示すように、タッチ操作する領域が分かりやすいように、凹部状にしてもよい。
【0055】
(大ボタンユニット40)
大ボタンユニット40は、大ボタン23に関するユニットである。
図10等に示すように、大ボタンユニット40は、遊技者による大ボタン23の操作の受け付けの可否に応じて、ボタン本体部41をフラット状態及び突出状態の間で駆動させる。大ボタン23の操作可能な状態は、例えば、遊技進行に応じて、演出を実行可能な状態である。
大ボタンユニット40は、主操作部20Mのほぼ中央に収容されており、また、ボタンケース部42の一部のみが外部に露出している。
【0056】
図11から
図13に示すように、大ボタンユニット40は、ボタン本体部41、ボタン駆動部45を備える。
図11に示すように、ボタン本体部41は、ボタンケース部42(可動ボタン)、電気基板43b、導光板43c、拡散シート43dを備える。
ボタンケース部42は、大ボタンユニット40のうちボタンの筐体を構成するケース部材である。ボタンケース部42は、複数の樹脂成形品、金属のプレス品等によって構成されていてもよい。ボタンケース部42の外形は、中空の楕円柱状である。ボタンケース部42は、下側Z1に開口する楕円柱状の主要部分42aと、この開口に蓋をする底板42bとが設けられている。主要部分42aは、上カバー35gと同様に、グレースモークの樹脂成形品等である。
ボタンケース部42の上面(つまり主要部分42aの上面)は、上操作面20Uに平行なフラット面である。
【0057】
図12、
図13に示すように、ボタンケース部42は、複数のローラ42c等によって、側面が支持される。これらのローラ42cは、シャーシ部31又は上ケース部35の基部35aに対して、回転可能に取り付けられている。これらのローラ42cによって、ボタン本体部41は、主操作部20Mに対してほぼ鉛直方向Zに移動可能にガイドされる。
【0058】
電気基板43b、導光板43c、拡散シート43dは、ボタン本体部41内のうち上部に固定されており、下側Z1から上側Z2に向けてこの順番で配置される。
電気基板43b、導光板43c、拡散シート43dは、上ケース部35の電気基板35b、導光板35c、拡散シート35dと同様な部材である。つまり、電気基板43bは、前側Y1から操作を受け付けるための構成を備え、また、LED、電極を備える。拡散シート43dは、操作を受け付ける位置を示すための楕円形の印刷、「PUSH」等の文字印刷等(
図8参照)を備える。大ボタン23の操作受付可能時にLEDが発光制御されることにより、これらの印刷等は、視認可能となる。
【0059】
図12、
図13に示すように、ボタン駆動部45は、モータ45a、歯車45b、カム機構45c、リンク機構45d等を備えている。
図14に示すように、リンク機構45dは、スライダ45e、アーム部材45fを備えことにより、ボタンケース部42を、鉛直方向Zに平行移動可能に支持している。モータ45aの駆動力は、歯車45b、カム機構45cを介して、リンク機構45dに伝達される。これにより、リンク機構45dが駆動されることにより、ボタンケース部42が駆動される。
【0060】
ボタンケース部42は、ボタン駆動部45によって、フラット状態及び突出状態の間で変形可能に駆動される。ボタンケース部42の天面は、フラット状態では上操作面20Uとほぼ同一面上に配置され、一方、突出状態では上操作面20Uから上側Z2に突出した位置に配置される。
大ボタンユニット40は、ボタンケース部42をフラット状態に駆動した状態では遊技者の操作を受け付けず、一方、突出状態に駆動した状態では遊技者の操作を受け付ける。
【0061】
なお、実施形態において、ボタンケース部42の天面と上操作面20Uとがほぼ同一面である状態とは、ボタンケース部42の上操作面20Uからの突出量が小さいために、ボタンケース部42が操作可能な程度なストローク量を有さないことを、遊技者が理解できる程度であるという概念である。このため、ほぼ同一面とは、両者が同一面に配置された状態に限定されず、ボタンケース部42の天面が、上操作面20Uに対してある程度、突出した状態、又は窪んだ状態等を含む。
