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特開2024-70719情報処理装置、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070719
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240516BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20240516BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240516BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q10/0631
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181391
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 尚大
【テーマコード(参考)】
3C100
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA03
3C100AA16
3C100AA18
3C100AA22
3C100BB03
3C100BB05
3C100BB13
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態を抑制する。
【解決手段】プロセッサを備え、前記プロセッサは、製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材群と、の関連付けが可能であり、前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材群と、の関連付けが可能であり、
前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記製造工程と、前記機材群及び前記機材単体の一方と、の関連付けが可能であり、
前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当て、
前記製造工程と前記機材単体とが関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
複数の前記製造工程の各々と、前記機材群及び前記機材単体の各々と、を関連付けた場合において、
前記機材単体と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、
前記機材群と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
複数の前記製造工程の各々と、前記機材群及び前記機材単体の各々と、を関連付けた場合において、
前記機材群と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てた後に、
前記機材単体と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予め定められた条件は、前記複数の機材における優先度であり、
前記プロセッサは、
優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがない場合には、次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てる
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記機材群に含まれる前記機材ごとに猶予期間を設定可能であり、
前記猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てた場合に、当該製造工程の次の製造工程を、前記猶予期間を空けて、機材の稼働スケジュールに割り当てる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに、前記製造工程として、第一製造工程と第二製造工程とを割り当てた場合において、
前記第一製造工程と前記第二製造工程との各々が割り当てられた機材の前記猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点以降に、前記第一製造工程及び前記第二製造工程の次に実行される第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てる
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
複数の前記製造工程の各々を、複数の前記機材群の各々に関連付けた場合において、
前記複数の機材群の各々の機材の組み合わせのうち、前記猶予期間が最も短くなる組み合わせの前記稼働スケジュールに、前記複数の製造工程の各々を割り当てる
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記製造工程の割り当てを行う起点日時を、前記製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時とする設定が可能であり、
当該設定を行い且つ前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、当該起点日時を起点に、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記機材群に含まれる前記機材ごとに、猶予期間を設定可能であり、
割り当て対象である製造工程を実行可能な機材の前記猶予期間を加算した期間を、前記基準期間とする
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記製造工程の割り当てを行う起点となる起点日時から最初の製造工程までの猶予期間を設定可能であり、
当該猶予期間を設定した場合に、最初の製造工程を、前記猶予期間を空けて、前記機材の稼働スケジュールに割り当てる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、
製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材群と、を関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一つ又は複数の生産拠点における生産工程を経て生産される製品に対する需要を示す製品単位の情報であって、その製品の種類や顧客の前記生産拠点に対する要求を含む需要情報を取得する需要情報取得部と、前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記製品の種類や前記顧客の生産拠点に対する要求に応じたグループに分類する条件を示す生産グループ条件を取得する生産グループ条件取得部と、前記需要情報を、前記生産工程ごとに、前記生産グループ条件に基づいて分類する工程グルーピング実施部と、前記分類した需要情報について、当該需要情報に含まれる前記生産工程ごとの前記生産拠点に応じた生産ラインを割り当てて生産ルートを決定し、前記需要情報を当該生産ルートごとに集約する生産ルート集約部と、前記集約した生産ルートごとに、当該生産ルートを構成する各生産ラインに前記需要情報に基づく生産量を割り当てる生産割当部と、を備える設備計画支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6338077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置としては、プロセッサを備え、前記プロセッサは、製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な1つの機材とのみ関連付けが可能であり、前記製造工程と前記1つの機材とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記機材の稼働スケジュールに割り当てる情報処理装置が考えられる。
【0005】
当該情報処理装置では、1つの機材の稼働スケジュールが埋まっていると、製造工程を割り当てることができない場合がある。
【0006】
本開示は、プロセッサが、製品を製造する製造工程と当該製造工程を実行可能な1つの機材とのみ関連付けが可能である場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材群と、の関連付けが可能であり、前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0008】
第2態様では、第1態様において、前記プロセッサは、前記製造工程と、前記機材群及び前記機材単体の一方と、の関連付けが可能であり、前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当て、前記製造工程と前記機材単体とが関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0009】
第3態様では、第2態様において、前記プロセッサは、複数の前記製造工程の各々と、前記機材群及び前記機材単体の各々と、を関連付けた場合において、前記機材単体と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、前記機材群と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0010】
第4態様では、第2態様において、前記プロセッサは、複数の前記製造工程の各々と、前記機材群及び前記機材単体の各々と、を関連付けた場合において、前記機材群と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てた後に、前記機材単体と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0011】
第5態様では、第1態様において、前記予め定められた条件は、前記複数の機材における優先度であり、前記プロセッサは、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てる。
【0012】
第6態様では、第5態様において、前記プロセッサは、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがない場合には、次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てる。
【0013】
第7態様では、第1態様において、前記プロセッサは、前記機材群に含まれる前記機材ごとに猶予期間を設定可能であり、前記猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てた場合に、当該製造工程の次の製造工程を、前記猶予期間を空けて、機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0014】
第8態様では、第7態様において、前記プロセッサは、前記猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに、前記製造工程として、第一製造工程と第二製造工程とを割り当てた場合において、前記第一製造工程と前記第二製造工程との各々が割り当てられた機材の前記猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点以降に、前記第一製造工程及び前記第二製造工程の次に実行される第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0015】
第9態様では、第7態様において、前記プロセッサは、複数の前記製造工程の各々を、複数の前記機材群の各々に関連付けた場合において、前記複数の機材群の各々の機材の組み合わせのうち、前記猶予期間が最も短くなる組み合わせの前記稼働スケジュールに、前記複数の製造工程の各々を割り当てる。
【0016】
