(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070763
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20240516BHJP
E04H 3/08 20060101ALI20240516BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20240516BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20240516BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240516BHJP
B63B 35/44 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
E04H1/12 307
E04H3/08 C
E04B1/343 Q
E04B1/348 X
B65G1/00 511Z
B63B35/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022192344
(22)【出願日】2022-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000183680
【氏名又は名称】出張 宣明
(71)【出願人】
【識別番号】303010681
【氏名又は名称】出張 浩康
(71)【出願人】
【識別番号】318016870
【氏名又は名称】出張 みち子
(71)【出願人】
【識別番号】319012738
【氏名又は名称】山崎 嶺
(71)【出願人】
【識別番号】315003756
【氏名又は名称】山崎 麻依子
(72)【発明者】
【氏名】出張 宣明
(72)【発明者】
【氏名】出張 浩康
(72)【発明者】
【氏名】出張 みち子
(72)【発明者】
【氏名】山崎 嶺
(72)【発明者】
【氏名】山崎 麻依子
(72)【発明者】
【氏名】松島 龍太郎
【テーマコード(参考)】
2E025
3F022
【Fターム(参考)】
2E025CA03
2E025CB05
2E025CC03
2E025CC06
3F022BB01
3F022MM51
(57)【要約】
【課題】激甚化した水害に被災しても浮かんで水没しない。トラック荷台の両側にはみ出して積載し、被災地まで滑落事故も無く運送して、不陸な地盤面に水平に設置する。被災者に救援物資を配布後、医療施設に使う災害救援フロ-トシェルタ-を提供する。
【解決手段】浮体構造の台船櫓フレ-ムに防水艤装するため水没しない。トラックで急カ-ブや悪路を走行時、荷台の両側からジャッキ座板で横滑を阻止して滑落事故を起こさず安全に運送する。段差ある地盤面に荷下ろしと同時に、ジャッキ座板に挿入したベ-スジャッキで調節し水平に設置する。被災者に防災用品備蓄庫の救援物資を配布後、災害救援フロ-トシェルタ-使うため、ベット兼保管棚は取り外し分離して病床ベットに使い、空いた庫内は災害派遣医療チ-ムが被災後の医療拠点となる、医療救護所や被災者の病室に使い、敏速な救命医療活動により、激甚化災害による関連死を防ぐ。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台船枠(4)の舟底部(10)側に設けた、複数個のジャッキ座板(29)を有した、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫(1)であって、前記ジャッキ座板(29)には、ベ-スジャッキ(42)が係合する挿入穴部(46)を有し、前記挿入穴(46)の直上に浸水防止パイプ(47)を設けていることを特徴とする災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫。
【請求項2】
前記災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫(1)の庫内部(16)に、取り外して分離が可能な2段から3段積み重ねた、ベット兼保管棚(32)を有することを特徴とする請求項1に記載の災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫は洪水、高潮、津波など激甚化した水害に被災しても浮かんで水没せず、避難警報で避難する住民を収容し命を守る災害救援フロ-トシェルタ-として療救護所や病室などに使う災害医療分野に関する。
災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫箱をトラックの荷台から両側にはみ出して積載しても、横滑落下事故を起こさず、安全に移動ができる運送分野に関する。
森林内放置のスギ大径木を造船の艤装に活用した、地域再生の新規創出による地方創生で劣化した森林資源を回復させ、森林資源の恩恵を将来世代に与え、森林の土砂災害防止、水資源の涵養、地球温暖化防止、森林の公益的機能による緑の国土強靱化分野に関する。