一方、ボタンケース部42の天面が上操作面20Uから上側Z2に突出した状態とは、ボタンケース部42の上操作面20Uからの突出量が大きいために、ボタンケース部42が操作可能な程度なストローク量を有することを、遊技者が理解できる程度であるという概念である。
【0062】
(振動部50)
振動部50は、遊技者の操作部の操作に応じて、操作部である主操作部20M、ボタン本体部41を振動させる部分である。
図11に示すように、振動部50は、第1振動部51、第2振動部52を備える。
第1振動部51は、振動源であり、振動を第1振動部51の周囲の構造に伝播させる。
第1振動部51は、移動子51aと、移動子51aを往復移動させるコイル51b等とを備えた電気部品である。なお、第1振動部51の構成は、振動源となる構成であれば限定されず、例えば、回転モータの回転軸に振動子を取り付けた構成であってもよい。
【0063】
コイル51bは、シャーシ部31に対して固定されている。制御ユニット27は、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部(第1操作部)の操作の受け付けに応じて、第1振動部51の移動子51aを往復移動するように制御する。
これにより、第1振動部51は、主に主操作部20Mに直接配置されたタッチ操作部の押圧面を、振動させることができる。
【0064】
ここで、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部とは、主操作部20Mに配置されたタッチ操作部うち、主操作部20Mに対して一体的に設けられた操作部であり、大ボタンユニット40のボタンケース部42(第2操作部)以外の各操作部である。つまり、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部とは、ベットボタン21a、モード切替ボタン21b、環境設定ボタン21c、停止ボタン22L,22C,22Rである。大ボタンユニット40のボタンケース部42は、主操作部20Mに対して移動可能に設けられているため、第1振動部51の振動が伝播しにくい。
また、押圧面とは、主操作部20M、大ボタンユニット40の表面のうち、単に押圧可能な面ではなく、押圧されることによりタッチ操作を受け付ける面である。なお、押圧方向は、操作面の法線方向に限定されず、押圧操作されることにより、タッチ操作を受け付ける方向であればよい。
【0065】
第2振動部52は、振動源であり、振動を第2振動部52の周囲の構造に伝播させる。第2振動部52は、第1振動部51と同様な電気部品等であり、移動子52a、コイル52bを備える。
図11に示すように、第2振動部52は、ボタンケース部42の内部に設けられており、また、コイル52bがボタンケース部42の底板42bに対して固定されている。これにより、第2振動部52は、大ボタンユニット40のボタンケース部42の操作の受け付けに応じて、移動子52aを往復移動させることにより、主に、ボタンケース部42の天面(押圧面)を振動させることができる。
【0066】
[主操作部20Mの操作時の態様]
(リール11の窓部11aと、主操作部20Mの上操作面20Uとの配置)
図4に示すように、上操作面20Uは、ほぼ水平面上に配置され、後側Y2に至るに従って上側Z2に至るように緩やかに傾斜している。このため、上操作面20Uは、遊技者の視認性がよい。
ここで、リール11の窓部11aは、上操作面20Uよりも鉛直面に近いものの、上操作面20Uと同様に、後側Y2に至るに従って上側Z2に至るように傾斜している。このため、鉛直方向Zの長さにおいて、窓部11aは、従来の遊技機の表示窓よりも小さくても、図柄を表示するための十分な面積を確保できる。また、窓部11aは、従来の遊技機の表示窓よりも下側Z1に設置されていても、視認性がよい。このため、遊技機1は、窓部11aよりも上側Z2に、他の装置を配置するための大きなスペースを確保できる。実施形態では、このように確保された領域に、大きな画面を有する主表示部4を配置している。