第10態様では、第1態様において、前記プロセッサは、前記製造工程の割り当てを行う起点日時を、前記製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時とする設定が可能であり、当該設定を行い且つ前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、当該起点日時を起点に、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0017】
第11態様では、第10態様において、前記プロセッサは、前記機材群に含まれる前記機材ごとに、猶予期間を設定可能であり、割り当て対象である製造工程を実行可能な機材の前記猶予期間を加算した期間を、前記基準期間とする。
【0018】
第12態様では、第1態様において、前記プロセッサは、前記製造工程の割り当てを行う起点となる起点日時から最初の製造工程までの猶予期間を設定可能であり、当該猶予期間を設定した場合に、最初の製造工程を、前記猶予期間を空けて、前記機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0019】
第13態様は、コンピュータに、製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材群と、を関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0020】
第1態様及び第13態様の構成によれば、プロセッサが、製品を製造する製造工程と当該製造工程を実行可能な1つの機材とのみ関連付けが可能である場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0021】
第2態様の構成によれば、製造工程が割り当てられる機材の稼働スケジュールを、特定の機材の稼働スケジュールに限定することが可能となる。
【0022】
第3態様の構成によれば、プロセッサが、機材群と関連付けられた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てた後に、機材単体と関連付けられた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの、機材単体と関連付けた製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0023】
第4態様の構成によれば、プロセッサが、機材単体と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、機材群と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの、機材群と関連付けた製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0024】
第5態様の構成によれば、プロセッサが、機材群と関連付けられた前記製造工程を、複数の機材に予め設定された優先度によらない条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材群と関連付けられた製造工程が、優先度が低い機材に割り当てられる事態が抑制される。
【0025】
第6態様の構成によれば、プロセッサが、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールにのみへ割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0026】
第7態様の構成によれば、プロセッサが複数の機材に包括して猶予期間を設定可能である場合に比べ、製造工程と次の製造工程との間の期間が不必要に空く事態が抑制される。
【0027】
第8態様の構成によれば、プロセッサが、第一製造工程と第二製造工程との各々が割り当てられた機材の前記猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点よりも前に、第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てることが可能である場合に比べ、第三製造工程を実行できない稼働スケジュールに、第三製造工程の割り当てが生じる事態が抑制される。
【0028】
第9態様の構成によれば、プロセッサが、複数の機材群の各々の機材の組み合わせのうち、猶予期間が最も短くなる組み合わせ以外の組み合わせの稼働スケジュールに、複数の製造工程の各々を割り当てることが可能な場合に比べ、製造期間が短い製造計画を立てられる。
【0029】
第10態様の構成によれば、プロセッサが、製造工程の割り当てを行う起点を、現在日時とする設定のみが可能である場合に比べ、製品の発送日時の近い時点で、製造が終了する製造計画を立てられる。
【0030】
第11態様の構成によれば、プロセッサが、猶予期間によらない期間を基準期間とする場合に比べ、製造期間が短い製造計画を立てられる。
【0031】
第12態様の構成によれば、プロセッサが、最初の製造工程を、起点日時において、機材の稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、最初の製造工程を遅らせた製造計画を立てられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本実施形態に係る製造システムの一例を示す概略図である。
図2】本実施形態に係る割り当て画面の一例を示す概略図である。
図3図2に示される割り当て画面において、設定可能な起点日時が表示された状態を示す概略図である。
図4】本実施形態に係る猶予期間設定画面の一例を示す概略図である。
図5】本実施形態に係る機材グループ設定画面の一例を示す概略図である。
図6】本実施形態に係る機材設定画面の一例を示す概略図である。
図7】本実施形態に係る製造管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図8】本実施形態に係る製造管理システムによって実行される割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る製造管理システムによって実行される工程割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】第一具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図11】第一具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図12】第一具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図13】第二具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図14】第二具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図15】第三具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図16】第四具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図17】第四具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図18】第四具体例に係る割り当て画面を示す概略図である。
図19】本実施形態に係る製造管理システムによって実行される工程割り当て処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0034】
<製造システム1>
まず、本実施形態に係る製造システム1を説明する。図1は、本実施形態に係る製造システム1を示す概略図である。
【0035】
製造システム1は、印刷物を製造するシステムである。本実施形態では、製造システム1は、印刷物の製造の受注を受け付けて、製造計画を生成し、当該製造計画に従って、機材が印刷物を製造する。
【0036】
製造対象としての印刷物は、製品の一例である。印刷物としては、例えば、書籍、冊子、及びチラシなどがある。なお、製品の一例としては、印刷物に限られず、その他の工業製品などであってもよく、機材によって製造される製品であればよい。
【0037】
製造システム1は、具体的には、図1に示されるように、複数の印刷機2と、複数の加工機4と、受注管理システム6と、表示部7と、入力部8と、製造管理システム10と、を備えている。
【0038】
製造システム1の各部は、図1に示されるように、通信回線3により接続されている。通信回線3は、例えば、有線及び無線の少なくとも一方を用いた通信回線である。無線による通信回線としては、例えば、インターネット及びイントラネットなどを用いた回線がある。以下、製造システム1の各部について説明する。
【0039】
<複数の印刷機2及び複数の加工機4>
印刷機2及び加工機4は、機材の一例である。複数の印刷機2は、記録媒体に印刷を行う機材である。複数の加工機4は、印刷が行われた記録媒体に対して、加工を行う機材である。加工機4としては、記録媒体を断裁する断裁機、記録媒体を製本する製本機、及び記録媒体に穴をあける穴あけ機などがある。
【0040】
<受注管理システム6>
受注管理システム6は、顧客から受注した印刷物の製造に関する情報(以下、製造情報という)を管理するシステムである。受注管理システム6は、顧客から印刷物の製造を受注すると、当該印刷物の製造情報を、通信回線3を通じて製造管理システム10へ送る。
【0041】
<表示部7及び入力部8>
表示部7は、ユーザへ提示する提示情報を表示する構成部である。具体的には、表示部7は、一例として、液晶ディスプレイで構成されている。なお、表示部7としては、液晶ディスプレイに限られず、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであってもよく、ユーザへ提示する提示情報を表示可能なものであればよい。
【0042】
表示部7が表示する表示画面としては、割り当て画面20(図2参照)、猶予期間設定画面40(図4参照)、機材グループ設定画面50(図5参照)及び機材設定画面60(図6参照)がある。これらの表示画面の詳細については、後述する。
【0043】
入力部8は、ユーザによる指示が入力される構成部である。具体的には、入力部8は、一例として、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボード等の入力キーによって構成されている。
【0044】
なお、入力部8としては、ポインティングデバイス及び入力キーに限られず、タッチパネルなどで構成されていてもよく、ユーザによる指示が入力可能なものであればよい。
【0045】
<割り当て画面20>
図2には、表示部7に表示される割り当て画面20の一例が示されている。
【0046】
割り当て画面20は、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てを含む各種の指示を、ユーザが入力可能な入力画面であると共に、各種の情報を示す画面である。この割り当て画面20は、スケジュール表示領域21と、ワークフロー表示領域22と、を有している。
【0047】
ワークフロー表示領域22は、製品の製造工程(すなわちワークフロー)に関する情報(以下、ワークフロー情報70という)が表示される領域である。ワークフロー情報70は、受注管理システム6から製造管理システム10へ送られた製造情報に基づき生成される。
【0048】
ワークフロー情報70には、一例として、製造される製品の種類を示す種類情報71、当該製品を構成する部品を示す部品情報72、製品を製造する製造工程を示す製造工程情報73、製造工程の流れを示す流れ情報74、及び、製造工程の所要時間を示す所要時間情報75が含まれる。
【0049】
なお、本実施形態では、一例として、製品Xが書籍(印刷物の一例)とされ、部品Aが本文とされ、部品Bが表紙とされ、部品Cが部品A(具体的には本文)及び部品B(具体的には表紙)を組み合わせたものとされる。
【0050】
また、本実施形態では、製造工程として、部品A(具体的には本文)において印刷工程1及び断裁工程1が実行され、部品B(具体的には表紙)において印刷工程2及び断裁工程2が実行され、部品C(具体的には本文及び表紙)において製本工程が実行される。なお、図2に示される割り当て画面20では、印刷工程、断裁工程、製本工程の表記において、「工程」の語が省略して表示される。
【0051】