【背景技術】
【0002】
海に囲まれた美しい日本列島は、国土の14%が低地で、その約70%の水没想定地域に国民の約半数が暮らし、日本総資産の75%が集中した、水害で沈む水没列島です。
総務省によると、災害時に必要な物資の備蓄に関する行政評価の監査結果報告書では、激甚化災害が発生すると、人的被害や物的被害が想定されるため、国では、災害時の初動対応から初期対応を敏速で的確に行い業務継続性を確保するため、非常時優先業務等の実施に必要な救援物資の備蓄状況調査報告書では、各府省の地下又は一階の洪水や津波などで水没する場所に災害対策救援物資が備蓄されていました。備蓄物資保管適正化の対策として、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫が必要とされてきました。
【0003】
線上降水帯から殺人級の激烈豪雨で堤防を越えた津波洪水による水没。巨大台風で押し寄せる大海嶺による水没。首都直下地震で堤防が破壊された地震洪水による水没。南海トラフ地震が誘発する大津波による水没など、激甚化する様々な水没に備えて飲食物資、医療物資、生活物資など災害対策救援物資の備蓄庫が設置されていますが海上コンテナや鋼製プレハブが殆どで、被災すると水没して災害対策救援物資が水に濡れて使用できず、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫に備蓄する必要がありました。
【0004】
被災地まで災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫を大型トラック荷台から両側にはみ出して積載した状態で、走行中に滑落事故を起こさず安全に運送し、荷台から荷卸しと同時に、段差ある地盤面に水平に設置する。被災者に救援物資を配付の後は、ベット兼保管棚を取り外し分離して病床ベットに使う。空いた庫内は、被災地医療救護所として、災害派遣医療チ-ムが平時並の緊急医療活動が行える仮設救護所の他、腎臓透析者やウイルス感染重篤者の仮設病室等に使用することが要望されていました。
【0005】
特許文献1の防災用品保管庫は太陽光と風力発電、気象情報を把握する防災システムを備えている。特許文献2の医療用コンテナは光触媒と空気フイルタ-を備えてる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許6225084号公報
【特許文献2】特許6787618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の防災用品保管庫と特許文献2の医療用コンテナは、洪水や津波等に被災すると水没し、救援物資や医療設備が水に濡れ全機能が停止する問題がありました。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み開発したもので、水害に被災しても浮かんで水没しない。被災地までトラックで安全に運送し、荷卸しと同時に段差がある地盤に水平に設置する。
被災者に救援物資を配付した後、災害救援フロ-トシェルタ-に使用して、災害派遣医療チ-ムが平時並の緊急医療活動が行える医療救護所の他、腎臓透析者やウイルス感染重篤者の病室に使い、敏速な災害医療活動により、激甚災害による関連死を削減する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫は上記目的を達成するため第1の解決手段を講じた。すなわち、台船枠の舟底に複数個のジャッキ座板を設けた、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫であって、舟底部に設けたジャッキ座板には、ベ-スジャッキが係合する挿入穴を有し、挿入穴の直上には、浸水防止パイプを設けて、舟底部から挿入穴を介して庫内部に浸水する漏水を防いでいる。
【0010】
更に、被災地まで災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫を大型トラックの荷台から両側にはみ出して積載しても、荷台上での横滑移動をジャッキ座板で阻止して滑落事故を起こさず安全に運送し、トラックの荷台から荷下しと同時に、ジャッキ座板に挿入するベ-スジャッキで微調整して、水平に設置できることを特徴としている。
【0011】