また、リール11の窓部11aは、主操作部20Mの上操作面20Uに対して、上側Z2に連続するように設けられる。遊技者は、窓部11a及び主操作部20M間で目線を動かす際に、目線の動きを小さくできるので、視認性、操作性がよい。さらに、上操作面20Uと窓部11aとのなす角は、鈍角となる。このため、上操作面20U及び窓部11aの一体感を向上できる。
【0067】
制御ユニット27は、主操作部20Mの各ボタンの操作を受け付け可能な状態では、各ボタンに対応したLEDを発光する。これにより、遊技機1は、操作領域を発光させて、遊技者に対して、ボタン操作が可能な状態であることを報知できる。また、第1振動部51を駆動することにより、操作面を振動させることにより、タッチ操作時の操作感(操作した感覚)を、遊技者に与えることができる。
【0068】
(主操作部20Mのタッチ操作部に関する制御)
制御ユニット27は、遊技者から主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部の操作部を受け付けると、静電容量センサ37a~37eの出力に基づいて、遊技、演出等に関する制御等を行う。
例えば、3つの停止ボタン22L,22C,22Rに関する操作を受け付け可能な状態では、制御ユニット27は、3つの停止ボタン22L,22C,22Rの発光領域を発光する。そして、例えば、中ボタン22C(第1停止ボタン)が操作されると、中ボタン22Cに対応した静電容量センサの出力に基づいて、中ボタン22Cに対応した操作領域を消光し、また、中リール11Cを停止する。
【0069】
(大ボタンユニット40の操作)
制御ユニット27は、遊技状態が大ボタン23の操作を受け付けない状態では、ボタンケース部42をフラット状態に駆動し、また、ボタンケース部42の発光領域を消灯する。
そして、遊技状態が大ボタン23の操作を受け付けない状態から大ボタン23の操作を受け付ける状態(各種演出を実行可能な状態)に移行することに応じて、ボタンケース部42を突出状態に駆動し、また、ボタンケース部42の発光領域を発光する。
遊技者が大ボタン23を押圧すると、ボタンケース部42は、その押圧力によって、突出位置からフラット位置に向けて降下する。また、制御ユニット27は、大ボタン23に対応した静電容量センサ37fの出力に基づいて、大ボタン23の操作に対応した制御(各種演出の実行等)を行う。
なお、大ボタン23の操作の検出は、ボタンケース部42の降下を検出してもよい。この場合には、ボタンケース部42の移動を検出する光学センサ等の検出部を設けてもよく、ボタンケース部42の降下にともなうモータの回転をエンコーダ等で検出してもよい。このような方法で、ボタン操作を検出する場合には、静電容量センサを設けなくてもよい。
【0070】
このように、遊技機1は、大ボタン23の操作を受け付けない状態等では、ボタンケース部42をフラット状態に駆動して、主操作部20Mの上操作面20Uの全体をフラットな形態にできる。そして、遊技機1は、上操作面20Uの各種ボタンの操作を受け付けることができる。
一方、遊技機1は、遊技状態の変化等に応じて、大ボタン23の操作を受け付け可能な状態では、ボタンケース部42を突出状態に駆動することにより、大ボタン23の操作を受け付けることができる。このように、遊技機1は、ボタンケース部42をせりあがるように駆動するので、操作部の形態の面白さを向上できる。
【0071】
(振動部50の制御)
制御ユニット27は、各タッチ操作部が操作受け付け可能な状態において操作を受け付けたことに応じて、前述したように、振動部50を制御する。
つまり、制御ユニット27は、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部の操作を受け付けたことに応じて、第1振動部51を制御することにより、これらの操作部の押圧面を振動させる。また、ボタンケース部42の押圧操作を受け付けたことに応じて、第2振動部52を制御することにより、ボタンケース部42の押圧面を振動させる。
これら押圧面の振動は、遊技者の指に伝わるので、遊技者は、操作が受け付けられたことを、体感によって理解できる。
【0072】