また、図2に示される割り当て画面20では、所要時間情報75は、例えば、製造工程情報73のうち、指定された製造工程情報73についての所要時間の情報が示される。図2に示される割り当て画面20では、破線で示されるように、印刷工程1が指定されている。所要時間は、例えば、当該製造工程の実行に使用される機材の処理能力の情報、及び製造情報などから算出される。
【0052】
スケジュール表示領域21は、製造工程の製造計画(すなわち製造スケジュール)に関する情報が表示される領域である。スケジュール表示領域21は、メニュー領域23と、割り当て領域24と、を有している。
【0053】
割り当て領域24には、製造工程を示す工程情報31と、製造工程が関連付けられた関連付け先を示す関連付け先情報と、が表示される。割り当て領域24では、工程情報31が、仮想的なカードとして表示される。
【0054】
関連付け先としては、製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材グループと、機材単体と、がある。具体的には、本実施形態では、機材グループの一例としての印刷機材グループと、機材単体の一例としての印刷機A及び印刷機Bと、がある。なお、機材グループは、機材群の一例である。印刷機A及び印刷機Bなどの機材は、1つの機材グループに所属しており、複数の機材グループに所属していない。
【0055】
割り当て領域24では、工程情報31が機材グループの欄内に表示された場合に、当該製造工程の関連付け先が機材グループであることを示す。また、割り当て領域24では、工程情報31が印刷機A及び印刷機Bの一方の欄内に表示された場合に、当該製造工程の関連付け先が当該一方であることを示す。
【0056】
図2に示される割り当て領域24では、印刷工程1が、機材グループに関連付けられ、印刷工程2が、印刷機Aに関連付けられた場合が図示されている。
【0057】
なお、割り当て領域24では、例えば、ユーザが、工程情報31に対して、入力部8を通じてドラッグアンドドロップ等の移動操作を行うことにより、当該製造工程の関連付け先を変更する指示が入力可能とされている。
【0058】
さらに、割り当て領域24には、機材の稼働スケジュールを示すスケジュール情報33と、製造工程が機材の稼働スケジュールに割り当てられたか否かを示す情報と、が表示される。
【0059】
機材の稼働スケジュールは、機材が稼働するスケジュールである。本実施形態では、機材の稼働スケジュールが、日ごとに稼働する稼働期間(すなわちシフト)を一単位として生成されている。
【0060】
割り当て領域24では、スケジュール情報33として、印刷機Aの7/20から7/23までの稼働スケジュールを示すスケジュール情報33Aと、印刷機Bの7/20から7/23までの稼働スケジュールを示すスケジュール情報33Bと、が表示されている。例えば、7/20シフトとは、7/20における稼働期間(例えば、9:00~17:00)を示す。
【0061】
また、各シフトには、当該シフトにおける余力時間及び負荷率の情報が表示される。余力時間は、当該シフトにおいて機材が稼働可能な時間を示し、製造工程が当該シフトに割り当てられると、製造工程の所要時間分が減算されて表示される。負荷率は、機材の稼働期間(例えば8時間)に占める、割り当てられた製造工程の所要時間の割合を示す。したがって、後述するように、機材のシフトに製造工程の割り当てを試行した場合において、当該製造工程の所要時間が当該シフトの余力時間を超える場合は、当該シフトには空きがない状態と判定される。
【0062】
また、割り当て領域24では、工程情報31が、スケジュール情報33におけるシフトの欄内に表示された場合に、当該シフトに割り当てられたことを示し、工程情報31が、機材グループ、印刷機A及び印刷機Bのいずれかの欄内に表示された場合に、稼働スケジュールに割り当てられていない未割り当てであることを示す。
【0063】
図2に示される割り当て領域24では、印刷工程1が機材グループの欄内に表示され、印刷工程2が印刷機Aの欄内に表示されており、印刷工程1及び印刷工程2は、未割り当ての状態であることが示されている。
【0064】
なお、本実施形態では、シフトを一単位とする稼働スケジュールを用いたが、これに限られない。例えば、時間及び日にち等を一単位とする稼働スケジュールを用いてもよい。すなわち、製造管理システム10は、時間及び日にち等を一単位として、稼働スケジュールを管理する構成であってもよい。
【0065】
また、図2に示される割り当て画面20では、印刷工程に係る割り当て領域24(24A)が表示されているが、画面をスクロールすることで、断裁工程に係る割り当て領域24B、及び、製本工程に係る割り当て領域24Cを表示させることが可能とされている(図10参照)。
【0066】
割り当て領域24B(図10参照)では、関連付け先として、例えば、断裁機材グループ(機材グループの一例)と、断裁機A及び断裁機B(機材単体の一例)と、が表示される。割り当て領域24Bでは、スケジュール情報33として、例えば、断裁機Aの稼働スケジュールと、断裁機Bの稼働スケジュールとが表示される。
【0067】
割り当て領域24C(図10参照)では、関連付け先として、例えば、製本機(機材単体の一例)と、が表示される。割り当て領域24Cでは、スケジュール情報33として、製本機の稼働スケジュールが表示される。
【0068】
メニュー領域23は、ユーザが指示を入力可能なメニューが表示される領域である。具体的には、メニュー領域23には、一例として、割り当て開始ボタン81、開始日時設定ボタン82、表示期間設定ボタン(すなわち表示スケール設定ボタン83)、起点日時設定ボタン84、及び設定ボタン85が表示される。
【0069】
割り当て開始ボタン81は、ユーザが割り当て処理の実行を指示するボタンである。ユーザが、割り当て開始ボタン81に対して、入力部8を通じてクリック等の入力操作を行うことにより、製造管理システム10が割り当て処理を実行する。
【0070】
開始日時設定ボタン82は、画面に表示される機材(例えば、印刷機A及び印刷機B)の稼働スケジュールにおける表示期間の開始日時の設定を指示するボタンである。図2に示される割り当て画面20では、機材の稼働スケジュールの開始日時が、2020年7月20日に設定されている。
【0071】
表示スケール設定ボタン83は、画面に表示される機材の稼働スケジュールの期間を設定するためのボタンである。図2に示される割り当て画面20では、機材の稼働スケジュールの表示期間が、4日間に設定されている。
【0072】
起点日時設定ボタン84は、製造工程の割り当てを行う起点日時の設定を指示するためのボタンである。ユーザが、起点日時設定ボタン84に対して、入力部8を通じてプルダウン等の操作を行うことにより、図3に示されるように、設定可能な起点日時が表示され、表示された起点日時を選択する操作を行うことにより、起点日時が設定される。
【0073】
本実施形態では、例えば、起点日時として、現在日時、下版予定日時、及び、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時のいずれかを設定可能となっている。なお、例えば、起点日時として、現在日時が初期設定されている。
【0074】
設定ボタン85は、各種の設定を行う画面への移行をユーザが指示するためのボタンである。ユーザが、設定ボタン85に対して入力部8を通じてクリック等の入力操作を行うと共に画面選択操作を行うことにより、以下の猶予期間設定画面40(図4参照)、機材グループ設定画面50(図5参照)及び機材設定画面60(図6参照)に移行する。
【0075】
なお、本実施形態では、操作部として、割り当て開始ボタン81、開始日時設定ボタン82、表示スケール設定ボタン83、起点日時設定ボタン84、及び設定ボタン85等を用いたが、これに限られず、他の操作部を用いてもよく、ユーザの指示を入力可能とするものであればよい。
【0076】
<猶予期間設定画面40>
図4には、表示部7に表示される猶予期間設定画面40の一例が示されている。猶予期間設定画面40は、製造工程の割り当てを行う起点となる日時(以下、起点日時という)から最初の製造工程までの猶予期間の設定を、ユーザが指示するための画面である。
【0077】
猶予期間は、例えば、最初の製造工程を実行する前に準備期間が必要である場合に、ユーザにより設定が指示される。例えば、最初の製造工程が印刷工程である場合には、下版が完了するまでの準備期間、及び、印刷対象となる用紙を準備する準備期間等として、猶予期間を設定することが考えられる。
【0078】
猶予期間設定画面40において、ユーザが、入力部8を通じてシフト数を入力することにより、当該猶予期間の設定が指示される。具体的には、猶予期間設定画面40では、プラスボタン41(すなわち+ボタン)に対してクリック等の入力操作を行うことにより、猶予期間が増加し、マイナスボタン42(すなわち-ボタン)に対してクリック等の入力操作を行うことにより、猶予期間が低下する。本実施形態では、シフト数は、一例として、0以上200以下の範囲で設定可能とされている。本実施形態では、猶予期間は、例えば、0日が初期設定されている。
【0079】
なお、本実施形態では、猶予期間として、シフト数を入力する構成とされていたが、これに限られない。例えば、時間及び日にち等を一単位として、稼働スケジュールを管理する構成では、猶予期間として、時間及び日にち等を入力する構成とすることが可能である。
【0080】
<機材グループ設定画面50>
図5には、表示部7に表示される機材グループ設定画面50の一例が示されている。機材グループ設定画面50は、機材グループに関する設定を、ユーザが指示するための画面である。
【0081】
機材グループ設定画面50では、一例として、機材グループのグループ名称の設定、機材グループに所属する機材の設定、及び、機材グループにおける機材の優先度の設定の指示が可能とされている。具体的には、例えば、機材グループ設定画面50において、ユーザが入力部8を通じてグループ名称を入力することにより、機材グループのグループ名称の設定が指示される。
【0082】
機材グループ設定画面50では、一例として、機材グループに所属する機材の設定が、以下のように指示される。例えば、機材グループ設定画面50において、機材一覧の機材を選択すると共に追加ボタン51に対してクリック等の入力操作を行うことにより、当該機材グループへの機材の追加が指示される。また、当該機材グループに所属する機材(すなわち「所属する機材」欄に表示された機材)を選択すると共に削除ボタン52に対してクリック等の入力操作を行うことにより、当該機材グループからの機材の削除が指示される。
【0083】
機材グループ設定画面50では、一例として、「所属する機材」欄における機材の並び順によって、優先度の設定が指示される。本実施形態では、例えば、「所属する機材」欄において、最上に配置された機材が、優先度が最も高く、上方側から下方側へ向かう順にしたがって機材の優先度が低くなっている。
【0084】
そして、例えば、機材グループ設定画面50において、ユーザがドラッグアンドドロップ等の移動操作を行うことにより、「所属する機材」欄における機材の並び順を調整することにより、機材グループにおける機材の優先度の設定が指示される。
【0085】
<機材設定画面60>
図6には、表示部7に表示される機材設定画面60の一例が示されている。機材設定画面60は、機材に関する設定を、ユーザが指示するための画面である。
【0086】
機材設定画面60では、一例として、機材における次工程までの猶予期間の設定の指示が可能とされている。猶予期間は、例えば、当該機材を用いて製造工程が実行された場合に、猶予期間を空けて次の製造工程を実行することが望まれる場合に、ユーザにより設定が指示される。例えば、機材が印刷機である場合には、画像の乾燥や定着等のために猶予期間を設定することが考えられる。
【0087】
機材設定画面60において、ユーザが、入力部8を通じてシフト数を入力することにより、当該猶予期間の設定が指示される。具体的には、機材設定画面60では、プラスボタン61(すなわち+ボタン)に対してクリック等の入力操作を行うことにより、猶予期間が増加し、マイナスボタン62(すなわち-ボタン)に対してクリック等の入力操作を行うことにより、猶予期間が低下する。本実施形態では、シフト数は、一例として、0以上200以下の範囲で設定可能とされている。
【0088】