本発明の災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫は上記目的を達成するため第2解決手段を講じた。すなわち、庫内部の2段から3段に接合金具を介し積み重ねたベット兼保管棚を取り外し分離させて病床ベッドに使い、空いた庫内部は災害救護所や仮設医療診療に使用する他、腎臓透析者やウイルス感染者の病室に使い、災害派遣医療チ-ムによる、平時と同等の敏速な救命医療活動が行えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明で得られる効果は以下に示す通りである。災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫は水害の被災時には浮かんで水没しないため、庫内に備蓄した飲食物資、医療物資、生活物資、設備機器が水に濡れず、全ての機能が維持できる。災害で段差のある地盤面に、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫を大型トラックの荷台から荷下しすると同時に、ベ-スジャッキで微調整して水平に設置することができる。
【0013】
災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫に備蓄の飲食物資、医療物資、生活物資などの救援物資を被災者に配付した後は、庫内部に設置した2段から3段のベット兼保管棚を取り外して、分離させて病床ベットに使用する。空いた庫内部は、災害救護所の他、腎臓透析者やウイルス感染重篤者の病室に使用して、災害派遣医療チ-ムが敏速な救命医療活動が行えるため、被災者の災害による関連死を大幅に削減できる。
【0014】
激甚化した激烈豪雨による津波洪水、海底地震による津波などの避難警報発令時は、高齢者や要支援者は体力的な限界と避難中に被災して溺死する危険がありました。更に、夜間では暗くて避難場所まで避難することが困難なため、近辺に設置された災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫の中に、高齢者や要支援者、近隣住民が避難して水害に被災しても、浮かんで水没しないため、避難者の尊い命を守ることができる。
【0015】
道交法施行令の改正により、制限外積載許可の申請が必要なく、大型トラックで横幅3000mm以下まで積載制限が緩和された。大型トラック荷台から両側に250mmづつはみ出して3000mm以下に積載し、激甚災害で被災した悪路を走行中に荷台からの滑落事故を、荷台の両側からジャッキ座板で阻止して、滑落事故なく安全に運送できる。
国土交通省の指導で横幅3000mm以下で建造すると廃棄物が大幅に削減できる。
【0016】
中山間地域等の集落存在地、沿岸地域、島嶼部では、地震による津波や集中豪雨による斜面崩壊や海岸浸食などの激震災害が発生した場合、地形的条件により交通網が寸断して地域外や島外への交通アクセスから遮断され、孤立した集落がしばしば発生しています。
災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫を自衛隊など諸機関が所有する大型ヘリコプタ-から吊り下げ、激震災害で孤立した被災集落に、災害救援の飲食物資、医療物資、生活物資を一括して緊急空輸し、敏速に被災者まで届けることができる。
【0017】
災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫の庫内に、近隣住民が避難して洪水や津波に被災すると浮かんで海洋に流され、漂流中に大きな波を被っても重心の低い構造で転覆したり沈没しない。漂流中に燃え盛る浮遊物と衝突しても、箱舟櫓にスギ板と不燃材で構成した、フレームモノコック構造によるハイブリット艤装で、類焼したり破壊されない。外部色は、視認性の良いインタ-ナショナルオレンジで、上空から捜査中の航空機から早期に発見されて救助されるため、収容した住民の尊い命を守ることができる。
【0018】
国土面積の67%が森林でうち約4割は50年前に植林された、直径30cm以上のスギ大径木が占め、建築様式の変化で需要も無く、山林に放置され森林の循環サイクルを滞らせ、自然災害の被害を広げる最大要因となており、新たな需要の開拓が急務でした。
洪水、津波、地震など激甚災害の被災地では、被災者の働く場所が必要なため、地域の山林内に放置されたスギ大径木を大量に使い、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫の製造を、被災住民の雇用に繋げて具体的に地域を再生して活性化できる。
【0019】
過疎化が急速に進行する中山間地域で、過疎地を活性化させて地域を再生するため、高齢大工との共同作業時に懇切丁寧な指導を受けながら、子育て女性、障害者、高齢者が災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫の製造に携わり、山林放置のスギ大径木を大量に使用することで、持続可能な形の林業経営ができ山林が維持管理されるため、土砂災害の防止、水資源の涵養、地球温暖化防止など森林が持つ公益的機能を向上させる緑の国土強靱化の促進で、国土保全に貢献して、SDGsを推進することができる。
【0020】