ここで、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部うち、ボタンケース部42の押圧面の面積は、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部の各押圧面の面積よりも大きい。また、ボタンケース部42は、押圧操作を受け付ける際に移動するので、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部よりも大きな操作ストロークを有する。
このように、ボタンケース部42は、主操作部20Mに固定配置されたタッチ操作部と比較すると、操作面(押圧操作を受け付け可能な面)が大きく、また、遊技者の操作時の指、手の動作が大きい。
このため、仮に、第1振動部51を利用してボタンケース部42の操作面を振動させる態様では、振動の感触を、遊技者の指に十分に伝えることができない可能性がある。実施形態では、主にボタンケース部42のみを振動させる第2振動部52が、ボタンケース部42内に収容されている。このため、第2振動部52は、振動の十分な感触を、遊技者の指に伝えることができる。
【0073】
(全体押下操作部25)
全体押下操作部25に関する構成等について説明する。
なお、実施形態において、主操作部20Mの全体操作とは、遊技者が主操作部20M全体を移動する操作をいう。
主操作部20Mの支持構造等は、左右方向Xにおいてほぼ対称である。以下、主に右側X2の支持構造等について説明する。
図15、
図16は、実施形態の遊技機1の下部構成(筐体2、リール11、主操作部20M、下操作部20D、下空間部60近傍等)の位置関係を説明する図である。
図15は、前側Y1から見た図である。
図16は、右側X2から見た図である。
図17は、実施形態の主操作部20M、及びその支持構造を、前側Y1の右下から見た斜視図である。
図15、
図16は、筐体2の外形を二点鎖線で図示し、また、前扉3等の図示を省略した。さらに、
図15から
図17は、歯車ユニット56bの各歯車を回転支持するカバー部材の図示を省略した。
【0074】
図8等に示すように、シャーシ部31は、後側Y2に延びるアーム部31aを備える。アーム部31aは、シャーシ部31の後側Y2の左右両端部に、それぞれ設けられている。
図9等に示すように、アーム部31aの後端部には、左右方向Xに貫通する貫通穴31bを備える。
【0075】
図15から
図17に示すように、遊技機1は、主操作部20Mの支持構造として、回転支軸55、駆動部56を備える。
図16に示すように、回転支軸55は、筐体2に固定された軸体である。回転支軸55は、ベアリング等を備えていてもよい。回転支軸55は、シャーシ部31の貫通穴31bに挿通されている。回転支軸55の軸方向は、左右方向Xである。これにより、回転支軸55は、主操作部20M全体を、筐体2に対して回動可能に支持する。実施形態では、主操作部20Mが上側Z2に回動して配置される位置を上位置、下側Z1に回動した配置される位置を下位置(
図16の二点鎖線参照)ともいう。
主操作部20Mは、シャーシ部31等がストッパ(図示せず)に当接することによって、回転軸回りの回転範囲(上位置及び下位置間の回転範囲)が制限される。主操作部20Mが回動する範囲は、数度程度である。
主操作部20Mが上位置に配置された状態では、上操作面20Uは、ほぼ水平面上に配置される。また、主操作部20Mは、下位置に配置された状態では、下パネル部70に当接しない程度の高さに配置される。
【0076】
回転支軸55は、筐体2内の後側Y2、かつ、リール11の後端部近傍に配置されている。また、前後方向Yにおいて、シャーシ部31のアーム部31aの長さは、十分に長い。
さらに、鉛直方向Zにおいて、主操作部20Mのケース部と、回転支軸55の高さとは、ほぼ等しい。
このため、主操作部20Mが上位置から下位置に回転移動する際には、回転半径が大きくなるので、回転移動にともなう主操作部20Mのケース部の円弧状の移動を、ほぼ直線的な動きにすることができる。このため、主操作部20Mの回転軌跡は、鉛直方向Zにほぼ平行な下側Z1となる。
【0077】
また、遊技機1は、主操作部20Mのケース部及び回転支軸55のスペースを有効利用してリール11を配置できる。