このように、本実施形態では、機材グループに含まれる機材ごとに猶予期間を設定可能とされている。また、本実施形態では、猶予期間は、例えば、0日が初期設定されている。
【0089】
なお、機材設定画面60では、機材グループに所属する機材を含む機材の各々に対して、当該猶予期間を含む各種の設定が可能とされている。また、本実施形態では、猶予期間として、シフト数を入力する構成とされていたが、これに限られない。例えば、時間及び日にち等を一単位として、稼働スケジュールを管理する構成では、猶予期間として、時間及び日にち等を入力する構成とすることが可能である。
【0090】
<製造管理システム10>
製造管理システム10は、情報処理装置の一例であって、印刷物の製造を管理するシステムであり、印刷物の製造計画を生成する。具体的には、製造管理システム10は、受注管理システム6から取得した製造情報に基づき、印刷物の製造計画を生成し、当該製造計画に従って、印刷機2及び加工機4に印刷物を製造させる。
【0091】
具体的には、製造管理システム10は、コンピュータとしての機能を備え、図1に示されるように、プロセッサ11と、ストレージ12と、メモリ13と、を有している。
【0092】
プロセッサ11としては、例えば、汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)が用いられる。ここで、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、前述のCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0093】
また、実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0094】
ストレージ12は、処理プログラム12Aを含む各種プログラムと、各種データと、を格納する。ストレージ12は、具体的には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記録装置により実現される。また、ストレージ12は、1つで構成される場合に限られず、物理的に離れた位置に設けられた複数で構成されるものであってもよい。なお、処理プログラム12Aは、情報処理プログラムの一例である。
【0095】
メモリ13は、プロセッサ11が各種プログラムを実行するための作業領域であり、プロセッサ11が処理を実行する際に一時的に各種プログラム又は各種データを記録する。プロセッサ11は、ストレージ12から処理プログラム12Aを含む各種プログラムをメモリ13に読み出し、メモリ13を作業領域としてプログラムを実行する。
【0096】
製造管理システム10において、CPU11は処理プログラムを実行することにより、予め定められた処理を実行する各種の機能を実現する。以下、ハードウェア資源としてのCPU11とソフトウェア資源としての処理プログラムの協働によって実現される機能構成について説明する。
【0097】
図7は、本実施形態に係る製造管理システム10の機能構成の一例を示すブロック図である。製造管理システム10は、一例として、図7に示されるように、取得部91と、設定部92と、関連付け部93と、割り当て部94と、表示制御部95と、備えている。
【0098】
取得部91は、受注管理システム6から送られた製造情報、及び、入力部8を通じて入力された指示情報を取得する。入力部8を通じて入力された指示情報としては、割り当て画面20(図2参照)、猶予期間設定画面40(図4参照)、機材グループ設定画面50(図5参照)及び機材設定画面60(図6参照)において入力された指示情報がある。
【0099】
設定部92は、猶予期間設定画面40(図4参照)において入力された指示情報に基づき、製造工程の割り当てを行う起点となる起点日時から最初の製造工程までの猶予期間を設定する。
【0100】
さらに、設定部92は、機材設定画面60(図6参照)において入力された指示情報に基づき、機材グループに所属する機材を含む機材ごとに、猶予期間を設定する。
【0101】
また、設定部92は、割り当て画面20(図2参照)において入力された指示情報に基づき、製造工程の割り当てを行う起点日時を、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時とする設定を行う。当該基準期間は、一例として、割り当て対象である製造工程を実行可能な機材の猶予期間を加算した期間とされる。
【0102】
関連付け部93は、製造情報及び指示情報に基づき、製造工程を機材グループ又は機材単体に関連付ける。例えば、印刷工程に係る割り当て領域24A(図10参照)では、関連付け部93は、例えば、製造情報及び指示情報に基づき、印刷工程1及び印刷工程2の各々を、印刷機材グループ、印刷機A及び印刷機Bのいずれかに関連付ける。断裁工程に係る割り当て領域24B(図10参照)では、関連付け部93は、例えば、製造情報及び指示情報に基づき、断裁工程1及び断裁工程2の各々を、断裁機材グループ、断裁機A及び断裁機Bのいずれかに関連付ける。製本工程に係る割り当て領域24C(図10参照)では、関連付け部93は、例えば、製造情報及び指示情報に基づき、製本工程を、製本機に関連付ける。
【0103】
このように、本実施形態では、関連付け部93は、製造工程と、機材グループ及び機材単体の一方との関連付けが可能となっている。
【0104】
割り当て部94は、関連付け部93が製造工程と機材グループとを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、機材グループに所属する複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0105】
前述の予め定められた条件は、機材グループに所属する複数の機材における優先度であり、割り当て部94は、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに製造工程を割り当てる。
【0106】
また、割り当て部94は、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがない場合には、次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに製造工程を割り当てる。
【0107】
また、割り当て部94は、関連付け部93が製造工程と機材単体とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0108】
また、割り当て部94は、関連付け部93が複数の製造工程の各々と、機材グループ及び機材単体の各々と、を関連付けた場合において、機材単体と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、機材グループと関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0109】
設定部92が起点日時から最初の製造工程までの猶予期間を設定した場合に、割り当て部94は、最初の製造工程を、猶予期間を空けて機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0110】
割り当て部94は、猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに製造工程を割り当てた場合に、当該製造工程の次の製造工程を、猶予期間を空けて、機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0111】
割り当て部94は、猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに、製造工程として、第一製造工程と第二製造工程とを割り当てた場合において、第一製造工程と第二製造工程との各々が割り当てられた機材の猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点以降に、第一製造工程及び第二製造工程の次に実行される第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0112】
設定部92が、製造工程の割り当てを行う起点日時を、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時とする設定を行うと共に、関連付け部93が、製造工程を機材グループに関連付けた場合に、割り当て部94は、当該製造工程を、当該起点日時を起点に複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0113】
表示制御部95は、表示部7の表示を制御する機能部である。この表示制御部95は、割り当て画面20(図2参照)、猶予期間設定画面40(図4参照)、機材グループ設定画面50(図5参照)及び機材設定画面60(図6参照)などの表示画面を表示させる制御を行う。また、表示制御部95は、関連付け部93による関連付け結果、及び、割り当て部94による割り当て結果に基づき、工程情報31を表示部7に表示させる。
【0114】
<本実施形態に係る割り当て処理>
次に、本実施形態に係る割り当て処理の一例について説明する。図8及び図9は、製造管理システム10によって実行される割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0115】
本処理は、プロセッサ11が、ストレージ12から処理プログラム12Aを読み出し、実行することにより行なわれる。本処理は、一例として、プロセッサ11が、割り当て処理の実行が指示された場合に(すなわち、割り当て開始ボタン81が操作された場合に)、実行が開始される。
【0116】
プロセッサ11は、図8に示されるように、本処理を開始すると、まず、起点日時からの最初の製造工程までの猶予期間の情報を取得する(ステップS101)。なお、起点日時としては、前述のように、現在日時、下版予定日時、及び、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時のいずれかが設定されている。
【0117】
次に、プロセッサ11は、起点日時から猶予期間を空けた日を割り当て開始日とする(ステップS102)。
【0118】
次に、プロセッサ11は、割り当て開始日が発送日前であるか否か判定する(ステップS103)。
【0119】
プロセッサ11は、割り当て開始日が発送日を過ぎている判定した場合に(ステップS103:NO)、製造工程の割り当てを行わずに、本処理を終了する。なお、この場合では、工程情報31は、機材グループ、印刷機A及び印刷機Bのいずれかの欄内に表示され、未割り当ての状態であることが示される。
【0120】
プロセッサ11は、割り当て開始日が発送日前であると判定した場合に(ステップS103:YES)、最初の製造工程について、機材の稼働スケジュールに割り当てる処理(以下、工程割り当て処理という)を実行する(ステップS104)。本実施形態では、最初の製造工程は、印刷機材グループ又は印刷機(具体的には印刷機A、B)に関連付けられた印刷工程(具体的には印刷工程1及び印刷工程2)である。
【0121】
なお、製造工程として、複数の工程が並列に実行される場合には、製造工程には、当該複数の工程が含まれる。本実施形態では、最初の製造工程として、印刷工程1及び印刷工程2が並列に実行されるため、最初の製造工程には、印刷工程1及び印刷工程2が含まれる。
【0122】
工程割り当て処理では、図9に示されるように、プロセッサ11は、割り当て対象となる製造工程(以下、対象製造工程という)として、機材単体(本実施形態では印刷機A、B)に関連付けた製造工程が存在するか否かを判定する(ステップS201)。
【0123】
プロセッサ11は、機材単体に関連付けた製造工程が存在すると判定した場合(ステップS201:YES)、ステップS202へ移行し、機材単体に関連付けた製造工程が存在しないと判定した場合には(ステップS201:NO)、ステップS205へ移行する。
【0124】
ステップS202では、プロセッサ11は、対象製造工程が関連付けられた機材であって割り当て対象となる機材(以下、対象機材という)の稼働スケジュールにおいて、割り当て開始日以降であって発送日前に空きがあるか否かを判定する。
【0125】