線上降水帯から殺人級の激烈な豪雨が起因する土砂災害や河川氾濫による津波洪水。巨大台風が起因する大海嘯による高潮洪水。必ず来る南海トラフ地震が起因する津波では高さ35m前後の津波が発生しその到達時間が静岡県、和歌山県、高知県では3分以内。三重県、徳島県では5分以内。愛知県では9分以内。愛媛県、大分県、宮崎県では29分以内に到達し、推定される死傷者数は33万人で溺死による死傷者数が29万人と公表されました。激甚化する洪水、高潮、津波による水害の被災地域に、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫を設置して、水害による溺死者を削減することができる。
【0021】
首都地直下地震により、荒川と江戸川の堤防が同時破壊された場合の地震洪水では、氾濫流による洪水が2週間以上続き、水深10mに達する地域が発生し、最大250万人前後の避難が必要とされている。激甚化した水害で孤立した首都住民の救出や避難支援、救援物資の運搬などでは、経験したことのない規模の敏速な救援活動と事前の対策が必要である。水没する地域に災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫を設置して、今後起きる、首都地直下地震で激甚化する水害対策に有効活用することができる。
【0022】
阪神淡路大震災、東日本大震災では初期医療体制の遅れにより、平時並の救命医療レベルの医療が提供できれば、救命できた災害関連死が多数発生しました。この教訓により医師と看護師及び業務調整員で構成された災害派遣医療チ-ム(DMAT)が、激甚災害被災地で救命医療活動に最も必要な災害救護所の外、腎臓透析者やウイルス感染重篤者の病室に、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫で対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の箱舟枠と甲板枠を剛接合した箱舟櫓フレ-ムの斜視図である。
【
図2】台舟櫓フレ-ムにスギ板や耐火ボ-ド等を艤装施工する斜視図である。
【
図3】水平設置の状態と庫内部の縦断正面図である。
【
図4】トラックの荷台に積載した縦断側面図である。
【
図5】腎臓透析者病室に使用した横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫の実施例を
図1に基づいて詳細に説明する。箱舟櫓フレ-ムの外寸は長さ9148mm、幅2990mm、高さ2850mm、水線面積27平米の台船は、板厚6mm鋼板の舷側材20を平行に配置し直交する方向で両端部に舷渡板21を配置し、船底部10に舷渡材21と平行に舟底梁22を5本配置して舟底部10の全面を舟底鋼板26で塞ぎ溶接して台舟枠4となる。
甲板枠5の構成は、梁側材23を平行に配置して直交する方向で両端部に梁渡材24を配置して甲板部13側に梁渡材24と平行に甲板梁25を5本配置し溶接して甲板枠5となる。台船枠4と甲板枠5の接合は、箱舟枠4の上側4隅に4本の隅柱17の下側と舷桁板20の上側に4本の間柱18の下側を溶接して、隅柱17と間柱18の上端に甲板枠5を重ね、甲板枠5の下4隅に4本の隅柱17の上側と、舷梁材23下側に4本の間柱18の上側を溶接して箱舟枠4と甲板枠5とが剛接合された、重量鉄骨ラ-メン構造による、浮体構造形式の箱舟櫓フレ-ム2のため、靱性と艤装する際の自由度が高い。
【0025】
台舟櫓フレ-ム2に外装材をモノコック艤装する施工の実施例を
図2に基づいて詳細に説明する。スギ壁板27とスギ甲板28は需要のない直径300mm以上のスギ大径木を長さ3000mm、板厚35mm、幅210mmで400枚製材し、含水率20%前後に乾燥後、両側面に凸型と凹型の溝加工を施したスギ板をモノコック外装材として使う。
台船櫓フレ-ム2の庫内部16から、スギ壁板27の接合部に接着剤を塗りステン木ネジで固定する。甲板部13の上側から、スギ甲板28の接合部に接着剤を塗りステン木ネジで甲板枠5に固定する。庫外部15側から、スギ壁板27とスギ甲板28の全面にアルミ蒸着断熱シ-ト51を敷設し、板厚6mmの耐火ボ-ド30をステン木ネジで固定し、船底部以外の5面をFRP樹脂49で防水皮膜塗装する、フレ-ムモノコック構造による堅牢なハイブリット艤装で、耐水性・耐火性・耐衝撃性などが飛躍的に向上する。
【0026】
舟底部からの漏水を防止する方法。段差のある地盤面に水平に設置する方法。庫内部の配置を
図3に基づいて詳細に説明する。箱舟枠4の舟底部10の4隅と舷側の間柱位置には、舟底部10からの漏水を防止するため、上端部を塞いだ浸水防止パイプ47と一体になったジャッキ座板29を溶接し、ベ-スジャッキ42の挿入穴46を介して、庫内部16に漏水する水を浸水防止パイプ47で遮断している。そのため、緊急時医療施設に使い浮く災害救援物資備蓄箱舟1は、水害に被災しても浮かぶため、庫内部16に備蓄された災害救援物資や設備機器などが水に濡れず、全ての機能を維持することができる。
【0027】