回転支軸55は、筐体2内であって、リール11の後端部よりも、さらに後側Y2に配置されていてもよい。この場合には、シャーシ部31のアーム部31aを、より長くすることができるので、主操作部20Mの回転軌跡を、より直線的にできる。
【0078】
駆動部56は、モータ56aの駆動力を、歯車ユニット56bを介してシャーシ部31に伝達することにより、下位置に配置された主操作部20Mを、上位置に復帰するように駆動する駆動装置である。
図17に示すように、左右の歯車ユニット56bのうち一対の歯車56cは、軸体56dによって接続されているため、一体で回転する。これにより、左右の歯車ユニット56bは、位相ずれが抑制されるので、駆動部56は、主操作部20Mを左右で偏りなく駆動できる。
【0079】
(主操作部20Mの全体移動操作:全体押下操作部25)
主操作部20Mは、通常時には上位置に配置されており、歯車ユニット56bがロックされた状態(つまり、歯車ユニット56bが回転しないように規制された状態)である。
一方、全体押下操作部25が操作受け付け可能時には、歯車ユニット56bのロックが解除される。このため、遊技者が主操作部20Mのケース部の上面等を両手等で下側Z1へ向けて押し下げるように力を加えると、主操作部20M全体が回転支軸55回りに回動する。前述したように、この場合、主操作部20Mは、鉛直方向Zにおいて、ほぼ下側Z1に平行移動する。これにより、遊技者は、違和感なく、つまり、主操作部20Mを回転移動しようとする意識を持たずに、主操作部20Mを操作できる。
【0080】
このように、主操作部20Mは、ボタン等の押圧操作に加えて、全体押下操作部25が主操作部20Mのケース部全体を下側Z1(回転支持部の回転方向)に移動する操作を受け付けるので、操作態様の興趣を向上できる。また、全体押下操作部25は、主操作部20Mの全体を上から手で押さえて、下側Z1に移動させるような操作態様になるので、趣向を向上できる。
また、前述したように、主操作部20Mは、回転移動する際には、ほぼ鉛直方向Zに移動する。このため、主操作部20Mを下側Z1に移動するように主表示部4等で操作指示する場合等であっても、遊技者は、違和感なく操作できる。
【0081】
[下操作部20D、下空間部60近傍の構成、操作態様]
図2、
図17から
図20等を参照しながら、下操作部20D、下空間部60近傍の構成について説明する。
図18は、実施形態の下空間部60近傍を拡大した斜視図(前側Y1の右上から見た図)である。
図19は、実施形態の下パネル部70を説明する図である。
図19(A)は、前側Y1から見た図である。
図19(B)は、
図19(A)のB-B断面図である。
図19(C)は、下パネル部70の電飾の態様を説明する図である。
図20は、実施形態の下空間部60近傍を右側X2から見た図であり、主操作部20M、下空間部60、下パネル部70等の配置を説明する図である。
遊技機1の下部は、下空間部60、下パネル部70、手検出部81、電気作用部82、常温送風機90a、高温送風機90bを備える。
【0082】
下空間部60は、遊技機1の前側Y1の構成部分であって、主操作部20Mよりも下側Z1、かつ、下パネル部70の後側Y2に設けられた空間である。
下空間部60は、前側上部と、左右両側とが開口している。下空間部60の前側下部は、下パネル部70によって覆われている。
このため、遊技者は、手を下空間部60に挿入することができる(
図18、
図20(A)等参照)。また、後述するように、遊技者は、下空間部60に挿入し、スラッシュ操作、下パネルレバー26cの操作、電気作用部82に触る操作等をすることができる。
遊技機1は、このように、主操作部20Mの下側Z1に下空間部60を設け、その下空間部60に手が挿入される操作を受け付けるので、操作態様の興趣を向上できる。
【0083】
遊技者は、例えば、下空間部60に対して前側上部から手を入れた後に、左右方向Xに移動したり、また、左右の一方の開口部から手を入れた後に、他方の開口部から出すように左右に払うように移動できる(
図18参照)。実施形態では、遊技者の手が下空間部60内部で左右方向Xに移動される操作を、スラッシュ操作ともいう。