プロセッサ11は、対象機材の稼働スケジュールにおいて、割り当て開始日以降であって発送日前に空きがあると判定した場合に(ステップS202:YES)、稼働スケジュールにおいて、割り当て開始日以降であって発送日前における最早の空きに対して、対象製造工程を割り当てて(ステップS203)、ステップS204へ移行する。
【0126】
プロセッサ11は、割り当て対象である機材の稼働スケジュールにおいて、割り当て開始日時以降であって発送日前に空きがないと判定した場合に(ステップS202:NO)、対象製造工程の割り当ては行わずに、ステップS204へ移行する。
【0127】
ステップS204では、プロセッサ11は、機材単体に関連付けた製造工程において、工程割り当て処理を試行していない製造工程があるか判定する。
【0128】
プロセッサ11は、機材単体に関連付けた製造工程において、工程割り当て処理を試行していない製造工程があると判定した場合に(ステップS204:YES)、当該製造工程について、ステップS202を実行する。
【0129】
プロセッサ11は、機材単体に関連付けた製造工程において、工程割り当て処理を試行していない製造工程がないと判定した場合に(ステップS204:NO)、ステップS205へ移行する
【0130】
ステップS205では、プロセッサ11は、機材グループに関連付けた製造工程が存在するか否かを判定する。プロセッサ11は、機材グループに関連付けた製造工程が存在すると判定した場合(ステップS205:YES)、ステップS206へ移行し、機材グループに関連付けた製造工程が存在しないと判定した場合には(ステップS205:NO)、最初の製造工程について、工程割り当て処理を終了し、ステップS105(図8参照)へ移行する。
【0131】
ステップS206では、プロセッサ11は、割り当て開始日において、機材グループにて優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがあるか否かを判定する。
【0132】
プロセッサ11は、割り当て開始日において、機材グループにて優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがあると判定した場合に(ステップS206:YES)当該稼働スケジュールの割り当て開始日に、対象製造工程を割り当て(ステップS207)、ステップS215へ移行する。
【0133】
プロセッサ11は、割り当て開始日において、機材グループにて優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがないか否かを判定した場合に(ステップS206:NO)、割り当て開始日において、機材グループにて次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがあるか否かを判定する(ステップS208)。
【0134】
プロセッサ11は、割り当て開始日において、機材グループにて次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがあると判定した場合に(ステップS208:YES)、当該稼働スケジュールの割り当て開始日に、対象製造工程を割り当て(ステップS209)、ステップS215へ移行する。
【0135】
プロセッサ11は、割り当て開始日において、機材グループにて次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがないと判定した場合に(ステップS208:NO)、工程割り当て処理を試行していない機材が機材グループにあるか否かを判定する(ステップS210)。
【0136】
プロセッサ11は、工程割り当て処理を試行していない機材が機材グループにあると判定した場合に(ステップS210:YES)、ステップS211へ移行し、工程割り当て処理を試行していない機材が機材グループにないと判定した場合に(ステップS210:NO)、ステップS213へ移行する。
【0137】
ステップS211では、プロセッサ11は、割り当て開始日において、工程割り当て処理を試行していない機材のうち、最も優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがあるか否かを判定する。
【0138】
プロセッサ11は、割り当て開始日において、工程割り当て処理を試行していない機材のうち、最も優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがあると判定した場合に(ステップS211:YES)、当該稼働スケジュールの割り当て開始日に、対象製造工程を割り当て(ステップS212)、ステップS215へ移行する。
【0139】
プロセッサ11は、割り当て開始日において、工程割り当て処理を試行していない機材のうち、最も優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがないと判定した場合に(ステップS211:NO)、ステップS210へ戻る。
【0140】
ステップS213では、割り当て開始日に1日(1シフト)を加算した日を、割り当て開始日とした後、割り当て開始日が、発送日前であるか否か判定する(ステップS214)。
【0141】
プロセッサ11は、割り当て開始日が発送日を過ぎている判定した場合に(ステップS214:NO)、製造工程の割り当てを行わずに、本処理を終了し、ステップS105へ移行する。
【0142】
プロセッサ11は、割り当て開始日が発送日前であると判定した場合に(ステップS214:YES)、ステップS206へ移行する。
【0143】
ステップS215では、プロセッサ11は、機材グループに関連付けた製造工程において、工程割り当て処理を試行していない製造工程があるか判定する。
【0144】
プロセッサ11は、機材グループに関連付けた製造工程において、工程割り当て処理を試行していない製造工程があると判定した場合に(ステップS215:YES)、当該製造工程について、ステップS206を実行する。
【0145】
プロセッサ11は、機材グループに関連付けた製造工程において、工程割り当て処理を試行していない製造工程がないと判定した場合に(ステップS215:NO)、本処理を終了し、ステップS105へ移行する。
【0146】
ステップS105では、プロセッサ11は、対象製造工程の次の製造工程があるか否かを判定する。プロセッサ11は、次の製造工程があると判定した場合に(ステップS105:YES)、対象製造工程が割り当てられた機材のシフトに、当該機材に設定された猶予期間を加算した日を割り当て開始日とし(ステップS106)、当該次の製造工程について、工程割り当て処理を実行する(ステップS104)。
【0147】
なお、ステップS106では、対象製造工程が割り当てられた機材のシフトに、当該機材に設定された猶予期間を加算した日が、複数ある場合には、最も遅い日を割り当て開始日とする。
【0148】
本実施形態では、次の製造工程は、断裁機材グループ又は断裁機(具体的には断裁機A、B)に関連付けられた断裁工程(具体的には断裁工程1及び断裁工程2)である。次の製造工程についての工程割り当て処理は、最初の製造工程についての工程割り当て処理と同様に行われるため、説明を省略する。
【0149】
プロセッサ11は、次の製造工程がないと判定した場合に(ステップS105:NO)、本処理を終了する。
【0150】
<割り当て処理の第一具体例>
第一具体例では、図10に示されるように、プロセッサ11は、最初の製造工程としての印刷工程1及び印刷工程2を、機材グループとしての印刷機材グループに関連付けている。また、第一具体例では、プロセッサ11は、印刷工程1、2の次の製造工程としての断裁工程1及び断裁工程2を、機材グループとしての断裁機材グループに関連付けている。さらに、第一具体例では、プロセッサ11は、断裁工程1、2の次の製造工程としての製本工程を、製本機に関連付けている。なお、製本機は、機材グループに未所属となっている。
【0151】
第一具体例では、プロセッサ11により、以下のように各種の設定がなされているものとする。すなわち、第一具体例では、起点日時として現在日時が設定されている。なお、現在日時が7/20であり、発送予定日は、7/25以降であるものとする。さらに、第一具体例では、起点日時から最初の製造工程までの猶予期間が0シフト(0日)に設定され、全ての機材において、機材における次工程までの猶予期間が0シフト(0日)に設定されている。
【0152】
第一具体例では、印刷機材グループにおいて、優先度が最も高い機材として、印刷機Aが設定され、次に優先度が高い機材として、印刷機Bが設定されている。また、第一具体例では、断裁機材グループにおいて、優先度が最も高い機材として、断裁機Aが設定され、次に優先度が高い機材として、断裁機Bが設定されている。
【0153】
なお、図10図18では、割り当て画面20における、印刷工程に係る割り当て領域24Aと、断裁工程に係る割り当て領域24Bと、製本工程に係る割り当て領域24Cと、が図示されている。また、図10図18では、印刷工程1、印刷工程2、断裁工程1、断裁工程2及び製本工程の各工程は、仮想的なカードである工程情報31として表示されている。
【0154】
そして、割り当て処理の実行が指示された場合では、プロセッサ11は、まず、最初の製造工程である印刷工程1、2の工程割り当て処理を実行する。第一具体例では、起点日時として現在日時が設定され、起点日時から最初の製造工程までの猶予期間が0シフトに設定されているため、現在日時の7/20が、印刷工程1、2における割り当て開始日となる。
【0155】
図11に示されるように、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程1を割り当てる。さらに、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程2を割り当てる。
【0156】
ここで、シフトに空きがある場合とは、当該シフトにおける余力時間が、製造工程の所要時間以上である場合であり、シフトに空きがない場合とは、当該シフトにおける余力時間が、製造工程の所要時間未満となった場合である。
【0157】
次に、プロセッサ11は、印刷工程1、2の次の製造工程である断裁工程1、2の工程割り当て処理を実行する。第一具体例では、全ての機材において、機材における次工程までの猶予期間が0シフトに設定されているため、断裁工程における割り当て開始日は、印刷工程1、2が割り当てられた7/20となる。
【0158】
図11に示されるように、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/20シフトに断裁工程1を割り当てる。さらに、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/20シフトに断裁工程2を割り当てる。
【0159】
次に、プロセッサ11は、断裁工程1、2の次の製造工程である製本工程の工程割り当て処理を実行する。第一具体例では、全ての機材において、機材における次工程までの猶予期間が0シフトに設定されているため、製本工程における割り当て開始日は、断裁工程1、2が割り当てられた7/20となる。
【0160】
図11に示されるように、製本機の7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、製本機の7/20シフトに製本工程を割り当てる。
【0161】
例えば、図12に示されるように、印刷工程1が印刷機Aの7/20シフトに割り当てられたことで、印刷機Aの7/20シフトに空きがなくなった場合では、次に優先度が高い印刷機Bの7/20シフトに空きがある場合に、プロセッサ11は、印刷機Bの7/20シフトに印刷工程2を割り当てる。
【0162】
さらに、図12に示されるように、断裁機Aの7/20シフト及び断裁機Bの7/20シフトに空きがない場合では、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/21シフトに空きがある場合に、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程1を割り当てる。
【0163】
また、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/21シフトに空きがある場合に、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程2を割り当てる。仮に、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/21シフトにも空きがない場合では、プロセッサ11は、断裁機材グループにおいて次に優先度が高い断裁機Bの7/21シフトに空きがある場合に、断裁工程2の7/21シフトに断裁工程2を割り当てる。