被災地まで安全に運送してトラックの荷台56から荷下すると同時に、舟底部10に設けたジャッキ座板29の挿入穴46にベ-スジャッキ42の主軸を挿入し、主軸に螺合したハンドルナット50で微調整して、災害により段差ある地盤面55に災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫1を水平に設置できる。設置後の災害により地盤面55に段差が生じて災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫が傾いても、ハンドルナット50で微調整して簡単に水平に修復できる。更に、地盤面55が液状化しても、緊急時医療施設に使い浮く災害救援物資備蓄箱舟1は、フレ-ムモノコック構造による浮力を有するハイブリット艤装により、液状化した地盤面55には沈み込まない。
【0028】
水線面積27平米の庫内部16は床上部11の4平米がサニタリ-部8で浴槽33、トイレ34、洗面台35を内装のユニットバスが設置される。残り23平米がメディカル部7で、災害救援物資を収納する幅910mm、長さ2100mmの病床ベット57を、接合金具39を介して3台積み重ねたベット兼保管棚32が、片側に2台反対側に2台が設置され、被災者に災害救援物資を配付した後は、12名の被災者が就寝できる。レスキュ-シェルタ-に使用するには、3台積み重ねたベット兼保管棚32を取り外して単独の病床ベット57に分解し、空いた庫内部16は、被災地医療救護所に使用できる。
【0029】
庫内部16の床下部12には、高さ450mmの床下収蔵部9が設けられ、非常用電源装置38、圧送粉砕タンク52が設置されている、圧送粉砕タンク52の中で排泄物を粉砕しながら、排水管53の逆流防止弁54を介して庫外部15に排出し、庫内部16への逆流を阻止する。更に、水害に被災して海洋まで流され、海洋を漂流中に津波や横波を被っても、排水管53から庫内部16に流入する海水を逆流防止弁54で阻止するため、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫1の庫内部16に海水が流入しない。
【0030】
災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫1を、大型トラッック荷台56に積載した、運送状態を
図4に基づいて詳細に説明する。庫内部16の両側に設置されたベット兼保管棚32に飲食物資、医療物資、生活物資などの災害救援物資が収納されている。災害時は直ちに車幅2500mm大型のトラック荷台56から両側に250mmづつはみ出して横幅3000mm以下に積載し、激震災害の被災地までの運送中に交差点や急カ-ブした道路を走行中に発生する遠心力で、トラック荷台56上での横滑移動を箱舟枠4の船底部10に設けたジャッキ座板29が、トラック荷台56の両側面部に接触して横滑移動を阻止するため、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫1は、大型トラック荷台56から横滑による滑落事故も起こさず、被災地まで安全確実に運送できる。
緊急対策や国民保護措置を敏速・円滑に実施するために、被災地までの緊急運送では、公安委員会に届け出た、災害時における緊急通行車両等事前届出により、確認時の申請書に添付する書類や審査が省略でき、標章及び確認証明書の交付時間が短縮される。
【0031】
災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫1を激甚災害の被災地で災害救護所以外に、腎臓透析患者やウイルス感染症重篤患者が利用する病室に使用した実施例を
図5に基づいて詳細に説明する。水線面積27平米の庫内部16は、床上部11の片側4平米がサニタリ-部8で、浴槽33、トイレ34、洗面台35が内装されたユニットバスと多目的流し台36が設置されている。残り23平米がメディカル部7で、医療用カ-テン58で仕切った通路60と3床の病床61が確保されている、各病床にはベット兼保管棚32を3分割した幅910mm、長さ2100mm、床高500mmの病床ベット57が設置されている。大規模な激甚化災害の被災地で災害派遣医療チ-ムが、災害救援フロ-トシェルタ-に使う防災用品備蓄庫1を、被災地で医療拠点となる災害救護診療所の他、被災者の病室などに使用して、平時並の医療行為と同等の救命緊急医療活動が行えるため被災者の災害による関連死を大幅に削減することができる。更に、医師や看護師が治療でウイルス汚染された体をユニットバスのシャワ-で洗浄消毒することかができる。
【符号の説明】
【0032】
1 災害救援フロ-トシェルタ- 10 舟底部 39 接合金具
に使う防災用品備蓄庫 15 庫外部 42 ベ-スジャッキ
2 台舟枠フレ-ム 17 隅柱 46 挿入穴
4 台舟枠 27 スギ壁板 47 浸水防止パイプ
5 甲板枠 29 ジャッキ座板 56 トラック荷台
7 メディカル部 32 ベット兼保管棚 57 病床ベット