【0084】
(下パネル部70:下パネルレバー26c)
図16、
図19に示すように、下パネル部70は、下パネルレバー26cを構成する部材である。下パネル部70は、下空間部60の前側Y1の下部を覆う平板状のパネルである。
下パネル部70は、前パネル71、後パネル72、支持穴73、下パネル電飾部75を備える。
【0085】
前パネル71、後パネル72は、それぞれ下パネル部70の前板、後板を構成する。前パネル71、後パネル72は、前後方向Yに隙間を有して配置されている。このため、下パネル部70の内部は、中空である。
図19(A)に示すように、ハッチングで示すように、前パネル71の主要部は、ハーフミラー71aで構成される。
同様に、後パネル72の主要部は、ハーフミラー72aで構成される。
【0086】
支持穴73は、下パネル部70が筐体2に対して、回転軸回りに回動可能に支持するための穴である。支持穴73は、下パネル部70の下側Z1の左右にそれぞれ設けられている。支持穴73は、左右方向Xに貫通している。
支持穴73は、筐体2(又は前扉3)に設けられた軸体73aに挿入されている。これにより、下パネル部70は、筐体2に対して、前後方向Yに倒れるように回動可能に支持される。
下パネル部70が回動可能な角度は、ストッパ等(図示せず)によって制限されており、数度程度である。また、下パネル部70は、バネ等の付勢部材73bによって、回転軸回りに後側Y2に付勢されている。このため、下パネル部70は、後側Y2に付勢された状態から前側Y1に数度程度倒すような操作を受け付けることができる。
【0087】
図19に示すように、下パネル電飾部75は、下パネル部70を光によって装飾する部分である。
下パネル電飾部75は、光源75a、導光板75b、シンボル発光部76を備える。
光源75a、導光板75bは、下パネル部70内部に収容されており、つまり、前パネル71及び後パネル72によって形成される内部空間に配置されている。
光源75aは、LED等の発光素子が複数設けられた光源であり、例えば、LEDテープライト等を用いることができる。また、前側Y1から見た状態において、光源75aは、前パネル71の左右縁部に沿って配置されている。
【0088】
導光板75bは、前側Y1から見た状態において、前パネル71の全周の縁部に沿って設けられている。このため、導光板75bは、複数の光源75aの光を、前パネル71の全周の縁部に導くことができる。
図19(C)に示すように、上記構成により、下パネル部70を前側Y1から観察すると、前パネル71の縁部全周に配置された導光板75bは、帯状に光るように観察される。
【0089】
ここで、前パネル71及び後パネル72の主要部は、ハーフミラー71a,72aであり、また、下パネル部70よりも後側Y2に位置する下空間部60は、遊技機1の外部よりも十分に暗い。このため、前パネル71及び後パネル72は、無限ミラーとして機能する。
これにより、帯状の導光板75bは、前側Y1から後側Y2に向けて複数層に重なって配置されているように観察される。なお、
図19(C)は、導光板75bの観察態様を模式的に図示したために、3つの帯状の像75b-1,75b-2,75b-3のみを図示したが、実際には、これよりも多くの帯状の像が観察される。なお、観察される態様は、下パネル部70を観察する際の角度によって異なる。
【0090】
図19(A)、
図19(B)に示すように、シンボル発光部76は、光源76a、シンボル部76bを備える。
光源76aは、LED等の発光素子である。光源76aは、後パネル72の後面に配置されている。
シンボル部76bは、樹脂等の成形品等である。シンボル部76bは、例えば、拡散材を含有する樹脂(例えば、乳白色の樹脂等)等であり、シンボル部76bは、光源76aの光によって発光する。
前側Y1から見た状態で、シンボル部76bは、機種名、各種記号、各種符号等のシンボルの形状(実施形態では、「ABC」の文字)に形成されている。前パネル71の主要部がハーフミラー71aであるので、下パネル部70を前側Y1から観察すると、シンボル部76bは、光源76aが消灯した状態で視認できず(
図19(A)の破線参照)、一方、光源76aが消灯した状態で視認できる(