【0164】
この場合では、製本工程における割り当て開始日は、断裁工程1、2が割り当てられた7/21となり、製本機の7/21シフトに空きがある場合に、プロセッサ11は、製本機の7/21シフトに製本工程を割り当てる。
【0165】
以上のように、第一具体例では、プロセッサ11は、製造工程と機材グループとを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、機材グループに所属する複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0166】
このため、プロセッサ11が、製造工程と1つの機材とのみ関連付けが可能である場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0167】
前述の予め定められた条件は、機材グループに所属する複数の機材における優先度であり、プロセッサ11は、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに製造工程を割り当てる。
【0168】
このため、プロセッサ11が、機材グループと関連付けられた製造工程を、複数の機材に予め設定された優先度によらない条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材グループと関連付けられた製造工程が、優先度が低い機材に割り当てられる事態が抑制される。
【0169】
また、プロセッサ11は、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがない場合には、次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに製造工程を割り当てる。
【0170】
このため、プロセッサ11が、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールにのみへ割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0171】
<割り当て処理の第二具体例>
第二具体例では、図13に示されるように、プロセッサ11は、印刷工程1を印刷機材グループに関連付け、印刷工程2を印刷機Aに関連付けている。なお、第二具体例では、その他の条件については、第一具体例と同様とされている。
【0172】
第二具体例において、割り当て処理の実行が指示された場合では、図14に示されるように、まず、プロセッサ11は、機材単体の一例としての印刷機Aに関連付けた印刷工程2の工程割り当て処理を実行する。図13に示されるように、印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程2を割り当てる。
【0173】
次に、プロセッサ11は、印刷機材グループに関連付けた印刷工程1の工程割り当て処理を実行する。
【0174】
図13に示されるように、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程1を割り当てる。
【0175】
仮に、印刷工程2が印刷機Aの7/20シフトに割り当てられたことで、印刷機Aの7/20シフトに空きがなくなった場合では、次に優先度が高い印刷機Bの7/20シフトに空きがある場合に、プロセッサ11は、印刷機Bの7/20シフトに印刷工程1を割り当てる。
【0176】
第二具体例では、断裁工程1、2及び製本工程については、第一具体例と同様に、割り当て処理が実行される。
【0177】
以上のように、第二具体例では、プロセッサ11は、製造工程と機材単体とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0178】
このため、製造工程が割り当てられる機材の稼働スケジュールを、特定の機材の稼働スケジュールに限定することが可能となる。すなわち、プロセッサ11が、製造工程と機材グループとのみ関連付けが可能とされた場合では、製造工程が割り当てられる機材の稼働スケジュールを、特定の機材の稼働スケジュールに限定することができない。
【0179】
また、第二具体例では、プロセッサ11は、複数の製造工程の各々と、機材グループ及び機材単体の各々と、を関連付けた場合において、機材単体と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、機材グループと関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる。
【0180】
このため、プロセッサ11が、機材グループと関連付けられた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てた後に、機材単体と関連付けられた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの、機材単体と関連付けた製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0181】
なお、第二具体例では、プロセッサ11は、機材単体の一例としての印刷機Aに関連付けた印刷工程2の工程割り当て処理を実行した後に、印刷機材グループに関連付けた印刷工程1の工程割り当て処理を実行したが、これに限られない。例えば、プロセッサ11は、印刷機材グループに関連付けた印刷工程1の工程割り当て処理を実行した後に、機材単体の一例としての印刷機Aに関連付けた印刷工程2の工程割り当て処理を実行する構成であってもよい。
【0182】
この場合では、プロセッサ11が、機材単体と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、機材グループと関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの、機材グループと関連付けた製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0183】
<割り当て処理の第三具体例>
第三具体例では、起点日時から最初の製造工程までの猶予期間が1シフトに設定されている。なお、第三具体例では、その他の条件については、第一具体例と同様とされている。
【0184】
第三具体例において、割り当て処理の実行が指示された場合では、まず、プロセッサ11は、最初の製造工程である印刷工程1、2の工程割り当て処理を実行する。
【0185】
第三具体例では、起点日時として現在日時が設定され、起点日時から最初の製造工程までの猶予期間が1シフトに設定されているため、現在日時に1シフト分(1日分)を加算した7/21が、印刷工程1、2の割り当て開始日となる。
【0186】
図15に示されるように、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/21シフトに印刷工程1を割り当てる。さらに、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/21シフトに印刷工程2を割り当てる。
【0187】
次に、プロセッサ11は、印刷工程1、2の次の製造工程である断裁工程1、2の工程割り当て処理を実行する。第三具体例では、全ての機材において、機材における次工程までの猶予期間が0シフトに設定されているため、断裁工程における割り当て開始日は、印刷工程1、2が割り当てられた7/21となる。
【0188】
図15に示されるように、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程1を割り当てる。さらに、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程2を割り当てる。
【0189】
次に、プロセッサ11は、断裁工程1、2の次の製造工程である製本工程の工程割り当て処理を実行する。第三具体例では、全ての機材において、機材における次工程までの猶予期間が0シフトに設定されているため、製本工程における割り当て開始日は、断裁工程1、2が割り当てられた7/21となる。
【0190】
図11に示されるように、製本機の7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、製本機の7/21シフトに製本工程を割り当てる。
【0191】
以上のように、第三具体例では、プロセッサ11は、起点日時から最初の製造工程までの猶予期間を設定した場合に、最初の製造工程を、猶予期間を空けて機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0192】
このため、プロセッサ11が、最初の製造工程を、起点日時において、機材の稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、最初の製造工程を遅らせた製造計画を立てられる。
【0193】
<割り当て処理の第四具体例>
第四具体例では、各機材において、例えば、以下のように、機材における次工程までの猶予期間が設定されている。
【0194】
印刷機A:1シフト
印刷機B:2シフト
断裁機A:2シフト
断裁機B:1シフト
なお、第四具体例では、その他の条件については、第一具体例と同様とされている。
【0195】
第四具体例において、割り当て処理の実行が指示された場合では、まず、プロセッサ11は、最初の製造工程である印刷工程1、2の工程割り当て処理を実行する。第四具体例では、起点日時として現在日時が設定され、起点日時から最初の製造工程までの猶予期間が0シフトに設定されているため、現在日時の7/20が、印刷工程1、2における割り当て開始日となる。
【0196】
図16に示されるように、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程1を割り当てる。さらに、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程2を割り当てる。
【0197】
次に、プロセッサ11は、印刷工程1、2の次の製造工程である断裁工程1、2の工程割り当て処理を実行する。第四具体例では、印刷機Aにおける次工程までの猶予期間が1シフトに設定されているため、断裁工程における割り当て開始日は、印刷工程1、2が割り当てられた7/20の翌日の7/21となる。
【0198】
図16に示されるように、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程1を割り当てる。さらに、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程2を割り当てる。
【0199】
次に、プロセッサ11は、断裁工程1、2の次の製造工程である製本工程の工程割り当て処理を実行する。第四具体例では、断裁機Aにおける次工程までの猶予期間が2シフトに設定されているため、製本工程における割り当て開始日は、断裁工程1、2が割り当てられた7/21の翌々日の7/23となる。
【0200】
図16に示されるように、製本機の7/23シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、製本機の7/23シフトに製本工程を割り当てる。
【0201】
例えば、図17に示されるように、印刷工程1が印刷機Aの7/20シフトに割り当てられたことで、印刷機Aの7/20シフトに空きがなくなった場合では、次に優先度が高い印刷機Bの7/20シフトに空きがある場合に、プロセッサ11は、印刷機Bの7/20シフトに印刷工程2を割り当てる。
【0202】
この場合では、印刷機Bにおける次工程までの猶予期間が2シフトに設定されているため、断裁工程における割り当て開始日は、印刷工程2が割り当てられた7/20の翌々日の7/22となる。
【0203】
すなわち、印刷工程1(第一製造工程の一例)の割り当てられた印刷機Aの猶予期間の終了時点(7/21)と、印刷工程2(第二製造工程の一例)の割り当てられた印刷機Bの猶予期間の終了時点(7/22)のうち、最も遅い終了時点を割り当て開始日(7/22)とし、断裁工程(第三製造工程の一例)の工程割り当て処理が実行される。