図19(C)の実線参照)。
なお、シンボル部76bは、例えば、光源76aの光を導光板によって導く面発光装置等によって形成してもよい。
【0091】
このように、下パネル電飾部75は、複数の帯形状に発光させたり、シンボルの形状を発光させることにより、イルミネーションの効果を向上できる。
【0092】
なお、
図18に示すように、スピーカ7は、センタキャップにシンボル部76bと同様なシンボル7aを、印刷等によって設けてもよい。スピーカ7のシンボル7aは、主操作部20M及び下パネル部70間に形成される隙間を通して、前側Y1から視認できる。
センタキャップは、スピーカ7の音出力に応じて、前後に移動する。このため、遊技機1は、例えば、センタキャップが前側Y1に移動するタイミングで、シンボル発光部76を発光する等の制御をすることにより、シンボル部76b、シンボル7aを連動できるので、演出の効果を向上できる。
【0093】
図20に示すように、手検出部81(81a~81c)、電気作用部82は、遊技者の手が下空間部60に挿入される操作を受け付ける操作部(空間操作部)を構成する。
【0094】
(手検出部81:スラッシュ操作部26aに関する構成)
手検出部81は、下空間部60に挿入された遊技者の手を検出する光学センサ等の検出部である。手検出部81は、スラッシュ操作部26aを構成する部材である。
図17に示すように、3つの手検出部81a~81cが、主操作部20Mの下ケース部32の下面に、左右方向Xに並べて配置されている。手検出部81a~81cによる物体の検出範囲は、主操作部20Mの直下であり、つまり、光学センサ等の投光方向は、下側Z1である。
各手検出部81a~81cは、遊技者の手が各手検出部81a~81cの直下に位置することに応じて、検出情報を制御ユニット27に出力する。また、遊技者の手が下空間部60内を左右方向Xに移動すると、3つの手検出部81a~81cは、検出情報を制御ユニット27に順次出力する。制御ユニット27は、このように3つの手検出部81a~81cから検出情報が順次出力されたことに応じて、遊技者のスラッシュ操作を受け付けることができる。
【0095】
このように、スラッシュ操作部26aは、手を左右に払うような操作を受け付けるので、新しい態様の操作を取り入れることができる。
【0096】
図16、
図20(B)に示すように、下パネルレバー26cは、下パネル部70が前側Y1に倒されるように操作されると、下パネル部70の回動をリミットスイッチ等のセンサ(図示せず)が検出し、検出情報を制御ユニット27に対して出力する。
電気作用部82は、下空間部60に挿入された遊技者の手に対して電気的に作用する装置である。
【0097】
(電気作用部82)
図15、
図20(B)等に示すように、電気作用部82は、左右方向Xに平行にレール状に配置された2本の電極82a,82bを備える。電極82a,82bは、下パネル部70の後面から後側Y2に突出している。電極82a,82bは、下パネル部70のうち後面かつ上側Z2に配置されているので、前側Y1から視認できない。このため、遊技者は、通常は、電極82a,82bの存在に気付かない。
【0098】
図20(B)に示すように、上記構成により、下パネル部70の操作受付可能時において、下パネル部70の上辺部を手で掴んで前側Y1に引くように操作した場合等に、手がこれら2つの電極82a,82bに同時に触れることになる。この場合に、制御ユニット27が電気作用部82を動作すると、十分に安全であり非常に低い電流が手に流れるようになっている。これにより、電気作用部82は、電気的なショックを遊技者に対して与える。
このように、遊技機1は、意外性を有する操作方法を有し、また、遊技者を驚かすことができるので、操作時の興趣を向上できる。
遊技機1は、下パネルレバー26cの操作受付可能時には、その操作を促す情報(例えば「下パネルレバー26cを引け」等の主表示部4への表示)を出力してもよい。これにより、遊技機1は、遊技者に警戒されることなく、遊技者の手を電気作用部82へと誘導できる。
【0099】