【0204】
図17に示されるように、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/22シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/22シフトに断裁工程1を割り当てる。さらに、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/22シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/22シフトに断裁工程2を割り当てる。
【0205】
次に、プロセッサ11は、断裁工程1、2の次の製造工程である製本工程の工程割り当て処理を実行する。第四具体例では、断裁機Aにおける次工程までの猶予期間が2シフトに設定されているため、製本工程における割り当て開始日は、断裁工程1、2が割り当てられた7/22の翌々日の7/24となる。
【0206】
図17に示されるように、製本機の7/24シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、製本機の7/24シフトに製本工程を割り当てる。
【0207】
以上のように、第四具体例では、プロセッサ11は、機材グループに所属する機材を含む機材ごとに猶予期間を設定し、猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに製造工程を割り当てた場合に、当該製造工程の次の製造工程を、猶予期間を空けて、機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0208】
このため、プロセッサ11が複数の機材に包括して猶予期間を設定可能である場合に比べ、製造工程と次の製造工程との間の期間が不必要に空く事態が抑制される。
【0209】
また、第四具体例では、プロセッサ11は、猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに、製造工程として、第一製造工程と第二製造工程とを割り当てた場合において、第一製造工程と第二製造工程との各々が割り当てられた機材の猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点以降に、第一製造工程及び第二製造工程の次に実行される第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てる。
【0210】
このため、プロセッサ11が、第一製造工程と第二製造工程との各々が割り当てられた機材の前記猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点よりも前に、第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てることが可能である場合に比べ、第三製造工程を実行できない稼働スケジュールに、第三製造工程の割り当てが生じる事態が抑制される。
【0211】
以上のように、第四具体例に係る断裁工程1、2の工程割り当て処理では、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機が断裁機Aであるため、断裁機Aに対して最初に割り当てが試行された。しかしながら、断裁機Aの猶予期間が、2シフトとされ、断裁機Bの猶予期間が、1シフトとされているため、断裁機Aに製造工程を割り当てた場合、製造期間が長くなる場合がある。
【0212】
そこで、複数の製造工程の各々を、複数の機材グループの各々に関連付けた場合において、複数の機材グループの各々の機材の組み合わせのうち、猶予期間が最も短くなる組み合わせの稼働スケジュールに、複数の製造工程の各々を割り当てるようにしてもよい。
【0213】
ここで、第四具体例では、印刷機材グループの印刷機A、Bと、断裁機材グループの断裁機A、Bとの組み合わせのうち、印刷機Aと断裁機Bとの組み合わせが、猶予期間が最も短くなる組み合わせとなる。したがって、第四具体例では、図18に示されるように、印刷工程1、2を印刷機Aの稼働スケジュールに割り当て、断裁工程1、2を印刷機Bの稼働スケジュールに割り当てることで、猶予期間が最も短くなる組み合わせの稼働スケジュールに複数の製造工程の各々を割り当てるようにしてもよい。
【0214】
この場合では、プロセッサ11が、複数の機材群の各々の機材の組み合わせのうち、猶予期間が最も短くなる組み合わせ以外の組み合わせの稼働スケジュールに、複数の製造工程の各々を割り当てることが可能な場合に比べ、製造期間が短い製造計画を立てられる。
【0215】
なお、この場合では、断裁機Bにおける次工程までの猶予期間が1シフトに設定されているため、製本工程における割り当て開始日は、断裁工程1、2が割り当てられた7/21の翌日の7/22となる。
【0216】
図18に示されるように、製本機の7/22シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、製本機の7/22シフトに製本工程を割り当てる。
【0217】
<割り当て処理の第五具体例>
第五具体例では、起点日時として、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時が設定されている。第五具体例では、当該基準期間が、割り当て対象である製造工程を実行可能な機材の猶予期間を加算した期間とされている。
【0218】
第五具体例では、各機材において、例えば、以下のように、機材における次工程までの猶予期間が設定されている。
【0219】
印刷機A:1シフト
印刷機B:2シフト
断裁機A:2シフト
断裁機B:1シフト
製本機:1シフト
さらに、第五具体例では、発送予定日が7/24とされている。なお、第五具体例では、その他の条件については、第一具体例と同様とされている。
【0220】
第五具体例において、割り当て処理の実行が指示された場合では、まず、プロセッサ11は、最初の製造工程である印刷工程1、2の工程割り当て処理を実行する。第五具体例では、起点日時として、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時が設定されているため、印刷工程1、2における割り当て開始日が、以下のように算出される。
【0221】
印刷機A又は印刷機Bの猶予期間と、断裁機A又は断裁機Bの猶予期間と、製本機の猶予期間とが加算された期間を基準期間とする。具体的には、例えば、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い機材である印刷機Aの猶予期間(1シフト)と、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い機材である断裁機Aの猶予期間(2シフト)と、製本機の猶予期間(1シフト)を加算した期間(4シフト)を基準期間とする。
【0222】
そして、発送日時(7/24)から、基準期間(4シフト)遡った起点日時(7/20)を印刷工程1、2における割り当て開始日とする。
【0223】
第五具体例では、図16に示されるように、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程1を割り当てる。さらに、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/20シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、印刷機Aの7/20シフトに印刷工程2を割り当てる。
【0224】
次に、プロセッサ11は、印刷工程1、2の次の製造工程である断裁工程1、2の工程割り当て処理を実行する。第四具体例では、印刷機Aにおける次工程までの猶予期間が1シフトに設定されているため、断裁工程における割り当て開始日は、印刷工程1、2が割り当てられた7/20の翌日の7/21となる。
【0225】
図16に示されるように、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い断裁機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程1を割り当てる。さらに、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い印刷機Aの7/21シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、断裁機Aの7/21シフトに断裁工程2を割り当てる。
【0226】
次に、プロセッサ11は、断裁工程1、2の次の製造工程である製本工程の工程割り当て処理を実行する。第四具体例では、断裁機Aにおける次工程までの猶予期間が2シフトに設定されているため、製本工程における割り当て開始日は、断裁工程1、2が割り当てられた7/21の翌々日の7/23となる。
【0227】
図16に示されるように、製本機の7/23シフトに空きがあるため、プロセッサ11は、製本機の7/23シフトに製本工程を割り当てる。
【0228】
以上のように、第五具体例では、プロセッサ11は、製造工程の割り当てを行う起点を、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時とする設定が可能となっている。このため、プロセッサ11が、製造工程の割り当てを行う起点を、現在日時とする設定のみが可能である場合に比べ、製品の発送日時の近い時点で、製造が終了する製造計画を立てられる。
【0229】
また、第五具体例では、プロセッサ11は、割り当て対象である製造工程を実行可能な機材の前記猶予期間を加算した期間を、基準期間としている。
【0230】
このため、プロセッサ11が、猶予期間によらない期間を基準期間とする場合に比べ、製造期間が短い製造計画を立てられる。
【0231】
なお、前述のように、印刷機材グループにおいて優先度が最も高い機材である印刷機Aの猶予期間(1シフト)と、断裁機材グループにおいて優先度が最も高い機材である断裁機Aの猶予期間(2シフト)と、製本機の猶予期間(1シフト)を加算した期間(4シフト)を基準期間としたが、これに限られない。印刷機A又は印刷機Bの猶予期間と、断裁機A又は断裁機Bの猶予期間と、製本機の猶予期間との組み合わせのうち、例えば、加算期間が最も短くなる期間を基準期間としてもよいし、加算期間が最も長くなる期間を基準期間としてもよい。
【0232】
<変形例>
本実施形態では、プロセッサ11は、複数の製造工程の各々と、機材グループ及び機材単体の各々と、を関連付けた場合において、機材単体と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、機材グループと関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てていたが、これに限られない。例えば、プロセッサ11は、複数の製造工程の各々と、機材グループ及び機材単体の各々と、を関連付けた場合において、機材グループと関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てた後に、機材単体と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる構成であってもよい。
【0233】
具体的には、例えば、図19に示されるように、工程割り当て処理において、ステップS201~S204に先立って、ステップS205が実行される。
【0234】
さらに、プロセッサ11が、ステップS205において、機材グループに関連付けた製造工程が存在しないと判定した場合(ステップS205:NO)、ステップS214において、割り当て開始日が発送日を過ぎている判定した場合(ステップS214:NO)、及び、ステップS215において、工程割り当て処理を試行していない製造工程がないと判定した場合に(ステップS215:NO)に、ステップS201へ移行する。
【0235】
本実施形態では、プロセッサ11は、製造工程と、機材グループ及び機材単体の一方との関連付けが可能となっていたが、これに限られない。例えば、プロセッサ11は、製造工程と、機材グループのみとの関連付けが可能である構成であってもよい。
【0236】