図18に示すように、常温送風機90aは、下空間部60内であって、前扉3の左右の下側コーナ部にそれぞれ設けられている。常温送風機90aは、演出等に応じて前側Y1に向けて常温の空気を送風する。
高温送風機90bは、下空間部60内であって、左右の常温送風機90aの上側Z2に、それぞれ設けられている。高温送風機90bは、演出等に応じて前側Y1に向けて、温かい空気を送風する。
このように、遊技機1は、常温送風機90a、高温送風機90bの2種の送風機を設けることにより、演出の種別等に応じて、常温の空気を送風するか、温かい空気を送風するかを使い分けることができる。また、このように2種の送風機を備えることにより、常温の空気、温かい空気の送風の切り替えを、瞬時に行うことができる。さらに、常温送風機90aは、高温のおそれがないので、少ない風量の空気であっても送風できる。
なお、高温送風機90bは、常温の空気の送風機を兼用してもよい。
【0100】
以上説明したように、本実施形態の遊技機1は、従来とは異なる新しい操作態様を提供できる。
また、遊技機1は、メダルレス遊技機であるので、メダルを貯蓄するホッパ等の装置が不要である。そして、ドラムユニット12等を、ホッパ等を配置していたスペースに配置することにより、操作ユニット(主操作部20M等)を、従来よりも下側Z1に圧縮して配置できる。これにより、遊技機1は、操作ユニットよりも上側Z2に、大きなスペースを確保できるので、このスペースを利用して大きな画面を有する主表示部4等を配置できる。
【0101】
これに対して、従来の遊技機は、何れの機種であっても操作態様がほぼ同様であり、新鮮味がなかった。
また、従来の遊技機は、操作ユニットが実施形態の遊技機1よりも上側に配置されているために、大きな表示装置等を備えるものではなかった。
【0102】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。なお、前述した実施形態の各構成及び後述する変形形態の各構成は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0103】
(変形形態)
(1)実施形態において、大ボタンは、フラット状態、突出状態に駆動される例を示したが、これに限定されない。大ボタンは、例えば、電気接点を有する一般的な押ボタンによって構成されててもよい。
【0104】
(2)実施形態において、第1振動部は、主操作部に固定配置されたタッチ操作部の操作を受け付けた場合に駆動し、第2振動部は、大ボタンの操作を受け付けた場合に駆動する
例を示したが、これに限定されない。例えば、大ボタンの操作を受け付けた場合、全体押下操作部の操作を受け付けた場合、遊技状態が遊技者に有利に移行する可能性がある場合等には、第1振動部及び第2振動部の両方が駆動することにより、より大きな振動を遊技者に伝えてもよい。
【0105】
(3)実施形態において、遊技機は、メダルレスのスロットマシンである例を示したが、これに限定されない。実施形態の各構成は、例えば、メダルレスのパチンコ、玉スロなどその他の遊技機に適宜適用してもよい。また、実施形態の各構成は、実物の遊技媒体(メダル、パチンコ球等)を用いるスロットマシン、パチンコ機等の遊技機に適宜適用してもよい。
【符号の説明】
【0106】
1:遊技機
2:筐体
3:前扉
4:主表示部
11,11L,11C,11R:リール
11a:窓部
12:ドラムユニット
20:操作ユニット
20D:下操作部
20F:前操作面
20M:主操作部
20U:上操作面
21a:ベットボタン
21b:モード切替ボタン
21c:環境設定ボタン
22,22L,22C,22R:停止ボタン
23:大ボタン
25:全体押下操作部
26a:スラッシュ操作部
26c:下パネルレバー
27:制御ユニット
28:主制御基板
28a:主記憶部
28b:主制御部
29:副制御基板
29a:副記憶部
29b:副制御部
31:シャーシ部
37,37a~37f:静電容量センサ
40:大ボタンユニット
41:ボタン本体部
42:ボタンケース部
50:振動部
51:第1振動部
52:第2振動部
55:回転支軸
56:駆動部
60:下空間部
70:下パネル部
81,81a~81c:手検出部
82:電気作用部