本実施形態では、プロセッサ11は、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに製造工程を割り当てていたが、これに限られない。例えば、プロセッサ11は、機材グループと関連付けられた製造工程を、複数の機材に予め設定された優先度によらない条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる構成であってもよい。
【0237】
また、プロセッサ11は、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがない場合には、次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに製造工程を割り当てていたが、これに限られない。例えば、プロセッサ11が、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールにのみへ割り当てる構成であってもよい。
【0238】
本実施形態では、プロセッサ11は、機材グループに所属する機材を含む機材ごとに猶予期間を設定可能とされていたが、これに限られない。例えば、プロセッサ11が複数の機材(例えば機材グループ毎)に包括して猶予期間を設定可能である構成であってもよい。
【0239】
本実施形態では、プロセッサ11は、製造工程の割り当てを行う起点を、製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時とする設定が可能となっていたが、これに限られない。例えば、プロセッサ11が、製造工程の割り当てを行う起点を、現在日時又は下版予定日時とする設定のみが可能である構成であってもよい。
【0240】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0241】
<付記>
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材群と、の関連付けが可能であり、
前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる
情報処理装置。
【0242】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記製造工程と、前記機材群及び前記機材単体の一方と、の関連付けが可能であり、
前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当て、
前記製造工程と前記機材単体とが関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0243】
(((3)))
前記プロセッサは、
複数の前記製造工程の各々と、前記機材群及び前記機材単体の各々と、を関連付けた場合において、
前記機材単体と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、
前記機材群と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0244】
(((4)))
前記プロセッサは、
複数の前記製造工程の各々と、前記機材群及び前記機材単体の各々と、を関連付けた場合において、
前記機材群と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てた後に、
前記機材単体と関連付けた前記製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0245】
(((5)))
前記予め定められた条件は、前記複数の機材における優先度であり、
前記プロセッサは、
優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てる
(((1)))~(((4)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0246】
(((6)))
前記プロセッサは、
優先度が最も高い機材の稼働スケジュールに空きがない場合には、次に優先度が高い機材の稼働スケジュールに空きがある場合に、当該稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てる
(((5)))に記載の情報処理装置。
【0247】
(((7)))
前記プロセッサは、
前記機材群に含まれる前記機材ごとに猶予期間を設定可能であり、
前記猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに前記製造工程を割り当てた場合に、当該製造工程の次の製造工程を、前記猶予期間を空けて、機材の稼働スケジュールに割り当てる
(((1)))~(((6)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0248】
(((8)))
前記プロセッサは、
前記猶予期間が設定された機材の稼働スケジュールに、前記製造工程として、第一製造工程と第二製造工程とを割り当てた場合において、
前記第一製造工程と前記第二製造工程との各々が割り当てられた機材の前記猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点以降に、前記第一製造工程及び前記第二製造工程の次に実行される第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てる
(((7)))に記載の情報処理装置。
【0249】
(((9)))
前記プロセッサは、
複数の前記製造工程の各々を、複数の前記機材群の各々に関連付けた場合において、
前記複数の機材群の各々の機材の組み合わせのうち、前記猶予期間が最も短くなる組み合わせの前記稼働スケジュールに、前記複数の製造工程の各々を割り当てる
(((7)))に記載の情報処理装置。
【0250】
(((10)))
前記プロセッサは、
前記製造工程の割り当てを行う起点日時を、前記製品の発送日時から予め定められた基準期間を遡った起点日時とする設定が可能であり、
当該設定を行い且つ前記製造工程と前記機材群とを関連付けた場合において、当該製造工程を、当該起点日時を起点に、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる
(((1)))~(((9)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0251】
(((11)))
前記プロセッサは、
前記機材群に含まれる前記機材ごとに、猶予期間を設定可能であり、
割り当て対象である製造工程を実行可能な機材の前記猶予期間を加算した期間を、前記基準期間とする
(((10)))に記載の情報処理装置。
【0252】
(((12)))
前記プロセッサは、
前記製造工程の割り当てを行う起点となる起点日時から最初の製造工程までの猶予期間を設定可能であり、
当該猶予期間を設定した場合に、最初の製造工程を、前記猶予期間を空けて、前記機材の稼働スケジュールに割り当てる
(((1)))~(((11)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0253】
(((13)))
コンピュータに、
製品を製造する製造工程と、当該製造工程を実行可能な複数の機材を含む機材群と、を関連付けた場合において、当該製造工程を、予め定められた条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【0254】
(((1)))及び(((13)))の構成によれば、プロセッサが、製品を製造する製造工程と当該製造工程を実行可能な1つの機材とのみ関連付けが可能である場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0255】
(((2)))の構成によれば、製造工程が割り当てられる機材の稼働スケジュールを、特定の機材の稼働スケジュールに限定することが可能となる。
【0256】
(((3)))の構成によれば、プロセッサが、機材群と関連付けられた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てた後に、機材単体と関連付けられた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの、機材単体と関連付けた製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0257】
(((4)))の構成によれば、プロセッサが、機材単体と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、当該機材の稼働スケジュールに割り当てた後に、機材群と関連付けた製造工程を、予め定められた条件に基づき、複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの、機材群と関連付けた製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0258】
(((5)))の構成によれば、プロセッサが、機材群と関連付けられた前記製造工程を、複数の機材に予め設定された優先度によらない条件に基づき、前記複数の機材のいずれかの稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、機材群と関連付けられた製造工程が、優先度が低い機材に割り当てられる事態が抑制される。
【0259】
(((6)))の構成によれば、プロセッサが、優先度が最も高い機材の稼働スケジュールにのみへ割り当てる場合に比べ、機材の稼働スケジュールへの製造工程の割り当てができなくなる事態が抑制される。
【0260】
(((7)))の構成によれば、プロセッサが複数の機材に包括して猶予期間を設定可能である場合に比べ、製造工程と次の製造工程との間の期間が不必要に空く事態が抑制される。
【0261】
(((8)))の構成によれば、プロセッサが、第一製造工程と第二製造工程との各々が割り当てられた機材の前記猶予期間の終了時点のうち、最も遅い終了時点よりも前に、第三製造工程を、機材の稼働スケジュールに割り当てることが可能である場合に比べ、第三製造工程を実行できない稼働スケジュールに、第三製造工程の割り当てが生じる事態が抑制される。
【0262】
(((9)))の構成によれば、プロセッサが、複数の機材群の各々の機材の組み合わせのうち、猶予期間が最も短くなる組み合わせ以外の組み合わせの稼働スケジュールに、複数の製造工程の各々を割り当てることが可能な場合に比べ、製造期間が短い製造計画を立てられる。
【0263】
(((10)))の構成によれば、プロセッサが、製造工程の割り当てを行う起点を、現在日時とする設定のみが可能である場合に比べ、製品の発送日時の近い時点で、製造が終了する製造計画を立てられる。
【0264】
(((11)))の構成によれば、プロセッサが、猶予期間によらない期間を基準期間とする場合に比べ、製造期間が短い製造計画を立てられる。
【0265】
(((12)))の構成によれば、プロセッサが、最初の製造工程を、起点日時において、機材の稼働スケジュールに割り当てる場合に比べ、最初の製造工程を遅らせた製造計画を立てられる。
【符号の説明】
【0266】
1 製造システム
2 印刷機
3 通信回線
4 加工機
6 受注管理システム
7 表示部
8 入力部
10 製造管理システム
11 プロセッサ
12 ストレージ
12A 処理プログラム
13 メモリ
20 割り当て画面
21 スケジュール表示領域
22 ワークフロー表示領域
23 メニュー領域
24、24A、24B、24C割り当て領域
31 工程情報
33、33A、33B スケジュール情報
40 猶予期間設定画面
41 プラスボタン
42 マイナスボタン
50 機材グループ設定画面
51 追加ボタン
52 削除ボタン
60 機材設定画面
61 プラスボタン
62 マイナスボタン
70 ワークフロー情報
71 種類情報
72 部品情報
73 製造工程情報
74 流れ情報
75 所要時間情報
81 割り当て開始ボタン
82 開始日時設定ボタン
83 表示スケール設定ボタン
84 起点日時設定ボタン
85 設定ボタン
91 取得部
92 設定部
93 関連付け部
94 割り当て部
95 表示制御部
図1
図2
図3
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